JPH08508529A - 高耐衝撃性ポリエステル/ポリカーボネート・ブレンド - Google Patents
高耐衝撃性ポリエステル/ポリカーボネート・ブレンドInfo
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- JPH08508529A JPH08508529A JP6522157A JP52215794A JPH08508529A JP H08508529 A JPH08508529 A JP H08508529A JP 6522157 A JP6522157 A JP 6522157A JP 52215794 A JP52215794 A JP 52215794A JP H08508529 A JPH08508529 A JP H08508529A
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Abstract
(57)【要約】
本発明はポリエステル、ポリカーボネートおよびアミン機能化エラストマーと、場合によっては有効量の効果的なグラフト・カップリング剤を含んでなるブレンドに関する。
Description
【発明の詳細な説明】
高耐衝撃性ポリエステル/ポリカーボネート・ブレンド 発明の背景
1.発明の属する技術分野
この発明は、ポリエステル、ポリカーボネート、アミン機能化エラストマーお
よびグラフト・カップリング剤から作られる耐衝撃性ポリエステル/ポリカーボ
ネート・ブレンド組成物に関する。本発明のもう一つの態様は、本発明のブレン
ドから全部または一部が作られている製造物品に関する。
2.従来技術の説明
ポリエステルとポリカーボネートとのブレンド、および成形部品のような物品
を製造するためにこれを利用することは知られている。例えば、米国特許第4,
522,797号;同第4,764,556号;同第4,897,448号;同
第4,737,545号;同第4,629,760号;および同第4,753,
980号明細書;並びにEPO 0 180 648号明細書を参照されたい。
ポリエステル、ポリエーテルエステル、アクリレート‐ブチレン‐ジアクリレ
ート‐ジアリルマレエート‐メタクリレート共重合体のような各種の重合体に対
するカルボジイミドまたはポリカルボジイミドの付加は知られている。例えば、
米国特許第3,975,329号;同第4,071,503号;同第4,110
,302号;同第4,689,372号;および同第4,465,839号明細
書;並びにChem.Abs.、85,1785339(1976);78、1
7364C(1973);および104、150170Kを参照されたい。
発明の要約
本発明の一つの態様は、次の:
i. ポリエステル;
ii. ポリカーボネート;
iii.アミン機能化エラストマー;および
iv. 上記ポリエステルに上記エラストマーをグラフトするためのグラフト
・カップリング剤
を含んでなるポリマブレンドに関する。
本発明のもう一つの態様は、次の:
i. ポリエステル;
ii. ポリカーボネート;
iii.アミン機能化エラストマー;
iv. 上記ポリエステルと上記エラストマーとのグラフト共重合体;および
v. 上記エラストマーへ上記ポリエステルをグラフトさせたことから生じ
るグラフト促進剤の残基
を含んでなるポリマブレンドに関する。
本発明のブレンドは幾つかの利点を示す。例えば、本発明のブレンドは室温(
即ち、約24℃)と低温(即ち、約−40℃)の両温度で比較的大きい衝撃強さ
を示し、室温および低温衝撃強さの両方の実質的な部分が徐冷熱処理または熱処
理後も保持される。本発明のブレンドは、また、溶融加工時の融解物の良好な流
動のために比較的小さい融解粘度を示す。これらの性質上の利点が化学的抵抗性
および耐熱性のようなポリエステル/ポリカーボネート・ブレンドの他の性質と
組み合わされると、本発明のブレンドは成形用途に重要な価値を提供することに
なる。
本発明のもう一つの態様は、その全体または一部が本発明ブレンドから構成さ
れている物体を含んでなる本発明の物品に関する。
本発明のさらにもう一つの態様は、上記ポリエステルに上記エラストマーをグ
ラフトさせるのに有効なグラフト・カップリング剤の有効量の存在下でポリエス
テル、ポリカーボネートおよびアミン機能化エラストマーを融解ブレンドするこ
とを含んでなる本発明の方法に関する。
図面の簡単な説明
添付図面において:
図1は、本発明の組成物の改善された性質を示すところの、ノッチ付きアイゾ
ット強さとエラストマーのタイプとの関係を示す棒グラフである。
図2は、本発明の組成物の改善された性質を示すところの、ノッチ付きアイゾ
ット強さとグラフト・カップリング剤の濃度との関係を示す棒グラフである。
図3は、本発明の組成物の改善された性質を示すところの、ノッチ付きアイゾ
ット強さとグラフト・カップリング剤の濃度との関係を示す棒グラフである。
図4は、本発明の組成物の改善された性質を示すところの、ノッチ付きアイゾ
ット強さとアミン機能化エラストマーの重量パーセントとの関係を示すグラフで
ある。
推奨される態様の説明
本発明の組成物は三種の基本成分を含んでいる。第1基本成分として、本発明
のブレンドは有効量の熱可塑性ポリエステルを含んでなる。使用のために選ばれ
る特定の熱可塑性ポリエステルは、希望により、ホモポリエステルまたはコポリ
マーまたはそれらの混合物のいずれでも良い。熱可塑性ポリエステルは、通常、
有機ジカルボン酸と有機ジオールとの縮合で合成されるので、本明細書では、有
用なポリエステルの代表的例を、以下においては、これらジオールとジカルボン
酸の前駆体によって説明する。
本発明で使用するのに適したポリエステルは脂肪族、脂環式または芳香族のジ
オールと、脂肪族、芳香族および脂環式のジカルボン酸との縮合で誘導されるポ
