JPH08509471A - 光力学療法およびレーザー光の発生に有用な化合物 - Google Patents

光力学療法およびレーザー光の発生に有用な化合物

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JPH08509471A JP6519283A JP51928394A JPH08509471A JP H08509471 A JPH08509471 A JP H08509471A JP 6519283 A JP6519283 A JP 6519283A JP 51928394 A JP51928394 A JP 51928394A JP H08509471 A JPH08509471 A JP H08509471A
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リー ロイ モルガン
ジョゼフ エイチ. ボイヤー
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Abstract

(57)【要約】 各種の用途を有する新規な群の蛍光性有機化合物につき開示する。これらは染料レーザー系における染料化合物として、並びに光力学療法技術を用いる発病組織の処置に光化学剤として特に有用である。これら化合物は構造式(I)を有する三環式化合物を包含する。好ましくはR1〜R5=R9〜R12=C;R7=B;R6およびR8=N;R14=低級n−アルキルもしくは電子吸引基、たとえばCN-であり;R16およびR19は独立して低級n−アルキル、サルフェートまたはその酸もしくは塩、または水素よりなる群から選択され;R20=R21=Fである。他の化合物は式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の化合物を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 光力学療法およびレーザー光の発生に有用な化合物 本発明は、デパートメント・オブ・ネービー、オフィス・オブ・チーフ・オブ ・ナバル・リサーチにより与えられた認可No.ONR(N00014−87− K−0254)の下で部分的に政府支援により成されたものである。米国政府は 本発明に所定の権利を有する。発明の背景 1. 発明の技術分野 本発明は一般に、レーザー染料として並びに光力学療法にて有用である化合物 および組成物に関するものである。 2. 背景の一般的説明 高度の安定性および量子蛍光収量を有する化合物につき要求が現存する。これ ら物質は、レーザー光の発生を含め多くの目的に用いることができる。近紫外/ 可視/近赤外のスペクトル領域にて操作しうる化学レーザーシステムに関し、多 くの研究が行われている。染料レーザーはこれら要求を満たす最も有望なもので ある。 1960年代の後期に広周波数範囲にわたり調整しうる有機染料レーザーが開 発された。これらレーザーにより発生した光線は、回折勾配システムまたは他の 光学装置の使用により極めて狭いバンドに集中させることがで きた。今日、染料レーザーは医薬および応用医学を含め多くの技術分野で各種の 目的に使用されている。たとえば、これらを用いて化合物のスペクトル分析を行 うことができる。さらに、これらは光合成および生物分子反応の過程の分析を容 易化させるのに有用である。医療分野における染料レーザーは癌治療、眼科試験 、手術などを含め多くの用途に使用される。 典型的には、染料レーザー系に使用されるレーザー物質は液体溶剤に溶解され た蛍光性有機染料化合物よりなっている。C.L.ローレンス、ザ・レーザー・ ブック、ニュー・テクノロジー・オブ・ライト、プレンティス・ホール・プレス 社、ニューヨーク(1986)に検討されているように、染料レーザーの最も重 要な能力の一つはその高度の波長調節性である。たとえば、慣用の染料レーザー における波長出力は10〜40nm範囲にわたり走査することができる。異なる 染料種類の使用により、レーザー光出力は近紫外から近赤外までの波長で得るこ とができる。染料レーザーは、これらに使用する化学染料が特定の振動および回 転エネルギーレベルを有して、これらを特性化しうるので調整可能である。 レーザー染料効率とレーザー作用域値とフラッシュランプ性能とは密接に相関 する。遅い立上時間を有する大型フラッシュランプからの所望の励起は、(1) その蛍光領域にわたりレーザー染料の低いトリプレット−トリプレット(T−T )吸収、ηγ(λF)と、(2)短い トリプレット状態(燐光性)寿命τpと、(3)単位に近いレーザー染料の量子 蛍光収量(1に近いθ)とを必要とする(ドレキセージ・イン・ダイレーザー、 スプリンガー出版、1977)。市販の染料分子および一般的に使用される染料 分子の殆どは、光源により励起されると系間横断により、そのトリプレット状態 で蓄積する。さらに、多くの市販レーザー染料は残念ながらそのレーザー作用の スペクトル領域にてT−T吸収を示す。現存するレーザー染料に伴う他の問題は 貧弱な安定性および熱安定性、並びに比較的低い溶解性を包含する。 染料レーザーにて使用するための染料の選択は、現在では試行錯誤によって行 われる。強い蛍光性を示す多くの有機化合物が合成され、かつ市販されている。 しかしながら、これら物質の極めて僅かしか染料レーザーに使用するのに適して いない。大抵の産業上使用されるレーザー染料は、主としてクマリンおよびロー ダミンの組成物よりなっている。これら染料は、他の市販の物質と同様に極く低 いエネルギーと比較的高度の光分解とを示す。さらに、多くの染料は1μ秒もし くはそれ以下の急激な立上時間を有するフラッシュランプ系を用いる励起を必要 とする。これら要件を満たすフラッシュランプは、200ジュール以上の操作に つき作成困難である。 ピロメテン二座配位子による二塩化アルミニウムのキレート化は不安定な橙色 固体を与えると報告されている。この化合物については、光吸収および放出デー タが報告 されていない。トライブおよびクロイツアー、リービッヒス・アナーレン・ヘミ ー、第718巻、第208頁(1968);第721巻、第116頁(1969 )。四配位の亜鉛、ニッケルおよび銅のピロメテン(P)−金属(M)キレート (P2M)は500nm以上で弱い蛍光性を示した(θ〜10-3)。フォーク等 、Monatsh・Chem、第718巻、第208頁(1968);第721 巻、第116頁(1969)。しかしながら、蛍光性はレーザー活性につき重要 でない。ピラゾボール(ジアルキル硼素(BR2)の二量体1−ボリルビラゾー ル キレート)および1,2,3,4−テトラヒドロ−1,10−フェナンスロ リンのBF2錯体は蛍光性でないことも判明している。トロフィメンコ、ジャー ナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第89巻、第3165〜3170頁 (1967);第92巻、第5118頁(1970);クレーベ等、ケミカル・ ベリヒテ、第116巻、第3125頁(1983)。 中庸なレーザー活性(λlas420nm)が「ボラトリアジニウム」塩につき ベースチング等、アプライド・フィジークス、第3巻、第81頁(1974)に より報告されたが、構造は確認されなかった。 蛍光染料組成物の他の重要な用途は、光力学療法(PDT)技術を用いる発病 組織の検出および処置を含む。伝統的に患者に対する光感作性薬剤の投与を含む これら技術は、患者の全身にわたる薬剤の分布をもたらす。次 いで薬剤もしくは薬品は発病組織の領域に局在し、次いで適する波長の光で照明 されて薬物もしくは薬品を活性化させる。この光活性化は発病組織に光化学反応 を引起こして、最終的に細胞毒性障害および/または死滅を組織にもたらす。 現在では一般に光感作性薬剤を適する光源での照明に際し化学的に変化させる 2つの一般的な提案メカニズムが存在する。第1のメカニズム(タイプI)は典 型的には薬物からの水素原子抽出を含み、これにより遊離基を発生する。その後 の生成遊離基と他の有機分子との或いは酸素との反応は発病組織の生化学的破壊 をもたらす。 他方の反応メカニズム(タイプII)は一般に電子励起薬物から酸素へのエネ ルギー移動により単分子酸素を発生させ、次いで各種の基質と反応させて酸素化 生成物を発生する。この経路は励起薬物から酸素への電子移動をも生ぜしめて、 超酸化物イオンと共に酸素化薬物生成物をもたらす。この反応メカニズムを、上 記した第1メカニズムと共に次式によって図示する。 光力学療法が1972年以来、癌患者で実験的に使用されている。フォトフリ ンI1(精製型のヘマトポルフィリン)として知られる1種の実験薬物が光力学 療法にてランダムな臨床試験にかけられた。光力学療法で使用される他の光感作 性薬物はフタロシアニン(メロシアニン540)、置換プルプリン、キサンテン (ローダミン123 6G&B)、陽イオン型シアニン染料、塩素ポリマー、発 色団中にセレンもしくはテルル原子を含有するカルコゲナピリリウム染料、フェ ノチアジニウム誘導体、ベンゾフェノキソニウム(ナイルブルーA)およびトリ アリールメタン(ビクトリアブルーBO[VB−BO])を包含する。励起光源 に露出した際に発病組織(癌細胞を含む)を破壊させるべく上記薬品により用い る正確なメカニズムは現在未知である。さらに、これらおよび他の現在使用され ている光力学療法における薬品の効能は完全には実現化されていないが、多くの 場合にプラスの結果も示されている。 現在進められている研究は、最小の副作用しか生じない安定性の向上した光化 学物質の探索を含んでいる。現在使用されている薬物により生ずる主たる副作用 は、全身性薬物投与の後の患者における未調節の光感作性反応の発生である。太 陽に露出すると、患者は一般的な皮膚光感作を発現する。進行中の研究は特に、 これら副作用を回避する化学物質の探索を含んでいる。 上記したように、強力な蛍光性を示すと共に光感作性 薬物として有力な価値を示す多くの化学物質が合成されている。ここで用いる「 蛍光(性)」という用語は、励起したシングレット状態(S1)から基礎状態( S0)への分子の移行から生ずる光の自然的ランダム発光として規定される。多 くの光化学反応がトリプレット状態(T1)から生ずる。しかしながら、殆どの 光化学薬物は系間横断によりトリプレット状態で蓄積する。その結果、これらト リプレット分子は、多かれ少なかれトリプレット状態の吸収および濃縮の程度に 応じ効率的に光を吸収する。 外部光源からの光を加えた際にトリプレット−トリプレット(T−T)吸収を 減少するすることを特徴とする光力学療法にて有用な光感作性化学物質につきニ ーズが存在する。さらに、容易に活性化されると共に光化学的に安定である光感 作性薬物についてもニーズが存在する。本発明は下記するようにこのニーズを満 足させる。 本発明の目的は、照明した際に細胞毒性となる改良された有機化学物質を提供 することにある。 本発明の他の目的は、レーザー染料として使用するのに適する改良された有機 化学物質を提供することにある。 さらに本発明の目的は、高度の光化学安定性を与える改良されたレーザー染料 を提供することにある。 本発明の他の目的は、容易に溶解しうると共に使用が容易である改良されたレ ーザー染料を提供することにある。 さらに本発明の目的は、高い蛍光量子効率(QF>0.7)を与える改良され たレーザー染料を提供することにある。 本発明の他の目的は、低いトリプレット−トリプレット(T−T)吸収を有し て、遅い立上時間を有するフラッシュランプ ポンピング系の使用を可能にする 改良されたレーザー染料を提供することにある。 さらに本発明の目的は、慣用の染料を用いて発生する光線と対比し高い強度を 持ったレーザー光を発生する改良されたレーザー染料を提供することにある。 本発明の他の目的は、特に安定であって容易に溶解すると共に容易に作成され る化学物質を用いる光力学療法の改良方法を提供することにある。 さらに本発明の他の目的は、減少したT−T吸収を示すと共に蛍光放出の最小 の重なりを示し、さらに細胞毒性である光感作性化学物質を用いる改良された光 力学療法を提供することにある。発明の要点 本発明は、各種の方法に従来使用されている染料よりも優秀な改良されたレー ザー染料組成物に関する。主として、ここに開示する染料は減少したT−T吸収 と低いレーザー作用域値とを有する。これは、より遅い立上時間を有するフラッ シュランプの使用を可能にする。これらフラッシュランプは、より低い駆動電圧 にて操作するので、より長い機能寿命を有する。さらに、減少したT −T吸収に基づくフラッシュランプのポンプ光の効率的変換は、より高い強度の レーザー光線の発生を可能にする。最後に、ここに開示した染料は、染料物質の 分解減少をもたらす改善された光化学安定性を有する。 上記の目的にしたがい広範な種類の用途を有する新規な群の有機物質を開示す る。これら物質は染料レーザー系における染料化合物として、並びに光力学療法 技術を用いる発病組織の処置に光化学細胞毒性剤として特に有用である。