JPH08551B2 - 弾性クローラ用芯金及び弾性クローラ - Google Patents

弾性クローラ用芯金及び弾性クローラ

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JPH08551B2
JPH08551B2 JP4265031A JP26503192A JPH08551B2 JP H08551 B2 JPH08551 B2 JP H08551B2 JP 4265031 A JP4265031 A JP 4265031A JP 26503192 A JP26503192 A JP 26503192A JP H08551 B2 JPH08551 B2 JP H08551B2
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吉郎 上野
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オーツタイヤ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム等の弾性材料から
なる無端帯状の弾性クローラ用の芯金及び弾性クローラ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種弾性クローラ用芯金及び弾性クロ
ーラとしては、弾性材料からなる無端帯状のクローラ本
体内に、左右一対の案内突起を有する芯金が帯長手方向
に所定の間隔で埋設されることで芯金間に駆動輪の係合
孔を形成していると共に、スチールコード等の抗張体が
埋設され、クローラ本体外周面に各芯金の部に対応し
て夫々ラグが設けられたものが知られている。
【0003】そして、本体の中央部に相当する左右に帯
長手方向に離された一対の案内突起を有し、この一対の
案内突起間に開口を形成し、この芯金を本体に埋設する
ことで前記開口に本体と一体となった弾性突起を前記案
内突起間に形成したものがある(特開平4−2583号
公報で開示の第9図、第10図参照)。 この従来技術で
は、芯金案内突起の頂面端に転輪等の荷重がかかると、
頂面中央に比べて縦たわみが大きく、機体が沈み込むと
き、案内突起間の弾性突起で転輪上下振動を抑制できる
という利点を有するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では、帯状本体に埋設される芯金間で駆動輪(スプロッ
ト)の係合孔が形成されており、この係合孔の配列であ
ると係合孔のピッチが長くなりすぎて駆動爪の係脱機会
が少なく円滑な回走ができ難いという課題があった。
【0005】一方、前記係合孔のピッチを小さく形成し
ようとすれば、芯金間隔を狭くして芯金を埋設する必要
があり、これでは重量増大を招くという課題があった。
そこで本発明は、芯金の形状を改良することによって、
転輪上下振動を抑制しつつ駆動スプロケットの爪の係合
機会を多くすることで確実な回走ができる弾性クローラ
用芯金及び弾性クローラを提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、弾性材料から
なる無端帯状の本体内に帯長手方向の間隔を有して埋設
される芯金であって、その中央部の左右に帯長手方向に
離された一対の案内突起を有し、この一対の案内突起間
に開口を形成している弾性クローラ用芯金において、前
述の目的を達成するために次の技術的手段を講じてい
る。
【0007】すなわち、請求項1に係る本発明の芯金
は、前記一対の案内突起の左右を互いに連結する帯長手
方向に離れた一対の係止部を備え、該一対の係止部間に
駆動爪の係合孔を形成していることを特徴とするもので
ある。 また、請求項2に係る本発明の芯金は、前記請求
項1に加えて、前記一対の案内突起の左右に翼部を本体
の幅方向に延伸して備えている弾性クローラ用芯金にお
いて、前記左右の翼部のそれぞれにはその延伸方向に長
く形成された凹部を備え、該凹部を介して延伸方向に伸
びるリブが形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】更に本発明は、その中央部の左右に帯長手
方向に離された一対の案内突起を有し、この一対の案内
