JPH08508453A - 改良されたインキ受容性シート - Google Patents

改良されたインキ受容性シート

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JPH08508453A JP51997394A JP51997394A JPH08508453A JP H08508453 A JPH08508453 A JP H08508453A JP 51997394 A JP51997394 A JP 51997394A JP 51997394 A JP51997394 A JP 51997394A JP H08508453 A JPH08508453 A JP H08508453A
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Abstract

(57)【要約】 少なくとも片側の主要表面にインク受容性層を有する透明基材を含む改良されたインク受容性シートであって、前記インク受容性層は少なくとも一種の画像形成性ポリマー及び効果的な量の一般式(I)で表されるポリマー媒染剤を含む。但し式中Aは1〜5個の炭素原子を有するCOO−アルキレン基、1〜5個の炭素原子を有するCONH−アルキレン基、nが1〜5の−COO−(CH2CH2O)n−CH2−、及び−CONH−(CH2CH2O)n−CH2−からなる群より選ばれる;B及びDは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より独立に選ばれる;又はA、B、D及びNは式(II)及び(III)からなる群より選ばれる複素環式化合物を形成するように組合わせられる;R1及びR2は水素、フェニル基、及び1〜5個の炭素原子を含むアルキル基からなる群より独立に選ばれる;Rは水素、フェニル基、ベンズイミダゾリル基、及び1〜5個の炭素原子を含むアルキル基からなる群より選ばれる;yは0及び1から選ばれる;並びにX1及びX2はアニオンである。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 改良されたインキ受容性シート 発明の属する技術分野 本発明はインク受容性シートとして使用することが可能な透明材料に関し、よ り詳細には画像形成後の保存寿命を改良することにより改良されたインク受容性 層に関する。 関連する技術の説明 インクジェットプリンター及びペンプロッターのような画像形成装置はラベル 及び多色グラフィックスを含む様々な情報を印刷するための方法を確立した。こ のような情報の表示に対して、工芸画のオーバーレイ材料及び頭上投映機用の透 明材料として使用に適する透明なインク受容性の画像形成性受容体が必要とされ た。画像形成はインクジェットプリンター又はペンプロッターのいずれかを用い てインクをこれらの透明な受容体の表面に付着させることを伴う。これらの画像 形成装置では、完全に乾燥することをせずに長時間空気に暴露されても残存可能 なインクが通常使用される。 これらの受容体の表面は、画像形成直後に大量の液体を吸収した後に接触して も乾燥しており且つ不粘着性であることが好ましいために、ある程度の耐久性及 び透明性を保ちつつ大量の液体を吸収することが可能な透明材料は画像形成用の 画像形成性受容体として有用である。 液体可溶性のポリマー材料と液体不溶性のポリマー材料の混合及び塗布によっ て、透明な液体吸収性受容体として有用な組成物が製造されてきた。液体不溶性 の材料は、液体可溶性の材料が滞留する マトリックスを形成すると考えられている。このような混合物の例は、米国特許 第4300820号、同4369229号、及び同4935307号に開示され ている。液体吸収性ポリマーの様々な混合物を使用する場合の問題はマトリック スを形成する不溶性ポリマーと吸収される液体との不相溶性に基づくために、液 体吸収性成分の吸収能がある程度抑えられる可能性があり、そして乾燥時間が長 くなるであろう。 米国特許第5134198号に開示されている液体吸収性材料は、乾燥及び乾 燥時間の改良を意図している。架橋ポリマー成分を含むこれらの材料は、液体吸 収性の半相互貫入重合体網目構造(semi-interpenetrating polymer networks) としての連続的マトリックスを形成することができる。これらの網目構造は、少 なくとも一種のポリマー成分が、そのブレンド後において材料のバルクにわたっ て連続的な網目構造を形成するように架橋したポリマーの混合物であって、架橋 されていないポリマー成分が微視的に均質な組成物を形成するように組み合わさ れている。このような組成物は上記のような材料の不都合を生ずることのない、 耐久性を有するインク吸収性の透明表示用材料を製造するのに有用である。 インクジェットプリンターによる画像形成には、大量の溶剤、概してグリコー ルと水の混合物を必要とし、これは画像形成部分に残留される。染料が溶剤とと もに運ばれる場合には、溶剤の画像形成されていない部分への拡散によって画像 の「ブリード(bleeding)」が生じる。 上記引例中に開示されている材料について、透明材料において強調される前記 効果は記載されていない。画像形成されたフィルムを高温及び高湿の条件下で貯 蔵した場合又はフィルムからの溶剤の除去が妨げられた場合(例えば、画像形成 されたフィルムをトランス ペアレンシープロテクター内に入れた場合)にこの強調が起こる。溶剤の大部分 は概して吸収されるが蒸発せず、そして吸収性被覆が一般に非常に薄いためにそ の後の拡散が起こりやすくなることによって、ブリード効果はエージング又は保 管に対してより重大な影響を与える。 特開昭63−307979号には、インクジェットフィルム中に特定の第四級 アンモニウムを含有するポリマー媒染剤を使用すること、並びにインクジェット 記録工程時においてインクの流れ出し及びにじみのないインクジェットフィルム を提供することによって、優れた初期分解能、高密度、優れた色彩再現性及び光 沢が与えられることが開示されている。 本発明者は、インク受容性シート又はトランスペアレンシー中のインク受容性 層として使用したときに、画像形成後において優れた貯蔵寿命を有する透明なイ ンク受容性材料を見いだした。画像形成されたフィルムを高温及び高湿中に暴露 した後においても、またトランスペアレンシープロテクター内での貯蔵時におい ても、ブリードは劇的に減少した。 他の技術 ポリマー媒染剤は、写真技術において良く知られており、第四級アンモニウム 基、又はあまり頻繁ではないがホスホニウム基を含む物質を通常含む。 米国特許第2945006号中に下式で表されるアミノグアニジンとカルボニ ル基の反応生成物である媒染剤が開示されている。 米国特許第4695531号中には放射線透過写真に用いられる感光性ハロゲ ン化銀成分中の媒染剤が開示されている。分光感光性ハロゲン化銀エマルション 層は透明基材の少なくとも片面に塗布され、そして基材とハロゲン化銀エマルシ ョン層との間に塗布される親水性コロイド層は、写真工程時に脱色可能な水溶性 酸性染料を含む。この染料は下式で表される繰り返し単位を含む塩基性ポリマー 媒染剤と結合する: (上式中R1は水素又はメチル基、Aは−COO−又は−COO−アルキレン基 、R2は水素又は低級アルキル基、及びXはアニオンである)。 このような媒染剤をインク受容性層中に使用することの言及はされていない。 イタリア国特許第931270号中には下式で表される構造を有する他の写真 用媒染剤が開示されている。 この物質をインク受容性層中に使用することの言及はされていない。 ポリ(N−ビニルイミダゾール)をベースとする不拡散性の媒染剤が米国特許 第4500631号中に開示されている。これらは放射線透過写真の画像形成工 程に使用され、この工程において媒染剤は水溶性染料と結合する。更に、インク 受容性塗料中にこれらを使用することの言及はされていない。 発明の要旨 本発明は高温及び高湿中に暴露された後においてもより長い画像保存寿命を有 する改良されたインク受容性層及び改良されたインク受容性層を有するインク受 容性シートを提供する。本発明の前記シートはインクの「ブリード」が著しく削 減されたことにより長時間有効に残存する。前記シートは透明フィルム「スリー ブ(sleeve)」プロテクター中に貯蔵時においても改良された寿命を有する。 