ここに 説明する物質は、次の構造式: (a) [式中、R1はC、N、B、好ましくはCおよびNよりなる群から選択され、特 に好ましくはCであり; R2、R3、R5、R6、R8、R9、R11およびR12は独立してCおよびNよりな る群から選択され、ここでR6およびR8は好ましくはNでありかつR2、R3、R5 、R9、R11およびR12は好ましくはCであり; R4およびR10は独立してC、N、OおよびSよりな10から選択され、好ま しくはCであり; R7はC、N、Bよりなる群から選択され、好ましくはBであり; R13〜R19はH、F、Cl、Br、I、CN、NC、NO、NO2、NH2、N CO、CO2H、CONH2、フェニル、ナフチル、ピリル、ピラゾリル、トリア ゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチア ゾリル、ArF、ArN2およびNHCOAr(ここでAr=フェニルもしくは ナフチルである)、Cn2n+1(ここでnは1〜4、好ましくは2〜4の整数で ある)、Cn2n+1、Cn2n2n+1、(Cn2n+1)CO、CO222n+1、( CH2nF、(CH2nCl、(CH2nBr、(CH2nI、(CH2nCN 、(CH2nNC、(CH2nNO2、(CH2nNO、(CH2nCO(Cn2n+1 )、(CH2nCO2Hおよび(CH2nNH2(ここでnは1〜3の整数で ある)、SO3MおよびCO2M(ここでMはNaもしくはKである)、式Cn2 n-1 (ここでnは4〜6の整数である)を有する環式アルキル基、Cn2n-2およ び式Cn2n-1(ここでnは2〜4の整数である)を有するオレフィン誘導体、 RCO、CO2R、CONHR、CON(R)2、NHR、N(R)2、NHCO R、C(NOR)R、SO3R、SO2R、PO3R、(CH2nCOR、(CH2 nSO3R、(CH2nSO2R、(CH2nNHR、(CH2nN(R)2およ び(CH2nN HCOR(ここでR=Cn2n+1であり、nは1〜4の整数である)、Cn2n-m (ここでnは2〜4の整数であり、mは2〜4の整数である)、(CH2nAr 、(CH2nArN2および(CH2nNHCOAr(ここでAr=フェニルも しくはナフチルであり、nは1〜4の整数である)、(CH2nHet(ここで Het=ピリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イ ソキサゾリル、チアゾリルもしくはイソチアゾリルであり、nは1〜3の整数で ある)、および(CH2nSO3M(ここでM=NaもしくはKであり、nは1 〜4の整数である)よりなる群から選択され; R20およびR21は独立してH、F、フェニル、ナフチルおよびCn2n+1(こ こでnは1〜4の整数である)よりなる群から選択され、R20およびR21は好ま しくはFであり;さらにR13、R14、R15、R17およびR18は全て好ましくは低 級t−アルキルもしくはn−アルキル、特に好ましくはメチルもしくはエチルで あり、R16およびR19も低級t−アルキルもしくはn−アルキルとすることがで き、R1〜R21は上記置換基の任意のサブ群とすることができる]; (b) [式中、R22〜R25は低級n−アルキルまたはt−アルキル、好ましくはエチル および/またはt−ブチル/n−ブチルである]; (c) [式中、R26〜R29はHまたは低級t−アルキルもしくはn−アルキル、好まし くは低級n−アルキルであり、X=CHもしくはNまたはC置換(たとえばアル キル置換)、好ましくはCHであり;Yは=CHもしくはNまたはC置換(たと えばアルキル置換)、好ましくはCHである];または (d) [式中、R=低級t−アルキルもしくはn−アルキルまたはCNであり;W=低 級t−アルキルもしくはn−アルキルまたはCNであり;Y=低級t−アルキル もしくはn−アルキルまたはCH=CHCNであり;Z=低級t−アルキルもし くはn−アルキルまたはCH=CHCNである] を有する置換三環式化合物を包含する。 特に好適な化合物は化合物(b)、(c)もしくは(d)またはその任意の組 合せを包含する。 特に好適な具体例は式 および [式中、Xは低級アルキルもしくはスルホネート(または医薬上許容しうる硫酸 塩)であり、より好ましくは低級t−アルキルもしくはn−アルキルであり、Y は低級アルキル、より好ましくは低級t−アルキルもしくはn−アルキル、たと えばメチル、エチル、プロピルもしくはブチルである] を包含する。 本発明の方法に使用しうる他の化合物の例は、ここに引用する米国特許出願第 07/513,059号に既に開示されたものである: 本発明の方法を用いて、化合物を標的組織中へ或いはその近くに導入すること により細胞毒性障害を標的組織に誘発させる。化合物を投与した後、標的組織を この標的組織に障害を生ぜしめるのに充分な量の充分な波長を 有する光に充分な時間にわたり露出させる。化合物を全身的(たとえば静脈)投 与、標的組織中への局部注射または標的組織への局部塗布により患者に投与する こともできる。標的組織をたとえばレーザー、太陽灯または光学繊維照明装置、 たとえばエンドスコープに露出することができる。 本発明のこれらおよび他の目的、特徴および利点につき以下の実施例を参照し て詳細に説明する。図面の簡単な説明 第1図は、本発明の数種の化合物(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7,8 −ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−−インダセンおよび4,4 −ジフルオロ−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジ アザ−−インダセン−2,6−ジスルホン酸一水塩の二ナトリウム塩)につき 従来公知のレーザー染料(ローダミン6Gおよびクマリン545)と対比したエ ネルギーの関数としてのレーザーエネルギー出力のグラフである。 第2図は、エタノール中に溶解した本発明による化合物(4,4−ジフルオロ −1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−−イ ンダセン)の吸光および蛍光スペクトルを示すグラフである。 第3図は、細胞を本発明の化合物で処理すると共に光に露出した後のインビト ロにおけるヒト卵巣腫瘍細胞の成長抑制%を示す棒グラフである。好適実施例の詳細な説明 本発明によれば改良化合物および組成物が開示され、これらは各種の用途を有 する。これらは特にレーザー系における染料媒体として並びに光力学療法技術に おける光化学剤として有用である。染料レーザー系において、多くの化合物は現 在入手しうるクマリンおよびローダミン系の組成物を含む染料よりも優秀な出力 、光安定性および溶解性を有する。光力学療法技術に用いる場合、これらは標的 組織を破壊するのに極めて効果的である。 ここに記載する1群の組成物の基本的な化学三環式構造は次の通りである: [式中、好適置換基は発明の要点に示した通りである]これら化合物の数種の特 定例を実施例I〜IIIに示す。実施例I この実施例において、上記した三環式構造は次の置換パターンを有する: R1 〜R5 =C R13〜R15=CH3 6 =R8 =N R7 =B R17〜R18=CH3 9 〜R12=C R16=R19=H R20〜R21=F (4,4−ジフルオロ−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a, 4a−ジアザ−−インダセン)。 この物質を作成するため、2,4−ジメチルピロール(2g、0.021モル )を新たに蒸留された塩化アセチル(18mL)を滴下して合した。この初期反 応およびその中間生成物を以下に示す: 上記反応は発熱性であり、暗赤色を有する化学混合物を生成した。次いで混合 物を約2時間にわたり加熱還流させ、次いで蒸留すると共に過剰の塩化アセチル を除去した。残留物をペンタンで処理し、約10分間にわたり 室温で攪拌し、ペンタンをデカントした。残留物をペンタン(約50mL)で約 1時間にわたり粉磨した。黒色の微細な固体を除去し、約10mLのペンタンで 洗浄し、空気中で乾燥させ、次いでデシケータにて減圧下に約2時間にわたり乾 燥した。上記反応の中間生成物(ペンタメチルピロメテン塩酸塩)であるこの物 質は約2.5gであり、180〜182℃の融点を有した。 次いでペンタメチルピロメテン塩酸塩(2.5g0.01モル)を350mL のベンゼンに溶解させた。次いでトリエチルアミン(9.6g、0.095モル )を溶解されたペンタメチルピロメテン塩酸塩に添加し、混合物を室温にて約1 0分間攪拌した。これら物質を含有する反応フラスコを次いで窒素によりパージ した。三弗化硼素エーテル化物(16mL、0.13N)を5分間かけて滴下し た。この混合物を約20分間にわたり加熱還流させ、室温まで冷却し、100m Lづつの水で3回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムにより脱水した。褐赤色の固 体生成物を、60:40のベンゼン/ペンタンで溶出させるシリカ上でのフラッ シュカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより緑黄色の蛍光性フラ クションが得られ、次いでこれを合して赤橙色固体(2.1g)まで濃縮した。 固体を酢酸エチルから再結晶化させて1.7gの生成物(4,4−ジフルオロ− 1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−−イン ダセン[C141722]、m.p. =255〜257℃)を得た。この生成物をペンタメチルピロメテン塩酸塩から 製造すべく用いた製造工程の要約式を次の反応で示す: 上記手順は69%の生成物収率を与えた。レーザー染料としての生成物の使用 に関し、これは約532〜565nmのレーザー波長範囲にて9.5kVのレー ザー域値を有する。このデータは、250mLのメタノールに溶解された60m g量の生成物を用いフェースRカンパニー社、ニュー・デュルハム、ニューハン プシャー州(モデルD−1100型)による10mmのフラッシュランプD−1 100染料レーザーにて得られた。 第2図は、エタノールに溶解した実施例Iの化合物(PMP−BF2と称する )の吸収(S−S)および蛍光(FL)スペクトルを示す。T−T吸収スペクト ルは、2−メチルテトラヒドロフランを溶剤とする1×10-4モル溶液を用い7 7Kにて記録した。 さらに、各種の溶剤における溶解性/蛍光性を測定すべく、生成物につき試験 を行った。ここに記載した組成物の1つの性質は、これらを組合せた溶剤に対す る溶解性/蛍光性の可変度を含む。実施例Iの生成物と組合せ た各種の異なる溶剤を示すデータを第I表に示す; さらに、実施例Iの生成物の光安定性を測定すべく実験を行った。0.1gの 生成物を50mLのジクロメタン溶剤と混合して溶液を作成した。この溶液を1 00mLの丸底フラスコに入れ、太陽灯(フラスコから約8インチの距離にて2 50ワット)から光を照射した。蛍光性の可視変化が22日間にわたり観察され なかった。しかしながら、250mLのCH3OHにおける0.1gの生成物と 10mLのCH2Cl2とを組合せて他の溶液を作成した。CH2Cl2の添加によ り完全な溶解を得た。この溶液を250mLの丸底フラスコに入れ、上記と同様 に照射した。8日間の後、蛍光は観察されなかった。したがって、異なる溶剤の 使用は蛍光の特性および持続期間の両者に変化をもたらす。実施例II この実施例において、上記の三環式構造は実施例Iにおけると同じ置換を有す るが、ただしR16=R19=SO3 -2(SO3Naとして)である。 (4,4−ジフルオロ−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a, 4a−ジアザ−−インダセン−2,6−ジスルホン酸一水塩の二ナトリウム塩 ) この化合物を作成するため、0.5g(0.002モル)の(4,4−ジフル オロ−1,3,5,7,8−ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ− −インダセン(実施例Iに上記したと同様に作成)を20mLの塩化メチレンと 合した。これら物質の混合物(−10℃に維持)を、注射器により滴下したクロ ルスルホン酸(0.24mL、0.004モル)の溶液と合した。この混合物を −10℃にて約0.5時間にわたり攪拌し、1時間かけて室温にした。懸濁した 黄色固体を濾過により単離し、75mLの水に溶解させ、この溶液を重炭酸ナト リウム(0.30g)で中和した。その後、重炭酸ナトリウムを発泡が停止する まで連続的に添加した。この水溶液をその初期容積の約1/4まで濃縮した。約 15mLのエタノールを添加した後、黄色沈殿物が出現し、これを単離すると共 に減圧下にデシケータで乾燥させた。