JPH08508426A - 排液性が改善された巨視的に拡張したプラスチックウェブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、吸収体物品、特に月経用物品のトップシートとして使用するのに適した、立体的な巨視的に拡張した流体透過性弾性プラスチックウェブを提供する。このウェブは、ポリマー材料製の第１層（６０）、及びポリマー材料製の第１層の内面に固定された繊維質材料製の第２層（６２）を含む。第２層の繊維質材料は、ウェブの第２表面（４３）の下まで、好ましくは吸収体コア（２４）内に延びている。使用に当たっては、トップシート上に排出された液体は、ウェブの第２表面に沿って形成される流体メニスカスを第２層の繊維質材料が壊すため、より容易に排液され、これによって、使用者にとって乾燥性及び清浄性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】 排液性が改善された巨視的に拡張したプラスチックウェブ 技術分野 本発明は、吸収体物品、特に月経用物品のトップシートとして使用するための 弾性で流体透過性のプラスチックウェブに関し、更に詳細には、流体排液性が改 善され、これによって、使用者に対する乾燥性及び清浄性を改善したウェブに関 する。 発明の背景 使い捨て吸収体バンデージの技術分野において、着用上の快適さを改善するた め、及びバンデージ内に吸収された水分に長いこと露呈されたために望ましから ぬ皮膚状態となることを少なくするため、使い捨ておむつ、月経用品、衛生ナプ キン、失禁者用物品、等の吸収装置を、表面が乾燥した触感を使用者に与えるよ うにつくるのが非常に望ましいということが知られている。 上述の問題点に対する従来技術の一つの実行可能な解決策が１９８２年８月３ 日にラデル等に賦与された一般に譲渡された米国特許第４，３４２，３１４号に 開示されている。同特許について触れたことにより、その特許に開示されている 内容は本明細書中に組み入れたものとする。ラデル等の特許には、着用者と接触 するトップシートが、繊維のような性質とプラスチックの性質を兼ね備えた、巨 視的に拡張した立体的な弾性プラスチックウェブを備えた吸収体バンデージが開 示されている。好ましい実施例では、ラデル等の特許に開示された巨視的に拡張 した立体的なプラスチックウェブは、微細スケールの立体的微小構造を有し、こ の微小構造は、流体が迅速に輸送されるようにするため、ウェブの一方の表面か ら延びてその反対側の表面で孔の形態で終端する毛管ネットワークの調節された 連続体からなる。ウェブの繊維のような外観は、繊維状要素の連続体からなり、 繊維状要素の各々の両端は、少なくとも一つの他の繊維状要素に相互連結されて いる。 ラデル等の構造の代表的な毛管ネットワークは、ウェブの最も上側の平面で互 いに相互連結された多数の繊維要素が形成する最も上側の毛管開口部即ち孔から なる。繊維状要素の各々は、その長さに沿って実質的に均等なＵ字形状断面を有 する。繊維状要素の断面は、着用者と接触する平面内に配置されたベース部分及 びこのベース部分の各縁部に接合された側壁部分を有し、側壁部分は、全体に、 ウェブの吸収体パッドと接触する表面の方向に延びている。互いに交差する側壁 部分は、ウェブの着用者と接触する表面と吸収体パッドと接触する表面との間で 互いに接合されており、これによって、ウェブの両面を相互連結する毛管ネット ワークを形成する。 ラデル等の特許に開示された種類のトップシートは、流体を着用者と接触する 第１表面から吸収体パッドと接触するトップシートの第２表面まで迅速に移送す る上で非常に効果的である。従って、この種のトップシートは、従来の繊維質不 織布トップシートとは異なり、使用時に清浄で乾燥した外観を持つため、月経用 パッドについて広範な商業的成功を収めた。ラデル等のトップシートは、体液を 着用者と接触する第１表面からの吸収体パッドと接触する第２表面まで迅速に移 送する上で非常に効果的であるが、体液、例えば月経は、下側の層例えば吸収体 コアと孔が流体輸送接触していないと、パッドと接触する表面に沿って孔に詰ま ってしまう。代表的には、パッドと接触する表面の孔と下側の層との間に流体輸 送接触をつくりだすため、接着剤が使用された。しかしながら、接着剤は、付け 過ぎると孔を塞いでしまう。孔が塞がれると、トップシートを通して流体を排液 できず、皮膚に水分を露呈する。更に、吸収体物品の層を接着剤で互いに結合し 、全体に亘って流体輸送接触を形成すると、ごわごわした構造をつくりだし、こ れ は、快適でない。更に、付けられた接着剤が少な過ぎる場合には、接着剤は、ト ップシートと下にある層との間に十分な接触を提供せず、或いは剥がれてしまい 、身体の滲出物で湿潤されるまでしか役立たない。 発明の概要 本発明は、好ましい実施例では、例えば衛生ナプキン、パンティライナ、おむ つ、成人失禁者用衣料、バンデージ等の吸収体物品のトップシートとして使用す るのに適した、立体的な、巨視的に拡張した流体透過性の弾性積層ウェブに関す る。好ましくは、吸収体物品は、バックシート及びトップシートとバックシート との間に位置決めされた吸収体コアを有する。ウェブは、第１表面とこの第１表 面から間隔を隔てられた第２表面を有する。ウェブは、内面及び外面を持つポリ マー材料製の第１層及びこのポリマー材料製の第１層の内面に固定された繊維質 材料製の第２層を有する。繊維質材料は、ウェブの第２表面の下に延びる。好ま しくは、中間層の繊維質材料は、吸収体コア内に延びている。ウェブを通して流 体を移送するため、複数の細孔が第１表面からウェブの第２表面まで延びている 。 好ましい実施例では、ポリマー材料製の第１層は、第１表面から第２表面まで 延びる細孔よりも断面がかなり小さい多数の細孔を有する。特に好ましい実施例 では、第１層は複数の火山状微小孔を有する。 好ましい実施例では、繊維質材料は、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレ ン、ポリエステルのような合成繊維、異相構造繊維、セルロース繊維のような天 然繊維からなる。好ましくは、繊維は、毛管チャンネル繊維及び円形断面繊維の ような種々の形状を有する。 図面の簡単な説明 本明細書は、本発明を特定的に指摘し且つ明瞭に特許請求する請求の範囲で終 わるけれども、本発明は、同じ参照番号が同じ要素を示す添付図面と関連して以 下の説明を読むことによって更によく理解されるものと考えられる。 