JPH0852768A - 成形品製造設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形機等に使用される成形品取出し装置
に着脱されるチャックユニットの完全自動交換を可能に
する成形品製造設備を提供し、チャックユニットの交換
工程から人的作業を排除することを目的とする。 【構成】 成形機と、この成形機に取り付けられる金型
と、この金型で成形される成形品を成形機の外に取り出
す成形品取出し装置と、この取出し装置のアーム先端部
に着脱自在に取付けられて成形機の内外に往復動され前
記成形品を保持・解放するチャックユニットと、前記チ
ャックユニットの可動範囲内の所定位置に前記金型を移
動できる金型移動装置とを備えた設備であって、前記取
出し装置のアーム先端部が前記金型の所定位置に支持さ
れる前記チャックユニットに近接離反してこのチャック
ユニットを着脱できるようにされていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、成形品の製造から成形
品の取り出し、および成形用金型の交換、さらには成形
品を保持して成形機の外に運び出す取出し装置のチャッ
クユニットの交換を一貫して行う成形品製造設備に関
し、射出成形品製造設備やダイキャスト品製造設備等と
して利用される。

【０００２】

【従来の技術】例えば、射出成形機に取付けられる金型
で成形される成形品を射出成形機の外に取り出すための
成形品取出し装置に装着され成形品を取り出す際に成形
品を保持・解放するチャックユニットは取り出す成形品
に応じて交換することが要求される。このチャックユニ
ットの自動交換装置として特公平２−３４３０６号の
「射出成形機の成形品取出装置用チャックアタッチメン
ト自動交換装置」が知られており、例えば、図７のよう
に射出成形機の操作盤が配置される側、すなわち、操作
側に金型移動装置が配設され、対向する反操作側に前記
自動交換装置の構成要素である交換台が配設されて、射
出成形機に取り付けられた成形品取出し装置のチャック
アタッチメントが射出成形機中心から成形品取り出し方
向である反操作側へ往復できるようされており、前記チ
ャックアタッチメントを交換の際は前記交換台上に予め
人的作業によりセットされた別のチャックアタッチメン
トと自動交換できるようになっている。このため、チャ
ックアタッチメントを自動的に確実に交換できるという
優れた利点を有している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、次のよ
うな欠点もある。第一に、通常は射出成形機に複数の金
型を順次交換して取付け、１台の射出成形機で多種類の
成形品を成形する。このため、金型の数と同数のチャッ
クアタッチメントが必要となる。従って、交換台には複
数のチャックアタッチメントを予めセットするためのス
ペースが必要となり交換台の設置スペース膨大となる。
第二に、交換台へのチャックアタッチメントのセットは
依然として人的作業である。このため、軽量化設計等に
よりチャックアタッチメントの必要剛性を多少犠牲にす
るなどしても、その重量が２００Ｎを越えるものが少な
くないチャックアタッチメントを交換台に載せる作業は
重労働であるばかりでなく、油等が付着して滑りやすい
床の上を両手でチャックアタッチメントを支えて運ぶの
で危険な作業でもある。

【０００４】本発明は、上述従来の問題点を解決するこ
とを課題としてなされたもので、チャックアタッチメン
ト（ハンド部）の完全自動交換を可能にする成形品製造
設備を提供し、チャックアタッチメント（ハンド部）の
交換工程から人的作業を排除することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の成形品製造設備
は、成形機と、この成形機に取り付けられる金型と、こ
の金型で成形される成形品を成形機の外に取り出す成形
品取出し装置と、この取出し装置のアーム先端部に着脱
自在に取付けられて成形機の内外に往復動され前記成形
品を保持・解放するチャックユニットと、前記チャック
ユニットの可動範囲内の所定位置に前記金型を移動でき
る金型移動装置とを備えた設備であって、前記取出し装
置のアーム先端部が前記金型の所定位置に支持される前
記チャックユニットに近接離反してこのチャックユニッ
トを着脱できるようにされていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】上記構成の本発明では、金型とこの金型の所定
位置に位置決めして支持され、この金型により成形され
る成形品を保持・解放できるチャックユニットとが対に
なって成形機の内外の所定位置に移動してくると、チャ
ックユニットの交換がプログラムに従って自動的に行わ
れる。例えば、まず現在取付けられている金型が成形機
から外されてチャックユニットが着脱自在に取付けられ
成形品取出し装置の構成要素であるチャックプレートの
可動範囲内の所定位置に移される。続いて、成形品取出
し装置が作動され前記チャックプレートに取付けられて
いるチャックユニットが前記金型の所定位置にセットさ
れた後この取出し装置から自動的に離脱される。

【０００７】次いで、この対になったチャックユニット
と金型は他の場所に移されると共に次に成形機に取付け
られる新しいチャックユニットと新しい金型が前述のよ
うに対になって前記チャックプレートの可動範囲内の所
定位置に移動してくると、成形品取出し装置が作動され
チャックプレートが新しいチャックユニットに接近して
結合しこの取出し装置に新しいチャックユニットが取付
けられる。続いて、金型が成形機の中の所定位置に移さ
れて成形機に取付けられる。こうして、チャックユニッ
トと金型が自動的に交換される。

