JPH07326769A - 平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ - Google Patents
平面ディスプレイ用薄膜トランジスタInfo
- Publication number
- JPH07326769A JPH07326769A JP12858295A JP12858295A JPH07326769A JP H07326769 A JPH07326769 A JP H07326769A JP 12858295 A JP12858295 A JP 12858295A JP 12858295 A JP12858295 A JP 12858295A JP H07326769 A JPH07326769 A JP H07326769A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon film
- film
- amorphous silicon
- thin film
- semiconductor thin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Thin Film Transistor (AREA)
- Recrystallisation Techniques (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】ガラス基板上にSiH4 を原料ガスとし、プラ
ズマCVDによって非晶質シリコン膜を100〜300
0Åの膜厚に堆積し、CW Arレーザービームを該非
晶質シリコン膜に走査照射し、固相モードで形成した多
結晶シリコン膜を用いた平面ディスプレイ用薄膜トラン
ジスタであって、該非晶質シリコン膜の堆積から多結晶
化までを略350℃以下の基板温度で形成したことを特
徴とする平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ。 【効果】均一な特性を有する薄膜トランジスタの形成を
低温で安定して生産することができる。
ズマCVDによって非晶質シリコン膜を100〜300
0Åの膜厚に堆積し、CW Arレーザービームを該非
晶質シリコン膜に走査照射し、固相モードで形成した多
結晶シリコン膜を用いた平面ディスプレイ用薄膜トラン
ジスタであって、該非晶質シリコン膜の堆積から多結晶
化までを略350℃以下の基板温度で形成したことを特
徴とする平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ。 【効果】均一な特性を有する薄膜トランジスタの形成を
低温で安定して生産することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多結晶半導体薄膜を用い
た平面ディスプレイ用薄膜トランジスタに関する。
た平面ディスプレイ用薄膜トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板等の絶縁性基板上に形成され
た薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶やエレクトロル
ミネッセンス等を用いた平面ディスプレイ装置に望まれ
ているアクティブマトリクスとして有望視されている。
この薄膜トランジスタを形成するための絶縁性基板上の
半導体薄膜として、従来、非晶質シリコン膜を用いる方
法、及び多結晶シリコン膜を用いる方法が提案されてい
る。
た薄膜トランジスタ(TFT)は、液晶やエレクトロル
ミネッセンス等を用いた平面ディスプレイ装置に望まれ
ているアクティブマトリクスとして有望視されている。
この薄膜トランジスタを形成するための絶縁性基板上の
半導体薄膜として、従来、非晶質シリコン膜を用いる方
法、及び多結晶シリコン膜を用いる方法が提案されてい
る。
【0003】第1の非晶質シリコン膜を用いる方法で
は、プラズマCVD法等によって、膜の堆積温度が一般
に300℃以下で行われ、トランジスタ形成のプロセス
全般の温度も含めて低温プロセスであることによって、
耐熱温度の高くない安価なガラス基板が使え、さらに堆
積装置も大型化しやすいので、アクティブマトリクスと
しての基板の大型化が容易であるとして、有力な方法と
されている。
は、プラズマCVD法等によって、膜の堆積温度が一般
に300℃以下で行われ、トランジスタ形成のプロセス
全般の温度も含めて低温プロセスであることによって、
耐熱温度の高くない安価なガラス基板が使え、さらに堆
積装置も大型化しやすいので、アクティブマトリクスと
しての基板の大型化が容易であるとして、有力な方法と
されている。
【0004】しかし、非晶質シリコン膜では膜の導電率
が小さいのでアクティブマトリクスとして充分なトラン
ジスタのオン電流を得るために、トランジスタ寸法を大
きくする必要があり、信頼性や画素の開口率の低下を招
くという欠点を有するし、またキャリア移動度が低いた
めに、トランジスタの動作速度が遅く、アクティブマト
リクスとして制御画素数に限界があること及びアクティ
ブマトリクスの周辺走査回路を同一基板上に形成できな
いという欠点を有する。さらに、非晶質シリコン膜では
光導電性が大きいために、トランジスタのオフ時に光電
流が発生し、光照射下では電流のオン・オフ比が著しく
低下するという欠点も存在している。
が小さいのでアクティブマトリクスとして充分なトラン
ジスタのオン電流を得るために、トランジスタ寸法を大
きくする必要があり、信頼性や画素の開口率の低下を招
くという欠点を有するし、またキャリア移動度が低いた
めに、トランジスタの動作速度が遅く、アクティブマト
リクスとして制御画素数に限界があること及びアクティ
ブマトリクスの周辺走査回路を同一基板上に形成できな
いという欠点を有する。さらに、非晶質シリコン膜では
光導電性が大きいために、トランジスタのオフ時に光電
流が発生し、光照射下では電流のオン・オフ比が著しく
低下するという欠点も存在している。
【0005】これらの欠点に対して、第2の多結晶シリ
コン膜を用いる方法が提案されている。多結晶シリコン
膜は通常減圧CVD法により形成され、膜物性として、
非晶質シリコン膜と比較して導電率、キャリア移動度は
1桁以上大きく、光導電性が小さいので、より高性能で
高信頼のアクティブマトリクスの形成が可能で、前記の
非晶質シリコン膜を用いた場合の欠点を解決する方法と
して精力的に検討がなされている。
コン膜を用いる方法が提案されている。多結晶シリコン
膜は通常減圧CVD法により形成され、膜物性として、
非晶質シリコン膜と比較して導電率、キャリア移動度は
1桁以上大きく、光導電性が小さいので、より高性能で
高信頼のアクティブマトリクスの形成が可能で、前記の
非晶質シリコン膜を用いた場合の欠点を解決する方法と
して精力的に検討がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、ガラス基板上へ
の多結晶シリコン膜形成法は、減圧CVD法やプラズマ
CVD法が用いられている。