突起間に開口を形成している芯金を、弾性材料からなる
無端帯状の本体内に帯長手方向の間隔を有して埋設する
ことで前記芯金間に駆動爪の係合孔を形成しているとと
もに、前記開口に本体と一体化された弾性突起を備えて
いる弾性クローラにおいて、前述の目的を達成するため
に次の技術的手段を講じている。
【0009】すなわち、請求項3に係る本発明の弾性ク
ローラは、前記一対の案内突起の左右を互いに連結する
帯長手方向に離れた一対の係止部を備え、該一対の係止
部間に、前記係合孔とは別の係合孔を形成していること
を特徴とするものである。 また、請求項4の係る本発明
の弾性クローラは、請求項3に加えて、前記芯金は前記
一対の案内突起の左右に本体の幅方向に延伸する翼部を
備え、該左右の翼部のそれぞれには延伸方向に長く形成
された凹部を備え、該凹部を介して延伸方 向に伸びるリ
ブが形成されており、該左右の翼部を本体内に埋設して
いることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明によれば、芯金を帯状本体の帯長手方向
の間隔を有して埋設することにより、帯長手方向で隣り
合う芯金間に駆動爪の係合孔が形成されるとともに、芯
金における一対の案内突起の左右を互いに連結する一対
の係止部間の係合孔も併せて形成される。
【0011】故に、係合孔のピッチは、芯金間で形成さ
れる係合孔間に芯金に形成した係止孔が位置することで
小ピッチとなって、駆動爪の係脱機会が多くなって、帯
状本体を帯長手方向に回走することが円滑となる。
た、芯金の左右翼部には凹部とリブを形成することで本
体に埋設したときの接着力が増大し、芯金の係止部に駆
動爪が係脱を繰返しても芯金の剥離は確実に防止され
る。
【0012】更に、案内突起間に形成した開口には弾性
突起が埋入されていることにより、該弾性突起によって
転輪等の上下振動が緩和吸収される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図面において、1はゴム等の弾性材料からなるクロ
ーラ本体で、無端帯状に構成され、該本体1 内には芯金
2 、スチールコード等の抗張体3 、キャンバス4 などの
補強材が埋設されると共に、接地面側に左右一対の接地
ラグ5 が芯金2 のに対応して夫々形成されてい
る。そして、前記芯金2 は、クローラ本体1 の帯長手方
に所定の間隔で配設されることで帯長手方向で、隣り
合う芯金2 間には、クローラ本体1 の左右幅方向中央部
に位置して、駆動(図示省略) の係合孔6 が設けられ
ている。
【0014】前記芯金2 は、図4〜図6に示すように、
左右の芯金翼部7 を一対の係止部8,8 で一体に連結して
両係止部8,8 間に駆動(図示省略) の係合孔9 を形成
すると共に、各芯金部7 の係止部8 側端に、クローラ
本体1 の周回方向(帯長手方向)に所定の間隔をもっ
て、左右二対の案内突起10A,10B,10C,10D が周回方向に
ずらして(チ鳥状になるように) 突設されている。
【0015】すなわち、芯金2はその中央部の左右に帯
長手方向に離された一対の案内突起10A,10B,1
0C,10Dを有し、この一対の案内突起10A,10
Cおよび10B,10D間に開口10F,10Gが形成
されており、前記一対の案内突起10A〜10Dの左右
を互いに連結する帯長手方向に離れた一対の係止部8,
8を備え、該一対の係止部8,8間に駆動爪の係合孔9
が形成され、更に、左右方向外方に延伸する左右の翼部
7,7のそれぞれには延伸方向に長く形成された凹部7
A,7Bを備え、該凹部7A,7Bを介して延伸方向に
伸びるリブ7C,7D,7E,7Fが形成されている。
【0016】ここで係止部8,8には駆動爪が係脱する
ことから、図6で示すように断面が略球形とされて係脱
をスムーズにしており、また、左右の翼部7,7は凹部
7A,7Bを形成することで軽量化を図りつつ該凹部7
A,7Bとリブ7C〜7Fとの協働によって翼部7,7
の捻り剛性を向上するとともに本体1に埋設されたとき
の接着力を大きくし剥離防止を達成しているのである。
【0017】更に、前記案内突起10A 〜10D の頂面11A,
11B,11C,11D は、図7に示すように傾斜した平面で、転
輪12等の通過面とされ、本体周回方向に張出した案内突
