JPH08510129A - B型肝炎ウイルス突然変異体、試薬及び検出方法 - Google Patents

B型肝炎ウイルス突然変異体、試薬及び検出方法

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Abstract

(57)【要約】 種々の診断及び治療用途に有用な突然変異B型肝炎ウイルス(HBV)核酸配列、かかるHBV核酸配列を使用するためのキット、HBV免疫原性粒子、及び、HBVに対する抗体を製造する方法、並びに、HBV核酸配列からポリクローナルまたはモノクローナル抗体を製造する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 B型肝炎ウイルス突然変異体、試薬及び検出方法発明の背景 本発明は、広義にはB型肝炎ウイルス(HBV)の突然変異体に係わるが、特 にHBVの新規の突然変異体、それらの臨床用途における有用性、HBV感染及 び免疫性の検出における試薬としての使用、並びにワクチンにおける使用に係わ る。 HBVは、無症状の軽度感染から慢性活性及び劇症肝炎まで、種々の症状を惹 起することが知られている。肝炎B型ゲノムは、7つのウイルスタンパク質をコ ードする約3200塩基対からなる環状の部分的に二本鎖のDNAである。P. Tiollaisら,Nature 317:489−495(1985)。ポ リメラーゼ遺伝子は,ウイルスエンベロープ遺伝子PreS1、PreS2及び Sとは完全に重なり合っており、X及びコア遺伝子とは一部重なり合っている。 肝炎B型ビリオンのエンベロープは3つのタンパク質とそれらのグリコシル化誘 導体とからなる。スモール(S)、ミドル(M)及びラージ(L)B型肝炎表面 (HBs)タンパク質と称されるこれらのタンパク質はS遺伝子配列を含む。W .H.Gerlichら,Vi ral Hepatitis and Liver Diseases ,F.B .Hollingerら,Williams−Wilkens編,Baltim ore,MD,pp121−134(1991)。MHBsはPreS2配列( 55アミノ酸)を含み、Lタンパク質はPreS1配列(サブタイプに従って1 08または119アミノ酸)とPreS2配列とを含む。全B型肝炎表面抗原の うち完全ビリオンまたはDane粒子として存在するのは極めて僅かである。他 の2つの形態、即ち22nmの球状粒子と、直径22nmの可変長のフィラメン トはキャプシドまたはDNAを欠いてはいるものの、HBVビリオンよりかなり 過剰に産生される。 コア遺伝子は、ヌクレオキャプシドタンパク質(183または185アミノ酸 )、B型肝炎コア抗原(HBcAg)をコードする。コア遺伝子の直ぐ上流には 、コア遺伝子と同調して29アミノ酸をコードする87ヌクレオチドからなるプ レコア領域がある。プレコア領域の最初の19個のアミノ酸は、HBeAgと称 されるプレコア遺伝子産物が膜を貫通し、最終的に分泌されるためのシグナルと して作用する。HBeの機能は不明であるが、免疫寛容を誘発す ることによりウイルスが免疫サーベイランスから免れるのを助成し得る。 ゲノムのコンパクトネス及び広範な機能の重複によりDNA配列逸脱は著しく 制限され、ゲノムは効率的に複製及び遺伝し得るよう維持されていると推定され る。しかしながら、B型肝炎ウイルスはこれまでに理解されているよりも高い突 然変異性を示す。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と同様に、HBVは複製サイ クルの必須ステップとして逆転写酵素(RT)を使用する。RTはプルーフリー ディング能が低く、ヌクレオチドを誤って取込む率が高い。計算してみると、こ のエラー傾向のある複製により、コピーされたヌクレオチド1000〜100, 000個に1つの割合で置換、欠失または挿入が起こることが判る。W.Car manら,Lancet 341:349−353(1993)。ウイルスの変 異性(variability)はHBsAgの古典的なサブタイプ研究によって最初に発 見された。A.M.Courouceら,Bibliotheca Haema tologica 42:1(1976)。 突然変異はゲノム上にランダムに位置するとは考えられない。最近の報告には 、免疫系から逃れることにおいて野 生型(WT)よりも選択的有利性を突然変異体に与えると推定される他の突然変 異が、プレコア、コア及びエンベロープタンパク質遺伝子、PreS及びSに出 現することが示された。 HBV感染におけるウイルスクリアランス及び肝細胞損傷が、肝細胞表面で発 現される1種以上のHBVにコードされる抗原に応答する細胞毒性Tリンパ球( CTL)によって仲介されることが立証されている。M.Petersら,He patology 13:977−994(1991)。急性B型肝炎において は、エンベロープ抗原にではなくHBcAg及びHBeAg抗原に対する強力な T細胞応答が見い出された。ウイルス複製の持続性はHBcAgに対するT細胞 応答失効と相関した。ウイルス抗原に対するT細胞応答は慢性HBVにおいては 阻害され得るが、CTL応答は慢性キャリヤにおいて持続し得る。 また、症候性及び無症候性両方のB型肝炎キャリヤにおいて体液性応答が持続 するという証拠がある。ほとんど全てのHBVキャリヤにおいて高レベルの抗H Bcが認められる。ランダムなHBsAg陽性試料の20%でHBeAg及び抗 HBeが検出可能であり、10〜20%で低レベ ルではあるが抗HBsが検出可能である。極めて高感度の検出方法を使用した最 近の報告には、肝疾患を有するHBV患者のほとんど全て、及び肝疾患のない慢 性B型肝炎患者の50%が、HBeAg、抗HBsAg及びPreSAgに特異 的な体液性免疫応答を示し得ると記されている。しかしながら抗HBs応答のほ とんどは、HBsAgと抗HBsの特異性が微妙に異なるために起こり、恐らく 中和性ではない。これらのデータは、HBV変種の出現に対して選択的な圧力を 与え得る慢性HBVキャリヤにおいて、プレコア、コア及びエンベロープ遺伝子 産物の免疫サーベイランスが持続するという理論を裏付けるものである。 PreS1及びPreS2を包含するHBVエンベロープ領域とSの120〜 160アミノ酸の領域とはウイルス粒子の表面に露出しており、従って免疫サー ベイランスのターゲットとなると推定される。W.H.Gerlichら,前出 。これまでに記載されている数種のS突然変異体は、SHBsに共通な、即ちグ ループ特異的な抗原決定基である“a”エピトープの抗原性に著しい影響を及ぼ している。W.Carmanら,Gastroenterology 102: 711−719(1992)。“a”抗 原決定基は複雑であり、高次構造(conformational)であり、高度に保存された システイン残基のなかのジスルフィド結合に依存している。“a”免疫反応性は 環状合成ペプチドによって部分的に模倣することができる。“a”エピトープは 従来からポリクローナル抗血清に対する反応性によって定義されているが、モノ クローナル抗体を使用すると、“a”領域は少なくとも5つの非重複エピトープ からなることが判った。D.Petersonら,J.Immunol.132 :920−927(1984)。イタリア及び日本のワクチン受容者並びにモノ クローナル抗a抗体療法中の肝移植患者において、免疫回避をもたらす“a”決 定基の遺伝子変異が記載されている。例えばW.F.Carmanら,Lanc et 336:325−329(1990);H.Okamotoら,Pedi atric Research 32:264−268(1992);G.Mc Mahonら,Hepatology 15:757−766(1992);H .Fujiiら,Biochem.Biophys.Res.Comm.184 :1152−1157(1992);及び、T.J.Harrisonら,J. of Hepatology 13: 5105−5107(1991)。これまでに記載されている最も一般的な突然 変異体は、グリシンがアルギニンで置換された(G−R 145)単一ヌクレオ チド置換である。この突然変異により、“a”エピトープの全部ではないが一部 が破壊される。モノクローナル抗体による抗HBsの検出には問題はない。 “a”領域における他の突然変異には、サブタイプまたはタイプ特異的抗原決 定基y/d及びw/rの損失をもたらすものがある。幾つかの最近の論文には、 慢性感染個体にPreS1/PreS2における総欠失及び点突然変異が出現し ており、これはかかるエンベロープ遺伝子産物の産生が免疫選択下にあることを 示すものであるという記述がある。env、CまたはP遺伝子中の欠失の故に複 製できないHBV突然変異体がHBVキャリア由来の血漿中で報告されている。 全てが、複製コンピテントの形態のHBVと共存している。Okamotoら( 前出)は、血漿または無症候キャリアから誘導されたPreS/S、C及びP遺 伝子中に総欠失がある突然変異ゲノムは、ヘパトーム細胞を用いた一時的発現系 において相補され得ることを示した。相補性は、突然変異ゲノムを有するウイル ス粒子を 培地中に分泌する能力として測定された。興味深いことに、全ての突然変異体が 無傷のキャプシド封入(encapsidation)シグナルを有した。先行のWTウイル ス、他の突然変異体及び場合によっては宿主染色体中に組込まれたHBVDNA 配列との相補がこのin vitro系において示されている。欠陥干渉粒子と して作用するHBV突然変異体はWTウイルス複製を減衰させ、それが感染持続 性を維持する助成となり得ることが示されている。 従って、B型肝炎表面抗原の突然変異体の検出は重要である。突然変異体は、 ワクチン投与または感染などが要因となってやがて発生し得る。突然変異B型肝 炎ウイルスの同定及び検出は、ワクチン開発及び検査試料中のかかる突然変異体 の存在を判定する検出系に通じ得る。従って、かかる突然変異株を同定するだけ でなく、検査試料中の突然変異体の存在を判定し得る検出系を提供する必要があ る。更に、かかる突然変異株に対するワクチンを開発する必要もある。発明の要約 本発明は、HBsAgゲノムの366位に6つのヌクレオチドが挿入されたこ とに対応し、HBsAg配列の12 2位に2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗原決定基を有する突然変異 B型肝炎ウイルスを記載する。122位に挿入された2つのアミノ酸はN及びT であり、ヌクレオチド配列の366位に見られる対応ヌクレオチド配列は−A− A−C−A−C−A−である。 本発明は、HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つのヌクレオチドが挿 入されている修飾“a”抗原決定基を含む突然変異HBVの精製ポリヌクレオチ ド、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている修 飾“a”抗原決定基を含む突然変異HBVの組換えポリヌクレオチド、前記挿入 を具現化する宿主細胞及び組換えベクターを提供する。122位に挿入された2 つのアミノ酸はN及びTであり、ヌクレオチド配列の366位に見られる対応ヌ クレオチド配列は−A−A−C−A−C−A−である。突然変異HBVの組換え ポリヌクレオチドは突然変異HBVゲノムから誘導された配列を含む。また、突 然変異HBVの組換えポリヌクレオチドは突然変異HBVのエピトープも含む。 本発明は更に、所望の宿主と適合性のある制御配列に操作可能に結合された、突 然変異HBVのゲノムから誘導されたDNAの読取り枠を含む組換え 発現系、前記組換え発現系を用いて形質転換された細胞、及び前記細胞によって 産生されるポリペプチドを提供する。本発明は更に、突然変異HBVポリペプチ ドの調製物を包含し得る精製突然変異HBVも提供する。全ての実施態様は、ア ミノ酸122に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されるかまたは366位に6つ のヌクレオチドが挿入された“a”抗原決定基の修飾を具現化するものである。 更に本発明は、突然変異HBVゲノムから誘導された配列を含む組換えポリペ プチド、及び突然変異HBVエピトープを含む組換えポリペプチドを提供する。 更には、突然変異HBVの少なくとも1つのエピトープに対する抗体も提供され る。抗体はポリクローナルまたはモノクローナルである。本発明は更に、突然変 異HBVのポリペプチドを含む融合ポリペプチドも提供する。 本発明は更に、真核または原核宿主中で産生されたときに粒子を形成し得るア ミノ酸配列を有する非突然変異HBVポリペプチドと突然変異HBVエピトープ とを含む突然変異HBV感染に対して免疫原性である粒子、突然変異HBVに対 するポリヌクレオチドプローブ、及び、突然変異HBV抗原または突然変異HB V抗体を検出する種々の方 法を実施するための種々の試験キットを提供する。 更に本発明は、突然変異HBVのエピトープを含むポリペプチドを製造する方 法であって、HBVのエピトープを含むポリペプチドをコードする配列を含む発 現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞を、前記ポリペプチドが発現し得る 条件及び時間でインキュベートすることからなる方法を提供する。 更に、突然変異HBVを含む疑いのある検査試料中の突然変異HBV核酸を検 出する方法であって、検査試料を突然変異HBVポリヌクレオチド用プローブと 、該プローブと検査試料中の突然変異HBVの核酸とで複合体を形成し得る条件 及び時間で接触させ、該プローブを含む複合体を検出することからなる方法も提 供される。また、突然変異HBVを含む疑いのある検査試料中の突然変異HBV 抗原を検出する方法は、検査試料を、検出すべき突然変異HBV抗原に対する抗 体と、抗体/抗原複合体を形成するのに十分な時間及び条件下で接触させ、該抗 体を含む複合体を検出することからなる。更にまた、突然変異HBV抗体を含む 疑いのある検査試料中の該抗体を検出する方法は、検査試料を、突然変異HBV エピトープを含むプローブポリ ペプチドと、抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下で接触させ 、該プローブポリペプチドを含む複合体を検出することからなる。 医薬上容認可能な賦形剤中に、薬理上有効量の、突然変異HBVのエピトープ を含む免疫原性突然変異HBVポリペプチドを含む突然変異HBV感染治療用ワ クチンも提供される。突然変異HBV感染治療用ワクチンはまた、医薬上容認可 能な賦形剤中に薬理上有効量の不活化または弱毒化突然変異HBVを含んでもよ い。 更に本発明は、突然変異HBVに感染した組織培養増殖細胞、及び、免疫応答 を生起するのに十分な量の突然変異HBVエピトープを含む単離免疫原性ポリペ プチドを個体に投与することからなる、突然変異HBVに対する抗体を産生させ る方法も提供する。発明の詳細 本発明は、HBVエンベロープ領域の122位に2つのアミノ酸(N−T)が 挿入されている、新たに確認されたHBVの突然変異体の特性分析法を提供する 。本発明は、検査試料中の突然変異HBVの存在を検出する方法、及びかかる方 法に有用な試薬を提供する。全ての態様が、HB sAgゲノムの366位に6つのヌクレオチドが挿入されたことに対応し、HB sAg配列の122位に2つのアミノ酸が挿入されている“a”抗原決定基の修 飾に係わる。 突然変異HBVから誘導された核酸配列またはその一部は、検査試料中の突然 変異HBVの存在を判定するためのプローブとして有用である。かかる配列によ り、かかる突然変異HBVのゲノム内にコードされている突然変異HBV抗原の ポリペプチド配列を得ることもできるし、診断試験の標準または試薬として及び /またはワクチンの成分として有用なポリペプチドを製造することもできる。か かるポリペプチド配列内に含まれるエピトープに対するモノクローナル抗体及び ポリクローナル抗体もまた、診断試験及び治療薬に、抗ウイルス性物質のスクリ ーニングに、及びかかる核酸配列が誘導される突然変異HBVの単離に有用であ る。 本発明の1つの態様によれば、突然変異HBVの精製ポリヌクレオチド、突然 変異HBVの組換えポリヌクレオチド、突然変異HBVのゲノムから誘導された 配列を含む組換えポリヌクレオチド、突然変異HBVのエピトープをコードする 組換えポリペプチド、上記組換えポリペプチドの いずれかを含む組換えベクター、及び、かかるベクターのいずれかを用いて形質 転換された宿主細胞が提供される。全ての態様は、HBsAgゲノムの366位 に6つのヌクレオチドが挿入されたことに対応し、HBsAg配列の122位に 2つのアミノ酸が挿入されている“a”抗原決定基の修飾に係わる。 本発明の別の態様においては、突然変異HBVの精製抗原、該精製突然変異H BV由来のポリペプチドの調製物、突然変異HBVの精製ポリペプチド、突然変 異HBV中に含まれるエピトープを用いて免疫学的に同定可能なエピトープを含 む精製ポリペプチドが提供される。 