リエステルである。有用な脂環式ジオールの代表的な例は、1,4‐ジヒドロキ
シシクロヘキサン、1,4‐ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、1,3‐ジヒ
ドロキシシクロペンタン、1,5‐ジヒドロキシシクロヘプタン、1,5‐ジヒ
ドロキシシクロオクタン、1,4‐シクロヘキサンジメタノールおよびこれらに
類するもののような約5から約8個の炭素原子を含むジオールである。適した脂
肪族ジオールの例はエチレングリコール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐
ヘキサンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,12‐ドデカンジオール、お
よびそれらの幾何異性体のような炭素原子数約2から約12個のジオールであり
、望ましくは炭原子素数約2から約6個のジオールである。
有用な熱可塑性ポリエステル合成用の単量体として用いるのに適したジカルボ
ン酸は、直鎖および分岐鎖の飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸およ
び脂環式ジカルボン酸である。本発明で用いることができる脂肪族ジカルボン酸
の例は以下のような約2から約50個の炭素原子を含む酸である:例えば、シュ
ウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、オクタデシルコハク酸、ピメリ
ン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、二量体酸(オレイン酸のような不飽和脂肪族カルボン酸の二量化生成物)
、並びにオクタデシルコハク酸のようなアルキル化マロン酸およびコハク酸およ
びこれらに類する酸。
適した脂環式ジカルボン酸の代表的な例は約6から約15個の炭素原子を有す
るジカルボン酸である。このような有用な脂環式ジカルボン酸に含まれる物は、
1,3‐シクロブタンジカルボン酸、1,2‐シクロペンタンジカルボン酸、1
,3‐および1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸、1,3‐および1,4‐ジ
カルボキシメチルシクロヘキサン、4,4´‐ジシクロヘキシルジカルボン酸お
よびこれらに類する酸である。有用な芳香族カルボン酸の代表的な例は、テレフ
タル酸、イソフタル酸およびo‐フタル酸、1,3‐、1,4‐、2,6‐また
は2,7‐ナフタレンジカルボン酸、4,4´‐ジフェニルジカルボン酸、4,
4´‐ジフェニルスルホン‐ジカルボン酸、1,1,3‐トリメチル‐5‐カル
ボキシ‐3‐(p‐カルボキシフェニル)‐インダン、ジフェニルエーテル‐4
,4´‐ジカルボン酸、ビス‐(p‐カルボキシフェニル)メタンおよびこれら
に類するものである。
エチレングリコール、1,4‐ブタンジオールおよび1,4‐ジヒドロキシシ
クロヘキサンのような脂肪族または脂環式ジオールと、ベンゼンジカルボン酸お
よびナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸との縮合で合成される
ポリエステル化合物が、本発明で使用するために推奨される。本発明の最も望ま
しい態様では、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレー
ト)およびポリ(1,4‐シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)が最良の
ポリエステルである。これら最良のポリエステルの中で最も推奨されるのはポリ
(エチレンテレフタレート)とポリ(ブチレンテレフタレート)である。本発明
の組成物用に回収ポリ(エチレンテレフタレート)が有用であり、推奨される。
ポリエステルの数平均分子量および重量平均分子量は広く変えることができる
。普通、ポリエステルは、成形部品を作るために十分高く、かつポリエステル/
ポリカーボネート/エラストマー・ブレンドを成形製品に溶融加工できる程度に
十分低い数平均または重量平均分子量の物である。このような数平均または重量
平
均分子量は成形技術分野の習熟者には良く知られており、ゲル浸透クロマトグラ
フィー法、浸透圧測定法、光散乱法および末端基分析法で測定して通常少くとも
約5,000である。この数平均分子量は約10,000から約100,000
であるのが望ましく、より望ましくは約15,000から約75,000、そし
て最も望ましくは約20,000から約50,000である。
ポリエステルの極限粘度は限定的ではなく、加工要件に依存して広い範囲で変
えられる。ポリエステルは望ましくは少くとも約0.3dL/g;より望ましく
は約0.4から約1.2dL/g;そして最も望ましくは約0.5から約0.9
5dL/gの極限粘度を持つべきである。これらの粘度の値は標準のウベローデ
粘度計を用い、フェノール‐テトラクロロエタン(60/40v/v)溶液中、
0.5%の濃度で、室温で測定される。
これらポリエステルは、望ましくは、活性な連鎖末端基、例えばカルボン酸末
端基またはその親電子性誘導基を持つべきである。何等かの理論に結び付けるこ
とを望むわけではないが、カルボン酸末端基はエラストマーのアミノ基と反応す
ると考えられる。かくして、適切な条件下で適切なグラフト・カップリング剤と
接触させると、そのようなアミノ基とカルボン酸基との反応でポリエステルとエ
ラストマーを結合するアミド結合基が生成する。このような基の濃度は広い範囲
で変えられるが、望ましくは少くとも約0.01meq/g、より望ましくは少
なくとも約0.02meq/g、そして最も望ましくは約0.03から約0.0
5meq/gである。この末端基はカルボキシル基またはヒドロキシル基測定の
