JP2002019266A - インクジェット記録材 - Google Patents

インクジェット記録材

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JP2002019266A
JP2002019266A JP2000210452A JP2000210452A JP2002019266A JP 2002019266 A JP2002019266 A JP 2002019266A JP 2000210452 A JP2000210452 A JP 2000210452A JP 2000210452 A JP2000210452 A JP 2000210452A JP 2002019266 A JP2002019266 A JP 2002019266A
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ink jet
ink
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JP2000210452A
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Toshitaka Somemiya
利孝 染宮
Shintaro Hikasa
慎太郎 日笠
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内保存性及び直射日光に対する耐光性に優
れるインクジエット記録材を提供する。 【解決手段】 支持基体中またはその表面に、酸化防止
性の官能基及び/又は紫外線吸収性の官能基を有するビ
ニルアルコール系重合体を含有するインク吸収層を有す
ることを特徴とするインクジェット記録材により上記課
題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクによる
記録に用いられるインクジェット記録材に関する。さら
に詳しくは直射日光(太陽光)あるいは室内光に対する
濃度低下・色調変化がない紙を基材としたインクジェッ
ト記録材、さらにはOHP(オーバーヘッドプロジェク
ター)等の光学機器により記録画像の透過光を利用して
スクリーン等へ投影して観察するための画像を記録する
のに好適なインクジェット記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】記録液(水性インク)を使用して記録す
る方法としては、例えば、万年筆、水性ボールペン、水
性サインペン、セラミックペン、蛍光ペンや、これらを
利用したペンプロッター等がある。最近では記録材にイ
ンクの小滴を付着させて記録を行うインクジェット記録
方式が挙げられる。
【0003】インクジェット記録方式は騒音が少ないこ
と、カラー化が容易であること、高速記録が可能である
こと等の理由から、ファクシミリ、各種プリンター等へ
の応用が進められている。従来、インクジェット記録方
式に使用される記録材としては通常の紙が使用されてき
た。しかし、記録の高速化あるいは多色化などインクジ
ェット記録機の性能向上に伴い、インクジェット用記録
基材に対してもより高度な特性が要求されてきている。
すなわち、第1にインクの吸収速度が大きいこと、第2
にインクドットの径が必要以上に大きくならないこと、
第3にインクドットの形状が真円に近いこと、第4に取
扱性、保存性が良好なこと等である。これらの要求を満
たすため、インク吸収性材料として沈降タイプまたはゲ
ルタイプの塗工性非晶シリカ、バインダーとしてビニル
アルコール系重合体、染料インクの場合にはインク定着
剤としてポリカチオン樹脂を用いる等の種々の検討がな
されている。しかしながら、保存安定性に関しては水性
インクを使用して記録用基材上に形成した文字・画像等
は顔料系のインクによる印刷物や銀塩写真に比べ、耐水
性、耐湿性(高温高湿下に放置しても変色・退色しな
い)、室内保存性や直射日光に対する耐光性の観点から
見ると問題点があるのが現状である。
【0004】 これら画像の劣化原因としては、イ
ンクの空気中の酸素による酸化劣化、紫外線照射による
構造変化等の原因が考えられ、これまで紫外線吸収剤、
酸化防止剤の添加による改善が試みられている。例え
ば、特開昭54−68303号公報、特開昭54−85
804号公報及び特開昭56−18151号公報には、
インク液中に紫外線吸収剤を添加した例が開示されてい
る。しかしながら、これらの紫外線吸収剤はインクの噴
射安定性を低下させたり、微量添加では効果が少ないと
いう問題がある。また、別の解決策として、インクジェ
ット記録材の方にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系などの紫外線吸収剤を含有させることが特開昭57
−74192号公報、特開昭57−74193号公報、
特開昭57−87988号公報及び特開昭61−146
591号公報で提案されているが、これら紫外線吸収剤
の水への溶解度が低いため充分な紫外線吸収の効果を出
しにくく、また乳化して用いた場合等には乳化剤の影響
で効果が充分に発揮できないという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
