JPH08510537A - 摺動キャリパ式ディスクブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも１つの軸線方向案内ピン（14）によって固定支持体（１２）上を摺動するキャリパ（１０）を包含し、キャリパ（１０）が、固定支持体（１２）内に碇留且つ摺動可能に収容された少なくとも１つの摩擦パッド（２２，２４）を押圧できる駆動装置（２８）と、軸線方向案内ピン（１４）を中心とする回転に関しキャリパ（１０）を固定支持体（１２）上に固定する装置（３０）とを包含し、固定装置が、固定支持体（１２）又はキャリパ（１０）に形成した孔（３４）内を一部分（３３）が摺動する軸部（３２）と、その軸線に直角で且つキャリパ（１０）又は固定支持体（１２）の平坦部分（４０）に休止するようになっている平らな停止面（３８）を形成している基部（３６）とを包含する軸線方向スピンドルから成り、軸線方向スピンドルの基部（３６）が、キャリパ（10）又は固定支持体（１２）に形成した取付開口（４６）を間隙を存して貫通する固定部材（４４；７４，８０）と相互作用して、組立時にスピンドルの軸線方向心出しを許容するディスクブレーキに関する。本発明によると、保持部材（５０，７６，１５０）が取付開口（４６）の近傍に配設されて、ブレーキが組立てられている間に回転に関し軸線方向スピンドルを固定化し、軸線方向スピンドルが孔（３４）によって半径方向移動に関し固定化されている。

Description

【発明の詳細な説明】 摺動キャリパ式ディスクブレーキ 本発明の主題は、特に車両に装備できる摺動キャリパ式ディスクブレーキであ る。 この型式のディスクブレーキは、車両の固定部分に固着された固定支持体と、 この固定支持体上を摺動し、第１摩擦パッドを車両の車輪に固着した回転ディス クの一方の面に当接させるブレーキモータを含むキャリパとを包含し、キャリパ は反力によって第２摩擦パッドをディスクの他方の面に当接させる。キャリパは ２つの軸線方向案内ピンを介し、又は１つの軸線方向案内ピンと軸線方向スピン ドルを介して摺動し、これらのピン及びスピンドルはそれぞれキャリパ又は固定 支持体に固定され、固定支持体又はキャリパに形成した孔と相互作用する。 今日の加工機械は１つの同じ構成要素に事実上完全に平行な、事によってはテ ーパ付きの、孔を形成することができる。しかしながら、これら孔の軸線間の距 離に関して製造公差を備えておくことがいまだ必要である。 米国特許第４,０６１,２０９号明細書には、この製造公差を考慮して、孔の少 なくとも一方がオーバーサイズとされ、この孔と相互作用する案内ピンが、固定 支持体内で摩擦パッドを通常押圧するスプリングによってこの孔の壁に摺接する 偏心位置へ押圧されるようにした上述の型式のディスクブレーキが記載されてい る。 従って、この構成は案内ピンの十分な間隙を対応する孔内に課しているので、 ディスクブレーキが駆動された時に発生する振動を減衰させ騒音を防止するため に、案内ピンのまわりに弾性スリーブが配設されていなければならない。さらに 、この駆動中のキャリパの案内は極めて不完全である。 また、米国特許第２,１５９,２１９号明細書には、それぞれ円筒状被覆及び固 定ねじを含む２つの軸線方向案内ピンによってキャリパが固定支持体上を摺動す るようにした上記型式のディスクブレーキが記載されている。平行な側部をもっ た雨樋の形状の組立要素が固定支持体を跨ぎ、案内ピンねじのねじ部と相互作用 するねじ部分を含む。 組立要素の端部はスリーブに形成した切欠部と相互作用する二又部を形成して 、案内ピンねじが螺合される時にスリーブが回転するのを防止する。組立要素は 案内ピンねじの締付け時に偏心作用を回避することを可能にするが、同時に、こ の組立要素は案内ピンの固定の軸線間の距離を決定し、この距離に関する製造公 差を考慮することを可能にしてはおらず、結果として組立要素は固定時に案内ピ ンの軸線方向心出しに逆ら うこととなる。 また、ヨーロッパ特許第０,３９５,４６０号明細書には、キャリパが軸線方向 案内ピンによって固定支持体上を摺動し、スピンドルから成る玉継手型の固定装 置によって回転に関し固定支持体に対して保持されて、ブレーキモータが駆動さ れた時に固定支持体に対するキャリパの心ずれを許容するようにした上記型式の ディスクブレーキが記載されている。 