第１図は、内部構造を更によく示すため一部を断面で示す、衛生ナプキンの平 面図であり、 第２図は、第１図の２−２線に沿った衛生ナプキンの断面図であり、 第３図は、本発明の好ましい流体透過性ウェブの部分断面拡大斜視図であり、 第４図は、第３図の流体透過性ウェブ及び流体貯蔵コアの拡大部分断面図であ り、 第５図は、平らなベース（４）、壁間幅（５）、及び壁の深さ（６）を持つ対 称な「Ｈ」字形状毛管チャンネル繊維の断面図であり、 第６図は、安定化脚部が垂下した「Ｃ」字形状毛管チャンネル繊維の断面図で あり、 第７図は、多「Ｈ」字形状毛管繊維の断面図であり、 第８図は、多「Ｕ」字形状毛管チャンネル繊維の断面図であり、 第９Ａ図は、部分的に潰れた状態のＨ字形状毛管チャンネル繊維の断面図であ り、 第９Ｂ図は、開いた毛管チャンネル繊維の断面図であり、 第９Ｃ図は、完全に潰れた状態の毛管チャンネル繊維の断面図であり、 第１０図は、本発明の流体透過性積層ウェブの別の好ましい実施例の拡大部分 断面図であり、 第１１図は、本発明のトップシートを形成するための好ましい方法の概略図で あり、 第１２図は、第１１図に概略に例示した成形プロセスを実施するのに使用され る成形構造の概略部分図である。 発明の詳細な説明 １．吸収体物品概論 本明細書中で使用されているように、「吸収体物品」という用語は、身体の滲 出物を吸収して包含するための装置に関し、更に詳細には、身体から排出された 種々の滲出物を吸収して包含するため、着用者の身体に当てて又は着用者の身体 の近くに配置される装置に関する。「吸収体物品」という用語は、おむつ、月経 パッド、衛生ナプキン、パンティライナ、失禁者用パッド、等を含もうとするも のである。「使い捨て」という用語は、本明細書中では、洗濯又は他の方法で再 生されたり吸収体物品として再使用されるようになっていない吸収体物品を説明 するのに用いられる（即ち、こうした吸収体物品は、一回使用した後に廃棄され るようになっており、好ましくは、リサイクル、堆肥化、又は他の環境に適合し た方法で処分されるようになっている）。「一体の」吸収体物品は、互いに合一 して組み合わさった全体を形成する別体の部品で形成され、別体のホルダ及びパ ッドのような別々に取り扱わなければならない部品を必要としない、吸収体物品 に関する。 一体の使い捨て吸収体物品の好ましい実施例は、月経パッド、即ち第１図に示 す衛生ナプキン２０である。本明細書中で使用されているように、「衛生ナプキ ン」という用語は、女性が外陰部領域と隣接して、一般的に尿生殖器領域の外側 で着用する吸収体物品に関する。この吸収体物品は、着用者の身体からの月経流 体及び他の経膣排出物（例えば、血液、月経、及び尿）を吸収し、収容するよう になっている。一部が着用者の前庭領域の内側にあり且つ一部がその外側にある 大陰唇間装置もまた本発明の範疇にある。本明細書中で使用されているように、 「外陰部」という用語は、外から見える女性の生殖器に関する。しかしながら、 本発明は、パンティライナのような女性用の他の衛生パッド又は月経パッド、又 は失禁者用パッド等の他の吸収体物品にも適用できるということは、理解される べきである。 衛生ナプキン２０は、二つの表面、即ち着用者と接触する表面即ち身体と接触 する表面、即ち「身体面」２０ａ、及び衣料面２０ｂを有する。衛生ナプキン２ ０を第１図にその身体面２０ａから見た図として示す。身体面２０ａは、着用者 の身体と隣接して着用されるようになっている。衛生ナプキン２０の衣料面２０ ｂ（第２図参照）は身体面反対側にあり、衛生ナプキン２０の着用時に着用者の 下着と隣接して配置されるようになっている。 衛生ナプキン２０は、二つの中心線、即ち長手方向中心線「ｌ」及び横方向中 心線「ｔ」を有する。「長手方向」という用語は、本明細書中で使用されている ように、衛生ナプキン２０の着用時に直立している着用者を左側身体半部及び右 側身体半部に二分する垂直平面と全体に整合した衛生ナプキン２０の平面内の（ 即ちこれとほぼ平行な）線、軸線、又は方向に関する。「横方向」という用語は 、本明細書中で使用されているように、長手方向に対してほぼ垂直な衛生ナプキ ン２０の平面内の線、軸線、又は方向に関する。 第１図は、本発明の衛生ナプキン２０の、平らに拡げた状態での平面図であり 、衛生ナプキン２０の構造を更に明瞭に示すため、構造の一部が切除してあり、 衛生ナプキン２０の着用者に面する即ち接触する部分２０ａが図面を見る人に向 かって配向されている。第１図に示すように、衛生ナプキン２０は、好ましくは 、液体透過性のトップシート２２、このトップシート２２に接合された液体不透 過性のバックシート２３、及びトップシート２２とバックシート２３との間に位 置決めされた吸収体コア２４からなる。 更に、第１図は、衛生ナプキン２０の周囲３０がその外縁部によって構成され ていることを示す。周囲３０の長手方向縁部（即ち「側縁部」）には参照番号３ １が附してあり、端縁部（即ち「端部」）には参照番号３２が附してある。 衛生ナプキン２０は、好ましくは、着用者のパンティの股部分の廻りに折畳ま れる随意の側フラップ即ち「翼部」３４を有する。側フラップ３４は、着用者の パンティが汚れないように保護すること及び衛生ナプキンが着用者のパンティに 固定されたままにすることを含むが、これらに限定されない多くの目的で役立つ 。 第２図は、第１図の２−２線に沿った衛生ナプキン２０の断面図である。第２ 図でわかるように、衛生ナプキン２０は、好ましくは、衛生ナプキン２０を着用 者の下着に取り付けるための接着剤ファスニング手段３６を有する。取り外し自 在の剥離ライナ３７は、接着剤が使用前に下着の股部分以外の表面にくっつかな いように、接着剤ファスニング手段３６をカバーする。 衛生ナプキン２０は、長手方向及び横方向の他に、トップシート２２を通って 下方に流体貯蔵コア２４内に延びる方向である「ｚ」軸方向を有する。目的は、 流体が、最終的に、ｚ軸方向に、物品のトップシートから遠ざかる方向に、その 最終貯蔵層まで吸い込まれるように、本発明の物品のトップシート２２とこのト ップシートの下にある層との間に連続した行路を構成することである。好ましい 実施例では、連続した行路は、貯蔵媒体内への流体の下方への流れを容易にする 、毛管引力が増大する勾配を有する。 次に、衛生ナプキンの個々の構成要素を詳細に説明する。 ２．衛生ナプキンの個々の構成要素 Ａ．