本発明の改良されたインク受容性シートは少なくとも片側の主要表面にインク 受容性層を有する透明基材を含み、前記インク受容性層は画像形成性ポリマー及 び効果的な量の少なくとも一種の下式で表される一般構造を有するグアニジン官 能性を含むポリマー媒染剤を含む: (上式中Aは1〜5個の炭素原子を有するCOO−アルキレン基、1〜5個の炭 素原子を有するCONH−アルキレン基、nが1〜5である−COO−(CH2 CH2n−CH2−、及び−CONH−(CH2CH2O)n−CH2−からなる群 より選ばれる; B及びDは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より独立に選ば れる; 又はA、B、D及びNは下式からなる群より選ばれる複素環式化合物を形成す るように組合わせられる; 1及びR2は水素、フェニル基、及び1〜5個の炭素原子を含むアルキル基か らなる群より独立に選ばれる; Rは水素、フェニル基、ベンズイミダゾリル基、及び1〜5個の炭素原子を含 むアルキル基からなる群より選ばれる; yは0及び1からなる群より選ばれる;並びに X1及びX2はアニオンである)。 好ましくは本発明のインク受容性シートは、少なくとも片側の主要表面にイン ク受容性層を有する透明基材を含み、前記インク受容性層は以下を含む: a) 少なくとも一種の架橋性ポリマー成分; b) 少なくとも一種の液体吸収性成分;及び c) 効果的な量の少なくとも一種の下式で表される一般構造を有するグアニ ジン官能性を含むポリマー媒染剤: (上式中Aは1〜5個の炭素原子を有するCOO−アルキレン基、1〜5個の炭 素原子を有するCONH−アルキレン基、nが1〜5である−COO−(CH2 CH2O)n−CH2−、及び−CONH−(CH2CH2O)n−CH2−からなる 群より選ばれる; B及びDは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より別々に選ば れる; 又はA、B、D及びNは下式からなる群より選ばれる複素環式化合物を形成す るように組合わせられる; 1及びR2は水素、フェニル基、及び1〜5個の炭素原子を含むアルキル基か らなる群より独立に選ばれる; Rは水素、フェニル基、ベンズイミダゾリル基、及び1〜5個の炭素原子を含 むアルキル基からなる群より選ばれる; yは0及び1からなる群より選ばれる;並びに X1及びX2はアニオンである)。 好ましい態様において、インク受容性組成物は1〜15重量部のポリマー媒染 剤を含む。より好ましくは、インク受容性層は、a)少なくとも一種の架橋性ポ リマー成分、b)水吸収性ポリマーを含む少なくとも一種の液体吸収性ポリマー 、及びc)任意に架橋剤を含むポリマー混合物から形成される、架橋した半相互 貫入網目構造(crosslinked semi-interpenetrating network)(本明細書中に おいてSIPNと呼ぶ)を含むものである。このSIPNは、架橋 ポリマーが連続的なマトリックスを形成している連続的な網目構造を意味する。 SIPNは、3〜20%のアンモニウムアクリレート基を含むコポリマーと架橋 剤とを架橋し、次に、コポリマーを液体吸収性ポリマー又は上記ポリマー媒染剤 と組み合わされた架橋されていない同様なポリマーの混合物と化合させることに よって生じる。本発明は、高温及び高湿中に暴露された場合であっても、また被 覆からの溶剤の除去が妨げられた場合であっても、インク付着装置を用いて画像 形成した場合に、画像のブリードが削減されたより長い画像寿命を有し、画像の 投影に有用な「トランスペアレンシー」と一般に呼ばれるインク受容性シートを 提供する。 最も好ましくは、本発明のインク受容性シートは少なくとも片側の主要表面に インク受容性層を有する透明基材を含み、前記インク受容性層は以下を含む: a) 少なくとも一種の架橋性ポリマーマトリックス成分; b) 少なくとも一種の液体吸収性ポリマー成分; c) 多官能価アジリジン架橋剤;及び d) 下式で表される一般構造を有するグアニジン官能性を含むポリマー媒染 剤: (上式中Aは1〜5個の炭素原子を有するCOO−アルキレン基、1〜3個の炭 素原子を有するCONH−アルキレン基、nが1〜5である−COO−(CH2 CH2O)n−CH2−、及び−CON H−(CH2CH2O)n−CH2−からなる群より選ばれる; B及びDは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より独立に選ば れる; 又はA、B、D及びNは、下式からなる群より選ばれる複素環式化合物を形成 するように組合わせられる; 1及びR2は水素、フェニル基、及び1〜3個の炭素原子を含むアルキル基か らなる群より独立に選ばれる; Rは水素、フェニル基、ベンズイミダゾリル基、及び1〜3個の炭素原子を含 むアルキル基からなる群より選ばれる; yは0及び1からなる群より選ばれる;並びに X1及びX2はアニオンである);並びに e) 5〜40μmの範囲の粒径を有する粒状物質。 本明細書中における用語の意味は以下の通りである。 1.「媒染剤」とは、組成物中に存在する時に、染料の組成物中への拡散を防 止する化合物を意味する。 2.「SIPN」とは、半相互貫入網目構造を意味する。 3.「半相互貫入網目構造」とは、ホモ架橋ポリマーと直鎖の架橋されていな いポリマーとの絡み合いを意味する。 4.「架橋性」とは、同種又は異種の分子間に共有結合又は強いイオン結合を 形成することができる性質を意味する。 5.「親水性」及び「親水性表面」とは、その表面が水によって湿潤する性質 又は材料の塊が大量の水を吸収することができる性質 の両方を概して意味し、材料が水に対して受容的であることを表すために用いる 。水に対して表面湿潤性を示す材料は親水性表面を有する。 6.「親水性液体吸収性材料」とは、大量の水及び水溶液を吸収することがで きる材料を意味し、水溶性である材料が含まれる。材料がモノマー単位1モルに 対して少なくとも1モルの水の水吸収性能を有する場合には、モノマー単位を親 水性単位として呼びうるであろう。 7.「疎水性」及び「疎水性表面」とは、その表面が水によって容易に湿潤し ない材料を意味する。同種間での重合によって少量の水のみを吸収することので きる不水溶性ポリマーが形成される場合には、モノマー単位を疎水性単位として 呼びうるであろう。 本明細書中における全ての部、百分率、及び割合は他に記載がない限り重量を 基準にする。 発明の詳細な説明 本発明のインク受容性シートに有用な媒染剤は、少なくとも一種の下式で表さ れる一般構造を有するグアニジン官能性を含む: (上式中Aは1〜5個の炭素原子を有するCOO−アルキレン基、1〜5個の炭 素原子を有するCONH−アルキレン基、nが1〜5、好ましくは1〜3である −COO−(CH2CH2O)n−CH2−、及び−CONH−(CH2CH2O)n −CH2−からなる 群より選ばれる; B及びDは1〜5個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基から なる群より独立に選ばれる; 又はA、B、D及びNは下式からなる群より選ばれる複素環式化合物を形成す るように組合わせられる; 1及びR2は水素、フェニル基、及び1〜5個、好ましくは1〜3個の炭素原 子を含むアルキル基からなる群より独立に選ばれる; Rは水素、フェニル基、ベンズイミダゾリル基、及び1〜5個、好ましくは1 〜3個の炭素原子を含むアルキル基からなる群より選ばれる; yは0及び1からなる群より選ばれる;並びに X1及びX2はアニオンである)。 好ましい媒染剤のクラスには、以下のクラスが含まれる: 下式で表される構造を有するクラスA: (上式中XはCH3SO3、Br、NO3、Cl、CF3COO、p−MePhSO3 、ClO4、F、CF3SO3、BF4、C49SO3、FSO3、PF6、ClSO3 、又はSbF6を表す;及びnは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスB: (上式中XはCH3SO3、p−MePhSO3、CF3SO3、BF4、PF6、又 はSbF6を表す;及びnは2以上の整数を表す。); 下式で表される構造を有するクラスC: (上式中XはCH3SO3、Br、NO3、Cl、CF3COO、p−MePhSO3 、ClO4、F、CF3SO3、BF4、C49SO3、FSO3、PF6、ClSO3 、又はSbF6を表す;及びnは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスD: (上式中XはCH3SO3、p−MePhSO3、CF3SO3、BF4、PF6、又 はSbF6を表す;及びnは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスE: (上式中nは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスF: (上式中nは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスG: (上式中R1はH又はCH3を表す;R2はC1〜C4のアルキル基を表す;及びn は2以上の整数を表す)。 