JPH08511360A - 老化した光ファイバの接続 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 老化した光ガラスファイバ（１）の一片の機械的特性を改善するために、前記ファイバ片は、例えば従来の接続機械においてクランプ（３）の間に保持される。次に、ファイバ片は、炭酸ガスレーザ（１１）からの赤外線ビームあるいは溶着電極（２３）の間で発生する電弧によってファイバのガラス材料の軟化温度あるいは溶融温度近辺の高い温度まで加熱される。特に、この手順により引張強度が著しく増大し、加熱されたファイバ片を扱ったり、前記ファイバ（１）を別の光ファイバに接続するのに必要な作業工程を行いうるようにする。また、地中に敷設した古いファイバを修理し、接続することができ、古いファイバを全長にわたり交換する必要はない。

Description

【発明の詳細な説明】 老化した光ファイバの接続 技術分野 本発明は老化した光シリカファイバを別のファイバに、例えば修理のために新 しい光ファイバに接続する方法と装置とに関する。 発明の背景 シリカベースの光ファイバは湿った環境においては腐触することは周知である 。さらに、国内の電話回線網における通常の電話通信のために敷設されている概 ね全ての光ファイバは大なり小なり湿気に曝される。当然、シリカファイバの表 面は特に腐触作用を受ける。腐触はファイバの引張強度を低下させ、ファイバを より脆くさせる。ファイバの機械的特性の劣化は、例えば地下に敷設されている ファイバを修理する場合大問題であり、何らかの掘削作業で切断してきた。敷設 され老化したファイバは極めて脆性であるため取扱いが困難で、そのファイバを 別のファイバに接続することは不可能に近い。現在まで、例えば古いファイバの 破損あるいは破断のような故障に対しては、ファイバ全長を交換する必要のある ことが度々で当然コストが高くつく。 ガラス繊維や導波管の破壊強度や引張強度は、該ファイバあるいは導波管をそ の軟化温度近辺まで加熱することにより増大させうることが以前から認められて いる。ジーメンス社（Siemens AG）のドイツ国特許公開第ＤＥ−Ａ１ ２８ １ ７ ６５１号およびカベルメタルエレクトロ社（Kabelmetal electro GmbH）の ドイツ国特許公開第ＤＥ−Ａ１ ４０ ４１ １５０号を参照されたい。これら 開示された方法や装置は通常のファイバが実用される以前では通常のファイバに 対して用いられるものと考えられていたものと思われる。 発明の説明 本発明の目的は光ファイバを別の光ファイバに接続するために老化した光シリ カファイバの特性を改善することのできる方法と装置とを提供することである。 この目的は、請求の範囲に記載の特徴を有する本発明によって達成される。 接続工程に必要とされる老化した光ファイバの一片を取扱いできるように該片 の機械的特性を改善するために、前記片は光ファイバ中のガラス材料の軟化ある いは溶融温度に近い高温まで加熱される。このことにより、湿った環境から生じ る腐触作用は「解消され」、すなわち、湿気が起因するマイクロクラックが熱に よって溶解してしまう。 加熱パワーはレーザの光線ビームから提供することができる。光線ビームは光 ファイバの断面にわたって集光され、この加熱された断面部分はファイバの片に わたって移動される。光線ビームのパワーと移動速度とは、ファイバの表面の温 度が溶解温度近傍の温度に達するように選択される。実際には、この温度はファ イバの表面が「滑らか」あるいは「輝いた」外観を呈するという事実から判る。 加熱のその他の方法は、例えば、らせん形加熱要素（抵抗加熱要素）、あるい は光ガラス繊維を接続する上で溶着に用いる形式の電弧によって、例えば、ガス 焔で加熱することである。 このように、老化した光ファイバを別の光ファイバに接続する段階は一般に、 まず老化したファイバのポリマ保護スリーブを該ファイバのある一片にわたって 除去し、ある種のガラス材料すなわちシリカ材料で作られているものと思われる ファイバの被覆部の表面を露出することを含む。前記被覆が露出された、老化フ ァイバの一片の少なくとも一部が次にファイバ被覆材料の溶融温度近傍あるいは 基本的には溶融温度である高い温度まで加熱される。特に、温度はシリカファイ バの表面が加熱中若干溶解するような高い値に選択すればよい。ファイバはその 一片のある個所で切断されて端面を作り、該端面は通常の光ファイバとして別の ファイバに接続され、すなわち、この端面が別の光ファイバの端面に隣接して位 置され、これらの端面が、例えばファイバの端面を相互に溶着させることにより 、光学的に相互に結合される。 