の多結晶シリコン膜形成法は、減圧CVD法やプラズマ
CVD法が用いられている。
【0007】しかし、これらの形成法では形成時の基板
温度が600℃以上必要であり、それより低温度では非
晶質シリコン膜しか得られない。したがって用いるガラ
ス基板は、通常のソーダライムガラスより耐熱温度の高
い石英ガラス等の高価なガラス基板材料を必要とする。
また、この温度域での減圧CVD法やプラズマCVD法
の膜形成装置は、より低温度域での非晶質シリコン膜用
のプラズマCVD装置等に比較して大型化が難しく基板
サイズの大型化への対応が非常に困難である。
温度が600℃以上必要であり、それより低温度では非
晶質シリコン膜しか得られない。したがって用いるガラ
ス基板は、通常のソーダライムガラスより耐熱温度の高
い石英ガラス等の高価なガラス基板材料を必要とする。
また、この温度域での減圧CVD法やプラズマCVD法
の膜形成装置は、より低温度域での非晶質シリコン膜用
のプラズマCVD装置等に比較して大型化が難しく基板
サイズの大型化への対応が非常に困難である。
【0008】また別の多結晶シリコン膜形成法として分
子線蒸着法も提案されているが、550℃程度のやや低
い基板温度が可能であるが、基板サイズの大型化への対
応の点では前述の形成法よりもさらに困難となり、また
より高価な装置となる。
子線蒸着法も提案されているが、550℃程度のやや低
い基板温度が可能であるが、基板サイズの大型化への対
応の点では前述の形成法よりもさらに困難となり、また
より高価な装置となる。
【0009】以上のように従来の多結晶シリコン膜形成
法では形成温度と使えるガラス基板の耐熱温度及び基板
サイズの大型化への対応の可能性の面で大きな欠点を有
していた。
法では形成温度と使えるガラス基板の耐熱温度及び基板
サイズの大型化への対応の可能性の面で大きな欠点を有
していた。
【0010】また、前述の如き欠点を解決する方法とし
て絶縁膜上に形成した非晶質シリコン膜にCW Arレ
ーザービームを照射し、多結晶シリコン膜となす方法が
提案されている(Applied Physics Letters, vol.38 (19
81), No.8, pp 613-615)。
て絶縁膜上に形成した非晶質シリコン膜にCW Arレ
ーザービームを照射し、多結晶シリコン膜となす方法が
提案されている(Applied Physics Letters, vol.38 (19
81), No.8, pp 613-615)。
【0011】この場合でも前記非晶質シリコン膜の形成
温度を500℃以上とする必要があり、プロセス温度と
して500℃以上を必要とするという大きな欠点が有っ
た。
温度を500℃以上とする必要があり、プロセス温度と
して500℃以上を必要とするという大きな欠点が有っ
た。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の絶縁性
基板への多結晶半導体薄膜形成法が持つ前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、絶縁性基板上に非晶質
半導体薄膜を形成し、レーザービームを走査照射するこ
とにより、該非晶質半導体薄膜を多結晶半導体膜となす
半導体薄膜の製造方法において、レーザービームの走査
速度をビームスポット径×5000/秒以上として完全
な溶融状態に至らしめることなく結晶化させる半導体薄
膜の製造方法に着目し、その製造方法をさらに改良して
薄膜トランジスタを得ようとする。
基板への多結晶半導体薄膜形成法が持つ前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、絶縁性基板上に非晶質
半導体薄膜を形成し、レーザービームを走査照射するこ
とにより、該非晶質半導体薄膜を多結晶半導体膜となす
半導体薄膜の製造方法において、レーザービームの走査
速度をビームスポット径×5000/秒以上として完全
な溶融状態に至らしめることなく結晶化させる半導体薄
膜の製造方法に着目し、その製造方法をさらに改良して
薄膜トランジスタを得ようとする。
【0013】すなわち、ガラス基板上にシリコンの水素
化物を原料ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリ
コン膜を形成し、レーザービームの走査速度をビームス
ポット径(μm)×5000(m/秒)以上の或る速度
とし、該非晶質シリコン膜にレーザービームを走査照射
し、該非晶質シリコン膜が結晶化を示し始める第1のレ
ーザーパワー閾値と、該非晶質シリコン膜が溶融状態に
至る第2のレーザーパワー閾値との間にレーザーパワー
を設定し、該非晶質シリコン膜を完全な溶融状態に至ら
しめることなく多結晶シリコン膜に結晶化せしめて形成
した平面ディスプレイ用薄膜トランジスタにおいて、該
非晶質シリコン薄膜を100〜3000Åの膜厚に堆積
し、レーザービームを該非晶質シリコン膜に走査照射し
て該非晶質シリコン膜の多結晶化を行い、該非晶質シリ
コン膜の堆積から多結晶化までを略350℃以下の基板
温度で形成したことを特徴とする平面ディスプレイ用薄
膜トランジスタを提供する。
化物を原料ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリ
コン膜を形成し、レーザービームの走査速度をビームス
ポット径(μm)×5000(m/秒)以上の或る速度
とし、該非晶質シリコン膜にレーザービームを走査照射
し、該非晶質シリコン膜が結晶化を示し始める第1のレ
ーザーパワー閾値と、該非晶質シリコン膜が溶融状態に
至る第2のレーザーパワー閾値との間にレーザーパワー
を設定し、該非晶質シリコン膜を完全な溶融状態に至ら
しめることなく多結晶シリコン膜に結晶化せしめて形成
した平面ディスプレイ用薄膜トランジスタにおいて、該
非晶質シリコン薄膜を100〜3000Åの膜厚に堆積
し、レーザービームを該非晶質シリコン膜に走査照射し
て該非晶質シリコン膜の多結晶化を行い、該非晶質シリ
コン膜の堆積から多結晶化までを略350℃以下の基板
温度で形成したことを特徴とする平面ディスプレイ用薄
膜トランジスタを提供する。
【0014】本発明の構成においては、まず、ガラス基
板、セラミック基板等の絶縁性基板上にプラズマCVD
法或は光CVD法、減圧CVD法、電子ビーム蒸着法等
の方法によって、非晶質シリコン膜に代表される非晶質
半導体薄膜を堆積する。この時の堆積膜厚は4000Å
〜100Åとすることが好ましい。
板、セラミック基板等の絶縁性基板上にプラズマCVD
法或は光CVD法、減圧CVD法、電子ビーム蒸着法等
の方法によって、非晶質シリコン膜に代表される非晶質
半導体薄膜を堆積する。この時の堆積膜厚は4000Å
〜100Åとすることが好ましい。
【0015】一般に、SiH4 、Si2 H6 等の水素化
物を原料ガスとしたプラズマCVD法や光CVD法によ
る非晶質半導体薄膜の形成においては基板温度が低い場
合、著しく多量の水素が非晶質半導体薄膜中に取り込ま
れるが、レーザービームの照射によって該非晶質半導体
薄膜が結晶化する際この水素がガス化して噴出し、安定