標準滴定法で求めることができる。
この組成物に含まれるポリエステルの量は広い範囲で変えることができ、そし
て通常のポリカーボネート/ポリエステル・ブレンドで用いられる量を用いるこ
とができる。本発明の望ましい態様では、用いられるポリエステルの量はそのブ
レンド中のエラストマー、ポリエステルおよびポリカーボネートの総重量に対し
て約10重量パーセントまたはそれ以上であり、そして本発明の特に望ましい態
様では上記の基準で約20から80重量パーセントである。これら特に望ましい
態様の中で最も望ましいのは、用いられるポリエステルの量がそのブレンド中の
ポリカーボネート、エラストマーおよびポリエステルの総重量に対して約40か
ら約60重量パーセントである態様である。
第2基本成分として、本発明の組成物はポリカーボネートを含んでいる。基本
的には、例えば米国特許第4,018,750号および同第3,153,008
号明細書およびその中に引用されている文献中に説明されているような、任意の
常用のポリカーボネートが本発明の実施において使用できる。
有用なポリカーボネートの代表的な例は、次式:
の一種またはそれ以上の繰返単量体単位を含む物である。ただし、上記の式にお
いて‐R‐は二価の芳香族の基である。許容される芳香族‐R‐基に含まれるの
は、置換または未置換のフェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、イソプ
ロピルフェニル、およびそれらの二つまたはそれ以上が二価のアルキレンまたは
ハロゲン化アルキレン(即ち、‐CH2‐、‐C2H4‐、‐C3H6‐および‐C4
H8‐)、‐SO2‐、‐S‐、‐C(O)O‐、‐C(O)‐、‐NH‐、‐O
‐およびこれらに類する基のような、二価の結合性官能基でお互いに結合されて
いる同様の基である。その例に次のものがあり:2,2‐ビス(3‐クロロフェ
ニル)プロパン;2,2‐ビス(3‐ニトロフェニル)ヘキサフルオロプロパン
;2,2‐ビス(5‐メチルジフェニル)ペンタン;2,4´‐(5‐メチルジ
フェニル)メタン;ビス‐(5‐エチルフェニル)メタン;ビス‐(フェニル)
メタン;ビス‐(2‐メトキシ‐5‐ニトロフェニル)メタン;1,1‐ビス(
2‐メトキシフェニル)エタン;3,3‐ビス(フェニル)ペンタン;2,2‐
ジメチルジフェニル;2,6‐ジメチルナフタレン;ビス‐(2‐メチルジフェ
ニル)スルホン;ビス‐(3,5‐ジエチル‐2‐メチルフェニル)スルホン;
2,4´‐ジメチルジフェニルスルホン;5´‐クロロ‐3,3´‐ジメトキシ
‐ジフェニルスルホン;ビス‐(ジクロロフェニル)ジフェニルスルホン;4,
4´,3,3´‐ジメトキシ‐ジフェニエーテル;4,4,3,3´‐ジメトキ
シ‐3,3´‐ジクロロジフェニエーテル;3,3‐ジシアノ‐2,5´ジヒド
ロキシジフェニエーテル;およびこれらに類するもの。また、例えば、ポリエス
テルカーボネ
ートのような、共重合された芳香族エステルセグメントを含む重合体のような変
性ポリカーボネートまたはポリカーボネート共重合体もポリカーボネート成分と
して有用である。
望ましい芳香族ポリカーボネートは、ポリ(2,2´‐ビス(4‐ヒドロキシ
フェニル)アルカン)カーボネートおよびポリ(2,2´‐ビス(4‐ヒドロキ
シ‐3,5‐ジメチルフェニル)アルカン)カーボネートから成る群から選ばれ
るポリカーボネートである。これらポリカーボネートの中で最も望ましいのは、
ポリ(2,2´‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン)カーボネートであ
る。
有用な芳香族ポリエステルは既知の方法で製造することができるか、または市
場から入手することができる。有用なポリエステルは、例えば米国特許第4,1
26,602号、同第2,999,835号、同第3,028,365号、同第
3,334,154号および同第4,131,575号明細書に開示されている
ようなジヒドロキシフェノールを、米国特許第4,018,750号明細書に開
示されているようなホスゲン、ハロホルメートまたは炭酸エステルなどのカーボ
ネート前駆体と反応させることにより、または米国特許第3,153,008号
明細書に開示されているようなエステル交換反応により、さらにまたこの技術分
野でよく知られている他の方法により製造することができる。
この組成物に含まれるポリカーボネートの量は広い範囲で変えられ、そして通
常のポリカーボネート/ポリエステル・ブレンドで用いられる量が用いることが
できる。本発明の望ましい態様では用いられるポリカーボネートの量はそのブレ
ンド中のエラストマー、ポリエステルおよびポリカーボネートの総重量に対して
約10重量パーセントまたはそれ以上であり、そして本発明の特に望ましい態様
では上記の基準で約20から80重量パーセントである。これらの特に望ましい
態様の中で最も望ましいのは、用いられるポリカーボネートの量がそのブレンド
中のポリカーボネート、エラストマーおよびポリエステルの総重量に対して約4
0から約60重量パーセントである態様である。
ポリカーボネートの数平均分子量は広い範囲で変えることができる。本発明の
実施において有用なポリカーボネートは、約5,000から約80,000の数
平均分子量を有するのが望ましい。より望ましくは、その数平均分子量は約10
,000から約40,000である。
ポリカーボネートの極限粘度は、その粘度がそのブレンドの溶融加工を妨げる
程高くないという前提で、広い範囲で変えることができる。ポリカーボネートは
標準のウベローデ粘度測定法で、ジクロロメタン中、室温、例えば25℃で測定
して、極限粘度または固有粘度が少くとも約0.2dL/g(デシリッター/グ
ラム)であることが望ましい。この極限粘度は、望ましくは約0.2から約1.