老化した光ファイバを別の光ファイバに接続する前述の段階を実行する装置は 、ファイバの一片を基本的に真直な状態に保つために該ファイバ片の両側でファ イバを緊締する運動可能な保持手段であって、一般に、運動可能なスライドに装 着された着脱可能な保持ボックスからなる保持手段を含む。さらに、ファイバの 一片を長手方向に視て、精々ファイバの直径の数倍に相当する長さを有する該フ ァ イバ片の短い領域の表面を少なくとも、シリカファイバ材料の溶融温度近傍ある いは基本的には溶融温度である高い温度まで加熱する加熱手段を含む。保持手段 をファイバ片の長手方向に対して平行な方向に運動させる作動手段が配設されて いる。最後に、ファイバ片の熱処理した端部を提供するために該ファイバ片内の ある個所でファイバを切断する切断手段のような従来の接続手段や、熱処理され たファイバ片の端面を別の光ファイバの端面に固定する取付け手段も設けられる 。 図面の説明 本発明を非限定的な実施例と、添付図面とを参照して以下詳細に説明する。 第１図はファイバの機械的特性を回復させる装置の概略図である。 好適実施例の説明 第１図には、老化した光ファイバ１を接続し熱処理する装置が示されている。 本装置は従来のファイバ接続装置を修正したものであることが好ましい。従って 、本装置は、まず老化したファイバが保持具の間の真直な軌道にわたって延在し た状態で緊締される２個の保持具３を含む。ファイバ保持具３は、図示していな い適当なガイドに沿って駆動モータ７によって作動する、運動可能なスライド５ に装着されている。前記スライド５は特に矢印９の方向に限定された距離をファ イバ１の緊締された真直な一片の長手方向に前後にユニットで運動することがで きる。炭酸ガスレーザ１１が、基本的に光ファイバ１の長手方向に対して垂直な 方向性を有する集中した赤外線を発生させる。炭酸ガスレーザ１１からの光線ビ ームは例えば光線ビームに対して４５度の角度で配置された２個の平行ミラー１ ３、によって偏向されることにより、平行な光路に沿ってビームミキサ１５を通 してレンズ系１７まで概ね真直に通る。レンズ系１７において、ビームは集光さ れ、保持具３の間に位置したファイバ片の一点においてファイバ１と衝突する。 さらに、ヘリウム・ネオンレーザ１９が配設され、低強度の可視光線ビームを 提供する。前記レーザは炭酸ガスレーザ１１からの非可視加熱ビームが所期の位 置でファイバ１と実際に衝突するように、該加熱ビームを導くように協働するた めにのみ配設されている。ヘリウム・ネオンレーザ１９からの光線ビームはビー ムミキサ１５の側へ導かれるようにミラー２１によって９０度偏向され、ビーム ミキサにおいて再び９０度偏向される。その後、正確に調整するために、ヘリウ ム・ネオンレーザ１９からの光線ビームは炭酸ガスレーザ１１からの光線ビーム 、すなわち加熱ビームと同じ照射軌道を有しており、レンズ系１７と衝突し、炭 酸ガスレーザ１１からのビームと同じ点でファイバ１の緊締された点に集光され る。 老化したシリカファイバを処理するには、まず、通常はポリマ層である保護被 覆が例えば化学的にファイバの一片にわたって除去され、ファイバ１を被覆した シリカ材の面が露出される。次に処理を施すべきファイバ１のこの一片がクラン プ、すなわち保持具３の間で緊締される。ヘリウム・ネオンのレーザ１５が始動 し、可視範囲内の波長を有する光線のビームを発生させる。レンズ系１７は集光 されたビーム（赤い点として可視）がファイバ１と衝突するようにヘリウム・ネ オンレーザ１９からの可視光線を直接観察することにより調整されるか、あるい は代替的に、集光された可視光線のビームがファイバと衝突するように、モータ ７を作動させることによりスライド５を緊締されたファイバの一片に対して垂直 な方向に移動させる。次に、スライダ５が緊締されたファイバの一片の長手方向 から視て端の位置まで動かされるが、スライダは依然としてユニットとして運動 しファイバ片を真直な線に沿って緊締された状態に保つ。次に、炭酸ガスレーザ １１も始動する。また、前記レーザからの赤外線すなわち加熱ビームも、整合用 レーザ１９からの光線と同じ位置でファイバ１に集光され、そこでファイバの断 面にわたり強力に加熱する。スライド５の移動は、炭酸ガスレーザからの光線ビ ームがファイバに衝突するのと同時に緊締されたファイバ片の長手方向に開始し 、前記ファイバ片をその長手方向に動かす。その動きには適当に適合した速度が 与えられ、ファイバ片の長手方向に視て、スライド５の他方の端位置において終 了する。前記動きの間常時炭酸ガスレーザ１１からの集光された加熱ビームは、 ファイバ１の長手方向から視て、緊締されたファイバ片の短い領域を加熱する。 前記領域はファイバ保持具３の間に位置したファイバ片にわたり一定の速度で動 く。 炭酸ガスレーザ１１からの光線、すなわち加熱光線と、スライド５、従って緊 締されたファイバ片の運動速度とは、加熱後の光ファイバの表面が滑らかで輝い た外観を有するように調整される。