好ましい媒染剤は200,000未満、最も好ましくは10,000〜60, 000の分子量を有するものである。 本発明の改良されたインク受容性シートのインク受容性層はポリマーインク受 容性材料を更に含む。このポリマーインク受容性材料中に含まれる少なくとも一 種のポリマーは架橋性であることが好ましいが、この系は寿命を延ばすため及び ブリードを減ずるために架橋されることを必要としない。米国特許第51341 98号(Iqbal)中に開示されているように、このような架橋系はその乾燥 時間に利点を有する。 好ましくはインク受容性層は、少なくとも一種の水吸収性の親水性ポリマー材 料及び少なくとも一種の酸官能性を有する疎水性ポリマー材料を含むポリマー混 合物を含む。様々なモノマー単位の吸収能は、例えば、D.W.Van KrevelinとP .J.Hoftyzerとの共同執筆によるProperties of Polymers:Correlations with Chemical Structure,Elsevier Publishing Company(Amsterdam,London,New York,1972),pages 294-296に記載されている。 水吸収性の親水性ポリマー材料は、ビニルラクタム類、アルキル第三級アミノ アルキルアクリレート類又はアルキル第三級アミノアルキルメタクリレート類、 アルキル第四級アミノアルキルアクリレート類又はアルキル第四級アミノアルキ ルメタクリレート類、2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジンから選ばれる モノマー単位のホモポリマー又はコポリマーを含む。これらのモノマーの重合は 、時間、温度、単量体単位の割合等のような条件を最終ポリマーの望ましい特性 を得るために調節しながらフリーラジカル法によって行うことができる。 疎水性ポリマー材料は好ましくはアクリル又は他の疎水性エチレン的不飽和モ ノマー単位を酸官能性を有するモノマー単位と化合させることによって生成する 。疎水性モノマー単位は同種間での重合によって水不溶性ポリマーを形成し、1 0個以上の炭素原子を有するアルキル側基を含まない。これらを少なくとも一種 の酸官能性モノマー単位と共重合させることも可能である。好ましい疎水性モノ マー単位は、特定のアクリレート類及びメタクリレート類(例えば、メチル(メ ト)アクリレート、エチル(メト)アクリレート)、アクリロニトリル、スチレ ン又はα−メチルスチレン、及びビニルアセテートから好ましくは選ばれる。疎 水性モノマー単位との重合に適する好ましい酸官能性モノマー単位はアクリル酸 及びメタクリル酸であって、その量は2〜20%である。 所望ならば、カーリングを減らす目的のためにインク受容性層にポリエチレン グリコールを加えることができる。より低分子量のポリエチレングリコールは曇 り度を低く保つと同時にカーリングを減らす目的により効果的である。従って、 4000未満の分子量を有するポリエチレングリコールが好ましい。 好ましい態様において、インク受容性被覆はSIPNである。本発明のSIP Nは本質的に疎水性又は親水性の架橋性ポリマーを含み、この架橋性ポリマーは アクリル又は他の疎水性もしくは親水性のエチレン的不飽和モノマー単位と酸根 を有するモノマーとの共重合によって生成するか、又はエステル側基がこれらの アクリル又は他の疎水性もしくは親水性のエチレン的不飽和モノマー単位中に存 在する場合には加水分解によって生成する。 架橋性マトリックス成分の調製に適する疎水性モノマー単位は以下から好まし くは選ばれる: (1) 下式で表される構造を有するアクリレート類及びメタク リレート類: (上式中R1はH又は−CH3を表し、並びにR2は10個以下、好ましくは4個 以下、より好ましくは1〜2個の炭素原子を有するアルキル基、9個以下の炭素 原子を有する脂環式の基、14個以下の炭素原子を有する置換又は未置換のアリ ール基、及び10個以下の炭素原子を有する含酸素複素環式基を表す); (2) アクリロニトリル又はメタクリロニトリル; (3) 下式で表される構造を有するスチレン又はα−メチルスチレン: (上式中X及びYは独立に、水素、又は4個以下、好ましくは1もしくは2個の 炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、又はORm (但し、Rmは水素、又は4個以下、好ましくは1もしくは2個の炭素原子を有 するアルキル基)を表し、並びにZは水素又はメチルを表す);並びに (4) ビニルアセテート。 架橋性ポリマーの調製に適する親水性モノマー単位は以下から好 ましくは選ばれる: (1) 下式で表される繰り返し単位を有するビニルラクタム類: (上式中nは2又は3の整数を表す); (2) 下式で表される構造を有するアクリルアミド類又はメタクリルアミド 類: (上式中R1は前記定義と同じであり、R3はH又は10個以下、好ましくは1〜 4個の炭素原子を有するアルキル基、及びR4はH又は10個以下、好ましくは 1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、又はヒドロキシアルキル基、又は−( CH2p−OR3(但し、pは1〜3の整数を表す)の構造を有するアルコキシ アルキル基; (3) 下式で表される構造を有する第三級アミノアルキルアクリレート類又 は第三級アミノアルキルメタクリレート類: (上式中mは1又は2の整数を表し、R1及びR3は前記定義と同じであり、R5 は10個以下、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す); (4) 下式で表される構造を有するヒドロキシアルキルアクリレート類、ア ルコキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシアルキルメタクリレート類、又は アルコキシアルキルメタクリレート類: (上式中R1及びR4は前記定義と同じであり、qは1〜4、好ましくは2〜3の 整数を表す);並びに (5) 下式で表される構造を有するアルコキシアクリレート類又はアルコキ シメタクリレート類: (上式中rは5〜25の整数を表し、R1は前記定義と同じである)。 上記の疎水性及び親水性モノマー単位の両方の構造のうちの幾つかは、加水分 解によって容易に架橋性となるエステル側基を含む。前記以外の場合には、架橋 性にするために酸根を含むモノマー単位がポリマー構造に組み込まれる。これら のモノマーの重合は通常のラジカル溶液重合法、ラジカルエマルション重合法、 又はラジカルサスペンション重合法によって行うことがきる。酸根を含む好適な モノマー単位には、アクリル酸、又はメタクリル酸、他の共重合性 カルボン酸、及びアンモニウム塩が含まれる。 架橋剤は、以下、 トリメチロールプロパン−トリス−(β−(N−アジリジニル)プロピオネー ト) ペンタエリスリトール−トリス−(β−(N−アジリジニル)プロピオネート ) トリメチロールプロパン−トリス−(β−(N−メチルアジリジニル)プロピ オネート) 等のような1分子当たり架橋座を少なくとも2個有する多官能価アジリジン類か らなる群より好ましくは選ばれる。架橋は多価金属イオン塩によって与えられる ような金属イオンにより引き起こすことも可能であり、この場合には、架橋性ポ リマーは80〜99重量部のモノマーと1〜20重量部のキレート化化合物から 製造される。 前記金属イオンは、コバルト、カルシウム、マグネシウム、クロム、アルミニ ウム、スズ、ジルコニウム、亜鉛などの金属のイオンからなる群より選ばれ、好 ましい化合物は、酢酸アルミニウム、硫 酸アンモニウムアルミニウム十二水和物、ミョウバン、塩化アルミニウム、酢酸 クロム(III)、塩化クロム(III)六水和物、酢酸コバルト、塩化コバルト(II )六水和物、酢酸コバルト(II)四水和物、硫酸コバルト水和物、硫酸銅五水和 物、酢酸銅一水和物、塩化銅二水和物、塩化鉄六水和物、硫酸鉄アンモニウム十 二水和物、塩化鉄(II)四水和物、酢酸マグネシウム四水和物、塩化マグネシウ ム六水和物、硝酸マグネシウム六水和物、酢酸マンガン四水和物、塩化マンガン 四水和物、塩化ニッケル六水和物、硝酸ニッケル六水和物、塩化スズ(II)二水 和物、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、塩化ストロンチウム 六水和物、硝酸ストロンチウム、酢酸亜鉛二水和物、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、塩化 ジルコニウム(IV)、酢酸ジルコニウム、オキシクロライドジルコニウム、ヒド ロキシクロライドジルコニウム、炭酸アンモニウムジルコニウム等からなる群よ り選ばれる。 