約0.66gの重量を有する沈殿物は約2 60℃の融点を有し、最終生成物(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7,8− ペンタメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2,6−ジス ルホン酸一水塩のナトリウム塩[C1415BF2262Na2・H2O])を示 した。この生成物の製造につき以下の基本的反応で示す: レーザー染料としての使用に関し、生成物は545〜585nmのレーザー波 長範囲にて10kVのレーザー域値を有した。このデータは、230mLのH2 Oに溶解した60mg量の生成物を用いフェース−Rカンパニー社により製作さ れた10mmフラッシュランプ染料レーザー(モデルD−1100型)にて得ら れた。 実施例Iにおけると同様に、実施例IIにおける生成物についても試験を行っ て各種の溶剤における蛍光性を測定した。各種の異なる溶剤を実施例IIの生成 物と組合せて示すデータを第II表に示す。 さらに、生成物の光安定性を測定すべく試験を行った。特に、100mLの丸 底フラスコにおける2.0mgの生成物を50mLのH2Oに溶解させた。次い で溶液には、フラスコから約8インチに設置した250ワットの太陽灯からの光 を照射した。UVスペクトルデータを定期的に記録し、これを第III表に示す 。 実施例IおよびIIに上記した2種の化合物の他に、次の化合物も好適な化合 物である。実施例III この実施例の三環式構造は次の置換パターンを有する: R1=C R12=CH R2=C R13=CH3 R3=C R14=CH2CH3 R4=C R15=CH3 R5=C R16=H R5=C R16=H R6=N R17=CH3 R7=B R18=CH3 R8=N R19=H R9=C R20=F R10=C R21=F R11=C (4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−8−エチル−4−ボラ −3a,4a−ジアザ−s−インダセン) 下記の第IV表は、従来公知の化合物(ローダミン590)と対比した実施例 I、IIおよびIIIの化合物の基本的特性を要約する。 さらに、第1図はレーザー出力E(ミリジュールとして)をエタノールに溶解 された実施例Iの化合物(PMP−BF2と称する)の1.5×10-4モル溶液 、エタノールに溶解されたクマリン545の2×10-4モル溶液、エタノールに 溶解されたローダミン6Gの2×10-4 モル溶液およびエタノールに溶解された実施例IIの化合物(PMP−BF2 −スルホネートと称する)の2×10-4モル溶液の入力エネルギーE(ジュール として)の関数として示す。実施例IV モード固定したコヒーデレト・アンタレスNd:YAGレーザーによる同期的 ポンピングの下で、染料1,3,5,7,8−ペンタメチル−2,6−ジエチル ピロメテン−BF2−錯体(PMDEP−BF2)は、R−6Gから得られた出力 効率の2倍の効果を与えた。PMDEP−BF2は500W−hrsの光安定性 寿命を示した。 カンデラLFRDL20リニア フラッシュランプ染料レーザーにおける同様 な試験の結果は、染料PMDEP−BF2がR−6Gの出力効率の173%を有 することを示した。同様に、1,3,5,7,8−ペンタメチルピロメテン−2 ,6−ジスルホン酸−BF2錯体(PMPDS−BF2)の二ナトリウム塩は、2 μ秒のパルス幅および立上時間0.7μ秒にて、フラッシュランプ励起によりカ ンデラLFDL−8レーザーでR−6Gか ら得られた出力効率の145%を示した。 アルゴンイオンポンプレーザー(5ワットの全ライン457.9〜514.5 nm)での連続波(CW)操作にて、PMPDS−BF2は45%の出力効率を 示すと共にPMDEP−BF2は37%を示したのに対し、R−6Gは32%の 出力を示した。 フラッシュランプの励起パルスの下で、PMPDS−BF2のメタノール中の 光安定性(9000パルス)はR−6Gの安定性(1500パルス)よりも6倍 大であった。 工学試験において、アクリルコポリマーに均一分散されたP−BF2染料は優 秀な「固相」レーザーであることが判明し、レーザー染料に特性的な調節性の特 殊な特徴を有することが判明した。ポリマーマトリックス(5部のメタクリル酸 メチルおよび1部のアクリル酸ヒドロキシルプロピル)におけるPMDEP−B F2(10-4M)は88%の出力効率を示した。同様な処理下でのR−6Gは不 満足な性能を示し、測定しなかった。スルホローダミン−Bは37%の効率を示 した。同様な試験は、他のP−BF2染料が同等であり或いは効率的にPMDE P−BF2より優れることを示した。PMDEP−BF2およびPMPDSは特に ポリマーマトリックスに可溶性であることが判明した。 ポリマーマトリックスは、ここに引用する米国特許第5,136,005号に 開示されている。本発明のレー ザー染料は、引用した米国特許の全ゆる実施例における染料と代替することがで きる。マトリックスは一般に、アクリル酸エステルコモノマーのバルク重合によ り作成された固体の高分子ホストレーザーロッドを包含する。ポリマーをレーザ ー振動を支援しうる染料と混合すると共に緩和な熱条件下で遊離基開始剤と重合 させれば、効率的なレーザー特性を有する固体生成物が得られる。本発明による 数種の染料はこれらポリマーマトリックスに対する優秀な溶解性を示すことが判 明し、これはレーザー作用の効率を増大させる。 P−BF2発色団の典型的な測定において、染料PMPDS−BF2のトリプレ ット−トリプレット(T−T)吸収のみが蛍光スペクトル領域にて可能であった (σT〜3×10-3)。 これらの結果は、P−BF2染料を範囲520〜600nmにおける調整可能 なレーザー活性が要求される任意の状況にて極めて適する性能にした。レーザー活性 300〜1300nmのスペクトル範囲において、2群の染料分子は特にレー ザー染料活性を示すことが認められた。融合した線状6,6,6−三環式環系の 群は染料ローダミン6G(R−6G)(1)を含む。 このレーザー染料は、その発見時点で公知のフラッシュランプポンピングからの 最高の出力効率を有した。他の群において、シアニン染料(2)は、より長い波 長(特に>800nm)にてレーザー活性を示す発光団の能力が認められた。 [式中、Rはたとえばアルキルのような置換基であり、Xは陰イオンであり、m =0もしくは1であり、n=0〜5である]。 各単位増加nを有する約100nmの深色団シフト、すなわち一塩基性塩にお ける2個の複素環核を接続する奇数の炭素鎖における共役エチレン単位の個数は 、広いスペクトル範囲にわたり吸収、蛍光およびレーザー活性の分布をもたらし た。構造3a(λlas541nm)および3b(λlas800nm)が典型的なシ アニン染料 である。 第I表および第II表は、以下の説明で検討する幾種かの化合物を例示する。 本発明は、第II表における化合物の任意の組合せ或いはその任意のサブ組合 せを包含する。 化合物7hおよび7iはそれぞれ置換基YおよびZとして4個の炭素架橋(C H24−を有する。化合物7jは置換基XおよびYとして3個の炭素架橋−(C H23−を有し、これは五員環を形成する(実施例VII参照)。 P−BF2分子7はシアン染料2(n=3)と平面状の融合三環式環系と構造 的特徴を独特に兼備し、線状5,6,5−三環式環系を有するレーザー染料を導 入している。原線状5,6,5−三環式アンチ芳香族(4n πe)炭化水素( s−インダセンC128)は赤色固体であるが、蛍光性であると記載されていな い。これに対し、原6,6,6−三環式芳香族(4n+2πe)炭化水素(アン トラセンC1410)はλf400nmを示した。 ピロメテン塩もn=3であるシアニン染料の構造的要求に合致するが、この種 の塩は弱い蛍光性であった。たとえば3,3′,5,5′−テトラメチル−4, 4′−ジエチルピロメテン臭化水素酸塩9(第III表)はφf4.3×10-4 を示した。 たとえば1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチルピロメテン−B(C H2CH32錯体10(φf0.31)および対応のBF2錯体11(φ10.8 1) のような硼素錯体への変換は、蛍光量子収量を1000倍も上昇させた。さらに 、レーザー活性550〜570nmはP−BF27の特徴的性質となった。この 性質はP−BF2化合物を架橋シアニン染料(n=3)として定性、線状シアニ ン染料3b(n=3)につき観察されたλlas800nmから200nmにわた り浅深シフトの格別の特徴を示した。 第II表における化合物の一般的な合成方式を、第I表における化合物を参照 して以下に説明する。 アミノアセト酢酸エチル(その場で合成)と3−アルキル−2,4−ペンタン ジオンとの間のクノール環化を、アルキルピロール−2−カルボン酸エチル誘導 体4b〜f,iの製造につき選択した。3,5−ジメチル−4−t−ブチルピロ ール−2−カルボン酸エチル4gを3,5−ジメチルピロール−2−カルボン酸 エチルから酢酸t−ブチルでのアルキル化にて合成した。ピロール−2−カルボ ン酸エチルへのN−(3−オキソ−1−アルケニル)アミノ酢酸エチルのクネー ベナーゲル縮合の改変にて、グリシンエチルエステルとα−アセチルシクロペン タノンとの間の縮合により得られた未単離のエナミン13(第IV表)の塩基触 媒環化により3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピ ロールカルボン酸エチル4jを得た。 燐酸での処理によるα−未置換ピロールへのα−ピロールカルボン酸エステルの 変換はピロール5bの便利な製造法を与え、これを2,4−ジメチルピロール5 aの3−n−プロピル、3−n−ブチルおよび3−イソプロピル誘導体5d−f に拡大した。同様な変換により3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロイン ドール5iをその2−カルボン酸エステル誘導体4iから得た。この方法を2, 4−ジメチル−3−t−ブチルピロール5gの製造に拡大する試みは、カルボエ トキシ基およびt−ブチル基との両者の代わりに水素を加えて、2,4−ジメチ ルピロール5aを得ることに失敗した。ピロール5g、j、kは3,5−ジメチ ル−4−t−ブチルピロール−2−カルボン酸エチル4g、3−メチル−2,4 ,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロールカルボン酸エチル4jおよ び3,4−ジエチル−5−メチルピロール−2−カルボン酸エチル4kから水酸 化カリウムでの鹸化に続く180℃におけるエタノールアミン中 での遊離酸の脱カルボキシル化により得られた。ピロメテン−BF2錯体(P−BF2)の合成 塩化アシルでの処理は、ピロール5(第I表)を不安定かつ一般に未単離のピ ロメテン塩酸塩6を介しP−BF27(第II表)まで変換させた。クリプトピ ロール5cおよび塩化アセチルは、単離されたが不安定な3,5,3′,5′, 6−ペンタメチル−2,6−ジエチルピロメテン塩酸塩6cを与えた。次いで三 弗化硼素エーテル化物での処理による単離なしの不安定な中間体6cからPMD EP−BF27cへの変換が好適であり、他のピロールからP−BF2への変換の 一般的方法につき基礎となることが確認された。3置換基(n−プロピル5d、 n−ブチル5e、イソプロピル5f、t−ブチル5g、フェニル51およびアセ タミド5m)による2,4−ジメチルピロールの誘導化は1,3,5,7,8− ペンタメチルピロメテン−BF2錯体(PMP−BF2)7aの対応の2,6−二 置換誘導体7d−g、l、mを与えた。塩化アセチルでの同様な処理はテトラヒ ドロインドール5h、3−メチルテトラヒドロインドール5i、3−メチル−2 ,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール5jおよび3,4−ジ エチル−5−メチルピロール5kを2,3,6,7−ビステトラメチレン−8− メチルピロメテン−BF2錯体7h、その1,7−ジメチル誘導体7i、1,2 ,6,7−ビストリメチレン−3,5,8−トリメチルピロメテン−BF2錯 体7j、および1,2,6,7−テトラエチル−3,5,8−トリメチルピロメ テン−BF2錯体7kまで変換させると共に、2,3−ジメチル−4−メトキシ ピロール5nを1,7−ジメトキシ−2,3,5,6,8−ペンタメチルピロメ テン−BF2錯体7nまで変換させた。 クリプトピロール5cは塩化プロピオニル、塩化イソブチリル、塩化シクロヘ キサンカルボニル、塩化アセトキシアセチルおよび塩化p−ジメチルアミノベン ゾイルと縮合して1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチルピロメテン −BF2錯体の8−エチル、8−イソプロピル、8−シクロヘキシル、8−アセ トキシメチルおよび8−ジメチルアミノフェニル誘導体7o〜sを生成した。