JPH0851218A - 薄膜トランジスタの形成方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの形成方法

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JPH0851218A
JPH0851218A JP15787995A JP15787995A JPH0851218A JP H0851218 A JPH0851218 A JP H0851218A JP 15787995 A JP15787995 A JP 15787995A JP 15787995 A JP15787995 A JP 15787995A JP H0851218 A JPH0851218 A JP H0851218A
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film
thin film
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amorphous silicon
amorphous
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Masaki Yuki
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ガラス基板上にSiH4 を原料ガスとし、プラ
ズマCVDにて非晶質シリコン膜を所定膜厚に堆積し、
CW Arレーザービームを該非晶質膜に走査照射し、
固相モードで形成した多結晶シリコン膜を形成し、素子
化する薄膜トランジスタの形成方法において、該非晶質
膜を基板温度350℃以下で膜厚100〜3000Åに
堆積し、該非晶質膜を脱水素処理し、レーザービームを
該非晶質膜に走査照射して該非晶質膜を多結晶化する。 【効果】均一な特性を有する薄膜トランジスタの形成を
低温で安定して生産できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多結晶半導体薄膜を用い
た平面ディスプレイ用薄膜トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板等の絶縁性基板上に形成され
た薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶やエレクトロル
ミネッセンス等を用いた平面ディスプレイ装置に望まれ
ているアクティブマトリクスとして有望視されている。
この薄膜トランジスタを形成するための絶縁性基板上の
半導体薄膜として、従来、非晶質シリコン膜を用いる方
法、及び多結晶シリコン膜を用いる方法が提案されてい
る。
【0003】第1の非晶質シリコン膜を用いる方法で
は、プラズマCVD法等によって、膜の堆積温度が一般
に300℃以下で行われ、トランジスタ形成のプロセス
全般の温度も含めて低温プロセスであることによって、
耐熱温度の高くない安価なガラス基板が使え、さらに堆
積装置も大型化しやすいので、アクティブマトリクスと
しての基板の大型化が容易であるとして、有力な方法と
されている。
【0004】しかし、非晶質シリコン膜では膜の導電率
が小さいのでアクティブマトリクスとして充分なトラン
ジスタのオン電流を得るために、トランジスタ寸法を大
きくする必要があり、信頼性や画素の開口率の低下を招
くという欠点を有するし、またキャリア移動度が低いた
めに、トランジスタの動作速度が遅く、アクティブマト
リクスとして制御画素数に限界があること及びアクティ
ブマトリクスの周辺走査回路を同一基板上に形成できな
いという欠点を有する。さらに、非晶質シリコン膜では
光導電性が大きいために、トランジスタのオフ時に光電
流が発生し、光照射下では電流のオン・オフ比が著しく
低下するという欠点も存在する。
【0005】これらの欠点に対して、第2の多結晶シリ
コン膜を用いる方法が提案されている。多結晶シリコン
膜は通常減圧CVD法により形成され、膜物性として、