好ましいキレート化化合物は以下の化合物から選ぶことが可能である: (1) 下式で表される構造を有するアクリル酸又はメタクリル酸のアルカリ 金属塩: (上式中R1は前記定義と同じであり、MはLi、Na、K、Rb、Cs、又は NH4であり、好ましくはNH4、Na、又はKである); (2) 下式で表される構造を有し、イオン性基を含むN−置換アクリルアミ ドモノマー類又はN−置換メタクリルアミドモノマー 類: (上式中R1は前記定義と同じであり、R6はH又は4個以下の炭素原子を有する アルキル基、好ましくはHであり、R7はCOOM又は−SO3Mを表すが、但し Mは前記定義と同じである); (3) p−スチレンスルホン酸アルカリ金属塩; (4) 2−スルホエチルアクリル酸ナトリウム塩及び2−スルホエチルメタ クリル酸ナトリウム塩; (5) 2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジン; (6) ビニルイミダゾール; (7) N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩;及び (8) 2−アセトアセトキシエチルアクリレート及び2−アセトアセトキシ エチルメタクリレート。 本発明の親水性SIPNのマトリックス成分として適切な他の架橋性ポリマー は架橋性第四級アミノ基を有するポリマーであるが、前記アミノ基はポリマーの 形成に使用するモノマー単位の一部分として与えるか、又はポリマー主鎖の形成 後にポリマーにグラフト化することによって与えることができる。これらは下式 の一般式で表される構造を有する: (上式中R8は好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下の炭素原子を有 する置換及び無置換のアルキル基、置換及び無置換のアミド基、並びに置換及び 無置換のエステル基を表し、好ましくは14個以下の炭素原子を有する置換及び 無置換のアリール基からなる群より選ばれる基を表し、R9及びR10は、好まし くは10個以下、より好ましくは5個以下の炭素原子を有する置換及び無置換の アルキル基、並びに好ましくは14個以下の炭素原子を有する置換及び無置換の アリール基を独立に表す。更に、R9及びR10は置換及び無置換の環状構造−R9 −R10−を形成するように結合されていることも可能である。)。 水または他の水溶液が吸収される部位においては、R8は−(C=O)NH( R11)−になるように選ばれるのが好ましい(但し、式中R11は、10個以下、 より好ましくは5個以下の炭素原子を有する置換又は無置換の二価アルキル基を 表す)。R11として好ましい置換基は水素結合を形成するものであって、−CO OH、−CN、及び−NO2が含まれる。更に、R11には−CO−、>S=O、 −O−、>N−、−S−、及び>P−が含まれる。 前記R8が−(C=O)NH(R11)−であるマトリックス成分として適切な 架橋性ポリマーは、無水マレイン酸を含むポリマー又はコポリマーを下式で表さ れる構造を有するアミンで処理することによって調製される: (上式中R9、R10、及びR11は前記定義と同じである)。 特に有用な架橋性マトリックスの例は、ポリメチルビニルエーテルと無水マレ イン酸のコポリマーから誘導されるものであって、こ れらの二種のモノマー単位がほぼ等モル量存在するコポリマーである。このコポ リマーを下式で表される化学反応により形成することができる: (上式中R9、R10、及びR11は前記定義と同じであり、そしてsは100〜6 00の数を好ましくは表す)。 この反応は、ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体をメチルエチ ルケトンに溶解することにより調製される反応物(a)、及び、アミンをメタノ ール又はエタノールのようなアルコールに溶解することにより調製される反応物 (b)の2種の溶液を混合することによって簡単に行うことができる。室温にお いてこの反応は攪拌によって速やかに進行する。この反応の反応生成物は曇状の サスペンションであったが、この溶液に水を加えることによって明澄化すること ができる。 この型のポリマーに適切な架橋剤は多官能価アルキル化剤であり、この多官能 価アルキル化剤の各々の官能基は、第三級アミノ基の 三価の窒素の第四級化によって、第三級アミノ基を介してポリマー鎖との結合を 形成している。二価のアルキル化剤が本目的に適する。第三級アミノ基がポリマ ー主鎖の側基である場合には、この架橋反応は下式のように表される: (上式中R8、R9、R10及びsは前記と同じ意味を表し、R12はR8、R9、又は R10と同じであることが可能であり、そしてQ-はハロゲン化物、好ましくは5 個以下の炭素原子を有するアルキルスルホンネート、又は好ましくは14個以下 の炭素原子を有するアリールスルホネートを表す)。 本発明のSIPNのマトリックス成分を形成するのに適切な他の架橋性ポリマ ーには、シラノール基を有するポリマーが含まれ、前記シラノール基はポリマー の形成に使用するモノマー単位の一部分として与えるか、又はポリマー主鎖の形 成後にポリマーにグラフト化することによって与えることができる。グラフト化 が好ましい場合には、ポリマー主鎖は無水マレイン酸のモノマー単位を概して含 み、前記モノマー単位は第一級アミノ基を有する化合物との反応によってグラフ ト化可能な座に転化される。ポリマー主鎖とアミノア ルコキシシランを含む溶液を加熱することによって、シラノール側基をこれらの 座にグラフト化することができる。前記アルコキシシランはその後の水の添加に よって加水分解される。この反応は下式のように表される: (上式中Aはアクリロニトリル、アリルアセテート、エチレン、メチルアクリレ ート、メチルメタクリレート、メチルビニルエーテル、スチルベン、イソスチル ベン、スチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピロ リドン、ジビニルエーテル、ノルボルネン、及びクロロエチルビニルエーテルか らなる群より好ましくは選ばれるモノマー単位を表す; R13は好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下の炭素原子を有する二 価のアルキル基を表す;R14、R15、およびR16は、5個以下、より好ましくは 3個以下の炭素原子を有するアルコキシ基を独立に表す;並びに R17は好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下の炭素原子を有する置 換又は無置換のアルキル基、および好ましくは14個以下の炭素原子を有する置 換又は無置換のアリール基を表す。 R17として適切な置換基には、アルコキシ、−OH、−COOH、−COOR (式中Rは、好ましくは5個以下、より好ましくは3個以下の炭素原子を有する アルキル基を表す)、ハロゲン化物、及び−NR2が含まれる。 ポリマー(d)中の2種類の側基の相対量は、グラフト溶液中に使用する化合 物(b)及び(c)の相対量により決定される。この反応における化合物(c) 及び化合物(b)のモル比は、3〜6、好ましくは4〜5の範囲である。 これらのモノマー単位と無水マレイン酸との共重合及びこの結果として生成す るコポリマーの特性は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Vo l.1,John Wiley & Sons,Inc.,(New York:1964),pp.67-95.中のG.L.Bro wnellによる”Acids,Maleic and Fumaric,”に記載されている。 シラノール基が加水分解によって一度形成されると、更なる架橋剤の添加をせ ずに系から水及び他の溶剤を除去することによって、結果として生成されるポリ マーを下式で表される反応によって架橋することができる。 更に、ケイ素原子に結合している1個以上の−OH基で架橋が起こる。 