JPH085202Y2 - パネル材取付金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンクリート壁面に下
地材、仕上材等（以下、「パネル材」と称す）を取り付
けるために用いる取付金具に関し、更に詳しくは、上記
パネル材を、コンクリート壁を打設する際の捨型枠とし
て用い、コンクリート打設後にパネル材の表面側からパ
ネル材のコンクリート壁面からの高さを調節し、コンク
リートのはらみによるパネル材の不陸を調整しうるよう
にしたはらみ調整機能を備えたパネル材取付金具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンクリート壁面にパネル材を取
り付ける際には、コンクリート壁面のはらみによる不陸
に合わせて枕木を介在させるなどの方法により、パネル
材の平面を出すことが行われている。

【０００３】しかし、コンクリート壁面のはらみに合わ
せて枕木等を配設する作業は煩雑であり、多大の作業時
間を要するので、改善が望まれていた。また、パネル材
を型枠として用いた場合は、パネル材の簡易な不陸調整
手段がないので、仕上材を捨型枠に用いるときははらみ
の発生を抑止するため、多くの端太材を配設するなどの
措置が必要になる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、従来のかか
る難点の解消を目的としてなされたもので、仕上材をコ
ンクリート型枠のパネル材として用い、コンクリート打
設後にその仕上材のはらみによる不陸が当該仕上材の表
面側から容易に調整できるパネル材取付金具を得ること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係るパネル材取
付金具は、コンクリート壁内に固定されるアンカ部、こ
のアンカ部に続いて延在し、ねじが形成されている連結
部で構成されているアンカ部材と、パネル材に回転可能
に取り付けられ、上記アンカ部材の連結部にねじ結合す
るヘッド部材とよりなり、このヘッド部材を上記パネル
材の表面側から回転可能に構成したものである。

【０００６】

【作用】パネル材にヘッド部材を取り付け、このヘッド
部材にアンカ部材を取り付けた状態でもってコンクリー
ト型枠を組み立てる。このコンクリート型枠内にコンク
リートを打設すると、アンカ部材のアンカ部がコンクリ
ート内に埋め込まれて固定される。次に、端太材等を取
り除いたのち、パネル材に取り付けているヘッド部材を
回転させれば、パネル材はヘッド部材に従って進退する
ので、パネル材の不陸を調整することができる。

【０００７】

【実施例】図１は本考案の一実施例の断面図で、図１
（ａ）はコンクリート打設時の断面図、図１（ｂ）は不
陸修正後の断面図である。図において、１は仕上材であ
るパネル材、２は発泡ポリエチレンフォームなどのコン
クリートに付着性の悪い断熱材、３は打設したコンクリ
ート壁、７はアンカ部材で、アンカ部材７は、アンカ部
４と、このアンカ部４に続いて延在し、右ねじが形成さ
れている連結部６とで構成されている。

【０００８】５はパネル材１に回転可能に取り付けられ
るヘッド部材で、第１のヘッド部材５１を首長の座付ナ
ット状に形成するとともに、第２のヘッド部材５２を爪
付座金で構成したもので、パネル材１に第１のヘッド部
材５１を挿入し、その首部５ｆに第２のヘッド部材５２
を圧入してその爪５２ａで係止させてパネル材１にヘッ
ド部材５を取り付ける。５ｅは第１のヘッド部材５１の
頭部に設けたドライバ穴で、ヘッド部材５をパネル材１
の表面側からドライバで回転させるためのものである。

【０００９】次に、このパネル材取付金具の使用方法を
説明する。まず、パネル材１にパネル材取付金具を取り
付ける位置に下穴をあけ、アンカ部材７の連結部６に第
１のヘッド部材５１をいっぱいにねじ込んだものを挿入
し、第２のヘッド部材５２をアンカ部材７側から圧入し
てパネル材１に取り付ける。次に、下穴をあけた断熱材
２をアンカ部材７側から挿入してパネル材１と重ね合わ
せ、このパネル材１と断熱材２を重ね合わせたものでコ
ンクリート型枠を組み立てる。この状態では型枠内にア
ンカ部４が突出している。次に、型枠内にコンクリート
を打設する。このコンクリートが硬化すると、アンカ部
４は図１（ａ）に示すようにコンクリート壁３内に埋設
されて固定される。従って、パネル材１および断熱材２
は、連結部６およびヘッド部材５によってコンクリート
壁３に取り付けられる。