光ファイバ１の表面が加熱される温度はシリ カガラスの軟化温度に近く、あるいはシリカファイバ１の材料の溶融温度の近く であるように推定できる。ファイバ１の処理された領域はこのようにして機械的 特性、特に、引張強度が改善される。実用試験において、約２ＧＰａの引張強度 を有する老化したファイバが前述した処理によって約５ＧＰａの引張強度を有す る領域を取得した。すなわち、引張強度はファイバの加熱された一片の内部で２ 倍以上になった。次に、ファイバ片は機械的に取扱い、および処理が可能にされ 、特に、ファイバ片を適当な位置で切断し、別の光ファイバに接続することがで きる。 切断作業は、例えば緊締されたファイバ片に対して垂直な方向において、図示 していないが適当なガイドに沿って運動可能な切断刃２２のような設備があるの であれば同じ接続機において実行できる。さもなければ、保持具３をスライド５ から外し、次に一方の保持具を図示していない個別のファイバカッタに位置させ る。次に、この保持具がファイバの切断され、かつ処理された残りの一片と共に 再びスライド５に位置される。接続のために準備されていた新しい光ファイバが 保持具３に取り付けられ、他方のスライド５に位置される。次に、ファイバの端 が従来の方法で相互に接続される。このように、スライド５は相互に独立して運 動してファイバの端面を基本的に相互に対して位置させ、相互に整合させ、次に 高電圧電源２５から付勢される２個の高電圧の溶着電極２３の間で電弧が発生す る。 ファイバ片を加熱するために炭酸ガスレーザ１７からの光線ビームを用いる代 りに、溶着電極２３の間で発生した電弧によって加熱を行うことも可能である。 その場合も、電弧の加熱作用を制御し、かつ緊締されたファイバ片を動かすこと の双方により緊締されたファイバ片を所望温度まで加熱するために該ファイバ片 を熱処理するために、従来から自動ファイバ接続機械に配設されているスライド ５の運動を自動的に形像処理し、制御することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)， ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ステンスランド，レイフ スウェーデン国 エス ― 175 45 ヤ ールファーラ，コルンベーゲン 28

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 老化したシリカ光ファイバを別の光ファイバに接続する方法において、 シリカファイバの被覆面を露出するためにファイバの端部において該ファイバ の一片にわたって老化したファイバのポリマからなる保護スリーブが除去され、 被覆が露出された、老化ファイバの一片の少なくとも一部の面がシリカファイ バの被覆材の溶融温度近辺の高い温度まで加熱され、 前記ファイバが前記一片の内側のある個所で切断され端面を作り、 この端面が別の光ファイバの端面に隣接して位置され、 これらの断面が光学的に相互に結合されることを特徴とする老化した光ファイ バを別の光ファイバに接続する方法。 ２． 温度が、加熱されたシリカファイバが滑らかで、あるいは輝いた面を有 するようになる高い値に選定されることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の 方法。 ３． 温度が、シリカファイバの表面が加熱中に、ある程度溶融するような高 い値に選定されることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 ４． 老化したシリカ光ファイバを別の光ファイバに接続する装置において、 ファイバの一片の両側でファイバを緊締して前記ファイバ片を基本的に真直な状 態に保つ運動可能な保持手段と、 ファイバ片の長手方向から視て、前記ファイバ片の短い領域、特にファイバの 直径の精々数倍に相当する長さの領域の少なくとも表面をシリカファイバ材の溶 融温度近傍の高い温度まで加熱する加熱手段と、 前記ファイバ片の長手方向に対して平行の方向に保持手段を運動させる作動手 段と、 前記ファイバ片内のある個所でファイバを切断し、ファイバの熱処理した端部 分とその端面とを提供する切断手段と、 前記ファイバ片の熱処理した端面を別の光ファイバの端面に接続する取付け手 段とを含むことを特徴とする老化した光ファイバを別の光ファイバに接続する装 置。 ５． 前記加熱手段がレーザと、前記レーザからの光線ビームを集光するレン ズ系とからなることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の装置。 ６． 前記加熱手段が、接続手段に含まれている溶着電極からなることを特徴 とする請求の範囲第４項に記載の装置。