JPH08511951A - グリコール酸オキシダーゼおよびカタラーゼを発現するhansenulaの微生物形質転換体 - Google Patents

グリコール酸オキシダーゼおよびカタラーゼを発現するhansenulaの微生物形質転換体

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ズビグニユウ・アロイジー ジヤノウイツツ,
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Abstract

(57)【要約】 本発明はグリコール酸オキシダーゼを生産するように、場合によってはカタラーゼも生産するように遺伝子工学的に操作されたハンセニューラ(Hansenula)株に関し、これはグリコール酸をグリオキシル酸に転換する生物触媒として役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】 グリコール酸オキシダーゼおよびカタラーゼを発現する HANSENULAの微生物形質転換体 発明の背景 1.発明の分野 本発明は酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼを発現する新規な微生物形 質転換体に関する。より詳細には本発明は、酵素的に活性なグリコール酸オキシ ダーゼの発現をコードするDNA断片を含み、そして場合によっては酵素的に活 性なグリコール酸オキシダーゼの生産のためのカタラーゼおよび、場合によって 酵素的に活性な異型カタラーゼに対する異型遺伝子で形質転換されてもよいハン セニューラ(Hansenula)メチロトローフ性酵母種を培養することに関する。 2.関連技術の記載: グリオキシル酸は、様々な農薬、医薬品および香水の製造に重要な中間体であ る。典型的なグリオキシル酸の工業的生産には、酸化化学または電気化学的手段 のいずれかが使用される。電気化学的製造には、グリオキシル酸を生成するため に蓚酸の還元またはグリオキサールの陰極での酸化のいずれかが関与し、一方化 学的酸化には一般的にHNO3のような強酸の存在下でのグリオキサールの酸化が関 与する。これらの工業的方法の結果、種々の毒性の酸および重金属を含有する廃 棄蒸気が生成される。毒性廃棄物の生成にまつわる大衆の関心の増大は度重なる 政府の規 制と結び付き、経費のかからない、しかも環境に受け入れられることができる別 のグリオキシル酸の生産法に関する探求のはずみとなった。そのような有力な方 法の1つは、米国特許第5,219,745号明細書に記載されているようなグリコール 酸オキシダーゼによるグリコール酸の酸化が関与する、微生物が媒介する酵素的 触媒である。グリコール酸および酸素を水溶液中で、かつアミン緩衝液および2 つの酵素触媒(グリコール酸オキシダーゼおよびカタラーゼ)の存在下で反応さ せた。この方法は、カタラーゼ(フォーメート生産の原因である副産物の過酸化 水素を破壊するため)、ならびにグリオキシレートと酸化-耐性N-置換ヘミアミ ナールおよび/またはイミンと複合体を形成できるアミン添加物(さらなる酸化 を制限する)の両方を使用することの相乗効果を実証した。グリオキシル酸およ びアミノメチルホスホン酸(AMPA)の混合物を調製するための関連方法は、米国特 許第5,135,860号明細書に記載された。米国特許第5,180,846号明細書では、生成 したグリオキシル酸およびAMPAの混合物が、N-(ホスホノメチル)グリシン、発 生後の植物に有害な物質および除草剤を製造するために使用された。 グリコール酸オキシダーゼは、緑葉植物および哺乳類細胞を含む様々な起源か ら入手できる酵素である。N.E.Tolbertら(J.Biol.Chem.,(1949)181:905)は、初 めてタバコの葉から抽出した酵素を報告し、これは中間体グリオキシル酸の生成 を介してグリコール酸のギ酸およびCO2への酸化を触媒した。同様に、K.E.Ri chardsonおよびN.E.Tolbert(J.Biol.Chem.,(1961)236:1280)は、タバコ、砂糖大 根、フダンソウ、ホウレンソウまたはラット肝臓から単離した酵素を使用して、 グリコール酸のグリオキシル酸へのグリコール酸オキシダーゼ-触媒酸化中に、 蓚酸の生 成を報告した。C.O.Clagett、N.E.TolbertおよびR.H.Burris(J.Biol.Chem.,(194 9)78:977)は、グリコール酸と酸素を使用したグリコール酸オキシダーゼの触媒 酸化のための最適pHは約7.8−8.6であり、そして最適温度は35-40℃であると報 告した。 最近の組換えDNA法の進歩により、ホウレンソウの酵素をコードするcDN Aの単離(Volokitaら、J.Biol.Chem.,(1987)262(33):15825)と組み合わせて、 別の経済的な酵素源として役立てることを目的とした微生物株の構築が可能とな った。今日まで、工業的な応用での異型タンパク質の発現に選択される宿主生物 は大腸菌であった。しかし、場合によっては大腸菌が適当でない宿主である可能 性もある。例えば、大腸菌は発現した酵素の活性を妨害するかもしれない多くの タンパク質分解性因子を含み、そしてさらに精製を必要とする毒性の発熱物質を 生産するかもしれない。これらの、ならびに他の考察は活性酵素を生産するため の別の宿主、特に酵母への関心を増大させる。 酵母は大腸菌および他の細菌に優る、工業的応用に対する幾つかの利点を提供 する。酵母は細菌よりも一般的に高い密度で生育し、容易に連続発酵法に適用で きる。酵母宿主のさらなる利点には、酸化的リン酸化のような多くの重要な生物 学的機能がオルガネラの中に位置し、したがって生物の外来酵素産物の過剰発現 の悪影響にさらされないかもしれない。さらに、酵母はグリコシル化がポリペプ チド生成物の生物活性に重要な場合に、発現したポリペプチド生成物のグリコシ ル化を行うことができることも考えられる。 