にない優れた耐光性を有するインクジェット記録材を提
供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、支持基体中またはその
表面に、酸化防止性の官能基及び/又は紫外線吸収性の
官能基を有するビニルアルコール系重合体を含有するイ
ンク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記
録材が、上記のような優れた耐光性を有することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明のインクジェット記録材において
は、基材中あるいはその表面に、酸化防止性の官能基及
び/又は紫外線吸収性の官能基を有するビニルアルコー
ル系重合体(以下、PVAと略すことがある)を含有す
るインク吸収層を有することが必須である。このよう
に、インク吸収層に含有させる成分として、酸化防止性
の官能基及び/又は紫外線吸収性の官能基を有するビニ
ルアルコール系重合体を用いることにより、本発明の目
的とする室内保存あるいは直射日光の下での優れた耐光
性が発現するインクジェット記録材をうることができる
のである。
【0007】本発明において用いられるPVAが有する
酸化防止性の官能基の例としては下記の化1に示すもの
が挙げられ、また、紫外線吸収性の官能基の例としては
下記の化2に示すものが挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】(上記式において、R1は水素原子、メチ
ル基又はエチル基を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、水酸基又は炭素数4以下のアルキル基、アシル基、
アシルオキシ基もしくはアルコキシル基を表し、mは0
〜2の整数を表し、nは0〜3の整数を表す。また、P
はこの位置でこれら官能基がPVAに結合していること
を示し、これら官能基とPVAとの間は適当な連結基で
結合されていてもよい。)
【0011】これらの官能基をPVA中に導入する方法
としては、これらの官能基を有しかつビニルエステルと
共重合可能なモノマーを用いてビニルエステルとの共重
合を行い、得られたビニルエステル系共重合体を加水分
解する方法が挙げられる。ここで、ビニルエステルとし
ては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、バレリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリ
ン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピ
バリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニル等が挙げ
られるが、これらの中でもとりわけ酢酸ビニルが好んで
用いられる。共重合後加水分解してPVAとする方法と
しては、通常のポリビニルエステルのけん化で用いられ
るアルカリけん化又は酸けん化の手法がそのまま適用で
きる。すなわち、アルカリけん化の場合は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基
性触媒を、酸けん化の場合は鉱酸やp−トルエンスルホ
ン酸等の酸性触媒を用いてメタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアル
コールやグリコール類、酢酸メチル等のエステル類、ジ
メチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル等を溶媒として反応が行われる。
【0012】上記化1又は化2に示す官能基を有するモ
ノマーとしては、例えば、以下の化3に示すような化合
物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエステルとの共重合においては、これらのモノマ
ーのうち1種のみを用いてもよいし、複数を組み合わせ
て用いても何ら問題はない。
【0013】
【化3】
【0014】(上記式において、R1、R2、mおよび
nは化1および化2において定義したのと同義であり、
R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。)
【0015】酸化防止性及び/又は紫外線吸収性の官能
基をPVAに導入するその他の方法としては、例えばビ
ニルアルコール系重合体の合成において、ビニルエステ
ルの重合をアリルグリシジルエーテルやブタジエンモノ
オキシドといったエポキシ基を有するコモノマーの存在
下に行い、得られたエポキシ基を有するビニルエステル
共重合体に、同一分子内にメルカプト基と上記化1又は
化2に示す官能基を有する化合物を反応させた後けん化
を行ってビニルアルコール系重合体とする方法が挙げら
れる。同一分子内にメルカプト基と上記化1又は化2に
示す官能基を有する化合物としては、例えば、以下の化
4に示す化合物が挙げれる。これら同一分子内にメルカ
プト基と上記化1又は化2に示す官能基を有する化合物
は1種のみを用いてもよいし、複数を組み合わせて用い
てもよい。
【0016】
【化4】
