JP2000189166A - リゾムコ―ル属糸状菌の糖鎖付加能欠損変異株を用いたタンパク質の製造法 - Google Patents

リゾムコ―ル属糸状菌の糖鎖付加能欠損変異株を用いたタンパク質の製造法

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JP2000189166A
JP2000189166A JP10370169A JP37016998A JP2000189166A JP 2000189166 A JP2000189166 A JP 2000189166A JP 10370169 A JP10370169 A JP 10370169A JP 37016998 A JP37016998 A JP 37016998A JP 2000189166 A JP2000189166 A JP 2000189166A
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gly
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rhizomucor
protein
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Sueji Horinouchi
堀之内末治
Yasuo Onishi
康夫 大西
Takashi Yamashita
▲隆▼ 山下
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Meito Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来タンパク質に糖鎖を付加するリゾムコー
ル属の糸状菌を用いて糖鎖が付加されていない組換えタ
ンパク質を製造する方法を提供する。 【解決手段】 アスパラギン結合型糖鎖の付加能を欠損
したリゾムコール属に属する糸状菌変異株を、本来アス
パラギン結合型糖鎖を有するタンパク質をコードするD
NAで形質転換して得られる形質転換体を培養し、該培
養物から前記アスパラギン結合型糖鎖を欠損したタンパ
ク質を採取する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスパラギン結合
型糖鎖を欠損したタンパク質を製造する方法であって、
本来アスパラギン結合型糖鎖を有するタンパク質をアス
パラギン結合型糖鎖を欠損した形態で製造する方法に関
する。本発明の方法により製造されるタンパク質は、医
薬品、食品分野等で利用することができる。
【0002】
【従来の技術】真核生物の生体を構成するタンパク質の
多くは、タンパク質に糖鎖が結合した糖タンパク質であ
る。糖鎖は、タンパク質の活性や安定性の付与、あるい
は細胞間での情報伝達、糖タンパク質の細胞内輸送や細
胞外分泌に関与するなど、重要な役割を果たしている。
【0003】タンパク質に結合している糖鎖は、タンパ
ク質のアスパラギン残基と結合している糖鎖(N−グリ
コシド結合糖鎖)と、セリン残基、ヒドロキシルリジン
残基又はヒドロキシプロリン残基に結合している糖鎖
(O−グリコシド結合糖鎖)に分類される。これらの糖
鎖は、タンパク質中のAsn-X-Ser/Thrというアミノ酸配
列部位に結合する。
【0004】一方、大腸菌等の原核細胞では、タンパク
質に糖鎖を付加するメカニズムは存在しないため、動物
の生理活性タンパク質等を、大腸菌等を宿主として遺伝
子組換え技術によって発現させた場合、得られる組換え
タンパク質は活性を持たなかったり、安定性に問題があ
るなど、様々な問題点が提起されている。そのため、元
々糖鎖を有するタンパク質を遺伝子組換え技術を利用し
て製造する場合には、同タンパク質に糖鎖を付加するよ
うな宿主を選択するのがよいと考えられている。したが
って、本来糖鎖を有するタンパク質について、糖鎖が付
加されていないタンパク質を製造しようとする試みは、
ほとんどなされていない。
【0005】ところで、リゾムコール属の糸状菌は、菌
体外に有用タンパク質を分泌するものが多く、産業上重
要な微生物である。例えば、リゾムコール・プシルス
(Rhizomucor pusillus、旧名:ムコール・プシルス(Mu
cor pusillus))およびリゾムコール・ミーヘイ(Rhizo
mucor miehei、旧名:ムコール・ミーヘイ(Mucor miehe
i))が分泌する酸性プロテアーゼは、チーズ製造の際に
凝乳酵素として用いる仔牛レンネットの代替酵素として
利用されている。リゾムコール属の糸状菌も、他の真核
生物と同様にタンパク質に糖鎖を付与する機構を有して
おり、前記酸性プロテアーゼも例外ではない。しかし、
リゾムコール属の糸状菌を用いて糖鎖が付加されていな
い組換えタンパク質を製造しようとする試みはなされて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、本来タンパ
ク質に糖鎖を付加するリゾムコール属の糸状菌を用いて
糖鎖が付加されていない組換えタンパク質を製造する方
法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、リゾムコー
ル・プシルス野生株(F27)が分泌する産生タンパク
質(ムコール・レンニン)の分泌量を増加させる目的で
変異処理による育種を行った。そして、取得された変異
株が分泌するムコール・レンニンの分子量を調べた所、
糖鎖を除いたタンパク質部分の分子量と一致し、糖鎖が
ほとんど付いていないことを見出した。本発明はこの知
見に基き、さらにリゾムコール属糸状菌の形質転換系を
構築し、前記変異株を宿主に用いると糖鎖が付加されな
い組換えタンパク質を製造することができることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以
下のとおりである。
【0008】(1)アスパラギン結合型糖鎖の付加能を
欠損したリゾムコール属に属する糸状菌変異株を、本来
アスパラギン結合型糖鎖を有するタンパク質をコードす
るDNAで形質転換して得られる形質転換体を培養し、
該培養物から前記アスパラギン結合型糖鎖を欠損したタ
ンパク質を採取することを特徴とする、タンパク質の製
造法。
【0009】(2)リゾムコール属に属する糸状菌がリ
ゾムコール・プシルスである(1)の方法。 (3)リゾムコール・プシルスが、リゾムコール・プシ
ルス1116株(FERM P−17069)又はその
誘導体である(1)又は(2)の方法。 (4)前記タンパク質が、リゾムコール属に属する糸状
菌固有の分泌タンパク質である(1)〜(3)のいずれ
かの方法。 (5)本来アスパラギン結合型糖鎖を有するタンパク質
が、ムコール・レンニンで(1)〜(4)のいずれかの
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】〔I〕アスパラギン結合型糖鎖の付加能を
欠損したリゾムコール属に属する糸状菌変異株 本発明は、本来アスパラギン結合型糖鎖を有するタンパ
ク質を、アスパラギン結合型糖鎖を欠損した形態で製造
する方法である。本発明において、「本来アスパラギン
結合型糖鎖を有するタンパク質」とは、同タンパク質が
由来する野生型生物においてはアスパラギン結合型糖鎖
が付加された状態で産生されるタンパク質をいう。ま
た、「アスパラギン結合型糖鎖を欠損した」とは、アス
パラギン結合型糖鎖を完全に失うことに加えて、アスパ
ラギン結合型糖鎖が野生型タンパク質に比べて著しく減
少していることを含む。また、Man1GlcNAc2またはGlcNA
c2のような切断N結合オリゴ糖鎖を含むものも、本発明
にいうアスパラギン結合型糖鎖を欠損したものに含まれ
る。
【0012】本発明において、アスパラギン結合型糖鎖
が付加されていないタンパク質は、アスパラギン結合型
糖鎖の付加能を欠損したリゾムコール属に属する糸状菌
変異株を用いて製造される。リゾムコール属に属する糸
状菌としては、リゾムコール・プシルス及びリゾムコー
ル・ミーヘイが挙げられる。「アスパラギン結合型糖鎖
の付加能を欠損した」とは、アスパラギン結合型糖鎖の
付加能を完全に失うことに加えて、アスパラギン結合型
糖鎖の付加能が野生株に比べて弱化していることを含
む。
【0013】サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharo
myces cerevisiae)では、アスパラギン結合型糖鎖は、
タンパク質の特異的なアスパラギン残基にオリゴ糖が付
加(いわゆるN−グリコシル化)することによって、タ
ンパク質を修飾する。オリゴ糖前駆体Glc3Man9GlcNAc2
は、小胞体表面において、alg1遺伝子産物であるA
LG1によってドリコールリン酸-GlcNAc2から生成する
Man1GlcNAc2-PP-Dolが、alg2遺伝子産物であるAL
G2(Man1GlcNAc2-PP-Dolグリコシルトランスフェラー
ゼ)によってマンノシル化されることによって生成す
る。続いて、オリゴ糖前駆体は小胞体に入ってコア糖鎖
が合成され、ゴルジ体で外鎖が付加されることによって
糖鎖が生成する。小胞体におけるN結合グシコシル化の
初期段階は、真核生物の進化を通じて保存されている。
サッカロマイセス・セレビシエのalg2変異株は、Ma
n1GlcNAc2-PP-Dol及びMan2GlcNAc2-PP-Dolを異常に蓄積
し、温度感受性致死の表現型を示すことが知られている
(Huffaker, T. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
80, 7466-7470 (1983))。したがって、alg2遺伝
子は、少なくとも分裂酵母では生育に必須であると考え
られており、アスパラギン結合型糖鎖糖鎖を欠損する変