な結晶化を妨げるので、基板温度は300℃以上とする
代りに、非晶質シリコン膜を形成後350℃程度の温度
で不活性ガス雰囲気中または真空中で保持すること等に
より、脱水素処理を行ってもよい。
物を原料ガスとしたプラズマCVD法や光CVD法によ
る非晶質半導体薄膜の形成においては基板温度が低い場
合、著しく多量の水素が非晶質半導体薄膜中に取り込ま
れるが、レーザービームの照射によって該非晶質半導体
薄膜が結晶化する際この水素がガス化して噴出し、安定
な結晶化を妨げるので、基板温度は300℃以上とする
代りに、非晶質シリコン膜を形成後350℃程度の温度
で不活性ガス雰囲気中または真空中で保持すること等に
より、脱水素処理を行ってもよい。
【0016】このとき、非晶質シリコン膜等の非晶質半
導体薄膜の堆積膜厚を4000Å以下とすることが好ま
しい理由を説明する。4000Åを超える膜厚では、後
に行うレーザービーム照射の際、膜中に含まれていた水
素のガス状噴出の影響が強く、得られる多結晶半導体薄
膜に、キレツ、ボイド、さらに剥離等が発生しやすいの
で堆積温度を500℃以上とすることでこれを防ぐ必要
がある。これに対し膜厚4000Å以下では、堆積温度
を500℃以上とする必要はなく、かつレーザーのパワ
ーの許容範囲が広くなるからである。なお、この非晶質
半導体薄膜は100Å未満ではTFT化が困難であり、
100Å以上の厚膜とすることが好ましい。
導体薄膜の堆積膜厚を4000Å以下とすることが好ま
しい理由を説明する。4000Åを超える膜厚では、後
に行うレーザービーム照射の際、膜中に含まれていた水
素のガス状噴出の影響が強く、得られる多結晶半導体薄
膜に、キレツ、ボイド、さらに剥離等が発生しやすいの
で堆積温度を500℃以上とすることでこれを防ぐ必要
がある。これに対し膜厚4000Å以下では、堆積温度
を500℃以上とする必要はなく、かつレーザーのパワ
ーの許容範囲が広くなるからである。なお、この非晶質
半導体薄膜は100Å未満ではTFT化が困難であり、
100Å以上の厚膜とすることが好ましい。
【0017】よって、非晶質半導体薄膜の膜厚は400
0Å以下で適宜定めることが好ましいが、通常2000
〜3000Å程度とされればよい。
0Å以下で適宜定めることが好ましいが、通常2000
〜3000Å程度とされればよい。
【0018】また、該非晶質半導体薄膜を形成する際、
前もって絶縁性基板上に酸化シリコン膜や窒化シリコン
膜等の絶縁膜を堆積しておいてもよい。
前もって絶縁性基板上に酸化シリコン膜や窒化シリコン
膜等の絶縁膜を堆積しておいてもよい。
【0019】また、非晶質半導体薄膜は、予め島状にパ
ターニングしてあってもよい。次いで、この非晶質半導
体薄膜にレーザービームを走査照射する。レーザービー
ムのスポット径は、適宜定めればよいが、後に形成する
トランジスタの短辺寸法より充分大きくしておくことが
好ましいが、大きくするにつれ必要なレーザー光源のパ
ワーも増大するため、通常は30〜200μmが選ばれ
る。
ターニングしてあってもよい。次いで、この非晶質半導
体薄膜にレーザービームを走査照射する。レーザービー
ムのスポット径は、適宜定めればよいが、後に形成する
トランジスタの短辺寸法より充分大きくしておくことが
好ましいが、大きくするにつれ必要なレーザー光源のパ
ワーも増大するため、通常は30〜200μmが選ばれ
る。
【0020】本発明では、レーザービームの走査速度を
ビームスポット径×5000/秒以上に選ぶ。これによ
り非晶質半導体薄膜は、完全な溶融状態に至ることなく
結晶化し、多結晶半導体薄膜とすることができる。
ビームスポット径×5000/秒以上に選ぶ。これによ
り非晶質半導体薄膜は、完全な溶融状態に至ることなく
結晶化し、多結晶半導体薄膜とすることができる。
【0021】本発明で使用されるレーザービームは波長
20000Å〜1000Å程度の連続発振レーザーによ
るものがあり、例えばYAGレーザー、He−Neレー
ザー、アレキサンドライトレーザー、Arレーザー、K
rレーザー及びこれらの高周波レーザー、色素レーザ
ー、エキシマーレーザー等が使用できる。なかでも可視
光域から紫外域のレーザーが好ましい。
20000Å〜1000Å程度の連続発振レーザーによ
るものがあり、例えばYAGレーザー、He−Neレー
ザー、アレキサンドライトレーザー、Arレーザー、K
rレーザー及びこれらの高周波レーザー、色素レーザ
ー、エキシマーレーザー等が使用できる。なかでも可視
光域から紫外域のレーザーが好ましい。
【0022】このレーザービームの走査速度は前述の如
くビームスポット径×5000/秒以上とされ、通常最
大でもビームスポット径×500000/秒以下とされ
る。なお、具体的には40m/秒以下とされることが好
ましい。これにより、非晶質半導体薄膜は完全な溶融状
態に至ることなく結晶化し、多結晶半導体薄膜とするこ
とができる。
くビームスポット径×5000/秒以上とされ、通常最
大でもビームスポット径×500000/秒以下とされ
る。なお、具体的には40m/秒以下とされることが好
ましい。これにより、非晶質半導体薄膜は完全な溶融状
態に至ることなく結晶化し、多結晶半導体薄膜とするこ
とができる。
【0023】以下、その理由をレーザービームを走査照
射するときの非晶質半導体薄膜の変化とその時のレーザ
ーパワーとの関係から説明する。まず、ある走査速度に
おいて照射レーザーパワーを充分に小さい値から増加さ
せるとき、非晶質半導体薄膜が結晶化を示し始めて多結
晶半導体薄膜となる第1のレーザーパワー閾値が現わ
る。この完全な溶融状態を経ないでの結晶化については
後で詳しく説明する。
射するときの非晶質半導体薄膜の変化とその時のレーザ
ーパワーとの関係から説明する。まず、ある走査速度に
おいて照射レーザーパワーを充分に小さい値から増加さ
せるとき、非晶質半導体薄膜が結晶化を示し始めて多結
晶半導体薄膜となる第1のレーザーパワー閾値が現わ
る。この完全な溶融状態を経ないでの結晶化については
後で詳しく説明する。
【0024】さらにレーザーパワーを増加させると、つ
いに半導体薄膜が溶融状態に至り、第2のレーザーパワ
ー閾値が見い出される。安定して多結晶半導体薄膜とす
るために、この第1、第2の両レーザーパワー閾値の間
で照射レーザーパワーを選択する必要がある。しかし、
走査速度が遅い場合、この両レーザーパワー閾値の間隔
が小さくなり、さらに遅くした場合ついには両閾値間
に、安定して多結晶半導体薄膜となすのに適したレーザ
ーパワーの設定マージンが存在しなくなる。これに対
し、走査速度が速い場合、遅い場合に比較してレーザー
パワーの閾値は共に増加し同時に間隔は開き、レーザー
パワーの設定マージンが拡がる。
いに半導体薄膜が溶融状態に至り、第2のレーザーパワ
ー閾値が見い出される。安定して多結晶半導体薄膜とす
るために、この第1、第2の両レーザーパワー閾値の間
で照射レーザーパワーを選択する必要がある。しかし、
走査速度が遅い場合、この両レーザーパワー閾値の間隔
が小さくなり、さらに遅くした場合ついには両閾値間
に、安定して多結晶半導体薄膜となすのに適したレーザ