【0017】(上記式において、R1、R2、m、nは
化1および化2において定義したのと同義であり、Xは
片方または両方の末端もしくは中間にエステル結合、ア
ミド結合又はエーテル結合を介していてもよい炭素数1
6以下の連結基を表す。)
【0018】また、別法として、ビニルアルコール系重
合体の合成に際して、同一分子内にメルカプト基と上記
化1又は化2に示す官能基を有する化合物を連鎖移動剤
として用いて重合を行い、得られたビニルエステル系重
合体をけん化することによっても、上記化1又は化2に
示す官能基(この場合は末端変性物)を有するビニルア
ルコール系重合体を得ることができる。
【0019】本発明のインクジェット記録材に用いるP
VAにおける、これら酸化防止性の官能基及び/又は紫
外線吸収性の官能基の含有量について特に制限はない
が、0.01〜10モル%であるのが好ましく、0.0
5〜8モル%であるのがより好ましく、0.1〜5モル
%であるのがとくに好ましい。官能基の含有量が0.0
1モル%未満では、これら官能基の導入による耐光性の
向上効果が小さくなることがある。官能基の含有量が1
0モル%以上では、まれにPVAの水溶性が低下するこ
とがある。官能基の含有量は、PVAのプロトンNMR
スペクトルを用いて、ピークの積分比から算出すること
ができる。
【0020】本発明のインクジェット記録材に用いるP
VAは、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、1種
又は2種以上のその他の単量体単位を有していても差し
支えない。このような単量体単位を例示すると、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ヘキセ
ン等のα−オレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの
不飽和酸類及びこれらの塩又は炭素数1〜18のモノも
しくはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数
1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスル
ホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルア
ミン及びその酸塩又はその4級塩などのアクリルアミド
類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキル
メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその
酸塩又はその4級塩などのメタクリルアミド類;N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル
アセトアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭
素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシア
ルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエー
テルなどのビニルエーテル類;ポリエチレングリコール
アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテ
ル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコー
ルアリルエーテル、などのポリ(オキシアルキレン)基
を有するアリルエーテル;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなど
のハロゲン化ビニル類;トリメトキシビニルシランなど
のビニルシラン類;酢酸アリル、塩化アリル、アリルア
ルコール、ジメチルアリルアルコール等が挙げられるが
これらに限定されるものではない。これら単量体単位の
含有量について特に制限はなく、得られる重合体が水溶
性であればよいが、通常これら成分の含有量は10モル
%以下であるのが好ましい。
【0021】本発明のインクジェット記録材に用いるP
VAの粘度平均重合度(以下、単に重合度と略すること
がある)については特に制限はないが、通常50〜10
000であり、100〜8000がより好ましく、20
0〜5000がとくに好ましい。ここでPVAの重合度
(P)はJIS−K6726に準じて測定され、PVA
を再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極
限粘度[η]から次式により求めることができる。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
【0022】PVAの重合度が50未満の場合には、顔
料の種類、配合量によっては接着強度が低下して、イン
ク受理層の製造条件に制限を受ける場合がある。また、
重合度が10000を越えると、塗工時の液の水溶液粘
度が高くなって作業性が悪くなる傾向があり、使用条件
に制限を受ける傾向がある。
【0023】本発明のインクジェット記録材に用いるP
VAのけん化度については特に限定はないが、通常50