本発明の更に別の態様においては、所望の宿主と適合性である制御配列に操作 可能に連結されている、精製HBVゲノムから誘導されたDNAの読取り枠(O RF)を含む組換え発現系、該組換え発現系を用いて形質転換された細胞、及び 、該形質転換細胞によって産生されたポリペプチドが提供される。 本発明の別の態様は、突然変異HBVの組換えポリペプチド、突然変異HBV のゲノムから誘導された配列を含む組換えポリペプチド、突然変異HBVのエピ トープを含む 組換えポリペプチド、及び突然変異HBVのポリペプチドを含む融合ポリペプチ ドを含む。 本発明は更に、突然変異HBVの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合 するモノクローナル抗体を製造する方法;少なくとも1つの突然変異HBVエピ トープに特異的に結合するポリクローナル抗体の精製調製物;並びに、診断、予 防及び治療用途を含む、かかる抗体を使用する方法を提供する。 本発明の更に別の態様においては、真核性宿主中で産生されたときに粒子を形 成し得るアミノ酸配列を有する非突然変異HBVポリペプチドと突然変異HBV エピトープとを含む、突然変異HBV感染に対して免疫原性である粒子が提供さ れる。 更に、突然変異HBVに対するポリヌクレオチドプローブも提供される。 本発明は、適当な容器に入った、突然変異HBVから誘導されたポリヌクレオ チドの存在及び/または量を検出するために使用し得る試薬であって、122位 にある少なくとも2つのアミノ酸の挿入物をコードする約8個またはそれ以上の ヌクレオチドからなる突然変異HBV由来のヌク レオチド配列を含むポリヌクレオチドプローブを含む試薬;適当な容器に入った 、突然変異HBV抗原の存在及び/または量を検出するための試薬であって、検 出すべき突然変異HBV抗原に対する抗体を含む試薬;及び、適当な容器に入っ た、突然変異HBV抗原に対する抗体の存在及び/または量を検出するための試 薬であって、突然変異HBV抗原中に存在する突然変異HBVエピトープを含む ポリペプチドを含む試薬を含むキットを提供する。種々のアッセイ形式に対する 他のキットも本明細書に記載の本発明によって提供される。 本発明の他の態様には、固相に付着された突然変異HBVのエピトープを含む ポリペプチドと、固相に付着された突然変異HBVのエピトープに対する抗体と が挙げられる。更に、突然変異HBVのエピトープを含むポリペプチドを製造す る方法であって、突然変異HBVのエピトープを含むポリペプチドをコードする 配列を含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞を、該ポリペプチドが 発現し得る条件下でインキュベートすることからなる方法と、該方法によって製 造された突然変異HBVエピトープを含むポリペプチドも本発明に含まれる。 本発明は更に、本発明の組換えまたは合成ポリペプチド及び本発明の抗体を、 いずれもシグナル生成化合物を使用し得る種々の形式で使用し得るアッセイを提 供する。検出手段を与えるためのシグナル生成化合物を使用しないアッセイも提 供される。記載の全てのアッセイは、通常は抗原または抗体のいずれかまたは両 方を検出するものであり、検査試料を少なくとも1種の本発明の試薬と接触させ て少なくとも1種の抗原/抗体複合体を形成させ、該複合体の存在を検出するこ とを含む。かかるアッセイについては詳述する。 突然変異HBVエピトープを含む免疫原性ペプチド、または突然変異HBVの 失活化調製物、または突然変異HBVの弱毒化調製物を含む突然変異HBV感染 治療用ワクチンも本発明に含まれる。更に本発明には、突然変異HBVに対する 抗体を産生させる方法であって、個体に、接種個体において免疫応答を生起する のに十分な量の突然変異HBVエピトープを含む単離免疫原性ポリペプチドを投 与することからなる方法も含まれる。 更に、突然変異HBVに感染した組織培養増殖細胞も本発明によって提供され る。定義 注:全ての定義は、HBsAgゲノムの366位に6つのヌクレオチドが挿入 されたことに対応し、HBsAg配列の122位に2つのアミノ酸が挿入されて いる“a”抗原決定基の修飾に関する。「突然変異HBV」なる用語は、この“ a”抗原決定基の修飾を有するウイルス単離体を意味する。 特定の配列、例えば突然変異HBVゲノム「から誘導された」ポリペプチドと は、その特定のヌクレオチド配列の一領域に対応する、即ち相同または相補的な 、おおよそ少なくとも約6個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8個のヌ クレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜12個のヌクレオチド、更に好 ましくは少なくとも約15〜20個のヌクレオチドの配列からなるポリヌクレオ チド配列を指す。ポリヌクレオチドを誘導する領域の配列は、突然変異HBVゲ ノムに固有の配列に相同または相補的であるのが好ましい。配列が突然変異HB Vゲノムに固有の配列に相補的または相同であるか否かは、当業者には公知の方 法で判断し得る。特定の配列の固有性を決定する方法として、例えばデータバン クにある配列との比較を行い得 る。 誘導ポリペプチドは必ずしも突然変異HBVのヌクレオチド配列から物理的に 誘導される必要はなく、限定的ではないが、ポリヌクレオチドを誘導する領域の 塩基配列により与えられる情報に基づいた化学的合成、複製、または逆転写もし くは転写を含む任意の方法で生成し得る。更に、特定の配列の領域に対応する領 域の組合せを、当分野において公知の方法で所期の用途に応じて変更し得る。 特定の核酸配列または突然変異HBVゲノムから誘導されるポリペプチドまた はアミノ酸配列とは、配列内にコードされているポリペプチドと同一のアミノ酸 配列を有するポリペプチド、または、少なくとも2〜5個のアミノ酸、より好ま しくは少なくとも8〜10個のアミノ酸、更に好ましくは15〜20個のアミノ 酸からなり、配列内にコードされているポリペプチドを用いて免疫学的に同定し 得る前記ポリペプチドの一部を指す。 本明細書において使用される「組換えタンパク質」(「組換えポリペプチド」 )とは少なくとも、起源または操作によって、天然もしくはライブラリーの形態 で関連するポリヌクレオチドの全部または一部と関連せず、及び/ま たはそれが天然で結合しているもの以外のポリヌクレオチドに結合している、ゲ ノム、半合成または合成のポリペプチドを意味する。組換えまたは誘導ポリペプ チドは、必ずしも突然変異HBVの特定の核酸配列または突然変異HBVゲノム から翻訳される必要はなく、化学的合成もしくは組換え発現系の発現、または突 然変異HBVからの単離を含む任意の方法で生成することもできる。 本明細書において使用される「ポリヌクレオチド」なる用語は、リボヌクレオ チドまたはデオキシリボヌクレオチドいずれかの任意の長さの重合形態のヌクレ オチドを意味する。この用語は分子の一次構造のみを指す。従って該用語には、 二本鎖及び一本鎖DNA並びに二本鎖及び一本鎖RNAが含まれる。更に、メチ ル化及び/またはキャプ付加による修飾形態のポリヌクレオチド、並びに未修飾 形態のポリヌクレオチドも含まれる。 「精製ウイルスポリヌクレオチド」とは、ウイルスポリヌクレオチドが天然で 関連するポリペプチドを実質的に含まない、即ちその約50%未満、好ましくは 約70%未満、より好ましくは約90%未満を含まない突然変異HBVゲノムま たはそのフラグメントを指す。ウイルスポリヌクレ オチドを精製する方法は当分野において公知であり、例えば、カオトロピック( chaotropic)剤を用いて粒子を破壊し、イオン交換クロマトグラフィー、アフィ ニティークロマトグラフィー、密度沈降によってポリヌクレオチド及びポリペプ チドを分離することが挙げられる。「精製ウイルスポリペプチド」とは、ウイル スポリペプチドが天然で関連する細胞成分を実質的に含まない、即ちその約50 %未満、好ましくは約70%未満、より好ましくは約90%未満を含まない突然 変異HBVのポリペプチドまたはそのフラグメントを意味する。精製方法は当業 者には公知である。 本明細書において使用される「ポリペプチド」とはアミノ酸の分子鎖を指し、 特定の長さ産物を指すものではない。従って、ペプチド、オリゴペプチド及びタ ンパク質がポリペプチドの定義に含まれる。しかしながらこの用語には、ポリペ プチドの発現後の修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化などは含ま れないものとする。 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養物」 、及び単細胞物質(unicellular entity)として培養された微生物または高等真 核細胞系を示す他の同様の用語は、組換えベクターまたは他の移入DN Aのレシピエントとして使用され得る、または使用された細胞を指し、トランス フェクトされた元の細胞の本来の子孫をも含む。 本明細書において使用される「レプリコン」とは、細胞内でポリヌクレオチド 複製の自立単位として挙動する、プラスミド、染色体またはウイルスといった任 意の遺伝子エレメントを意味する。即ちレプリコンはそれ自体の制御下で複製し 得る。 「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが複製及び/または発現を 実施するように付加されたレプリコンである。 「制御配列」なる用語は、それらが結合しているコーディング配列の発現を行 うのに必要なポリヌクレオチド配列を指す。制御配列の特性は宿主生物に応じて 異なる。原核細胞においては制御配列は一般にプロモーター、リボソーム結合部 位及びターミネーターを含み、真核細胞においては制御配列は一般にプロモータ ー、ターミネーター、及び場合によってはエンハンサーを含む。従って「制御配 列」なる用語は、少なくともその存在が発現に必要な全ての成分を含んでいるも のとし、更には、存在すれば有利な追加成 分、例えば先導配列を含んでもよい。 「操作可能に結合された」とは、上記成分が、予定通りに機能し得る関係にあ る状況を指す。従って例えば、コーディング配列に「操作可能に結合された」制 御配列は、制御配列に適合する条件下でコーディング配列の発現が行われるよう に連結されている。 「読取り枠」または「ORF」なる用語は、ポリペプチドをコードするポリヌ クレオチドの領域を指す。この領域はコーディング配列の一部または全コーディ ング配列を表わし得る。 「コーディング配列」は、適当な調節配列の制御下に置かれたときにmRNA に転写される、及び/またはポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列で ある。コーディング配列の境界は、5’末端にある翻訳開始コドンと3’末端に ある翻訳終結コドンとによって決定される。コーディング配列は、限定的ではな いが、mRNA及び組換えポリペプチド配列を含み得る。 「〜を用いて/として免疫学的に同定可能な」なる用語は、特定のポリペプチ ド、通常は突然変異HBVタンパク質中に存在し、これらに固有であるエピトー プ及びポリペ プチドが存在することを指す。免疫学的な一致(identity)は、抗体結合及び/ または結合の競合によって判定し得る。かかる方法は当業者には公知であるし、 本明細書にも記載される。エピトープの固有性は、公知のデータバンク、例えば Genebankにおいて該エピトープをコードするポリヌクレオチド配列をコ ンピューター検索するか、または他の既知のタンパク質とアミノ酸配列を比較す ることにより判定し得る。 本明細書において使用される「エピトープ」とはポリペプチドの抗原決定基を 意味する。エピトープは、3個のアミノ酸をそのエピトープに固有の空間的配置 で含み得ると考えられる。エピトープは通常は少なくとも5個のこのようなアミ ノ酸からなり、より一般的には少なくとも8〜10個のアミノ酸からなる。空間 的配置を調査する方法は当分野において公知であり、例えばX線結晶分析及び2 次元核磁気共鳴が挙げられる。 ポリペプチドのなかに含まれる特定のエピトープを抗体が認識したことから抗 体に結合するとき、該ポリペプチドは抗体に対して「免疫学的に反応性である」 。免疫学的反応性は、抗体結合、特に抗体結合速度、及び/または、該 抗体に対するエピトープを含む既知のポリペプチドを競合物質として使用する結 合の競合によって判定し得る。ポリペプチドが抗体に対して免疫学的に反応性で あるかどうかを決定する方法は当分野において公知である。 本明細書において使用される「突然変異HBVエピトープを含む免疫原性ポリ ペプチド」なる用語は、突然変異HBV天然ポリペプチドまたはそのフラグメン ト、並びに、他の手段、例えば化学的合成または組換え微生物中でのポリペプチ ドの発現によって製造されたポリペプチドを意味する。 「形質転換」なる用語は、挿入方法に関係なく、外来ポリヌクレオチドを宿主 細胞中に挿入することを指す。例えば、直接取込み、形質導入またはf−交配( f-mating)が含まれる。外来ポリヌクレオチドは、非組込みベクター、例えばプ ラスミドとして維持することもできるし、或いは、宿主ゲノム中に組込むことも できる。 「治療」とは予防及び/または加療を指す。 本明細書において使用される「個体」なる用語は、動物、特に哺乳動物種のも のを指し、限定的ではないが、家畜、競技用動物、霊長目及びヒトを含むが、特 に該用語はチン パンジー及びヒトを指す。 本明細書において使用される「正鎖」なる用語は、ポリペプチドをコードする 配列を含む核酸を示す。「負鎖」なる用語は、「正」鎖の配列と相補的な配列を 含む核酸を示す。 ウイルスの「陽性鎖ゲノム」は、ゲノムが一本鎖であり、ウイルスポリペプチ ドをコードすることを示す。 「抗体含有個体成分」(または「検査試料」)なる用語は、問題の抗体のソー スとなる個体の成分を指す。かかる成分は当分野において公知である。検査試料 には本発明の方法によって試験し得る生物試料が含まれるが、ヒト及び動物の体 液、例えば全血、血清、血漿、脳脊髄液、尿、リンパ液、並びに、呼吸管、胃腸 管及び尿生殖管の種々の外分泌物、涙、唾液、乳、白血球、ミエローマなど、並 びに、生物学的液体、例えば細胞培養液上清、固定組織試料、固定細胞試料が挙 げられる。 「精製突然変異HBV」とは、ウイルスが通常関連する細胞構成物質、及び感 染組織中に存在し得る他のタイプのウイルスから単離された突然変異HBVの調 製物を指す。ウイルスを単離する方法は当業者には公知であり、例えば 遠心及びアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。精製HBVを調製す る方法は本明細書に記載する。一般用途 本発明の特定の組換えタンパク質、合成ペポチド、または精製ウイルスポリペ プチドを製造したならば、その組換えまたは合成ペプチドを使用し、突然変異H BVに対する抗原または抗体の存在を検出する本明細書に記載のごとき固有のア ッセイを開発することができる。またかかる組成物を使用し、所望する突然変異 HBVの免疫学的エピトープに特異的に結合する特定の組換えタンパク質または 合成ペプチドを用い、モノクローナル及び/またはポリクローナル抗体を開発す ることができる。少なくとも1種の本発明のポリヌクレオチドを使用し、当分野 において公知の方法に従ってワクチンを開発することも考えられる。 アッセイに使用される試薬は、アッセイに使用されるモノクローナル抗体、ま たはモノクローナル抗体のカクテル、または(組換えもしくは合成)ポリペプチ ドといった試薬を個々に含む1つ以上の容器、例えばバイアルやボトルを包含す る試験キットの形態で提供され得ると考えられる。 「固相」(「固体支持体」)は当業者には公知であり、 反応トレーのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁性ビーズ、ニトロセ ルロースストリップ、膜、微粒子(例えばラテックス粒子)などが挙げられる。 「固相」は限定的なものではなく、当業者によって選択され得る。即ち、ラテッ クス粒子、微粒子、磁性または非磁性ビーズ、膜、プラスチックチューブ、マイ クロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコンチップ、ヒツジ赤血球は全てが 適当な例である。ペプチドを固相上に固定する適当な方法としては、イオン性、 疎水性、共有結合性の相互作用などが挙げられる。本明細書において使用される 「固相」とは、不溶性であるかまたは後続反応によって不溶性にし得る任意の材 料を指す。固相は、捕獲剤を引き付けて固定する固有の能力において選択され得 る。或いは固相は、捕獲剤を引き付けて固定する能力を有する補助的レセプター を保持し得る。補助的レセプターは、捕獲剤自体または捕獲剤に結合している帯 電物質とは反対の電荷を有する帯電物質を含み得る。或いはまたレセプター分子 は、固相上に固定(付着)されており、特異的結合反応によって捕獲剤を固定す る能力を有する任意の特異的結合メンバーとすることもできる。