2dL/g、より望ましくは約0.2から0.9dL/g、そして最も望ましく
は約0.3から約0.6dL/gである。
本質的ではないが、ポリカーボネートは、望ましくは、ヒドロキシル末端基を
含むのがよい。
第3基本成分として、本発明の組成物はアミン機能化エラストマーを含んでい
る。本明細書で用いられる“アミン機能化エラストマー”とは、ペンダントのア
ミン官能基、末端アミン官能基またはその組合せを含む一種またはそれ以上のα
,β‐不飽和単量体、ジエン系単量体またはそれらの組み合せの単量体の重合で
誘導される高分子骨格を有する重合体である。有用なゴムは単独重合体またはブ
ロック若しくはランダム共重合体である。本発明の実施においては二種またはそ
れ以上のゴムのブレンドを用いてもよい。
有用なジエン類の例は、ブタジエン、1,4‐ヘキサジエン、1,6‐オクタ
ジエン、5‐メチル‐1,4‐ヘキサジエン、3,7‐ジメチル‐1,6‐オク
タジエン、1,4‐シクロヘキサジエン、5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン、
5‐プロペニル‐2‐ノルボルネン、5‐イソプロピリデンノルボルネン、5‐
メチレンノルボネンおよびこれらに類するものである。有用なオレフィン類の代
表的な例は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレン、トリクロロフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルト
ルエン、メチルメタクリレートおよびメチルアクリレートのようなアルキルアク
リレートおよびこれらに類するものである。
本発明に実施において有用なエラストマーは約40,000またはそれ以下、
望ましくは約20,000またはそれ以下、より望ましくは約10,000また
はそれ以下、そして最も望ましくは約5,000またはそれ以下のASTM D
‐638の引張りモジュラスを有する。このエラストマーは約10から約100
ML 1+8@127℃単位、望ましくは約15から約80単位、そしてより望
ましくは約25から約70単位のムーニー粘度を有する。
有用なアミン機能化エラストマーはこの技術分野の普通の習熟者に知られてい
る方法で合成することができるか、または市場から入手することができる。例え
ば、有用なエラストマーは米国特許第4,987,200号明細書に記載されて
いる方法で合成することができる。さらに、有用なアミン機能化ブタジエン/ア
クリロニトリル共重合体(NBRs)がコポリマー・ラバー・ケミカル社(Cp
olymer Rubber Chemical Corporation)か
らナイシン(Nysin)DN508‐14Aという商標名で市販されている。
望ましいエラストマーは、高分子骨格が主としてアルキルアクリレート、ブタ
ジエン、エチレン、スチレン、イソブチレン、プロピレン、アクリロニトリルか
ら構成されているエラストマーであり、単独重合体、共重合体、三元共重合体お
よびこれらに類する重合体であることができる。より望ましい高分子骨格は、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレン共重合体、アクリロニト
リル/ブタジエン共重合体、イソブチレン/ブタジエン共重合体、エチレン/プ
ロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン三元共重合体、エチレン/ア
ルキルアクリレート共重合体およびスチレン/ブタジエン共重合体であり;最も
望ましい高分子骨格はブタジエン/アクリロニトリル/共重合体、エチレン/プ
ロピレン共重合体、エチレン/アルキルアクリレート共重合体およびスチレン/
ブタジエン共重合体である。最良の高分子骨格は、二種またはそれ以上の二価の
アルキレン繰返単量体単位を有する共重合体である。有用な例はアミン機能化さ
れたエチレン/プロピレン共重合体および三元共重合体およびアミン機能化ブタ
ジエン/アクリロニトリル共重合体(NBR)並びにそれらの水素化誘導体であ
る。
この高分子骨格は、共重合により、またはその高分子骨格に沿ってランダムに
分布したペンダントのアミン官能基、その高分子ブロックの片末端若しくは両末
端の末端アミン官能基またはそれらの組み合せの官能基を生成させるための後反
応により修飾される。かかるアミノ基の例はアミン(‐NH2)、および、例え
ばメチルアミン(‐NHCH3)、エチルアミン(‐NHC2H5)、プロピルア
ミン(‐NHC3H7)およびブチルアミン(‐NHC4H9)およびそれらの異性
体のような活性水素を有するアルキルアミノ基である。最良のアミノ基はアミン
(‐NH2)である。
同じような機能化エラストマーの合成で用いられる有用なグラフト法および共
重合法が米国特許第4,987,200号明細書に開示されている。本発明の望
ましい態様では、アミン官能基は高分子骨格に沿ってランダムに分布されており
、その高分子骨格中の繰返単量体単位の前駆単量体と、p‐アミノスチレン、2
‐アミノプロピルアクリルアミド、ノルボルネンおよびその高次同族体を含めて
ノルボルネンの不飽和タイプのもの、例えばノルボルネニル‐メチルアミンのよ
うな希望のアミン官能基を含むエチレン系不飽和単量体との共重合によって合成
される。
ペンダントおよび末端アミン官能基のモルパーセントは広い範囲で変えられる
。その唯一の必要条件は、その量がエラストマーとポリエステルが或る程度グラ
フトするのに十分な量であることである。
この組成物に含まれるエラストマーの量は広い範囲で変えられる。普通、エラ
ストマーの量はその組成物中のポリエステル、ポリカーボネートおよびエラスト
マーの少くとも約1重量%である。エラストマーの量はその組成物中のポリエス
テル、エラストマーおよびポリカーボネートの総重量に対して、望ましくは約5