本発明のSIPNのマトリックス成分を形成するのに適切な更に他の型の架橋 性ポリマーには、架橋性ポリマーが溶液中において架橋した後であるが、塗料溶 液が基材上に塗布及び乾燥される前に、架橋性ポリマー及び液体吸収性ポリマー を含む塗料溶液のゲル化を防止することが可能な基を生ずるポリマーが含まれる 。これらのポリマーは概して無水マレイン酸単位を含み、この無水マレイン酸単 位はゲル化防止基(gelation-preventing groups)のグラフト化のための座とし て機能する。前記ゲル化防止基は、前記ポリマーの無水マレイン酸単位と反応す るだけでなく、SIPNを基材上に塗布するために使用される溶剤に対して非常 に可溶性でもある一官能価オリゴマーである。このようなオリゴマー物質の代表 例は、Texaco Chemical Company製のJeffmine M(登録商標)シリーズのオリゴ マーのような一官能価ポリオキシアルキレンアミンであり、下式で表される構造 を有するものである: オリゴマー−NH2 (上式中「オリゴマー」は下式を表す: 上式中Zは−H又は−CH3を表し、nはオリゴマーの分子量が200〜300 0の範囲になるような数である)。 架橋ポリマーが形成される反応は下式のように表される: (上式中Aは前記定義と同じである)。 前記反応によって反応する無水マレイン酸単位の百分率は、ポリマー中に存在 する無水マレイン酸単位の合計数に対して概して2〜85%、好ましくは5〜2 0%の範囲である。トリエタノールアミン、テトラヒドロキシエチルエチレンジ アミン、メチル−ビス−ヒドロキシエチルアミン、テトラヒドロキシエチルプロ ピレンジアミン、又はN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチル−2−ヒド ロキシ−1,3−プロパンジアミンのような2以上のヒドロキシアルキル置換基 を有する第三級アルカノールアミンとの反応によって、このポリマーは架橋する 。 前記架橋反応は下式のように表される: (上式中Wは架橋剤から誘導される第三級アミノアルキル部分であり、n/mは 未反応無水マレイン酸単位とゲル化防止基を含むオリゴマーと反応した無水マレ イン酸単位の比を表す)。 使用すべき架橋剤の量は、マトリックスを形成するポリマーの未反応酸無水物 単位の好ましくは5〜150モル%、より好ましくは25〜90モル%と反応す るであろう量である。100モル%を越える量の未反応無水マレイン酸単位と反 応可能な量の架橋剤を加える場合には、未反応ヒドロキシアルキル部分は架橋生 成物の一部分として残留するであろう。 SIPNの架橋性成分の主な機能は、SIPNの総体的な液体吸収性に悪影響 を及ぼさずに物理的な団結性及び耐久性をSIPNに付与することであるが、液 体吸収性成分の主な機能は液体の吸収を 促進させることである。ほとんどのインクの場合のように水溶性液体が吸収され る場合には、液体吸収性成分は水および好ましくは水溶液を吸収可能でなければ ならない。前記液体吸収性成分を下式で表されるモノマーより形成されるポリマ ーから選ぶことができる: (1) 下式で表される繰り返し構造を有するビニルラクタム類: (上式中nは1〜5である); (2) 下式で表される構造を有するアルキル第三級アミノアルキルアクリレ ート類及びアルキル第三級アミノアルキルメタクリレート類: (上式中m、R1及びR3は前記定義と同じである); (3) 下式で表される構造を有するアルキル第四級アミノアルキルアクリレ ート類又はアルキル第四級アミノアルキルメタクリレート類: (上式中pは1又は2の整数を表し;並びにR1は前記定義と同じであり、R18 、R19、R20は水素又は10個以下、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するア ルキル基、及びQはハロゲン化物、R18SO4、R19SO4、又はR20SO4を独 立に表す)。 これらのモノマーの重合は前記と同様の通常のフリーラジカル重合法によって 行う。 上記成分の代わりに液体吸収性成分をポリビニルアルコール、ポリビニルアル コール/ポリ(ビニルアセテート)共重合体、ポリ(ビニルホルマール)又はポ リ(ビニルブチラール)、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルスターチ 、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレング リコール)、ポリ(プロピレンオキシド)等のような市販入手可能な水溶性又は 水膨潤性のポリマーから選ぶことができる。好ましいポリマーはポリ(ビニルラ クタム)、特にポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(ビニルアルコール)である 。 本発明のインク受容性層を形成するために使用すべきSIPNは、架橋剤が必 要とされる場合には、概して0.5〜6.0%、好ましくは1.0〜4.5%の 架橋剤を含む。前記架橋性ポリマーはSIPNの合計量の25〜99%、好まし くは30〜60%を構成する。前記液体吸収性成分はSIPNの合計量の1〜7 5%、好ましくは40〜70%を構成する。 取り扱い性能及び汎用性を改良する目的のために、インク受容性層は粒状物質 を含んでもよい。好ましい粒状物質には、例えば、ポリ(メチルメタクリレート )、ポリ(ステアリルメタクリレート)ヘキサンジオールジアクリレート共重合 体、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエチレン等の重合体粒子;澱粉及び シリカが含ま れる。ポリ(メチルメタクリレート)が最も好ましい。ASTM試験D1003 −61(1979年に再承認された)による測定の結果、最終的な被覆の曇り度 が15%以下の透明度になるための要求によって、粒子の濃度は制限される。粒 状物質として好ましい平均粒径は5〜40μmであって、粒子の少なくとも25 %が15μm以上の粒径を有することが好ましい。粒状物質の少なくとも50% が20〜40μmの粒径を有することが最も好ましい。 インク受容性配合物は各成分を常用の溶剤に溶解することによって調製される 。常用の溶剤を選択するための良く知られている方法は、米国特許第49353 07号に記載されているようにハンセンパラメータ(Hansen parameters)を用 いる。 通常の塗布方法、例えばメーヤー棒塗布(Meyer bar coating)、ナイフ塗布 、リバースロール塗布、グラビア塗布等の工程のような手段による溶剤又は水溶 液中の樹脂の溶液もしくは分散体又はこれらの混合物からの付着によってフィル ム基材にインク受容性層を適用することができる。 インク受容性層の乾燥は、通常の乾燥法、例えば選択したフィルム基材に対し て適切な温度の熱風炉中における加熱によって行うことができる。例えば120 ℃の乾燥温度はポリエステルフィルム基材に対して適切である。 本発明の他の態様において、インク浸透性保護層をインク受容性層上に適用す る。インク浸透性層として好ましい材料はポリビニルアルコールである。 塗布性を改良するためにキサンタンガムのような増粘剤を添加すること及び供 給性(feedability)を改良するために粒状物質を添加することを含む加工性を 改良するために、インク浸透性保護層に添加剤を加えることができる。 保護層として適切な他の材料は米国特許第4225652号、同430119 5号、及び同4379804号に開示されている。 保護層用の組成物は、微細に分割したポリビニルアルコールを冷水中に分散さ せ、この分散液を激しく攪拌し、そして次に外部熱源又は蒸気の直接噴射によっ てこの分散液をゆっくりと加熱することにより調製される。この分散液を室温に 冷却した後に、常用のプロペラ式電動装置を用いて分散液中に粒状物質を混合す ることができる。 保護層を適用する方法は上記のような通常の塗布方法である。 例えば、セルローストリアセテート又はセルロースジアセテートのようなセル ロースエステル、ポリスチレン、ポリアミド、塩化ビニル重合体及び共重合体、 ポリオレフィン及びポリアロマーの重合体及び共重合体、ポリスルホン、ポリカ ーボネート及びポリエステルのフィルムのような自立構造シートが形成可能なポ リマーからフィルム基材を形成してよい。