異株は、温度感受性であるものを除けば取得できないと
考えられている。しかし、本発明者らは、後述のアスパ
ラギン結合型糖鎖の付加能を欠損したリゾムコール・プ
シルスの変異株を取得することに成功し、同変異株で外
来遺伝子を発現させ、アスパラギン結合型糖鎖を欠損し
たタンパク質を製造することに成功した。
【0014】本発明を完成する過程においては、アスパ
ラギン結合型糖鎖の付加能を欠損したリゾムコール・プ
シルスの変異株(1116株)は、リゾムコール・プシ
ルスが分泌するムコール・レンニンの高分泌株として選
択されたものである。したがって、後述の実施例のよう
に、リゾムコール属に属する糸状菌を、紫外線処理又は
N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(NTG)
もしくはエチルメタンスルフォネート等の突然変異剤処
理等による変異処理を行い、ムコール・レンニンの分泌
量を指標として選択することによって、目的とする変異
株を取得することができる。ムコール・レンニンの分泌
量は、変異処理したリゾムコール属細菌の培養液の凝乳
活性を測定することによって評価することができる。凝
乳活性は、例えば、スキムミルク溶液(10mM CaCl2、12%
スキムミルク)に培養液を加えて、35℃で保温して、ミ
ルクが凝固するのに必要な時間を測定することによって
決定することができる。
【0015】後記実施例で得られたリゾムコール・プシ
ルスの変異株(1116株)は、通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所に寄託され、FERM P−1
7069の受託番号が付与されている。本発明に用いる
変異株として好ましいのは、1116株又はその誘導体
である。誘導体としては、1116株からさらに生育の
よいものとして選択される変異株、又は形質転換に用い
る宿主として必要な形質を付与された変異株等が挙げら
れる。具体的には、後述の1116R3株、1116U
17株等が挙げられる。これらの菌株は寄託されていな
いが、同様の形質を有する変異株は、本明細書の記載に
従って1116株から誘導することができる。
【0016】〔II〕リゾムコール属に属する糸状菌の
形質転換 リゾムコール属に属する糸状菌変異株を、目的タンパク
質をコードするDNAで形質転換するには、例えば、上
記のようにして得られるアスパラギン結合型糖鎖の付加
能を欠損したリゾムコール属細菌の変異株に、形質転換
体の選択のための形質を付与し、それに該形質に対応し
たマーカー遺伝子を含むベクターを導入する。前記形質
としては、特に制限されないが、例えばオロチジン-5'-
1リン酸デカルボキシラーゼ(OMPデカルボキシラーゼ)
遺伝子の変異によるウラシル要求性変異株が挙げられ
る。また、前記マーカー遺伝子としては、OMPデカルボ
キシラーゼ遺伝子が挙げられる。さらに、他の宿主−ベ
クター系、例えば、リゾムコール・プシルスのロイシン
要求性変異株を宿主とし、ロイシン生合成系に関与する
酵素をコードする遺伝子を選択マーカーとするベクター
を用いた宿主−ベクター系(特開平9-9971号)も、制限
なく使用することができる。以下に、OMPデカルボキシ
ラーゼ遺伝子及びウラシル要求性変異株を取得する方法
を例示する。
【0017】<1>リゾムコール・プシルスのOMPデカ
ルボキシラーゼをコードする遺伝子の単離 (1)リゾムコール・プシルスのウラシル要求性株の取
得 OMPデカルボキシラーゼをコードする遺伝子は、リゾム
コール・プシルスの染色体DNAライブラリー又はcDNAラ
イブラリーから、公知のOMPデカルボキシラーゼ遺伝子
の保存性の高い領域の配列に基づいて作製したプライマ
ーを用いたPCR(ポリメラーゼチェインリアクション:p
olymerase chain reaction、White, T. J. et al., Tre
nds Genet., 5, 185 (1989))により、あるいは前記PCR
産物をプローブとするハイブリダイゼーションにより、
単離することができる。また、OMPデカルボキシラーゼ
をコードする遺伝子は、リゾムコール・プシルスの染色
体DNAライブラリー又は発現ベクターを用いたcDNAライ
ブラリーでリゾムコール・プシルスのウラシル要求性変
異株を形質転換し、ウラシル要求性が相補された形質転
換株を選択し、該形質転換体から組換えDNAを回収する
ことによっても、取得され得る。
【0018】得られたDNA断片がOMPデカルボキシラーゼ
をコードしていることは、該DNA断片を適当な宿主で発
現させ、発現産物がOMPデカルボキシラーゼ活性を示す
ことを調べることによって確認することができる。
【0019】リゾムコール・プシルスのウラシル要求性
変異株の取得については、Mol. Gen.Genet. 197, 345-3
46 (1984)記載のサッカロマイセス・セレビシエ(Sacch
aromyces cerevisiae)のアミノ酸要求性変異株の取得
方法を改良して行うことができる。すなわち、UV等を用
いてリゾムコール・プシルスの胞子を生存率が数%にな
るように変異処理し、それをウラシル、5−フロオロオ
ロチン酸(5-FOA)を含む培地で培養する。5-FOAはオロチ
ン酸アナログでありオロチジン-5'-1リン酸ホスホリボ
シルトランスフェラーゼ、オロチジン-5'-1リン酸デカ
ルボキシラーゼ(OMPデカルボキシラーゼ)により致死
性のピリミジンアナログである5-フルオロウリジン-1リ
ン酸(5-フルオロ-UMP)に変換される。したがって、ウ
ラシルと5-FOAを含む培地で生育可能な株は、この2種
の酵素活性のいずれかを欠損したウラシル要求性変異株
であると考えられる。
【0020】(2)選択マーカー遺伝子の単離・同定 (i)リゾムコール・プシルスのOMPデカルボキシラー
ゼ遺伝子の取得 リゾムコール・プシルスからウラシル生合成系のOMPデ
カルボキシラーゼをコードする遺伝子をクローニングす
るにあたり、公知のムコール・シルシネロイデスのOMP
デカルボキシラーゼ遺伝子であるpyrG[Gene, 116(1),
59-67 (1992)]、リゾプス・ニヴェウスのOMPデカルボ
キシラーゼ遺伝子であるpyr4[Curr. Genet., 27(5), 4
72-478 (1995)]、そしてニューロスポラ・クラッサのO
MPデカルボキシラーゼ遺伝子であるpyr4[Gene, 43(1-
2), 51-58 (1986)]の3種の遺伝子間でアミノ酸配列が
高度に保存されている部分(図1)から選択した配列、
例えば配列表の配列番号3及び4に示す塩基配列を有す
るオリゴヌクレオチドをプライマーとし、リゾムコール
・プシルスの染色体DNAを鋳型としてPCRを行い、リ
ゾムコール・プシルスのOMPデカルボキシラーゼ遺伝子
の一部を取得する。
【0021】これをプローブとし、リゾムコール・プシ
ルスの染色体DNAライブラリーに対してコロニー・ハ
イブリダイゼーション又はプラーク・ハイブリダイゼー
ションを行い、リゾムコール・プシルスのOMPデカルボ
キシラーゼ遺伝子全長を取得する。遺伝子全長を取得す
るためには、予め種々の制限酵素で消化したリゾムコー
ル・プシルスの染色体DNAに対してサザン・ハイブリ
ダイゼーションを行い、単一のバンドが検出される制限
酵素をライブラリーの作製に用いることが好ましい。
【0022】(ii)リゾムコール・プシルス染色体DN
Aライブラリーの作製 リゾムコール・プシルスからウラシル生合成系のOMPデ
カルボキシラーゼをコードする遺伝子を含む染色体DN
Aを抽出する方法としては、公知のいずれの方法もが使
用できる。その例としては、Nucl. Acids. Res., 14, 6
(1986)が挙げられる。
【0023】その際、リゾムコール・プシルスとして、
(財)発酵研究所(IFO)から入手可能なIFO45
78株、Faculty of Engineering, Hiroshima Universi
ty,Hiroshima, Japanから入手可能なHUT1186等
が利用できる、リゾムコール・プシルスを使用する際に
は、例えばYPD液体培地[1% Yeast extract、2% Bac
to peptone(以上、Difco社製)、2%ブドウ糖](pH4.5)
で培養したものを使用することができる。
【0024】得られた染色体DNAは、適当な制限酵
素、例えばPstIで切断し、適当なベクター、例えばpUC1
9のBAP(bacterial alkaline phosphatase)処理したPs
tI切断部位にDNAリガーゼを用いて連結した後、大腸菌
を形質転換することにより染色体DNAライブラリーを
作製することができる。
【0025】使用し得るベクターとしては、大腸菌で自
律複製可能で選択マーカーを持つベクターであればいず
れでもよく、具体的には、プラスミドpUC19以外に、pUC
18、pUC118、pUC119、pBR322等が挙げられる。
【0026】以下に、制限酵素、BAP、DNAリガーゼによ
る処理条件の一例を示す。DNAの制限酵素による処理
は、PstIの場合は、10mM MgCl2/50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)/100mM NaCl/1mMジチオスレイトールで行う。
【0027】pUC19の切断は、10ngのpCU19を上記反応液
中で37℃、1時間、PstIを10ユニット用いて行う。BAP
処理は50mMトリス塩酸緩衝液(pH9.0)/1mM MgCl2中で、
大腸菌C75株のアルカリ性ホスファターゼ1ユニットを
用いて65℃で1時間処理する。
【0028】染色体DNA断片とpUC19のライゲーショ
ンは、66mMトリス塩酸緩衝液(pH7.6)/6.6mM MgCl2/0.