ーパワーの設定マージンが存在しなくなる。これに対
し、走査速度が速い場合、遅い場合に比較してレーザー
パワーの閾値は共に増加し同時に間隔は開き、レーザー
パワーの設定マージンが拡がる。
【0025】ここで、走査速度の望ましい範囲がビーム
スポット径との関係で存在する理由は、ビームスポット
径より充分に小さい被照射部分について見ると、ある走
査速度の場合照射時間がビームスッポット径に比例し、
照射エネルギーがこの照射時間にほぼ比例するという関
係にあるからである。以上の理由から、走査速度は、ビ
ームスポット径×5000/秒とされる。
スポット径との関係で存在する理由は、ビームスポット
径より充分に小さい被照射部分について見ると、ある走
査速度の場合照射時間がビームスッポット径に比例し、
照射エネルギーがこの照射時間にほぼ比例するという関
係にあるからである。以上の理由から、走査速度は、ビ
ームスポット径×5000/秒とされる。
【0026】これによって、非晶質半導体薄膜は完全な
溶融状態に至ることなく結晶化し、極く短時間のうち
に、多結晶半導体薄膜となることが出来、耐熱温度の低
い安価なガラス基板の使用が可能であり、かつ、基板サ
イズの大型化も容易に対応可能となる。
溶融状態に至ることなく結晶化し、極く短時間のうち
に、多結晶半導体薄膜となることが出来、耐熱温度の低
い安価なガラス基板の使用が可能であり、かつ、基板サ
イズの大型化も容易に対応可能となる。
【0027】なお、非晶質シリコン膜にレーザービーム
を走査照射する際、非晶質半導体薄膜上に予め酸化シリ
コン膜や窒化シリコン膜等の絶縁膜を形成し、レーザー
ビームの反射防止膜或は表面保護膜として用いてもよ
い。
を走査照射する際、非晶質半導体薄膜上に予め酸化シリ
コン膜や窒化シリコン膜等の絶縁膜を形成し、レーザー
ビームの反射防止膜或は表面保護膜として用いてもよ
い。
【0028】本発明でいう非晶質半導体薄膜とは狭義の
意味で、完全な非晶質構造を有するものだけではなく、
粒径が50nm未満の微細な結晶粒子が含まれるいわゆ
る微結晶半導体薄膜をも含むものである。本発明の非晶
質半導体薄膜としては非晶質シリコン膜が最適なもので
あるが非晶質ゲルマニウム等の他の非晶質半導体薄膜に
も適用できる。また、本発明でいうビームスポット径
は、照射面においてレーザーパワーの約87%以上が内
包される径をさす。
意味で、完全な非晶質構造を有するものだけではなく、
粒径が50nm未満の微細な結晶粒子が含まれるいわゆ
る微結晶半導体薄膜をも含むものである。本発明の非晶
質半導体薄膜としては非晶質シリコン膜が最適なもので
あるが非晶質ゲルマニウム等の他の非晶質半導体薄膜に
も適用できる。また、本発明でいうビームスポット径
は、照射面においてレーザーパワーの約87%以上が内
包される径をさす。
【0029】前述の非晶質半導体薄膜が、完全な溶融状
態を経ないで結晶化することについて説明する。一般に
エネルギーを与えて結晶化または結晶粒成長を起させる
場合、溶融させた後再固化させる方法または、融点以下
の高温で非常に長時間保持する方法等が行われている。
前者は、再固化の速度が速くても10cm/秒以下と一
般に遅く限られ、かつ、融点以上の高温度を要する。後
者の方法では、保持温度が融点より下がるにつれ、非常
な長時間の処理例えば100時間以上を要する。
態を経ないで結晶化することについて説明する。一般に
エネルギーを与えて結晶化または結晶粒成長を起させる
場合、溶融させた後再固化させる方法または、融点以下
の高温で非常に長時間保持する方法等が行われている。
前者は、再固化の速度が速くても10cm/秒以下と一
般に遅く限られ、かつ、融点以上の高温度を要する。後
者の方法では、保持温度が融点より下がるにつれ、非常
な長時間の処理例えば100時間以上を要する。
【0030】これに対し、非晶質半導体薄膜にレーザー
光を照射する場合、非晶質半導体薄膜に特有な光誘起構
造変化及び固相での結晶化及びこの時の結晶化熱の発生
等の現象が存在し、これ等の結果、完全な溶融状態を経
ることなく、高速度での結晶化が可能となるものであ
り、本発明ではこの現象を利用して低温高速の結晶化を
可能としている。
光を照射する場合、非晶質半導体薄膜に特有な光誘起構
造変化及び固相での結晶化及びこの時の結晶化熱の発生
等の現象が存在し、これ等の結果、完全な溶融状態を経
ることなく、高速度での結晶化が可能となるものであ
り、本発明ではこの現象を利用して低温高速の結晶化を
可能としている。
【0031】
【作用】本発明は、ガラス基板等の絶縁性基板上に形成
した非晶質シリコン膜等の非晶質半導体薄膜へCW A
rレーザービーム等のレーザービームを走査照射するこ
とにより、完全な溶融状態を経ることなく多晶質シリコ
ン膜等の多結晶半導体薄膜とすることが可能であり、そ
の時の絶縁性基板温度は平均的にはほとんど上昇せず、
部分的かつ瞬間的にも半導体材料の溶融温度よりはるか
に低く、さらに物性値として定義されている非晶質半導
体薄膜いわゆる結晶化温度よりも充分低い温度に止まる
ため耐熱性の低い絶縁性基板が使用できる。
した非晶質シリコン膜等の非晶質半導体薄膜へCW A
rレーザービーム等のレーザービームを走査照射するこ
とにより、完全な溶融状態を経ることなく多晶質シリコ
ン膜等の多結晶半導体薄膜とすることが可能であり、そ
の時の絶縁性基板温度は平均的にはほとんど上昇せず、
部分的かつ瞬間的にも半導体材料の溶融温度よりはるか
に低く、さらに物性値として定義されている非晶質半導
体薄膜いわゆる結晶化温度よりも充分低い温度に止まる
ため耐熱性の低い絶縁性基板が使用できる。
【0032】さらに前記非晶質半導体薄膜の膜厚を40
00Å以下としておくことにより、堆積温度が500℃
未満であっても、レーザービーム照射時の水素のガス状
噴出によるキレツ、ボイド、剥離等の欠陥の発生を容易
に防ぐことができる。
00Å以下としておくことにより、堆積温度が500℃
未満であっても、レーザービーム照射時の水素のガス状
噴出によるキレツ、ボイド、剥離等の欠陥の発生を容易
に防ぐことができる。
【0033】また、本発明における非晶質半導体薄膜の
結晶化速度は、一般にレーザーアニール法と呼ばれる方
法に見られる溶融状態から固化再結晶化する場合に比較
して非常に速く、レーザービームを走査照射する走査速
度をビームスポット径×5000/秒以上にしても結晶
化させることが可能であり、低温でかつ高速で結晶化さ
せることができる。また、この様な走査速度において、
安定に多結晶半導体薄膜とすることができるレーザーパ
ワーの設定マージンが充分広く取れるという利点も有す
る。
結晶化速度は、一般にレーザーアニール法と呼ばれる方
法に見られる溶融状態から固化再結晶化する場合に比較
して非常に速く、レーザービームを走査照射する走査速
度をビームスポット径×5000/秒以上にしても結晶
化させることが可能であり、低温でかつ高速で結晶化さ
せることができる。また、この様な走査速度において、
安定に多結晶半導体薄膜とすることができるレーザーパ
ワーの設定マージンが充分広く取れるという利点も有す
る。