こ の方法の簡単な拡大は、特性化されないピロメテン塩酸塩6tの中間体を介する 1,3,5,7−テトラメチル−8−p−メトキシフェニルピロメテン−BF2 錯体7tを得るための2,4−ジメチルピロール5aと塩化p−アニソイルとの 間の反応に見られた。2−トリフルオロアセチル−3,5−ジメチルピロール1 2を8−トリフルオロメチルピロメテン−BF2錯体の誘導体まで変換させる試 みは不成功であった。 蟻酸中での臭化水素酸による処理はα−ピロールカルボン酸エステル4からα −未置換ピロール5の予想の中間体を介しピロメテン臭化水素酸塩6への変換を もたらした後、その場で生成したホルミル誘導体と縮合させた。かくしてエステ ル4k、o、pはそれぞれピロメテン塩 6y、6uおよび6vを与えた。三弗化硼素エーテル化物での簡単な処理はこれ ら粗製のピロメテン臭化水素酸塩を1,2,6,7−テトラエチル−3,5−ジ メチルピロメテン−BF2錯体7yおよび1,7−ジフェニル−2,6−ジエチ ル−3,5−ジメチル、並びに1,2,6,7−テトラフェニル−3,5−ジメ チルピロメテン−BF2誘導体7u、vまで変換させた。 同様な処理は3,3′−ジフェニル−4,4′−ジアセチル−5,5′−ジメ チルピロメテン臭化水素酸塩14(3−フェニル−4−アセチル−5−メチルピ ロール−2−カルボン酸エチル4qから)を初期脱アセチル化の後に1,7−ジ フェニル−3,5−ジメチルピロメテン−BF2錯体7wまで変換させた。ピロ ールカルボン酸エステル4gからの恐らく未単離のピロメテン臭化水素酸塩中間 体6xは1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジ−t−ブチルピロメテン− BF2錯体7xまで変換された。 ピロメテン臭化水素酸塩9へのシアン化水素の付加は恐らく3,5,3′,5 ′−テトラメチル−4,4′−ジエチル−6−シアノピロメタン15を生成させ た。臭素による脱水素化に続く三弗化硼素エーテル化物での処理は、ピロメタン 15を対応のピロメテン臭化水素酸塩6bbを介し1,3,5,7−テトラメチ ル−2,6−ジエチル−8−シアノピロメテン−BF2錯体7bbまで変換させ た。レーザー活性 PMP−BF27aの誘導体7b〜gにおける2,6−ジアルキル置換基の同 様な対における改変を行って、どの染料がレーザー活性にてPMDFP−BF2 7cに対し競合性であるかを示した。同様な2,6−二置換基の対が水素からメ チル、エチル、n−プロピル、n−ブチルおよびイソプロピルまで7a〜fにて 変化した際、電子吸収はλmax493nmから517±1nmまでほぼ一定のl og ε4.8+0.1にて移行した。顕著に大きい深色団シフトが2,6−ジ −t−ブチル誘導体7gにつきλmax525、log ε4.83をもたらした (第I表)。 レーザー活性λlasはPMP−BF27aにつき542nmにて、およびPMD EP−BF27cにつき570nmにて既に報告されている[シャー等、ヘテロ アトム・ケミストリー、第1巻、第389頁(1990)]。同様な活性が57 3、578、580および577nmにて2,6−ジメチル、2,6−ジ−n− プロピル、2,6−ジ−n−ブチルおよび2,6−ジイソプロピル誘導体7b、 d〜f、並びに597nmにて2,6−ジ−t−ブチル誘導体7gにも見られた 。レーザー活性に寄与する因子を部分的に検討して、これら7種の染料はそれぞ れ高い吸光係数log ε4.8〜4.9および高い蛍光量子収量φf0.67 〜0.99を示した。PMP−BF27a、PMDEP−BF27cおよび2,6 − ジ−n−ブチル誘導体7eは、レーザー活性RE(RE100がローダミン6g に任意に付与された出力における相対効率である)における他の4種の2,6− ジアルキル誘導体よりも優秀であった。 データは、2,6−ジ−nアルキル置換基が奇数の炭素原子を有する場合7b 、d(RE65、85)または0および偶数の炭素原子を持つ場合7a、c、e 、RE≧100、REの変化を示した(第VI表)。ビステトラメチレン染料7 h、iおよびビストリメチレン染料7jはほぼ同一のλmaxを高い吸光係数lo g ε>4.8で示すと共に、強力な蛍光性φf≧0.8を有するが、これらは レーザー活性にて顕著に相違し、ビステトラメチレン染料につきRE≧75であ る一方、ビストリメチレン染料につきRE20であった(第VI表)。染料7j の構造をX線結晶学分析により確認して、無視しうるストレインを有する発色団 平面性を有することが確認された。したがって化合物7は、Yが偶数の炭素(特 に2個もしくは4個の炭素)を有するn−アルキルもしくはt−アルキルである 場合に好適である。 1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジアルキルピロメテン−BF2錯体 構造における8−位置のアルキルおよび他の置換基の作用を検査した。8−位置 に置換基を欠如した例(7z、x、y)は、対応の過アルキル化構造(7b、g 、k)と対比して、吸収における僅かな深色団シフトと蛍光性に対する不正確な 作用とレーザ ー活性REにおける顕著な低下とを示した(第VI表)。恐らく、1,3,5, 7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−イソプロピルピロメテン−BF2錯 体7pに関する非平面性はイソプロピル基と1,7−ジメチル置換基との間の立 体相互作用によって生じ、蛍光性における大きい低下とレーザー活性の喪失とを 与えた。同様な立体作用は、1,3,5,7−イトラメチル−2,6,8−トリ エチルピロメテン−BF2錯体7o(φ0.84)における8−エチル置換基を 8−シクロヘキシルで置換して導入することにより、蛍光量子収量をφ0.23 まで低下させると共に染料1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル− 8−シクロヘキシルピロメテン−BF2錯体7qにつきレーザー活性を示さなか った。シアノ置換基を有するレーザー染料は異常であるので、1,3,5,7− テトラメチル−8−シアノピロメテン−2,6−ジカルボン酸ジエチル−BF2 錯体7aaおよび1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−シア ノピロメテン−BF2錯体7bbにおけるレーザー活性は極めて関心が高かった 。4種のシアノ置換レーザー染料はマエダによりレーザー・ダイ、アカデミック ・プレス社、東京、日本国(1984)、第19〜21頁に挙げられている。 P−BF2染料の2,6−位置における同様な官能基(極性)置換基の対はR Eにて間違った結果をもたらした。蛍光性およびレーザー活性はニトロ置換基に よりP −BF2染料にて減少すると共に、ブロモ置換基により消滅した。1,3,5, 7,8−ペンタメチルピロメテン−2,6−ジスルホン酸−BF2錯体の金属お よびアンモニウム塩16(第V表)はRE95にて極めて強力な染料であったが 、1,3,5,7−テトラメチル−8−エチルピロメテン−2,6−ジスルホン 酸−BF2錯体のナトリウム塩17はRE50を示した。さらにジスルホン酸エ ステル18につき低い数値RE35、ジカルボン酸エステル19につきRE50 、2,6−ジアセタミド誘導体7mにつきRE5および2,6−ジフェニル誘導 体71につきRE20が得られた。1,7−ジメトキシ−2,3,5,6,8− ペンタメチルピロメテン−BF2錯体7nの1例(RE30)は、レーザー活性 が1,7−位置における電子供与置換基により減少することを示唆した。染料7 1、7uおよび7wにおける1−および2−位置へのフェニル置換基の導入から 生じた低いレーザー活性およびレーザー活性の不存在が1,2,6,7−テトラ フェニル−3,5−ジメチルピロメテン−BF2錯体7vにつき認められた。 分光分析測定 分光分析測定につき次の装置を用いた:パーキン・エルマー 1600FTI R、バリアン・ゲルニーニ 300NMR、ヒューレット・パッカード5985 (70eV)GC−MS、ケリー17(UV)およびパーキン・エルマーLS− 5Bルミネセンス分光光度計染料レーザーを作成すると共に非流動(静的)モー ドで操作し、調整能力を持たなかった。染料セル(直径2.5mm)長さ50m m)は僅かの偏心度を有する楕円孔形状を有した。フラッシュランプEG&Gモ デルFX 139C−2は200nsの立上時間と、600nsの半幅長さと、 6.32kVにて2J、10.00kVにて5J、12.00kVにて7.2J および14.14kVにて10Jの入力エネルギーとを有するパルスを発生した 。レーザーエネルギー出力は、サイエンテク365型出力エネルギー計により± 5%の精度で測定した。 染料7に関する吸光度、発光性およびレーザー活性の 特性を第VI表に示す。それぞれ記録されたUV吸収は最高波長に制限された。 染料の蛍光量子収量は450および460nmに励起を有するエタノール溶液に つきアクリジンオレンジ(エタノール中φ0.46)を基準として測定した。染 料7pについては、基準をR−6G(<P 0.90)とした。第VII表はレ ーザー染料7につき収率、mp、H1NMRおよび元素分析を示す。融点はMe I−TempII装置によって得ると共に、未修正とした。H1NMRスペクト ルのための溶剤はクロロホルム−dとし、テトラメチルシランを内部標準とした 。元素分析はミッドウェスト・マイクロ・ラボラトリース社、インジアナポリス 、インジアナ州およびガルブレイス・ラボラトリース・インコーポレーション社 、ノックスビル、テネシー州から得た。溶剤は特記しない限り減圧下での回転蒸 発により除去した。カラムクロマトグラフィーはシリカゲルにて行った。分子量 はEI−MSにより確認し、ピロール4jにつき193であり、レーザー染料7 dにつき346であり、7eにつき374であり、7gにつき374であり、7 iにつき342であり、7jにつき314であり、7xにつき360であった。 IR吸収データは、レーザー染料7につき構造特性を充分裏付けた。 脚註 [a]:特記しない限りエタノール中5×10-6M; [b]特記しない限りエタノール中2×10-4M; [c]R−6Gに与えられた相対効率100; [d]Ref[2]; [e]トリフルオロエタノール 中5×10-6M; [f]トリフルオロエタノール中2×10-4M; [g]R6Gのφ0.90を基準とする(K.H.ドレキセージ、J.Res・ Nat.Bur・Std.(1976)、第80A巻、第421頁); [h]レーザー活性は検出せず; [i]P−ジオキサン中2×10-4M; [j]フェース・RDL、すなわちDL−5Yコアクシャルフラッシュランプに より1100染料レーザーから入手; [k]REは決定せず。 他の材料 市販入手しうるピロールは3,5−ジメチルピロール−2−カルボン酸エチル 4a、3,4−ジエチル−5−メチルピロール−2−カルボン酸エチル4k、2 ,4−ジメチル−3−エチルピロール5c(クリプトピロール)および4,5, 6,7−テトラヒドロインドール5hを包含する。 以下のピロールおよびピロメテン誘導体は引用した方法により作成した:3, 5−ジメチル−4−エチルピロール−2−カルボン酸エチル4c[クラインスペ ーン、ジャーナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第77巻、第1546 頁(1955)];3,4−ジエチル−5−メチルピロール−2−カルボン酸エ チル4k[ワングおよびチャング、シンセシス、第548頁(1979)];3 −フエニル−4−エチル−5−メチルピロール−2−カルボン酸エチル4o[オ ゴシ等、テトラヘドロン・レタース、第24巻、第929頁(1983);ガイ およびジョーンズ、オーストラリアン・ジャール・ケミストリー、第19巻、第 1871頁(1966)];3,4−ジフェニル−5−メチルピロール−2−カ ルボン酸エチル4p[ガイおよびジョーンス(1966)];3−フェニル−4 −アセチル−5−メチルピロール−2−カルボン酸エチル4q[ガイおよびジョ ーンズ(1966)];2,4−ジメチルピロール5a[トライブスおよびシュ ルツ、リービッヒス・アナーレン・ヘミー、 第739巻、第222〜225頁(1970)];2,4−ジメチル−3−フェ ニルピロール51[ガイおよびジョーンズ(1966)];3−アセタミド−2 ,4−ジメチルピロール5m[ザビアロフ等・Izv.Akad.Nauk.S er.Khim、第1906頁(1973)];3−メトキシ−4,5−ジメチ ルピロール5n[バイエル、リービッヒス・アナーレン・ヘミー、第736巻、 第1頁(1970)];1,2,3,5,6,7−ヘキサメチルピロメテン−B F2錯体7z[ボス・デ・ワエル、Recl.Trav.Chim.Pay−B as、第96巻、第306頁(1977)];1,3−5,7−テトラメチル− 8−シアノピロメテン−2,6−ジカルボン酸エチル−BF2錯体7aa[トラ イブスおよびクロイツアー、リービッヒス・アナーレン・ヘミー、第718巻、 第208頁(1968)];並びに3,5,3′,5′−テトラメチル−4,4 ′−ジエチルピロメテン−臭化水素酸塩9[ジョンソン等、ジャーナル・ケミカ ル・ソサエティ、第3416頁(1959)]。