グリコール酸オキシダーゼを生産する能力があるにもかかわらず、今日まで使 用されている典型的な微生物宿主は不活性酵素を生産するか、 あるいは極めてわずかなレベルの生産といういずれかを不十分に行ってきた。初 期のデータでは大腸菌は酵素をコードする遺伝子を発現しうる状態で導入した後 に、酵素的に活性な状態のグリコール酸オキシダーゼを生産することはできない と示されたが(Macherouxら、Biochemistry(1991)30:4612を参照にされたい)、そ の後、この宿主中でT7 RNAポリメラーゼプロモーターを使用して活性酵素を大変 わずかではあるが発現できることが示された(Macherouxら、Biochem.Biophys.,( 1992),Acta,1132:11-16)。サッカロミセス(Saccharomyces)属を含む様々な真菌 種から活性なグリコール酸オキシダーゼの発現を行うことができたが(Macheroux ら、同上(1991));これらの宿主は工業的に有用であると思われるよりもはるか に低いレベルの酵素を生産できるだけであった。 カタラーゼ(例えばEC1.11.1.6)は自然に広く存在する酵素であり、そしてほと んどすべての好気生物に見いだされる。カタラーゼはオキシダーゼ酵素により、 または分子酸素の反応のいずれかにより生成した過酸化水素を不均化する機能を もつ。反応は次のとおり: 2H22→2H2O+O2 真核生物では、カタラーゼはしばしば少なくとも2つの形で存在する:サイト ソル性およびペルオキシソーム性;例えばサッカロミセスセルビシエ(Saccharom yces cerevisiae)ではこれらの2つの形態はそれぞれカタラーゼT(CTT1遺伝子 産物、Spevak.W.ら、Mol.Cell Biol.,(1983)、3:1545)およびカタラーゼA(CTA1 遺伝子産物、Cohenら、Mol.Gen.Genet.,(1985),200:74-79)である。カタラーゼ AおよびカタラーゼTは、天然のサッカロミセス セルビシエ プロモーターの制 御下でハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)中で活性に発現さ れると報 告されたが、カタラーゼAだけがカタラーゼ欠損ペルオキシソームを機能的に相 補することが判明した(HansenおよびRoggenkamp、Eur.J.Biochem.,(1989),184:1 73-179)。 発明の要約 本発明は酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼを発現させるためのDNA 融合物を提供し、この融合物はグリコール酸オキシダーゼ遺伝子をコードする第 二DNA断片に操作可能かつ発現できるように連結したハンセニューラ種由来の 適当なプロモーターをコードする第一DNA断片を含んで成る。本発明は酵素的 に活性な異型カタラーゼを発現させるためのDNA融合物も提供し、この融合物 はカタラーゼ遺伝子をコードする第二DNA断片に操作可能かつ発現できるよう に連結したハンセニューラ株由来の適当なプロモーターをコードする第一DNA 断片を含んで成る。 本発明はさらに酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼを発現させるために 、形質転換したハンセニューラ宿主酵母を提供し、ここで形質転換したハンセニ ューラ宿主酵母はグリコール酸オキシダーゼを発現できる異型DNA融合物を含 む。好ましくは形質転換したハンセニューラ宿主酵母は、内因性カタラーゼ遺伝 子も発現できる。 本発明の1つの特別な態様では、酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼと 一緒にヘテロロガスに生産される酵素的に活性なカタラーゼを同時に発現する、 二重に形質転換されたハンセニューラ ポリモルファを提供する。好ましくは二 重に形質転換されたハンセニューラ宿主酵母は、アミノメチルホスホン酸により 阻害されないように選択した外来のカタラーゼ遺伝子を発現できる。さらに特別 な態様では、ホウレンソウ グリコール酸オキシダーゼまたはその活性な変更体をコードする異型DNAを使 用する。すべての態様において、異型DNAは宿主染色体に安定に組込まれる。 本発明は酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼを生産する方法も提供し、 その方法は、酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼをコードする異型DNA 構築物を含む形質転換したハンセニューラ株を培養し、そして該酵母の成長をグ リコール酸オキシダーゼの最大生産に適するような条件下で維持する工程を含ん で成る。場合によっては外来のカタラーゼが上記グリコール酸オキシダーゼと一 緒に発現される方法も提供する。 図面、配列表および生物寄託に関する簡単な説明 第1図はホウレンソウ グリコール酸オキシダーゼのアミノ酸配列を具体的に 記載する(配列番号1)。 第2図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpFPMT130発現ベクタ ーを具体的に記載する。 第3図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpRB発現ベクターを 具体的に記載する。 第4図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpFMDGO発現ベクター を具体的に記載する。 第5図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpRBGO発現ベクター を具体的に記載する。 第6図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpHK2発現ベクターを 具体的に記載する。 第7図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpHCTKm2発 現ベクターを具体的に記載する。 