トップシート 第３図は、衛生ナプキン２０のトップシート２２として使用するのに適してい ることがわかっている、巨視的に拡張した、立体的な、繊維状の、流体透過性の 、プラスチックウェブ３９の好ましい実施例の部分断面拡大斜視図である。「巨 視的に拡張した」という用語は、本発明の立体プラスチックウェブを説明するの に使用する場合、形態を立体形成構造の表面と一致させることによって、その両 面に前記形成構造の巨視的断面と一致する表面アベレーション（surface aberra tion）の立体的パターンを付けたウェブ、リボン、及びフィルムに関する。前記 パ ターンを備えた表面アベレーションは、通常の裸眼で、即ち、見る人の眼とウェ ブの平面との間の垂直方向距離が約３０．４８cm（約１２インチ）である場合に 、見かけの大きさ又は対称物の距離を変化させたり眼の視力を変えたりする器具 を全く使用しないで２０／２０視力を持つ通常の裸眼で個々に確認できる。「繊 維状」という用語は、本発明のプラスチックウェブの外観を説明するのに本明細 書中で使用されているように、孔の任意の微細スケールパターンに関し、ランダ ムであってもよいし又はランダムでなくてもよく、網状であってもよいし又は網 状でなくてもよく、人間の眼で見たときの繊維質の織布ウェブ又は不織布ウェブ の全体としての外観及び印象を表す。第３図でわかるように、ウェブの繊維状の 外観は、繊維状要素の連続体からなり、繊維状要素の各々の向き合った端部は、 少なくとも一つの他の繊維状要素に相互連結されている。第３図に開示した実施 例では、相互連結された繊維状要素は、五角形形状の細孔４０からなるパターン をなしたネットワークを形成する。繊維状の外観を呈するウェブ３９は、平面４ ２内のウェブの最も上の表面即ち着用者と接触する表面４１から平面４４内のウ ェブの最も下の表面即ち吸収体パッドと接触する表面４３まで延びる立体的微小 構造を構成し、この構造により、流体は、隣接した細孔４０間で横方向に移動さ れることなく、ウェブの最も上の表面４１から最も下の表面４３まで迅速に移送 される。本明細書中で使用されているように、「微小構造」という用語は、顕微 鏡又は他の当該技術分野で周知の手段で拡大しなければ人間の眼には正確な詳細 を容易に知覚できないような微細スケールの構造に関する。 孔４５は、多数の交差した繊維状要素、例えば、ウェブの第１表面で互いに相 互連結された要素４６、４７、４８、４９、及び５０によって形成されている。 各繊維状要素のベース部分、例えばベース部分５２は、平面４２に配置されてい る。各ベース部分の側壁部分、例えば側壁部分５３は、ベース部分の各縁部に取 り付けられている。側壁部分５３は、全体に、ウェブの第２表面４３の方向に延 びている。繊維状要素の交差した側壁部分は、ウェブの第１表面と第２表面との 間で互いに相互連結されており、第２表面の平面４４で互いにほぼ同時に終端す る。 特に好ましい実施例では、相互連結された側壁部分は、第２表面４４の平面で 互いにほぼ同時に終端し、孔５５をウェブの第２表面４３に形成する。相互連結 された側壁部分によって形成された細孔４０のネットワークにより、流体を、隣 接した細孔間で横方向に伝えることなく、ウェブの第１表面からウェブの第２表 面まで直接移送することができる。 第４図は、本発明の、巨視的に拡張させた、立体的な、繊維状の流体透過性プ ラスチックウェブ３９の拡大概略断面図である。第４図でわかるように、ウェブ ３９は、第１の、頂層即ち最も上側の層６０、及び第２の、底層即ち最も下側の 層６２からなる。最も上側の層は、外面即ち露呈面６０ａ及び内面６０ｂを有す る。最も下側の層６２は、最も上側の層６０の内面６０ｂに固定されている。最 も上側の層６０は、好ましくは、熱可塑性材料、例えばポリエチレン、ポリプロ ピレン、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）又はこれらの材料の任意の組み合 わせから形成される。最も上側の層６０は、上述の材料のうちの任意の材料を同 時押出しした組み合わせである。好ましくは、同時押出しによって形成された最 も上側の層６０に使用された材料により、最も上側の層６０の内面６０ｂを最も 下側の層６２に熱結合することができる。最も下側の層６２は、好ましくは、ナ イロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、異相構造繊維のような 合成繊維、又はセルロース繊維のような天然繊維、又は上掲の材料の任意の組み 合わせからなる。繊維の形状は、円形、楕円形、正方形、矩形、星型、等の任意 の形体即ち断面を持つことができるが、しかしながら、好ましい繊維は毛管チャ ンネル繊維である。 毛管チャンネル繊維は、好ましくは、その外面にチャンネルが形成された繊維 である。第５図乃至第９Ｃ図には、最も下側の層６２の形成に使用できる幾つか の種類の毛管チャンネル繊維２５の例が示してある。適当な毛管チャンネル繊維 を以下に説明する。適当な毛管チャンネル繊維は、１９９１年７月２３日付けで トンプソン等の名で出願された米国特許出願第０７／７３４，４０４号、同日付 けでトンプソン等の名で出願された米国特許出願第０７／７３４，３０２号、同 日付けでブエンガー等の名で出願された米国特許出願第０７／７３４，４０５号 にも説明されている。これらの特許出願を集合的に「毛管チャンネル繊維」特許 出願と呼ぶ。更に、適当な毛管チャンネル繊維が、１９９０年１０月１０日に公 開されたＥＰＯ特許出願０ ３９１ ８１４号にも説明されている。 本発明では種々の毛管チャンネル繊維を使用できるが、以下の説明では、本発 明の最も下側の層６２に組み込んだ毛管チャンネル繊維２５の幾つかの好ましい 性質を論じる。 本発明で使用する毛管チャンネル繊維２５は、湿潤時に実質的に膨潤しない任 意の便利なポリマーからつくることができる。上述のように外部毛管チャンネル を形成できるように紡糸できるのであれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ リエステル（好ましくは）、等のポリマーが本発明で有用である。便利には、ポ リマーは、溶融紡糸可能である。代表的には、本発明の毛管チャンネル繊維は、 内部粘度（「ＩＶ」）が約０．６乃至０．９の合成ポリエチレンテレフタレート ポリマー溶融体から製造される。（ＩＶは当該技術分野の用語であり、周知の方 法で決定できる。例えば、米国特許第４，８２９，７６１号の第８コラムを参照 のこと。）