【０００８】

【実施例】以下に本発明に係わる、成形品製造設備の実
施例を図１〜図４に従って説明する。

【０００９】

【実施例１】図１〜図３は本発明に係わる成形品製造設
備の第１実施例を示したものである。図１に示すよう
に、射出成形機１０の固定側ダイプレート１１の上面に
成形品取出し装置１３が取付けられ、チャックユニット
５が着脱自在に取付けられるチャックプレート１９が横
行レール１４の上を左右に走行できる横行ユニット１５
に取付けられた前後レール１６の上を前後に走行できる
前後ユニット１７に取付けられて上下動可能とされる上
下ユニット１８の下端部に取付けられて左右、前後、上
下に移動できるようにされている。そして、チャックプ
レート１９には公知の結合装置の一方の構成要素である
結合半体８ａが固着され、チャックユニット５には他方
の構成要素である被結合反体８ｂが固着され結合半体８
ａと被結合半体８ｂとは着脱自在に連結できるようにさ
れている。なお、結合半体８ａと被結合半体８ｂとの着
脱により図示しない流体用継ぎ手または電気配線用継ぎ
手も同調して着脱できるようされている。

【００１０】また、走行レール１４の一側は射出成形機
１０の固定側ダイプレート１１から反操作側にオーバハ
ングされており、この下側の床面に一対のレール２２，
２２が敷設されてこのレール２２の上を射出成形機１０
の中心軸と平行方向に進退自在とされる金型移動台車２
０が配設されている。この金型移動台車２０の上面には
金型を射出成形機１０の中心軸に対し直角・水平方向に
進退させる一対の駆動装置２０ａ，２０ｂが並列に配設
されている。また、固定側ダイプレート１１と可動側ダ
イプレート１２の下部内側にも金型を射出成形機１０の
中心軸に対し直角・水平方向に進退させる一対の金型移
動装置２１，２１が取付けられている。

【００１１】金型１は図３に示すように、分割線１ａを
境に左側が固定型２，右側が可動型３とされ、可動型３
の上面に斜面と直線部を有すＬ字状の位置決め部材４が
少なくとも４個十字方向にその斜面を内側に向けて配設
されてチャックユニット５の取付板６から突出され前記
位置決め部材４に対応して配設される少なくとも４本の
脚部７の先端部外側が位置決め部材４に囲繞されて形成
される凹部に嵌合されてチャックユニット５の水平方向
の位置決めがされていると共に脚部７の先端が位置決め
部材４の水平面部に当接されてチャックユニット５の垂
直方向の位置決めがされている。また、取付板６の上面
には前述公用の結合装置の被結合半体８ｂ固着されてい
る。一方、取付板６の下面には金型１で成形される成形
品に把持部材が近接離反されてこの成形品を保持・解放
できるチャック装置９が適宜位置に固着されている。

【００１２】以上の構成において、その作用を図４の
（ａ）〜（ｄ）も用いて説明する。まず、図４（ａ）の
ように金型移動台車２０を配置させた後、射出成形機を
作動させて現在取付けられている金型１の固定型２と可
動型３とを閉じ合わせた後、図示しないダイクランパを
解放させて固定ダイプレート１１および可動ダイプレー
ト１２から金型１を分離し、続いて、図示しない金型温
度調節用管継ぎ手や電気配線用継ぎ手等を自動的に離脱
させる。次いで、金型移動装置２１，２１を作動させる
と共に駆動装置２０ａを作動させると金型１が金型移動
台車２０の方に移送され、図４（ｂ）に示すように駆動
装置２０ａの上に完全に乗り移されて所定位置に達する
と駆動装置２０ａと金型移動装置２１，２１との作動が
停止される。続いて、成形品取出し装置１３が作動され
チャックプレート１９を介してチャックユニット５が取
付板６を水平にされて脚部７の先端が前記位置決め部材
４により囲繞されて形成される凹部の内側に達すると予
め成形品取出し装置１３に入力されているプログラムに
従って結合装置の結合半体８ａが作動され被結合半体８
ｂとの連結状態が解除されてチャックプレート１９から
チャックユニット５が分離され、チャックユニット５は
金型１の所定位置に位置決めされて載置される。

【００１３】続いて、上下ユニット１８が上昇されチャ
ックプレート１９が上昇されて上方で待機する。上下ユ
ニット１８が上昇端に達すると金型移動台車２０が前進
され、図４（ｃ）に示すように金型移動台車２０の上の
所定位置に載置されている新しい金型１’がこの金型
１’の厚さより僅かに大きい間隔に離間されている固定
側ダイプレート１１と可動側ダイプレート１２とで形成
される空隙部に進入できる位置に達すると、金型移動台
車２０に取付けられ金型１’の固定型２’の固定側ダイ
プレート１１との当接面が固定側ダイプレート１１の金
型取付け面より所定量可動側ダイプレート１２側に達し
たことを検出する図示しない近接センサが信号を発して
金型移動台車２０を停止させる。停止信号に基づいて、
成形品取出し装置１３が作動され、チャックプレート１
９が新しい金型１’の上の所定位置に支持されている新
しいチャックユニット５’の被結合半体８ｂに接近して
所定位置に達すると結合半体８ａが作動して被結合半体
８ｂと連結されてチャックプレート１９に新しいチャッ
クユニット５’が結合される。結合完了信号に基づい
て、上下ユニット１８が上昇されチャックプレート１９
が上昇されてチャックユニット５’が金型１’から分離
されて上方に待機される。