1mM ATP/10mMジチオスレイトール中で、T4 DNAリガー
ゼ350ユニットを用いて行う。
【0029】(iii)OMPデカルボキシラーゼをコードす
る遺伝子を保持するクローンの選抜 上記のようにして得られたプラスミドから、OMPデカル
ボキシラーゼをコードする遺伝子断片を含むベクタープ
ラスミドを選択するには、微生物、例えば大腸菌に上記
のプラスミドを導入して得られる形質転換体を適当な手
段により選抜すればよい。
【0030】選択する方法としては、作製したライブラ
リーを保持する大腸菌のコロニーをメンブランにトラン
スファーし、(1)でPCRにより取得したリゾムコール
・プシルスのOMPデカルボキシラーゼ遺伝子の一部をプ
ローブとして、先に行った染色体DNAに対するサザン
ハイブリダイゼーションでシグナルが検出された条件に
したがって、コロニーハイブリダイゼーションを行う。
このようにしてベクタープラスミドpUC19にOMPデカルボ
キシラーゼをコードする遺伝子が組み込まれたプラスミ
ドを有する形質転換体を得ることができる。
【0031】後記実施例において、上記のようにして得
られたプラスミドは、pRPPyr4と命名された。pRPPyr4
は、ベクタープラスミドpUC19にリゾムコール・プシル
ス染色体由来の3.4kbのPstI断片(OMPデカルボキシ
ラーゼ遺伝子)が挿入されたものである。
【0032】(iv)単離されたDNA断片(選択マーカ
ー遺伝子)の解析 上記のようにしてクローニングされたDNA断片(pRPPyr4
では約3.4kbの挿入断片)の塩基配列は、例えばエキソ
ヌクレアーゼを用いてデレーションシリーズを作成し、
ダイデオキシ法によって決定する。pRPPyr4中のクロー
ニング断片の塩基配列、及びこの塩基配列によってコー
ドされ得るアミノ酸配列を、配列表の配列番号1に示
す。また、このアミノ酸配列のみを配列番号2に示す。
【0033】<2>組換えベクターの構築 リゾムコール属糸状菌を形質転換するためのベクター
は、上記で得られる選択マーカー遺伝子を、発現を所望
するタンパク質(目的タンパク質)をコードする遺伝子
を含むベクターに連結することにより構築できる。
【0034】得られた組換えベクターを導入するリゾム
コール属糸状菌としては、リゾムコール・プシルス、リ
ゾムコール・ミーヘイ等が挙げられる。目的タンパク質
をコードする遺伝子は、例えば宿主と同種の遺伝子のよ
うに、リゾムコール属糸状菌で機能するプロモーターを
含んでいる場合には、そのままベクターに挿入すること
によって使用することができる。一方、異種遺伝子又は
同種の遺伝子であってもプロモーターを含んでいない遺
伝子の場合は、通常、宿主糸状菌で機能するプロモータ
ーを目的タンパク質のコード領域の上流に連結する必要
がある。
【0035】リゾムコール・プシルスで機能するプロモ
ーターとしては、3−ホスホグリセレートキナーゼ、グ
リセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼ、エノラーゼ等の解糖系酵素の遺伝子、オルニチンカ
ルバモイルトランスフェラーゼ、トリプトファンシンタ
ーゼ等のアミノ酸合成系酵素の遺伝子、α−アミラー
ゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セル
ラーゼ、アセトアミダーゼ等の加水分解酵素の遺伝子、
あるいはナイトレートレダクターゼ、オロチジン−5'−
ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲ
ナーゼ等の酸化還元酵素の遺伝子のプロモーターが挙げ
られる。以上の遺伝子は、リゾムコール属糸状菌内で機
能すれば特に限定されないが、一般にはリゾムコール属
糸状菌由来のものが用いられ、好ましくは、リゾムコー
ル・プシルスのムコールレンニン生産性遺伝子のプロモ
ーターが挙げられる。
【0036】ベクターに挿入させ、発現させる目的タン
パク質は、本来アスパラギン結合型糖鎖を有するタンパ
ク質であって、糖鎖を欠損した形態で生成させることが
できるものであれば特に制限されないが、例えばリゾム
コール属に属する糸状菌固有の分泌タンパク質、具体的
にはムコール・レンニンが挙げられる。また、凝乳酵素
である仔牛由来キモシン、他の動物、微生物由来のプロ
テアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ等も本発
明を適用することができる。
【0037】本発明の方法により、上記のようなタンパ
ク質を糖鎖を欠損した形態で製造することにより、糖鎖
を有するタンパク質と異なる物理化学的性質を有するタ
ンパク質が得られる場合がある。また、タンパク質自体
は特筆すべき特性を有していない場合であっても、生産
量が増大する場合がある。また、凝乳酵素として重要な
特性であるC/P比(プロテアーゼ活性に対する凝乳活
性の比)やプロテアーゼ活性も野生型酵素に比べて改善
される。さらに、例えばムコール・ミーヘイのβ−グル
コシダーゼのように、糖鎖含量を低減させることによっ
て耐熱性が低下する場合もある(Yoshioka, H. et al.,
Agr. Biol. Chem., 45, 571-577 (1981))。
【0038】また、本発明の方法によって、本来の糖鎖
の代わりにMan01GlcNAc2が結合したタンパク質も製造
され得る。そのようなタンパク質は、例えば、所望の糖
鎖をタンパク質に付加するための材料として利用するこ
とができる。
【0039】ベクターとしては、リゾムコール属細菌の
形質転換に先立って大腸菌等の細菌を利用して、ベクタ
ーDNAを調製し、ベクターDNAと挿入DNAとを連
結し、あるいは組換えDNAを調製するために、大腸菌
等の微生物細胞中で自律複製可能なベクターを用いるこ
とが好ましい。リゾムコール・プシルスでは自律複製可
能なプラスミドベクターは知られていないが、環状又は
直線状の組換えベクターを細胞中に導入し、染色体DN
Aと相同組換えを起こさせることによって、形質転換さ
せることができる。相同組換えのための標的配列として
は、目的タンパク質をコードする遺伝子が同種由来の遺
伝子であるか、異種由来の遺伝子であっても相同性が高
い場合は、該遺伝子が標的配列となり得る。また、マー
カー遺伝子も、ウラシル要求性宿主のOMPデカルボキシ
ラーゼ遺伝子が欠損していない場合には、標的配列とな
り得る。さらに、他の相同組換えを起こしやすい標的配
列と相同な配列をベクターに挿入してもよい。
【0040】具体的には、リゾムコール・プシルスに目
的タンパク質を発現させるプラスミドは、例えば後述の
pMPPのBamHI消化により得られた断片をpRPPyr4のBamHI
消化部位に連結することにより構築できる、pMPPとは、
[Nucl. Acids Res., 14, 19(1986) 7557-7568]に記載さ
れるムコールレンニン生産性遺伝子の上流と下流の配列
をもとに作製したプライマー(BamHI siteを含む)を用い
て、リゾムコール・プシルスの染色体DNAに対してPC
Rを行い、得られた増幅断片をBamHIで消化し、pUC19のB
amHI消化部位に連結することにより構築したプラスミド
である。
【0041】尚、本発明をムコールレンニンに適用する
場合には、ムコールレンニンは、仔ウシキモシンに性能
がより近づいた低耐熱性の変異型酵素が知られており
(米国特許第5,332,668、特開平5−103669
号)、野生型酵素遺伝子と同様に利用することができ
る。低耐熱性変異型ムコールレンニンをコードするDN
Aを含むプラスミドJS52、JS53、JS525を
保持するサッカロマイセス・セレビシエの形質転換体
は、それぞれ通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所にFERM P-12511、FERM P-12514、FERM P-12513の受
託番号で寄託され、ブダペスト条約に基づく国際寄託に
移管され、それぞれFERM BP-3898、FERM BP-3890、FERM
BP-3899の受託番号で寄託されており、これらの寄託菌
株からムコールレンニン遺伝子を取得することができ
る。これらのDNAがコードする変異型ムコールレンニ
ンは、野生型酵素では101番目のアミノ酸残基及び1
86番目のアミノ酸残基がそれぞれAla、Glyであるのに
対し、JS52では101番目のアミノ酸残基がThr
に、JS53では186番目のアミノ酸残基がAspに、
JS525では101番目のアミノ酸残基がThr、18
6番目のアミノ酸残基がAspに、それぞれ置換されてい
る。また、ムコールレンニン遺伝子の塩基配列は開示さ
れているので(米国特許第5,332,668、特開平5−10
3669号)、コード領域に隣接する塩基配列を有する
プライマーを用いたPCRにより、リゾムコール・プシル
ス染色体DNAからコード領域全長を単離することがで
きる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0043】
【実施例1】リゾムコール・プシルスの糖鎖欠損変異株
(No.1116)の取得リゾムコール・プシルスの野生株で
あるF27株を、ポテト・デキストロース寒天培地(Difco
社製)または麹寒天培地(15%コウジ抽出液[(株)麹屋
三左衛門]、2%寒天、pH6.5)上に生育させ、37℃で3
日から7日保温し、胞子を形成させた。それらの培地上
に3〜10mlの減菌水を注ぎ、スプレダーにより菌糸上部
を擦ることにより、黒褐色の胞子懸濁液を得た。胞子懸
濁液に混入した菌糸体は、滅菌したキムワイプ(十条キ
ンバリー社製)を2枚重ねたもので濾過することにより
除去した。
【0044】上記のようにして得られた胞子懸濁液を、
0.01%ポリオキシエチレンソルビタンモノオリエート水
溶液で105/mlに希釈した。この100μlをポテト・デキス
トロース寒天培地に塗布し、15W殺菌灯の直下30cmニて紫
外線を照射した。照射時間は、死滅率が99〜99.9%とな
るように調整した。
【0045】紫外線照射後の胞子は37℃で3日から7日
保温し、再び胞子を形成させた。これらの中から、他の
菌糸から孤立し、単一の非照射胞子に由来すると思われ
る菌糸に着生した胞子を採り、それぞれ独立のポテト・
デキストロース寒天培地上で生育の良いものを選択し
た。さらに、選択された株から上記と同様にして胞子を
取得した。
【0046】選択された胞子は、約105個を麩培地(麩
〔多田製粉〕1g、硫安0.01g、水0.8g)に植菌した後、3
7℃で3日から5日培養した。培養の終わった麩に10ml
の滅菌水を加えてムコール・レンニン抽出液を得、それ
らの凝乳活性を測定した。35℃に保温した10%スキムミ
ルク(Difco社製)溶液5mlに、50倍に希釈した抽出液0.