ポリマー溶融体のＩＶは、ポリマーが毛管チャンネル壁の形状を保持 する能力と関係があり、ポリマーの平均分子量と関係している。例えば、内部粘 度が約０．７のポリエステルを使用するのが便利であるが、内部粘度が約０．９ のポリマーを使用するのが更に好ましい。 毛管チャンネル繊維２５は、好ましくは、約１０デニール乃至約２２デニール である。しかしながら、使用される繊維のデニール数は、配合者の裁量にあり、 デニール数を繊維毎に約５デニール乃至約３５デニールの範囲内にすることは容 易であるということを理解すべきである。 本発明の毛管チャンネルの深さ：幅比は、好ましくは、約２．０であるが、加 工における上述の制限並びに経済上の理由のため、代表的には、約１．３の深さ ：幅比が使用される。かくして、代表的であり容易に製造できる、本発明で使用 する上で非常にうまくいった毛管チャンネル繊維の壁の深さは、約４６μｍであ り、壁間の幅は約３３μｍである。壁自体の厚さは、代表的には、約３μｍ乃至 １５μｍである。これらの寸法以外の寸法でもよいが、これらの特徴を持つポリ エステル製毛管チャンネル繊維は、それらの所期の目的について非常に効果的で ある。このような繊維は、従来技術の作動器具を使用してつくることができ、衛 生装置、特に衛生ナプキン及びパンティライナが遭遇する種類の圧力に、毛管チ ャンネル壁が毛管機能を失う程潰れたり拡がったりすることなく、易々と耐える 。 毛管チャンネル２９は、種々の形状をとることができる。特定の形状が製品の 特定の用途で特別の利点を提供できる。例えば、「Ｕ」字形状毛管チャンネル、 「Ｈ」字形状毛管チャンネル、安定化脚部が垂下した「Ｃ」字形状毛管チャンネ ル、及び「Ｖ」字形状毛管チャンネルを使用できる。更に、多数のチャンネルを 備えた繊維を製造するため、基本形状を繰り返し（添付図面参照）てもよいし、 枝分かれしていてもよいが、約３回以上の繰り返し形状を使用する場合には、あ る程度の追加の剛性を繊維に賦与するのがよい。第６図の多数の「Ｕ」字形状繊 維には、面と面とが向き合って接触しているために毛管性能が高くなり、容易に カールするという別の利点がある。 本発明で使用する種類の毛管チャンネル繊維２５の製造は、ＥＰＯ出願第３９ １，８１４号、１９９１年７月２３日付けで出願された、フィリップス、ジョー ンズ、等が発明した「流体を自然に輸送できる繊維」という標題のイーストマン 化学社の現在継続中の米国一時継続許出出願第０７／７３６，２６１号、１９９ ２年７月２３日付けで出願された、フィリップス等が発明した「口金オリフィス 及び安定化脚部を備えたフィラメント断面」という標題の現在継続中の米国特許 出願第０７／９１８，１７４号、及び１９９０年２月２０日付けで出願された、 トンプソン及びクローターが発明した「開放毛管チャンネル構造、毛管チャンネ ル構造をつくるための改良された方法、及びこの方法で使用するための押出しダ イ」という標題の現在継続中の米国特許出願第０７／４８２，４４６号に記載さ れている。 本発明の毛管チャンネル繊維をつくるのに使用されるポリマー自体は、水溶性 でない（尿、又は月経のような血液を含む流体に対して吸収体でもない）が、繊 維自体は、最も好ましくは親水性である。多くの合成ポリマーは疎水性であるた め、本発明の毛管チャンネル繊維は、これらの繊維を親水性にするために表面処 理が施してある。 ポリマー繊維の表面処理には、詳細に亘る繊維の文献で周知のプロセスが含ま れる。一般的に、このようなプロセスには、繊維の表面を「親水化剤」、特に界 面活性剤で処理することが含まれる。（水性の液体による湿潤性を繊維に賦与す る親水化は、通常は、例えば接触角の計測値を使用して計測することができる。 一般的には、接触角が９０°以下であることが親水性の表面を示す。親水性の計 測には、当該技術分野で周知の他の種々の機器で可能であるように、ＣＡＨＮ表 面力分析機（ＳＦＡ２２２）を使用できる。）こうしたプロセスで有用な代表的 な界面活性剤には、洗剤の文献で周知の様々な一般的な種類の非イオン系及び陰 イオン系洗剤界面活性剤が含まれる。親水化剤には、ポリエチレングリコールモ ノラウレート（例えば、米国ペンシルバニア州のウィリアムズポートのロンザ社 から入手できるペゴスパーゼ（PEGOSPERSE）２００ＭＬ、ポリエチレングリコー ル２００モノラウレート）、及びエトキシレーテッドオレイルアルコール（例え ば、 米国ニューヨーク州のニューヨークのクロダ社から入手できるボルポ（VOLPO） −３）のような湿潤剤が含まれる。更に、毛管現象による吸い上げ性能を高め、 汚れ落ち性等を改善するための、繊維及び布の技術分野の当業者に周知の他の種 類の親水化剤及び親水化技術を使用することができる。親水化剤は、使用前の種 々の段階でポリマーに加えることができるが、好ましくは、毛管チャンネル繊維 をその最終的な大きさに延ばす前に加えられる。例えば、親水化剤は、ポリマー の溶融前に加えてもよいし、溶融後にポリマーに混合してもよい。更に、添加剤 である親水化剤は、ポリマーの形成後、例えば、溶融紡糸プロセス、湿潤紡糸プ ロセス、又は乾燥紡糸プロセスで押出しダイを出た後に加えることができ、好ま しくは、繊維を延ばして直径を小さくする前に加えることができる。勿論、本発 明の物品は人間の身体の敏感な領域と接触するようになっているため、毛管チャ ンネル繊維の表面を親水化するのに使用される界面活性剤は、人間の皮膚に対し て毒性及び刺激がないのが好ましい。毛管チャンネル繊維を親水化するための種 々の界面活性剤処理が以下の例に説明してある。繊維の表面を親水化するための 別の方法には、前記表面に電離放射線、例えばプラズマを照射する方法が含まれ 、こうした方法には、繊維の表面上に界面活性剤が全く残らないという利点があ る。どのような手段をとろうとも、全体としての目的は、本発明で使用する毛管 チャンネル繊維が、こうした繊維が輸送しようとする流体で自然に湿潤できるよ うにすることである。 最も下側の層６２の繊維質材料は、不織布であるのがよい。この不織布は、好 ましくは、１．２７cm（０．５インチ）の螺旋状にカールした、ステープル、毛 管チャンネル繊維２５からなる。不織布の形成方法には、カーディング処理、ラ ンド（rando）プロセス、スパンボンディング処理、等が含まれる。結合方法に は、熱結合、ニードルパンチング法、ヒドロエンタングリング法、等が含まれる 。繊維のフィラメント毎のデニール数は約１０である。