起10A,10D の頂面11A,11D の本体周回方向長さは、他の
中央寄り案内突起10B,10C の頂面11B,11C の本体周回方
向長さよりも長くされており、頂面11A 〜11D は、本体
周回方向中央部側が転輪沈み込み分だけ低くなる傾斜面
で、図7に示すように、本体幅方向からみて左右合わせ
て連続した傾斜面となっている。
【0018】即ち、頂面は図7に示すように、案内突起
10A,10D の張出端部a,dの高さが同じでしかも、案内
突起10B,10C の外端部b,cの高さよりも高く、案内突
起10A,10D の内端部e,fの高さと外端部b,cの高さ
が略同じとなっており、本体幅方向左右の案内突起10A
〜10D の頂面11A 〜11D が、本体幅方向からみた場合
に、周回方向中央部が低い連続した谷状斜面となってい
る。
【0019】したがって、クローラ本体1 に埋設された
芯金2 の案内突起頂面11A 〜11D は、図2に示すよう
に、傾斜面が本体幅方向からみて規則的に配列された略
波形に連続している。そして、前記芯金2 の案内突起10
A 〜10D の本体周回方向間には、クローラ本体1 と一体
の弾性突起13,13 が前記開口10F,10Gに埋入する
ことで設けられ、該弾性突起13の頂面は平坦でしかも案
内突起10A,10D の頂面11A,11D の張出端部a,dよりも
若干高くされており、転輪12と案内突起頂面11A 〜11D
との衝撃音を低減させるようにしてある。
【0020】上記実施例において、弾性クローラを走行
装置の機体に取付けた駆動スプロケット(駆動爪)、転
輪及びアイドラに巻装し、舗装路面での走行を行なう場
の作用を説明する。 駆動爪の回転駆動によってその巻
掛け部において駆動爪が芯金2間に形成された係合孔6
および芯金3の係止部8間に形成した係合孔9にそれぞ
れ係脱されていずれも係止部8に爪が係合することでク
ローラ本体1が回走され、ラグ5による牽引力で走行さ
れる。
【0021】このとき、本発明の実施例では芯金2間に
形成された係合孔(第1係合孔)6だけではなく、該第
1係合孔6間に芯金2自体に形成した係合孔(第2係合
孔)9が位置し、前記第1・2係合孔6,9を帯長手方
向の交互に配置していることにより、駆動爪の係脱ピッ
チは細かくなって確実な係合を約束するのである。 すな
わち、従来例のように第1係合孔のみによる係合孔のピ
ッチではそのピッチ間隔が長くなりすぎるのに対し、芯
金2自体に第2係合孔9を形成することで係合孔6,9
のピッチ間隔が短くなって駆動爪の作用機会が多くなっ
て確実な回 走を保証するのである。
【0022】また、駆動爪が芯金2の係止部8に係合す
るとき、その衝撃力が芯金2の翼部7にも伝播して芯金
2の剥離等を招くことになるが、翼部7には凹部7A,
7Bを形成し、リブ7C〜7Fとの協働で捻り剛性を向
上しているとともに接着力を増強していることから、芯
金2の剥離等は確実に阻止しているのである。 更に、前
記クローラ本体1の回走によって、転輪12が芯金2 の案
内突起頂面11A 〜11D 上を図2に矢印イで示す方向に転
動しながら通過する。
【0023】このとき、転輪12は、案内突起10A の頂面
11A 張出端部aに乗り上げると同時に、ラグ5 等の変形
及び片持状態によって若干沈み、クローラは傾斜する
が、案内突起10A,10B の頂面11A,11B が中央部に向って
低くなる傾斜面となっているので、両頂面11A,11B は略
水平状となり、転輪12は水平状態で転動する。そして、
弾性突起13により上下振動が緩衝され、案内突起10C の
頂面11C に移乗した転輪12の転動に伴ない、ラグ5 等の
変形及び片持状態に移行して案内突起10C,10D が若干沈
んで、頂面11C,11D が略水平状になり、転輪12は水平状
態で転動通過し、次の芯金2 の案内突起10A の頂面11A
上に移乗する。
【0024】このように、転輪12等は、ほとんど上下動
することなく、実質的に水平状態を維持したまま、芯金
案内突起10A 〜10D の繰返し行なわれる沈みバランスに
よって、円滑にかつ安定よく転動通過し、乗り心地のよ
い運転を実現することができる。なお、芯金2 のクロー
ラ本体1 周回方向中央部は、縦剛性が高い部分である