固定スピンドルは、固定支持体の孔内に入り込む端部に、玉継手作用を許容す るとともに一方向の優先の固定を許容する一方、直角方向の或る程度の自由度を 与える小さい当接面を含む。 回転に関する固定スピンドルの固定化は、キャリパの部分に作られた溝に収蔵 されるスピンドルの端部の六角頭部形状によって得られる。このレイアウトは、 ねじの締付けがスピンドルに接線方向荷重を生じさせ、スピンドルの端部をキャ リパの溝内で動かして所望の自動心出し作用に逆らうという欠点を有する。 結果として、本発明の目的は、孔の製造又は加工公差が考慮され、且つスピン ドルの回転を停止する装置が孔内でのスピンドルの心出しを可能にして、ディス クブレーキが作動している時にキャリパの摺動が最適化されるようにした、固定 スピンドルを備えたキャリパ式ディスクブレーキを提供することによって、上述 した欠点を解消することにある。 この目的のため、本発明は、少なくとも１つの軸線方向案内ピンによって固定 支持体上を摺動するキャリパを包含し、キャリパが、固定支持体内に碇留且つ摺 動可能に収容された少なくとも１つの摩擦パッドを押圧できる駆動装置と、軸線 方向案内ピンを中心とする回転に関しキャリパを固定支持体上に固定する軸線方 向スピンドルとを包含し、固定軸線方向スピンドルが、固定支持体又はキャリパ に形成した孔内を摺動する軸部と、その軸線に直角で且つキャリパ又は固定支持 体の平坦部分に休止するようになっている平らな停止面を形成している基部とを 包含し、軸線方向スピンドルの基部が、キャリパ又は固定支持体に形成した取付 開口を間隙を存して貫通する固定部材と相互作用して、組立時にスピンドルの軸 線方向心出しを許容するディスクブレーキを提供する。 本発明によると、保持部材が取付開口の近傍に配設されて、ブレーキが組立て られている間に回転に関し軸線方向スピンドルの基部を固定化する。 以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。 図１は、本発明の第１実施例に従って構成したディスクブレーキを部分的に断 面で示す平面図である。 図２は、図１の線II−IIに沿う断面図である。 図３は、図１の線III−IIIに沿う断面図である。 図４は、図１のディスクブレーキの組立後における 正面図である。 図５は、図１のディスクブレーキの組立前における正面図である。 図６は、本発明のディスクブレーキの第１実施例に用いられる保持部材の拡大 斜視図である。 図７は、本発明の第１変形例に従って構成したディスクブレーキの正面図であ る。 図８は、図７の線VIII−VIIIに沿う断面図である。 図９は、図８の線IX−IXに沿う断面図である。 図１０は、本発明の第２変形例の図７に類似した正面図である。 図１１は、図１０の線XI−XIに沿う断面図である。 図１２は、図１０及び１１に示したブレーキに用いられる保持部材の平面図で ある。 図は、車両の固定部分（図示しない）に固着されるように設けられている固定 支持体１２上に摺動可能に装架されたキャリパ１０を包含するディスクブレーキ を表している。一例として示した実施例において、キャリパ１０は、固定支持体 １２に形成した孔１６内に小さい間隙を存して摺動可能に収容された軸線方向案 内ピン１４によって、固定支持体１２上を摺動し、さらに案内ピンは例えばねじ ２０によってキャリパ１０のアーム１８に固着されている。 ディスクブレーキはまた、例えば加圧流体の作用を受けるピストンから成るブ レーキモータ２８の駆動中 回転ディスク２６に摩擦係合するようになっている２つの摩擦パッド２２及び２ ４を包含する。 総括的に符号３０で示す固定装置は、案内ピン１４を中心とするキャリパの回 転を防止するように設けられている。図１ないし６に示す例では、固定装置３０ は、固定支持体１２に形成した孔３４内を摺動部分33を介して摺動できるように 収容されたロッド３２と、基部３６とで形成された軸線方向スピンドルを包含す る。基部は、スピンドルの軸線に直角で且つディスクブレーキが組立てられた時 にキャリパ１０の平坦部分４０に休止する停止部を形成する平坦面３８を含む。 本発明の重要な特徴によると、小さい間隙が孔３４内での部分３３の摺動のた めに設けられており、この小さい間隙は好ましくは軸線方向案内ピン１４と孔16 との間に存在する間隙に等しい。