第8図はそれぞれの成分および制限部位を示すプラスミドpRBCATT発現ベクタ ーを具体的に記載する。 出願人は、“特許出願におけるヌクレオチドおよびアミノ酸配列の標準的表示 に関する規則(Rules for the Standard Representation of Nucleotide and Ami no Acid Sequences in Patent Applications)”(欧州特許庁長官の決定に対する 添付書類IおよびII、OJ EPO 12/1992に対する追補No.2にて公開)に従って配列 番号1に関する配列表を提出した。 この配列は第1図に対応する。 出願人はブタペスト条約に基づき以下の生物寄託を行った: 本明細書で使用するように、“NRRL”名とは米国、イリノイ州61604、ペオリ ア、ユニバーシティー通り、1815Nの米国農務省、北部地域調査研究所、アグリ カルチュラル リサーチ サービスカルチャーコレクションを言う。 発明の詳細な説明 本発明はハンセニューラ属の酵母により工業的に有用な量で生産される、酵素 的に活性なグリコール酸オキシダーゼ(GO)の生産に関する。 “ハンセニューラ株”という用語の使用において、この用語はメチルトローフ性 ハンセニューラ酵母と同じまたは類似として分類される任意の種を包含する用語 であるべきで、そして宿主をハンセニューラ属の種と呼ぶことを妨げないが、メ チルトローフ性酵母の分類がより適当な基準であると思われる。これは制限する わけではなく、ハンセニューラポリモルファ、ハンセニューラ アウグスタ(Hans enula augusta)、ハンセニューラ アノマーラ(Hansenula anomala)、ハンセニュ ーラ カプスラータ(Hansenula capsulata)、ハンセニューラ サターナス(Hansen ula saturnus)およびハンセニューラ ウィンゲイ(Hansenula wingei)を例として 含む。本発明の目的のために、“酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼ”と いう語は、従来設計のアッセイにより測定されるようなグリコレートをグリオキ シレートに転換できる状態の任意のグリコール酸オキシダーゼ(すなわち、グリ コール酸をグリオキシル酸に転換する)を言う。またさらにこの語は、グリコレ ートからグリオキシレートへの反応を触媒するように、酵素が単離され、そして リホールドされなければならない封入体のような泡中に含まれる酵素も包含する と理解されるべきである。さらに本発明の目的のために、“工業的に有用な量” とは、経済的に可能な細胞単位あたりの特別なタンパク質の濃度の生産を言う。 したがって本発明のグリコール酸オキシダーゼは天然に存在する酵素の任意の 状態に相当する構造を有するか、または上記定義のような酵素的に活性なグリコ ール酸オキシダーゼが保持されるならば、遺伝的に工作した変更構造を有しても よい。天然に存在するグリコール酸オキシダーゼの状態には、例えばホウレンソ ウ−生産グリコール酸オキシダーゼ がある。本明細書の図1に示すように、ホウレンソウのグリコール酸オキシダー ゼは、その成熟状態で、示した配列(配列番号1)のように整列した369アミノ 酸から成る。本発明の好適態様により、グリコール酸オキシダーゼはホウレンソ ウのグリコール酸オキシダーゼまたは酵素的に活性なホウレンソウのグリコール 酸オキシダーゼの変異体、例えば酵素の酵素的に活性な断片、または保存的アミ ノ酸置換を使用して1つ以上のアミノ酸が置き換わった類似体、またはペルオキ シソームの蓄積を支配する酵素領域が欠損している変異体である(例えばMacher ouxら、同上(1991)を参照にされたい)。 アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、サッカロミセス セル ビシエ( カタラーゼT)、ハンセニューラ ポリモルファ、ピチア パストリス(Pichia pa storis )およびウシ肝臓は現在、グリコール酸/AMPA混合物の酸化中に生成する過 酸化水素の分解に関する触媒としてそれぞれ研究され、そしてこれまでに報告さ れていないエイチ.ポリモルファ、ピー.パストリスおよびウシ肝臓由来のカタ ラーゼのAMPAによる可逆的阻害が見いだされた。この阻害はどのような可溶性カ タラーゼ、固定化カタラーゼまたはカタラーゼ含有全細胞触媒を使用するかにか かわらず生じる。 内因性のカタラーゼがAMPAにより阻害される微生物細胞形質転換体(例えば、 エイチ.ポリモルファ形質転換体)を触媒として使用する、グリコール酸/AMPA 反応混合物に対する阻害耐性カタラーゼ源をさらに加えることの代替として、微 生物形質転換体(これは外因性の酵素、グリコール酸オキシダーゼを発現する) をAMPAに阻害されないさらなる外因性カタラーゼ(例えば、エス.セルビシエ由 来のカタラーゼT)を発現す るように再度工作した。この微生物細胞“二重”形質転換体を、AMPAにより阻害 されない添加カタラーゼの不在で使用することにより、AMPAにより阻害されるカ タラーゼをもつ微生物細胞“単回”形質転換体(すなわち外因性グリコール酸オ キシダーゼおよび内因性カタラーゼ)で得たものと比較した時、グリオキシレー トの収量が有意に上昇し、そしてフォーメートの生成が減少した。AMPAが存在す る中でグリコレートからグリオキシレートへの酵素的転換のためには、異型カタ ラーゼはAMPAによる阻害の欠失により選択されるものと考えられる。限定される ものでないが、これらにはサッカロミセスセル ビシエ由来のカタラーゼT、ア スペルギウスニガー由来のカタラーゼ等がある。サッカロミセスセルビシエ由来 のカタラーゼTを使用することが好ましいが、AMPAが不在の中でグリコレートか らグリオキシレートへの酵素的転換のためには、任意の適合性のある異型カタラ ーゼが本発明の目的に有用であると考える。 