【0034】本発明は非晶質半導体薄膜として非晶質シ
リコン膜への適用が最も適しているが、非晶質ゲルマニ
ウム膜等の他の非晶質半導体薄膜に適用してもよいこと
はもちろんである。
リコン膜への適用が最も適しているが、非晶質ゲルマニ
ウム膜等の他の非晶質半導体薄膜に適用してもよいこと
はもちろんである。
【0035】
(実施例1)ソーダライムガラスからなる基板上に、S
iH4 及びN2 Oの原料ガスを用いてプラズマCVD法
により、基板温度350℃で酸化シリコン膜(SiO
2 )を2000Å堆積し、これに連続してSiH4 ガス
を原料として同じく基板温度350℃にて非晶質シリコ
ン膜を3000Å堆積した。次に、この非晶質シリコン
膜に、CW Arレーザービームを走査照射する。ビー
ムスポット径は100μm走査速度は1.2m/秒(ビ
ームスポット径×12,000/秒)、レーザーパワー
9Wとした。
iH4 及びN2 Oの原料ガスを用いてプラズマCVD法
により、基板温度350℃で酸化シリコン膜(SiO
2 )を2000Å堆積し、これに連続してSiH4 ガス
を原料として同じく基板温度350℃にて非晶質シリコ
ン膜を3000Å堆積した。次に、この非晶質シリコン
膜に、CW Arレーザービームを走査照射する。ビー
ムスポット径は100μm走査速度は1.2m/秒(ビ
ームスポット径×12,000/秒)、レーザーパワー
9Wとした。
【0036】得られた多結晶シリコン膜の結晶粒子径は
0.2〜3.0μmであった。このとき、暗赤色で不透
明に近い非晶質シリコン膜は、レーザービームの走査照
射により、淡黄色で透明に近い状態を呈した。
0.2〜3.0μmであった。このとき、暗赤色で不透
明に近い非晶質シリコン膜は、レーザービームの走査照
射により、淡黄色で透明に近い状態を呈した。
【0037】図1はこの走査状態を示す断面図であり、
1はCW Arレーザービーム、2は非晶質シリコン
膜、3は絶縁膜、4はガラス基板を示しており、図の前
後方向に走査することにより、非晶質シリコン膜の部分
が多結晶シリコン膜5に結晶化しているところを示して
いる。
1はCW Arレーザービーム、2は非晶質シリコン
膜、3は絶縁膜、4はガラス基板を示しており、図の前
後方向に走査することにより、非晶質シリコン膜の部分
が多結晶シリコン膜5に結晶化しているところを示して
いる。
【0038】比較例1〜7 これに対しレーザーパワーを11Wに増加させた場合
(比較例1)、非晶質シリコン膜は照射後透明に近いが
ガラス基板上で凝集状態を示して荒れており、均質な膜
状を呈していなかった。これは、溶融状態に至ったこと
を示す。
(比較例1)、非晶質シリコン膜は照射後透明に近いが
ガラス基板上で凝集状態を示して荒れており、均質な膜
状を呈していなかった。これは、溶融状態に至ったこと
を示す。
【0039】また、レーザーパワーを7Wとした場合
(比較例2)、非晶質シリコン膜は照射後、照射前に比
較してわずかに透光性が減少したのみで多結晶シリコン
膜にはなっていなかった。
(比較例2)、非晶質シリコン膜は照射後、照射前に比
較してわずかに透光性が減少したのみで多結晶シリコン
膜にはなっていなかった。
【0040】実施例1と同じに形成した非晶質シリコン
膜に、CW Arレーザービームを実施例1と同じく1
00μm、走査速度を比較例として0.20m/秒(ビ
ームスポット径2000倍/秒)で走査照射した場合、
レーザーパワーが2.8Wのとき(比較例3)、非晶質
シリコン膜は照射前より透光性が少し減少したのみで多
結晶化は認められなかったがレーザーパワーが3.1W
のとき(比較例4)は、照射表面から凝集状に変形して
荒れて、透明に近く変化し、溶融状態に至ったことを示
し、図2に示すようにさらにガラス基板表面も凹凸状に
変形を呈し、かつ部分的にはマイクロクラック6の発生
も認められた。
膜に、CW Arレーザービームを実施例1と同じく1
00μm、走査速度を比較例として0.20m/秒(ビ
ームスポット径2000倍/秒)で走査照射した場合、
レーザーパワーが2.8Wのとき(比較例3)、非晶質
シリコン膜は照射前より透光性が少し減少したのみで多
結晶化は認められなかったがレーザーパワーが3.1W
のとき(比較例4)は、照射表面から凝集状に変形して
荒れて、透明に近く変化し、溶融状態に至ったことを示
し、図2に示すようにさらにガラス基板表面も凹凸状に
変形を呈し、かつ部分的にはマイクロクラック6の発生
も認められた。
【0041】該非晶質シリコン膜の膜厚を5000Åと
した場合、CW Arレーザービームを実施例1と同じ
条件(ビームスポット径100μm、走査速度1.2m
/秒、レーザーパワー9W)で照射したところ(比較例
5)、図3に示す如く、多結晶シリコン膜に多数のボイ
ド7及びボイドを連接する様なキレツの発生がみられ
た。このとき、レーザーパワーを7Wとした場合(比較
例6)は比較例2と同様に透光性の減少の変化を示した
のみで、多結晶シリコン膜が形成されなく、11Wとし
た場合(比較例7)は、比較例1と同様の凝集状態で荒
れていることに加え、部分的には、膜の飛散も認められ
た。
した場合、CW Arレーザービームを実施例1と同じ
条件(ビームスポット径100μm、走査速度1.2m
/秒、レーザーパワー9W)で照射したところ(比較例
5)、図3に示す如く、多結晶シリコン膜に多数のボイ
ド7及びボイドを連接する様なキレツの発生がみられ
た。このとき、レーザーパワーを7Wとした場合(比較
例6)は比較例2と同様に透光性の減少の変化を示した
のみで、多結晶シリコン膜が形成されなく、11Wとし
た場合(比較例7)は、比較例1と同様の凝集状態で荒
れていることに加え、部分的には、膜の飛散も認められ
た。
【0042】実施例2 このとき、非晶質シリコン膜を基板温度500℃と高く
して膜厚を同様に5000Åとして、CW Arレーザ
ービームを上記条件と同様のビームスポット径100μ
m、走査速度1.2m/秒で照射したところ、レーザー
パワー9Wのとき、実施例1における9W照射時と同等
の多結晶シリコン膜が得られたが、8Wのとき比較例2
と同様に透光性の減少の変化に止まり、10Wのとき
は、図3に示す如く、多結晶シリコン膜に多数のボイド
及びボイドを連接するキレツの発生がみられ、結果とし
て多結晶シリコン膜を得られたが、実施例1に示した場
合に比較して、レーザーパワーの設定マージンは小さ
く、かつ温度も高くする必要があった。
して膜厚を同様に5000Åとして、CW Arレーザ
ービームを上記条件と同様のビームスポット径100μ
m、走査速度1.2m/秒で照射したところ、レーザー
パワー9Wのとき、実施例1における9W照射時と同等
の多結晶シリコン膜が得られたが、8Wのとき比較例2
と同様に透光性の減少の変化に止まり、10Wのとき
は、図3に示す如く、多結晶シリコン膜に多数のボイド
及びボイドを連接するキレツの発生がみられ、結果とし
て多結晶シリコン膜を得られたが、実施例1に示した場
合に比較して、レーザーパワーの設定マージンは小さ
く、かつ温度も高くする必要があった。
【0043】
【発明の効果】以上の如く本発明は、ガラス基板等の絶