5mlを加え、35℃でさらに3分間保温した。完全にミル
クを凝固させた試料を一次候補とした。一次候補とした
抽出液に対し、希釈率を大きくした二次選抜を行った。
このようにして数回の選抜をしたものの中から、胞子着
生率、胞子発芽率の高いものを選抜した。
【0047】上記の変異処理及び選抜操作を18回行うこ
とにより得られた約3400株の候補株からムコール・レン
ニン抽出液を調製し、凝乳活性を測定した結果、元株の
1.8倍の酵素分泌量を持つNo.402株が取得された。
【0048】さらに、No.402株に対し、上記と同様の変
異処理及び選抜操作を行うことにより約2800株の候補株
が得られた。そこらの候補株からムコール・レンニン抽
出液を調製し、凝乳活性を測定した結果、元株の2.4倍
の活性を持つNo.1116株を取得した。
【0049】F27株及びNo.1116株をYPD培地[1% Yeast
extract、2% Bacto peptone(以上、Difco社製)、2%ブ
ドウ糖](pH4.5)で30℃で3日間培養し、培養上清0.4ml
に2.5倍量のエタノールを加えて生じた沈殿をSDS-ポリ
アクリルアミドゲルを用いて電気泳動し、抗ムコール・
レンニン抗体を用いたウェスタンイムノブロッティング
を行った。その結果、No.1116株ではF27株よりも低分子
量のムコール・レンニンの3つのバンドが見い出され
た。No.1116株が産生するムコール.レンニンをペプチ
ド−N−グリコシダーゼで消化し、タンパク質から遊離
する糖鎖を分析し、さらに、同ムコール.レンニンをM
onoQカラムクロマトグラフィーで分離し、それぞれ
についてパーオキシダーゼ標識したConA及びWGA
レクチンを用いたウェスタンブロッティングによって解
析した。その結果、前記3つのバンドは、アスパラギン
結合型糖鎖を含まないもの、及びMan1GlcNAc2またはGlc
NAc2のような切断N結合オリゴ糖鎖を含むものであっ
た。
【0050】
【実施例2】糖鎖欠損変異株を用いた組換えムコールレ
ンニンの製造 <1>生育にウラシルを要求する変異株の取得 実施例1で得られたリゾムコール・プシルス1116株か
ら、最小培地での生育が良好となった変異株(糖鎖付加
変異形質は保持している)を選択し、1116R3株と命名し
た。この1116R3株をポテト・デキストロース寒天培地(D
ifco)上に生育させ、37℃で3日から7日保温し、胞子を
形成させた。
【0051】上記胞子をスプレッダーを用いて、数mlの
0.01%ポリオキシエチレンソルビタンモノオリエート溶
液(Tween#80)(東京化成工業社製)に懸濁し、懸濁液
を3G1ガラスフィルターで濾過し、胞子数をカウントし
た。胞子数が108/10mlになるように0.01%ポリオキシエ
チレンソルビタンモノオリエート溶液で希釈し、10mlず
つシャーレに分注して攪拌しながらUVを照射し、死滅率
を99%とした。UV照射後の胞子を終濃度250μg/mlのウラ
シルと終濃度1.2mg/mlの5-FOAを含むYNB寒天培地にまい
て37℃で培養した。生育良好な5-FOA耐性コロニーから
終濃度250μg/mlのウラシルを含むYNB寒天培地および核
酸無添加のYNB寒天培地に釣菌し、ウラシルを含むYNB寒
天培地上でのみ生育可能な株を同様に3回植え継ぎ、変
異の安定化、ならびにウラシル要求性変異株の選択を行
った。
【0052】上記のような方法でウラシルを要求する変
異株がリゾムコール・プシルス1116R3から18株得られ、
菌株名をそれぞれ1116U1〜1116U18とした。
【0053】<2>OMPカルボキシラーゼ遺伝子のクロ
ーニング (1)ハイブリダイゼーション用プローブの調製 公知のムコール・シルシネロイデス、リゾプス・ニヴェ
ウスそしてニューロスポラ・クラッサのOMPデカルボキ
シラーゼ遺伝子間で塩基配列が高度に保存されている部
分(図1)から選択した塩基配列を有するオリゴヌクレ
オチドをプライマーとし、リゾムコール・プシルスの染
色体DNAに対してPCRを行った。
【0054】上流プライマーとして、 F1;5'-CCCGGATCCTTTGAAGATCGYAAATTTGCTGATATYGG-3'
(配列番号3) 下流プライマーとして R1;5'-CCCGGATCCAGGKGTTCTGTAYTGYTGACCCAAWCCATC-3'
(配列番号4) を、エスペックオリゴサービス株式会社に依頼して作製
した。
【0055】PCRにはExpandTMhigh fidelity PCR syste
m(ベーリンガー・マンハイム社製)を用い、サーマル
サイクラー(DNA増幅装置)により行った。反応溶液
の組成及び反応条件は以下の通りである。
【0056】 〔反応液組成〕 H2O 78.0μl (10×) 反応バッファー 10.0μl dNTPs混合物(dATP、dGTP、dCTP、TTP、各2.5mM) 8.0μl 上流プライマーF1 100μM 1.0μl 下流プライマーR1 100μM 1.0μl リゾムコール・プシルス染色体DNA 0.5mg/ml 1.0μl ExpandTMhigh fidelity PCR system酵素ミックス 1.0μl
【0057】〔反応条件〕ポリメラーゼ連鎖反応の条件
は、以下の通りである。
【0058】 94℃ 1.0分 55℃ 0.5分 72℃ 1.0分 この条件で反応を25サイクルで行った後、さらに72℃で
5分間インキュベートした。
【0059】反応液を1.5%アガロース電気泳動し、増幅
された約400bpのDNA断片をゲルから単離、精製し
た。このDNA断片を制限酵素BamHI(宝酒造(株)製
以下、制限酵素は全て宝酒造(株)製)で処理し、同じく
同制限酵素で処理したpUC19にクローニングし、pRP400
を得た。このクローニングされた遺伝子断片の塩基配列
をサーモシーケナーゼ蛍光標識化プライマー・サイクル
シーケンシングキット(アマシャム社製)を用いてダイ
デオキシヌクレオシド法によって自動蛍光DNAシーケ
ンサー(model 400L LICOR)にて解析した。これによっ
て明らかになった約400bpの遺伝子配列は、公知のムコ
ール・シルシネロイデス、リゾプス・ニヴェウスそして
ニューロスポラ・クラッサのOMPデカルボキシラーゼ遺
伝子の部分配列と非常に高い相同性を示したので、この
遺伝子断片はリゾムコール・プシルスのOMPデカルボキ
シラーゼ遺伝子の一部であると判断した。
【0060】次に上記のリゾムコール・プシルスのOMP
デカルボキシラーゼ遺伝子の一部約400bpをプローブと
したリゾムコール・プシルス染色体DNAサザンハイブ
リダイゼーションを行った。
【0061】リゾムコール・プシルスIFO4578株の染色
体DNAを既知の方法[Nucl. AcidsRes., 14, 19 (198
6) 7557-7568]で抽出し、各種制限酵素で消化後、0.8%
アガロースゲルで電気泳動し、アマシャム社製のナイロ
ンメンブランフィルターHybondN+に添付のプロトコール
に従って、ゲル中のDNA断片を同メンブランにトラン
スファーした。
【0062】前記のようにして得たpRP400を制限酵素Ba
mHIで消化し、1%アガロースゲルで電気泳動し、OMPデカ
ルボキシラーゼの構造遺伝子を含む約400bpの断片を単
離・精製した。次に、この断片をBcaBESTTMランダムプ
ライマーDNAラベリングキット(宝酒造(株)製)とα
-32P dCTP(アマシャム社製)を用いて放射ラベルし、
これをプローブとしてアマシャム社のプロトコールに従
ってサザンハイブリダイゼーションを行った。
【0063】その結果、ハイブリダイゼーションを42
℃、50%ホルムアミド存在下で行い、ハイブリダイゼー
ション後のメンブランの洗浄を0.1×SSC、室温で行うと
いう条件で、フィルム上に強いシグナルが検出された。
さらに、リゾムコール・プシルスの染色体DNAを制限
酵素PstIで消化したものについては、約3.4kbに一本の
シグナルが検出された。
【0064】(2)リゾムコール・プシルス染色体DN
Aライブラリーの作製とコロニーハイブリダイゼーショ
ン リゾムコール・プシルスIFO4578株の染色体DNAの10
μgを制限酵素PstIの30Uで37℃、12時間反応させた。反
応後、0.8%アガロースゲルで電気泳動し、約3.4kbのD
NAバンドをジーンクリーンIIIキット(BIO101社製)で
単離、精製した。得られたDNAフラグメントの一部を
制限酵素PstIで消化した100ngのpUC19と混合し、T4DN
Aリガーゼ(宝酒造(株)製)を用い、添付のプロトコー
ルに従ってライゲーション反応を行った。16℃、12時間
ライゲーション反応を行い、反応液の一部を大腸菌K-12
株 JM109コンピタントセル(宝酒造(株)製)に加え、
添付のプロトコールに従って形質転換を行い、アンピシ
リン添加のLB寒天培地上にpUC19プラスミド上に外来D
NAのインサートを持つ約1000株の形質転換体を取得す
ることができた。これをリゾムコール・プシルス染色体
DNAのサブライブラリーとした。
【0065】次に、リゾムコール・プシルス染色体DN
Aのサブライブラリーである約1000個の大腸菌コロニー
を1株ずつ数枚のアンピシリン添加のLB寒天培地上に整
列して植菌し、37℃、12時間培養してコロニーを形成さ
せた。寒天培地上にコロニーをナイロンメンブランフィ
ルターHybond N+(アマシャム社製)に、添付のプロト
コールに従って菌体のトランスファー、メンブラン上の
溶菌、DNAの固定を行った。
【0066】コロニーハイブリダイゼーションは、以下
の条件で行った。DNAが固定されたメンブランは、ハ
イブリダイゼーション溶液(6×SSC/5×デンハルト溶液
/0.5%ドデシル硫酸ナトリウム/50%ホルムアミド/0.0
1M EDTA/1mgサケ精子DNA)で、まず42℃、2時間の
プレハイブリダイゼーションを行い、その後、ハイブリ
ダイゼーション溶液に先に放射ラベルしたpRP400の制限
酵素BamHI消化の約400bp断片をプローブとして加え(5〜
10ng/ml)、37℃、12時間ハイブリダイゼーションを行っ
た。反応後の洗浄は、まず、2×SSC/0.1%SDS溶液中、
室温で1時間行い、続いて0.1×SSC/0.1%SDS溶液中、
室温で1時間行った。その後、X線フィルムを用いてオ
ートラジオグラフィーを行ったところ、フィルム上に1
個の強いシグナルが検出された。それらのシグナルに相
当するコロニー1株をマスタープレートからピックアッ
プし、200mlのLB液体培地[1% Tryptone/0.5% Bacto p
eptone(Difco社製)/0.5% NaCl]で培養し、アルカリ法
でプラスミドDNAを回収し、塩化セシウム密度勾配遠
心で精製し、1μg/μlの濃度になるようにTE緩衝液[10
mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)/1mM EDTA]に溶解した。
このプラスミド名をpRPPyr4とし、以下に示すウラシル
生合成系のOMPデカルボキシラーゼを欠損する変異株の
形質転換実験で選択マーカー遺伝子として使用した。
【0067】(3)プラスミドpRPPyr4によるリゾムコ
ール・プシルスの形質転換 ウラシル生合成系のOMPデカルボキシラーゼを欠損する
変異株である1116U1株〜1116U18株のうちの一株1116U17
株を、400μg/mlウラシルを含むこうじ寒天培地[10%こ
うじ抽出液(pH5.3)、2%寒天]上で37℃、4日間培養
し、胞子を形成させた。これらのプレートから、0.01%
ポリオキシエチレンソルビタンモノオリエート溶液数ml
にスプレッダーを用いて胞子を分散させ、3G1ガラスフ
ィルターで菌糸を取り除き、胞子数をカウントした。胞
子懸濁液から胞子数3×108個を500ml坂口フラスコ中の4
00μg/mlウラシルを含む50mlのYPD液体培地[1% Yeast
extract/2% Bact peptone(Difco社製)/2%グルコース
(pH4.5)]に接種し、37℃で18〜19時間振とう培養し
た。この際に培養液の一部をサンプリングし、顕微鏡で