3−n−プロピル−2,4−ペンタンジオン イオドプロパン(317g、1.87モル)と2,4−ペンタンジオン(14 6g、1.51モル)と無水炭酸カリウム(200g)との乾燥アセトン(30 0mL)における混合物を60℃にて20時間加熱し、冷却し、石油エーテル( 300mL)と合し、次いで濾過した。 濾液を石油エーテルとアセトンとの混液(1:1、200mL)で洗浄した。溶 剤を除去して3−n−プロピル−2,4−ペンタンジオンを淡黄色油状物[53 g(25%)、bp.195℃(文献bp.73℃/11mm)]として得た。 同様な手順にて、(a)イオドブタンおよび2,4−ペンタンジオンは3−n− ブチル−2,4−ペンタンジオンを淡黄色油状物[28%、bp.208℃(文 献bp.104〜106℃/20mm)]として与え、さらに(b)沃化イソプ ロピルおよび2,4−ペンタンジオンは3−イソプロピル−2,4−ペンタンジ オンを淡黄色油状物[40%、bp.182℃(文献bp.94℃/45mm) ]として与えた。3,5−ジメチル−4−n−プロピルピロール−2−カルボン酸エチル 水(100mL)における亜硝酸ナトリウム(28.2g、0.41モル)の 溶液を酢酸におけるアセト酢酸エチル(49.4g、0.38モル)の攪拌冷溶 液に、温度を15℃未満に保ちながら添加した。溶液を撹拌すると共に25℃に て1晩貯蔵した後、3−n−プロピル−2,4−ペンタンジオン(53.7g、 0.38モル)と亜鉛(53g)とを順次に添加し、混合物を60℃にて1時間 貯蔵した。水での希釈は3,5−ジメチル−4−n−プロピルピロール−2−カ ルボン酸エチル4dを黄色固体[22.4g(29%)、mp.98〜99℃( 文献mp 99〜99.5℃)]として沈澱させ、エ タノールから再結晶化させた。 この手順を、(a)3−n−ブチル−2,4−ペンタンジオンから3,5−ジメ チル−4−n−ブチルピロール−2−カルボン酸エチル、すなわち黄色固体[3 2%、mp99〜100℃)(文献mp.99℃)] への変換;(b)3−イソプロピル−2,4−ペンタンジオンから3,5−ジメ チル−4−イソプロピルピロール−2−カルボン酸エチル[20%、mp 10 4〜106℃(文献mp 105〜106.5℃]への変換、さらに(c)2− アセチルシクロヘキサノンから3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロイン ドール−2−カルボン酸エチル4i[50%、mp 111〜113℃)(文献 mp 110℃)] への変換に拡大した。3,5−ジメチル−4−t−ブチルピロール−2−カルボン酸エチル4g 酢酸(5.0mL)と硫酸(1.2mL)と3,5− ジメチルピロール−2−カルボン酸エチル5a(5.0g、0.03モル)と酢 酸t−ブチル(3.5g、0.03モル)との溶液を75℃にて2時間加熱し、 氷水(100mL)中で炭酸ナトリウム(8g)と合して、3,5−ジメチル− 4−t−ブチルピロール−2−カルボン酸エチル4gを無色固体として沈澱させ た。mp108〜110℃(文献 107〜109℃)、3.1g(47%); 3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ−[c]ピロールカル ボン酸エチル4j N−(3−オキソ−1−アルケニル)グリシンエステルを介するピロールの合 成手順をホムブレッヒャーおよびホルター、シンセシス、第389頁(1990 )から採用した。アミノ酢酸エチル塩酸塩(28g、0.20モル)とトリエチ ルアミン(20.1g、0.20モル)とを、エタノール(400mL)におけ る2−アセチルシクロペンタノン(25.0g、0.20モル)の溶液に添加し た。この溶液を室温にて15時間攪拌し、次いで濃縮した。残留物を水(250 mL)と合し、塩化メチレン(4×100mL)で抽出した。抽出物を合して水 (100mL)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、次いで濃縮して淡褐色油 状物を得た。この油状物を50 ℃にて攪拌しながら無水エタノール(400mL)におけるナトリウムエトキシ ド(14g、0.20モル)の溶液に添加した。混合物を80℃にて3時間加熱 し、水(500mL)中に注ぎ入れて淡黄色固体を沈澱させた。エタノールから の再結晶化により3−メチル−2,4−5,6−テトラヒドロシクロペンター[ c]ピロールカルボン酸エチル4j(9.1g、24%)を淡黄色固体として得 た(mp166〜167℃); 分析: C1115NO2の計算値:C、68.39;H、7.77; N、7.25 実測値:C、68.40;H、7.85; N、7.152−トリフルオロアセチル−3,5−ジメチルピロール12 無水トリフルオロ酢酸(15.8g、75ミリモル)をベンゼン(140mL )における2,4−ジメチルピロール5a(9.6g、50ミリモル)の溶液に 攪拌しながら0℃にて滴下した。混合物を0℃に3時間貯蔵し、水(25mL) で洗浄した。有機層を分離して脱水し(硫酸マグネシウム)、濃縮し、次いでク ロマトグラフ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル、3/1)にかけ て、2−トルフルオロアセチル−3,5−ジメチルピロール12を無色固体とし て得た。mp 80℃、10.6g(55%); 分析: C88NOF3の計算値:C、50.26 ;H、4.18; N、7.32;F、29.84 実測値:C、50.27 ;H、4.28; N、7.16 ;F、29.92ピロール−2−カルボン酸エチルからα−未置換ピロールへの変換に関する燐酸 法。2,4−ジメチル−3−イソプロピルピロール5f 3,5−ジメチル−4−イソプロピルピロール−2−カルボン酸エチル4f( 8.4g、40ミリモル)を100℃での溶融物として燐酸(85%、20mL )で処理した。この混合物を160℃にて30分間攪拌し、次いで水酸化ナトリ ウム水溶液(200mL)200ミリモル)と合した。蒸留により175mLを 得、これをジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。有機層を脱水し( 硫酸マグネシウム)、次いで濃縮して暗褐色油状物を得た。蒸留して2,4−ジ メチル−3−イソプロピルピロール5fを無色油状物[1.6g、30%)、b p 65〜66℃(10mm)]として得た。 分析: C915Nの計算値:C、78.83;H、10.94; N、10.21 実測値:C、78.69;H、10.87; N、10.12 燐酸との同様な反応にて次の化合物を得た: (a)3,5−ジメチル−4−n−プロピルピロール−2−カルボン酸エチル4 dから2,4−ジメチル−3−n−プロピルピロール5dへの変換(半固体とし て54%)(文献、[32]mp 13.5℃)、 (b)3,5−ジメチル−4−n−ブチルピロール−2−カルボン酸エチル4e から2,4−ジメチル−3−n−ブチルピロール5eへの油状物48%としての 変換。 ;並びに(c)3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール−2−カ ルボン酸エチル4iから3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインドール 5iへ の変換[53%、mp55〜57℃、(文献、58℃)] 2,4−ジメチル−3−t−ブチルピロール5g ピロール−3−カルボン酸の誘導体の脱カルボキシル化につき報告された手順 をクルー、ジャーナル・オーガニック・ケミストリー、第19巻、第266頁( 1954)から採用した。3,5−ジメチル−4−t−ブチルピロール−2−カ ルボン酸エチル4g(3.0g、0.01モル)と水酸化カリウム(6.0g、 0.11モル)とのエタノール(50mL)における溶液を80℃にて4時間加 熱し、氷水(200mL)と合し、酢酸の添加により弱酸性にして粗製3,5− ジメチル−4−t−ブチルピロール−2−カルボン酸4(W=CH3X=C(C H33、R=CO2Hを沈澱させた。この粗製の酸をエタノールアミン(5g) と合し、180℃にて1時間加熱し、次いで氷水(100mL)で希釈して2, 4−ジメチル−3−t−ブチルピロール5gを無色固体として24時間にわたる 減圧乾燥の後に得た[1.6g(79%)、mp 70〜71℃(文献69〜7 1℃)]; 燐酸法により、ピロールエステル4gを2,4−ジメチ ルピロール5aまで変換させた。3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール5j 3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロールカル ボン酸エチル4j(9.1g、0.04モル)と水酸化カリウム(26g、0. 47モル)とのエタノール(200mL)における溶液を80℃にて4時間加熱 し、次いで濃縮した。残留物を氷水(400mL)と合し、酢酸の添加により弱 酸性にして粗製3−メチル−2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c] ピロールカルボン酸を沈澱させた。この粗製の酸をエタノールアミン(5g)と 合し、180℃にて1時間加熱し、次いで氷水(100mL)で希釈した。塩化 メチレン(3×100mL)による抽出に続き溶剤を除去すると共に残留油状物 を蒸留(bp 110〜111℃(20mm))して3−メチル−2,4,5, 6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール5j[3.6g(64%)]無色 油状物として得た。 分析: C811Nの計算値:C、79.34;H、9.09; N、11.59 実測値:C、79.12;H、9.29; N、11.602,6−ジ−n−プロピル−1,3,5,7,8−ペンタメチルピロメテン−B 2錯体7d 塩化アセチル(8.0mL、0.11モル)をジクロルメタン(5mL)にお ける2,4−ジメチル−3−n−プロピルピロール5d(7.0g、0.05モ ル)の溶液に5分間かけて滴下した。この反応混合物を40℃にて1時間加熱し 、25℃まで冷却し、ヘキサン(250mL)で希釈し、粉磨し、次いでデカン トした。粗製3,5,3′,5′,6−ペンタメチル−2,6−ジ−プロピルピ ロールメテン塩酸塩6dであると思われる残留物をさらに精製せずにエチルジイ ソプロピルアミン(45g)(トリエチルアミンも有効である)にてトルエン( 300mL)中で処理し、15分間攪拌した。三弗化硼素エーテル化物(40. 8mL、0.33モル)を攪拌しながら滴下した後、溶液を40℃にて1時間加 熱し、水(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、次いで濃縮して 暗褐色固体を得た。フラッシュクロマトグラフ精製(2回、シリカゲル、300 g、230〜400メッシュ、60オングストローム、トルエン)に続く緑黄色 蛍光性フラクションの濃縮により、P−BF27dを固体(1.8g)として得 た。ピロール5e〜5nからP−BF2誘導体7e〜7nへの同様な変換に関す る特性化および例を第VI表および第VII 表に示す。 塩化アセチルの代わりに塩化プロピオニル、塩化イソブチリル、塩化シクロヘ キサンカルボニル、塩化アセトキシアセチルおよび塩化p−ジメチルアミノゼン ゾイルを用いれば、同様な反応順序はクリプトピロール5cを1,3,5,7− テトラメチル−2,6−ジエチルピロメテン−BF2錯体7(X=Z=CH3、Y =CH2CH3)の8−エチル、8−イソプロピル、8−シクロヘキシル、8−ア セトキシメチルおよび8−ジメチルアミノフェニル誘導体7o〜sまで変換させ た。塩化p−アニソイルでの処理に続く三弗化硼素エーテル化物での処理は、2 ,4−ジメチルピロール5aを1,3,5,7−テトラメチル−8−p−メトキ シフェニルピロメテン−BF2錯体7tまで変換した。生成物7o〜tの性質を 第VI表および第Vll表に示す。ピロメテン臭化水素酸塩およびBF2錯体 粗製ピロメテン臭化水素酸塩6をα−ピロールカルボン酸エステル4から得( クラインスペーン、1955)、次いで精製することなくP−BF2染料7まで 変換させた。3−フェニル−4−エチル−5−メチルピロール−2−カルボン酸 エチル4o(2.57g、10ミリモル)と臭化水素酸(3mL、48%)と蟻 酸(3.5g)との混合物を100℃にて4時間加熱した。この反応混合物を0 ℃まで冷却して粗製3,3′−ジフェニル−4,4′−ジエチル−5,5′−ジ メチルピロメテン臭化水 素酸塩6u[1.3g(55%)(mp 235℃)(分解)]を分離させた。 