メチルトローフ性酵母ハンセニューラ ポリモルファは、異型タンパク質を発 現するために開発された(Roggenkampら、Mol.Gen.Genetics,(1986),202:302;Hol lenbergおよびJanowicz、欧州特許出願公開第0299108号明細書(1987))。異なる 環境でも生活しうるメチルトローフとして、この酵母種は、メタノールを唯一の エネルギーおよび炭素源として使用することができ;他の可能な炭素源はグルコ ースまたはグリセロールである。メタノールを培養培地に添加すると、メタノー ル代謝の鍵となる酵素が強く発現する。この発現は転写レベルで調節される。こ れらの鍵となる酵素、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲ ナーゼ(FMD;すなわちFMDH)およびメタノールオキシダーゼ(MOX)の遺伝子は、ク ローン化され、そして特徴が決定された(Ledeboerら、Nucl eic Acids Res.,(1985),13:3060;Janowiczら、Nucleic Acids Res.,(1985),13:2 043;HollenbergおよびJanowicz、同上(1987))。これらの鍵となる酵素のプロモ ーターは、炭素源としてグルコースを使用して抑制され、グリセロールを使用し て低下し、そしてメタノールを使用して誘導される。 これらの遺伝子のプロモーター要素は、異型遺伝子発現のために使用できる。 したがって、それらは組換え体ハンセニューラ ポリモルファ株の作成のための 発現ベクターの成分である。標準的な発現ベクターはプロモーター(例えば制限 するわけではないが、FMD-プロモーター、MOX-プロモーター等)と一般的な任意 のターミネーター(ここでも限定されるものでないが、例としてMOX-ターミネー ター配列等)の間に組込まれた外来遺伝子のコーディング配列を持つ。さらに、 ベクターは選択マーカーおよびHARS1(ハンセニューラ自律的複製配列)を、適当 なエイチ.ポリモルファ中での選択および増殖のために含み、そして細菌の複製 起源(ori)およびアンピシリン-耐性(amp)遺伝子を大腸菌中での増殖および選択 のために含んでいる(Gellissenら、Biotech Adv.(1992),10,179:Gellissenら、T ibtech,(1992),10,413)。 取り込み後、異型DNAは宿主ゲノムに安定に組込まれる。形質転換の結果、 頭から尾に整列した組込みDNAのコピー数が変化している様々な株を生じる。 この発現カセットの安定な多量化組込みにより、ハンセニューラ ポリモルファ は数種のタンパク質を固定した比率で同時−発現するための理想的な宿主となる (Janowiczら、Yeast,(1991),7:431)。 グリコール酸オキシダーゼまたはカタラーゼをハンセニューラ中で発現させる ための発現カセットの構築は、当該技術分野で周知の方法によ り行うことができる。グリコール酸オキシダーゼ遺伝子(またはカタラーゼ遺伝 子)の起源は、染色体DNAまたはこの遺伝子を含む既に構築されているベクタ ーのいずれかであることができる。一般的に、すでに存在しているベクターから グリコール酸オキシダーゼ遺伝子を単離することが最も好ましい。5'および3'末 端の両方が便利な制限部位に結合しているグリコール酸オキシダーゼ遺伝子も好 ましい。適当なグリコール酸オキシダーゼ遺伝子を含む任意のベクターまたはプ ラスミドを使用できるが、本発明の目的にはプラスミドpDA-PCR#1が最も好まし い。pDA-PCR#1はアスペルギルス形質転換プラスミドpTAwtS-GOD由来のものであ る。より特別には、pTAwtS-GODはホウレンソウ グリコール酸オキシダーゼ遺伝 子をアスペルギルス ニダランス(Aspergillus nidulansalcAプロモーターの 制御下に有し、5'末端がBglII部位に、そして3'末端がEcoRI部位に結合している 。pTAwtS-GOD中のグリコール酸オキシダーゼ遺伝子は従来のPCR法により、一 端をXbaI部位に、そして反対の端をEcoRI部位に組込まれるプライマーを使用し て増幅される。PCR断片はBluescriptプラスミド(ストラタジーン:stratage ne、ラジョラ、カリフォルニア州)のXbaIおよびEcoRI部位の間に連結され、プ ラスミドpDA-PCR#1を生成する。 グリコール酸オキシダーゼタンパク質をコードする単離DNAは、場合によっ ては、適当なハンセニューラ形質転換ベクター中にクローン化する目的で、周知 技術により増幅されてもよい。増幅のための任意の方法を使用でき、それにはポ リメラーゼ連鎖反応(PCR)またはリガーゼ連鎖反応(LCR)があるが、PCR が最も好ましい。増幅したグリコール酸オキシダーゼDNAを次に適当なハンセ ニューラ形質転換ベクタ ー中にクローン化する。ベクターがグリコール酸オキシダーゼ遺伝子を駆動でき るプロモーターを含み、かつプロモーターが下流にグリコール酸オキシダーゼ遺 伝子を含む制限部位に匹敵する制限部位を含んでいる、多くの形質転換ベクター が適当である。第2および第3図に詳細に記載されているpFPMT130またはpRBを 含む、任意の適当な形質転換ベクターを使用できる。制限断片は基本ベクターpF PMT130(第2図を参照にされたい)のマルチクローニング部位に、EcoRIおよびBam HI 部位を挿入のために使用してクローン化される。第2シリーズは、選択マー カーとしてのクロラムフェニコール耐性配列を含むpRBベクターで構築する(第 3図)。新たに生成したプラスミドDNAの制限処理、連結、増殖および単離は Maniatisら、モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(Molecul ar Cloning:a laboratory manual)、コールドスプリングハーバーラボラトリー 出版(Cold Spring Harbour Laboratory Press)(1982)に従う。cDNA配列の挿 入は発現ベクターpFMDGOおよびpRBGO(第4および5図)を生成する。