〜99.9モル%であり、60〜99.7モル%がより
好ましく、70〜99.5モル%がとくに好ましい。け
ん化度が50モル%未満になると、PVAの水溶性又は
水分散性が低下したり、塗工時の粘度が不安定化する傾
向が見られ、製造条件が制限される場合がある。
【0024】本発明のインクジェット記録材において
は、これらPVAの重合度およびけん化度の異なる2種
以上を混合して使用してもなんら差し支えない。また、
本発明の効果を損なわない範囲で、無変性PVA又は他
の変性種による変性PVAと混合して使用しても差し支
えない。
【0025】また、本発明のインクジェット記録材にお
いて用いられるPVAは単独あるいは他の水溶性または
水分散性樹脂と併用して使用することもできる。併用で
きる他の水溶性あるいは水分散性樹脂としては、アルブ
ミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオン化でん
粉、アラビヤゴム、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアミド樹脂、
メラミン樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドン等のノニオン性水溶性樹脂、CMC、ポリ
(メタ)アクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ム、水溶性ポリエステル等のアニオン性水溶性樹脂、S
BRラテックス、NBRラテックス、酢酸ビニル系エマ
ルジョン、エチレン/酢酸ビニル共重合体エマルジョ
ン、(メタ)アクリルエステル系エマルジョン、塩化ビ
ニル系エマルジョン等の水分散性樹脂等が挙げられる
が、これらに制限されるものではない。
【0026】また、本発明において用いられるPVA
は、微粒子合成シリカ、コロイダルシリカ、コロイダル
アルミナ、水酸化アルミニウム、擬ベーマイト、クレ
ー、タルク、ケイソウ土、ゼオライト、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、酸化亜鉛、サチンホワイト、有機顔料等
の充填材と併用して使用することもできるが、これらに
制限されるものではない。
【0027】また、本発明のインクジェット記録材にお
いては、インクの定着剤としてカチオン性樹脂を併用使
用することもできる。カチオン性樹脂は、水に溶解した
ときに解離してカチオン性を呈する1級〜3級アミン又
は4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマーもしくは
ポリマーであり、好ましくはオリゴマーもしくはポリマ
ーである。具体的には、ジメチルアミン・エピクロルヒ
ドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重
合体、ポリビニルアミン共重合体、ジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド共重合体、ポリエチレンイミン等
を例示することができるが、これらの例に限定されるも
のではない。
【0028】本発明のインクジェット記録材に用いられ
る支持基体としては、透明性あるいは不透明性の従来公
知の支持基体がいずれも使用できる。透明性支持基体と
しては、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリ
カーボネート、ポリイミド、セロハン、セルロイド等の
フイルム、シートあるいは透明性の高い紙等が挙げられ
る。不透明性支持基体としては、一般の紙、顔料コート
紙、布、木材、金属板、合成紙、不透明化処理した合成
樹脂系フイルムあるいはシート等が挙げられる。
【0029】支持基体中および/または表面に、該PV
Aを含有するインク吸収層を形成せさせる法としては、
該PVA単独水溶液、該PVAと他の水溶性または水分
散性樹脂、該PVAと充填材との混合物水溶液または水
分散液をサイズプレス、エアーナイフコーター、ロール
コーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテン
コーター、キャストコーター等の通常のコーティング方
法によって支持基体中に含浸するか、支持基体の上表面
あるいは上表面と下表面との両表面上にコート層を形成
させる等の方法が使用できる。また支持基体が紙である
場合には抄紙時に上記水溶液または水分散液を内添する
方法も使用できる。
【0030】基材表面にインク吸収層を形成する場合、
主に大量のインクを吸収することを目的とする場合(イ
ンク受理層)と、主に表面の光沢を出すことを目的とす
る場合(光沢層)があるが、本発明のインクジェット記
録材においては、酸化防止性及び/又は紫外線吸収性の
官能基を有するPVAはいずれの層に含まれていても良
いし、インク受理層及び光沢層の両方に含まれていても
何ら問題はない。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中特に断りのない限り「%」及び「部」は
重量基準を表す。
【0032】PVAの分析方法は特に記載のない限りは
JIS−K6726に従った。
【0033】下記の実施例1〜6、及び比較例1で得ら
れたインクジェット記録材を用い、市販のインクジェッ