から約30重量%、より望ましくは約5から約20重量%、そして最も望ましく
は約10から約20重量%である。
本発明の望ましい態様では、この組成物は有効量の適切な“グラフト・カップ
リング剤”を含んでいる。本明細書で用いられる“グラフト・カップリング剤”
とは、アミン機能化エラストマーとポリエステルとのカップリング反応および/
またはポリエステルとアミン機能化エラストマーのそれぞれの鎖長を延長する橋
架け反応を促進すると考えられている試薬のことである。この機能を備えた任意
のグラフト・カップリング剤が本発明の実施に際して使用することができる。か
かるグラフト・カップリング剤の例は、燐トリスラクタムのようなホスファイト
;トリノニルフェニルホスファイトおよびトリフェニルホスファイトのようなア
ルキル、アリール、アルキルアリールおよびアラルキル置換基を有するホスファ
イト;およびこれらに類するものである。かかるグラフト・カップリング剤は米
国特許第5,037,897号;同第5,124,411号明細書などにより詳
細に説明されている。
その他の有用なグラフト・カップリング剤はポリカルボジイミドである。有用
なポリカルボジイミドの例は、次式:
−(R2−N=C=N)−
の繰返単位を含んでなる。ただし、上記の式において‐R2‐はメチレン、ブチ
レン、イソブチレン、ノニレン、ドデシレン、ネオペンチレンおよびこれらに類
する基のような1から約20個の炭素原子を有する脂肪族の基;シクロオクチレ
ン、1,4‐ジメチレンシクロヘキシレン、シクロヘキシレンおよびこれらに類
する基のような5から約12個の炭素原子有する脂環式の基;フェニレン、ナフ
チレン、1,4‐ジメチレンフェニレン、ビスフェニレン、ジフェニルメタン、
2,2‐ジフェニレンプロパンおよびこれらに類する基のような6から約16個
の炭素原子有する芳香族の基;またはジフェニレンスルホン、ジフェニレンエー
テル、ジフェニレンケトン、ジフェニレンアミン、ジフェニレンスルフィドおよ
びこれらに類する基などの、式:‐O‐、‐SO2‐、‐C(O)‐、‐C(O
)O‐、‐NH‐、‐S‐およびこれらに類する基の一つまたはそれ以上の二価
の基を含む脂肪族、芳香族または脂環式の基のような二価の炭化水素系の基であ
る。
特に有用なポリカルボジイミドに、ポリ(2,4,6‐トリイソプロピル‐1
,3‐フェニレン・カルボジイミド);ポリ(2,6‐ジイソプロピル‐1,3
‐フェニレン・カルボジイミド);ポリ(トリル・カルボジイミド);ポリ(4
,4´‐ジフェニルメタン・カルボジイミド);ポリ(3,3´‐ジメチル‐4
,4´‐ビフェニレン・カルボジイミド);ポリ(p‐フェニレン・カルボジイ
ミド);ポリ(m‐フェニレン・カルボジイミド);ポリ(3,3´‐ジメチル
‐4,4´ジフェニルメタン・カルボジイミド);ポリ(ナフチレン・カルボジ
イミド);ポリ(イソホロン・カルボジイミド);ポリ(クメン・カルボジイミ
ド);ポリ(メシチレン・カルボジイミド);およびそれらの混合物がある。望
まし
いポリカルボジイミドはポリ(2,6‐ジイソプロピル‐1,3‐フェニレン・
カルボジイミド)[スタバキソール(Stabaxol:登録商標)P、ポリ(
2,4,6‐トリイソプロピル‐1,3‐フェニレン・カルボジイミド)(スタ
バキソールP100)およびポリ(2,2´,6,6´‐テトライソプロピルジ
フェニレン・カルボジイミド)(スタバキソールD)である。これらの望ましい
材料はライン・ヘミー社(Rhein‐Chemie)からスタバキソール(登
録商標)という品種で市販されている。
有用なポリカルボジイミドはこの技術分野の習熟者に知られている方法で作る
ことができるか、または市場から入手することができる。例えば、有用なポリカ
ルボジイミドは、対応するイソシアナートを溶媒および含燐触媒などの触媒の存
在下または非存在下で加熱することにより合成することができる。これらの方法
は米国特許第2,853,473号明細書、およびモノグル,ジェイ.ジェイ.
(Monogle,J.J.)“カルボジイミド II.イソシアネートのカル
ボジイミドへの転化.触媒研究(Carbodiimides,II.Conv
ersion of Isocyanates to Carbodiimid
es.Catalyst Studies)、有機化学会誌(J.Org.Ch em
.)、27,3851(1962)により詳細に説明されている。
もう一つの群のグラフト・カップリング剤はブロックトイソシアネートまたは
ブロックトジイソシネナートである。実例はカプロラクタム・ブロックトメチレ
ンビス(4,4´‐ジイソシアナトベンゼン)(ブロックトMDI)、ブロック
トトルェン2,4‐ジイソシアネートおよびこれらに類するものである。有用な
ブロックトイソシアネートおよびブロックトジイソシアネートは既知の方法で合
成することができか、または市場から、例えばマイルズ社(Miles)からデ
スモデュール・イソシアネーツ(Desmodur isocyanates)
という商標名で得ることができる。
さらにもう一つの群のグラフト・カップリング剤はビスフェノール‐Aのジグ
リシジルエーテル、p‐アミノフェノールのトリグリシジルエーテルおよびエポ
キシノボラック(EPN‐1138、ECN‐1299)のような二官能性また
は多官能性エポキシド類である。これら材料の特定の物はこの技術分野の普通の
習熟者が知っている方法で合成できるし、また、例えばチバガイギー社(Cib
a Geigy)のような市場から入手できる。
他の群のグラフト・カップリング剤は武田薬品(Takeda:日本)から市
販されている多官能性オキサゾリン類(例えば、m‐フェニレン‐ビスオキサゾ
リン類)である。
この組成物は“グラフト・カップリング剤の有効量”を含んでいる。本明細書
で用いられる“グラフト・カップリング剤の有効量”とは、熱可塑性ポリエステ