非晶質シリコン膜と比較して導電率、キャリア移動度は
1桁以上大きく、光導電性が小さいので、より高性能で
高信頼のアクティブマトリクスの形成が可能で、前記の
非晶質シリコン膜を用いた場合の欠点を解決する方法と
して精力的に検討がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、ガラス基板上へ
の多結晶シリコン膜形成法は、減圧CVD法やプラズマ
CVD法が用いられている。
【0007】しかし、これらの形成法では形成時の基板
温度が600℃以上必要であり、それより低温度では非
晶質シリコン膜しか得られない。したがって用いるガラ
ス基板は、通常のソーダライムガラスより耐熱温度の高
い石英ガラス等の高価なガラス基板材料を必要とする。
また、この温度域での減圧CVD法やプラズマCVD法
の膜形成装置は、より低温度域での非晶質シリコン膜用
のプラズマCVD装置等に比較して大型化が難しく基板
サイズの大型化への対応が非常に困難である。
【0008】また別の多結晶シリコン膜形成法として分
子線蒸着法も提案されているが、550℃程度のやや低
い基板温度が可能であるが、基板サイズの大型化への対
応の点では前述の形成法よりもさらに困難となり、また
より高価な装置となる。
【0009】以上のように従来の多結晶シリコン膜形成
法では形成温度と使えるガラス基板の耐熱温度及び基板
サイズの大型化への対応の可能性の面で大きな欠点を有
していた。
【0010】また、前述の如き欠点を解決する方法とし
て絶縁膜上に形成した非晶質シリコン膜にCW Arレ
ーザービームを照射し、多結晶シリコン膜となす方法が
提案されている(Applied Physics Letters, vol.38 (19
81), No.8, pp 613-615)。この場合でも前記非晶質シリ
コン膜の形成温度を500℃以上とする必要があり、プ
ロセス温度として500℃以上を必要とするという大き
な欠点が有った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の絶縁性
基板への多結晶半導体薄膜形成法が持つ前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、絶縁性基板上に非晶質
半導体薄膜を形成し、レーザービームを走査照射するこ
とにより、該非晶質半導体薄膜を多結晶半導体膜となす
半導体薄膜の製造方法において、レーザービームの走査
速度をビームスポット径(μm)×5000(μm/
秒)以上として完全な溶融状態に至らしめることなく結
晶化させる半導体薄膜の製造方法に着目し、その製造方
法をさらに改良して薄膜トランジスタを得ようとする。
【0012】すなわち、ガラス基板上にシリコンの水素
化物を原料ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリ
コン膜を形成し、レーザービームの走査速度をビームス
ポット径(μm)×(5000〜500000)(μm
/秒)の或る速度とし、該非晶質シリコン膜にレーザー
ビームを走査照射し、該非晶質シリコン膜が結晶化を示
し始める第1のレーザーパワー閾値と、該非晶質シリコ
ン膜が溶融状態に至る第2のレーザーパワー閾値との間
にレーザーパワーを設定し、該非晶質シリコン膜を完全
な溶融状態に至らしめることなく多結晶シリコン膜に結
晶化せしめ、さらに該多結晶シリコン膜を素子化する薄
膜トランジスタの形成方法において、該非晶質シリコン
薄膜を350℃以下の基板温度で100〜3000Åの
膜厚に堆積し、該非晶質シリコン薄膜を脱水素処理し、
レーザービームを該非晶質シリコン膜に走査照射して該
非晶質シリコン膜の多結晶化を行うことを特徴とする薄
膜トランジスタの形成方法を提供する。
【0013】
【実施例】本発明の構成においては、まず、ガラス基
板、セラミック基板等の絶縁性基板上にプラズマCVD
法あるいは光CVD法、減圧CVD法、電子ビーム蒸着
法等の方法によって、非晶質シリコン膜に代表される非