トプリンター(セイコーエプソン社製、PM2000
C)を用いてカラーパッチなどの評価対象を表面層上に
印刷することにより印字画像を得た。これら画像を用い
て下記に示す方法で評価を行った。
【0034】耐光性の評価方法(キセノンランプ加速試
験) キセノンウェザーメーター(ATLAS社製Ci−50
00)を使用し、各実施例および各比較例のインクジェ
ット記録材に対して、ブラックパネル温度65℃、相対
湿度50%、340nm紫外線照射強度0.35W/m
2で90KJ/m2の暴露試験を行った。次いで、分光
光度計(グレタグマクベス社製GRETAG SPM5
0)を用いて、これら記録材のマゼンタの反射濃度を暴
露試験の前後に測定することにより、暴露試験後の反射
濃度の残存率(%)を求めて耐光性を評価した。
【0035】実施例1〜6で用いた変性PVAは以下の
ようにして合成した。また、比較例1で用いたPVAは
平均重合度1750、けん化度98.5モル%の官能基
を有しない無変性PVAである。 1)側鎖に酸化防止性の官能基を有する変性PVA(P
VA−1)の合成 撹拌機、環流冷却管、窒素導入管および温度計を取り付
けた5Lの反応器に、酢酸ビニルモノマー2920g、
メタノール1080gおよび化5に示す構造の酸化防止
性の官能基を有するモノマー(C−1)5.0gを仕込
み、窒素ガスを30分バブリングして脱気した。反応器
の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,
2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.7gを添加
し重合を開始した。C−1のメタノール溶液を逐次添加
しながら重合を行い、60℃で5時間重合したのち冷却
して重合を停止し、続いて30℃、減圧下でメタノール
を時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去
を行い、ポリ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液を得
た。次に、25%に調整したポリ酢酸ビニルのメタノー
ル溶液にモル比(NaOHのモル数/ポリ酢酸ビニルの
モル数)0.03のNaOHメタノール溶液(10%濃
度)を添加してけん化した。得られた変性PVA(PV
A−1)のけん化度は98.5モル%であった。
【0036】
【化5】 酸化防止性の官能基を有するモノマー(C−1)の構造
【0037】上記の方法で得られたPVA1gにメタノ
ール10gを加え、60℃に加温してPVAを膨潤させ
た後、NaOHのメタノール溶液(10%濃度)5gを
加えて60℃で3時間撹拌したものについて、メタノー
ルソックスレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製P
VAを得た。該PVAのプロトンNMR測定から求めた
C−1の変性量は2モル%であった。また、該PVAの
平均重合度を常法のJIS K6726に準じて測定し
たところ1500であった。
【0038】2)側鎖に酸化防止性の官能基を有する変
性PVA(PVA−2)の合成 PVA-1を合成したのと同様の方法により、表1に示
す内容の、側鎖に酸化防止性の官能基を有する変性PV
A(PVA−2)を合成した。
【0039】3)側鎖に紫外線吸収性の官能基を有する
変性PVA(PVA−3)の合成 化6に示す構造のモノマー(C−2)を用い、PVA-
1の合成と同様の方法により、表1に示す内容の、側鎖
に紫外線吸収性の官能基を有する変性PVA(PVA−
3)を合成した。
【0040】
【化6】 紫外線吸収性を有するモノマー(C−2)の構造式
【0041】 4)側鎖に酸化防止性の官能基を有する
変性PVA(PVA−4)の合成 撹拌機、環流冷却管、窒素導入管および温度計を取り付
けた5Lの反応器に、酢酸ビニルモノマー3800g、
メタノール200gおよびアリルグリシジルエーテル1
03gを仕込み、窒素ガスを30分バブリングして脱気
した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったと
ころで、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)5gを添加し重合を開始した。60℃で4時
間重合したのち冷却して重合を停止し、続いて30℃、
減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビ
ニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル共重合体の
メタノール溶液を得た。次に、25%に調整したポリ酢
酸ビニルのメタノール溶液200gに、化7に示す構造
の酸化防止性の官能基を含有するメルカプタン(M−
1)5.4gと酢酸ナトリウム0.6gを添加し、40
℃で2時間撹拌した後、モル比(NaOHのモル数/ポ
リ酢酸ビニルのモル数)0.05のNaOHメタノール
溶液(10%濃度)を添加してけん化した。得られた変
性PVA(PVA−4)のけん化度は99.0モル%で
あった。
【0042】
【化7】 酸化防止性の官能基を有するメルカプタン(M−1)の
構造式