【００１４】上下ユニット１８が上昇端に達すると金型
移動台車２０上の駆動装置２０ｂと金型移動装置２１，
２１とが作動され、図４（ｄ）に示すように金型１’が
固定側ダイプレート１１と可動側ダイプレート１２とで
形成される空隙部に進入していき、金型移動装置２１，
２１の上に完全に乗り移って所定位置に達すると駆動装
置２０ｂと金型移動装置２１，２１との作動が停止され
る。この停止信号に基づいて、図示しないダイクランパ
が作動して固定側ダイプレート１１に固定型，可動側ダ
イプレート１２に可動型がそれぞれ自動的に連結され、
次いで、図示しない金型温度調節用管継ぎ手や電気配線
用継ぎ手等が自動的に連結されて成形運転可能な状態と
される。

【００１５】こうして、金型からチャックユニットまで
が一貫して自動交換される作用を果たす。続いて、常法
どうり成形運転させると金型で成形された成形品がチャ
ックユニットに保持されて射出成形機の外の所定位置に
運び出されては解放されることを繰り返すことができ
る。

【００１６】なお、上記実施例では射出成形機の中に金
型を水平方向に出し入れする例を示したがクレーン等の
金型移動装置を使用して垂直方向に出し入れする際にも
適用できる。この際は、図３のように金型とチャックユ
ニットとを対にしてもよいが図５に示すように、チャッ
クユニット５を位置決めして所定位置に載置できる専用
の支持台２５を可動型から突出させるようにしてもチャ
ックユニット５を自動交換できる。この場合のチャック
ユニット５の交換は金型が射出成形機の中の所定位置に
あるときに行われる。

【００１７】また、上記実施例では横型の成形機に金型
を横にして取付けるようにしたがこれに限るものではな
い。すなわち、竪型の成形機に金型を竪にして取付ける
際にも適用できる。この際は、図６に示すように、金型
上面に少なくとも４か所十字方向に凹設される位置決め
穴２６にこの穴２６に対応して突設される脚部７を嵌合
させてチャックユニット５を金型の所定位置に位置決め
して載置させてもチャックユニット５を自動交換でき
る。

【００１８】なお、前記支持台２５は着脱式にしてもよ
いし、金型移送の邪魔にさえならなければ突出・後退で
きる構造にしてもよい。

【００１９】また、固定型と可動型とが不必要に開かな
いようにされている金型ではチャックユニットを固定型
と可動型とにまたがらせて位置決めして載置させてもよ
いことは言うまでもない。

【００２０】

【発明の効果】以上本発明の成形品製造設備によれば、
前述従来の技術と同様の利点を有しながら従来は人的作
業により行われていたチャックユニットの所定位置への
セット作業も機械化できるので、チャックユニットの交
換が完全に自動化され、この工程から人的作業を完全に
排除できる。これにより、この工程の重筋作業や危険作
業から人間を解放できるという優れた効果がある。ま
た、金型とこの金型専用のチャックユニットを対にして
保管するようになったので保管管理作業が極めて簡素に
なる等の実用上の優れた効果も奏す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す正面図である。

【図２】本発明の第１実施例を示す平面図である。

【図３】本発明の第１実施例を示す金型部分の側面図で
ある。

【図４】本発明の第１実施例によるチャックユニット交
換工程の説明図である。

【図５】本発明の第２実施例を示す金型部分の側面図で
ある。

【図６】本発明の第３実施例を示す金型部分の側面図で
ある。

【図７】従来技術の実施例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 金型 ２ 固定型 ３ 可動型 ４ 位置決め部材 ５ チャックユニット ６ 取付板 ７ 脚部 ８ａ 結合半体 ８ｂ 被結合半体 ９ チャック装置 １０ 射出成形機 １１ 固定側ダイプレ
ート １２ 可動側ダイプレート １３ 成形品取出し装
置 １４ 走行レール １５ 横行ユニット １６ 前後レール １７ 前後ユニット １８ 上下ユニット １９ チャックプレー
ト ２０ 金型移動台車 ２０ａ，２０ｂ 駆動
装置 ２１ 金型移動装置 ２２ レール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 成形機と、この成形機に取り付けられる
   金型と、この金型で成形される成形品を成形機の外に取
   り出す成形品取出し装置と、この取出し装置のアーム先
   端部に着脱自在に取付けられて成形機の内外に往復動さ
   れ前記成形品を保持・解放するチャックユニットと、前
   記チャックユニットの可動範囲内の所定位置に前記金型
   を移動できる金型移動装置とを備えた設備であって、前
   記取出し装置のアーム先端部が前記金型の所定位置に支
   持される前記チャックユニットに近接離反してこのチャ
   ックユニットを着脱できるようにされていることを特徴
   とする成形品製造設備。