晶質半導体薄膜を堆積する。このときの堆積膜厚は30
00Å〜100Åとすることが好ましい。
【0014】一般に、SiH4 、Si26 等の水素化
物を原料ガスとしたプラズマCVD法や光CVD法によ
る非晶質半導体薄膜の形成においては基板温度が低い場
合、著しく多量の水素が非晶質半導体薄膜中に取り込ま
れるが、レーザービームの照射によって該非晶質半導体
薄膜が結晶化する際この水素がガス化して噴出し、安定
な結晶化を妨げる。そこで、300℃以下の基板温度で
堆積したときには、非晶質シリコン膜を形成後350℃
程度の温度で不活性ガス雰囲気中または真空中で保持す
ること等により、脱水素処理を行う。
【0015】このとき、非晶質シリコン膜等の非晶質半
導体薄膜の堆積膜厚を3000Å以下とすることが好ま
しい理由を説明する。4000Åを超える膜厚では、後
に行うレーザービーム照射の際、膜中に含まれていた水
素のガス状噴出の影響が強く、得られる多結晶半導体薄
膜に、亀裂、ボイド、さらに剥離等が発生しやすいので
堆積温度を500℃以上とすることでこれを防ぐ必要が
ある。これに対し膜厚4000Å以下では、堆積温度を
500℃以上とする必要はなく、かつレーザーのパワー
の許容範囲が広くなるからである。なお、この非晶質半
導体薄膜は100Å未満ではTFT化が困難であり、1
00Å以上の厚膜とすることが好ましい。
【0016】よって、非晶質半導体薄膜の膜厚は400
0Å以下とすればよいが、3000Å以下とすることが
好ましい。
【0017】また、該非晶質半導体薄膜を形成する際、
前もって絶縁性基板上に酸化シリコン膜や窒化シリコン
膜等の絶縁膜を堆積しておいてもよい。
【0018】また、非晶質半導体薄膜は、予め島状にパ
ターニングしてあってもよい。次いで、この非晶質半導
体薄膜にレーザービームを走査照射する。レーザービー
ムのスポット径は、適宜定めればよいが、後に形成する
トランジスタの短辺寸法より充分大きくしておくことが
好ましいが、大きくするにつれ必要なレーザー光源のパ
ワーも増大するため、通常は30〜200μmが選ばれ
る。
【0019】本発明では、レーザービームの走査速度を
ビームスポット径(μm)×5000(μm/秒)以上
に選ぶ。これにより非晶質半導体薄膜は、完全な溶融状
態に至ることなく結晶化し、多結晶半導体薄膜とするこ
とができる。
【0020】本発明で使用されるレーザービームは波長
20000Å〜1000Å程度の連続発振レーザーによ
るものがあり、例えばYAGレーザー、He−Neレー
ザー、アレキサンドライトレーザー、Arレーザー、K
rレーザー及びこれらの高周波レーザー、色素レーザ
ー、エキシマーレーザー等が使用できる。なかでも可視
光域から紫外域のレーザーが好ましい。
【0021】このレーザービームの走査速度は前述の如
くビームスポット径(μm)×5000(μm/秒)以
上とされ、通常最大でもビームスポット径(μm)×5
00000/秒以下とされる。なお、具体的には40m
/秒以下とされることが好ましい。これにより、非晶質
半導体薄膜は完全な溶融状態に至ることなく結晶化し、
多結晶半導体薄膜とすることができる。
【0022】以下、その理由をレーザービームを走査照
射するときの非晶質半導体薄膜の変化とそのときのレー
ザーパワーとの関係から説明する。まず、ある走査速度
において照射レーザーパワーを充分に小さい値から増加
させるとき、非晶質半導体薄膜が結晶化を示し始めて多
結晶半導体薄膜となる第1のレーザーパワー閾値が現わ
れる。この完全な溶融状態を経ないでの結晶化について
は後で詳しく説明する。
【0023】さらにレーザーパワーを増加させると、つ
いに半導体薄膜が溶融状態に至り、第2のレーザーパワ
ー閾値が見い出される。安定して多結晶半導体薄膜とす
るために、この第1、第2の両レーザーパワー閾値の間
で照射レーザーパワーを選択する必要がある。しかし、
走査速度が遅い場合、この両レーザーパワー閾値の間隔
が小さくなり、さらに遅くした場合ついには両閾値間