ル、ポリカーボネートおよびアミン機能化エラストマーの組成物と溶融ブレンド
した時に、その組成物がその衝撃強さ(低温および/または高温でのノッチ付き
アイゾット強さ)を徐冷熱処理後に保持する程度を高めるのに十分な量のことで
ある。通常、このグラフト促進剤の量はその組成物中のポリエステル、ポリカー
ボネートおよびエラストマーの少くとも約0.1重量%である。そのグラフト促
進剤の量は、この基準で、望ましく、約0.3から約5重量%、より望ましくは
約0.5から約2重量%、そして最も望ましくは約1から約2重量%である。
上述の基本成分に加えて、本発明のブレンドはポリエステルおよびポリカーボ
ネート樹脂と共に一般に用いられる添加剤である各種の任意成分を含んでいても
良い。かかる任意成分に、タルク、ガラス繊維、粘土およびこれらに類するもの
のような充填材;ラクタム、ポリエステルおよびスルンアミド、例えばカプロラ
クタム、ラウリルラクタム、オルソ‐およびパラ‐トルエン・エチルスルホンア
ミド・ポリエステルグルタメート、ポリエステルグリコール、ポリエステルアジ
ペートおよびこれらに類するもののような可塑剤;耐衝撃性改良剤;鎖長延長剤
;酸化鉄、カルシウム・レッド、ローダミン、クロム・イエロー、クロム‐グリ
ーン、フタロ‐シアニンブルーおよびこれらに類するもののような染料と顔料;
金型離型剤;酸化防止剤;紫外線安定剤;核化剤;潤滑剤;帯電防止剤;難燃剤
;およびこれらに類するものがある。これらの任意成分はこの技術分野の習熟者
には良く知られており、従って本明細書ではこれ以上詳細に説明はしない。これ
ら任意材料は常用の方法を用いて配合することができる。通常、このような任意
材料はブレンドを製造するために広く用いられている混合法で、または後続の射
出成形工程のような融解成形工程で含められる。
本発明の組成物は、厚み0.1875インチ(0.476cm)の試料につい
て23℃で、ASTM D‐256ノッチ付きアイゾット法で測定して室温(即
ち、約24℃)および低温(約−40℃まで)の両温度での衝撃強さおよびAS
TM D‐638による引張モジュラスおよび伸びが比較的大きい。このブレン
ドは70〜160℃で72時間以下加熱した後に室温および低温強さを完全にま
たは実質的に完全に保持することが望ましい。本発明の望ましい態様では、この
組成物は約16から72時間、150℃で徐冷熱処理した後で、“有用な水準の
室温および低温衝撃強さ”を維持する。本明細書で用いられる“有用な水準も室
温および低温衝撃強さ”とは、50ft.Lbsまたはそれ以上の落錘衝撃強さ
、および5ft.Lbs/inまたはそれ以上、望ましくは約8ft.Lbs/
inまたはそれ以上、より望ましくは約10ft.Lbs/inまたはそれ以上
、そして最も望ましくは約12ft.Lbs/inまたはそれ以上の徐冷熱処理
前の低温および室温での初期ノッチ付きアイゾット強さの水準のことである。本
発明のこれらの望ましい態様の中で望ましい組成物は、その室温(23℃)衝撃
強さ(ノッチ付きアイゾット強さ)の少くとも約25%と、その低温(−40℃
)衝撃強さ(ノッチ付きアイゾット強さ)の少くとも約20%が徐冷熱処理後に
保持されるような組成物であり;より望ましくはその室温衝撃強さの少くとも約
40%と、その低温衝撃強さの少くとも約30%が徐冷熱処理後に保持されるよ
うな組成物であり;そして最も望ましくはその室温衝撃強さの少くとも約60%
と、その低温衝撃強さの少くとも約40%が徐冷熱処理後に保持されるような組
成物である。
本発明の組成物は基本成分と他の任意成分を任意、常用のブレンド法を用いて
できるだけ均一にブレンドまたは混合することにより製造することができる。溶
融押出法、バッチ式溶融法およびこれらに類する方法のような適切なブレンド法
はこの技術分野で良く知られているので、ここではこれ以上詳細に説明しない。
例えば、高分子科学と工学の百科辞典(Encyclopedia of Po
lymer Science and Technology)、第6巻、57
1‐631頁;ジョン ワイリー アンド サンズ社(John Wiley
& Sons)、1986年の“押出成形(Extrusion)”の項を参照
されたい。この文献を本明細書で引用、参照するものとする。通常、このブレン
ド法は、例えば顆粒、ペレットおよび粉末などの適当な形状で単独または組み合
せで添加される重合体の融点以上の昇温下で行うことができ、その融解物に激し
く攪拌しながら添加される。例えば、ポリエステルは融解状態のポリカーボネー
トおよびエラストマーとマスターバッチ化または前ブレンドすることができ、こ
の前混合物またはマスターバッチが融解状態のポリカーボネートとエラストマ−
にそのブレンド製品中に希望量の重合体、ポリカーボネートおよびエラストマー
を供給するのに十分な量添加される。同様に、このブレンド法は重合体成分の一
つが融解する温度で行うことができ、そして他の重合体成分はその融解物を激し
く攪拌しながら添加混合される。同様に、各種の固体成分も顆粒化することがで
き、その顆粒化成分は、例えばバンバリーミキサーのような適当なブレンダー中
でできるだけ均一にドライミックスされ、次いで押出成型機中で融解され、冷却
しながら押出される。
別法として、本発明の組成物は適当な不活性溶媒にそれら成分を溶解すること
により調合することができ、その後でその溶媒を蒸発で除去するか、または他の
常用の溶媒除去法が組成物を与えるように用いられる。溶媒は重要ではなく、唯
一の必要条件は組成物の各成分に不活性で、各成分を可溶化する能力があるか、
または少くともその分散液を生成し得ると言うことである。
本発明の方法によるブレンドはポリエステル、ポリカーボネートおよびそれら
のブレンドが用いられる用途に利用できる。このブレンドは熱可塑性材料であり