結果的に得られた不織布 の坪 量は、好ましくは、約１６．９５g/cm2（０．５oz/yd2）である。毛管チャンネ ル繊維からなる適当な不織布は、１９９２年９月１０日付けで出願された、トン プソン等が発明した「流体を受け入れ、輸送し、保持する構造体」という標題の 米国特許出願第０７／９４３，２６１号に開示されている。 変形例では、最も下側の層６２は、結合されていない繊維からなるのがよい。 好ましくは、最も下側の層６２の結合されていない繊維は、毛管チャンネル繊維 ２５である。特に好ましい実施例では、結合されていない繊維を、以下に詳細に 説明するように、成形構造に吹き付ける即ち付着させて最も上側の層６０に固定 する前に、約１．２７cm（約０．５インチ）の所定長さに細断する。 第３図及び第４図を参照すると、最も下側の層６２は比較的薄い層であり、最 も上側の層６０の内面６０ｂの輪郭に従う。従って、繊維要素の内側部分内に形 成された空間の大部分は開放したままであり、即ち何の妨げもなく、即ち内側部 分には最も下側の層６２からの繊維が実質的にない。これは、衛生ナプキンが大 量の体液に露呈され、吸収体コアが飽和する場合に重要である。流体は、繊維状 要素内に形成される内空間に保持される。 第４図でわかるように、最も下側の層６２の繊維は、最も下側の平面４４に配 置されたウェブ３９の第２表面４３の下まで延びている。最も下側の層６２の繊 維は、主にｚ軸方向で吸収体コア２４に向かって延びている。好ましくは、繊維 は、ｚ軸方向と実質的に平行に配向されている。好ましくは、繊維質材料ででき た最も下側の層６２は、積層ウェブ３９の直ぐ隣にあり且つ下側にある流体貯蔵 コア２４と流体輸送接触している。使用に当たっては、体液は、先ず最初に積層 ウェブ３９の第１表面４１に当たる。流体は、次いで、第１表面即ち最も上側の 表面４１から第２表面即ち最も下側の表面４３まで細孔４０を通って移動する。 流体がウェブ３９の最も下側の表面の孔５５に到ったとき、最も下側の層６２の 繊維質材料と接触する。最も下側の層６２の繊維は、ウェブ３９の第２表面４３ に沿って形成される傾向のある流体メニスカスを壊し、細孔４０が完全に排液で きるようにする。細孔から体液を排液することによって、ウェブ３９は、より乾 燥したより清浄なトップシート２２を提供する。細孔４０からなるネットワーク 内の流体を実質的に全部排液することによって、ウェブ３９を体液の次の注入に 対して本質的に更新する。 最も下側の層６２の繊維質材料は、ウェブの第２表面に沿った流体メニスカス を壊すことの他に、吸収体コア２４の繊維質材料と最も下側の層６２の繊維質材 料との繊維エンタングルメントによって、即ちこれらの繊維が絡み合うことによ って、吸収体コア２４との流体一体化を良好にする。最も下側の層６２の繊維質 材料の螺旋状にカールした性質によって、最も下側の層６２の繊維質材料と吸収 体コア２４との間の繊維質材料の繊維エンタングルメントを高めることができる 。 トップシートとその下にある吸収体コアとの間の流体一体化を改善することに よって、従来の接着剤結合や熱結合では得られなかった信頼性の高い流体通路を 形成する。従来の接着剤は、非常に強固に付けられた場合には、細孔の流体通路 を塞ぎ、かくして、細孔が体液を下側の吸収体コア内に適正に排液するのを妨げ る傾向がある。更に、接着剤を使い過ぎると、吸収体物品がごわごわになってし まう。これは、快適性を損ない、体液を吸収するその使用における有効性を損な う。従来の熱結合は、トップシート及びコアの各々の選択された部分を溶融プロ セス即ち融着プロセスで部分的に破壊することによってこれらを互いに結合する 。これらの破壊された部分は流体の通過に対して不透過性になる。 体液が通過する連続的な通路をトップシートとその下にある中間層、例えば二 次トップシート又は吸収体コアとの間に形成することによって、トップシートを 体液の次の注入に対して更新し、これによって、トップシートの新たな乾燥した 外観及び触感を保持する。衛生ナプキン２０は、吸収体コア２４が飽和するまで 、流体を連続的に受け入れることができる。 所望であれば、最も上側の層６０の不透明度も変化させることができる。例え ば、最も上側の層６０は、最も下側の層６２の繊維質材料を露呈することによっ て更に布に近い外観を提供するため、比較的透明であるのがよい。 更に、巨視的に拡張したウェブ３９の種々の層には、特定の流体特性を高める ため、特定の仕上げを施すことによって或いは樹脂を塗布することによって処理 することができる。好ましくは、最も上側の層６０は、最も下側の層６２と比べ て、全体に疎水性の仕上げが施してある。最も下側の層６２は、一般的には、好 ましくは、最も上側の層６０よりも親水性が大きい。このような構造と接触する 流体は、次いで、親水性勾配を被り、かくして、表面仕上げによって提供される 「駆動」力をコア２４の方向に発生する。この駆動力は、好ましくは、小さな孔 径によって提供される駆動力よりも好ましい。これは、小さな孔径によってｚ軸 方向に生ぜしめられる障害なしに流れに方向性があるためである。 第１０図は、吸収体物品のトップシートとして使用するのに適した別の好まし い実施例の巨視的に拡張した立体的なウェブ１３９の拡大部分断面図である。第 １０図でわかるように、ウェブ１３９は、上層即ち最も外側の層１６０、及び下 層即ち最も内側の層１６２からなる。最も下側の層１６２は、好ましくは、上述 のように、繊維質材料からなる。ウェブ１３９の最も外側の層１６０は、複数の 微小孔１６５を有する。好ましくは、微小孔１６５は、最も外側の層１６０に軟 らかな絹のような触感を提供する別個の、火山状表面アベレーションからなるパ ターンである。微小孔を備えた外層は、１９８６年１２月１６日にカルロ等に賦 与された一般に譲渡された米国特許第４，６２９，６４３号に詳細に記載されて いる。同特許について触れたことにより、その特許に開示されている内容は本明 細書中に組み入れたものとする。微小孔１６５には複数の平らな孔が設けられて いる。これらの平らな孔は、これらの孔がたとえ顕微鏡的スケールであっても、 フィルムの平らな形体を変えないという点で火山状表面アベレーションとは区別 される。平らな孔は、フィルムの厚さを貫通している。 最も下側の層１６２の繊維質材料は、細孔１４０によって排液されなかった流 体が微小孔１６５で排液されるように、微小孔１６５と流体輸送接触している。 流体は、最も下側の層１６２の繊維母材内でウェブ１３９の第２表面１４３に輸 送される。 