アッセイ実施前 またはアッセイ実施中に、レセプタ ー分子によって捕獲剤を固相材料に間接的に結合することができる。固相は、プ ラスチック、誘導体化プラスチック、磁性または非磁性金属、ガラスまたはシリ コン表面を備えた試験管、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、 チップ、並びに当業者には公知の他の構成とし得る。 固相が、検出抗体がアクセスし得るに十分な多孔性及び抗原を結合するのに適 当な表面親和性を有する任意の適当な多孔質材料からなり得、本発明の範囲内で ある。一般には微孔質構造が好ましいが、水和状態でゲル構造を有する材料も使 用し得る。かかる有用な固体支持体としては、天然ポリマー炭水化物及びそれら の合成変性、架橋または置換誘導体、例えば寒天、アガロース、架橋アルギン酸 、置換架橋グアゴム、特に硝酸及びカルボン酸とのセルロースエステル、混合セ ルロースエステル、セルロースエーテル;窒素を含む天然ポリマー、例えば架橋 または変性ゼラチンを含むタンパク質及び誘導体;天然炭化水素ポリマー、例え ばラテックス及びゴム;適当な多孔質構造を有するよう製造され得る合成ポリマ ー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ リ酢酸ビニルを含むビニルポリマー及びその部分加水分解誘導体、 ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、上記ポリ縮合物のコポリマー及びタ ーポリマー、例えばポリエステル、ポリアミド、及び他のポリマー、例えばポリ ウレタンまたはポリエポキシド;多孔質無機材料、例えばアルカリ土類金属及び マグネシウムの硫酸塩または炭酸塩(例えば硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭 酸カルシウム)、アルカリ及びアルカリ土類金属、アルミニウム並びにマグネシ ウムのケイ酸塩;並びに、アルミニウムまたはケイ素の酸化物または水和物、例 えばクレー、アルミナ、タルク、カオリン、ゼオライト、シリカゲルまたはガラ ス(これらの材料は上記ポリマー材料と一緒に充填剤として使用し得る);並び に、これらの混合物またはコポリマー、例えば既存の天然ポリマー上に合成ポリ マーの重合を開始することにより得られるグラフトコポリマーが挙げられる。こ れらの材料は全てが、フィルム、シート、またはプレートといった適当な形状で 使用することもできるし、紙、ガラス、プラスチックフィルム、またはファイバ ーといった適当な不活性担体に被覆、接着または積層することもできる。 ニトロセルロースの多孔質構造は、モノクローナル抗体を含む広範囲の試薬に 対して優れた吸収性及び吸着性を示 す。ナイロンも同様の特性を有しており、やはり適当である。このような多孔質 固体支持体は厚さが約0.01〜0.5mm、好ましくは約0.1mmのシートの 形態である。孔径は広範囲で変えることができるが、約0.025〜15μ、特 に約0.15〜15μであるのが好ましい。かかる支持体の表面は、抗原または 抗体と支持体とを共有結合させる化学処理によって活性化し得る。一般には、あ まり理解されていない疎水性の力によって多孔質材料上に吸着することにより、 抗原または抗体は不可逆的に結合される。適当な固体支持体は米国特許出願第2 27,272号明細書にも記載されており、該明細書は参照により本明細書に包 含されるものとする。 「指示薬」は、突然変異HBVの特異的結合メンバーに結合(付着)した、外 部手段によって検出し得る測定可能シグナルを生成し得る「シグナル生成化合物 」(標識)を含む。本明細書において使用される「特異的結合メンバー」とは特 異的結合対、即ち一方の分子が化学的または物理的手段を介して第2の分子に特 異的に結合する2つの異なる分子のメンバーを意味する。突然変異HBVに対す る特異的結合対の抗体メンバーであるほか、指示薬は、ハプテン −抗ハプテン系、例えばビオチンまたは抗ビオチン、アビジンまたはビオチン、 炭水化物またはレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクター分子またはレ セプター分子、酵素補因子及び酵素、酵素阻害物質または酵素などを含む任意の 特異的結合対のメンバーとし得る。免疫反応性特異的結合メンバーは、サンドイ ッチアッセイにおいては突然変異HBVに、競合アッセイにおいては捕獲剤に、 また間接アッセイにおいては任意の特異的結合メンバーに結合し得る、抗体、抗 原、または抗体/抗原複合体であり得る。 考えられる種々の「シグナル生成化合物」(標識)としては、色原体、酵素の ごとき触媒、フルオレセイン及びローダミンのごとき発光化合物、化学発光化合 物、放射性元素、直接可視標識が挙げられる。酵素の例としてはアルカリ性ホス ファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼなどが挙げら れる。特定の標識の選択は限定的ではなく、標識はそれ自体でまたは1種以上の 他の物質と一緒になってシグナルを生成することができる。 種々の他の固相を使用する他の実施態様も考えられ、それらも本発明の範囲内 である。例えば、それぞれ参照により本明細書に包含されるものとする欧州特許 出願公開第0 326100号明細書に対応する同時係属米国特許出願第150,278号明細 書及び米国特許出願第375,029号明細書(欧州特許出願公開第04064 83号明細書)に記載の、負電荷を有するポリマーを用いて固定可能な反応複合 体を固定するイオン捕獲法を本発明に従って使用し、高速液相(fast solution- phase)免疫化学反応を行うことができる。固定可能な免疫複合体は、負電荷を 有するポリアニオン/免疫複合体と予め処理して正電荷をもたせた多孔質マトリ ックスとのイオン相互反応によって反応混合物の残りの部分から分離し、参照に より本明細書に包含されるものとするEPO特許出願公開第0,273,115号 明細書に対応する同時係属米国特許出願第921,979号明細書に記載のごと き化学発光シグナル測定に記載のものを含む、文献明記の種々のシグナル生成系 を使用して検出し得る。 また本発明方法は、固相が微粒子からなる自動化及び半自動化系を含む、微粒 子技術を使用する系での使用にも適合し得る。このような系として、参照により 本明細書に包含されるものとするEPO特許出願公開第0 425 633号明細 書及び欧州特許第0 424 634号明細書にそ れぞれ対応する係属米国特許出願第425,651号明細書及び同第425,64 3号明細書に記載のものが挙げられる。 イムノアッセイ用の走査型プローブ顕微鏡(SPM)を使用すると、本発明の モノクローナル抗体を容易に適合し得る。走査型プローブ顕微鏡、特に原子力( atomic force)顕微鏡においては、捕獲相、例えば少なくとも1種の本発明のモ ノクローナル抗体を固相に付着させ、走査型プローブ顕微鏡を使用し、固相の表 面に存在し得る抗原/抗体複合体を検出する。走査型トンネル顕微鏡を使用する と、抗原/抗体複合体を検出するために多くのイムノアッセイ系で通常使用せね ばならない標識が必要でなくなる。このような系は、参照により本明細書に包含 されるものとする係属米国特許出願第662,147号明細書に記載されている 。 特異的結合反応をモニターする際、SPMは多くの態様で使用し得る。1つの 実施態様においては、特異的結合パートナーの1つのメンバー(本発明のモノク ローナル抗体である被分析物質特異的物質)を走査に適した表面に付着させる。 被分析物質特異的物質の付着は、当業者には公知 の方法に従って、プラスチックまたは金属表面の固相からなる試験片に吸着させ ることにより行い得る。或いは、誘導体化プラスチック、金属、シリコン、また はガラスの固相からなる試験片に特異的結合パートナー(被分析物質特異的物質 )を共有結合させることもできる。共有結合方法は当業者には公知であり、特異 的結合パートナーを試験片に不可逆的に結合する種々の手段を含む。試験片がシ リコンまたはガラスである場合、特異的結合パートナーを付着させる前に表面を 活性化する必要がある。トリエトキシアミノプロピルシラン(Sigma Ch emical Co.,St.Louis,MOから入手可能)、トリエトキシ ビニルシラン(Aldrich Chemical Co.,Milwauke e,WI)及び(3−メルカプト−プロピル)−トリメトキシシラン(Sigm a Chemical Co.,St.Louis,MO)といった活性化シラ ン化合物を使用し、それぞれアミノ、ビニル及びチオールといった反応性の基を 導入することができる。このような活性化表面を使用して結合パートナーを(ア ミノまたはチオールの場合には)直接に結合することもできるし、活性化表面を 更にグルタルアルデヒド、ビス(スク シンイミジル)スベレート、SPPD9(スクシンイミジル3−[2−ピリジル ジチオ]プロピオネート)、SMCC(スクシンイミジル−4−[N−マレイミ ドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート)、SIAB(スクシンイミ ジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート)及びSMPB(スクシンイミ ジル 4−[1−マレイミドフェニル]ブチレート)といったリンカーと反応さ せ、結合パートナーを表面から離すこともできる。ビニル基は、酸化して共有結 合手段を与えることもできるし、特異的結合パートナーに対して複数の付着点を 与え得るポリアクリル酸のごとき種々のポリマーを重合するためのアンカーとし て使用することもできる。アミノ表面を種々の分子量の酸化デキストランと反応 させ、種々のサイズ及び結合能の親水性リンカーを与えることもできる。酸化可 能なデキストランの例として、Dextran T−40(分子量40,000 ダルトン)、Dextran T−110(分子量110,000ダルトン)、 Dextran T−500(分子量500,000ダルトン)、Dextra n T−2M(分子量2,000,000ダルトン)(これら全てはPharma ciaから入手可能)、またはFicol l(分子量70,000ダルトン)(Sigma Chemical Co., St Louis,MOから入手可能)が挙げられる。また、1988年1月2 9日出願係属米国特許出願第150,278号明細書及び1989年7月7日出 願同第375,029号明細書に記載の方法及び化学物質を使用し、高分子電解 質相互作用を使用して特定的結合パートナーを試験片の表面に固定することもで きる。好ましい付着方法は共有結合によるものである。特異的結合メンバーを付 着させたあと、非特異的結合を最少限に抑えるために表面を更に、血清、タンパ ク質、または他のブロッキング剤で処理してもよい。該表面がアッセイに適して いるか検証するため、それを製造場所または使用時点で走査してもよい。走査方 法は、試験片の特異的結合性を変化させないものとする。 「サンドイッチ」イムノアッセイ及び競合プローブアッセイを含む種々の他の アッセイ形式を使用し得る。例えば、本発明のモノクローナル抗体を種々のアッ セイ系に使用して、検査試料中の突然変異HBVタンパク質の存在を、もしある とするならば判定することができる。与えられるかかるモノクローナル抗体のフ ラグメントを使用してもよい。 例えば高速アッセイ形式においては、固相に被覆したポリクローナルもしくはモ ノクローナル抗突然変異HBV抗体またはそのフラグメントまたはこれらの抗体 の組合せを、突然変異HBVタンパク質を含み得る検査試料と接触させ、混合物 を形成する。この混合物を、抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条 件下でインキュベートする。シグナル生成化合物を付着させた、突然変異HBV 領域に特異的に結合するモノクローナルもしくはポリクローナル抗体またはその フラグメントまたはこれらの抗体の組合せを含む指示薬を、抗原/抗体複合体と 接触させて第2の混合物を形成する。この第2の混合物を、抗体/抗原/抗体複 合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートする。検査試料中に 存在しており固相上に捕獲された突然変異HBV抗原の存在は、もしあるとすれ ば、シグナル生成化合物によって生成される測定可能なシグナルを検出すること により判定される。検査試料中に存在する突然変異HBV抗原の量は生成された シグナルに比例する。 或いは、固体支持体に結合させたポリクローナルもしくはモノクローナル抗突 然変異HBV抗体またはそのフラグメントまたはこれらの抗体の組合せと、検査 試料と、シグ ナル生成化合物を付着させた、突然変異HBV抗原に特異的に結合するモノクロ ーナルもしくはポリクローナル抗体またはそのフラグメントまたはこれらの抗体 の組合せを含む指示薬とを接触させて混合物を形成する。この混合物を、抗体/ 抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートする。 検査試料中に存在しており固相上に捕獲された突然変異HBVタンパク質の存在 は、もしあるとすれば、シグナル生成化合物によって生成される測定可能なシグ ナルを検出することにより判定される。検査試料中に存在する突然変異HBVタ ンパク質の量は生成されたシグナルに比例する。 更に別のアッセイ形式においては、1種または2種以上組合せた本発明のモノ クローナル抗体を、突然変異HBVタンパク質に対する抗体を検出するための競 合プローブとして使用し得る。例えば突然変異HBVタンパク質を、単独でまた は他の突然変異HBVタンパク質もしくは非突然変異タンパク質と一緒に、固相 に被覆する。次いで、突然変異及び/または非突然変異HBV抗原に対する抗体 を含む疑いのある検査試料を、シグナル生成化合物と少なくとも1種の本発明モ ノクローナル抗体とを含む指示薬と一緒 に、検査試料及び指示薬と固相、または指示薬と固相とで、抗原/抗体複合体を 形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートする。モノクローナル抗体 の固相への結合の低下を定量的に測定する。HBV陰性が確認されている検査試 料から生成されるシグナルと比較してシグナル低下が測定され得るならば、検査 試料中に抗HBV抗体が存在することが判る。 更に別の検出方法においては、本発明のモノクローナル抗体の各々を、免疫組 織化学分析による固定組織片及び固定細胞における突然変異HBV抗原の検出に 使用し得る。 更に、モノクローナル抗体をCNBr活性化セファロースと類似のマトリック スに結合し、細胞培養物または血液及び肝といった生物組織由来の特定の突然変 異HBVタンパク質のアフィニティー精製に使用することもできる。 本発明のモノクローナル抗体は、治療用のキメラ抗体の生成や、他の類似の用 途に使用することもできる。 モノクローナル抗体またはそのフラグメントは、突然変異HBV抗原を検出す べく個々に提供され得る。本発明のモノクローナル抗体(及びそのフラグメント )を組合せて、少なくとも1種の本発明の抗突然変異HBV抗体と、他の (突然変異または非突然変異)HBV領域に対する抗体との混合物または「カク テル」中の、各々が異なる結合特異性を有する成分として使用することもできる 。即ちこのカクテルは、突然変異HBVタンパク質に対する本発明のモノクロー ナル抗体と、HBVゲノムの他の抗原決定基に対する他のモノクローナル抗体と を含み得る。 かかるアッセイ形式に使用し得るポリクローナル抗体またはそのフラグメント は、アッセイに使用される突然変異HBVの特定の領域または他の突然変異HB Vタンパク質に特異的に結合すべきである。使用されるポリクローナル抗体は哺 乳動物由来のものであるのが好ましく、ヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツジの抗H CVポリクローナル抗体を使用し得る。最も好ましくは、ポリクローナル抗体は ウサギポリクローナル抗突然変異HBV抗体である。アッセイに使用されるポリ クローナル抗体は単独でもポリクローナル抗体のカクテルとしても使用し得る。 アッセイ形式に使用されるカクテルは異なるHBV特異性を有するモノクローナ ル抗体またはポリクローナル抗体からなるので、それらは、HBV感染の診断、 評価及び予後に、並びにHBVタンパク質の分化及び特異性の研究に有用となろ う。 別のアッセイ形式においては、突然変異HBVに対する抗体及び/または抗原 の存在を以下のように同時アッセイにおいて検出し得る。検査試料を、固相に付 着された第1被分析物質に特異的な第1結合メンバーを含む第1被分析物質用捕 獲剤と、第2固相に付着された第2被分析物質に対する第1結合メンバーを含む 第2被分析物質用捕獲剤とに同時に接触させ、それによって混合物を形成する。 この混合物を、捕獲剤/第1被分析物質複合体及び捕獲剤/第2被分析物質複合 体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートする。このように形成 された複合体を、シグナル生成化合物で標識された第1被分析物質に特異的な結 合対のメンバーを含む指示薬と、シグナル生成化合物で標識された第2被分析物 質に特異的な結合対のメンバーを含む指示薬とに接触させ、第2混合物を形成す る。この第2混合物を、捕獲剤/第1被分析物質/指示薬複合体及び捕獲剤/第 2被分析物質/指示薬複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベ ートする。1種以上の被分析物質の存在は、検査試料中の1種以上の被分析物質 の存在の指標として、いずれか一方または両方の固相上に形成された複合体に関 連して生成されたシグナルを検出す ることにより判定し得る。このアッセイ形式においては、ヒト発現系から誘導さ れたタンパク質を、本明細書に記載のごとき哺乳動物発現系から誘導されたタン パク質から生成されるモノクローナル抗体と同様に使用し得る。かかるアッセイ 系は、参照により本明細書に包含されるものとする欧州特許出願公開第0473 065号明細書に対応する係属米国特許出願第07/574,821号明細書、 発明の名称“Simultaneous Assay for Detecti ng One Or More Analytes”に詳述されている。 更に別のアッセイ形式においては、組換えタンパク質を使用して検査試料中の 抗突然変異HBVの存在を検出し得る。例えば、検査試料を、少なくとも1種の 組換えタンパク質を付着させた固相と一緒にインキュベートする。これらを、抗 原/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下で反応させる。インキュベ ーション後、抗原/抗体複合体を検出する。選択したアッセイ系に従い、指示薬 を使用して検出を容易にし得る。別のアッセイ形式においては、検査試料を、本 明細書に記載のごとく製造された組換えタンパク質を付着させた固相と接触させ ると共に、好ましく は指示薬で標識された、該タンパク質に特異的なモノクローナルまたはポリクロ ーナル抗体と接触させる。抗体/抗原複合体を形成するのに十分な時間及び条件 下でインキュベートした後、固相を遊離相から分離し、HBV抗体の存在の指標 としての標識を固相または遊離相において検出する。本発明のタンパク質を使用 する他のアッセイ形式も考えられる。それらには、検査試料を、哺乳動物発現系 中で産生させた少なくとも1種の組換えタンパク質を付着させた固相と接触させ 、固相及び検査試料を、抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下 でインキュベートし、次いで固相を標識組換え抗原と接触させることを含む。こ のようなアッセイその他が、参照により本明細書に包含されるものとする係属米 国特許出願第07/787,710号明細書に記載されている。 本発明を固相を使用する場合について記載したが、本発明のタンパク質は非固 相アッセイ系においても使用し得る。このようなアッセイ系は当業者には公知で あり、本発明の範囲に含まれるものとする。 材料及び方法 一般方法 特に記載のない限り、本発明の実施には、分子生物学、微生物学、組換えDN A及び免疫学の分野における慣用的な公知の技術及び方法を使用することができ る。かかる技術は文献に詳述されている。例えば,T.Maniatisら, olecular Cloning:A Laboratory Manual ,第2版,Cold Spring Harbor Press,Cold S pring Harbor,N.Y.(1989);D.N.Glover編,DNA Cloning,Volumes I and II (1985);M .J.Gait編,Oligonucleotide Synthesis,( 1984);B.D.Hamesら編,Nucleic Acid Hybri dization ,(1984);B.D.Hamesら編,Transcri ption and Translation ,(1984);R.I.Fre shney編,Animal Cell Culture,(1986);Im mobilized Cells and Enzymes ,IRL Pres s(1986);B.Perbal,A Practical Guide t o Molecular Cloni ng ,(1984);シリーズ,Methods in Enzymology ,Academic Press,Inc.,Orlando,Florida ;J.H.Millerら編,Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells ,Cold Spring Harb or Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y .(1987);Wuら編,Methods in Enzymology,V ol.154及び155;Mayerら編,Immunological Me thods In Cell and Molecular Biology , Academic Press,London(1987);Scopes, rotein Purification:Principles and P ractice ,第2版,Springer−Verlag,N.Y.;及び、 D.Weirら編,Handbook Of Experimental Im munology , Volumes I−IV(1986)参照。 本発明の試薬及び方法は、突然変異HBV感染個体の血漿、血清または肝ホモ ジネート中に存在する核酸配列から 誘導されたゲノムライブラリーから単離された極めて相同性のあるヌクレオチド 配列群を与えることにより実現可能となる。突然変異HBV感染ヒト由来の血清 、血漿または肝ホモジネートは、このポリペプチドに結合する抗体を含むが、非 感染ヒト由来の血清、血漿または肝ホモジネートはこのポリペプチドに対する抗 体を含まない。つまり、未感染個体由来の血清はこのポリペプチドに対する抗体 を含まず、該抗体は、急性HBV感染後の個体で誘導される。 核酸配列を入手し得ることにより、突然変異HBV感染が原因の肝炎を診断し たり、血液ドナー、献血血液、血液製剤及び個体を感染についてスクリーニング することにおいて有用なDNAプローブ及びポリペプチドを構築し得る。例えば 、該配列から、例えばウイルスを保有する疑いのある被験者の血清中のウイルス ゲノムの存在を検出するためのハイブリダイゼーションプローブとして有用であ ったり、また献血血液中のウイルスの存在をスクリーニングするのに有用な、約 8〜10ヌクレオチドまたはそれ以上のDNAオリゴマーを合成し得る。当該核 酸配列群により、突然変異HBVに感染した際に生成される抗体の存在に対する 診断試薬として有用な、突然変異HBV特異的ポリペプチ ドを設計及び製造し得る。該核酸配列から誘導される精製ポリペプチドに対する 抗体を使用し、感染個体及び血液中のウイルス性抗原を検出することもできる。 かかる核酸配列により、突然変異HBVに対するワクチンとして、及び抗体を製 造するために使用し得るポリペプチドを設計及び製造することが可能となり、次 いでそれを、疾患の予防及び/または突然変異HBV感染個体の治療に使用し得 る。 上記配列及びかかる配列から誘導されるポリペプチド、並びにかかるポリペプ チドに対する抗体も、突然変異HBV原因物質の単離及び同定に有用である。例 えば、かかる核酸配列から誘導されるポリペプチド中に含まれる突然変異HBV エピトープに対する抗体をアフィニティークロマトグラフィーに基づく方法で使 用し、ウイルスを単離することができる。或いは、該抗体を使用し、他の方法で 単離したウイルス粒子を同定することもできる。単離したウイルス粒子中のウイ ルス性抗原及びゲノム材料を更に特性分析することもできる。 更に突然変異HBVゲノムの配列を決定すること、突然変異HBV抗原を特性 分析すること、及びゲノムを特性分析することにより得られる情報により、突然 変異HBVに 誘発される肝炎の診断、予防及び治療に、及び感染血液及び血液関連製剤のスク リーニングに使用し得る別のプローブ及びポリペプチド並びに抗体を設計及び合 成することができる。 かかる核酸配列が誘導されるゲノムから誘導される抗原、抗体及びポリヌクレ オチドを含む、突然変異HBVに対するプローブを入手し得ることから、突然変 異HBVの生物学的特性を明らかにすることに特に使用される組織培養系の開発 が可能となる。一旦これが既知となれば、突然変異HBVの複製またはその感染 を優先的に阻害する抗ウイルス性化合物をベースにして新規の治療方法を開発し 得ると考えられる。 HBVの原因物質を同定及び単離するのに使用される方法においては、感染個 体、好ましくはチンパンジーまたはヒト由来の感染血清、血漿または肝ホモジネ ート中に存在する核酸からゲノムライブラリーを作製する。ライブラリーは、核 酸配列内にコードされているポリペプチドを発現し得るベクター内に作製される 。原因物質(突然変異HBV)のポリペプチドの免疫学的に反応性のフラグメン トを発現した、該ベクターを含む宿主細胞のクローンを、ライ ブラリーの発現産物を、既に該推定物質に感染している別の個体に由来する抗体 含有個体成分を用いて免疫学的スクリーニングすることにより選択する。免疫学 的スクリーニングのステップには、クローン化核酸配列を含むベクターの発現産 物を、第2感染個体の抗体含有個体成分と相互作用させ、発現産物と第2感染個 体の抗体とによる抗原−抗体複合体の形成を検出することを含む。発現産物を、 該推定物質に感染している他の個体の抗体含有体成分と相互作用させ、感染個体 由来の抗体を含む抗原−抗体複合体の形成を検出し、感染個体及び該物質に感染 している疑いのある個体由来の抗体とは免疫学的に反応するが、対照個体とは反 応しないポリペプチドをコードする核酸配列含有ベクターを単離する。核酸配列 ライブラリーの構築及び免疫学的スクリーニングに使用される感染個体は同じ種 である必要はない。この方法で単離される核酸配列及びそれらの発現産物並びに 該発現産物に対する抗体は、該原因物質の特性分析及び/または捕獲に有用であ る。この方法は、参照により本明細書に包含されるものとする欧州特許出願公開 第0 318 216号明細書に教示されている。核酸配列の作成 急性又は慢性突然変異HBV感染を有する下記パラメーター内で基準に合致す る個体からの個々の血清、血漿又は肝臓ホモジネート又はそのプールを使用して ウイルス粒子を単離する。これらの粒子から単離した核酸をウイルスゲノムに対 するゲノムライブラリーの構築で鋳型として使用する。突然変異HBV粒子を単 離し、当業者に公知のλ−gt11又は類似のシステムでゲノムライブラリーを 構築するために使用する手順を以下に説明する。λ−gt11はβ−ガラクトシ ダーゼとの融合ポリペプチドとして挿入cDNAを特異的に発現させ、規定抗原 に対する特異抗血清で多数の組換えファージをスクリーニングするために開発さ れたベクターである。cDNAを含むcDNAプールから生成されるλ−gt1 1 cDNAライブラリーを、突然変異HBVに起因する肝炎の既往個体からの 血清と特異的に結合することが可能なコード化エピトープについてスクリーニン グする。V.Hunyhら,D.Glover編,DNA Cloning T echniques; A Practical Approach ,IRL Press,Oxford,England,pp.4 9−78(1985)を参照されたい。約106〜107個のファージをスクリー ニングして陽性ファージを同定、精製後、突然変異HBV物質に先に感染した各 個体からの血清と結合する特異性を試験する。下記基準に合致する患者に由来し 且つこれらの基準に合致しない患者には存在しない血清又は血漿と選択的に結合 するファージがその後の試験に好適である。 オーバーラップする核酸配列を単離する方法を使用することにより、付加的な 上流及び下流突然変異HBV配列を含むクローンが得られる。これらのクローン の単離を以下で説明する。 単離クローン内でコードされる突然変異HBV核酸配列のヌクレオチド配列を 分析し、複合配列が1つの長い連続ORFを含むか否かを決定する。突然変異H BV配列ライブラリーから回収される配列(及びその相補体)は本明細書に記載 されており、これらの配列又はその任意部分は、合成法を使用して調製してもよ いし、本明細書に記載すると同様の方法を使用して合成法を部分配列の回収と組 み合わせることにより調製してもよい。この記載は、完全突然変異HBVゲノム に対応するゲノム配列を単離することが 可能な方法に関する。しかしながら、これらの配列を単離するための他の方法も 当業者に自明であり、本発明の範囲内であるとみなされる。 突然変異HBV核酸配列ライブラリーからの複製株はブダペスト条約に基づき 12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryl and 20852に所在のAmerican Type Culture C ollectionに寄託し、寄託日から30年間、最新の試料分譲請求から5 年間、又は米国特許の存続期間のうちのいずれか最長の期間保管される。上記寄 託株及び本明細書に記載する他の全寄託材料は便宜の目的で呈示するに過ぎず、 本明細書中の教示に鑑みて本発明を実施するために必要ではない。ウイルスポリペプチド及びフラグメントの調製 核酸配列を入手できることにより、いずれかの鎖でコードされるポリペプチド の抗原活性領域をコードする発現ベクターを構築することができる。これらの抗 原活性領域は、エンベロープ(コート)抗原から誘導される。所望のポリペプチ ドをコードするフラグメントは慣用制限消化又は合成法によりゲノムクローンか ら得られ、例えばβ−ガラク トシダーゼ(β−gal)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)又はCM P−KDOシンテターゼ(CKS)等の融合配列の部分を含み得るベクターに連 結される。SODの融合配列を含むポリペプチドの製造に有用な方法及びベクタ ーは1986年10月1日付け公開EPO第0196056号に記載されており 、CKSの融合配列を含むポリペプチドの製造に有用な方法及びベクターは19 89年9月13日付け公開EPO第0331961号に記載されている。これら は参考として本明細書に組み入れる。いずれかの方向の鎖においてオープンリー ディングフレームを含む核酸配列の任意の所望部分は成熟又は融合タンパク質等 の組換えタンパクとして得られ、あるいは突然変異HBVゲノムでコードされる ポリペプチドを化学的合成により提供することもできる。 融合又は成熟形態のいずれかに関係なく、また分泌を可能にするシグナル配列 を含むか否かに関係なく、所望のポリペプチドをコードする核酸配列を任意の適 当な宿主に適切な発現ベクターに連結することができる。当該技術分野では真核 及び原核両者の宿主系を使用して組換えタンパク質を形成することができ、本明 細書にはこれらの宿主のい くつかを挙げる。次に溶解細胞又は培地からポリペプチドを単離し、所期用途に 必要な程度まで精製する。精製は当業者に公知の方法により実施することができ 、特に塩析、イオン交換樹脂クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ フィー、遠心分離等を使用することができる。このようなポリペプチドは診断薬 として又は受動的免疫療法に使用することができる。更に、これらのポリペプチ ドに対する抗体は、突然変異HBV粒子を単離及び同定するために有用である。 突然変異HBV抗原は突然変異HBVビリオンからも単離することができる。こ れらビリオンは組織培養物又は感染個体中の突然変異HBV感染細胞中で増殖さ せることができる。抗原性ポリペプチドの調製及び固相との結合 ポリペプチドの抗原性領域又はフラグメントは比較的小さく、通常約8〜10 アミノ酸長又はそれ以下である。2〜5アミノ酸程度のフラグメントでも抗原性 領域を特徴付けることができる。これらのセグメントは突然変異HBV抗原の複 数の領域に対応し得る。突然変異HBVゲノム配列を基本として使用することに より、突然変異HBVポリペプチドの短いセグメントをコードする核酸配列を融 合タ ンパク質又は単離ポリペプチドとして組換えにより発現させることができる。こ れらの短いアミノ酸配列は、化学的合成によっても得られる。化学的に合成され た小さいポリペプチドは、得られた合成ポリペプチドが適正なエピトープを提供 するように適正に配置されており且つ抗原性となるには小さ過ぎる場合に適切な キャリヤー分子に結合され得る。結合方法は当業者に公知であり、非限定的な例 としては、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート( SPDP)及びスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサ ン−1−カルボキシレート(SMCC)を使用する。