、それより射出成形法や押出成形法のような常用の重合体成形法で価値のある性
質を有する成形製造物品を製造することができる。かかる成形物の例は、工業用
品、芝生および庭園用品、雪かきパワーシャベルおよびスノーモービル用品、家
庭用品、スポーツ用品、電気および電子工業用動力工具用品および電気絶縁体用
品、自動車部品および機械加工で成形できる半完成品である。本発明の組成物は
自動車部品、特に自動車の運転時に高温に曝される可能性のあるボンネットの下
で使用される部品の製造に利用するのに特に適している。同様に、本発明のブレ
ンドは動力工具、スノーモービルおよび、それらに類似する、戸外で操作される
用品の構成部品を製造するのに用いることができる。
以下の実施例は、本発明を更に良く例証するために提示されるものであり、本
発明を限定するものと考えるべきでない。
比較例1
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリカーボネート(PC)
およびエチレン/プロピレン・ゴム(EPR)のブレンド
6ポンドのポリ(エチレンテレフタレート)(PET)(フェノール/TCE
中での極限粘度IV=0.7dL/g;COOH含有量0.035meq/g)
と3ポンドのEPR[エクソン社(Exxon)のPE901、未変性、ムーニ
ー粘度25]のペレット/ペレット混合物を、34mmのライストリッツ同時回
転式完全相互かみ合い二軸押出成形機(Leistritz corotati
ng fully intermeshing twin screw ext
ruder)のスロート部(throat)に供給した。この押出成形機は第4
および第6バレル区画で下流供給(downstream feed)できる1
0個の加熱バレル区画を含んでいた。代表的な温度分布では、最初の三っのバレ
ル区画が250℃に、残りが270℃に加熱される。混合用エレメントは区画5
および7に所在する。材料は、普通、毎分200‐250RPMのスクリュー速
度で、30‐35Lb/時間の流量で不足ぎみに供給(starve feed
)される。
同時に、6ポンドのPC[GEレキサン(GE Lexan)101]をバレ
ル区画4に下流添加した。この押出物を水で冷やし、ペレット化し、射出成形用
に真空乾燥した。
比較例2
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、
ポリカーボネート(PC)およびマレエート化エチレン
/プロピレン・ゴム(MA‐EPR)のブレンド
比較例1の方法を用いて、1.2kgのPET(フェノール/TCE中でのI
V=0.7dL/g;COOH含有量0.035meq/g)、1.2kgのP
C(GEレキサン101)および0.6kgのMA‐EPR[エクソン社のエク
セラー(Excelor)1803、マレエート化度0.7%、ムーニー粘度2
5]のペレット/ペレット混合物をハーケ社(Haake)のTW‐100コニ
カル二軸押出成形機を用い、75RPMで押し出した。この押出成形機は230
℃、265℃、280℃、285℃(区画1‐4)に加熱された。この押出物を
水で冷やし、ペレット化し、射出成形実験で使用するために真空乾燥した。
実施例1
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリカーボネート(PC)
およびアミン化エチレン/プロピレン・ゴム(A‐EPR)のブレンド
対照例1の方法を用いて、6ポンドのPET(フェノール/TCE中でのIV
=0.7dL/g;COOH含有量0.035meq/g)と3ポンドのA‐E
PRのペレット/ペレット混合物をライストリッツ押出成形機のスロート部に供
給した。同時に、6ポンドのPC(GEレキサン社の101)をバレル区画4に
下流添加した。この押出物を水で冷やし、ペレット化し、射出成形実験で使用す
るために真空乾燥した。
実施例2
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリカーボネート
(PC)、アミン官能性エチレン/プロピレン・ゴム
(A‐EPR)およびグラフトカップリング剤のブレンド
4.65ポンドのPET(フェノール/TCE中でのIV=0.7dL/g;
COOH含有量0.035meq/g)と3ポンドのA‐EPRのペレット/ペ
レット混合物をライストリッツ押出成形機のスロート部に供給した。同時に、5
.85ポンドのPC(GEレキサン社の101)をバレル区画4に下流添加し、
そして1.2ポンドの粉末PET(フェノール/TCE中でのIV=0.7dL
/g;COOH含有量0.035meq/g)と0.3ポンドの、グラフト・カ
ップリング剤であるポリ(2,4,6‐トリイソプロピル‐1,3‐フェニレン
カルボジイミド)(ライン・ヘミー社のスタバキソールP‐100粉末)との粉
末/粉末混合物をバレル区画6に下流添加した。得られたブレンドを射出成形実
験で使用するためにペレット化した。
比較例3
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリカー
ボネート(PC)、マレエート化エチレン/プロピレン・ゴム
(MA‐EPR)およびグラフト・カップリング剤のブレンド
4.65ポンドのPET(フェノール/TCE中でのIV=0.7dL/g;
COOH含有量0.035meq/g)と3ポンドのMA‐EPR(エクソン社
のエクセラー1803、マレエート化度0.7%、ムーニー粘度25)のペレッ
ト/ペレット混合物をライストリッツ押出成形機のスロート部に供給した。同時
に5.85ポンドのPC(GEレキサン101)をバレル区画4に下流添加し、
そして1.2ポンドの粉末PET(フェノール/TCE中でのIV=0.7dL
/g;COOH含有量0.035meq/g)と0.3ポンドの、グラフト・カ
ップリング剤であるポリ(2,4,6‐トリイソプロピル‐1,3‐フェニレン