に、安定して多結晶半導体薄膜となすのに適したレーザ
ーパワーの設定マージンが存在しなくなる。これに対
し、走査速度が速い場合、遅い場合に比較してレーザー
パワーの閾値は共に増加し同時に間隔は開き、レーザー
パワーの設定マージンが拡がる。
【0024】ここで、走査速度の望ましい範囲がビーム
スポット径との関係で存在する理由は、ビームスポット
径より充分に小さい被照射部分について見ると、ある走
査速度の場合照射時間がビームスッポット径に比例し、
照射エネルギーがこの照射時間にほぼ比例するという関
係にあるからである。以上の理由から、走査速度は、ビ
ームスポット径(μm)×5000(μm/秒)とされ
る。
【0025】これによって、非晶質半導体薄膜は完全な
溶融状態に至ることなく結晶化し、ごく短時間のうち
に、多結晶半導体薄膜となることができ、耐熱温度の低
い安価なガラス基板の使用が可能であり、かつ、基板サ
イズの大型化も容易に対応可能となる。
【0026】なお、非晶質シリコン膜にレーザービーム
を走査照射する際、非晶質半導体薄膜上に予め酸化シリ
コン膜や窒化シリコン膜等の絶縁膜を形成し、レーザー
ビームの反射防止膜或は表面保護膜として用いてもよ
い。
【0027】本発明でいう非晶質半導体薄膜とは狭義の
意味で、完全な非晶質構造を有するものだけではなく、
粒径が50nm未満の微細な結晶粒子が含まれるいわゆ
る微結晶半導体薄膜をも含むものである。本発明の非晶
質半導体薄膜としては非晶質シリコン膜が最適なもので
あるが非晶質ゲルマニウム等の他の非晶質半導体薄膜に
も適用できる。また、本発明でいうビームスポット径
は、照射面においてレーザーパワーの約87%以上が内
包される径をさす。
【0028】前述の非晶質半導体薄膜が、完全な溶融状
態を経ないで結晶化することについて説明する。一般に
エネルギーを与えて結晶化または結晶粒成長を起させる
場合、溶融させた後再固化させる方法または融点以下の
高温で非常に長時間保持する方法等が行われている。前
者は、再固化の速度が速くても10cm/秒以下と一般
に遅く限られ、かつ、融点以上の高温度を要する。後者
の方法では、保持温度が融点より下がるにつれ、非常な
長時間の処理例えば100時間以上を要する。
【0029】これに対し、非晶質半導体薄膜にレーザー
光を照射する場合、非晶質半導体薄膜に特有な光誘起構
造変化及び固相での結晶化及びこのときの結晶化熱の発
生等の現象が存在し、これらの結果、完全な溶融状態を
経ることなく、高速度での結晶化が可能となるものであ
り、本発明ではこの現象を利用して低温高速の結晶化を
可能としている。
【0030】本発明は、ガラス基板等の絶縁性基板上に
形成した非晶質シリコン膜等の非晶質半導体薄膜へCW
Arレーザービーム等のレーザービームを走査照射す
ることにより、完全な溶融状態を経ることなく多晶質シ
リコン膜等の多結晶半導体薄膜とすることが可能であ
り、その時の絶縁性基板温度は平均的にはほとんど上昇
せず、部分的かつ瞬間的にも半導体材料の溶融温度より
はるかに低く、さらに物性値として定義されている非晶
質半導体薄膜いわゆる結晶化温度よりも充分低い温度に
止まるため耐熱性の低い絶縁性基板が使用できる。
【0031】さらに前記非晶質半導体薄膜の膜厚を30
00Å以下としておくことにより、堆積温度が500℃
未満であっても、レーザービーム照射時の水素のガス状
噴出による亀裂、ボイド、剥離等の欠陥の発生を容易に
防ぐことができる。
【0032】また、本発明における非晶質半導体薄膜の
結晶化速度は、一般にレーザーアニール法と呼ばれる方
法に見られる溶融状態から固化再結晶化する場合に比較
して非常に速く、レーザービームを走査照射する走査速
度をビームスポット径(μm)×5000(μm/秒)
以上にしても結晶化させることが可能であり、低温でか
つ高速で結晶化させることができる。また、この様な走
査速度において、安定に多結晶半導体薄膜とすることが
できるレーザーパワーの設定マージンが充分広く取れる
という利点も有する。