システイン残基を加えるこ とにより、スルフヒドリル基をもたないポリペプチドを修飾することができる。 これらの物質は、該物質と一方のタンパク質上のペプチドシステイン残基の間に ジスルフィド結合を生成し、他方のタンパク質中のリシン上のε−アミノ又は他 の遊離アミノ基を介してアミド結合を生成する。このような種々のジスルフィド /アミド形成物質は公知である。他の2官能カップリング剤はジスルフィド結合 でなくチオエステルを形成する。これらのチオエーテル形成剤の多くは市販され ており、当業者に公知である。そのカル ボキシ基は、スクシンイミド又は1−ヒドロキシ−2−ニトロ−4−スルホン酸 ナトリウム塩と結合させることにより活性化することができる。宿主に有害な抗 体の産生をそれ自体誘導しないものであれば、任意のキャリヤーを使用すること ができる。適切なキャリヤーとしては、特にタンパク質、多糖類(例えばラテッ クス官能化セファロース、アガロース、セルロース、セルロースビーズ)、ポリ マーアミノ酸(例えばポリグルタミン酸、ポリリシン、アミノ酸コポリマー)及 び不活性ウイルス粒子を挙げることができる。タンパク質基質の例としては、血 清アルブミン、アオガイヘモシアニン、イムノグロブリン分子、チログロブリン 、オボアルブミン、破傷風毒素及び当業者に公知の他のタンパク質を挙げること ができる。HBVエピトープを含むハイブリッド粒子免疫原の調製 突然変異HBVエピトープの免疫原性は、粒子形成タンパク質と融合又は結合 (例えばHBV表面抗原に会合)した哺乳動物又は酵母系で調製することにより 強化することもできる。粒子形成タンパク質をコードする配列に突然変異HBV エピトープを直接結合した構築物は、突然変異HBVエピトープに対して免疫原 性のハイブリッドを生成す る。更に、調製される全ベクターは変動免疫原性度を有する突然変異HBVに対 して特異的なエピトープを含む。突然変異HBV配列を含む粒子形成タンパク質 から構築される粒子は突然変異HBVに対して免疫原性である。 B型肝炎表面抗原はS.cerevisiae及び哺乳動物細胞中で形成され て粒子に結合することが確認され、これらの粒子の形成はモノマーサブユニット の免疫原性を強化することが報告されている。P.Valenzuelaら, ature 298:334(1982);P.Valenzuelaら,I. Millmanら編,Hepatitis B,Plenum Press,p p.225−236(1984)。構築物はHBsAgの免疫優性エピトープを 含み得る。このような構築物は酵母で発現可能であることが報告されており、酵 母発現のための異種ウイルス配列を含むハイブリッドが開示されている。例えば EPO第174,444号及びEPO第174,261号を参照されたい。これ らの構築物はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞等の哺乳動物細胞で発 現され得ることも報告されている。Michelleら,Internatio nal Symposium on Vir al Hepatitis,1984を参照されたい。HBVにおいては粒子形 成タンパク質をコードする配列の部分を、HBVエピトープをコードするコドン で置換することができる。この置換では、酵母又は哺乳動物中で免疫原性粒子を 形成するための単位の凝集を媒介するために不要な領域を削除し、こうしてHB Vエピトープとの競合から付加的なHBV抗原部位を排除することができる。ワクチン製造 ワクチンは、突然変異HBV核酸配列又は該核酸配列に対応する突然変異HB Vゲノムに由来する1種以上の免疫原性ポリペプチドから製造することができる 。ワクチンは突然変異HBVのエピトープを含む組換えポリペプチドを含み得る 。これらのポリペプチドは細菌、酵母又は哺乳動物細胞中で発現させてもよいし 、あるいはウイルス調製物から単離してもよい。種々の構造タンパク質が防御抗 突然変異HBV抗体を誘導する突然変異HBVのエピトープを含み得ることも予 想される。従って、突然変異HBVの少なくとも1個のエピトープを含むポリペ プチドを突然変異HBVワクチン中で単独又は組み合わせて使用することができ る。更に、非構造タンパク質及び構造タンパク質は、 中和抗体を産生しないとしても、ウイルス病原性に対する防御を提供し得ると予 想される。 上記に鑑み、突然変異HBVに対する多価抗体は、122位に2個のアミノ酸 (N−T)が挿入されたタンパク質を含み得る。これらのワクチンは例えば組換 え突然変異HBVポリペプチド及び/又はビリオンから単離されたポリペプチド から構成され得る。更に、ワクチンに不活化突然変異HBVを使用することも可 能であり得る。このような不活化はウイルス溶解物を調製してもよいし、肝炎様 ウイルスの不活化を生じることが当業者に知られている他の手段、例えば有機溶 媒もしくは界面活性剤による処理、又はホルマリン処理により実施してもよい。 本発明では弱毒突然変異HBV株調製物も開示する。突然変異HBVにおけるタ ンパク質には他の公知ウイルスと交差反応できるものもあり、従って、突然変異 HBVと他のウイルスとの間に共有エピトープが存在し、これらの病原物質によ り生じる疾患の1種以上に対する防御抗体をもたらすと予想される。この確信に 基づいて多重目的ワクチンを設計できることが予想される。 少なくとも1種の免疫原性ペプチドを活性成分として含 むワクチンの調製は当業者に公知である。典型的には、このようなワクチンは溶 液又は懸濁液としての注射剤として調製される。注射前に液体に溶解又は懸濁す るのに適切な固体形態も製造可能である。調製物を乳化してもよいし、タンパク 質をリポソームに封入してもよい。活性免疫原性成分は多くの場合には活性成分 と適合可能な医薬的に許容可能な賦形剤と混合する。適切な賦形剤の非限定的な 例としては、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等が挙げ られ、種々の量のこれらの賦形剤を組み合わせて使用してもよい。ワクチンは更 に、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤及び/又はワクチンの効力を強化するアジュバ ント等の少量の補助物質も含有し得る。例えば、このようなアジュバントとして は、2%スクアレン/Tween−80(登録商標)エマルジョン中の水酸化ア ルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン( thr−DMP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグル タミン(CGP 11687、別称nor−MDP)、N−アセチルムラミル− L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’,2’−ジパ ルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒ ドロキシホスホリルオキシ)エチルアミン(CGP 19835A、別称MTP −PE)及びRIBI(MPL+TDM+CWS)が挙げられる。アジュバント の効力は、同様に種々のアジュバントから構成されるワクチン中のポリペプチド を投与する結果としてHBV抗原配列を含む免疫原性ポリペプチドに対する抗体 の量を測定することにより決定することができる。 ワクチンは通常、静脈内又は筋肉内注射により投与される。他の投与方法に適 切な別の製剤には座薬があり、場合によっては経口製剤でもよい。座薬の場合、 慣用バインダー及びキャリヤーの非限定的な例としてはポリアルキレングリコー ル又はトリグリセリドが挙げられる。このような座薬は約0.5%〜約10%、 好ましくは約1%〜約2%の活性成分を含有する混合物から形成することができ る。経口製剤は例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、澱粉、ステア リン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウム等 のような一般に使用される賦形剤を含有する。これらの組成物は溶液、懸濁液、 タブレット、ピル、カプセル、徐放製剤又は散剤の形態をとることでがき、約1 0%〜約95%、好ましくは約 25%〜約70%の活性成分を含有し得る。 ワクチン中で使用するタンパク質は中性又は塩形態としてワクチンに配合され 得る。医薬的に許容可能な塩としては、(ペプチドの遊離アミノ基と共に形成さ れ且つ)無機酸(例えば塩酸もしくはリン酸)又は有機酸(例えば酢酸、蓚酸、 酒石酸、マレイン酸)と共に形成される酸付加塩や、当業者に公知の他の塩を使 用することができる。遊離カルボキシル基と共に形成される塩は無機塩基(例え ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム 、水酸化鉄(III)等)及び有機塩基(例えばイソプロピルアミン、トリメチル アミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジンプロカイン)及び当業者に公 知の他の塩基から誘導され得る。 ワクチンは剤形に適合可能な方法で且つ予防及び/又は治療上有効な量を投与 される。投与量は一般に1回に抗原約5μg〜約250μgであり、被投与患者 、患者の免疫系の抗体合成能力及び所望の防御度に依存する。投与するために必 要な活性成分の厳密な量は処方医の判断にも依存し、患者毎に異なる。ワクチン は単一投与スケジュールで投与してもよいし、多重投与スケジュールで投与して もよ い。多重投与では、1〜10回に分けて一次ワクチン接種過程を実施した後、免 疫応答を維持及び/又は強化するために必要な期間後、例えば1〜4カ月後に二 次投与を実施し、個体が必要とする場合には更に数カ月後にも投与する。投与計 画は少なくとも一部には個体の必要により決定され、処方医の判断による。免疫 原性突然変異HBV抗原を含有するワクチンは他の免疫調節剤、例えば免疫グロ ブリンと併用投与し得ることが予想される。突然変異HBVエピトープに対する抗体の製造 本明細書中に記載するように調製した免疫原性ペプチドを使用してポリクロー ナル又はモノクローナル抗体を製造する。ポリクローナル抗体を製造する際には 、選択した哺乳動物(例えばマウス、ウサギ、ヤギ、ウマ等)を少なくとも1種 の突然変異HBVエピトープを有する免疫原性ポリペプチドで免疫感作する。免 疫感作した動物からの血清を適当なインキュベーション時間後に収集し、公知手 順に従って処理する。突然変異HBVエピトープに対するポリクローナル抗体を 含有する血清が他の抗原に対する抗体を含有する場合には、例えばイムノアフィ ニティークロマトグラフィーによりポリクローナル抗体を精製することがで きる。ポリクローナル抗体を製造及び処理するための方法は当業者に公知であり 、特にMayerとWalker編,Immunochemical Meth ods In Cell and Molecular Biology ,Ac ademic Press,London(1987)に記載されている。ポリ クローナル抗体を単離することもできる。ポリクローナル抗体は先にHBVに感 染した哺乳動物からも得られる。アフィニティークロマトグラフィーを使用して 突然変異HBVに感染した個体の血清から突然変異HBVエピトープに対する抗 体を精製するための方法の1例をここに記載する。 突然変異HBVエピトープに対するモノクローナル抗体も当業者により製造す ることができる。このような抗体を製造するための一般方法は周知であり、例え ばKohlerとMilstein,Nature 256:494(1975 )に記載されており、J.G.R.Hurrel編,Monoclonal H ybridoma Antibodies:Techniques and A pplications ,CRC Press Inc.,Boco Rato n,FL(1982)に考察されてお り、L.T.Mimmsら,Virology 176:604−619(19 90)により教示されている。不滅抗体産生細胞系は細胞融合により作成するこ とができ、オンコジーンDNAによるBリンパ球の直接形質転換又はエプスタイ ン−バールウイルスによるトランスフェクション等の他の方法により作成するこ ともできる。同様にM.Schreierら,Hybridoma Techn iques ,Scopes(1980)Protein Purificati on,Principles and Practice,第2版,Sprin ger−Verlag,New York(1984);Hammerling ら,Monoclonal Antibodies and T−Cell H ybridomas (1981);Kennetら,Monoclonal A ntibodies (1980)を参照されたい。HCVに対するモノクローナ ル抗体の使用及び技術の例は米国特許出願第748,292号、748,563 号、610,175号、648,473号、648,477号及び648,47 5号に開示されている。 こうして開発された突然変異HBVエピトープに対する モノクローナル及びポリクローナル抗体は診断及び予後用途に有用であり、更に 中和抗体は受動的免疫療法で有用である。モノクローナル抗体は特に抗イディオ タイプ抗体を製造するために使用することができる。これらの抗イディオタイプ 抗体は防御が所望される感染物質の抗原の「内部像」を有するイムノグロブリン である。例えば、A.Nisonoffら,Clin.Immunol.Imm unopath .21:397−406(1981)及びDreesmanら,J.Infect.Dis .151:761(1985)を参照されたい。この ようなイディオタイプ抗体を誘導するための方法は当業者に公知であり、例えば Grychら,Nature 316:74(1985);MacNamara ら,Science 226:1325(1984);及びUytdehaag ら,J.Immunol.134:1225(1985)に例示されている。こ れらの抗イディオタイプ抗体はHBV感染の治療及びHBV抗原の免疫原性領域 の解明にも有用であり得る。診断オリゴヌクレオチドブローブ及びキット 単離した突然変異HBV核酸配列の所定部分を基材とし て用いて、突然変異HBVゲノムとハイブリダイズし、ウイルス剤の同定、ウイ ルスゲノムの更なる特性分析、及び羅患した個体でのウイルス検出に有用である 約8ヌクレオチド以上のオリゴマーを切り出し又は合成により産生することがで きる。突然変異HBVポリヌクレオチド用の天然又は誘導プローブは、ハイブリ ダイゼーションによる単一ウイルス配列の検出を可能とする長さである。6〜8 ヌクレオチドが処理可能な長さであり得るが、10〜12ヌクレオチドの配列が 好ましく、約20ヌクレオチドの配列が最も好ましいものであり得る。これらの 配列が異質性に欠けた領域から誘導されることが好ましい。これらのプローブは 、自動化オリゴヌクレオチド合成方法を含む常用の標準的な方法を用いて製造す ることができる。突然変異HBVゲノムの任意の単一部分の相補体は満足すべき ものであろう。完全相補性は、断片長さが増せば不要であり得るが、プローブと して使用するには望ましい。 診断試薬として使用するときには、血液又は血清のような分析すべき生物試験 試料を処理してもよく、例えば試料内に含まれる核酸を抽出する。試料から得ら れた核酸をゲル電気泳動又は他のサイズ分離技術に付してもよいし、核 酸試料をサイズ分離せずにドットブロットしてもよい。次いで、プローブを標識 する。ラベルをプローブに付着させるための適切なラベル及び方法は当業界では 公知であり、ニックトランスレーション又はキナージング(kinasing)により取 り込まれる放射性ラベル、ビオチン、蛍光及び化学発光プローブが含まれるが、 これらに限定はされない。これらのラベルの例は多数本明細書に開示されている 。次いで、試料から抽出した核酸を、適切な厳密度のハイブリダイゼーション条 件下にて標識プローブで処理する。 プローブを突然変異HBVゲノムに対して完全に相補的にすることができる。 従って、通常は偽陽性を回避するために厳密度の高い条件(high stringency co nditions)が望ましい。しかしながら、厳密度の高い条件は、プローブが異質性 に欠けた突然変異HBVゲノムの領域に相補的である場合にのみ使用すべきであ る。ハイブリダイゼーションの厳密度は、洗浄手順中の幾つかの要素(例えば温 度、イオン強度、時間及びホルムアミド濃度)により決定される。例えばT.M aniatis(上掲)を参照されたい。ハイブリダイゼーションは幾つかの様 々な技術(例えばリガーゼ連鎖反応(LCR)、ポリメラーゼ連鎖反応(PC R))により実施することができる。これらの技術は本明細書に記載する。 突然変異HBVゲノム配列は、例えば約102〜103個の配列/mlの比較的 低レベルで、感染した個体の血清中に存在し得ると考えられる。このレベルでは 、ハイブリダイゼーションアッセイで、リガーゼ連鎖反応又はポリメラーゼ連鎖 反応のような増幅技術を使用する必要があり得る。