適切なポリエステルフィルムは、例え ばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−、及び2,7− ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸の 一種以上のジカルボン酸またはアルキル基が6個以下の炭素原子を有するそれら の低級アルキルジエステルとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、 1,4−ブタンジオール等のようなグリコールの一種以上との縮合によって得ら れるポリエステルから製造してよい。 好ましいフィルム基材は、セルローストリアセテート又はセルロースジアセテ ート、ポリエステルであり、特にポリ(エチレンテレフタレート)、及びポリス チレンフィルムである。ポリ(エチレンテレフタレート)が最も好ましい。フィ ルム基材は50〜125μmの範囲の厚さを有することが好ましい。50μm未 満の厚さを有 するフィルム基材は、表示材料用の通常の方法で取り扱うことが困難である。1 25μmを越える厚さを有するフィルム基材は非常に固くなるために、特定の市 販入手可能なインクジェットプリンター及びペンプロッターに使用する場合には 供給(feeding)難点が伴う。 ポリエステル又はポリスチレンフィルム基材を使用する場合には、それらは二 軸延伸のフィルムであることが好ましく、画像の基材への融合時の寸法安定性の ためにヒートセットされていてもよい。分子配向を与えるためにフィルムを二軸 延伸し、そしてこのフィルムをヒートセットにより寸法安定化する常用の方法に よってこれらのフィルムを製造してよい。 インク受容性層のフィルム基材への接着性を強めるために、フィルム基材の表 面を、一層又は多層の一種以上のプライマーで処理することが好ましいであろう 。有用なプライマーにはフィルム基材のポリマーに膨潤能を与えるものが含まれ る。この例には有機溶剤に溶かしたハロゲン化フェノールが含まれる。代わりに 、フィルム基材の表面をコロナ処理又はプラズマ処理のような処理によって改質 してよい。 プライマー層を用いる場合には、プライマー層が好ましくは2μm未満、最も 好ましくは1μm未満の厚さになるように比較的薄くすべきであって、常用の塗 布方法によってプライマー層を塗布してよい。 本発明のトランスペアレンシーは、例えば頭上投映機に関連する投映方法で見 るための画像形成されたトランスペアレンシーの製造に特に有用である。 以下の例は例証を目的とし、請求項により定義される本発明の範囲を限定する ものではない。 媒染剤の注釈 P144 前記アニオンX-がCF3SO3−であるP134−クラスA媒染剤。他のアニ オンを用いる場合には、その呼称はアニオンの種類に従うであろう。 前記X-がCF3SO3 -であるI224−クラスC媒染剤。他のアニオンを用い る場合には、その呼称はアニオンの種類に従うであろう。 MAl−CMAl−Cl- P124 以下は比較媒染剤である。 MI−CF3SO3 HEI−Cl- MI−PTSA MP−CF3SO3 - P132 I222 試験方法 ブリード試験 100μmの厚さのポリビニリデン(PVDC)を下塗りしたポリ(エチレン テレフタレート)(PET)フィルムに、湿潤厚さが150μmの試験試料を塗 布し、130℃において2分間乾燥した。25℃の温度及び50%の相対湿度( RH)において、Hewlett Packard Paintjet(登録商標)XL300上にて、赤色( 黄色及びマゼンタ)の無地のバックグラウンドに青色(シアン及びマゼンタ)の 一本の点列が横切っている部分を有する試験パターンを用いてこの試料に画像形 成を施した。正確に10分後に、Minnesota Mining and Manufacuturing社から 入手可能なFlip-Frame(登録商標)トランスペアレンシープロテクター内に置い た。試料の線幅(L.W.)を拡大することにより測定し、記録した。次に35 ℃及び80 %のRHにおいて試料を90時間貯蔵した。90時間経過後の線幅を測定し、記 録した。同様に対照フィルムも製造し、印刷及び試験を行った。ブリードの百分 率を下式に従って計算した。 実施例 媒染剤の合成 以下は本発明の改良されたインク受容性シートに有用なインクジェット媒染剤 の合成を例示するものである。 クラスA媒染剤の合成 これらの合成法はポリ(ビニルピリジン)の調製を例示するものである。 (a) メタノール50ミリリットルに4−ビニルピリジン25gを溶かした 溶液が入れられている二口フラスコを乾燥窒素で置換 した。AIBN0.5gを加えた後に、粘質物質が得られるまでこの系を24時 間還流した。ポリマーはエーテル/ヘキサンから沈殿し、これを真空中において 乾燥させた。分子量:Mw=140609、Mn=50285、Pd=2.8であ った。 (b) 4−ビニル−及び2−ビニルピリジンを調製するためにメタノールの 代わりにTHFを用いて手順(a)を繰り返した。反応時にポリ(4−ビニルピ リジン)はTHFから沈殿したのに対して、ポリ(2−ビニルピリジン)は沈殿 しなかった。後者は上記のようにエーテル/ヘキサンから沈殿した。 以下の合成方法(反応スキーム1)においてクロロアセトンとアミノグアニジ ンの適切な塩からの様々なヒドラゾンの調製を説明する。 (a) 対応するメタンスルホネート塩の透明溶液を得るために、室温におい て水30gとメタンスルホン酸30gの混合物にアミノグアニジンビカルボネー ト20gをゆっくりと少しずつ加えた。この溶液を40℃に加熱し、そしてクロ ロアセトン15ミリリットルを滴下した。この溶液を50℃で15分間加熱し、 室温に冷却し、そして次に氷温にして4〜6時間放置した。結晶ヒドラゾンを濾 過し、そしてまず始めに氷冷したイソプロピルアルコールで洗浄し、次にジエチ ルエーテルで洗浄した。このメタンスルホネートのヒドラゾン塩を60℃の真空 中において乾燥させた。(b)〜(h)メタンスルホン酸を等量のHBr、HN O3、HCl、CF3COOH、p−MePhSO3H、HClO4、及びHFに逐 次置き替えて、2(a)記載と同様の手順を繰り返すことによってヒドラゾン塩 (b)〜(h)を得た。 (i) メタンスルホン酸をトリフルオロメタンスルホン酸に置き替えて例2 (a)記載と同様の手順を繰り返した。一晩冷却した ヒドラゾン塩は沈殿/結晶化したが、濾過時に再溶解した。しかしながら、塩化 メチレン中からこの塩を抽出し、次いで無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ た。溶剤の除去によって濃厚な液体/半固体状のトリフルオロメタンスルホネー トのヒドラゾン塩が得られた。 (j)〜(o) トリフルオロメタンスルホン酸をHBF4、C49SO3H、 FSO3H、HPF6、CISO3H、及びHSbF6に置き替えて前記と同様な方 法を繰り返すことによってヒドラゾン塩(j)〜(o)を得た。 以下はクラスAの様々なポリマー媒染剤の調製を例示するものである。 (a) メタノール80ミリリットルにポリ(4−ビニルピリジン)10gを 溶かした溶液に、メタノール30gにクロロアセトンヒドラゾン−アミノグアニ ジニウムメタンスルホネート(2a)21gを溶かした溶液を加え、この混合物 を50〜55℃の温度で4〜6時間加熱した。この混合物を室温に冷却するとき に、二種の対イオン(環式第四級窒素の第一対イオンCl-;側鎖イミニウム第 四級窒素の第二対イオンCH3SO3 -)を有するポリマー媒染剤がアセトンから 沈殿し、これを濾過し、そして真空中において乾燥させた。この物質はポリマー 染料媒染剤A(X=CH3SO3 -/Cl-)である。 (b)〜(o) 対イオン(b)〜(o)のクロロアセトンヒドラゾン−アミ ノグアニジニウム塩を用いて(3a)の方法を繰り返すことによって媒染剤(b )〜(o)を得た。 クラスB媒染剤の合成 メタノール30ミリリットルにポリマー媒染剤(3d)10gを溶かした溶液 に2当量のメタンスルホン酸ナトリウムを攪拌しながら加えた。この溶液を60 ℃の温度で15分間加熱し、濾過し、そして媒染剤(4a)がエーテルから沈殿 し、これを真空中において乾燥させた。 クラスC媒染剤の合成 Xは反応スキーム1と同じ対イオンを表す。 メタノール30ミリリットルにポリ(N−ビニルイミダゾール)()10g を溶かした溶液に、メタノール30ミリリットルにクロロアセトンヒドラゾン− アミノグアニジニウムトリフルオロアセ テート(2e)(但しX=CF3COO)28gを溶かした溶液を加えた。この 混合物を50℃の温度で15分間加熱し、そして室温に冷却した。媒染剤6eが アセトンから沈殿し、これを真空中において乾燥させた。 クラスD媒染剤の合成 メタノール30ミリリットルに6dを10g溶かした溶液に、2当量のトリフ ルオロ酢酸カリウムを攪拌しながら加えた。