エイチ.ポリモルファの形質転換 上記記載のベクターを、オロチジン5'リン酸デヒドロゲナーゼが欠損している コンピテントなエイチ.ポリモルファ細胞RB11株(ura-)を形質転換するために使 用する。栄養要求RB11株は、基本的にRoggenkampら、同上、1986に記載されたよ うに生成する。この株のコンピテント細胞は確立された方法(Dohmenら、Yeast(1 991),7,691)に従い以下のように作成する:10mLの酵母培地(YPD;すなわち、酵 母、ペプトンおよびグルコース)に細胞を接種し、そして37℃で一晩培養する。 このカルチャーを続いて200mLのYPDを接種するために使用する。細胞を37℃でOD600 が0.6 から1.0の間になるまで培養する。細胞を遠心により回収し、室温で100mLの溶液 A(1Mソルビトール、10mMビシンpH8.35、3%エチレングリコール)で洗浄し、そし て次に4mLのこの溶液Aに再懸濁する;11μLのジメチルスルフォキシド(DMSO)を 加え、そしてコンピテント細胞を-70℃で保存する。 形質転換のために、10μgのプラスミドDNAおよび100μlの冷0.1M CaCl2を 凍結細胞アリコートに加える;迅速に解凍後、1.0mLの溶液B(40%PEG 3350、200 mMビシンpH8.35)を加え、そして形質転換混合物を37℃で1時間インキューベー ションする。続いて、細胞を1mLの溶液C(150mM NaCl、10mMビシンpH8.35)で洗浄 し、そして200mLに再懸濁する。この懸濁液を選択寒天プレート(酵母窒素塩基( YNB)-グルコース)にまく。プレートを37℃で3−5日インキューベーションする 。異型DNAの多量化コピーを有する有糸分裂的に安定な株の生成 発生したプレートからのコロニーを、3mLのYNBグルコースを接種するために使 用し、そして37℃で培養する。完全に成長したカルチャーの50μLアリコートを 、別の3mLカルチャーに接種するために使用する。この方法を40世代繰り返す。 この継代中、プラスミドDNAはゲノムに組込まれる。続いて3mLのYPD(非−選 択培地)を接種し、そして37℃で培養する。希釈したアリコートのプレーティン グでは、選択および非−選択寒天プレートにまいた時に同一数のコロニーを生じ るはずである。グリコール酸オキシダーゼ(GO)を発現する組換え株の同定 組換えGOの発現のために、細胞を抑制または誘導条件下で培養しなければなら ない。継代した形質転換体を3mLのYNB(1%グリセロールを補充)を接種するた めに使用した。成長2日後、細胞を3mLのYNB(1%メ タノールを補充)に移した。さらに1日誘導した後、細胞を遠心により回収し(8 00×gで5分間)、そして粗抽出物から調製した試料中のGO活性を測定した。粗抽出物から調製 回収した細胞を600mLの抽出用緩衝液(1mMジチオスレイトール(DTT):0.1mMフ ラビンモノヌクレオチド(FMN)、10mMフェノールメチルスルホニルフルオリド(PM SF)、10%DMSO、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH8.3中)に再懸濁する。細胞をガ ラスビーズ(直径0.45-0.5mm)で5分間破壊し、30秒ごとに固体CO2で冷却する。細 胞の破片を遠心で除去する(15000×gで15分間、4℃)。GO活性の測定 GO含量について5-20mLの粗抽出物は、Sodaら、Agr.Biol.Chem.,(1973),37(6): 1393を変更した分光光度的アッセイでグリオキシル酸生成を定量することにより 分析した。GO-発現株中に組込まれた異型DNAのコピー数の測定 組込まれた異型DNAのコピー数をGellissenら、同上(1992)により概説され たように測定する。DNA決定のために、DNAを様々な形質転換体および非形 質転換宿主RB11から単離する。単離したDNAをAsp718/SalIで制限処理し、ニ トロセルロースに移し、そして32P-標識EcoRI/Asp718断片にハイブリダイズさせ る。この結果、本来の単一コピーFMD/GO遺伝子融合体および異型FMDプロモータ ー/GO遺伝子融合体について、同様な電気泳動的位置で2つのシグナルを生じる 。DNA希釈で、コピー数は異型断片のシグナルの強度を本来の単一コピーの対 照の強度と比較して推定する。GO生産株の性質 形質転換した株を継代し、そしてGO含量を記載のように分析した。続いてスク リーニングの結果は、形質転換に関してpFMDGOおよびpRBGOを使用して得られた 。 グリコール酸オキシダーゼタンパク質はウエスタンブロット分析により検出で き、あるいはグリコール酸オキシダーゼ活性は分光光度的アッセイにより検出で きる。最も好適であるのは、Sodaら、同上(1973)に記載された方法である。この アッセイは、グリコール酸オキシダーゼが触媒するグリコレートの酸化により生 成したグリオキシレートを測定し、これは該グリオキシレートとグリシンおよび o-アミノベンズアルデヒドとが反応することにより440nmに最大吸収を有する黄 色い複合体を形成することによる。 またハンセニューラ株は内因性カタラーゼを生産する能力も評価された。カタ ラーゼ生産の評価のためには、形質転換したハンセニューラポリモルファRB11を 上記のように成長させ、そして酵素的に活性なカタラーゼ(すなわち従来の設計 のアッセイで測定するような過酸化水素の任意の不均化)について分析した。カ タラーゼ活性を測定する幾つかの方法を利用でき、例えばBeersら、J.Biol.Chem .,(1952),195:133がある。 以下の実施例は本発明をより完全に、そしてさらに個々の観点を説明するため に与えるものである。そのために、ハンセニューラ ポリモルファはハンセニュ ーラ属の宿主の説明を目的として採用し、そして同様に特定の遺伝コードおよび 配列源を様々な目的で説明のためにのみ使用する。このように、実施例は非限定 的なものであり、本発明を説明することを意味し、どのようにも不当に制限され ることを意味していない。 