このような技術は当業界では 公知である。例えば、“バイオブリッジ”系は末端デオキシヌクレオチドトラン スフェラーゼを用いて、非改変3’−ポリ−dT−テールを核酸プローブに付加 する(Enzo Biochem.Corp.)。ポリ−dT−テールを有する プローブを標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズし、次いでビオチン改変ポリ −Aにハイブリダイズする。更には、被分析物質を、酵素標識オリゴヌクレオチ ドと相補的な一本鎖DNAプローブにアニーリングし、得られたテール付き二本 鎖を酵素標識オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするDNAハイブリダイゼー ションアッセイがヨーロッパ特許第124221号に記載されている。ヨーロッ パ特許第204510号は、被分析物質DNAを、テール(例えばポリ−dT− テ ール)を有するプローブ、及びプローブのテールにハイブリダイズする配列(例 えばポリ−A配列)を有し、複数の標識鎖と結合し得るアンプリファイア鎖と接 触させるDNAハイブリダイゼーションアッセイを記載している。この技術はま ず、血清中の標的HBV配列を約106個の配列/mlに増幅することからなり 得る。これは、Saiki等、Nature 324:163(1986)に記 載の方法に従って実施され得る。次いで、増幅した配列を、当業界では公知のよ うなハイブリダイゼーションアッセイを用いて検出することができる。標識され 得るプローブ核酸配列を含む診断キットにプローブをパッケージすることができ る。あるいは、プローブを標識せずに、標識用成分をキットに含ませてもよい。 キットは更に、特定のハイブリダイゼーションプロトコルに必要な又は望ましい 他の適切にパッケージされた試薬や材料、例えばアッセイ実施のための標準物や 指示書を含み得る。イムノアッセイ及び診断キット 突然変異HBV抗体及びその複合体を含む血清と免疫反応するポリペプチド、 及びこれらのポリペプチド中の突然変異HBV特異エピトープに対する抗体は共 に、生物試験 試料中での突然変異HBV抗体の存在又はウイルス及び/もしくはウイルス抗原 の存在を検出するイムノアッセイで有用である。これらのイムノアッセイの設計 は変形を受けることが多く、これらの変形は当業界では公知である。これらの変 形は本明細書に記載する。イムノアッセイは、1個のウイルス抗原(例えば突然 変異HBV核酸配列を含むクローン、又はこれらのクローン中の突然変異HBV 核酸配列に由来する複合核酸配列、又はこれらのクローン中の核酸配列のソース である突然変異HBVゲノムから誘導されるポリペプチド)を使用し得る。ある いは、このイムノアッセイは、これらのソースから誘導されるウイルス抗原を組 み合わせて使用してもよい。イムノアッセイは例えば、同一ウイルス抗原に対す るモノクローナル抗体、又は異なるウイルス抗原に対するポリクローナル抗体を 使用し得る。アッセイには、競合アッセイ、直接反応アッセイ又はサンドイッチ 型アッセイに基づくものが含まれるが、これらに限定はされない。アッセイは固 相を使用してもよいし、免疫沈殿又は固相を使用しない他の任意の方法で実施し てもよい。ラベルをシグナル生成化合物として使用するアッセイや、これらのラ ベルの例は本明細書に記載する。シグナ ルは更に、係属中の米国特許出願第608,849号、第070,647号、第 418,981号、及び第687,785号に記載のビオチン及びアビジン、酵 素ラベル又はビオチン抗ビオチン系を使用して増幅してもよい。突然変異HBV の免疫優性領域に由来するエピトープを含む組換えポリペプチドは、感染個体の 生物試験試料でウイルス抗体を検出するのに有用であり得る。抗体は、急性感染 と非急性感染とを識別するのに有用であり得るとも考えられる。適切な材料(例 えば突然変異HBVエピトープ又は突然変異HBVエピトープに対する抗体を含 む本発明のポリペプチド)を、アッセイの実施に必要な他の試薬や材料、及び適 切なアッセイ指示書と一緒に適切な容器にパッケージングすることにより、適切 な試薬を含んだ免疫診断に適したキットを製造する。プローブを用いたHBVゲノム、ビリオン及びウイルス抗原の更なる特性分析 突然変異HBV核酸配列を使用して、突然変異HBVゲノムの配列、並びに突 然変異HBVの同定及び単離について更なる情報を得ることができる。この情報 により、付加的なポリヌクレオチドプローブ、HBVゲノムに由来する ポリペプチド、及び突然変異HBVエピトープに対する抗体を得ることができる 。これらは、突然変異HBV肝炎の診断及び/又は治療に有益である。 核酸配列情報は、突然変異HBVゲノムのエンベロープ領域に由来する付加的 な核酸配列の単離用のプローブの設計に有用である。例えば、8個以上、好まし くは20個以上のヌクレオチドの配列を含み、突然変異HBV核酸配列の5’末 端又は3’末端に近い領域に由来する標識プローブを使用して、重複核酸配列を 突然変異HBVゲノムライブラリーから単離してもよい。次いで、突然変異HB V核酸配列と重複するが、該突然変異HBV核酸配列のソースではないゲノムの 領域に由来する配列を更に含んでいる前記配列を使用して、必ずしもクローン中 の核酸配列とは重複しない他の重複断片を同定するためのプローブを合成しても よい。突然変異HBVゲノムがセグメント化されず、セグメントに共通配列がな ければ、ウイルスゲノムに由来する重複核酸配列の単離技術を使用して、全ウイ ルスゲノムの配列を決定することが可能である。考えられないことであるが、も しゲノムが、共通配列の欠けたセグメント化ゲノムであれば、クローンの単離及 び配列決定について記 載した技術を用いて、λ−gt11突然変異HBVゲノムライブラリーをスクリ ーニングし、突然変異HBVゲノム単離物の配列を決定し、単離した突然変異H BV核酸配列により重複断片を単離して、ゲノム配列を血清学的に調べることが できる。あるいは、精製した突然変異HBV粒子から単離したウイルスゲノムか ら、ゲノムセグメントの特性分析を行うことができる。突然変異HBV粒子を精 製し、精製手順中に該粒子を検出する方法は本明細書に記載する。ウイルス粒子 からポリヌクレオチドゲノムを単離する手順は当業界ではよく知られている。次 いで、単離したゲノムセグメントをクローニングして配列決定することができる 。従って、突然変異HBVゲノムをその種類とは関係なくクローニングして配列 決定することが可能である。 突然変異HBVゲノムライブラリーの構築方法は当業界では公知であり、この ために有用なベクターも当業界では公知である。これらのベクターには、λ−g t11、λ−gt10等が含まれる。単離したポリヌクレオチドを適切な制限酵 素で消化して、突然変異HBVゲノムライブラリー由来のプローブにより検出さ れる突然変異HBV由来の核酸配列をクローンから単離し、配列決定してもよい 。 これらの重複突然変異HBV核酸配列に由来する配列情報は、ウイルスゲノム 内の相同性エリア及び異質性エリアを決定するのに有用である。これは、種々の ゲノム株及び/又は欠陥粒子集団の存在を示し得る。これは、本明細書に記載の 技術を使用して、突然変異HBVの単離中に、生物試料中の突然変異HBV又は 突然変異HBV抗原又は突然変異HBV核酸を検出するためのハイブリダイゼー ションプローブの設計にとっても有用である。重複核酸配列を使用して、突然変 異HBVゲノム由来のポリペプチドに対する発現ベクターを産生してもよい。突 然変異HBVに対して単一であると考えられるエピトープを含む抗原は核酸配列 ファミリー内にコードされる。即ち、これらの抗原に対する抗体は、HAV、H CV及びHEVに感染した個体には存在せず、Genebankのゲノム配列を 用いれば、これらの核酸配列と前記ソースのポリヌクレオチド配列との間に最小 の相同性が存在することを示すと考えられる。従って、突然変異HBV核酸配列 でコードされた抗原に対する抗体を使用して、感染個体から単離した突然変異H BV粒子を同定してもよい。更には、これらは突然変異HBV物質の単離にも有 用である。 突然変異HBV粒子は、例えばサイズ識別をベースとする技術(例えば沈降も しくは排除法)、又は密度をベースとする技術(例えば密度勾配超遠心分離、も しくはポリエチレングリコール(PEG)のような物質による沈殿、もしくはア ニオンもしくはカチオン交換材料や、疎水性相互反応により結合する材料、及び 親和性カラムのような様々な材料でのクロマトグラフィー)を含む当業界で公知 の任意の方法により、感染個体の血清又は細胞培養物から単離することができる 。単離手順中に、突然変異HBV核酸配列に由来するプローブを用いて抽出ゲノ ムのハイブリダイゼーション分析を行って、又は突然変異HBV核酸配列ファミ リー内にコードされた突然変異HBV抗原に対する抗体をプローブとして使用す るイムノアッセイにより、突然変異HBVの存在を検出することができる。抗体 はポリクローナルであっても、モノクローナルであってもよく、抗体をイムノア ッセイで使用する前に精製することが所望され得る。固相に固定化した突然変異 HBV抗原に対する前記抗体は、イムノアフィニティークロマトグラフィーによ る突然変異HBVの単離に有用である。イムノアフィニティークロマトグラフィ ー法は当業界では公知であり、免疫選 択活性を保持するように抗体を固相に固定化する方法を含んでいる。これらの方 法には、吸着及び共有結合が含まれる。抗体の抗原結合部位が接近可能なままで あるように、二官能価カップリング剤にスペーサー基を含ませてもよい。 精製手順中に、HBVゲノム配列ファミリー、及び重複突然変異HBV核酸配 列に由来するポリヌクレオチドをプローブとして使用して、突然変異HBVの存 在を核酸ハイブリダイゼーションにより検出及び/又は検証してもよい。ウイル ス粒子の破壊を引き起こす条件下で、例えばキレート化剤の存在下で洗剤を使用 して画分を処理し、ウイルス核酸の存在をハイブリダイゼーション技術により調 べる。個体(好ましくはチンパンジー)に単離したウイルス粒子を感染させ、次 いで本明細書に記載の突然変異HBV肝炎の症状が感染によるものかどうかを調 べることにより、単離した粒子が突然変異HBV感染誘発物質である別の確証が 得られ得る。 保存された配列を含むポリペプチドの決定は、突然変異HBVゲノムと結合し て、単離させ得るプローブを選択するのに有用であり得る。更には、保存された 配列を、突然変異HBV核酸配列に由来する配列と一緒に使用して、ゲ ノム配列を増幅する系で使用するプライマーを設計してもよい。更には、突然変 異HBVの構造を調べて、その成分を単離してもよい。例えば電子鏡検法により 形態及び寸法を調べることができる。抗原が主要ウイルス成分中に存在するのか 、少量ウイルス成分中に存在するのかを確かめ、単離した核酸配列内にコードさ れた特異抗原に対する抗体をプローブとして使用して、特異ウイルスポリペプチ ド抗原[例えばエンベロープ(コート)抗原又は内部抗原(例えば核酸結合タン パク質もしくはコア抗原)]や、ポリヌクレオチドポリメラーゼを同定して位置 を調べることもできる。この情報は、診断及び治療用途に有用であり得る。例え ば、ワクチン調製物中に外部抗原を含めることが好ましく、又は恐らく多価ワク チンは、構造タンパク質をコードするゲノムに由来するポリペプチド、及びゲノ ムの他の部分に由来するポリペプチド(例えば非構造ポリペプチド)からなり得 る。突然変異HBV複製用の細胞培養系及び動物モデル系 一般に、突然変異HBVの培養に適した細胞又は細胞系は、サル腎臓細胞(例 えばMK2及びVERO)、ブタ腎臓細胞系(例えばPS)、ハムスター乳児腎 臓細胞系(例えばBHK)、マウスマクロファージ細胞系(例えばP388D1 、MK1及びMm1)、ヒトマクロファージ細胞系(例えばU−937)、ヒト 末梢血白血球、ヒト付着単核細胞、肝細胞系(例えばHUH7及びHepG2) 、胚もしくは胚細胞(例えばニワトリ胚線維芽細胞)、又は無脊椎動物、好まし くは昆虫に由来する細胞系(例えばdrosophia細胞系)、更に好ましく は節足動物に由来する細胞系(例えば蚊細胞系もしくはマダニ細胞系)を含み得 る。一次肝細胞を培養し、次いでこれに突然変異HBVを感染させることも可能 である。あるいは、肝細胞培養物を、感染個体(ヒト又はチンパンジー)の肝臓 から誘導することができる。後者の場合は、in vivo感染させてin v itro 継代させた(being passaged in vitro)細胞系の例である。更には、 種々の不滅化方法を使用して、肝細胞培養物に由来する細胞系を得ることができ る。例えば、(肝細胞集団の増菌前後の)一次肝臓培養物 を種々の細胞と融合して、安定性を維持することができる。更には、培養物に形 質転換ウイルスを感染させるか、形質転換遺伝子をトランスフェクトして、永続 的な又は半永続的な細胞系を生成してもよい。更には、肝臓培養物中の細胞を融 合して、PehG2のような確定した細胞系にしてもよい。細胞融合方法は当業 者にはよく知られており、とりわけPEG、センダイウイルス及びエプスタイン −バールウイルスのような融合剤の使用を含んでいる。 細胞系の突然変異HBV感染は、細胞内へのウイルス侵入を可能とする条件下 で、細胞をウイルス調製物と共にインキュベートするような技術により達成され 得ると考えられる。細胞に、単離したウイルスポリヌクレオチドをトランスフェ クトさせてウイルス調製物を得ることも可能であり得る。組織培養細胞をトラン スフェクトする方法は当業界では公知であり、エレクトロポレーション及びDE AE−デキストラン又はリン酸カルシウムによる沈殿を使用する技術が含まれる が、これに限定はされない。クローニングした突然変異HBVゲノムDNAによ るトラスフェクションでウイルスが複製され、in vitro増殖する。培養 した細胞の他に、ウイルス複製に動物モデル系を使用し てもよい。突然変異HBV抗ウイルス剤のスクリーニング 突然変異HBV用の細胞培養系及び動物モデル系が利用できることから、突然 変異HBV複製を阻害する抗ウイルス剤、特に好ましくはウイルス複製を阻害し つつ細胞増殖を可能とする物質のスクリーニングも可能となる。これらのスクリ ーニング方法は当業界では公知である。一般に、ウイルス複製を支える細胞培養 系で抗ウイルス剤がウイルス複製の阻止に及ぼす作用、次いで感染性又はウイル ス病原性の阻害、また低レベルの毒性について、抗ウイルス剤を様々な濃度で動 物モデル系にて試験する。本明細書に記載する突然変異HBV抗原及び突然変異 HBVポリヌクレオチドの検出のための方法及び組成物は、抗ウイルス剤のスク リーニングに有用である。何故ならば、これらは、抗ウイルス剤のウイルス複製 への作用の検出については、細胞プラークアッセイ又はID50アッセイよりも恐 らく高感度の代替手段となるからである。例えば、本明細書に記載する突然変異 HBVポリヌクレオチドプローブを使用して、細胞培養物中に産生されるウイル ス核酸の量を定量してもよい。これは、感染細胞核酸を標識した突然変異HBV ポ リヌクレオチドプローブでハイブリダイズ又は競合ハイブリダイズすることによ り実施され得る。更には、抗突然変異HBV抗体を使用して、本明細書に記載す るイムノアッセイにより、細胞培養物中の突然変異HBV抗原を同定、定量して もよい。更には、競合アッセイにより感染細胞培養物中の突然変異HBV抗原を 定量することが所望され得るので、本明細書に記載する突然変異HBV核酸配列 内にコードされるポリペプチドはこれらのアッセイで有用である。一般に、突然 変異HBVゲノムDNAに由来する組換え突然変異HBVポリペプチドを標識し 、細胞培養系で産生された抗原による、前記標識ポリペプチドと突然変異HBV ポリペプチドとの結合の阻害を監視する。これらの方法は、突然変異HBVが細 胞死を起こさずに細胞系で複製し得る場合に特に有用である。突然変異HBV弱毒化株の調製 本明細書に記載する組織培養系及び/又は動物モデル系を用いて、突然変異H BV弱毒化株を単離することが可能であり得る。これらの弱毒化株は、ワクチン として又はウイルス抗原の単離に有用である。弱毒化株は、細胞培養物及び/又 は動物モデルに何度も継代させた後に単離するこ とができる。感染した細胞又は個体での弱毒化株の検出は、当業界で公知の以下 の方法に従って達成可能であり、検出には、突然変異HBVにコードされた1種 以上のエピトープに対する抗体のプローブとしての使用、又は長さが少なくとも 約8ヌクレオチドの突然変異HBV配列を含むポリヌクレオチドのプローブとし ての使用が含まれ得る。これに加え又はこれに代わって、本明細書に記載する突 然変異HBVのゲノム情報を使用し、また組換え技術を使用して弱毒化株を構築 してもよい。通常、ウイルス複製ではなく、病原性に関連するポリペプチドをコ ードするゲノムの領域を欠失させる。ゲノムを構築すれば、突然変異HBVに対 する中和抗体を産生するエピトープを発現させることができる。次いで、変性ゲ ノムを使用して、突然変異HBV複製を可能とする細胞を形質転換して、細胞を ウイルス複製を可能とする条件下で増殖させることができる。