3,4−ジフェニル−5−メチルピロール−2−カルボン酸エチル4pは粗製3 ,4,3′,4′−テトラフェニル−5,5−ジメチルピロメテン臭化水素酸塩 6v[(75%)、mp 280℃(分解)(文献、mp 280℃)(分解) ]を与え、さらに3−フェニル−4−アセチル−5−メチルピロール−2−カル ボン酸エチル4qは粗製3,3′−ジフェニル−4,4′−ジアセチル−5,5 ′−ジメチルピロメテン臭化水素酸塩14[(50%)、bp 230℃(分解 )]を与えた。同様な変換にて3,5−ジメチル−4−t−ブチルピロール−2 −カルボン酸エステル4gは粗製3,5,3′,5′−テトラメチル−2,6− ジ−t−ブチルピロメテン臭化水素酸塩6xを与え、3,4−ジエチル−5−メ チルピロール−2−カルボン酸エチル4kは粗製3,4,3′,4′−テトラエ チル−5,5′−ジメチルピロメテン臭化水素酸塩6yを与えた。 各塩6u、v、x、yおよび14を三弗化硼素エーテル化物での上記した処理 により対応のP−BF2染料7u、v、x、yおよび7wまで変換させた(第I I表参照)。さらに三弗化硼素エーテル化物によるピロメテン臭化水素酸塩14 の処理は脱アシル化をもたらした。これは最初に生じて3,3′−ジフェニル− 5,5′−ジメチルピロメテン臭化水素酸塩6wをP−BF2誘導体7wへの先 駆体として与え、或いは未検出の1,7−ジ フェニル−2,6−ジアセチル−3,5−ジメチルピロメテン−BF2錯体7( X=C65、Y=COCH3、W=H、Z=CH3)の初期形成の後に生じた。1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−シアノピロメテン−B 2錯体7bb 3,5−ジメチル−4−エチルピロール−2−カルボン酸エチル4cを上記手 順により3,5,3′,5′−テトラメチール−4,4′−ジエチルピロメテン 臭化水素酸塩9[mp 230〜246℃(分解)]に変換させた。ピロメテン 臭化水素酸塩9(7.75g)0.02モル)とシアン化カリウム(5.6g、 0.084モル)とのエタノール(85%、70mL)における混合物を80℃ にて攪拌しながら45分間加熱し、40℃まで冷却し、次いで水(80mL)で 希釈して淡褐色固体を沈澱させた。シリカゲル(300g)230〜400メッ シュ、60オングストローム、ジクロルメタン)におけるフラッシュクロマトグ ラフィーにより3,5,3′,5′−テトラメチル−4,4′−ジエチル−6− シアノピロメタンの不純な試料[15.25g、44%、mp110〜114℃ 、IR(KBr):υ2238(CN)]を得た。クロロホルムにおける不純な ピロメタン15をクロロホルム中で25℃にて5分間にわたり当モル量の臭素で 滴下処理した。溶剤を除去して3,5,3′,5′−テトラメチル−4,4′− ジエチル−6−シアノピロメテン臭化水素酸塩6bbを得た。精製することな く、これを三弗化硼素エーテル化物で処理し(上記の一般的手順)て1,3,5 ,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−シアノピロメテン−BF2錯体7 bbまで変換させた。実施例V 1,3,5,7,8−ペンタメチル−2,6−ジ−n−アルキルピロメテン− BF2染料20におけるレーザー活性の相対効率(RE)の代替作用は、n−ア ルキル置換基におけるメチレン単位−(CH2nHの個数に依存し、nが偶数( =0、2、4)である場合はRE≧100を与えると共に、nが奇数(=1もし くは3)である場合はRE 65、85を与えた(RE 100は染料ローダミ ン−6Gに対し任意に付与した)。実施例VI 7pW=(CH32CH 7qW=(C−C611) 1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−イソプロピルピロメ テン−BF2錯体7pにおける蛍光性およびレーザー活性の不存在、並びに1, 3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−シクロヘキシルピロメテン −BF2錯体7qにおける顕著に減少した蛍光量子収量(θ0.23)およびレ ーザー活性の欠如は、2個の嵩高8−置換基のそれぞれと1,7−ジメチル置換 基との間の立体障害により生ずる分子の非平面性に起因した。実施例VII 立体干渉のない過アルキル化染料に関する異常に低いRE 20が1,2,6 ,7−ビストリメチレン−3,5,8−トリメチルピロメテン−BF2錯体7j につき観察された。 過アルキル化染料との比較は、8−位置に置換基を欠如した6種の染料につき RE 0〜40までの主たる減 少を示した。実施例VIII レーザー活性REは、2,6−ジフェニル誘導体71における官能基(極性) 置換により若干低下し(RE20)、さらに2,6−ジアセタミド誘導体7mに てRE 5となり、または1,7−ジメトキシ−2,3,5,6,8−ペンタメ チルピロメテン−BF2錯体7nではRE 30であった。1,3,5,7−テ トラメチル−8−シアノピロメテン−2,6−ジカルボン酸ジエチル−BF2錯 体7aaおよび1,3,5,7−テトラメチル−2,6−ジエチル−8−シアノ ピロメテン−BF2錯体7bbは、8−位置における電子吸引性置換基によりP −BF2染料の例を与えた。染料7aa(λlas617nm)はローダミン−B( λlas611nm)から得られた出力効率のほぼ2倍を示した。実施例IX 新規な複素環−BF2染料が、上記P−BF2染料の スペクトル範囲を拡大すべく必要とされた。上記のこれら染料は520〜620 nmのスペクトル範囲を有したが、この範囲を300〜800nmまで拡大する のが有利である。たとえば海水によりカモフラージュされるレーザー光線を用い る通信装置は光安定性、水溶性、高効率かつ青緑色の460nm近くでレーザー 活性を有する染料を必要とする。癌の光力学療法は、最大組織浸入につき620 nm近くに発光性を有する染料で行うことが好ましい。これらおよび他の例にお いて、成功率はレーザー光線の調節性(すなわち有機レーザー染料の特徴)に依 存するが、一般に固相レーザーでは経験されない。この種の染料の構造を、その 合成法および提案された分光分析の測定法と共に下記に示す。実施例X イミダゾメテン−BF2錯体(I−BF2)テトラメチル−2,2′−ビスイミダ ゾール−BF2(錯体21) この錯体はシアニン類に関連するが構造的に異なる。本発明者等は、そのルイ ス酸塩21−BF3(λf377nm、θf0.93)をレーザー活性につき検討 した。 これは377nmに蛍光性が観察され、イミダゾメテン−BF2錯体(I−BF2 )のアルキル化誘導体28における一層高度に結合した蛍光団につきλf440 nm、θf0.9までの赤色シフトを示唆する。 I−BF2染料22の製造につき反応式Iに要約する。 部分的に、この方法は未置換イミダゾメタン(R=H)の公知製造法[ジョセ フ等、シンセシス、第459頁(1977)]から採用した。最終的な2工程、 すなわ ち(1)臭素による酸化および(2)三弗化硼素での処理によるキレート化を行 って錯体22を得るには、ピロメタンからピロメテン−BF2錯体への同様な変 換から採用した。実施例XI 8−アザピロメテン−BF2(AP−BF2)および8−アザイミダゾメテン−B 2(AI−BF2)錯体 3,3,5,7−テトラアルキル−8−アザピロメテン−BF2錯体26の製 造につき反応式2に要約する。アザピロメテン25を得るためのヒドロキシルア ミンとλ−オキソプロピオニトリル24との間の縮合反応はステッター、オーガ ニック・シンセシス、第59巻、第53頁(1980)に報告されている。この 三弗化硼素を処理して、スター等、ヘテロアトム・ケミストリー、第1巻、第3 89頁(1990)におけるP−BF2錯体の製造と同様に、AP−BF2錯体2 6を生成させる。 実施例XII 若干異なる手法がアルキル化8−アザイミダゾメテン−BF2錯体27の製造 につき提案される。各工程を反応式3に要約する。2−ブロモイミダゾールによ る2−アミノイミダゾールのアルキル化はビイミダゾ−2−イルアミンをもたら す。臭素による酸化および三弗化硼素での処理によるキレート化はAP−BF2 錯体27を与える。 ジピリジルアミン−BF2(DPA−BF2)およびジピリジニルメタン−BF2 (DPM−BF2)錯体 α,α′−ジピリジルアミン−BF2錯体29(R=α,α′−ジピリジルア ミン28(R=H)と三弗化硼素との反応による簡単な提案製造法を反応式4に 要約する。この方法をジピリジルアミンのアルキル化誘導体28(R=アルキル )に拡大することができる。 「ボラトリアジニウム」塩29(R=H)はλlas420を示し、したがって アルキル化DPA−BF2誘導体29(R=メチル、エチル、プロピル、ブチル 、好ましくはn−アルキル)は〜460nmにてレーザーを発すると予想するこ とができる。この青緑色のレーザー光線をフラッシュランプ染料励起による海底 通信に使用することができる。DPA−BF2染料(R=H)は窒素レーザーに よる励起の後にレーザーを発することが報告され、したがって染料29も同様に 窒素レーザーにより励起することができる[ベースチング等、アプライド・フィ ジークス、第3巻、第81頁(1974)におけると同様]。 同様な変換が、DPM−BF2錯体31を生成させる三弗化硼素での処理によ りα,α′−ジピリジルメタン30につき反応式5に示される。これら染料は4 00〜500nm近くで蛍光を発すると予想される。これらをフラッシュランプ パルスおよびレーザー活性をもたらす 他の励起手段に対する反応につき検査した。 実施例XIV 600nm以上にて蛍光性およびレーザー活性を有するP−BF2 染料分子の電子スペクトル(吸収、蛍光性およびレーザー活性)における赤色 シフトは、発色団における共役二重結合のシステムを延長して達成することがで きる。この延長は、選択されたP−BF2染料における置換により達成すること ができる。 1,3,5,7−テトラメチル−8−シアノ−2,6−ジシアノビニルピロメ テン−BF2(錯体35)の製造には、3,5,3′,5′−テトラメチル−4 ,4′−ジイオド−6−シアノピロメタン33を酢酸パラジウムおよびトリフェ ニルホスフィンの存在下に、沃化アリールのビニル化の後にパターン化された反 応にて、アクリロニトリルでの処理により対応の4,4′−ジシアノビニル誘導 体34まで変換させることを必要とする[ジエックおよびヘック、ジャーナル・ アメリカン・ケミカ ル・ソサエティ、第96巻、第1133頁(1974)]。 ピロールのハロゲン化に関する一般的方法[チャドウィック、第3.05章、 カトリツキーおよびリース、コンプリヘンシブ・ヘテロシクリック・ケミストリ ー、第4巻、第213頁(1984)]をピロメタン32からジブロマイドもし くはジイオダイド33への変換につき採用する。対応するピロメテンへの同時的 酸化が生ずると思われる。化合物34からP−BF2誘導体35への変換は、ピ ロメタンから対応ピロメテンへの緩和な酸化的脱水素化に続く三弗化硼素での処 理を必要とする[ショー等、ヘテロアトム・ケミストリー、第1巻、第389頁 (1990)参照]。 さらに発色団延長は、ウィチッヒ反応による1,5,7,8−テトラメチル− ホルミル−2,6−ジエチルピロメテン−BF2錯体36の変換により達成され る[マーチ「アドバンスト・オーガニック・ケミストリー」、第4版、第956 頁(1992)参照]。この有能な方法は、アルデヒドから官能化オレフィンへ の変換につき一般的である。アルデヒド36をβ−ブロモ−プロピオニトリルか ら誘導されたウィチッヒ イライドで処理して1,5,7,8−テトラメチル− 3−シアノビニル−2,6−ジエチルピロメテン−BF2錯体37を生成させる 。 P−BF2染料35および37、並びに2,6−位置に他の共役不飽和置換基 を有する同様な誘導体の蛍光性およびレーザー活性は650nm近くおよびそれ 以上に存在すると予想される。 本発明の範囲内で考えられる興味ある他の特定化合物は次のものを包含する: レーザー色素としての組成の使用 これまで示されているように、ここに説明した組成は、従来の染料レーザーシ ステムに使用するレーザー色素として有効に機能する。例えば、本発明の組成を 使用する典型的なレーザーには、E.G.&G.Corporationが製造したフラッシュラン プ励起形染料レーザー(モデルNo.FX139C-2)があげられる。このシステムが備 えるフラッシュランプは、立上がり時間が約250ナノ秒、パルスの半幅が600ナノ 秒のパルスを発生させる。さらに6.32kVで2ジュール、10.0kVで5ジュールおよび 14.14kVで10ジュールの出力能を有する。色素を保持するために本システムに使 用する槽または収納容器は、直径約2.5mm、高さ約50mmである。 化合物のための溶剤に関しては、第I表および第II表に示したデータが重要で ある。