菌の生育を観察し、胞子がスウェリング(膨張)を終了
し、培養中の全ての胞子について菌糸の出芽がほぼ同時
におきていることを確認する必要がある。菌糸の出芽と
成長が同調していないと、後のプロトプラストの作製の
際に、形質転換可能なプロトプラストの収量の低下を引
き起こすことがわかった。形質転換可能なプロトプラス
トの調製に好適な細胞を得るためには、培養温度の維持
と培養時間の調節がきわめて重要であった。
【0068】培養液の残りを1500rpm、5分間遠心して出
芽してすぐの若い菌糸を集めた。この菌体を10mlの0.5M
ソルビトール溶液に再び懸濁し、遠心、洗浄を二回繰り
返した。この洗浄菌体を1500rpm、5分間遠心し、5mlの
プロトプラスト化緩衝液[0.5Mソルビトール/10mMリン
酸ナトリウム緩衝液(pH6.7)]に懸濁した。
【0069】この懸濁液に、同プロトプラスト化緩衝液
に溶解した溶菌酵素溶液[5mg/mlノボザイム234(ノボ
・ノルディスク社製)/3mg/mlキナーゼ(シグマ社製)
/3mg/mlキトサナーゼ(和光純薬工業社製)]5mlを添
加し、30℃、2〜3時間、胞子のほとんどがプロトプラス
ト化するまで緩やかに振とうした。この反応液を1200rp
m、5分間遠心し、0.5Mソルビトール溶液20mlで沈殿物を
2回洗浄した後、1200rpm、5分間遠心し、形質転換緩衝
液[0.5Mソルビトール・25mM CaCl2/10mMトリス塩酸緩
衝液(pH7.6)]に、プロトプラスト濃度が1×107/mlにな
るように懸濁し、プロトプラスト溶液とした。
【0070】プロトプラスト溶液の1mlを氷冷し、コロ
ニーハイブリダイゼーションによってクローニングした
pRPPyr4のプラスミド溶液(1μg/μl)20μlあるいは対
照として同濃度のpUC19プラスミドを10μl加え混合後、
さらに氷上に5分間静置した。さらに1.0mlのPEG溶液[4
0% PEG3350(シグマ社製)/25mM CaCl2/10mMトリス塩
酸緩衝液(pH7.6)]を添加し混合後、室温に30分間静置
した。
【0071】この溶液に10mlの形質転換緩衝液を添加し
て混合後、1200rpm、5分間遠心し、さらに10mlの形質転
換緩衝液で洗浄後、同緩衝液2mlに再懸濁した。この懸
濁液200mlずつを、20mlの2%寒天と0.5Mソルビトールを
含むYNB培地(pH4.6)からなるプレート上にのせ、さらに
あらかじめ48℃に保温しておいた1%寒天と0.5Mソルビト
ールを含むYNB培地(pH4.6) 3mlを重層し、混合後固化さ
せた。
【0072】このプレートを37℃で4日程度保温する
と、1116U17株のプロトプラストにpRPPyr4プラスミドを
添加したサンプルはプレート上に幾つかのセクターが出
現するが、pUC19プラスミドを加えたサンプルに生育は
見られなかった。1116U17株にpRPPyr4を加えて出現した
セクターの7株をYNB寒天培地(pH4.5)に植え継ぎ、胞子
を20%グリセロールに懸濁して、これらをプラスミドpRP
Pyr4による形質転換体として-80℃で凍結保存した。
【0073】さらにこれらの1116U17から得た形質転換
体7株を、ポテト・デキストロース寒天培地で選択圧の
ない条件で植え継いで単胞子分離を繰り返した後、再度
YNB寒天培地で生育をみたが、4回の単胞子分離の後も
安定に形質を保持していた。
【0074】次に、1116U17株のpRP1による形質転換体
の染色体DNAに挿入されていると思われる、pRPPyr4
プラスミドDNAをサザンハイブリダイゼーションによ
って検出した。1116U17株のpRPPyr4による形質転換体7
株と親株である1116R3株、また形質転換前の1116U17株
より、公知の方法[Nucl. Acids Res., 14, 19 (1986)75
57-7568]で染色体DNAを抽出し、このDNAを制限酵
素SacIで消化した。これを1.0%アガロースゲルで電気泳
動し、ナイロンメンブランフィルター HybondN+(アマシ
ャム社製)に添付のプロトコールに従ってトランスファ
ーし、BcaBESTTMランダムプライマーDNAラベリング
キット(宝酒造社製)を用い、α-32PdCTP(アマシャム
社製)で放射ラベルしたpUC19プラスミドをプロープと
して、固定化した染色体DNAに対してサザンハイブリ
ダイゼーションを行った。
【0075】その結果、形質転換体5株いずれにおいて
も用いたDNAプローブとハイブリダイズするpUC19プ
ラスミドの全長に相当する約2.6kbのバンドが検出され
たのに対し、親株の1116R3株、また1116U17株において
は検出されなかった。これらの結果は、形質転換体にお
いて、プラスミドpRPPyr4が導入され、その結果pRPPyr4
に含まれる遺伝子が発現し、その遺伝子産物がウラシル
生合成系のOMPデカルボキシラーゼの欠損を補ったため
に、核酸を含まない培地での生育が可能になったことを
示す。また、pUC19プラスミドでは形質転換体が得られ
ないことから、pUC19自身がコードしている遺伝子の産
物には宿主変異株の変異を相補しうるものはなく、pUC1
9にクローニングされた遺伝子断片の中の遺伝子が変異
の相補に関与していることを示している。
【0076】(4)pRPPyr4プラスミドに含まれる約3.4
kb遺伝子断片の全塩基配列の決定 pRPPyr4(図2)は、以下に示す数種類に制限酵素で消
化した後、1%アガロースゲルで電気泳動した。これから
以下に示す大きさのバンドを回収し、回収した断片と同
じ制限酵素で消化したプラスミドpUC19にサブクローニ
ングした。
【0077】PstI, EcoRI;約1.9, 1.5kbの2つの断片
(それぞれプラスミドpEP1、pEP2とした) PstI, BglII;約1.0, 1.7, 0.7kbの3つの断片(それぞ
れプラスミドpBP1、pBB2, pBP2とした) 以上に示した計5断片をザブクローニングしたプラスミ
ド5種類のDNAをアルカリ法で抽出した。
【0078】これらの断片を鋳型として、サーモシーケ
ナーゼ蛍光標識化プライマーサイクルシーケンシングキ
ット(アマシャム社製)を用い、キット添付のプロトコ
ールに従ってポリメラーゼ反応を行い、自動蛍光DNA
シーケンサー(model 400L LICOR)によって、遺伝子配
列の解析を行った。その結果、3403bpからなるOMPデカ
ルボキシラーゼ遺伝子を含むPstI断片の全塩基配列が決
定された(配列番号1)。この塩基配列から、この遺伝
子は新規な遺伝子であることがわかった。
【0079】配列番号1に示す塩基配列及びアミノ酸配
列について、公知のOMPデカルボキシラーゼ遺伝子との
相同性を検索を行ったところ、プローブに相当する領域
については、リゾプス・ニベウス[Curr. Genet., 19,
221 (1991)]のpyrGと塩基配列で79.94%、アミノ酸配列
で92.18%、及び、ムコール・シルシネロイデス[Carlsb
erg Res. Commun., 49, 691 (1984)]のpyr4と塩基配列
で79.7%、アミノ酸配列で89.8%の相同性が、それぞれ認
められた。また、コード領域全域については、リゾプス
・ニベウスのpyrGと塩基配列で72.9%、アミノ酸配列で7
9.9%、ムコール・シルシネロイデスのpyr4と塩基配列で
74.1%、アミノ酸配列で82.2%、及びノイロスポーラ・ク
ラッサ[Mol. Cel. Biol., 4, 117 (1984)]のpyr4と塩
基配列で53.1%、アミノ酸配列で45.6%の相同性が、それ
ぞれ認められた(図1参照)。
【0080】<3>リゾムコール・プシルスのムコール
レンニン生産性増強株の取得 (1)リゾムコール・プシルス1116U17株のムコールレ
ンニン遺伝子による形質転換 リゾムコール・プシルスへ、既にクローニングされてい
るムコールレンニン遺伝子を新たに導入し、遺伝子投与
効果によるレンニン生産性増強株の取得を行った。
【0081】まず、リゾムコール・プシルスのムコール
レンニン遺伝子をリゾムコール・プシルスF27株から、
配列番号5、6に示す塩基配列を有するプライマー(Bam
HI siteを含む)を用いてPCRにより増幅し、増幅産物を
制限酵素BamHIで消化し、1.0%アガロースゲルで電気泳
動し、ムコールレンニン遺伝子を含む約1.9kbの断片を
単離、精製した。制限酵素BamHIで消化しアルカリフォ
スファターゼ処理したpUC19にこの断片をクローニング
し、これをpMPPとした。次に、pMPPをBamHI酵素で消化
し、1.0%アガロースゲルで電気泳動後、約1.9kbの断片
を単離、精製し、この断片を制限酵素BamHIで処理したp
RPPyr4と混合し、T4DNAリガーゼ(宝酒造製)を使用
してライゲーションを行い、プラスミドpMP4を得た(図
3)。
【0082】このpMP4を用いて、上記の方法でリゾムコ
ール・プシルス1116U17株を形質転換した。選択培地に
生育してきた形質転換体5株(RM1、RM2、RM3、RM4、RM
5)を任意に選択し、それぞれYNB寒天培地(pH4.5)で植
え継いで単胞子分離をしてから胞子を回収し、10mlのYP
D培地[1% Yeast Extract/2% Bacto Peptone/2%グル
コース]に接種し、振とう培養器で37℃、3日間培養し
た。また、親株である1116R3株及び上記と同様にしてpR
PPyr4で形質転換した1116U17株(TP5)も、同条件で培
養した。
【0083】培養後、菌体と培養液を濾別し、乾燥菌体
重量に反比例する量の培養液をSDS-ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動し、分画されたタンパク質をニトロセルロ
ースフィルターにトランスファーし、ウサギ抗リゾムコ
ール・プシルスムコールレンニン血清でウエスタンブロ
ッティングを行った。解析の結果、pMP4形質転換体5株
のうち2株において、抗体と反応するタンパク質の量
は、バンドのシグナル強度から親株である1116R3株やpR
PPyr4の形質転換体より明らかに多く、7〜8倍のムコ
ールレンニンを生産していることがわかった(図4)。
【0084】(2)リゾムコール・プシルスのムコール
レンニン生産性増強株が産生するムコールレンニンの凝
乳活性測定 10ml YPD培地(1% Yeast extract/2% bacto peptone/2
%グルコース)を入れた大試験管に、pMP4で形質転換した
1116R3株のうちの一株(RM1)の胞子約105を植菌して37
℃で振とう培養した。1日目〜5日目の培養液より、菌
体を遠心と0.45μmのフィルトレーションにて除き、培
養液をそのまま100μl、またはセントリコンTM10(500P
K)にて10倍濃縮した溶液を100μl用いて活性を測定し
た。活性値はYPD 1mlあたりのユニット数に換算して表
した。尚、1ユニットは、35℃、40分間で1mlのスキムミ
ルク溶液(10mM CaCl2、12%スキムミルク)を凝固するの
に必要な酵素量である。同様に、親株である1116R3株に
ついて、酵素活性を測定した。結果を表1に示す。
【0085】
【表1】 表1 ───────────────────────────── 培養日数 1 2 3 4 5 ───────────────────────────── 1116R3株 0 0 0 0.4 1.0 0 0 0 0.9 1.2 凝乳活性 0 2.1 2.8 ────────────────────── [units/ml] RM1株 0 4.4 11.4 18.2 19.7 0 6.6 11.9 20.0 19.8 16.9 25.8 20.5 ─────────────────────────────
【0086】(3)リゾムコール・プシルスのムコール
レンニン生産性増強株が産生するムコールレンニンの糖
鎖の分析 前記(2)と同様にしてpMP4で形質転換した1116R3株を
培養し、培養液からMurakamiらの方法(Mol. Gen. Gene