実施例1 pDA-PCR#1で見いだしたGO遺伝子(これはアルペルギルス形質転換プラスミドpT AwtS-GOD由来)を、EcoRIおよびBamHIで切り出した。より詳細には、pTAwtS-GOD はホウレンソウ グリコール酸オキシダーゼ遺伝子をアルペルギルス ニデュラン スalcAプロモーターの制御下に含み、そして5'末端がBglII部位に、そして3'末 端がEcoRI部位に結合している。pTAwtS-GOD中のグリコール酸オキシダーゼ遺伝 子を、従来のPCR法により、一端がXbaI部位に、そして反対の端がEcoRI部位に組 込まれるプライマーを使用して増幅する。PCR断片をBluescriptプラスミド(ス トラタジーン、ラジョラ、カリフォルニア州)中のXbaIおよびEcoRI部位に連結 して、プラスミドpDA-PCR#1を生成する。この方法に関するより詳細な説明は、 同時係属中の、そして同時に受理された米国特許出願第USSN 08/085,488;PCT 号明細書を参照にされたい。これらは引用により参考目的として本明細書に 編入する。 制限処理断片を基本ベクターpFPMT130(第2図参照)のマルチクローニング部位 に、EcoRIおよびBamHI部位を挿入のために使用してクローン化した。この新た に生成したプラスミドDNAの制限処理および連結、増殖および単離は、Maniat isら、同上(1982)に記載されたような標準的方法に従った。cDNA配列の挿入 により発現ベクターpFMDGO(第4図)を生成した。 実施例2 第2シリーズは、選択マーカーとしてクロラムフェニコール耐性配列を含んで いるpRBベクター中に構築した(第3図)。pDA-PCR#1中に見いだされたGO遺伝子は 、EcoRIおよびBamHIを使用して切り出した。制限処 理断片をベクターpRBの(第3図)多クローニング部位に、EcoRIおよびBamHI部位 を挿入のために使用してクローン化した。この新たに生成したプラスミドDNA の制限処理および連結、増殖および単離は、Maniatisら、同上(1982)に記載され たような標準的方法に従った。cDNA配列の挿入により発現ベクターpRBGO(第 5図)を生成した。 実施例3 エイチ.ポリモルファのpFMDGOでの形質転換 ベクターpFMDGOをコンピテントなエイチ.ポリモルファ細胞RB11株(オルチジ ン5'リン酸デヒドロゲナーゼ欠損:ura-)を形質転換するために使用した。栄養要 求性RB11株を、基本的にはRoggenkampら、同上(1986)により記載されたように生 成した。この株のコンピテント細胞を確立された手法により(Dohmenら、同上(19 91))以下のように生成した:10mLの酵母培地(YPD)を細胞で接種し、そして37℃ で一晩培養した。このカルチャーを続いて200mLのYPDを接種するために使用した 。細胞を37℃でOD600が0.6から1.0になるまで成長させた。細胞を遠心で回収し 、室温で100mLの溶液A(1Mソルビトール、10mMビシンpH8.35、3%エチレングリコ ール)で洗浄し、そして4mLのこの溶液Aに再懸濁した;11μLのDMSOを加え、そし てコンピテント細胞を-70℃で保存した。 形質転換のために、10μgのプラスミドDNAおよび100mLの冷0.1M CaCl2を凍 結細胞アリコートに加えた;迅速に解凍後、1.0mLの溶液B(40%PEG 3350、200mM ビシンpH8.35)を加え、そして形質転換混合物を37℃で1時間インキューベーシ ョンした。続いて、細胞を1mLの溶液C(150mM NaCl、10mMビシンpH8.35)で洗浄し 、そして200μLに再懸濁した。この懸濁液を選択寒天プレート(YNB-グルコース )にまいた。プレートを 37℃で3−5日インキューベーションした。 異型DNAの多量化コピーを有する有糸分裂的に安定な株を継代安定化により 生成した。発生したプレートからのコロニーを、3mLのYNBグルコースを接種する ために使用し、そして37℃で培養した。完全に成長したカルチャーの50μLアリ コートを、別の3mLカルチャーに接種するために使用した。この方法を40世代繰 り返す。この継代中、プラスミドDNAがゲノムに組込まれた。続いて3mLのYPD (非−選択培地)を接種し、そして37℃で培養した。継代安定化した細胞の希釈 アリコートでは、選択および非−選択寒天プレートにまいた時に同一数のコロニ ーを生じた。 継代した形質転換体を3mLのYNB(1%グリセロールを補充)を接種するために 使用した。成長2日後、細胞を3mLのYNB(1%メタノールを補充)に移した。さ らに1日誘導した後、細胞を遠心により回収した(800×gで5分間)。回収細胞を6 00mLの抽出用緩衝液(1mM DTT、0.1mM FMN、10mM PMSF、10% DMSO、リン酸ナト リウム緩衝液pH8.3中)に再懸濁した。細胞をガラスビーズ(直径0.45-0.5mn)で5 分間破壊し、30秒ごとに固体CO2で冷却する。細胞の破片を遠心で除去する(1500 0×gで15分間、4℃)。 グリコール酸オキシダーゼ活性を細胞溶解物から、o-アミノベンズアルデヒド およびグリシン(Sodaら、同上、1973)を採用したGO酵素活性のための分光光度的 アッセイ(440nmの吸収で)を使用して測定した。結果を表Iに表し、活性はタン パク質mgについて報告している。 実施例4 エイチ.ポリモルファのpRBGOによる形質転換 ベクターpRBDGOはコンピテントなエイチ.ポリモルファ細胞RB11株を形質転換 するために、本質的に実施例3に記載したように使用した。継代安定化およびグ リコール酸オキシダーゼ活性のアッセイ後、以下のクローンを選択した: 1つの株、11.11.126をさらにサブクローン化するために選択した。結果を 表IIIに表す。 実施例5 組込まれたヘテロロガスDNAのコピー数を、ハンセニューラ ポリモルファ GO1についてGellissenら、(同上、1992)に概説されているように測定した。