摺動部分は、図示のように例えば圧力ばめによ ってロッド３２に取付けられ、又はロッド３２と一体に構成することができる。 基部３６は、面３８に開口し且つキャリパ１０のアーム４８に形成した取付開 口４６を間隙を存して貫通するねじのような固定部材４４を受けるようになって いるテーパ孔４２を形成されている。 ブレーキは慣例の方法で取付けられる。案内ピン14を装備したキャリパ１０が 、この案内ピンを孔１６内へ挿入することによって固定支持体１２上に定置され る。キャリパ１０が孔３４の入口を露出するように（ 図４及び５で上方に）傾動される。それから、軸線方向スピンドルのロッド３２ の部分３３を孔３４内で摺動させることが可能である。従って、軸線方向スピン ドルは、孔３４とロッド３２の摺動部分３３との間に小さい間隙を存在させなが ら、孔３４内で心出し位置にある。それから、キャリパが反対方向に傾動されて 開口４６をスピンドルの基部３６の孔４２に整合させる。次に、ねじ４４が開口 ４６内へ挿入されて軸線方向スピンドルをキャリパに固着し、案内ピン１４を中 心とする回転に関してキャリパを固定する。 開口４６とねじ４４との間の間隙は、孔１６及び34の軸線間の距離に関する製 造公差を考慮するとともに、ブレーキが組立てられている間にはキャリパに寄生 応力を生じさせることなしにキャリパの平坦部分４０に対してスピンドルの平坦 面３８を軸線方向に心出しすることを可能にしている。しかしながら、特に典型 的には１０mdaNの高い値の締付けトルクのために、ねじ４４が締付けられている 間にスピンドルの基部が動いた場合には、このような応力が発生され得る。 本発明によると、ブレーキの組立作業中スピンドルを保持するために部材が設 けられている。第１実施例によると、この部材は、総括的に符号５０で示され且 つ図６に斜視図で表されているスプリングクリップから成る。 クリップ５０はキャリパ１０のアーム４８上に嵌め られるようになっていて、主にアーム４８を弾性的に掴持する対をなす４つの面 を含む。アーム４８の外側に位置された面５２は、ねじ４４の頭部の寸法よりも 大きい寸法の開口５４を設けている。アーム４８の内側に位置された反対側の面 ５６も、キャリパ１０のアーム４８の半径方向外方面に休止するようになってい るクリップ５０の側６０とは反対の面５６の側に開口する開口５８を設けており 、面６０は、キャリパ１０のアーム４８の半径方向内方面上に休止する第４の面 ６２によってアーム４８に接触保持され、面６２は図示の例では２つの軸線方向 に平行な腕によって形成されている。 面５６の開口５８は、クリップ５０がディスクブレーキに作動位置（図４）に 配置された時ディスクブレーキの対称軸線Ｘ−Ｘ′に対して略平行な方向の２つ の平行な側面６４を有する。 スピンドルの基部３６自体は、同じ状態のもとで側面６４と同じ方向の２つの 平行な平坦部６６（図５）を含む。平坦部６６間でのスピンドルの基部３６の厚 さは開口５８の側面６４間の距離よりも僅かに小さい。 前述の説明から、本発明がどのように実施されるか理解されよう。ブレーキが 取付けられている時、案内ピン１４が孔１６内へ挿入された後、クリップ５０が キャリパ１０のアーム４８上に嵌められ、そして前述したように軸線方向スピン ドルのロッド３２が３４内 へ挿入される。 次に、キャリパ１０が固定支持体１２に向かって傾動されて開口４６をスピン ドルの基部３６の孔４２と整合させる。この作業中、クリップ５０の開口５８の 側面６４は軸線方向スピンドルの基部３６の平坦部66（図５）上を摺動して、孔 ３４内での摺動部分３３の案内によって決定されるスピンドルの基部３６の位置 に基いてクリップ５０をアーム４８上で双頭矢印Ａの方向に位置させる。 ねじ４４がキャリパの開口４６及び基部３６の孔42内へ挿入されると、基部は 孔３４内でのスピンドルの正確な心出しに一致する位置でその面３８を介してキ ャリパの面４０に接触する。それから、クリップ５０は、ねじ４４が締付けられ ている間、平坦部６６とクリップの側面６４との相互作用による回転に関し、ま た並進移動に関して基部３６をこの位置に保持しており、クリップは、キャリパ が固定支持体に向かって傾動されている間、孔３４内でのスピンドルの正確な心 出しに一致しながら、図５の双頭矢印Ａに従って接線方向位置をとっている。 