縁性基板上の非晶質シリコン膜等の非晶質半導体薄膜に
CW Arレーザービーム等のレーザービームを走査照
射する際、走査速度をビームスポット径×5000/秒
以上とすることにより、非晶質半導体薄膜が完全な溶融
状態に至ることなく結晶化して、安定して多結晶半導体
薄膜となるようにしたこと、さらに、前記非晶質半導体
薄膜の堆積膜厚を4000Å以下とすることにより、使
用可能な非晶質半導体薄膜の堆積温度として500℃未
満に低温化できるため、多結晶半導体薄膜を形成する基
板温度として従来法に比して500℃未満のプロセス温
度として低温化でき、絶縁性基板材料として通常のガラ
ス基板が使え、また、基板サイズの大型化にも充分対応
可能となり、平面ディスプレイ装置用のアクティブマト
リクスの製造方法において、従来の多結晶半導体薄膜形
成法によるものより、非常に優れて有用なものである。
縁性基板上の非晶質シリコン膜等の非晶質半導体薄膜に
CW Arレーザービーム等のレーザービームを走査照
射する際、走査速度をビームスポット径×5000/秒
以上とすることにより、非晶質半導体薄膜が完全な溶融
状態に至ることなく結晶化して、安定して多結晶半導体
薄膜となるようにしたこと、さらに、前記非晶質半導体
薄膜の堆積膜厚を4000Å以下とすることにより、使
用可能な非晶質半導体薄膜の堆積温度として500℃未
満に低温化できるため、多結晶半導体薄膜を形成する基
板温度として従来法に比して500℃未満のプロセス温
度として低温化でき、絶縁性基板材料として通常のガラ
ス基板が使え、また、基板サイズの大型化にも充分対応
可能となり、平面ディスプレイ装置用のアクティブマト
リクスの製造方法において、従来の多結晶半導体薄膜形
成法によるものより、非常に優れて有用なものである。
【0044】また、本発明による方法によれば、絶縁性
基板上の非晶質半導体薄膜の特定の部分のみを選択的に
多結晶半導体薄膜とすることが可能で、同一絶縁性基板
上で非晶質半導体薄膜として用いる部分と多結晶半導体
薄膜として用いる部分とを膜形成工程及びフォトリソグ
ラフィーによるパターニング工程とを別途に付け加える
ことなく、容易に製造可能となる。
基板上の非晶質半導体薄膜の特定の部分のみを選択的に
多結晶半導体薄膜とすることが可能で、同一絶縁性基板
上で非晶質半導体薄膜として用いる部分と多結晶半導体
薄膜として用いる部分とを膜形成工程及びフォトリソグ
ラフィーによるパターニング工程とを別途に付け加える
ことなく、容易に製造可能となる。
【0045】さらに本発明による方法は、多層構造の半
導体装置の製造にも適用でき、既に素子や回路を形成し
た半導体装置上の絶縁膜上に低温度で形成した非晶質半
導体薄膜に適用し、既に形成してある下層の素子・回路
に熱的なダメージを与えることなく、多結晶半導体薄膜
を形成し、素子化することが可能となる。
導体装置の製造にも適用でき、既に素子や回路を形成し
た半導体装置上の絶縁膜上に低温度で形成した非晶質半
導体薄膜に適用し、既に形成してある下層の素子・回路
に熱的なダメージを与えることなく、多結晶半導体薄膜
を形成し、素子化することが可能となる。
【図1】本発明の実施例において非晶質シリコン膜が安
定して多結晶シリコン膜となることを示す断面図。
定して多結晶シリコン膜となることを示す断面図。
【図2】マイクロクラックが発生した場合の比較例の状
態を示す断面図。
態を示す断面図。
【図3】ボイドが発生した場合の比較例の状態を示す断
面図。
面図。
1:CW Arレザービーム 2:非晶質シリコン膜 3:絶縁膜 4:ガラス基板 5:多結晶シリコン膜 6:マイクロクラック 7:ボイド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】すなわち、ガラス基板上にシリコンの水素
化物を原料ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリ
コン膜を形成し、レーザービームの走査速度をビームス
ポット径(μm)×5000(μm/秒)以上の或る速
度とし、該非晶質シリコン膜にレーザービームを走査照
射し、該非晶質シリコン膜が結晶化を示し始める第1の
レーザーパワー閾値と、該非晶質シリコン膜が溶融状態
に至る第2のレーザーパワー閾値との間にレーザーパワ
ーを設定し、該非晶質シリコン膜を完全な溶融状態に至
らしめることなく多結晶シリコン膜に結晶化せしめて形
成した平面ディスプレイ用薄膜トランジスタにおいて、
該非晶質シリコン薄膜を100〜3000Åの膜厚に堆
積し、レーザービームを該非晶質シリコン膜に走査照射
して該非晶質シリコン膜の多結晶化を行い、該非晶質シ
リコン膜の堆積から多結晶化までを略350℃以下の基
板温度で形成したことを特徴とする平面ディスプレイ用
薄膜トランジスタを提供する。
化物を原料ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリ
コン膜を形成し、レーザービームの走査速度をビームス
ポット径(μm)×5000(μm/秒)以上の或る速
度とし、該非晶質シリコン膜にレーザービームを走査照
射し、該非晶質シリコン膜が結晶化を示し始める第1の
レーザーパワー閾値と、該非晶質シリコン膜が溶融状態
に至る第2のレーザーパワー閾値との間にレーザーパワ
ーを設定し、該非晶質シリコン膜を完全な溶融状態に至
らしめることなく多結晶シリコン膜に結晶化せしめて形
成した平面ディスプレイ用薄膜トランジスタにおいて、
該非晶質シリコン薄膜を100〜3000Åの膜厚に堆
積し、レーザービームを該非晶質シリコン膜に走査照射
して該非晶質シリコン膜の多結晶化を行い、該非晶質シ
リコン膜の堆積から多結晶化までを略350℃以下の基
板温度で形成したことを特徴とする平面ディスプレイ用
薄膜トランジスタを提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/12 R
Claims (1)
- 【請求項1】ガラス基板上にシリコンの水素化物を原料
ガスとしてプラズマCVDにより非晶質シリコン膜を形
成し、レーザービームの走査速度をビームスポット径
(μm)×5000(m/秒)以上の或る速度とし、該
非晶質シリコン膜にレーザービームを走査照射し、該非
晶質シリコン膜が結晶化を示し始める第1のレーザーパ
ワー閾値と、該非晶質シリコン膜が溶融状態に至る第2
のレーザーパワー閾値との間にレーザーパワーを設定
し、該非晶質シリコン膜を完全な溶融状態に至らしめる
ことなく多結晶シリコン膜に結晶化せしめて形成した平
面ディスプレイ用薄膜トランジスタにおいて、該非晶質
シリコン薄膜を100〜3000Åの膜厚に堆積し、レ
ーザービームを該非晶質シリコン膜に走査照射して該非
晶質シリコン膜の多結晶化を行い、該非晶質シリコン膜
の堆積から多結晶化までを略350℃以下の基板温度で
形成したことを特徴とする平面ディスプレイ用薄膜トラ
ンジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12858295A JPH07326769A (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12858295A JPH07326769A (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60242890A Division JPH0810668B2 (ja) | 1985-10-31 | 1985-10-31 | 多結晶シリコン膜の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15787995A Division JPH0851218A (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 薄膜トランジスタの形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07326769A true JPH07326769A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=14988323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12858295A Pending JPH07326769A (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07326769A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6897889B2 (en) | 2001-11-30 | 2005-05-24 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser beam irradiating apparatus, laser beam irradiating method, and method of manufacturing a semiconductor device |
US7037809B2 (en) | 2001-10-30 | 2006-05-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method of manufacturing semiconductor device using a laser irradiation process |
US7220627B2 (en) | 2003-04-21 | 2007-05-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for manufacturing a semiconductor device where the scanning direction changes between regions during crystallization and process |
US7397592B2 (en) | 2003-04-21 | 2008-07-08 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Beam irradiation apparatus, beam irradiation method, and method for manufacturing a thin film transistor |
US7468312B2 (en) | 2001-11-09 | 2008-12-23 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser irradiation apparatus, laser irradiation method, and method of manufacturing a semiconductor device |
US7476629B2 (en) | 2003-04-21 | 2009-01-13 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Beam irradiation apparatus, beam irradiation method, and method for manufacturing thin film transistor |
US7758926B2 (en) * | 2001-05-30 | 2010-07-20 | Lg Display Co., Ltd. | Amorphous silicon deposition for sequential lateral solidification |
KR101015181B1 (ko) * | 2001-11-29 | 2011-02-17 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 박막트랜지스터 제조방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62104117A (ja) * | 1985-10-31 | 1987-05-14 | Asahi Glass Co Ltd | 半導体薄膜の製造方法 |
-
1995
- 1995-05-26 JP JP12858295A patent/JPH07326769A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62104117A (ja) * | 1985-10-31 | 1987-05-14 | Asahi Glass Co Ltd | 半導体薄膜の製造方法 |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7758926B2 (en) * | 2001-05-30 | 2010-07-20 | Lg Display Co., Ltd. | Amorphous silicon deposition for sequential lateral solidification |
US7037809B2 (en) | 2001-10-30 | 2006-05-02 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method of manufacturing semiconductor device using a laser irradiation process |
US7892952B2 (en) | 2001-10-30 | 2011-02-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser apparatus, laser irradiation method, manufacturing method for semiconductor device, semiconductor device, production system for semiconductor device using the laser apparatus, and electronic equipment |