変形例では、ウェブ１３９の最も外側の層１６０は、多数の流体取扱い細孔を ウェブの第１表面に有する。これらの流体取扱い細孔の断面は、流体取扱い細孔 ４０からなるネットワークよりもかなり小さい。これらの小さな流体取扱い細孔 は、ウェブの第１表面上に静止している流体を毛管作用で全体にウェブの第２表 面の方向に移送するのに十分な所定程度の毛管作用を提供する。かなり小さい流 体取扱い細孔は、１９８７年１月２０日にオウエレット等に賦与された一般に譲 渡された米国特許第４，６３７，８１９号に詳細に説明されている。同特許につ いて触れたことにより、その特許に開示されている内容は本明細書中に組み入れ たものとする。 Ｂ．吸収体コア 吸収体コア２４は、液体（例えば、月経、及び／又は尿）を吸収でき、又は保 持できる任意の吸収手段である。第１図及び第２図に示すように、吸収体コア２ ４は身体面、衣料面、側縁部、及び端縁部を有する。吸収体コア２４は、種々の 大きさ及び形状（例えば、矩形、楕円形、砂時計形状、犬骨形状、非対称形状、 等）に製造でき、一般的にエアーフェルトと呼ばれる微粉砕した木材パルプのよ うな、衛生ナプキン及び他の吸収体物品で一般的に使用される種々の液体吸収体 材料から製造できる。他の適当な吸収体材料の例には、紙綿、コフォームを含む 溶融吹付けポリマー、化学的に補剛した改質した架橋済みのセルロース繊維、毛 管チャンネル繊維、クリンプ加工を施したポリエステル繊維のような合成繊維、 草炭、薄葉紙包紙及び薄葉紙積層体を含む薄葉紙、吸収体フォーム、吸収体スポ ンジ、超吸収体ポリマー、吸収体ゲル化剤、又は任意の等価の材料又はこれらの 材料の組み合わせ又は混合物が含まれる。 吸収体コア２４の形体及び構造もまた変化えることができる（例えば、吸収体 コアはキャリパの異なるゾーン（例えば、中央部が厚くなるように賦形されてい る）を有してもよく、親水性勾配、超吸収体勾配、又は低密度で低坪量の捕捉ゾ ーンを有してもよく、又は、一つ又はそれ以上の層又は構造体からなってもよい ）。しかしながら、吸収体コア２４の全吸収力は、衛生ナプキン２０の設計負荷 及び所期の使用に匹敵するものでなければならない。更に、吸収体コア２４の大 きさ及び吸収力は、失禁者用パッド、パンティライナ、レギュラー型衛生ナプキ ン又は夜用衛生ナプキンといった種々の使用に合わせて変えることができる。 本発明の吸収体コア２４として使用するための例示の吸収体構造は、１９９０ 年８月２１日にオズボーンに賦与された米国特許第４，９５０，２６４号、１９ ８６年９月９日にワイズマン等に賦与された米国特許第４，６１０，６７８号、 １９８９年５月３０日にアルマニー等に賦与された米国特許第４，８３４，７３ ５号、１９９１年４月２３日にオズボーンに賦与された米国特許第５，００９， ６５３号、及び１９８６年１０月２２日にデュエンク等の名で公開されたプロク ターアンドギャンブル社の欧州特許出願第０ １９８ ６８３号に説明されてい る。これらの特許の各々を参考のため本願に組み込む。 変形例では、吸収体コア２４は、超吸収体ポリマー層（又は吸収体ゲル化剤層 ）及び架橋させたセルロース繊維からなる一つ又はそれ以上のシート又はウェブ からなる積層構造でできているのがよい。吸収体コア２４用の適当な架橋させた セルロース繊維は、１９８９年１２月１９日にクック等に賦与された米国特許第 ４，８８８，０９３号、１９８９年４月１８日にディーン等に賦与された米国特 許第４，８２２，５４３号、１９８９年１２月２６日にショーゲン等に賦与され た米国特許第４，８８９，５９５号、１９９０年２月６日にムーア等に賦与され た米 国特許第４，８９８，６４２号、１９９０年６月１９日にラッシュ等に賦与され た米国特許第４，９３５，０２２号、１９９１年５月１５日にヘロン等の名で公 開されたＥＰＯ特許出願公開第０ ４２７ ３１６ Ａ２号及び第０ ４２７ ３１７ Ａ２号、及び本願に参考のため組み込んだ、１９９１年５月２９日にヘ ロン等の名で公開されたＥＰＯ特許出願公開第０ ４２９ １１２ Ａ２号に記 載されている。 積層体は、吸収体ゲル化剤粒子からなる層を包んだ架橋したセルロース繊維か らなるシートで形成できる。シートは、端部から見て「Ｃ」字形体を持つように 見えるように包んでいる。包んだシートは、上層及び下層を形成する。変形例で は、積層体は、単一のシートでなく、吸収体コア積層体の種々の層用の架橋させ たセルロース材料（又は他の吸収体材料）からなる別体のウェブを提供すること 、又は吸収体コア積層体に別の層を提供することといった多くの他の方法で形成 できる。 この種類のコアでは、カールした、捩じられた、好ましくは化学的に剛化し且 つ架橋したセルロース繊維を精製し、吸収体コアとしてシートの形態で使用でき る繊維を形成する。精製したカールした化学的に剛化したセルロース繊維をつく るのに使用できる、適当なカールした、化学的に剛化したセルロース繊維の製造 は、米国特許第４，８８８，９０３号、第４，８２２，５４３号、第４，８８９ ，５９５号、第４，８８９，５９７号、第４，８８９，５９６号、及び第４，８ ９８，６４２号に詳細に記載されている。 このような繊維の吸収体ゲル化剤と組み合わせた使用及びこのような組み合わ せを製造するための手段は、米国特許第４，９３５，０２２号に記載されている 。このような製造は、代表的には、グルタルアルデヒドのようなアルデヒドを架 橋剤として使用することを必要とする。更に、ポリカルボン酸を架橋剤として使 用できる。他の架橋したセルロース繊維を形成するための他の手段もまた周知で あ り、こうした繊維もまた本発明で使用できるが、流体吸収性は、上述の繊維と比 べて最適以下であるということは理解されよう。他の種類の繊維について、米国 特許第４，８９８，６４２号及びＰＣＴ／ＵＳ８９／０１５８１号における種々 の引例を参照されたい。ひとたび手に入れると、カールしたセルロース繊維を精 製し、本発明を実施するのに使用される好ましい吸収体コアを製造するのに使用 される繊維を提供する。 Ｃ．バックシート バックシート２３は、液体（例えば、ベース及び／又は尿）不透過性であり、 好ましくは、薄いプラスチックフィルムから製造されるが、可撓性で液体不透過 性の他の材料を使用することもできる。本明細書中で使用されているように、「 可撓性」という用語は、柔軟であり且つ人体の全体形状即ち輪郭に容易に馴染む 材料に関する。