DN Aを形質転換体および非形質転換宿主RB11から単離した。単離したDNAをAsp7 18/SalI で制限処理し、ニトロセルロースに移し、そして32P-標識EcoRI/Asp718 断片にハイブリダイズさせた。この結果、本来の単一コピーFMD遺伝子および異 型FMDプロモーター/GO遺伝子融合体について、同様な電気泳動的位置で2つのシ グナルが生じた。DNA希釈で、コピー数は異型断片のシグナルの強度を本来の 単一コピー対照の強度と比較して推定した。測定ではハンセニューラ ポリモル ファGO1が、組込まれたプラスミドの約30コピーを有することが判明した。この 組換え株は有糸分裂で安定で、発酵中に変化しない。 実施例6 CTT1についてプラスミドの発現は、実施例4に記載したGO発現ハンセ ニューラ ポリモルファGO1株の超形質転換のために設計した。基本的な発現ベ クターは、ハンセニューラ ポリモルファGO1骨格からの超形質転換体を確認す るためのさらなる優性選択マーカーとして、ADH1プロモーター/カナマイシン耐 性融合体を持つ。このカナマイシン耐性遺伝子は大腸菌トランスポゾンTn5由来 である。CTT1遺伝子は、本来のCTT1プロモーターに融合したCTT1コーディング配 列を持つプラスミドpHCT-124(HansenおよびRoggenkamp、同上(1989))から得た。 このプラスミドでのエイチ.ポリモルファ株の形質転換は、CTT1を発現する組換 え株を生じると報告されている(HansenおよびRoggenkamp、同上(1989))。プラス ミドpHK2(第6図)からのHindIII断片として得たADH1/カナマイシン耐性融合体を プラスミドpHCT-124に挿入し、ベクターpHCTKm2(第7図)を生成した。 形質転換はハンセニューラ ポリモルファGO1株の細胞を宿主として使用する ことを除き、本質的に実施例3に概説した方法に従った。形質転換体の選択のた めには、混合物をゲンタマイシン(G418硫酸塩:GIBCO、400μL中1.5mg、20mLの硬 化寒天プレートの表面に適用)を含むYNBプレートにまいた。 実施例7 第二構築では、pHCT-124からのCTT1コーディング配列をM13ベクターにサブク ローン化し、そして部位−特異的突然変異誘発法により突然変異させ、CTT1遺伝 子のATG開始およびTAA終止コドンを含むBglII制限部位を得た。このCTT1 遺伝子およびADH1/カナマイシン耐性融合体(実施例6に記載)をpRB(第3図) 中に挿入した後、生成したベクターをpRBCATTと命名し、これを第4図に表す。 これは実施例1のGO発現プラスミ ドについて記載したように、FMD-プロモーターおよびMOX-ターミネーター配列の 間に挿入されたCTT1配列を含む。 pRBCATTでのハンセニューラ ポリモルファGO1の形質転換、ならびにGOおよび カタラーゼTを同時発現している株の同定は、本質的に実施例6に記載したとお りである。 GOおよびカタラーゼT活性を同時発現している継代クローンを、前記のように プロモーターの誘導について、グリセロールそして次にメタノールを補充したYN Bで培養することにより同定した。 全カタラーゼ活性(カタラーゼTに加えて内因性エイチ.ポリモルファカタラ ーゼ)は、二重形質転換体の抽出物を調製し、そして湿潤細胞の2-5mgの抽出物 を磁気撹拌棒を含む3-mLの石英キュベットに入れ、そして次に2.0mLの16.7mMリ ン酸緩衝液(pH7.0)を加え、続いて1.0mLの59mMの過酸化水素(16.7mMリン酸緩衝 液、pH7.0中)を加え、そして240nm(ε=39.4)吸収の経時的変化を測定しながら 懸濁液を撹拌することにより測定した。微生物二重形質転換体のカタラーゼTお よび内因性カタラーゼ活性は、pH4.0でのこの方法により測定した活性を比較す ることにより、それぞれ定めた;pH4.0で内因性エイチ.ポリモルファ カタラー ゼはpH7.0での活性の7%を維持し、一方カタラーゼTはpH7.0でのその活性の60% を維持した。 カタラーゼT活性は、エイチ.ポリモルファ カタラーゼと比較した粗抽出物 の未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動の低移動度により推定できる。実施例 3に記載したように調製したメタノール−誘導細胞からの粗抽出物は、Phastgel システム(ファルマシア:Pharmacia、スウェーデン)の7.5%の未変性ゲルで分離 した。分離後、ゲルを緩やかに震盪 されているH2O2(100μLの30%H2O2、100mLの水中)中で10分間インキューベーシ ョンした。溶液を捨て、ゲルを簡単に水中ですすいだ。ゲルを緩やかに撹拌しな がら“Prussian Blue”溶液(新たに2%FeCl3(Fe(CN)6)の1:1混合物に調製)中で インキューベーションした。カタラーゼ活性は青色の背景の透明ゾーンで示され る。透明ゾーンの相対的な大きさはカタラーゼ活性に関連する。プラスミドpRBC ATT 76を使用した時、GO発現に加えて、CTT1の発現レベルを変化させるクローン は、mgタンパク質あたりの酵素活性と置き換えて確認できた(表IVおよびV)。 実施例8 有力なカタラーゼTレベルを有する株を、組込まれたCTT1発現カセット数につ いて分析し、そして対応するコピー数を表VIに与える。コピー数の決定は、GO発 現カセットのコピー数の決定法について記載した方法にほぼ従った。 様々な単離物からのDNAをAsp718で制限処理し、ニトロセルロースに移し、 そして実施例5に記載したFMD-プロモータープローブとハイブ リダイズさせた。さらに異型FMD-プロモーター/CTT1融合物からのシグナルが現 れ、そのシグナルの強度は宿主について決定したFMD-プロモーター/GO融合物の3 0コピーに匹敵しうる。 グリコール酸オキシダーゼおよびカタラーゼを同時発現する、本発明のハンセ ニューラ宿主形質転換体は、グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)からグリオキシル 酸を製造するために有用である。