この混合物を50℃の温度で15分 間加熱し、室温に冷却し、そして次に濾過した。媒染剤7i(X=CF3SO3) がエーテルから沈殿し、これを真空中において乾燥させた。 クラスE媒染剤の合成 水30gにグアニジノベンズイミダゾール10gを溶かしたサスペンションに 、濃塩酸13gを滴下することによってジ第四級イミニウム塩酸塩を得た。この 混合物にクロロアセトン3.3ミリリットルを滴下し、0.5時間加熱した。オ フホワイトの綿状沈殿物を混合物から分離し、そして真空中において乾燥させる ことによってセミカルバゾン塩としてジ第四級イミニウム塩酸塩を得た。 クラスG媒染剤の合成 メカニカルスターラー、冷却器、及び滴下漏斗が備え付けられた反応容器に、 100部のDMAEMA(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)を装 入した。285部のメタノールに117.1部のクロロアセトンヒドラゾン−ア ミノグアニジニウム塩酸塩を溶かした溶液を、反応発熱が50℃を越えないよう な速度で滴下漏斗から反応容器にゆっくりと加えた。この添加の終了後に反応溶 液を2時間攪拌した。回転式蒸発器により40℃の温度の真空下で溶剤を除去し た。白色固体が形成され、1H−NMRスペクトルによりこの白色固体がモノマ ー15であることを確認した。 次に、50gのモノマー15を水50g、及びから入手可能なV −51(2,2’−アゾビス(2−アミインジノプロパン)二塩酸塩)(和光化 学社製)0.23gと共に反応容器内に入れた。この溶液を20分間パージし、 次に50℃の温度で2時間加熱した。粘質のポリマー溶液が得られた。1H−N MRスペクトル及び固形物%を分析した結果媒染剤16であることが示された。 インク受容性コポリマーAの合成 60部のN−ビニル−2−ピロリドン、20部のヒドロキシエチルメタクリレ ート、10部のアクリル酸アンモニウム塩、10部のメトキシエチルアクリレー ト、0.14部のVazo(登録商標)64(E.I.duPont de Nemours and Co mpany製)、及び500部の脱イオン水を1リットル入り陶質ボトル内で混合す ることによってコポリマーを調製した。この混合物を乾燥窒素ガスで5分間パー ジした後に、ボトルを60℃の温度に保った恒温槽に24時間浸すことによって 重合を行った。次に、10%濃度の溶液(コポリマーA溶液と呼ぶ)を得るため に、結果として得られた重合混合物を脱イオン水で希釈した。 インク受容性コポリマーBの合成 40部のN−ビニル−2−ピロリドン、20部のヒドロキシエチルメタクリレ ート、10部のアクリル酸アンモニウム塩、30部のメトキシエチルアクリレー ト、0.14部のVazo(登録商標)64(E.I.duPont de Nemours and Co mpany製)、及び500部の脱イオン水を1リットル入り陶質ボトル内で混合す ることによってコポリマーを調製した。この混合物を乾燥窒素ガスで5分間パー ジした後に、ボトルを60℃の温度に保った恒温槽に24時間浸すことによって 重合を行った。次に、10%濃度の溶液(コポリマーB溶液と呼ぶ)を得るため に、結果として得られた重合混合物を脱イオン水で希釈した。 インク受容性コポリマーBの代替合成 反応容器にメカニカルスターラー、冷却器、及び窒素システムが備え付けた。 58.40部の脱イオン水及び2.30部のアクリル酸を反応容器に入れ、続い て2.30部の28.5%濃度アンモニア水を加えた。pHは9〜10であった 。9.18部のN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)を6.88部のメトキシ エチルアクリレート(MEA)、4.59部のヒドロキシエチルメタクリレート (HEMA)及び32.13部のエチルアルコールと共に加えた。この溶液を窒 素で20分間パージした。この溶液を50℃に加熱した後に、0.31部の脱イ オン水に溶かした0.092部の開始剤Vazo(登録商標)50を加えた。こ の溶液を50℃の温度において18〜28時間反応させた。反応の程度を固形物 %及びガスクロマトグラフィー分析によって監視した。未反応モノマーの濃度が 0.02%未満に達したときに反応を停止した。10%濃度のポリマー溶液(コ ポリマーBと呼ぶ)を得るために、結果として得られた粘質ポリマー溶液を脱イ オン水で希釈した。 重合体粒子の調製 A. ジエタノールアミン−アジピン酸縮合促進剤の調製。 等モル量のアジピン酸とジエタノールアミンを密閉反応フラスコ中にて加熱及 び攪拌した。水蒸気を除去するために反応混合物中に乾燥窒素を一定に吹き入れ ると反応混合物は濃縮され、これをバレットトラップ(Barett trap)中に集め た。1モルのアジピン酸及び1モルのジエタノールアミンを基準にして1〜1. 5モルのエステルが集められた時に、混合物を冷却することにより反応を停止さ せる。結果として得られる縮合物を水で希釈した。 B. 30μmのポリメチルメタクリレートビーズの調製。 脱イオン水52.9kg、Ludox(登録商標)コロイドシリ カ(10%溶液)(DuPont社製)685.2g、10%濃度のジエタノールアミ ン−アジピン酸縮合促進剤(工程Aにて製造)40.8g、及び二クロム酸カリ ウム11.2gの水溶液を撹拌し、10%濃度の硫酸を加えることによってpH 4になるように調製した。53gのポリビニルピロリドン K−30、メチルメ タクリレートモノマー36.7kg、トリメチロールプロパントリメタクリレー ト674.2g、及びVazo(登録商標)64(DuPont社製)112.4gの 溶液を前記水溶性混合物に加え、次いで100〜120回毎分で10分間攪拌し た。次に、この混合物を内部圧が4800〜6200キロパスカルのManton-Gau linホモジナイザーに4回通過させ、そして窒素置換した反応がまに注入し、密 封し、60℃の温度で一晩攪拌した。内容物を集めて遠心分離をおこない、続い て水で数回洗浄した結果、湿潤ケークを得た。次に、この湿潤ケークを周囲温度 で乾燥した結果、易流動性粉末を得た。 例1 本発明のインク受容性フィルムは以下の方法で調製される。 コポリマーB溶液6gと10%濃度のVinol(登録商標)523(Air Pr oducts and Chemicals製)の水溶液3.5g、10%濃度のGohsenol( 登録商標)KPO3(日本合成社製)0.5g、1.7モル濃度のアンモニア水 0.1g、「P134−C1」1.72×10-4モル、10%濃度の30μmポ リメチルメタクリレート(PMMA)ビーズ0.15g、及び10%濃度の「X AMA−7」ペンタエリスリトール−トリス−β−(N−アジリジニル)プロピ オネート(Hoechst Celanese社製)溶液0.06gの混合によって塗料溶液を調 製し、これを塩化ポリビニリデン(PVDC)を下塗りされた100μmの厚さ を有するポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムの基材上に塗布し た。ナイフ塗 布機を用いて150μmの湿潤厚さで塗布を行った。次に、この塗料を145℃ の温度で2.5分間乾燥させた。そしてインク受容性シートのブリード試験を行 い、この結果を表1に示した。 例1C 「P134−C1」を塗料溶液から除外したことを除き、例1と同じ方法でこ れらのインク受容性シートを製造した。このインク受容性シートのブリード試験 を行い、この結果を表1に示した。 例2〜15 異なる媒染剤を1.72×10-4モル使用したことを除き、例1と同じ方法で これらのインク受容性シートを製造した。試験の結果とともに使用した媒染剤の 種類を表1に示す。これらの媒染剤は全てグアニジン官能性を有する。 例16C〜21C 例1と全く同一の方法によってこれらの比較インク受容性シートを製造した。 本発明のインク受容性シートに使用される新規媒染剤の替わりに、グアニジン官 能性を含まない媒染剤を使用した。使用した媒染剤及びその結果を表1に示す。 例22及び22C コポリマーA溶液5gと10gの10%濃度のVinol(登録商標)523 、1.7モル濃度のアンモニア水0.06g、10%濃度のP144溶液、及び 10%濃度のXAMA水溶液0.15gを含む溶液を混合することによって本発 明のインク受容性シートを製造した。この結果得られる溶液を例1記載と同様に 塗布した。P144を加えなかったことを除き、比較シートを同じ方法で製造し た。Hewlett-Packard「Paintjet XL300」上で画像形成後、温度35℃、相対湿 度80%の室に、画像が雰囲気に暴露されるように試料を入れた。