バックシート２３は、パンツ、パジャマ、及び下着といった衛生 ナプキン２０と接触する物品が、吸収体コア２４に吸収され且つ収容された滲出 物で濡らされることのないようにする。かくして、バックシート２３は、織布材 料、不織布材料、ポリエチレンやポリプロピレン製の熱可塑性フィルムのような ポリマーフィルム、又はフィルムでコーティングした織布材料のような複合材料 からなるのがよい。好ましくは、バックシートは、厚さが約０．０１２mm（約０ ．５ミル）乃至約０．０５１mm（約２．０ミル）のポリエチレンフィルムである 。例示のポリエチレンフィルムは、オハイオ州シンシナチのクロペー社がＰ１８ −０４０１の表示で製造しているポリエチレンフィルム、及びインディアナ州テ ルホイテのエチル社のビスクイーン課がＸＰ−３９３８５の表示で製造している ポリエチレンフィルムである。バックシート２３は、より布に近い外観を与える ため、好ましくはエンボス加工及び又は艶消し仕上げが施してある。更に、バッ クシート２３は、蒸気を吸収体コア２４から逃がすことができる（即ち呼吸性が ある）と同時に滲出物を通さない。 Ｄ．随意の保持手段 使用に当たっては、衛生ナプキン２０は、衛生ナプキンを保持する目的で周知 の任意の支持手段又は取り付け手段で所定位置に保持できる。好ましくは、衛生 ナプキンを使用者の下着又はパンティに置き、接着剤３６のようなファスナでそ こに固定する。接着剤３６は、衛生ナプキン２０をパンティの股部分に固定する ための手段を提供する。かくして、バックシート２３の一部又は全部を接着剤で コーティングする。こうした目的で当該技術分野で使用される接着剤又は糊を本 発明の接着剤として使用することができ、感圧接着剤が好ましい。適当な接着剤 は、オハイオ州コロンバスのセンチュリー接着剤社が製造しているセンチュリー Ａ−３５０−IV、及びニュージャージー州ブリッジウォーターのナショナルスタ ーチアンドケミカル社が製造しているインスタントロック（Instant Lock）３４ −２８２３である。更に、適当な接着剤ファスナが米国特許第４，９１７，６９ ７号に記載されている。衛生ナプキンの使用前には、感圧接着剤３６は、接着剤 ３６が乾いたり使用前にパンティの股部分以外の表面にくっついたりしないよう にするため、取り外し自在の剥離ライナ３７でカバーされている。適当な剥離ラ イナ３７もまた米国特許第４，９１７，６９７号に記載されている。本発明では 、このような目的で一般的に使用される商業的に入手可能な任意の剥離ライナを 使用できる。適当な剥離ライナの非限定的例は、ＢＬ３０ＭＧ−Ａサイロックス （Silox）Ｅ１／Ｏ及びＢＬ３０ＭＧ−Ａサイロックス４Ｐ／Ｏであり、これら は、両方とも、ウィスコンシン州メナシャのアクロシル社が製造している。本発 明の衛生ナプキン２０は、剥離ライナ３７を取り外し、その後、接着剤３６がパ ンティと接触するように衛生ナプキン２０をパンティに置くことによって使用さ れる。接着剤３６は、衛生ナプキンをその使用中にパンティ内のその位置に維持 する。 Ｅ．随意の特徴 衛生ナプキン２０には二つのフラップ３４が更に設けられているのがよく、こ れらのフラップの各々は、吸収体コアの側縁部と隣接しており且つここから横方 向に延びる。フラップ３４は、着用者のパンティの股領域の縁部をくるむように 形成されているため、フラップ３４は、着用者のパンティの縁部と大腿との間に 配置される。 フラップ３４は、少なくとも二つの目的で役立つ。第１に、フラップ３４は、 好ましくは、パンティの縁部に沿って二重壁障壁を形成することによって、月経 流体で着用者の身体及びパンティが汚れないようにするのを助ける。第２に、フ ラップ３４は、好ましくは、フラップ３４をパンティの下に折り返してこれをパ ンティの衣料に面する側に取り付けることができるように、これらのフラップの 衣料面上に取り付け手段を備えている。このようにして、フラップ３４は、衛生 ナプキン２０がパンティで適正に位置決めされた状態を保つのに役立つ。 フラップ３４は、トップシートと同様の材料、バックシートと同様の材料、薄 葉紙と同様の材料、又はこれらの材料の組み合わせを含む種々の材料でつくるこ とができる。更に、フラップ３４はナプキンの主本体部分に取り付けられた別体 の要素であってもよいし、トップシート２２及びバックシート２３の延長部から なってもよい（即ち、一体であってもよい）。 本発明の衛生ナプキンで使用するのに適したフラップを有する多くの衛生ナプ キンが１９８７年８月１８日にバン・チルバーグに賦与された「フラップを持つ 賦形衛生ナプキン」という標題の米国特許第４，６８７，４７８号、１９８６年 ５月２０日にバン・チルバーグに賦与された「衛生ナプキン」という標題の米国 特許第４，５８９，８７６号、及び１９８６年８月２６日にメディングリーに賦 与された「衛生ナプキン取り付け手段」という標題の米国特許第４，６０８，０ ４７号に開示されている。 ３．製造方法 第１１図は、本発明の繊維質ウェブを製造するためのプロセスの概略フローダ イヤグラムである。成形構造２０１がその周りを連続的に回転している成形ドラ ム２００の表面上に、繊維吹付け／細断器２１８が、結合されていない繊維２２ ０を付着する。ポリエチレンのようなポリマー材料からなる実質的に平らなフィ ルム２１０のウェブを、供給ロール２１１から成形構造２０１上に載った繊維２ ２０上に供給する。成形構造２０１は、来入ウェブとほぼ等速で連続的に回転し ている。フィルム２１０のウェブは、成形ドラム２００によって駆動される。 大きく拡大した部分セグメントを第１２図に示す成形構造２０１は、五角形形 状の細孔３４０からなるパターンをなしたネットワークを有する。成形構造は、 好ましくは、１９８２年８月３日にラデル及びトンプソンに賦与された米国特許 第４，３４２，３１４号の教示に従って解釈される。同特許について触れたこと により、その特許に開示されている内容は本明細書中に組み入れたものとする。 成形構造２０１は、フォトエッチングで形成した個々の単層３０１、３０２、及 び３０３からなる。第１２図の成形構造２０１を第３図のウェブ３９と比較する と、ウェブ３９の細孔４０と成形構造２０１の細孔３４０とが一致していること が明らかになる。積層構造を従来の技術でロール状にし、第１２図に示す管状成 形構造にする。 成形ドラム２００の内部には、好ましくは、真空チャンバ２０３が配置されて おり、この真空チャンバは、移動している成形構造２０１に対し、好ましくは、 静止している。