弱毒化突然変異H BV株はワクチン用としてだけでなく、ウイルス抗原の商業的産生のソースとし ても有用である。何故ならば、これらのウイルスの処理は、ウイルス産生及び/ 又はウイルス製品の製造に係わる従業員に対してそれほど厳密な保護措置を必要 としないからである。宿主及び発現制御配列 ゲノムをウイルスから抽出し、ゲノムライブラリーを作成、プロービングし、 クローンの配列を決定し、発現ベクターを構築し、細胞を形質転換し、免疫アッ セイを実施し、培養物中で細胞を増殖させるために使用する一般的な技術は当業 界では公知であり、本発明に包含する。 指定の宿主と適合する適切な制御配列を使用するときには、原核宿主細胞及び 真核宿主細胞の両方を、所望のコード化配列の発現のために使用することができ る。原核宿主としては、E.coliが最も頻繁に使用される。原核生物の発現 制御配列には、場合によってオペレーター部分を含むプロモーターや、リボソー ム結合部位が含まれる。原核宿主と適合するトランスファーベクターは通常、ア ンピシリン耐性及びテトラサイクリン耐性を付与するオペロンを含むプラスミド pBR322や、更に抗生物質耐性マーカーを付与する配列を含む種々のpUC ベクターから誘導される。これらのマーカーを使用して、選択により良好な形質 転換細胞を得ることができる。通常使用される原核制御配列には、β−ラクタマ ーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Chang等,Natu re 1 98:1056[1977])、(Goeddel等,Nucleic Aci d Res 8:4057[1980]により報告されている)トリプトファン プロモーター系、λ誘導P1プロモーター及びN遺伝子リボソーム結合部位(S himatake等,Nature 292:128[1981])、並びに rp 及びlacUV5プロモーターの配列に由来するハイブリッドTacプロモ ーター(De Boer等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 292:128[1983])が含まれる。前述の系は、特にE.coliに適 合し得るが、所望とあれば、Bacillus株又はPseudomonas株 のような他の原核宿主を対応する制御配列と共に使用してもよい。 真核宿主は、培養系の酵母及び哺乳動物細胞を含んでいる。Saccharo myces cerevisiae 及びSaccharomyces carl sbergensis が最も一般的に使用されている酵母宿主であり、好都合な 真菌宿主である。酵母適合性ベクターは、栄養要求突然変異株を原栄養性とする か又は野生型株に重金属耐性を付与して良好な形質転換細胞の選択を可能とする マー カーを保有する。酵母適合性ベクターは、2ミクロンの複製源(Broach等 ,Meth.Enz.101;307[1983])、CEN3とARS1の組 み合わせ、又は複製を行うための他の手段(例えば宿主細胞ゲノム内への適切な 断片の取り込みをもたらす配列)を使用し得る。酵母ベクターの制御配列は当業 界では公知であり、3−ホスホフィセレートキナーゼ(phosphophycerate kinas e)用プロモーターを含む解糖酵素合成用プロモーターを含んでいる。例えば、 Hess等,J.Adv.Enzyme Reg.7:149(1968)、H olland等,Biochemistry 17:4900(1978)及び Hitzeman J.Biol.Chem.255:2073(1980)を 参照されたい。Holland,J.Biol.Chem.256:1385( 1981)に報告されているエノラーゼ遺伝子に由来するようなターミネーター も含まれ得る。特に有用な制御系は、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデ ヒドロゲナーゼ(GAPDH)プロモーター又はアルコールデヒドロゲネーゼ( ADH)調節可能プロモーター、更にGAPDHから誘導されるターミネーター 、また分泌が望ましければ、酵母αファ クターに由来するリーダー配列を含む系であると考えられる。更には、操作可能 に連結した転写調節領域及び転写開始領域は、野生型生物で先天的に関連しない ようなものであり得る。 発現用宿主として利用可能な哺乳動物細胞系は当業界では公知であり、Ame rican Type Culture Collectionから入手可能な 多数の不滅化細胞系が含まれる。これらには、HeLa細胞、チャイニーズハム スター卵巣(CHO)細胞、ハムスター乳児腎臓(BHK)細胞等が含まれる。 哺乳動物細胞に適したプロモーターも当業界では公知であり、Simianウイ ルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス(AD V)、ウシ乳頭腫ウイルス(BPV)、サイトメガロウイルス(CMV)に由来 するようなウイルスプロモーターが含まれる。哺乳動物細胞は更に、ターミネー ター配列及びポリA付加配列を必要とし得る。発現を増加させるエンハンサー配 列を含めてもよいし、遺伝子の増幅を誘発する配列も所望され得る。これらの配 列は当業界では公知である。哺乳動物細胞の複製に適したベクターは、ウイルス レプリコン、又は非A型、非B型、非C型、 非E型エピトープをコードする適切な配列の宿主ゲノム内への取り込みを確実に する配列を含み得る。HCVの哺乳動物発現系の一例は、1992年1月31日 出願の米国特許出願第07/830,024号に記載されている。形質転換 形質転換は、ポリヌクレオチドを宿主細胞内に導入するための公知の方法によ って可能であり、ポリヌクレオチドをウイルス内にパッケージングし、宿主細胞 にウイルスをトランスデュースし、ポリヌクレオチドを直接取り込むことからな る。選択する形質転換手順は、形質転換すべき宿主に依存する。直接の取り込み による細菌の形質転換は一般に、塩化カルシウム又は塩化ルビジウムによる処理 を使用する。Cohen,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 6 9:2110(1972)。Graham等,Virology 52:526 (1978)のリン酸カルシウム沈殿法又はその変形を用いて、直接の取り込み による酵母形質転換を実施してもよい。ベクター構築 ベクター構築は当業界で公知の方法を使用する。一般には、市販酵素の製造業 者により一般に規定されている条件 下にて、適切な制限酵素で処理して、部位特異的DNA開裂を実施する。通常、 約20μlの緩衝溶液中の1単位の酵素を用いて37℃で1〜2時間インキュベ ートすることにより、約1マイクログラム(μg)のプラスミド又はDNA配列 を開裂する。制限酵素と共にインキュベートした後に、フェノール/クロロホル ム抽出によりタンパク質を除去し、エタノールと共に沈殿させてDNAを回収す る。開裂断片は、当業者に公知の方法により、ポリアクリルアミド又はアガロー スゲル電気泳動法を用いて分離してもよい。混合物中に存在する適切なデオキシ ヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)の存在下で,E.coliDNAポ リメラーゼ1(クレノウ)を用いて付着端開裂断片をブラント末端にしてもよい 。S1ヌクレアーゼによる処理を使用して、一本鎖DNA部分を加水分解しても よい。 T4 DNAリガーゼ及びATPを用い、標準的な緩衝液及び温度条件下で結 合する。付着端結合は、ブラント末端結合ほどATPやリガーゼを必要としない 。ベクター断片を結合混合物の一部として使用するときは、ベクター断片をしば しば細菌アルカリ性ホスファターゼ(BAP)又は仔ウシ腸アルカリ性ホスファ ターゼで処理して、5’− ホスフェートを除去し、ベクターの再結合を妨げる。あるいは、所望しない断片 の制限酵素消化を使用して、結合を妨げることができる。結合混合物を、E.c oli や、抗生物質耐性を含む方法により選択された良好な形質転換細胞のよう な適切なクローニング宿主内に形質転換し、次いで正しい構築についてスクリー ニングする。望ましいDNA配列の構築 Warner,DNA 3:401(1984)が記載するような自動化オリ ゴヌクレオチド合成機を用いて、合成オリゴヌクレオチドを産生してもよい。所 望とあれば、標準的な反応条件を用いて、32P−ATPの存在下にてポリヌクレ オチドキナーゼで処理して、合成鎖を32Pで標識することができる。DNA配列 (例えばゲノム又はcDNAライブラリーから単離したDNA配列)を、公知の 方法[例えばZoller,Nucleic Acid Res.10:648 7(1982)に記載の特定部位の突然変異誘発]により改変してもよい。簡潔 に言えば、改変すべきDNAを一本鎖配列としてファージ内にパッケージングし 、改変すべきDNA部分に相補的であり、自身の配列に所望の改変を含む合成オ リゴヌクレオチドをプライマー として用いてDNAポリメラーゼで二本鎖DNAに変換する。ファージの各鎖の 複製を含む形質転換細菌の培養物を寒天平板培養して、プラークを得る。理論的 には新しいプラークの50%が、突然変異配列を有するファージを含み、残りの 50%は元の配列を有する。非改変配列ではなく、正しい鎖とのハイブリダイゼ ーションに適した温度及び条件下で、プラーク複製物を標識した合成プローブに ハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションにより同定された配列を回収して 、クローニングする。プローブとのハイブリダイゼーション Grunstein及びHogness,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 73:3961(1975)に記載の手順を用いて、HBVゲノ ム又はDNAライブラリーをプロービングしてもよい。簡潔に言えば、プロービ ングすべきDNAをニトロセルロースフィルター上に固定化し、変性し、0〜5 0%ホルムアミド、0.75M NaCl、75mMクエン酸ナトリウム、それ ぞれ0.02%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)、ポリビニルピロリ ドン及びFicoll、50mMリン酸ナトリウム(pH6.5)、0.1%S DS並びに100 μg/mlキャリヤー変性DNAを含む緩衝液でプレハイブリダイズする。緩衝 液中のホルムアミドのパーセンテージ、及びプレハイブリダイゼーションやその 後のハイブリダイゼーション工程の時間/温度条件は、必要とされる厳密度に依 存する。厳密度条件が低くてもよいオリゴマープローブは一般に、ホルムアイド を低率に、温度をより低く、ハイブリダイゼーション時間をより長くして使用す る。ゲノム配列から誘導されるような30又は40個以上のヌクレオチドを含む プローブは一般に、例えば約40〜42℃のより高温と、例えば50%と高率の ホルムアミドを使用する。プレハイブリダイゼーションの後に、32P標識オリゴ ヌクレオチドプローブを緩衝液に添加し、ハイブリダイゼーション条件下でフィ ルターをこの混合物中でインキュベートする。洗浄後、被処理フィルターをオー トラジオグラフィーにかけて、ハイブリダイズしたプローブの位置を示す。元の 寒天プレート上の対応位置にあるDNAを所望のDNAのソースとして使用する 。構築の検証及び配列決定 標準的なベクター構築では、結合混合物をE.coli株HB101又は他の 適切な宿主内に形質転換し、良好な 形質転換細胞を抗生物質耐性又は他のマーカーにより選択する。次いで、通常は Clewell等,J.Bacteriol.110:667(1972)に記 載のようなクロラムフェニコール増幅の後に、Clewell等,Proc.N atl.Acad.Sci.USA 62:1159(1969)の方法で、形 質転換細胞由来のプラスミドを産生する。DNAを単離し、通常は制限酵素分析 及び/又は配列決定により分析する。Messing等,Nucleic Ac id Res .9:309(1981)にも記載されているSanger等, roc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463(1977)の よく知られたジデオキシ法により、又はMaxam等,Methods in Enzymology 65:499(1980)に記載の方法により、配列決 定してもよい。GCに富む領域で時々観察されるバンド圧縮の問題は、Barr 等,Biotechniques 4:428(1986)に記載の方法により 、T−デアゾグアノシンを用いて克服される。エンザイムリンクドイムノソーベントアッセイ エンザイムリンクドイムノソーベントアッセイ(ELI SA)を使用して、抗原濃度又は抗体濃度を測定することができる。この方法は 、酵素ラベルと抗原又は抗体との結合に依存し、結合酵素活性(生成シグナル) を定量ラベル(測定可能な生成シグナル)として使用している。酵素をラベルと して使用する方法、及びこのような酵素ラベルの例は本明細書に記載する。突然変異HBV核酸配列の作成 突然変異HBV物質のソースは、本明細書に記載する臨床学的実験基準に合致 する突然変異HBVウイルスに感染したヒト又はチンパンジーからの個々の血漿 、血清もしくは肝臓ホモジネート又はそのプールである。あるいは、以下に記載 する基準に合致する突然変異HBV肝炎に羅患した他の個体の血液をチンパンジ ーに実験的に感染させることができる。高レベルのアラニントランスフェラーゼ 活性を含む個々の血漿、血清又は肝臓ホモジネート試料を多数合わせてプールを 構成することができる。この活性は、突然変異HBV感染による肝炎性損傷によ るものである。 例えば、高力価であることが好ましいが、必ずしもそうでなくてもよい血漿、 血清又は肝臓ホモジネートに由来する核酸ライブラリーを以下の方法で作成する 。まず血漿、 血清又は肝臓ホモジネートからウイルス粒子を単離する。次いで、アリコートを 緩衝溶液(例えば50mMトリス−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、 100mMNaClを含む緩衝溶液)中に希釈する。例えば15,000×g、 20℃で20分間の遠心分離により破片を除去する。次いで、当業者により慣用 的に決定され得る適切な条件下で遠心分離を行って、得られた上清中のウイルス 粒子をペレット化する。ウイルスゲノムを放出するために、ペレットをSDS懸 濁液[例えば1%SDS、120mM EDTA、10mMトリス−HCl(p H7.5)を含み、更に2mg/mlのプロテイナーゼKを含んでいる懸濁液] のアリコート中に懸濁させ、次いで適切な条件下で、例えば45℃で90分間イ ンキュベートして粒子を破壊する。例えば0.8μg MS2バクテリオファー ジRNAをキャリヤーとして添加し、この混合物をフェノール:クロロホルム[ 0.5Mトリス−HCl(pH7.5)、0.1%(v/v)β−メルカプトエ タノール、0.1%(w/v)ヒドロキシキノロンで飽和させたフェノール]の 1:1混合物で4回抽出し、次いでクロロホルムで2回抽出して核酸を単離する 。水性相を例えば1−ブタノールで濃 縮した後に、2.5容量の無水エタノールと共に−20℃で一晩沈殿させる。例 えばBeckman SW41ローターにて、40,000rpm、4℃で90 分間遠心分離にかけて核酸を回収し、これを水に溶解し、0.05%(v/v) ジエチルピロカーボネートで処理して、オートクレーブ処理する。 前記手順により得られた核酸を、例えば17.5mM CH3HgOHで変性 し、次いでこの変性核酸を鋳型として用いてcDNAを合成し、例えばHuyn h(1985、上掲)に記載の方法を用いてファージλ−gt11のEcoRI 部位内にクローニングする。但し、逆転写酵素により第1核酸鎖の合成中にラン ダムプライマーをオリゴ(dT)12−18に代える(Taylor等,[19 76]参照)。 このようにして作成されたλ−gt11ゲノムライブラリーを、突然変異B型 肝炎ウイルスに起因する肝炎の既往個体(以下で説明する基準に合致する)から の血清、血漿又は肝臓ホモジネートと特異結合し得るエピトープについてスクリ ーニングする。Huyng等(上掲)の方法を用いて、約104〜107個のファ ージを血清、血漿又は肝臓 ホモジネートと共にスクリーニングする。125I又は他の適切なリポーター分子 (例えばHRPO、アルカリ性ホスファターゼ等)で放射性標識したヒツジ抗ヒ トIg抗血清で結合ヒト抗体を検出することができる。陽性ファージを同定して 、精製する。次いで、同一方法を用い、先に突然変異HBV物質に感染した所定 人数の各ヒトの血清との結合の特異性について、前記ファージを試験する。理想 的には、ファージは、試験する血清、血漿又は肝臓ホモジネートの全て又は大半 と反応するポリペプチドをコードし、突然変異HBV物質やA型、非突然変異B 型、C型、及びE型肝炎について本明細書に記載した基準により“陰性”である ことが確定した個体からの血清、血漿又は肝臓ホモジネートとは反応しない。