カルボジイミド)(ライン・ヘミー社のスタバキソールP‐100粉末)との粉
末/粉末混合物をバレル区画6に下流添加した。得られたブレンドを射出成形実
験で使用するためにペレット化した。
比較例4
ポリエステルとポリカーボネートのブレンドの特定の性質に及ぼすアミン機能
化エチレン/プロピレン・エラストマーの効果を示すために、一連の実験を行っ
た。評価のために選んだ性質は、初期高温および低温ノッチ付きアイゾット強さ
、徐冷熱処理後の高温および低温ノッチ付きアイゾット強さ、初期破断時伸びお
よび徐冷熱処理後破断時伸びである。比較のために選ばれたブレンドは比較例1
および2と実施例1のブレンドであった。これらの実験で、ポリマブレンドのペ
レットをアルブルグ社(Arburg)の25トン万能射出成形機でASTM試
験試料片に射出成形した。この成形試料片で、ノッチ付きアイゾット衝撃強さ(
ASTM D256)、引張強さと伸び(ASTM D638)および曲げ強さ
とモジュラス(ASTM D790)を試験した。数種の試験片で落錘衝撃強さ
(ASTMD3029)も調べた。
これら実験の結果を次の表Iに示す。この表での略号は次の意味である:
(a)“NI‐23”は25℃で測定した成形後試料の初期ノッチ付きアイゾ
ット強さを意味する。
(b)“NI‐40”は−40℃で測定した成形後試料の初期ノッチ付きアイ
ゾット強さを意味する。
(c)“ANI‐23”は25℃で測定した150℃で16〜72時間徐冷熱
処理した試料のノッチ付きアイゾット強さを意味する。
(d)“ANI‐40”は−40℃で測定した150℃で16〜72時間徐冷
熱処理した試料のノッチ付きアイゾット強さを意味する。
(e)”EB”は成形後試料の初期破断時伸びを意味する。
(f)“AEB”は150℃で16〜72時間徐冷熱処理した試料の破断時伸
びを意味する。
比較例5
ポリエステルとポリカーボネートとのブレンドの特定の性質に及ぼすアミン機
能化エチレン/プロピレン・エラストマーとグラフト・カップリング剤との組合
せの効果を示すために、比較例4の方法を用いて一連の実験を行った。比較のた
めに選んだ性質は比較例4の場合と同じであった。比較のために選んだブレンド
は比較例1,2,および3と実施例1および2である。これら実験の結果を表I
Iと図1から4に示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.次の: i. 熱可塑性ポリエステル; ii. ポリカーボネート; iii.アミン機能化エラストマー;および iv. グラフト・カップリング剤 を含んでなるポリマブレンド。 2.熱可塑性ポリエステルがポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレ ンテレフタレート)およびポリ(1,4‐シクロヘキサンジメチレンンテレフタ レート)から成る群から選ばれる、請求の範囲第1項に記載のブレンド。 3.ポリカーボネートがポリ(2,2´‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)ア ルカン)カーボネート類およびポリ(2,2´‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5 ‐ジメチルフェニル)アルカン)カーボネート類から成る群から選ばれる、請求 の範囲第1項に記載のブレンド。 4.エラストマーがアミン機能化されたポリブタジエン、ポリイソプレン、ブ タジエン/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、イソブ チレン/ブタジエン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロ ピレン/ジエン三元共重合体およびエチレン/アルキルアクリレート共重合体か ら成る群から選ばれる、請求の範囲第1項に記載のブレンド。 5.アミン基が‐NH2、‐NHR1(ここで、R1はアルキルである)または それらの組合せである、請求の範囲第4項に記載のブレンド。 6.グラフト・カップリング剤が次式: −(R2−N=C=N)− (式中、R2はアルキレン、アリーレンまたはシクロアルキレンである) の繰返単位を有するポリカルボジイミドである、請求の範囲第1項に記載のブレ ンド。 7.ポリカルボジイミドがポリ(2,6‐ジイソプロピル‐1,3‐フェニレ ン・カルボジイミド)、ポリ(2,4,6‐トリイソプロピル‐1,3‐フェニ レン・カルボジイミド)およびポリ(2,2´,6,6´‐テトライソプロピル ジフェニレン・カルボジイミド)から成る群から選ばれる、請求の範囲第6項に 記載のブレンド。 8.ブレンド中のポリエステル、ポリカーボネートおよびエラストマーの総重 量を基に、ポリエステルの量が少くとも約10重量%であり、ポリカーボネート の量が少くとも約10重量%であり、エラストマーの量が少くとも約1重量%で あり、そしてグラフト・カップリング剤の量が少くとも約0.1重量%である、 請求の範囲第1項に記載のブレンド。 9.熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、アミン機能化エラストマー、 該ポリエステルと該エラストマーとのグラフト共重合体および該エラストマーに 該ポリエステルをグラフト共重合することから生ずるグラフト・カップリング剤 の残基を含んでなるポリマブレンドの製造法にして、該ポリエステル、該ポリカ ーボネート、該エラストマーおよび該グラフト・カップリング剤からなる混合物 を溶融ブレンドする工程を含んでなる、上記のポリマブレンドの製造法。 10.請求の範囲第9項に記載の方法で作られたブレンド。
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