従って、ねじ４４をキャリパのアーム４８を介してスピンドルの基部３６に締 付けるだけで十分であり、基部３６はクリップ５０によってアーム４８上に定位 置に保持されたままである。ねじ４４が十分に締付けられると、軸線方向スピン ドルが孔３４内で完全に整 合され、従って、孔１６及び３４の軸線間の距離に関する製造公差にかかわりな く、固定支持体１２上でのキャリパの最適な摺動を許容することができる。 図７ないし９は上述した実施例の変形例を示している。これらの図において、 同一又は類似の要素は同一符号で示してある。 この変形例によると、軸線方向スピンドルは２つの部分で作られており、外方 部分７０は基部３６を含み、内方部分７２のためのスペーサを形成し、この内方 部分は一端部には孔３４内を摺動する部分３３を、また他端部には２つの平坦部 ７６の近傍にねじ部分７４を含む。 キャリパ１０のアーム４８の開口４６が固定支持体１２に向かって半径方向に 露出するように形成され、長方形の全体形状をなしており、長方形の主軸線は、 ディスクブレーキが作動位置にある時に軸線Ｘ−Ｘ′に対して平行である。従っ て、開口４６は、平坦部76間での部分７２の厚さよりも僅かに大きい距離を離間 された２つの略平行な側面７８を含む。 この変形例は前記実施例と同様に実施される。案内ピン１４が孔１６内へ挿入 された後、スピンドルの外方部分７０は摺動部分３３に当接するまで内方部分72 上に嵌められ、ねじ部分７４及び平坦部７６は面３８を越えて延在する。それか ら、組立体が孔３４内へ挿入される。 次に、キャリパ１０が固定支持体１２に向けて傾動され、アーム４８の開口４ ６の側面７８が平坦部７６上に嵌められる。それから、つば付ナット８０がねじ 部分７４に螺合されてキャリパ１０を固定支持体１２上に固定する。ナット８０ のつばの直径よりも僅かに大きい直径でアーム４８の外面に形成された端ぐり82 は、キャリパが正確に位置されていることを確認するのに用いることができる。 またこの変形例によると、ナット８０が十分に締付けられると、軸線方向スピ ンドルがその摺動部分３３を介して孔３４内で完全に整合される。軸線方向スピ ンドルの外方部分７０はスピンドルの基部３６を位置決めするため前記軸線方向 スピンドルとキャリパのアーム４８との間のスペーサを形成し、内方部分７２は スピンドルをキャリパに固着するため引張棒として作用する。 図示した実施例に関するこの変形例に幾多の変更を行うことができる。摺動部 分３３は引張棒７２とスペーサ７０との間で締付けることによって軸線方向に保 持されるリングから成すことができ、また摺動部分はスペーサ７０又は引張棒７ ２と一体に形成したり、あるいはこれら２つの要素の一方に例えば圧力ばめで取 付けることができる。 図１０ないし１２は本発明の第２の変形例を示している。これらの図において 、同一又は類似の要素は同 一符号で示してある。 固定装置３０は、第１の実施例と同様に、固定支持体１２に形成した孔３４内 を摺動部分３３を介して摺動可能に収容されたロッド３２と、基部３６とで形成 された軸線方向スピンドルを包含する。基部は、スピンドルの軸線に直角で且つ ディスクブレーキが組立てられた時にキャリパ１０の平坦部分４０に当接する停 止部を形成する平坦面３８を含む。 摺動部分３３は、上述した実施例と同様にこの変形例では、ロッド３２自体の 直径よりも僅かに大きい直径のロッド３２の端部分３７に形成した溝３５に挿設 されたＯリング３３で構成することができる。 基部３６は、面３８に露出し且つキャリパ１０のアーム４８に形成した取付開 口４６を間隙を存して貫通するねじのような固定部材４４を受けるようになって いるテーパ孔４２を形成されている。 この変形例によると、ブレーキの組立作業中スピンドルを保持するための部材 １５０は、図１２で平面図に展開して示した形状の構成部材で作られている。部 材１５０は開口１５４を設けた中央部分１５２と２つの対称のタブ１５６とを含 む。 タブ１５６は、互いに平行に延びるように中央部分１５２に対して直角に折り 曲げられるようになっている。タブはアーム４８の取付開口４６の幅よりも僅か に小さい幅１を有するとともに、平坦面３８に隣接す るスピンドル３０の基部３６に形成したカラー１６０の厚さ分を増加したアーム ４８の厚さよりも大きい長さＬを有する。 カラー１６０自体は、スピンドル３０の軸線を中心とする円周方向においてタ ブ１５６の幅１よりも僅かに大きい幅を有する。 