真空チャンバ２０３の始端及び終端とほぼ一致する一対の静止し たバッフル２０５、２０６は、成形構造の外面と隣接して配置されている。静止 したバッフル２０５、２０６の中間には、好ましくは、ポリマーフィルム２１０ でできた実質的に平らなウェブが吸引チャンバを通過するときに流体圧力差をこ のウェブに加えるための手段が設けられている。図示の実施例では、流体圧力差 アプリケータ手段は、ウェブ２１０の全幅に亘って水のような液体２１３の噴流 をほぼ均等に噴出する高圧液体ノズル２１４を有する。成形した材料を高圧液体 噴流を使用して製造するための方法の例が、１９８７年９月２２日にカルロ等に 賦与された米国特許第４，６９５，４２２号、１９８８年１０月１８日にカルロ 等に賦与された米国特許第４，７７８，６４４号、及び１９８９年６月１３日に カルロ等に賦与された米国特許第，４，８３９，２１６号に開示されている。こ れらの特許について触れたことにより、これらの特許に開示されている内容は本 明細書中に組み入れたものとする。 液体ノズル２１４からの水が、成形構造２０１の回転時に繊維２２０を成形構 造２０１上に保持するのに必要な凝集力を提供する。変形例では、繊維２２０を 吹付け／細断器２１８とノズル２１４から分散された液体流れ２１３との間の場 所に保持するため、負圧を加えることができる。更に、繊維２２０は、例えば水 の追加、軽い接着剤、及び静電力のような当該技術分野で周知の他の手段でドラ ム２００に対して保持できる。 水の噴流は、ポリマーフィルム層２１０の形態を成形構造２０１と一致させる 。更に、繊維２２０は、巨視的に拡張したウェブ２３９の下面即ち第２表面を越 えて延びるように成形構造２０１内に下方に押しやられる。積層ウェブ２３９の 形成後、おむつや衛生ナプキンのような吸収体物品のトップシートとして導入す る準備ができる。変形例では、積層ウェブ２３９を後に使用するために巻取りロ ールに配置してもよい。 繊維吹付け／細断器２１８は、結合されていない細断繊維の供給ロール及び結 合されていない細断繊維を移送してこれを巨視的に拡張した成形構造２０１上に 付着させるコンベヤに代えることもできる。繊維質材料は、繊維質材料を供給す るための当該技術分野で周知の任意の手段で成形構造２０１に供給できる。 変形例では、結合されていない細断繊維の平らなアレイを、移動する金網から 成形構造２０１に付けることができる。細断繊維は、凝集力又は静電力によって 、移動する金網に対して保持できる。好ましくは、繊維は、移動する金網に対し 、水の凝集力によって保持される。 場合によっては、液体流れ２１３を加熱し、繊維２２０とポリマーフィルム２ １０との間を熱結合するのが好ましい。変形例では、繊維２２０をポリマーフィ ルム２１０に固定するのに接着剤を使用できる。接着剤は、上文中に詳細に説明 した所望の結合特性及び流体取扱い特性を提供する多くのパターン及び量で付け ることができる。接着剤は、液体ノズル２１４に至る前に、成形構造２０１上に 又はポリマーフィルム２１０上に直接的に付けるのがよい。 本発明の特定の実施例を図示し、説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱 することなく種々の他の変形及び変更を行うことができるということは当業者に は明らかであろう。従って、本発明の範疇のこのような変形及び変更は、全て、 添付の請求の範囲に含まれる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＮ，ＣＺ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，Ｋ Ｒ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 吸収体物品のトップシートとして使用するのに適した、立体的な、巨視 的に拡張した、第１表面及び第２表面を持つ流体透過性ウェブにおいて、 （a）内面及び外面を持つポリマー材料製の第１層と、 （b）前記ポリマー材料製の第１層の前記内面に固定された繊維質材料製の第 ２層であって、前記繊維質材料が前記ウェブの前記第２表面の下に延びた、第２ 層と、 （c）前記ウェブを通して流体を伝えるため、前記ウェブの前記第１表面から 前記ウェブの前記第２表面まで延びる複数の細孔とを有し、これらの細孔の各々 は、前記ウェブの前記第１表面に孔として形成されており、連続的に相互連結さ れた側壁を前記第１表面と前記第２表面との間に有し、前記連続的に相互連結さ れた側壁は、前記第２表面に孔を形成するように終端する、流体透過性積層ウェ ブ。 ２． 前記ウェブは、吸収体物品のトップシートであり、前記吸収体物品は、 バックシート及び前記トップシートと前記バックシートとの間に位置決めされた 吸収体コアを含む、請求項１に記載の流体透過性積層ウェブ。 ３． 前記第２層の前記繊維質材料は、前記吸収体コアと流体輸送接触してい る、請求項２に記載の構造。 ４． 前記第１層は、複数の微小孔を有する、請求項１、２、又は３に記載の 流体透過性積層ウェブ。 ５． 前記第１層は、前記第１表面から前記ウェブの第２表面まで延びる前記 細孔よりも断面がかなり小さい複数の細孔を有する、請求項１乃至４のうちのい ずれか一項に記載の流体透過性積層ウェブ。 ６． 前記中間層は、毛管チャンネル繊維からなる、請求項１乃至５のうちの いずれか一項に記載の流体透過性積層ウェブ。 ７． 前記第２層は、前記第１層に固定されている、請求項１乃至６のうちの いずれか一項に記載の流体透過性積層ウェブ。 ８． ポリマー材料製の第１層と、前記ポリマー材料製の第１層に固定され且 つ前記第１層の下にある繊維質材料製の第２層とを有し、第１表面及び第２表面 を持ち、前記繊維質材料は前記ウェブの前記第２表面の下に延びる、立体的な巨 視的に拡張した流体透過性のウェブの成形方法において、 （a）両面を互いに流体連通する多数の細孔を備えた成形構造に繊維質材料を 付着する工程と、 （b）実質的に平らなポリマーウェブを前記成形構造上の前記繊維質材料上に 供給する工程と、 （c）前記ウェブを前記成形構造の前記細孔と一致する領域で破り、前記繊維 質材料が前記成形構造の前記第２表面の下に延びるようにするのに十分大きい流 体圧力差を前記ウェブ、及び前記繊維質材料の前後に加える工程とを有する方法 。 ９． 前記繊維質材料は、細断した繊維からなる、請求項８に記載の方法。 １０． 前記流体圧力差を加熱する、請求項８又は９に記載の方法。