こ れらの手順に従って、非A型、非突然変異B型、非C型、非E型であると同定さ れた患者からの血清、血漿又は肝臓ホモジネートにより免疫学的に特異認識され るポリペプチドをコードするクローンを単離することができる。 以下で本発明を実施例により説明する。 実施例 実施例1.血清試料の同定 最初の実験室測定 HBsAgに対する抗体を調べるために市販のイムノアッセイ(AUSZYM E(R)及びAUSRIA(R)II,Abbott Laboratories,Ab bott Park,IL)を使用した。製造業者の指示に従って、患者の血清 試験試料を、HBsAgに対する抗体についてのAUSZYME(R)アッセイで 3度試験した。AUSZYME(R)キットは、HBsAgに対するモノクローナ ル抗体がコーティングされた固相(ビーズ)を含んでいる。この試験キットを用 いてHBsAgに対する抗体について患者試験試料を3度試験すると、それぞれ 陰性を示した。B型肝炎表面抗原に対するポリクローナル抗体を含むAUSRI A(R)II試験キットを用いて、患者試験試料を再試験した。AUSRIA(R)II試 験の結果は、患者がHBsAgに対する抗体に対し陽性であることを示していた 。別の実験室試験 HBsAgに対する抗体についてのAUSZYME(R)モノクローナル抗体試 験では陰性を示し、HBsAgに対する抗体についてのAUSRIA(R)IIポリ クローナル抗体試験では陽性を示した患者の血清試験試料を1:20に 希釈した。AUSRIA(R)II試薬とAUSZYME(R)モノクローナル試薬とを 交差交換(Cross-exchange)し、(即ちAUSRIA(R)IIビーズとAUSZY ME(R)モノクローナル抗体ラベルを、またAUSRIA(R)IIポリクローナル抗 体ラベルとAUSZYME(R)ビーズとを合わせた)。評価のための好ましい試 験条件は、第1のインキュベーションでは試験試料を室温で一晩、第2のインキ ュベーションでは室温で4時間インキュベートすることであった。試験試料を更 に系列希釈し、希釈液を試験し、陽性対照の類似希釈液(5倍)と比較した。こ れらの試験のデータを以下の表1に示す。 以前のデータは、試験試料がAUSZYME(R)モノクロ ーナルではなく、AUSRIA(R)IIに反応性であることを示していた。表1の データは、試験試料の試験で試薬を交差交換すると、試験試料は2通りの組み合 わせに対して弱い反応性を示すが、AUSRIA(R)IIビース/AUSZYME( R) −HRP抗体よりもAUSZYME(R)ビース/125I−抗体との反応性の方が 幾分高いことを示している。各試験系の抗体間の相違を更に検査すると、AUS ZYME(R)の主反応体がHRP−抗体のような抗−a抗体であることが判明し た。AUSRIA(R)IIでは、ビーズを、強い抗−aを示すが、抗−d及び抗− yの可能性も有するポリクローナル抗体抗−HBでコーティングする。更には、 AUSRIA(R)IIの125I−抗体は、抗−aを主とするポリクローナルであるが 、ビーズ及びプローブ抗体は共に広範囲のスペクトルを有すると考えられる。抗 −aに対し集中的な特異性を示すモノクローナル抗体は試験試料とは反応しなか った。試験試料はポリクローナル抗血清とは反応したが、ポリクローナル抗体の 抗−a検出が優勢すぎるため、ポリクローナル抗体の反応性は変化すると考えら れた。AUSRIA(R)II抗体の希釈曲線(図示せず)により、ポリクローナル 試薬の広いスペクトル範囲が試験 試料中に存在する抗−HBを検出するのに適しているが、これが実際には変化す ることが判明した。 実施例2.配列決定 試料は突然変異HBVの形態であると考えられるので、配列を決定して、可変 部がHBV表面抗原のヌクレオチド及びアミノ酸配列中に存在するかどうかを調 べた。T.Maniatis等,Molecular Cloning:A L aboratory Manual ,第2版,Cold Spring Har bor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,Bo ok 2:Chapter 13,13.1−13.77(1989)に記載の Sangerジデオキシ配列決定反応を実施した。配列決定の結果は、HBsA gのアミノ酸配列の122位に2個のアミノ酸が挿入されたことを示している。 突然変異HBVのヌクレオチド及びアミノ酸配列を配列番号1及び配列番号2に 示す。この方法を繰り返し実施すると、アミノ酸が僅かに変化することが判明し た。これを配列番号3及び配列番号4に示す。各アミノ酸配列に共通なことは、 HBsAgの122位に2個のアミノ酸(N−T)が挿入されていることである 。従って、HBsAg 配列中には、122位への2個のアミノ酸(N−T)の挿入という改変が存在し 、この改変はHBsAgゲノムの366位の6個のヌクレオチド挿入に対応する 。 従って、本発明は、試験試料中での突然変異HBsAgの存在を調べるための 試薬及び方法を提供する。主に抗−a抗体を使用するモノクローナル抗体試験に よるアッセイでは、この特定の突然変異体は検出されないことは明白である。更 には、指摘データに基づき、既存ワクチンがHBVのこの突然変異株に対して防 御的でないと断定される。従って、このような突然変異HBVの試薬は、試験試 料中のHBVの検出に、更にはワクチン産生に有用である。本明細書に記載する 突然変異HBVに特異的なポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、又はこれら のポリペプチド及びポリヌクレオチドから産生される抗体を、既存のアッセイ試 薬と合わせ、HBsAgに対する抗体の検出のための現行アッセイ手順に組み入 れることが考えられ、これは本発明の範囲内である。あるいは、本明細書に記載 する突然変異HBVに特異的なポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、又はこ れらのポリペプチド及びポリヌクレオチドから産生される抗体を別個に使用して 、“a”決定基がHB sAg配列の122位に挿入された2個のアミノ酸を有するHBV突然変異株を 検出することができる。 本明細書を考察すれば、本発明の他の使用又は変形が当業者には自明であろう 。従って、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 9358−4B C12P 21/08 21/08 9453−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 9453−4B 1/70 1/70 8310−2J G01N 33/576 B G01N 33/576 8310−2J 33/577 B 33/577 9281−4B C12N 5/00 B (72)発明者 カーマン,ウイリアム イギリス国、スコツトランド・ジー・42・ 8・キユー・エヌ、グラスゴー、クイーン ズ・パーク、クイーンズ・ドライブ・148 (72)発明者 デツカー,リチヤード・エイチ アメリカ合衆国、イリノイ・60015、デイ アーフイールド、キヤツスルウツド・レー ン・924 (72)発明者 ウオーリス,レスリー イギリス国、スコツトランド・ジー・11・ 7・エツクス・イー、グラスゴー、ソーン ウツド、クラシー・ドライブ・23 (72)発明者 ミムズ,ラリー・テイー アメリカ合衆国、イリノイ・60046、レイ ク・ビラ、シヨウシヨウニ・トレイル・8 (72)発明者 ソロモン,ラリー・アール アメリカ合衆国、イリノイ・60060、マン ダレイン、サウス・エメラルド・アベニユ ー・64

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つのヌクレオチドが挿入されて いる修飾“a”抗原決定基を含む精製突然変異HBVポリヌクレオチド。 2.前記6つのヌクレオチドが−A−A−C−A−C−A−である請求項1に記 載のポリヌクレオチド。 3.HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている修 飾“a”抗原決定基を含む組換え突然変異HBVポリヌクレオチド。 4.組換えベクター内に含まれている請求項3に記載のポリヌクレオチド。 5.更に、前記ベクターを用いて形質転換された宿主細胞を包含する請求項4に 記載のポリヌクレオチド。 6.前記122位に挿入されているアミノ酸がN及びTである請求項3に記載の ポリペプチド。 7.突然変異HBVゲノムから誘導されたDNAの読取り枠を含む組換え発現系 であって、前記ゲノムが、HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つのヌク レオチドが挿入されている修飾“a”抗原決定基を含み、前記読取り枠が、所望 の宿主と適合性のある制御配列に操作可能に結合 されている組換え発現系。 8.更に、前記組換え発現系を用いて形質転換された細胞を包含する請求項7に 記載の発現系。 9.更に、前記細胞によって産生されたポリペプチドを包含する請求項8に記載 の発現系。 10.前記6つのヌクレオチドが−A−A−C−A−C−A−である請求項7に 記載の発現系。 11.突然変異HBVポリペプチドの調製物を包含する精製突然変異HBVであ って、前記突然変異HBVポリペプチドが、HBsAg配列の122位に少なく とも2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗原決定基を含んでおり、前記 122位に挿入されている2つのアミノ酸がN及びTである精製突然変異HBV 。 12.HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つのヌクレオチドが挿入され ており、前記6つのヌクレオチドが−A−A−C−A−C−A−である修飾“a ”抗原決定基を含む突然変異HBVゲノムから誘導された配列を含む組換えポリ ペプチド。 13.少なくとも1つの突然変異HBVエピトープに対する抗体であって、前記 エピトープがHBsAg配列の12 2位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗原決定基を含む 抗体。 14.前記抗体が、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体からなる群から 選択される請求項13に記載の抗体。 15.前記122位に挿入されている2つのアミノ酸がN及びTである請求項1 3に記載の抗体。 16.突然変異HBVのポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、HBs Ag配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗 原決定基を更に含む融合ポリペプチド。 17.前記122位に挿入されている2つのアミノ酸がN及びTである請求項1 6に記載の融合ポリペプチド。 18.真核性または原核性宿主内で宿主内で産生されたときに粒子を形成し得る アミノ酸配列を有する非HBVポリペプチドと突然変異HBVエピトープとを含 む、突然変異HBV感染に対して免疫原性である粒子であって、前記突然変異H BVの前記エピトープが更に、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのア ミノ酸が挿入されており、前記122位に挿入されている2つのアミノ酸がN及 びTである修飾“a”抗原決定基を含む粒子。 19.HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つのヌクレオチドが挿入され ている修飾“a”抗原決定基を含む、突然変異HBVに対するポリヌクレオチド プローブ。 20.前記6つのヌクレオチドが−A−A−C−A−C−A−である請求項19 に記載のポリヌクレオチドプローブ。 21.HBV抗原中に存在するHBVエピトープを有するポリペプチドを含む容 器を包含する、検査試料中の突然変異HBV抗原または抗体の存在を判定するた めのキットであって、前記エピトープが、HBsAg配列の122位に少なくと も2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗原決定基を含むキット。 22.前記ポリペプチドが固相に付着されている請求項21に記載のキット。 23.検出すべき突然変異HBV抗原に対する抗体を含む容器を包含する、検査 試料中の突然変異HBV抗原または抗体の存在を判定するためのキットであって 、前記抗原が、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入さ れている修飾“a”抗原決定基を含むキット。 24.前記抗体が固相に付着されている請求項23に記載のキット。 25.突然変異HBV由来のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドプローブ を含む容器を包含する、突然変異HBVポリヌクレオチドを含む疑いのある検査 試料中の該ポリヌクレオチドの存在を判定するためのキットであって、前記ヌク レオチド配列には、HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つヌクレオチド が挿入されているキット。 26.HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている 修飾“a”抗原決定基を含む突然変異HBVエピトープを含むポリペプチドを製 造する方法であって、HBVエピトープを含むポリペプチドをコードする配列を 含む発現ベクターを用いて形質転換した宿主細胞を、前記ポリペプチドが発現し 得る条件下及び時間でインキュベートすることからなる方法。 27.HBVを含む疑いのある検査試料中の突然変異HBV核酸を検出する方法 であって、 a.検査試料を、HBsAgゲノムの366位に少なくとも6つのヌクレオチ ドが挿入されている突然変異HBV由来のヌクレオチド配列を含むHBVポリヌ クレオチド用プローブと、該プローブと検査試料中の突然変異HBV核酸とで複 合体を形成し得る条件下及び時間で反応させ; b.前記プローブを含む複合体を検出する ことからなる方法。 28.前記6つのヌクレオチドが−A−A−C−A−C−A−である請求項27 に記載の方法。 29.HBVを含む疑いのある検査試料中の突然変異HBV抗原を検出する方法 であって、 a.検査試料を、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿 入されている修飾“a”抗原決定基を含む検出すべき突然変異HBV抗原に対す る抗体と、抗体/抗原複合体を形成し得るに十分な時間及び条件下で接触させ; b.前記抗体を含む複合体を検出する ことからなる方法。 30.HBV抗体を含む疑いのある検査試料中のHBV抗体を検出する方法であ って、 a.検査試料を、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿 入されている修飾“a”抗原決定基を含む突然変異HBVエピトープを含むプロ ーブポリペプチドと、抗原/抗体複合体を形成し得るに十分な時間及び条件下で 接触させ; b.前記プローブポリペプチドを含む複合体を検出する ことからなる方法。 31.前記122位に挿入されている2つのアミノ酸がN及びTである請求項3 0に記載のポリペプチド。 32.医薬上容認可能な賦形剤中に、HBVエピトープを含む免疫原性突然変異 HBVポリペプチドを薬理上有効量含む突然変異HBV感染治療用ワクチンであ って、前記突然変異HBVエピトープが、HBsAg配列の122位に少なくと も2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗原決定基を含んでおり、前記1 22位に挿入されている2つのアミノ酸がN及びTであるワクチン。 33.医薬上容認可能な賦形剤中に、薬理上有効量の不活化または弱毒化突然変 異HBVを含む突然変異HBV感染治療用ワクチンであって、前記突然変異HB Vが、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている 修飾“a”抗原決定基を含むワクチン。 34.突然変異HBVに感染させた組織培養増殖細胞であって、前記突然変異H BVが、HBsAg配列の122位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されてい る修飾“a”抗原決定基を含む組織培養増殖細胞。 35.突然変異HBVに対する抗体を製造する方法であって、免疫応答を生起す るのに十分な量の突然変異HBVエピトープを含む単離免疫原性ポリペプチドを 個体に投与することからなり、前記突然変異エピトープが、HBsAg配列の1 22位に少なくとも2つのアミノ酸が挿入されている修飾“a”抗原決定基を含 む方法。
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