【0033】本発明は非晶質半導体薄膜として非晶質シ
リコン膜への適用が最も適しているが、非晶質ゲルマニ
ウム膜等の他の非晶質半導体薄膜に適用してもよいこと
はもちろんである。
【0034】図1はレーザービームの走査状態を示す断
面図である。1はCW Arレーザービーム、2は非晶
質シリコン膜、3は絶縁膜、4はガラス基板を示し、図
の前後方向に走査することにより、非晶質シリコン膜の
部分が多結晶シリコン膜5に結晶化しているところを示
す。
【0035】(参考例1)ソーダライムガラスからなる
基板上に、SiH4 及びN2 Oの原料ガスを用いてプラ
ズマCVD法により、基板温度350℃で酸化シリコン
膜(SiO2 )を2000Å堆積し、これに連続してS
iH4 ガスを原料として同じく基板温度350℃にて非
晶質シリコン膜を3000Å堆積した。次に、この非晶
質シリコン膜に、CW Arレーザービームを走査照射
する。ビームスポット径は100μm走査速度は1.2
m/秒(ビームスポット径(μm)×12,000(μ
m/秒))、レーザーパワー9Wとした。
【0036】得られた多結晶シリコン膜の結晶粒子径は
0.2〜3.0μmであった。このとき、暗赤色で不透
明に近い非晶質シリコン膜は、レーザービームの走査照
射により、淡黄色で透明に近い状態を呈した。
【0037】(比較例1)これに対し、参考例1と同じ
非晶質シリコン膜を用いて、レーザーパワーを11Wに
増加させた場合、非晶質シリコン膜は照射後透明に近い
がガラス基板上で凝集状態を示して荒れており、均質な
膜状を呈していなかった。これは、溶融状態に至ったこ
とを示す。
【0038】(比較例2)また、レーザーパワーを7W
とした場合、非晶質シリコン膜は照射後、照射前に比較
してわずかに透光性が減少したのみで多結晶シリコン膜
にはなっていなかった。
【0039】(比較例3)参考例1と同じに形成した非
晶質シリコン膜に、CW Arレーザービームを参考例
1と同じく100μm、走査速度を比較例として0.2
0m/秒(ビームスポット径2000倍/秒)で走査照
射した場合、レーザーパワーが2.8Wのとき、非晶質
シリコン膜は照射前より透光性が少し減少したのみで多
結晶化は認められなかった。
【0040】(比較例4)比較例3と同等に形成し、レ
ーザーパワーが3.1Wのときは、照射表面から凝集状
に変形して荒れて、透明に近く変化し、溶融状態に至っ
たことを示し、図2に示すようにさらにガラス基板表面
も凹凸状に変形を呈し、かつ部分的にはマイクロクラッ
ク6の発生も認められた。
【0041】(比較例5)該非晶質シリコン膜の膜厚を
5000Åとする以外は参考例1と同じ製造条件で堆積
した場合、CW Arレーザービームを参考例1と同じ
条件(ビームスポット径100μm、走査速度1.2m
/秒、レーザーパワー9W)で照射したところ、図3に
示すように、多結晶シリコン膜に多数のボイド7及びボ
イドを連接するような亀裂の発生がみられた。
【0042】(比較例6)このとき、レーザーパワーを
7Wとした場合は比較例2と同様に透光性の減少の変化
を示したのみで、多結晶シリコン膜が形成されなかっ
た。
【0043】(比較例7)同様に、11Wとした場合
は、比較例1と同様の凝集状態で荒れていることに加
え、部分的には、膜の飛散も認められた。
【0044】(比較例8)このとき、非晶質シリコン膜
を基板温度500℃と高くして膜厚を同様に5000Å
とした以外は参考例1と同じ製造条件で堆積し、CW
Arレーザービームを上記条件と同様のビームスポット
径100μm、走査速度1.2m/秒で照射したとこ
ろ、レーザーパワー9Wのとき、参考例1における9W
照射時と同等の多結晶シリコン膜が得られたが、8Wの
とき比較例2と同様に透光性の減少の変化に止まり、1
0Wのときは、図3に示すように、多結晶シリコン膜に
多数のボイド及びボイドを連接する亀裂の発生がみら
れ、結果として多結晶シリコン膜を得られたが、参考例
1に示した場合に比較して、レーザーパワーの設定マー