t., 241, 312-318 (1993))にしたがってムコールレン
ニンを精製した。得られたムコールレンニンをSDS-ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により分析したところ、11
16株と同様にF27株よりも低分子量であった。また、精
製されたムコールレンニンについて実施例1と同様にし
て糖鎖を分析した結果、1116株と同様にアスパラギン結
合型糖鎖を含まないもの、及びMan1GlcNAc2またはGlcNA
c2のような切断N結合オリゴ糖鎖を含むものの混合物で
あった。したがって、1116R3株は、もともと保持するム
コールレンニン遺伝子産物だけでなく、導入された野生
株由来のムコールレンニン遺伝子産物もアスパラギン結
合型糖鎖を含まない形態で生産することが明らかとなっ
た。
【0087】
【発明の効果】本発明により、本来タンパク質に糖鎖を
付加するリゾムコール属の糸状菌を用いて、糖鎖を欠損
したタンパク質を製造することができる。本発明は、本
来の糖鎖を有するタンパク質と異なる特性を有するタン
パク質の製造法や、効率のよいタンパク質の製造法を提
供し得る。また、本発明により製造されるタンパク質
は、所望の糖鎖をタンパク質に付加するための材料とし
て利用することができる。
【0088】
【配列表】 Sequence Listing <110> 名糖産業株式会社(Meito Sangyo Co., Ltd.) <120> リゾムコール属糸状菌の糖鎖付加能欠損変異株を用いたタンパク質の製造 法
【0089】 <130> P-6149 <141> 1998-12-25 <160> 10 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0090】 <210> 1 <211> 3403 <212> DNA <213> Rhizomucor pusillus <220> <221> CDS <222> (840)..(1019) <220> <221> CDS <222> (1090)..(1698) <220> <221> intron <222> (1020)..(1089) <400> 1 ctgcagctat acaaaaaatg cagaagcagc agtatgatgt aagtatacga aagtttccaa 60 acggggctta tatctcatgc gactacagat cctaagtgca gtcttggatg cgactgggac 120 tcttcaaagt agaaaatcgg gtatcggtaa gtgatgtaga aatgagtaac aaccgatatc 180 aacatcgtaa caaattctag gtcctaacga tccacttgtg ctatctttac aaagtaagcc 240 tgtgtctatt gctgagtagt gccgttgtac taaagtgcat cacaataaaa gaatttacag 300 aatcatccaa gcattcttct aaaaggagta tcatgatgga taacgcagct aacagtgatg 360 gctcaacgag cttgaccaac tcttctcttc cctcttcagc aaggagcagt gatgtataca 420 gtttttcgat acccctgtcg cacaagtttc catctgtcag tgacggcaag agtcatctag 480 aaggtcagca tctgccttcc atcaatgagg ctatatctac aacggaactg acggatgcgt 540 tgccgccctt gacgccatct acgaaggatg aacagattgc ttcgtctaat acaaataaaa 600 tctagtttga cctatcaaca ggaaggttct actgttggtc aaaggtgttg atgcatcaga 660 cttggcgtgt ttgtaagttg ttgttaacgc attcaactct tctaacaaca tatagcactt 720 agcgacctac atcgattggg aagtctgtgt gatgttgtta cacgattgtg gagcgggaat 780 acattgattc tgtcaaccac ttttttcttt ctttcgtcgc accctcttcc cccgccggt 839 atg aac act ttc aag acc tac gct gat cgc gct gca cga cat ccc aat 887 Met Asn Thr Phe Lys Thr Tyr Ala Asp Arg Ala Ala Arg His Pro Asn 1 5 10 15 ggt tgc gct aaa gct ctg ttt gag ctc atg gag cgt aag cag acg aat 935 Gly Cys Ala Lys Ala Leu Phe Glu Leu Met Glu Arg Lys Gln Thr Asn 20 25 30 ctg tct atc gct gcc gac gtg acc aca aag aaa gaa ctc ctt cac att 983 Leu Ser Ile Ala Ala Asp Val Thr Thr Lys Lys Glu Leu Leu His Ile 35 40 45 gct gat gcc tgt gga cct tac atc tgc att cta aag gtcagatctc 1029 Ala Asp Ala Cys Gly Pro Tyr Ile Cys Ile Leu Lys 50 55 60 gatttgcaat aggacgagag agaaaatggg tccagctagg ctgacgcaat agttcttcag 1089 aca cac att gat atc att gat gac ttt gac gaa gac ctt gtt gcg cag 1137 Thr His Ile Asp Ile Ile Asp Asp Phe Asp Glu Asp Leu Val Ala Gln 65 70 75 ctg tgc gag ttg gca aag aag cac gac ttc ttg tta ttt gag gat cgc 1185 Leu Cys Glu Leu Ala Lys Lys His Asp Phe Leu Leu Phe Glu Asp Arg 80 85 90 aag ttt gcg gat atc ggc aac acg gtc aag cat cag tac gga aaa ggt 1233 Lys Phe Ala Asp Ile Gly Asn Thr Val Lys His Gln Tyr Gly Lys Gly 95 100 105 gtt tac aag atc gct tcc tgg gca cac att acg aac gcc cac acc gtg 1281 Val Tyr Lys Ile Ala Ser Trp Ala His Ile Thr Asn Ala His Thr Val 110 115 120 cct ggc gaa ggt atc atc acc gga ttg cgc gaa gtc ggt ctt cct ctc 1329 Pro Gly Glu Gly Ile Ile Thr Gly Leu Arg Glu Val Gly Leu Pro Leu 125 130 135 140 ggt cga gga ctg ttg tta tta gct gaa atg tca tcc aag ggt gca ttg 1377 Gly Arg Gly Leu Leu Leu Leu Ala Glu Met Ser Ser Lys Gly Ala Leu 145 150 155 act aag ggc agc tac acg acc gaa tcc gtc gag atg gca cga cgt aac 1425 Thr Lys Gly Ser Tyr Thr Thr Glu Ser Val Glu Met Ala Arg Arg Asn 160 165 170 caa gac ttt gtt ttt gga ttt att gcc cag cac aag atg aac gaa aaa 1473 Gln Asp Phe Val Phe Gly Phe Ile Ala Gln His Lys Met Asn Glu Lys 175 180 185 gac gat gaa gat ttc gtt gtc atg gca cct ggt gtc gga ctg gat gtc 1521 Asp Asp Glu Asp Phe Val Val Met Ala Pro Gly Val Gly Leu Asp Val 190 195 200 aag gga gat gga ctc ggt cag caa tat aga acg cct tac cag gtc att 1569 Lys Gly Asp Gly Leu Gly Gln Gln Tyr Arg Thr Pro Tyr Gln Val Ile 205 210 215 220 gtt gag tct gga tgc gat gtc att atc gtg gga cgt ggt atc tat ggc 1617 Val Glu Ser Gly Cys Asp Val Ile Ile Val Gly Arg Gly Ile Tyr Gly 225 230 235 aac ccc gac cag atc gag ttc cag gca aag cgt tac aag gaa gct gga 1665 Asn Pro Asp Gln Ile Glu Phe Gln Ala Lys Arg Tyr Lys Glu Ala Gly 240 245 250 tgg aac gcg tac ttg gaa cgt gta caa aag cat tagatcattt ctcattattc 1718 Trp Asn Ala Tyr Leu Glu Arg Val Gln Lys His 255 260 tttgtacagc atatcatgat ttaaagagag agacgaaaca tcaagcataa aaaatgagtc 1778 atcttcataa taagtatgag tatatggtaa tttttggtaa ccttttttct ctctctttcg 1838 actttacaga gcccaatcgg cggtatatga gaagccagca aactcttctt gttccgcgct 1898 tgtcagtgca cttgctatgg gtgtgagcac tggtcgctga acagtgaatt cgtcatcaaa 1958 gttggaagta tcggctgcac ctttgacagt tggaaagaat ggaggtctca cacgctttgc 2018 caacacatcg tcccagttta cacctttgaa gaatgcgtgt tgctttacag aggctgcacc 2078 tgtgagacgg ttgctacggt ctcgattcaa tagctacata gacagaatgt caatgcaaaa 2138 aaattgggca ttgcagcaaa cgtttcaggg ttttacctgt ttacacagtg atatagcatt 2198 ttttgacatg ttgattggat acatgacatc gtcattgagg atggcgcctg caatttcttg 2258 atcatcctca ccccaaaacg gtggctgatc tattgttagg atcgagtacg tgggtttata 2318 tatgcatata tatcttacca tgcccaacag catttgataa atcaatacgc cgaacgccca 2378 ccaatcgacc tcttggccgt actcttgatg caaaacgatt tccggggcca taaaatctgg 2438 tgtgccacaa aatgtgtttg tagtacatcc gatccacatg ttgtctttgc ataatccgta 