48時間後に おいて、試料22は画像の品質及び分解能の優れた保持能を示したが、試料22 Cは劇的に不鮮明になり、分解能が低下した。 例23及び23C Vinol(登録商標)523をNatrosol(登録商標)250Lに置 き替えたことを除き、例22及び22Cと同じ方法でこれらのインク受容性シー トを製造した。前記と同様の画像形成、加熱、及び加湿後において、P144を 含有する試料は画像の品質及び分解能の優れた保持能を示したが、23Cは劇的 に不鮮明になり、分解能が低下した。 例24〜35 これらのインク受容性シートを以下の方法で製造した。 コポリマーB溶液6gと3.5gの10%濃度のVinol(登録商標)52 3、10%濃度のGohsenol(登録商標)KPO3水溶液0.5g、1モ ル濃度の塩酸0.1g、表2に示したグアニジン官能性を有する様々な媒染剤1 .73×10-4モル、及び10%濃度の30μmPMMAビーズ水溶液0.15 gを含む溶液を混合することによって塗料溶液を製造した。この組成物は架橋剤 を含有しない。これらの結果を表2に示す。 例36C及び37C グアニジン基を有さない媒染剤を使用したことを除き、例24と同じ方法でこ れらのインク受容性シートを製造した。これらの媒染剤及びその結果を表2に示 す。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年3月10日 【補正内容】 1)明細書 国際出願明細書第13頁〜第14頁(明細書翻訳文第13頁第14行〜第15 頁第9行「下式で表される・・・必要としない。」) 下式で表される構造を有するクラスD: (上式中XはCH3SO3、p−MePhSO3、CF3SO3、BF4、PF6、又 はSbF6を表す;並びにnは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスE: (上式中nは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスF: (上式中nは2以上の整数を表す); 下式で表される構造を有するクラスG: (上式中R1はH又はCH3を表す;R2はC1〜C4のアルキル基を表す;及びn は2以上の整数を表す)。 好ましい媒染剤は200,000未満、最も好ましくは10,000〜60, 000の分子量を有するものである。 本発明の改良されたインク受容性シートのインク受容性層はポリマーインク受 容性材料を更に含む。ポリマーインク受容性材料中に含まれる少なくとも一種の ポリマーは架橋性であることが好ましい が、この系は寿命を延ばすため及びブリードを減ずるために架橋されることを必 要としない。 2)請求の範囲(請求の範囲翻訳文第56頁〜第58頁) 9.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載の改良されたインク受 容性シート: (上式中XはCF3SO3、CH3SO3、BF4−、PF6、SbF6、及びp−ト ルエンスルホネートを表す;並びにnは1を越える整数を表す)。 10.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載の改良されたインク 受容性シート: (上式中nは1を越える整数を表す)。 11.前記ポリマー媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のイン ク受容性シート: (上式中nは1を越える整数を表す)。 12.前記ポリマー媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のイン ク受容性シート: (上式中nは1を越える整数を表す)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミラー,アラン ジー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427(番地なし) (72)発明者 アリ,マーフザ ビー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427(番地なし) (72)発明者 ファルーク,オマー アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427(番地なし) 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも片側の主要表面にインク受容性層を有する透明基材を含み、該 インク受容性層が画像形成性ポリマー及び少なくとも一種の下式で表される一般 構造を有するグアニジン官能性を含むポリマー媒染剤を含むインク受容性シート : (上式中Aは、1〜5個の炭素原子を有するCOO−アルキレン基、1〜5個の 炭素原子を有するCONH−アルキレン基、nが1〜5である−COO−(CH2 CH2O)n−CH2−、及び−CONH−(CH2CH2O)n−CH2−からなる 群より選ばれる; B及びDは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基からなる群より独立に選ば れる; 又はA、B、D及びNは下式からなる群より選ばれる複素環式化合物を形成す るように組合わせられる; 上式中R1及びR2は水素、フェニル基、及び1〜5個の炭素原子を含むアルキ ル基からなる群より独立に選ばれる; Rは水素、フェニル基、ベンズイミダゾリル基、及び1〜5個の炭素原子を含 むアルキル基からなる群より選ばれる; yは0及び1からなる群より選ばれる;並びに X1及びX2はアニオンである)。 2.前記インク受容性層が少なくとも一種の架橋性ポリマー成分、少なくとも 一種の液体吸収性成分、及び少なくとも一種のポリマー媒染剤を含む請求項1記 載のインク受容性シート。 3.X1及びX2が、Cl-、CF3SO3、CH3SO3、NO3、CF3COO-、 BF4 -、CH3COO-、ベンゼンスルホネート、及びp−トルオールスルホネー トからなら群より選ばれる請求項1記載のインク受容性シート。 4.前記インク受容性シートが、粒子及び多官能価のアジリジン架橋剤を更に 含む請求項1記載のインク受容性シート。 5.0.25〜1μmの平均粒径を有する粒状充填剤を更に含む請求項4記載 の改良されたインク受容性シート。 6.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のインク受容性シート : (上式中Xは、Cl-、CF3SO3、CH3SO3、NO3、C F3COO-、BF4 -、CH3COO-、ベンゼンスルホネート、及びp−トルエン スルホネートからなら群より選ばれ、そしてnは1を越える整数を表す)。 7.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のインク受容性シート : (上式中Xは、CF3SO3、CH3SO3、BF4 -、PF6、SBF6、及びp−ト ルエンスルホネートからなら群より選ばれ、そしてnは1を越える整数を表す) 。 8.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のインク受容性シート : (上式中Xは、Cl-、CF3SO3、CH3SO3、NO3、CF3COO-、BF4 - 、CH3COO-、ベンゼンスルホネート、及びp−トルエンスルホネートからな ら群より選ばれ、そしてnは1を越える整数を表す)。 9.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載の改良されたインク受 容性シート: (上式中Xは、CF3SO3、CH3SO3、BF4 -、PF6、SBF6、及びp−ト ルエンスルホネートからなら群より選ばれ、そしてnは1を越える整数を表す) 。 10.媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載の改良されたインク 受容性シート: (上式中nは1を越える整数を表す)。 11.前記ポリマー媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のイン ク受容性シート: (上式中nは1を越える整数を表す)。 12.前記ポリマー媒染剤が下式で表される構造を有する請求項1記載のイン ク受容性シート: (上式中nは1を越える整数を表す)。
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