それらは、グリコール酸およびAMPAの混合物か らN-(ホスホノメチル)グリシン、発生後の植 物に有害な物質および除草剤の酵素的転換のための触媒として、ならびにそれ自 体が酵素源としても有用である。 このように本発明をある程度特定して記載、そして例示してきたが、以下の請 求の範囲はそのように制限することを意図せず、請求の範囲およびその均等物の 各要素の用語に釣り合った範囲にあると考える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12R 1:78) (C12N 9/04 C12R 1:78) (C12N 9/08 C12R 1:78) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AM,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LV,MD,MG,MN ,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SI, SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ダーレムス, ウルリケ・マグダレネ ドイツ・デー―47807クレーフエルト・ユ リヒヤー シユトラーセ68 (72)発明者 ゲリツセン, ゲルト・ヨハン ドイツ・デー―42489ブルフラート・リン グシユトラーセ30 (72)発明者 ジヤノウイツツ, ズビグニユウ・アロイ ジー ドイツ・デー―4006エルクラート・ミルラ ターベーク74 (72)発明者 ピオンテク, ミヒヤエル ドイツ・デー―45259エツセン・ハイジン ガーシユトラーセ336

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.異型DNAが適当な調節配列要素に操作可能に連結したコーディング領域を 含んで成り、そしてさらに異型DNAが宿主の染色体に安定に組込まれている、 異型グリコール酸オキシダーゼまたは酵素的に活性なその変異体をコードする異 型DNAを含んで成る、ハンセニューラ(Hansenula)形質転換体。 2.さらに異型外因性カタラーゼまたは酵素的に活性なその変異体をコードする 異型DNAを含んで成り、異型DNAが適当な調節配列要素に操作可能に連結し たコーディング領域を含んで成り、そしてさらに異型DNAが宿主の染色体に安 定に組込まれている、請求の範囲第1項に記載のハンセニューラ(Hansenula) 株。 3.上記異型DNAがホウレンソウ グリコール酸オキシダーゼまたは酵素的に 活性なその変異体をコードする、請求の範囲第1項に記載のハンセニューラ(Ha nsenula )株。 4.上記宿主が、ハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ハン セニューラ アウグスタ(Hansenula augusta)、ハンセニューラ アノマーラ(Hans enula anomala)、ハンセニューラ カプスラータ(Hansenula capsulata)、ハンセ ニューラ サターナス(Hansenula saturnus)およびハンセニューラ ウィンゲイ(H ansenula wingei)から成る群から選択されるハンセニューラ(Hansenula)種であ る、請求の範囲第3項に記載のハンセニューラ(Hansenula)形質転換体。 5.上記宿主がハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)種であり 、上記異型DNAがホウレンソウ グリコール酸オキシダーゼをコードする請求 の範囲第3項に記載のハンセニューラ(Hansenula) 形質転換体。 6.微生物ハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(NRRL Y-21065 )。 7.微生物ハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(NRRL Y-21113 )。 8.微生物ハンセニューラ ポリモルファ(Hansenula polymorpha)(NRRL Y-21114 )。 9.上記外因性カタラーゼがアミノメチルホスホン酸により阻害されない、請求 の範囲第2項に記載のハンセニューラ(Hansenula)形質転換体。 10.上記外因性カタラーゼがサッカロミセス セルビシエ(Saccharomyces cere visiae )カタラーゼTまたはアスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)由来であ る、請求の範囲第9項に記載のハンセニューラ(Hansenula)形質転換体。 11.酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼの製造法であって、異型DNA が適当な調節配列要素に操作可能に連結したコーディング領域を含んで成り、そ してさらに異型DNAが宿主の染色体に安定に組込まれている、異型オキシダー ゼまたは酵素的に活性なその変異体をコードする異型DNAを含んで成るハンセ ニューラ(Hansenula)形質転換体を培養する工程を含んで成る、上記方法。 12.酵素的に活性なグリコール酸オキシダーゼおよびカタラーゼの製造法であ って、異型DNAが適当な調節配列要素に操作可能に連結したコーディング領域 を含んで成り、そしてさらに異型DNAが宿主の染色体に安定に組込まれている 、異型オキシダーゼまたは酵素的に活性なそ の変異体をコードする異型DNAおよび外因性カタラーゼまたは酵素的に活性な その変異体をコードするDNAを含んで成る、ハンセニューラ(Hansenula)形 質転換体を培養する工程を含んで成る、上記方法。
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