【００１０】次に、捨型枠の端太材等を取り去ったの
ち、パネル材１の不陸を調整する。この調整は、ドライ
バ穴５ｅにドライバを差し込み、ヘッド部材５を回転さ
せることにより行う。即ちこの例では、ヘッド部材５を
図１（ｂ）に示すように、左に回転させる（矢印Ａ方
向）と、アンカ部４とヘッド部材５の間隔が広がり、こ
れにつれてパネル材１は矢印Ｂ方向に変位する。従っ
て、パネル材１の不陸が修正される位置までヘッド部材
５を回転させる調整を必要なパネル材取付金具について
施すことにより、パネル材１全体の不陸を修正すること
ができる。

【００１１】このように本考案に係るパネル材取付金具
は、捨型枠として用いたパネル材１と断熱材２をコンク
リート壁３に取り付けるとともに、コンクリート壁３の
はらみによるパネル材１の不陸を簡単な調整作業で修正
することができる。

【００１２】図２は本考案の他の実施例の断面図で、ア
ンカ部４と連結部６とを一体にした一本のねじ棒でアン
カ部材７を構成するとともに、ヘッド部材５をプラスチ
ック成形品で構成したもので、第１，第２のヘッド部材
５１，５２は図３（ａ），（ｂ）に示すように、それぞ
れ互いに嵌り合う脚部１０ａ，１０ｂを有し、パネル材
１を挟持する形で脚部１０ａ，１０ｂを嵌め合わせてそ
の部分で接着して一体に締結し、プラスチック材の可塑
性を利用してアンカ部材７をねじ込むことにより、めね
じ５ａを形成させたものである。

【００１３】この実施例によれば、ヘッド部材５および
アンカ部材７の構成が簡易で、安価なものとなる利点が
ある。

【００１４】

【考案の効果】本考案によれば、コンクリート壁を打設
したとき、そのコンクリート壁内に埋設されるアンカ
部、このアンカ部に続いてねじが形成されている連結部
を有するアンカ部材と、上記コンクリート壁の打設に用
いるパネル材に回転可能に取り付けられ、上記連結部と
ねじ結合するヘッド部材とを備えたパネル材取付金具で
あるから、コンクリート型枠として用いたパネル材をそ
のコンクリート壁面にそのまま壁下地に転用できるとと
もに、はらみによるパネル材の不陸を、当該パネル材の
表面側からヘッド部材を回転させるという簡単な作業で
調整できる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の断面図である。

【図２】本考案の他の実施例の断面図である。

【図３】図２に示した実施例の第１，第２のヘッド部材
をＩＩＩ−ＩＩＩ線側からみた平面図である。

【符号の説明】

１ パネル材 ２ 断熱材 ３ コンクリート壁 ４ アンカ部 ５ ヘッド部材５ａ めねじ ５ｅ ドライバ穴 ５ｆ 首部 ６ 連結部 ７ アンカ部材１０ａ 脚部 １０ｂ 脚部 ５１ 第１のヘッド部材 ５２ 第２のヘッド部材５２ａ 爪

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート壁内に固定されるアンカ
   部、このアンカ部に続いて延在し、ねじが形成されてい
   る連結部で構成されているアンカ部材と、パネル材に回
   転可能に取り付けられ、上記アンカ部材の連結部にねじ
   結合するヘッド部材とよりなり、このヘッド部材は上記
   パネル材の表面側から回転可能に構成されてなるパネル
   材取付金具。
2. 【請求項２】 ヘッド部材はパネル材の厚さより長い首
   部を有する請求項１記載のパネル材取付金具。