ジンは小さく、かつ温度も高くする必要があった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明は、ガラス基板等
の絶縁性基板上の非晶質シリコン膜等の非晶質半導体薄
膜にCW Arレーザービーム等のレーザービームを走
査照射する際、走査速度をビームスポット径(μm)×
5000(μm/秒)以上とすることにより、非晶質半
導体薄膜が完全な溶融状態に至ることなく結晶化して、
安定して多結晶半導体薄膜となるようにしたこと、さら
に、前記非晶質半導体薄膜の堆積膜厚を4000Å以下
とすることにより、使用可能な非晶質半導体薄膜の堆積
温度として500℃未満に低温化できるため、多結晶半
導体薄膜を形成する基板温度として従来法に比して50
0℃未満のプロセス温度として低温化でき、絶縁性基板
材料として通常のガラス基板が使え、また、基板サイズ
の大型化にも充分対応可能となり、平面ディスプレイ装
置用のアクティブマトリクスの製造方法において、従来
の多結晶半導体薄膜形成法によるものより、非常に優れ
て有用なものである。
【0046】また、本発明による方法によれば、絶縁性
基板上の非晶質半導体薄膜の特定の部分のみを選択的に
多結晶半導体薄膜とすることが可能で、同一絶縁性基板
上で非晶質半導体薄膜として用いる部分と多結晶半導体
薄膜として用いる部分とを膜形成工程及びフォトリソグ
ラフィーによるパターニング工程とを別途に付け加える
ことなく、容易に製造可能となる。
【0047】さらに本発明による方法は、多層構造の半
導体装置の製造にも適用でき、既に素子や回路を形成し
た半導体装置上の絶縁膜上に低温度で形成した非晶質半
導体薄膜に適用し、既に形成してある下層の素子・回路
に熱的なダメージを与えることなく、多結晶半導体薄膜
を形成し、素子化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において非晶質シリコン膜が安
定して多結晶シリコン膜となることを示す断面図。
【図2】マイクロクラックが発生した場合の比較例の状
態を示す断面図。
【図3】ボイドが発生した場合の比較例の状態を示す断
面図。
【符号の説明】
1:CW Arレーザービーム 2:非晶質シリコン膜 3:絶縁膜 4:ガラス基板 5:多結晶シリコン膜 6:マイクロクラック 7:ボイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/268 Z 21/31 C 27/12 R

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上にシリコンの水素化物を原料
    ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリコン膜を形
    成し、レーザービームの走査速度をビームスポット径
    (μm)×(5000〜500000)(μm/秒)の
    或る速度とし、該非晶質シリコン膜にレーザービームを
    走査照射し、該非晶質シリコン膜が結晶化を示し始める
    第1のレーザーパワー閾値と、該非晶質シリコン膜が溶
    融状態に至る第2のレーザーパワー閾値との間にレーザ
    ーパワーを設定し、該非晶質シリコン膜を完全な溶融状
    態に至らしめることなく多結晶シリコン膜に結晶化せし
    め、さらに該多結晶シリコン膜を素子化する薄膜トラン
    ジスタの形成方法において、該非晶質シリコン薄膜を3
    50℃以下の基板温度で100〜3000Åの膜厚に堆
    積し、該非晶質シリコン薄膜を脱水素処理し、レーザー
    ビームを該非晶質シリコン膜に走査照射して該非晶質シ
    リコン膜の多結晶化を行うことを特徴とする薄膜トラン
    ジスタの形成方法。
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Cited By (4)

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