2498 atcagccaac ttgatgtgtc cgtccttgca cagtaaaata ttgtcaagtt tcagatcacg 2558 gtaaataata cccctttggt ggaaatactc taatgcacac agtacttcac acgcgtagaa 2618 tctaaaaggc ttactgattt agcaaaatta tcagtgattc taaattgatt gaatggcggc 2678 ttactttgct cgtctctcag aaaacggttc tcgttggatg tggctcataa gatctccgcc 2738 gttgacatat tccatcacga aacaaagatg ggcgtgcgtt tggaagcaag aatgcaagtt 2798 gaccaagaag ggatgtcgtt cttgattggc agcttcgaaa acccgttttt caatgcggat 2858 gctacgcaaa gtatatcaat accaacacaa tatccataca tgacaactcc caatcaccct 2918 tgcacatctt cgaaatcgag agctgatcgt ttcttgagaa tcttgatcgc atacacctcg 2978 ccgtcccttt ggtattgcgc aaggaggacc ttcgttgtat gtcagtatct acgttcatga 3038 cagagaacaa aggcttacat acctttccaa aattgcccct gccgagcact ttgagcagtg 3098 taaagtcttg caatccgatt ttgaaccgtc tggcttctga tgactagaaa atctacatgt 3158 caatattcgc ggtaaaagca taaattgttt gtgccaaaca cttgcttctt gagttgtggt 3218 ggaagagaca tgtgaggtgg ttgcatgatc cctatgtagt tgttcatcta tcttgacata 3278 tgcgttgaga tatgatgatt cgctggagga tgcagactct cggtgtggat gagccattgg 3338 cacatgtgga atgctttgcg ctgcgggaga gttacggaga gccaatggat caaagtattc 3398 tgcag 3403
【0091】 <210> 2 <211> 263 <212> PRT <213> Rhizomucor pusillus <400> 2 Met Asn Thr Phe Lys Thr Tyr Ala Asp Arg Ala Ala Arg His Pro Asn 1 5 10 15 Gly Cys Ala Lys Ala Leu Phe Glu Leu Met Glu Arg Lys Gln Thr Asn 20 25 30 Leu Ser Ile Ala Ala Asp Val Thr Thr Lys Lys Glu Leu Leu His Ile 35 40 45 Ala Asp Ala Cys Gly Pro Tyr Ile Cys Ile Leu Lys Thr His Ile Asp 50 55 60 Ile Ile Asp Asp Phe Asp Glu Asp Leu Val Ala Gln Leu Cys Glu Leu 65 70 75 80 Ala Lys Lys His Asp Phe Leu Leu Phe Glu Asp Arg Lys Phe Ala Asp 85 90 95 Ile Gly Asn Thr Val Lys His Gln Tyr Gly Lys Gly Val Tyr Lys Ile 100 105 110 Ala Ser Trp Ala His Ile Thr Asn Ala His Thr Val Pro Gly Glu Gly 115 120 125 Ile Ile Thr Gly Leu Arg Glu Val Gly Leu Pro Leu Gly Arg Gly Leu 130 135 140 Leu Leu Leu Ala Glu Met Ser Ser Lys Gly Ala Leu Thr Lys Gly Ser 145 150 155 160 Tyr Thr Thr Glu Ser Val Glu Met Ala Arg Arg Asn Gln Asp Phe Val 165 170 175 Phe Gly Phe Ile Ala Gln His Lys Met Asn Glu Lys Asp Asp Glu Asp 180 185 190 Phe Val Val Met Ala Pro Gly Val Gly Leu Asp Val Lys Gly Asp Gly 195 200 205 Leu Gly Gln Gln Tyr Arg Thr Pro Tyr Gln Val Ile Val Glu Ser Gly 210 215 220 Cys Asp Val Ile Ile Val Gly Arg Gly Ile Tyr Gly Asn Pro Asp Gln 225 230 235 240 Ile Glu Phe Gln Ala Lys Arg Tyr Lys Glu Ala Gly Trp Asn Ala Tyr 245 250 255 Leu Glu Arg Val Gln Lys His 260
【0092】 <210> 3 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for amplifying pyr4 gene <400> 3 CCCGGATCCT TTGAAGATCG YAAATTTGCT GATATYGG 38
【0093】 <210> 4 <211> 39 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for amplifying pyr4 gene <400> 4 CCCGGATCCA GGKGTTCTGT AYTGYTGACC CAAWCCATC 39
【0094】 <210> 5 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for amplifying Mucor rennin gene <400> 5 cccggatcca atcgggcatt gtacagcgtt ttacc 35
【0095】 <210> 6 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for amplifying Mucor rennin gene <400> 6 cccggatcca taccgtcagc taggtcaagc tgctt 35
【0096】 <210> 7 <211> 263 <212> PRT <213> Rhizomucor pusillus <400> 7 Met Asn Thr Phe Lys Thr Tyr Ala Asp Arg Ala Ala Arg His Pro Asn 1 5 10 15 Gly Cys Ala Lys Ala Leu Phe Glu Leu Met Glu Arg Lys Gln Thr Asn 20 25 30 Leu Ser Ile Ala Ala Asp Val Thr Thr Lys Lys Glu Leu Leu His Ile 35 40 45 Ala Asp Ala Cys Gly Pro Tyr Ile Cys Ile Leu Lys Thr His Ile Asp 50 55 60 Ile Ile Asp Asp Phe Asp Glu Asp Leu Val Ala Gln Leu Cys Glu Leu 65 70 75 80 Ala Lys Lys His Asp Phe Leu Leu Phe Glu Asp Arg Lys Phe Ala Asp 85 90 95 Ile Gly Asn Thr Val Lys His Gln Tyr Gly Lys Gly Val Tyr Lys Ile 100 105 110 Ala Ser Trp Ala His Ile Thr Asn Ala His Thr Val Pro Gly Glu Gly 115 120 125 Ile Ile Thr Gly Leu Arg Glu Val Gly Leu Pro Leu Gly Arg Gly Leu 130 135 140 Leu Leu Leu Ala Glu Met Ser Ser Lys Gly Ala Leu Thr Lys Gly Ser 145 150 155 160 Tyr Thr Thr Glu Ser Val Glu Met Ala Arg Arg Asn Gln Asp Phe Val 165 170 175 Phe Gly Phe Ile Ala Gln His Lys Met Asn Glu Lys Asp Asp Glu Asp 180 185 190 Phe Val Val Met Ala Pro Gly Val Gly Leu Asp Val Lys Gly Asp Gly 195 200 205 Leu Gly Gln Gln Tyr Arg Thr Pro Tyr Gln Val Ile Val Glu Ser Gly 210 215 220 Cys Asp Val Ile Ile Val Gly Arg Gly Ile Tyr Gly Asn Pro Asp Gln 225 230 235 240 Ile Glu Phe Gln Ala Lys Arg Tyr Lys Glu Ala Gly Trp Asn Ala Tyr 245 250 255 Leu Glu Arg Val Gln Lys His 260
【0097】 <210> 8 <211> 265 <212> PRT <213> Mucor circinelloides <400> 8 Met Asn Thr Tyr Lys Thr Tyr Ser Glu Arg Gly Gln Gln His Pro Asn 1 5 10 15 Ala Cys Ala Arg Ser Leu Phe Glu Leu Met Glu Arg Asn Glu Ser Asn 20 25 30 Leu Ser Val Ala Val Asp Val Thr Thr Lys Lys Glu Leu Leu Ser Ile 35 40 45 Ala Asp Ala Val Gly Pro Phe Val Cys Val Leu Lys Thr His Ile Asp 50 55 60 Ile Val Glu Asp Phe Asp His Asp Leu Val Ala Gln Leu Glu Gln Leu 65 70 75 80 Ala Lys Lys His Asp Phe Leu Ile Phe Glu Asp Arg Lys Phe Ala Asp 85 90 95 Ile Gly Asn Thr Val Lys His Gln Tyr Ala Asn Gly Ile Tyr Lys Ile 100 105 110 Ala Ser Trp Ser His Ile Thr Asn Ala His Thr Val Pro Gly Glu Gly 115 120 125 Ile Ile Lys Gly Leu Gly Glu Val Gly Leu Pro Leu Gly Arg Gly Leu 130 135 140 Leu Leu Leu Ala Glu Met Ser Ser Lys Gly Ala Leu Thr Lys Gly Ser 145 150 155 160 Tyr Thr Ser Glu Ser Val Glu Met Ala Arg Arg Asn Lys Asp Phe Val 165 170 175 Phe Gly Phe Ile Ala Gln His Lys Met Asn Glu His Asp Asp Glu Asp 180 185 190 Phe Val Val Met Ser Pro Gly Val Gly Leu Asp Val Lys Gly Asp Gly 195 200 205 Leu Gly Gln Gln Tyr Arg Thr Pro His Glu Val Ile Val Glu Ser Gly 210 215 220 Gly Asp Ile Ile Ile Val Gly Arg Gly Ile Tyr Gly Asn Pro Asp Gln 225 230 235 240 Val Glu Ala Gln Ala Lys Arg Tyr Arg Gln Ala Gly Trp Asp Ala Tyr 245 250 255 Leu Glu Arg Val Arg Leu His Lys Lys 260 265