【0043】上記の方法で得られたPVA1gにメタノ
ール10gを加え、60℃に加温してPVAを膨潤させ
た後、NaOHのメタノール溶液(10%濃度)5gを
加えて60℃で3時間撹拌したものについて、メタノー
ルソックスレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製P
VAを得た。該PVAのプロトンNMR測定から求めた
M−1の変性量は2モル%であった。また、該PVAの
平均重合度を常法のJIS K6726に準じて測定し
たところ1500であった。
【0044】5)末端に酸化防止性の官能基を有する変
性PVA(PVA−5)の合成 撹拌機、環流冷却管、窒素導入管および温度計を取り付
けた5Lの反応器に、酢酸ビニルモノマー3800g、
メタノール200gおよび上述の化7に示す構造のメル
カプタン(M−1)0.3gを仕込み、窒素ガスを30
分バブリングして脱気した。反応器の昇温を開始し、内
温が60℃となったところで、2,2’−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)0.3gを添加し重合を開始した。
M−1のメタノール溶液を逐次添加しながら重合を行
い、60℃で4時間重合したのち冷却して重合を停止
し、続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しな
がら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢
酸ビニル共重合体のメタノール溶液を得た。次に、25
%に調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液にモル比
(NaOHのモル数/ポリ酢酸ビニルのモル数)0.0
3のNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加して
けん化した。得られた変性PVA(PVA−5)のけん
化度は98.0モル%であった。
【0045】上記の方法で得られたPVA1gにメタノ
ール10gを加え、60℃に加温してPVAを膨潤させ
た後、NaOHのメタノール溶液(10%濃度)5gを
加えて60℃で3時間撹拌したものについて、メタノー
ルソックスレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製P
VAを得た。該PVAの平均重合度を常法のJISK6
726に準じて測定したところ1200であった。
【0046】実施例1(グロスタイプのインク受理層の
作製) スノーテックス30(日産化学製)100部にPVA−
1の10%水溶液30部をゆっくり室温で加えて、変性
PVAのコロイダルシリカ分散水溶液を作成した後、さ
らに適当量の蒸留水を加えて固形濃度20%塗工液を調
製した。次に、厚さ50μmのポリエステルフィルム上
に、上記のPVA系塗工液を、乾燥後の塗布量が15g
/m2 となるよう手塗り塗布し、熱風乾燥機にて100
℃、3分間乾燥してインクジェット用インクジェット記
録材を得た。このシートについて上述の耐光性評価を行
ったところ、暴露後の反射濃度の残存率は93%で耐光
性は良好であった。
【0047】実施例2〜5、及び比較例1 PVAを表1に示した種類のPVAに変更したこと以外
は実施例1と同様にして塗工液を調製し、インクジェッ
ト記録材を製造した。得られたインクジェット記録材の
耐光性評価結果を表1に示す。
【0048】実施例6(マットタイプのインク受理層の
作製) ミズカシルP−78D(水沢化学株式会社製)100部
にPVA−1の10%水溶液200部をゆっくり室温で
加えて、変性ビニルアルコール系重合体のシリカ分散塗
工液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエステルフ
ィルム上に、上記のPVA系塗工液を、乾燥後の塗布量
が15g/m2 となるよう手塗り塗布し、熱風乾燥機に
て100℃、3分間乾燥してインクジェット用インクジ
ェット記録材を得た。このシートについて上述した耐光
性の評価試験を行ったところ、暴露後の反射濃度の残存
率は93%で耐光性は良好であった。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明のインクジエット記録材は、酸化
防止性及び/又は紫外線吸収性の官能基を有するPVA
を用いているため、室内保存性及び直射日光に対する耐
光性に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基体中またはその表面に、酸化防止性
    の官能基及び/又は紫外線吸収性の官能基を有するビニ
    ルアルコール系重合体を含有するインク吸収層を有する
    ことを特徴とするインクジェット記録材。
  2. 【請求項2】ビニルアルコール系重合体中における酸化
    防止性及び/又は紫外線吸収性の官能基の含有量が0.
    01〜10モル%である請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録材。
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