ブレーキの取付けは前記実施例と同一の様式で実施される。案内ピン１４を装 備したキャリパ１０が、このピンを孔１６内へ挿入することによって固定支持体 １２上に定置される。キャリパ１０が孔３４の入口を露出するように（図１０の 上方に）傾動される。それから、軸線方向スピンドルのロッド３２の部分３３を 孔３４内へ挿入することが可能である。次に、軸線方向スピンドルは、孔３４と ロッド３２の摺動部分３３との間に小さい間隙を存在させながら、孔３４内で心 出し位置にある。それから、キャリパが反対方向に（図１０の下方に）傾動され て開口４６をスピンドルの基部３６の孔４２に整合させる。 次に、保持部材１５０のタブが開口４６内へ挿入されるので、タブはスピンド ルの基部３６に形成した軸線方向溝１６２内に収容され、スピンドルにはその軸 線を中心とする適宜の角方向付けが予め与えられている。スピンドルの角方向付 けは、タブ１５６の端部が、事によっては図１２に示すように丸くされた、尖端 で形成されている場合、保持部材１５０が設置された時 にそれ自身で調整でき得る。 それから、ねじ４４が保持部材１５０の開口１５４及びキャリパの開口４６内 へ挿入されて軸線方向スピンドルをキャリパに固着し、案内ピン１４を中心とす る回転に関してキャリパを固定する。 ねじ４４がキャリパのアーム４８を介してスピンドルの基部３６に締付けられ ると、基部３６の面３８が孔３４内でのスピンドルの軸線方向心出しに一致する 位置でキャリパの面４０に接触保持されたままとなる。回転に関するスピンドル の固定化は、いかなる荷重あるいは半径方向変位を生じさせることなしに、スピ ンドルの回転に抵抗するトルクを生じさせるタブ１５６と軸線方向溝１６２との 相互作用によって得られる。 ねじ４４の締付けの終りでは、軸線方向スピンドルが孔３４内で完全に整合さ れ、従って、孔１６及び34の軸線間の距離に関する製造公差にかかわりなく、固 定支持体１２上でのキャリパ１０の最適な摺動を許容することができる。 この実施例の変形として、このように装備したディスクブレーキの組立及び保 守作業中にこの部材１５０を忘れるのを防止するように、或る取付具の係留ねじ の様式でねじ４４を保持部材によって係留するようにしてよい。 他の変更が２つの変形例になし得る。例えば、軸線方向案内ピン１４及び又は 固定スピンドルが固定支持 体１２に固定され、キャリパに形成した孔内を摺動することができる。同様に、 固定スピンドルは案内ピンの形状に作られ、本発明に従って保持部材を設けるこ とができる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年５月２日 【補正内容】 うこととなる。 また、ヨーロッパ特許第０,３９５,４６０号明細書には、キャリパが軸線方向 案内ピンによって固定支持体上を摺動し、スピンドルから成る玉継手型の固定装 置によって回転に関し固定支持体に対して保持されて、ブレーキモータが駆動さ れた時に固定支持体に対するキャリパの心ずれを許容するようにした上記型式の ディスクブレーキが記載されている。 固定スピンドルは、固定支持体の孔内に入り込む端部に、玉継手作用を許容す るとともに一方向の優先の固定を許容する一方、直角方向の或る程度の自由度を 与える小さい当接面を含む。 回転に関する固定スピンドルの固定化は、キャリパの部分に作られた溝に収蔵 されるスピンドルの端部の六角頭部形状によって得られる。このレイアウトは、 ねじの締付けがスピンドルに接線方向荷重を生じさせ、スピンドルの端部をキャ リパの溝内で動かして所望の自動心出し作用に逆らうという欠点を有する。 結果として、本発明の目的は、孔の製造又は加工公差が考慮され、且つスピン ドルの回転を停止する装置が孔内でのスピンドルの心出しを可能にして、ディス クブレーキが作動している時にキャリパの摺動が最適化されるようにした、固定 スピンドルを備えたキャリパ式ディスクブレーキを提供することによって、上述 した欠点を解消することにある。 