が、弾性突起13によって緩和され、案内突起10A 〜10D
の頂面11A 〜11D の傾斜によって、前記中央部の縦剛性
が張出端部a,d 及び外端部b,c に対して相対的にその差
が小さくなり、全体的に縦剛性の差がなくなる。
【0025】また、芯金2 の案内突起10A 〜10D の本体
周回方向間に形成された開口10F,10Gに、弾性突
起13が埋入されているため、機体金属部品との衝撃音が
減少すると共に、前記開口の形成により芯金2 の重量軽
減が弾性クローラの軽量化を図ることができる。さら
に、前記芯金2 の案内突起頂面11A 〜11D は、弾性突起
13側端が低くなるような弯曲面とすることができ、ま
た、傾斜頂面又は弯曲頂面は1カ所以上(例えば頂面11
A,11D を傾斜又は弯曲面) とすることも可能である。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば芯金
の帯長手方向の埋設間隔を狭くしなくとも駆動爪が係脱
する係合孔のピッチを細かくでき、ここに、重量増大を
招くことなく駆動爪の係脱機会を多くして確実な走行
(回走)を確保できる。 また、芯金の左右翼部に凹部を
形成しこの凹部とリブとの協働で捻り剛性を向上できる
とともに、帯状本体との接着性も増長されて芯金の剥離
を確実に防止できて耐久性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す内周面(反接地面側) か
ら見た平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】芯金の拡大平面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】案内突起頂面の傾斜連続状態説明図である。
【符号の説明】
1 クローラ本体 2 芯金 3 抗張体 5 ラグ7 翼部 7A 凹部 7B 凹部 7C リブ 7D リブ 7E リブ 7F リブ 10A 案内突起 10B 案内突起 10C 案内突起 10D 案内突起10F 開口 10G 開口 13 弾性突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性材料からなる無端帯状の本体内に
    長手方向の間隔を有して埋設される芯金であって、その
    中央部の左右に帯長手方向に離された一対の案内突起を
    有し、この一対の案内突起間に開口を形成している弾性
    クローラ用芯金において、 前記一対の案内突起の左右を互いに連結する帯長手方向
    に離れた一対の係止部を備え、該一対の係止部間に駆動
    爪の係合孔を形成していることを特徴とする弾性クロー
    ラ用芯金。
  2. 【請求項2】 前記一対の案内突起の左右に翼部を本体
    の幅方向に延伸して備えている弾性クローラ用芯金にお
    いて、前記左右の翼部のそれぞれにはその延伸方向に長
    く形成された凹部を備え、該凹部を介して延伸方向に伸
    びるリブが形成されていることを特徴とする請求項1の
    弾性クローラ用芯金
  3. 【請求項3】 その中央部の左右に帯長手方向に離され
    た一対の案内突起を有し、この一対の案内突起間に開口
    を形成している芯金を、弾性材料からなる無端帯状の本
    体内に帯長手方向の間隔を有して埋設することで前記芯
    金間に駆動爪の係合孔を形成しているとともに、前記開
    口に本体と一体化された弾性突起を備えている弾性クロ
    ーラにおいて、 前記一対の案内突起の左右を互いに連結する帯長手方向
    に離れた一対の係止部を備え、該一対の係止部間に、前
    記係合孔とは別の係合孔を形成していることを特徴とす
    る弾性クローラ。
  4. 【請求項4】 前記芯金は前記一対の案内突起の左右に
    本体の幅方向に延伸する翼部を備え、該左右の翼部のそ
    れぞれには延伸方向に長く形成された凹部を備え、該凹
    部を介して延伸方向に伸びるリブが形成されており、該
    左右の翼部を本体内に埋設していることを特徴とする請
    求項3の弾性クローラ。
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