US7468312B2 (en) | 2001-11-09 | 2008-12-23 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser irradiation apparatus, laser irradiation method, and method of manufacturing a semiconductor device |
KR101015181B1 (ko) * | 2001-11-29 | 2011-02-17 | 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 | 박막트랜지스터 제조방법 |
US6897889B2 (en) | 2001-11-30 | 2005-05-24 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser beam irradiating apparatus, laser beam irradiating method, and method of manufacturing a semiconductor device |
US7445974B2 (en) | 2001-11-30 | 2008-11-04 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Laser beam irradiating apparatus, laser beam irradiating method, and method of manufacturing a semiconductor device |
US7220627B2 (en) | 2003-04-21 | 2007-05-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method for manufacturing a semiconductor device where the scanning direction changes between regions during crystallization and process |
US7397592B2 (en) | 2003-04-21 | 2008-07-08 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Beam irradiation apparatus, beam irradiation method, and method for manufacturing a thin film transistor |
US7476629B2 (en) | 2003-04-21 | 2009-01-13 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Beam irradiation apparatus, beam irradiation method, and method for manufacturing thin film transistor |
US7746528B2 (en) | 2003-04-21 | 2010-06-29 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd | Beam irradiation apparatus, beam irradiation method, and method for manufacturing thin film transistor |
US7915099B2 (en) | 2003-04-21 | 2011-03-29 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Beam irradiation apparatus, beam irradiation method, and method for manufacturing semiconductor device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0810668B2 (ja) | 多結晶シリコン膜の製造方法 | |
JP4026182B2 (ja) | 半導体装置の製造方法、および電子機器の製造方法 | |
KR100333153B1 (ko) | 반도체장치제작방법 | |
US6881615B2 (en) | Method for crystallizing semiconductor material without exposing it to air | |
US5962869A (en) | Semiconductor material and method for forming the same and thin film transistor | |
JP3586558B2 (ja) | 薄膜の改質方法及びその実施に使用する装置 | |
EP0449524A2 (en) | Optical annealing method for semiconductor layer and method for producing semiconductor device employing the same semiconductor layer | |
TW515101B (en) | Method for fabrication of field-effect transistor | |
JPH07221017A (ja) | 半導体装置およびその作製方法 | |
JPH0758339A (ja) | 半導体装置およびその作製方法 | |
TW509968B (en) | Method of forming polycrystalline semiconductor film | |
JPH07326769A (ja) | 平面ディスプレイ用薄膜トランジスタ | |
JPH0794756A (ja) | 半導体装置の作製方法 | |
JP3359670B2 (ja) | 半導体装置の作製方法 | |
JPS63299322A (ja) | 単結晶シリコン膜の形成方法 | |
JPH0851218A (ja) | 薄膜トランジスタの形成方法 | |
JPH09283468A (ja) | 低抵抗導電膜の作製方法 | |
JPH02119122A (ja) | 低抵抗多結晶半導体薄膜の製造方法 | |
JP3202687B2 (ja) | 半導体装置の作製方法 | |
JP2817613B2 (ja) | 結晶シリコン膜の形成方法 | |
JPH0574704A (ja) | 半導体層の形成方法 | |
JP3202688B2 (ja) | 半導体装置の作製方法 | |
JP4211085B2 (ja) | 薄膜トランジスタの製造方法 | |
JPH04305940A (ja) | 薄膜トランジスタの製造方法 | |
JPH09139502A (ja) | 半導体装置およびその製造方法 |