この目的のため、本発明は、固定支持体に形成した孔内に小さい間隙を存して 摺動可能に収容された少なくとも１つの軸線方向案内ピンによって固定支持体上 を摺動するキャリパを包含し、キャリパが、固定支持体内に碇留且つ摺動可能に 収容された少なくとも１つの摩擦パッドを押圧できる駆動装置と、軸線方向案内 ピンを中心とする回転に関しキャリパを固定支持体上に固定する軸線方向スピン ドルとを包含し、固定軸線方向スピンドルが、固定支持体に形成した孔内を摺動 する軸部と、その軸線に直角で且つキャリパの平坦部分に休止するようになって いる平らな停止面を形成している基部とを包含し、軸線方向スピンドルの基部が 、キャリパに形成した取付開口を間隙を存して貫通する固定部材と相互作用して 、組立時にスピンドルの軸線方向心出しを許容するディスクブレーキを提供する 。 本発明によると、保持部材が取付開口の近傍に配設されて、ブレーキが組立て られている間に回転に関し軸線方向スピンドルを固定化し、軸線方向スピンドル が孔によって半径方向移動に関し固定化され、軸線方向スピンドルの摺動部分が 孔内を小さい間隙を存して摺動し、軸線方向スピンドルの摺動部分と案内ピンが それぞれの孔内を同じ間隙を存して摺動する。 以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。 図１は、本発明の第１実施例に従って構成したディ スクブレーキを部分的に断面で示す平面図である。 図２は、図１の線II−IIに沿う断面図である。 図３は、図１の線III−IIIに沿う断面図である。 図４は、図１のディスクブレーキの組立後における正面図である。 図５は、図１のディスクブレーキの組立前における正面図である。 図６は、本発明のディスクブレーキの第１実施例に用いられる保持部材の拡大 斜視図である。 図７は、本発明の第１変形例に従って構成したディスクブレーキの正面図であ る。 図８は、図７の線VIII−VIIIに沿う断面図である。 図９は、図８の線IX−IXに沿う断面図である。 図１０は、本発明の第２変形例の図７に類似した正面図である。 図１１は、図１０の線XI−XIに沿う断面図である。 図１２は、図１０及び１１に示したブレーキに用いられる保持部材の平面図で ある。 図は、車両の固定部分（図示しない）に固着されるように設けられている固定 支持体１２上に摺動可能に装架されたキャリパ１０を包含するディスクブレーキ を表している。一例として示した実施例において、キャリパ１０は、固定支持体 １２に形成した孔１６内に小さい間隙を存して摺動可能に収容された軸線方向案 内ピン１４によって、固定支持体１２上を摺動し、さ らに案内ピンは例えばねじ２０によってキャリパ１０のアーム１８に固着されて いる。 ディスクブレーキはまた、例えば加圧流体の作用を受けるピストンから成るブ レーキモータ２８の駆動中 請求の範囲 １ 固定支持体（１２）に形成した孔（１６）内に小さい間隙を存して摺動可能 に収容された少なくとも１つの軸線方向案内ピン（１４）によって固定支持体（ １２）上を摺動するキャリパ（１０）を包含し、キャリパ（１０）が、固定支持 体（１２）内に碇留且つ摺動可能に収容された少なくとも１つの摩擦パッド（22 ，２４）を押圧できる駆動装置（２８）と、軸線方向案内ピン（１４）を中心と する回転に関しキャリパ（10）を固定支持体（１２）上に固定する装置（３０） とを包含し、固定装置が、固定支持体（１２）に形成した孔（３４）内を一部分 （３３）が摺動する軸部（３２）と、その軸線に直角で且つキャリパ（１０）の 平坦部分（４０）に休止するようになっている平らな停止面（３８）を形成して いる基部（３６）とを包含する軸線方向スピンドルから成り、軸線方向スピンド ルの基部（３６）が、キャリパ（１０）に形成した取付開口（４６）を間隙を存 して貫通する固定部材（４４；74，８０）と相互作用して、組立時にスピンドル の軸線方向心出しを許容するディスクブレーキにおいて、保持部材（50，７６， １５０）が取付開口（４６）の近傍に配設されて、ブレーキが組立てられている 間に回転に関し軸線方向スピンドルを固定化し、軸線方向スピンドルが孔（３４ ）によって半径方向移動に関し固定化され、軸線方向スピンドルの摺動部分（３ ３）が孔 （３４）内を小さい間隙を存して摺動し、軸線方向スピンドルの摺動部分（３３ ）と案内ピン（１４）がそれぞれの孔（３４，１６）内を同じ間隙を存して摺動 することを特徴とするディスクブレーキ。 ２ 請求項１記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（５０）が、取付開口 （４６）か形成されたキャリパ（１０）の部分（４８）を掴持するスプリングク リップ（５０）から成ることを特徴とするディスクブレーキ。 ３ 請求項２記載のディスクブレーキにおいて、スプリングクリップ（５０）が 、軸線方向スピンドルの基部（３６）と相互作用してブレーキが組立てられてい る間にスピンドルを固定化する開口（５８）を有することを特徴とするディスク ブレーキ。 ４ 請求項３記載のディスクブレーキにおいて、開口（５８）が、軸線方向スピ ンドルの基部（３６）に形成した２つの平行な平坦部（６６）と相互作用する２ つの平行な側面（６４）を形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 ５ 請求項１記載のディスクブレーキにおいて、軸線方向スピンドルが、スペー サを形成する外方部分（70）と、引張棒を形成する内方部分（７２）とで形成さ れ、保持部材（７６）が、取付開口（４６）の部分（７８）と相互作用する引張 棒の部分（７６）によって形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 ６ 請求項５記載のディスクブレーキにおいて、軸線方向スピンドルの内方部分 （７２）が、取付開口（46）に形成した２つの平行な側面（７８）と相互作用す る２つの平行な平坦部（７６）を形成されていることを特徴とするディスクブレ ーキ。 ７ 請求項１記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）が、固定部 材（４４）のための開口（１５４）と取付開口（４６）を貫通するタブ（１５６ ）とを設けた中央部分（１５２）を含むことを特徴とするディスクブレーキ。 ８ 請求項７記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（１ ５６）がスピンドル（３０）の基部（３６）に形成した軸線方向溝（１６２）と 相互作用することを特徴とするディスクブレーキ。 ９ 請求項８記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（１ ５６）の幅（１）が取付開口（４６）の幅及びスピンドル（３０）の基部（３６ ）の軸線方向溝（１６２）の幅よりも僅かに小さいことを特徴とするディスクブ レーキ。 10 請求項８記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（１ ５６）の長さ（Ｌ）が、スピンドル（３０）の基部（３６）に形成したカラー（ １６０）の厚さ分を増加したキャリパのアーム（４８）の厚さよりも大きいこと を特徴とするディスクブレーキ。 11 請求項８記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（１ ５６）の端部が尖端で形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 12 請求項７ないし１１のいずれか１項に記載のディスクブレーキにおいて、固 定部材（４４）が保持部材（１５０）によって係留保持されていることを特徴と するディスクブレーキ。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 ６，１５０）が取付開口（４６）の近傍に配設されて、 ブレーキが組立てられている間に回転に関し軸線方向ス ピンドルを固定化し、軸線方向スピンドルが孔（３４） によって半径方向移動に関し固定化されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの軸線方向案内ピン（１４）によって固定支持体（１２）上 を摺動するキャリパ（１０）を包含し、キャリパ（１０）が、固定支持体（１２ ）内に碇留且つ摺動可能に収容された少なくとも１つの摩擦パッド（２２，２４ ）を押圧できる駆動装置（２８）と、軸線方向案内ピン（１４）を中心とする回 転に関しキャリパ（１０）を固定支持体（１２）上に固定する装置（３０）とを 包含し、固定装置が、固定支持体（１２）又はキャリパ（１０）に形成した孔（ 34）内を一部分（３３）が摺動する軸部（３２）と、その軸線に直角で且つキャ リパ（１０）又は固定支持体（１２）の平坦部分（４０）に休止するようになっ ている平らな停止面（３８）を形成している基部（３６）とを包含する軸線方向 スピンドルから成り、軸線方向スピンドルの基部（３６）が、キャリパ（１０） 又は固定支持体（１２）に形成した取付開口（４６）を間隙を存して貫通する固 定部材（４４；７４，８０）と相互作用して、組立時にスピンドルの軸線方向心 出しを許容するディスクブレーキにおいて、保持部材（50，７６，１５０）が取 付開口（４６）の近傍に配設されて、ブレーキが組立てられている間に回転に関 し軸線方向スピンドルを固定化し、軸線方向スピンドルが孔（３４）によって半 径方向移動に関し固定化されていることを特徴とするディスクブレーキ。 ２ 請求項１記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（５０）が、取付開口 （４６）が形成されたキャリパ（１０）又は固定支持体（１２）の部分（４８） を掴持するスプリングクリップ（５０）から成ることを特徴とするディスクブレ ーキ。 ３ 請求項２記載のディスクブレーキにおいて、スプリングクリップ（５０）が 、軸線方向スピンドルの基部（３６）と相互作用してブレーキが組立てられてい る間にスピンドルを固定化する開口（５８）を有することを特徴とするディスク ブレーキ。 ４ 請求項３記載のディスクブレーキにおいて、開口（５８）が、軸線方向スピ ンドルの基部（３６）に形成した２つの平行な平坦部（６６）と相互作用する２ つの平行な側面（６４）を形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 ５ 請求項１記載のディスクブレーキにおいて、軸線方向スピンドルが、スペー サを形成する外方部分（70）と、引張棒を形成する内方部分（７２）とで形成さ れ、保持部材（７６）が、取付開口（４６）の部分（７８）と相互作用する引張 棒の部分（７６）によって形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 ６ 請求項５記載のディスクブレーキにおいて、軸線方向スピンドルの内方部分 （７２）が、取付開口（46）に形成した２つの平行な側面（７８）と相互作用す る２つの平行な平坦部（７６）を形成されていることを 特徴とするディスクブレーキ。 ７ 請求項１ないし６のいずれか１項に記載のディスクブレーキにおいて、軸線 方向スピンドルの摺動部分（３３）が孔（３４）内を小さい間隙を存して摺動す ることを特徴とするディスクブレーキ。 ８ 請求項７記載のディスクブレーキにおいて、軸線方向スピンドルの摺動部分 （３３）と案内ピン（１４）がそれぞれの孔（３４，１６）内を同じ間隙を存し て摺動することを特徴とするディスクブレーキ。 ９ 請求項１記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）が、固定部 材（４４）のための開口（１５４）と取付開口（４６）を貫通するタブ（１５６ ）とを設けた中央部分（１５２）を含むことを特徴とするディスクブレーキ。 10 請求項９記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（１ ５６）がスピンドル（３０）の基部（３６）に形成した軸線方向溝（１６２）と 相互作用することを特徴とするディスクブレーキ。 11 請求項１０記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（ １５６）の幅（１）が取付開口（４６）の幅及びスピンドル（３０）の基部（３ ６）の軸線方向溝（１６２）の幅よりも僅かに小さいことを特徴とするディスク ブレーキ。 12 請求項１０記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（ １５６）の長さ（Ｌ）が、 スピンドル（３０）の基部（３６）に形成したカラー（１６０）の厚さ分を増加 したキャリパのアーム（48）の厚さよりも大きいことを特徴とするディスクブレ ーキ。 13 請求項１０記載のディスクブレーキにおいて、保持部材（１５０）のタブ（ １５６）の端部が尖端で形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。 14 請求項９ないし１３のいずれか１項に記載のディスクブレーキにおいて、固 定部材（４４）が保持部材（１５０）によって係留保持されていることを特徴と するディスクブレーキ。