例Iの化合物の溶剤はCH3OHが、また例IIの化合物の溶剤はH2Oが好ましい 。第I表および第II表に示すように、本用途の化合物を溶解する好ましい溶剤を 決定するには、溶剤に関する溶解性と蛍光性の試験を実施する。レーザー色素と して別のシステムで使用される場合、本発明の化合物は気体状であるか、または ポリマー製スラッグ(例えばメチルメタクリレートのようなプラスチック)内で 均一に分散される。 本化合物を励起すると、低トリプレット−トリプレット(T-T)吸収を伴う高 量子蛍光収量および高度の光安定性を有するレーザー光を発生させる。これによ って、従来 使用されてきた色素材料と比べて、本色素を使用するレーザーシステムの有効性 が総括的に向上した。 本発明の適用範囲内に含まれるレーザー色素として使用するための好ましい化 合物には、以下の構造を有する化合物があげられる。 この場合の置換基については発明の要点の項に表示されている。 好ましい態様では、R1-R5およびR9-R12=C 別の態様では、R1-R5およびR9-R12=CかつR13=R15=R17=R18=CnH2n+1、n=1- 3 さらに別の好ましい態様では、R1-R5=R9-R12=C;R13=R15=R17=R18=CnH2n+ 1 、 n=1-3; かつR6=R8=N より好ましい態様では、R1-R5=R9-R12=C;R13=R15=R17=R18=CnH2n+1、n=1 -3; R6およびR8=NかつR7=B さらに別の好ましい態様では、R1-R5=R9-R12=C;R13=R15=R17=R18=CnH2n+ 1、n=1-3; R6=R8=N; R7=B; かつR20=R21=F もっとも好ましい態様では、R1-R5=R9-R12=C;R13=R15=R17=R18=CnH2n+1 、n=1-3; R6=R8=N; R7=B; R20=R21=FかつR16およびR19=H、NaSO3またはCnH2n+1 、n=1-4 実施例XV モード固定Cohereht Antares ND:YAGレーザーによる同期励起下では、色素1,3 ,5,7,8,-ペンタメチル-2-6ジエチ ルピロ-メテン-BF2複合体(PMDEP-BF2)の出力効率はロダミン6Gから得られる出 力効率の2倍であった。PMDEP-BF2の光安定持続時間は500W時間であった。 Candela LFRDL 20直線フラッシュランプ染料レーザーにおける試験から得られ た同様の結果から、色素PMDEP-BF2の出力効率はR-6Gの173%であることがわかっ た。 アルゴンイオン励起レーザー(5W、全線長457.9-514.5nm)による連続波(CW )操作では、1,3,5,7,8-ペンタメチルピロメテン-2,6-ジスルホン酸-BF2複合体P MPDS-BF2の二ナトリウム塩により、32%の出力が45%に上昇した。フラッシュラ ンプ励起パルスによって、PMPDS-BF2(9000パルス)のメタノールにおける光安 定度はR-6G(1500パルス)の6倍になった。 科学技術の飛躍的進歩により、アクリル共重合体中で均一に分散するP-BF2色 素を使用したレーザーは、レーザー色素の同調可能特性という特殊な機能を有す る優れた「固体状」レーザーであることが認められた。ポリマー基質(メチルメ タクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートを5対1)中に分散したPMDEP- BF2(10-4M)は、88%の出力効率を示した。同様の処置をした場合、R-6Gは十分 に機能せず、出力効率は測定できなかった。スルホロダミン-Bは37%の出力効率 を示した。同様の評価を行った結果、他のP-BF2色素の出力効率はPMDEP-BF2と差 がなかった。 P-BF2の発色団の典型的測定法では、PMPDS-BF2色素に 関するT-T吸収は蛍光スペクトル域内ではほとんど検出できない(ρT〜3×10-3 )。 光力学療法 光源 光力学療法にはほとんどの光源が利用できる。本発明の対象組織への照射に使 用する光を発生させるために、レーザー(特にアルゴン励起染料レーザー)を使 用する。レーザーを1本以上の光ファイバケーブルに連結することにより、最小 のエネルギー損失で光をチップに伝播する。チップは光の照射方向に劈開され、 等方性球面状に分光させるための球を備える。あるいはファイバ角度に垂直に分 光させるために、ファイバチップに円柱状分光材料を使用することもできる。発 生するエネルギーはファイバからの光の照射量(光量およびその放射時間)に左 右される。治療以前に、出力メーターを装えたチップで分光を校正することがで きる。高温化を防ぐために、照射量は正確に測定することが望ましい。 光のもっとも好ましい波長は、細胞毒性化合物の蛍光(FL)スペクトルから決 定することができる。PMP-BF2に関して第2図に示す。約500-550nmの波長を有す る入射光は、最大量の蛍光を発生させる。この波長が、光力学療法においてPMP- BF2の照射に使用する光の波長としてもっとも好ましい。本発明の他の化合物に ついても同様に、好ま しい波長をあらかじめ決定することができる。 光力学療法の対象 光力学療法(PDT)は早期に膜、特に形質膜に重大な損傷をきたし、多数の膜 ブレブを形成する。こうしたブレブは細胞膜から突出し、重篤な膜損傷を引き起 こす。この膜損傷は、本発明によって誘導される細胞毒性の早期検出が可能な作 用である。「細胞毒性」という用語は既知の言葉として使用され、細胞障害を意 味する医学的概念として一般的に受け入れられている。本発明の光力学療法によ って腫瘍を治療した場合、この腫瘍の組織学的作用によって虚血壊死が特徴的に 発現する。 感作量 本発明による細胞毒性作用を得るために必要な臨床投与量は特にない。投与量 の増加にともない、細胞毒性の増大が予測される。患者の体重当たり1.5-2.5mg/ kgの全身投与量を使用すれば、太陽灯スコープ、レーザースコープまたは光ファ イバスコープのような光源への被曝によって生きた細胞に細胞毒性障害を誘導さ せるのに適していることがわかっている。 対象組織 多様な生きた組織に細胞毒性障害を与えるために、本発明の光力学療法を使用 することができる。本方法によ って誘導される細胞毒性障害は、組織の種類、組織的特性または受容器の有無に 関係なく発現する。本方法は特に、皮膚、気管支、膀胱、食道、脳、女性生殖系 組織および腹内組織といった多数の解剖学的部位に腫瘍のある患者の治療に有効 である。 本発明の細胞毒性作用が有効な皮膚の悪性腫瘍の具体例として、基底細胞癌、 扁平上皮癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、菌状息肉腫、転移性類表皮腫および再発 性乳癌がある。本方法により治療できる頭部および頚部の癌として、鼻咽頭、舌 および他の中咽頭の腫瘍がある。 他の対象組織として、膀胱の移行上皮細胞癌、気管支内の癌(例えば腺癌、小 細胞癌)、食道癌(例えば腺癌)、女性生殖系腫瘍(例えば子宮頚癌、膣癌およ び外陰部の悪性腫瘍)の他に膠芽腫、星状細胞腫および転移性悪性腫瘍(例えば 脳に転移した肺癌)のような脳腫瘍もあげられる。 光力学療法における化合物の使用 適切な光源を使用して対象組織領域を励起する以前に、患者に本化合物を投与 することによって、対象組織の細胞毒性障害または破壊を誘導させることが示さ れている。患者の体重当たり1.5-2.5mg/kgの化合物を全身静注することが好まし く、中でも2.0mg/kgがさらに好ましい。 患者の体内への投与法は、腫瘍に直接注入するか、罹患部位に局所塗布するこ とが望ましい。滅菌水に溶解した化合物25mg/mlを腫瘍内に注入するか、全身投 与量とし て静注することが好ましい。局所塗布に関しては、25mg/mlまたは0.3%の溶液1m lを、治療する身体表面部位に薄く塗布した後、直ちにまたは数時間後に光源に 被曝させる。 静注投与した場合、薬剤は全身に分散し、疾患組織部位(例えば癌組織)にも 浸透する。その後、従来の光源(例えばレーザー、太陽灯など)からの光を使用 して対象疾患組織に照射する。腫瘍の増殖が比較的表皮に近い癌の場合は、光を 直接皮膚に照射する。腫瘍が体内の深部にある場合(例えば膀胱、胃腸管、気道 など)は、外科的または非外科的方法によって体内に光を誘導する。例えば、疾 患組織が気道にある場合、光ファイバ照射システムなどを使用して口から外科的 または非外科的に光を誘導する。 適切な光源を使用した照射によって化合物が活性化することにより、疾患組織 を破壊する光化学過程が引き起こされる。周囲の組織を被曝させることなく身体 の限局部位(例えば腫瘍)にのみ被曝させることができる点から、光の平行化ビ ーム(例えばレーザー)の使用が特に望ましい。 本処置の具体例を以下のように乳癌について説明する。 実施例XVI ピーナッツ油にジメチルベンザンスラシン(DMBA)を混 ぜた経口栄養により、生後50日の雌のSprague Dawleyラットに乳癌を誘発した。 それぞれのラットに体重100g当たりDMBA10mgを栄養管で与えた。栄養投与後45日 から92日で触知可能な腫瘍が発現した。上述の例IIに示したように、4,4-ジフル オロ-1,3,5,7,8,-ペンタメチル-4-ボラ-3a.4a-ジアザ-s-インダシン-2,6-ジスル ホン酸一水化物の二ナトリウム塩(PMPDS-BF2)を合成した。腫瘍の発現後、腫 瘍を測定し、生食水に溶解したPMPDS-BF2(χμg/ml)を注入した。腫瘍面積に 対して20μg/cm3の濃度になるまで、腫瘍の中心部にPMPDS-BF2を注入した。 腫瘍内投与から24時間後に、フェノバルビタールによりラットを麻酔し(2mg/ kg腹腔内投与)、注入した腫瘍をクォーツランプ(I00Wまたは250W)またはアル ゴンレーザー(周波数488/514nmおよび628nm)のいずれかを使用して、10-20分 間被曝させた。本試験では、(1)生食水注入、非被曝腫瘍、(2)生食水注入、 被曝腫瘍、(3)PMPDS-BF2注入、非被曝腫瘍の3種の対照群を設けた。PMPDS-BF2 を注入した腫瘍には腫瘍壊死が認められ、50-100%の腫瘍の軽快がみられた。PM PDS-BF2を注入し、かつ被曝しなかった腫瘍および生食水を注入し、かつ被曝し た腫瘍には壊死および軽快のいずれも認められなかった。この実験によるデータ を以下の第VIII表に示す。 理論による限定は出願者の望むところではないが、例IIの生成物を初めとして ここに説明した化合物は、上述した第一反応機序(1型)に従い、組織に対して 一重項状態で反応すると思われる。細胞に細胞毒性障害を誘導するために、本発 明の化合物のいずれを使用する場合も、例IIと同様に腫瘍面積当たり2μg/cm3を 腫瘍内に注入し、本例で使用した光源によって照射すればよいと思われる。 実施例XVII 卵巣癌細胞系 前述した方法により、1,3,5,7,8-ペンタメチルピロメテン-二フッ化ホウ素-2, 6-二ナトリウムジスルホン塩(PMPDS-BF2)および2側鎖ジホスホネートを用意し た。 癌患者15例のヒト卵巣細胞を評価した。癌はすべて上皮原発卵巣腺腫であった 。本試験に使用する以前に、各癌細胞をRPMI-1640(10%FBA)培養液により1回 以上培養した。症例ごとに、切除した細胞をRPMI-1640培養液で洗浄した後、5℃ で2.6×106細胞数/ml濃度に再懸濁した。異なる用量のPMPDS-BF2化合物を含むpH 7.4のRPMI-1640増殖培養液(10%ウシ胎児アルブミン、ペニシリン100U/mlおよ びストレプトマイシン100μg/ml含有)にこの細胞(2.6×106細胞数/ml)を添加 し、37℃に設定した5%CO2インキュベーター内で30分間静かに振りながらインキ ュベートした。本試験で評価したPMPDS-BF2の濃度は0.004μg/ml、0.04μg/mlお よび0.4μg/mlの3種であった。次に細胞懸濁液を低温のRPMI-1640培養液で洗浄 し、細胞表面のPMPDS-BF2化合物を除去した後、さらにこの細胞を新鮮RPMI-1640 増殖培養液に再懸濁した。この細胞懸濁液(2.6×106細胞数/ml)から15mlを採 取し、これをGeneral Electric太陽灯を使用して、室温37℃で10-20分間にわた りガラス管内で照射した。PMPDS-BF2を使用するが光を照射 しない細胞、光に照射するがPMPDS-BF2を使用しない細胞およびPMPDS-BF2使用も 照射もしない細胞を対照群とした。 上述の通り同一状態下で、細胞毒性活性について照射の有無により2側鎖ジホ スホネートを評価した。上述のようにPMPDS-BF2またはジホスホネートを添加し てインキュベートおよび照射した後(対照群は照射せず)、細胞懸濁液を融解Ba cto寒天培地(Difco Laboratories,Inc.,Detroit,MI)に添加し、最終濃度を0.3 %とした。この混合液を、強化McCoy5A培地ならびに2-メルカプトエタノール(5 mM)およびDEAE-デキストラン含有0.5%寒天から成る支持細胞層を置いた35mmプ ラスチック製組織培養皿上に留置した。