【0098】 <210> 9 <211> 265 <212> PRT <213> Rizopus niveus <400> 9 Met Asn Thr Tyr Lys Pro Tyr Ser Glu Arg Ala Lys Gln His Ser Asn 1 5 10 15 Ala Cys Ala Arg Ser Leu Leu Glu Leu Met Glu Arg Lys Gln Thr Asn 20 25 30 Leu Ser Val Ala Val Asp Val Thr Thr Lys Lys Glu Leu Ile Ser Ile 35 40 45 Ala Asp Ala Ile Gly Pro Tyr Ile Cys Val Leu Lys Thr His Ile Asp 50 55 60 Ile Val Glu Asp Phe Asp Ala Asp Leu Ile Gln Gln Leu Gln Glu Leu 65 70 75 80 Ala Lys Lys His Asp Phe Leu Phe Phe Glu Asp Arg Lys Phe Ala Asp 85 90 95 Ile Gly Asn Thr Val Lys His Gln Tyr Ala Asn Gly Ile Tyr Lys Ile 100 105 110 Ala Ser Trp Ser His Ile Thr Asn Ala His Thr Val Pro Gly Glu Gly 115 120 125 Ile Ile Lys Gly Leu Ala Glu Val Gly Leu Pro Leu Gly Arg Gly Leu 130 135 140 Leu Leu Leu Ala Glu Met Ser Ser Lys Gly Ala Leu Thr Lys Gly Ser 145 150 155 160 Tyr Thr Thr Asp Ser Val Glu Met Ala Arg Arg Asn Lys Asp Phe Val 165 170 175 Phe Gly Phe Ile Ala Gln Asn Lys Met Asn Gln Tyr Asp Asp Glu Asp 180 185 190 Phe Ile Val Met Ser Pro Gly Val Gly Leu Asp Val Lys Gly Asp Gly 195 200 205 Leu Gly Gln Gln Tyr Arg Thr Pro Arg Glu Val Ile Val Glu Ser Gly 210 215 220 Ala Asp Val Ile Ile Val Gly Arg Gly Ile Tyr Gly Gln Pro Asp Lys 225 230 235 240 Leu Val Glu Gln Ala Gln Arg Tyr Arg Gln Ala Gly Trp Asp Ala Tyr 245 250 255 Leu Glu Arg Leu Ala Leu His Asn Lys 260 265
【0099】 <210> 10 <211> 397 <212> PRT <213> Neurospora crassa <400> 10 Met Ser Thr Ser Gln Glu Thr Gln Pro His Trp Ser Leu Lys Gln Ser 1 5 10 15 Phe Ala Glu Arg Val Glu Ser Ser Thr His Pro Leu Thr Ser Tyr Leu 20 25 30 Phe Arg Leu Met Glu Val Lys Gln Ser Asn Leu Cys Leu Ser Ala Asp 35 40 45 Val Glu His Ala Arg Asp Leu Leu Ala Leu Ala Asp Lys Val Gly Pro 50 55 60 Ser Ile Val Val Leu Lys Thr His Tyr Asp Leu Ile Thr Gly Trp Asp 65 70 75 80 Tyr His Pro His Thr Gly Thr Gly Ala Lys Leu Ala Ala Leu Ala Arg 85 90 95 Lys His Gly Phe Leu Ile Phe Glu Asp Arg Lys Phe Val Asp Ile Gly 100 105 110 Ser Thr Val Gln Lys Gln Tyr Thr Ala Gly Thr Ala Arg Ile Val Glu 115 120 125 Trp Ala His Ile Thr Asn Ala Asp Ile His Ala Gly Glu Ala Met Val 130 135 140 Ser Ala Met Ala Gln Ala Ala Gln Lys Trp Arg Glu Arg Ile Pro Tyr 145 150 155 160 Glu Val Lys Thr Ser Val Ser Val Gly Thr Pro Val Ala Asp Gln Phe 165 170 175 Ala Asp Glu Glu Ala Glu Asp Gln Val Glu Glu Leu Arg Lys Val Val 180 185 190 Thr Arg Glu Thr Ser Thr Thr Thr Lys Asp Thr Asp Gly Arg Lys Ser 195 200 205 Ser Ile Val Ser Ile Thr Thr Val Thr Gln Thr Tyr Glu Pro Ala Asp 210 215 220 Ser Pro Arg Leu Val Lys Thr Ile Ser Glu Asp Asp Glu Met Val Phe 225 230 235 240 Pro Gly Ile Glu Glu Ala Pro Leu Asp Arg Gly Leu Leu Ile Leu Ala 245 250 255 Gln Met Ser Ser Lys Gly Cys Leu Met Asp Gly Lys Tyr Thr Trp Glu 260 265 270 Cys Val Lys Ala Ala Arg Lys Asn Lys Gly Phe Val Met Gly Tyr Val 275 280 285 Ala Gln Gln Asn Leu Asn Gly Ile Thr Lys Glu Ala Leu Ala Pro Ser 290 295 300 Tyr Glu Asp Gly Glu Ser Thr Thr Glu Glu Glu Ala Gln Ala Asp Asn 305 310 315 320 Phe Ile His Met Thr Pro Gly Cys Lys Leu Pro Pro Pro Gly Glu Glu 325 330 335 Ala Pro Gln Gly Asp Gly Leu Gly Gln Gln Tyr Asn Thr Pro Asp Asn 340 345 350 Leu Val Asn Ile Lys Gly Thr Asp Ile Ala Ile Val Gly Arg Gly Ile 355 360 365 Ile Thr Ala Ala Asp Pro Pro Ala Glu Ala Glu Arg Tyr Arg Arg Lys 370 375 380 Ala Trp Lys Ala Tyr Gln Asp Arg Arg Glu Arg Leu Ala 385 390 395
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種OMPデカルボキシラーゼ遺伝子(ムコー
ル・シルシネロイデス(pyrG)、リゾプス・ニヴェウス
(pyr4)、ニューロスポラ・クラッサ(pyr4))の間で
アミノ酸配列が高度に保存されている部分の比較を示す
図。「*」印は、共通のアミノ酸残基を示す。反転文字
は、プライマー設計部位を示す。上段から順に、リゾム
コール・プシルス(配列番号7)、ムコール・シルシネ
ロイデス(配列番号8)、リゾプス・ニヴェウス(配列
番号9)、ニューロスポラ・クラッサ(配列番号10)の
OMPデカルボキシラーゼのアミノ酸配列を示す。
【図2】 OMPデカルボキシラーゼ遺伝子を含むプラス
ミドpRPPyr4の構造を示す図。
【図3】 ムコールレンニン遺伝子を含むプラスミドpM
P4の構造を示す図。
【図4】 形質転換体のムコールレンニン発現量を示す
ウエスタンブロッティングの結果を示す写真。 TP5:pRPPyr4で形質転換した1116U17株 RM1、RM4:pMP4で形質転換した1116U17株のうちの2株
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 9/58 C12R 1:845) Fターム(参考) 4B024 AA03 AA05 BA17 CA03 CA04 CA09 DA11 EA04 FA10 GA11 GA21 GA25 HA01 HA06 4B050 CC01 CC04 DD03 LL02 LL05 LL10 4B065 AA58X AA58Y AB01 AC14 AC15 AC20 BA02 BA10 BA17 BA25 CA33 CA41 CA60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスパラギン結合型糖鎖の付加能を欠損
    したリゾムコール属に属する糸状菌変異株を、本来アス
    パラギン結合型糖鎖を有するタンパク質をコードするD
    NAで形質転換して得られる形質転換体を培養し、該培
    養物から前記アスパラギン結合型糖鎖を欠損したタンパ
    ク質を採取することを特徴とする、タンパク質の製造
    法。
  2. 【請求項2】 リゾムコール属に属する糸状菌がリゾム
    コール・プシルスである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 リゾムコール・プシルスが、リゾムコー
    ル・プシルス1116株(FERM P−17069)
    又はその誘導体である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記タンパク質が、リゾムコール属に属
    する糸状菌固有の分泌タンパク質である請求項1記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記タンパク質が、ムコール・レンニン
    である請求項4載の方法。
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JP10370169A Pending JP2000189166A (ja) 1998-12-25 1998-12-25 リゾムコ―ル属糸状菌の糖鎖付加能欠損変異株を用いたタンパク質の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021168671A (ja) * 2011-06-07 2021-10-28 キッコーマン株式会社 フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼ、フラビン結合型グルコースデヒドロゲナーゼの製造方法、およびそれを用いたグルコース測定方法

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