本試験では、細胞の播種密度を1-5×104 細胞数/皿に維持し、この培養プレートをCO2インキュベーター内で37℃でインキ ュベートした。さらに2-3週間インキュベートした培養プレートを倒立位相差顕 微鏡下で検査し、細胞数を計算した。しかし、この細胞は軟寒天培地で堅固な細 胞塊として増殖したために、各増殖における細胞数の測定は不可能であった。代 わりに、微測接眼レンズを使用して、30μm以上の大きさのコロニーを数えた。 培地にまいた生存可能細胞数100個当たりの形成コロニー数をコロニー形成率と して定義し、これを群間比較した。 この結果を第3図に示す。PMPDS-BF2(0.004μg/ml)および光に暴露後48時間 以内に、卵巣細胞は核の切断により核濃縮変化を示した。対照群と比較すると、 0.004μg/ml濃 度により評価したすべての癌細胞について、40-70%の細胞増殖の阻害が認めら れた。培地のPMPDS-BF2濃度が0.4μg/mlの場合、評価した腫瘍はいずれも100% の細胞増殖阻害率を示した。光照射をしないPMPDS-BF2対照群では、有意な細胞 毒性反応は認められなかった。 上述のPMPDS-BF2使用時と同一状態下で0.4μg/ml濃度の2側鎖ジホスホネート を使用した場合、卵巣癌細胞の増殖阻害率は10-30%しか認められなかった。 PMPDS-BF2(0.04μg/ml)および光への暴露から3日後の卵巣細胞には、核およ び細胞質が変色する核濃縮変化が認められた。細胞は4週間めまでは黄緑色であ ったが、新鮮培地による再懸濁時にコロニー化が停止し、その後、細胞分裂が認 められなくなった。同時に、細胞は壊死組織片に崩壊した。 光を照射しないPMPDS-BF2または2側鎖スルホネート群では、細胞毒性は誘導さ れなかった。 実施例XVIII 12年前に胸壁に及ぶ転移性乳癌を発症した71歳黒人女性患者に対して、本発明 による化合物の1種を局所塗布した症例を以下に示す。患者の治療に多数の化学 療法薬および放射線療法を併用していた。癌の持続的進行を認め、ジメチルスル ホキシドに溶解した0.3%の1,3,5,7,8-ペンタメチルピロメテンニフッ化ホウ素- 2,6-ジスルホネート(PMPDS-BF2)液を胸壁部位に局所塗布した後、Gener al Electric太陽灯により10分間照射する治療を週9回実施した。開始当初、患者 の腫瘍は50%以上の縮小を示し、これは9週間にわたり持続した。患者に毒性反 応は認められなかった。9週間の縮小後、移転部位に再び増殖が認められた。 例X-XIIに示したように、PDTには本発明による化合物のいずれの使用も可能で ある。 本明細書で使用する通り、「低アルキル」という用語は1-4個の炭素を有する アルキル基を表している。基から「独立的に選択した」置換基のクラスとは、置 換基がすべて列挙した置換基のいずれかであり、さらにクラス内の置換基は(同 一の場合もあるが)同一である必要はないことを意味している。R1,R2・・・Rx=A、 BまたはCあるいはR1,R2・・・Rx=A、Bまたはcという表記は、いずれのRもA、Bまた はCのいずれかであることを意味していると解釈できる。 「電子吸引性基」という用語は電子密度を低下させる基(例えばCNを含む基) を意味する。 本発明の好ましい態様を説明してきたが、現在、当業者により適切な改良が計 画されている。例えば、本明細書に示した塩基性三環系構造を使用した多様な化 合物は、レーザー色素および/または光力学療法薬として使用できると思われる 。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲に従ってのみ解釈されたい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 標的とする新形成動物組織に組織障害を誘発させるに際し: 化合物を照明した際に細胞毒性となる量の化合物を前記動物に投与し、この化 合物は式: (a) [式中、R1は独立してC、N、B、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択 され; R2、R3、R5、R6、R8、R9、R11およびR12は独立してCおよびNよりな る群から選択され; R4およびR10は独立してC、N、OおよびSよりなる群から選択され; R7は独立してC、N、B、Zn、MgおよびCuよりなる群から選択され; R13〜R19は独立してH、F、Cl、Br、I、CN、NC、NO、NO2、 NH2、NCO、CO2H、CONH2、フェニル、ナフチル、ピリル、ピラゾリ ル、ト リアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソ チアゾリル、ArF、ArN2およびNHCOAr(ここでAr=フェニルもし くはナフチルである)、Cn2n+1(ここでnは1〜3の整数てでる)、Cn2n +1 、(Cn2n+1)CO、CO222n+1、(CH2nF、(CH2nCl、( CH2nBr、(CH2nI、(CH2nCN、(CH2nNC、(CH2nN O2、(CH2nNO、(CH2nCO(Cn2n+1)、(CH2nCO2Hおよ び(CH2nNH2(ここでnは1〜3の整数である)、SO3MおよびCO2M (ここでMはNaもしくはKである)、式CnH2n-1(ここでnは4〜6の整数 である)を有する環式アルキル基、Cn2n-2および式Cn2n-1(nは2〜4の 整数である)を有するオレフィン誘導体、RCO、CO2R、CONHR、CO N(R)2、NHR、N(R)2、NHCOR、C(NOR)R、SO3R、SO2 R、PO3R、(CH2nCOR、(CH2nSO3R、(CH2nSO2R、( CH2nNHR、(CH2nN(R)2および(CH2nNHCOR(ここでR =Cn2n+1であり、nは1〜4の整数である)、Cn2n-1(ここでnは2〜3 の整数であり、mは2〜3の整数である)、(CH2nAr、(CH2nArN2 および(CH2nNHCOAr(ここでAr=フェニルもしくはナフチルであ り、nは1〜3の整数である)、(CH2n Het(ここでHet=ピリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、 オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリルもしくはイソチアゾリルであり、n は1〜3の整数である)および(CH2nSO3M(ここでM=NaもしくはK であり、nは1〜3の整数である)よりなる群から選択され; R20およびR21 は独立してH、F、フェニル、ナフチルおよびCn2n+1(ここでnは1〜4の 整数である)よりなる群から選択される]; (b) [式中、Rは独立して低級n−アルキルおよびt−アルキルよりなる群から選択 される]; (c) [式中、Xは独立してCHおよびNよりなる群から選択 され;Yは独立してCHおよびNよりなる群から選択される]; (d) [式中、Wは独立して低級n−アルキル、低級t−アルキルおよびCNよりなる 群から選択され、Yは独立して低級n−アルキル、低級t−アルキルおよびCH =CHCNよりなる群から選択され、Zは独立して低級n−アルキルおよび低級 t−アルキルよりなる群から選択される];および (e) [式中、RはHまたは低級n−アルキルもしくは低級t−アルキルである] を有し; 前記化合物を投与した後に標的組織をこの標的組織に細胞毒性障害を生ぜしめ るのに充分な量の充分な波長を有する光に充分な時間にわたり露出することを特 徴とする組織障害の誘発方法。 2. R1〜R5およびR9〜R12=Cである請求の範囲第1(a)項に記載の方 法。 3. R13、R14、R15、R17およびR18=低級n−アルキルである請求の範囲 第2項に記載の方法。 4. R6およびR8=Nである請求の範囲第3項に記載の方法。 5. R7=Bである請求の範囲第4項に記載の方法。 6. R20およびR21=Fである請求の範囲第5項に記載の方法。 7. 化合物が請求の範囲第1(d)項に記載の式を有する請求の範囲第1(a )項に記載の方法。 8. 標的とする新形成動物組織に組織障害を誘発させるに際し: 化合物を照明した際に細胞毒性となる量の化合物を前記動物に投与し、この化合 物は式: (a) [式中、XはHまたは低級n−アルキルもしくはSO- 3であり、Yは低級n−ア ルキルまたは電子吸引基である];または (b) または (c) [式中、XおよびYは独立してCHおよびNよりなる群から選択され、Rは低級 アルキルである];または (d) [式中、W=低級アルキルもしくはCNであり、YおよびZは低級アルキルおよ びCH=CHCNよりなる群から選択される];または (e) [式中、RはHまたは低級アルキルである] を有し;前記化合物を投与した後に標的組織を、この標的組織に細胞毒性障害を 生ぜしめるのに充分な量の充分な波長を有する光に充分な時間にわたり露出する ことを特徴とする組織障害の誘発方法。 9. 化合物を (a) (b) [式中、XおよびYは独立してCHおよびNよりなる群から選択され、Xおよび Yの少なくとも一方はNであり、Rは低級アルキルである]; (c) [式中、W=低級アルキルもしくはCNであり、YおよびZは独立して低級アル キルおよびCH=CHCNよりなる群から選択され、YおよびZの少なくとも一 方はCH=CHCNである];および (d) [式中、RはHもしくは低級アルキルである] よりなる群から選択する請求の範囲第8項に記載の方法。 10. 請求の範囲第8項に記載の任意の化合物からなる化合物。 11. 請求の範囲第9項に記載の任意の化合物からなる化合物。 12. 化合物が である請求の範囲第9項に記載の方法。 13. (a)標的とする新形成動物組織への注射;または(b)標的とする新 形成動物組織への局部塗布により化合物を投与する請求の範囲第1項に記載の方 法。 14. 化合物を全身的に動物へ投与し、標的とする新形成組織をこの標的組織 に細胞毒性障害を生ぜしめるのに充分な量の充分な波長を有する光に露出する請 求の範 囲第1項に記載の方法。 15. 前記露出工程が、標的組織をレーザーおよび太陽灯よりなる群から選択 される光源に露出することからなる請求の範囲第1項に記載の方法。 16. 標的とする新形成動物組織に組織障害を誘発させるに際し: 化合物を照明した際に細胞毒性となる量の化合物を前記動物に投与し、化合物 は式 (a) [式中、W=CH3、CH2CH3、CH(CH32−C611、CH2OCO CH3−(CH32NC65−CH3OC65、HもしくはCNであり; X=CH3、H、C65もしくはCH2CH3であり; Y=H、CH3、CH2CH3、(CH22CH3、C(CH33、n−ブチル、C65、NHCOCH3もしくはCO2CH2CH3であり、さらにYおよびZは環− (CH24−とすることができ、またはXおよびYは環−(CH23−とするこ ともでき る]; (b) [式中、RはHまたは低級アルキルである]; (c) [式中、XはCHもしくはNであり、YはCHもしくはNであり、Rは低級アル キルである]; (d) [式中、W=低級アルキルもしくはCNであり、R=低級n−アルキルもしくは CH=CHCNである];または (e) [式中、RはH、低級n−アルキルおよび低級t−アルキルよりなる群から選択 される] を有することを特徴とする組織障害の誘発方法。 17. 請求の範囲第16項に記載の化合物と、化合物が蛍光を発しうるキャリ ヤ溶剤とからなる組成物。 18. 化合物が下表 の化合物よりなる群から選択される請求の範囲第16(a)項に記載の方法。 19. 式 (a) [式中、化合物は下表 の化合物よりなる群から選択される]; (b) [式中、RはHもしくは低級アルキルである]; (c) [式中、XはCHもしくはNであり、YはCHもしくはNであり、Rは低級アル キルである]; (d) [式中、Wは低級アルキルもしくはCNであり、Rは低 級アルキルもしくはCH=CHCNである];および (e) [式中、RはHおよび低級アルキルよりなる群から選択される] を有する化合物。 20. 化合物が下表 の化合物から選択される請求の範囲第19項に記載の化合物。 21. WがCNである請求の範囲第20項に記載の化合物。 22. (a) [式中、RはHもしくは低級アルキルである]; (b) [式中、XはCHであり、YはNであり、Rは低級アルキルである];または (c) [式中、WはCNであり、Rは低級アルキルもしくはCH=CHCNである] からなる請求の範囲第19項に記載の化合物。 23. 化合物が22(a)である請求の範囲第22項に記載の化合物。 24. 化合物が22(b)である請求の範囲第22項に記載の化合物。 25. 化合物が22(c)である請求の範囲第22項に記載の化合物。
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