JPH08506128A - 強靭化ポリフェニレンスルフィド組成物およびそれを製造する方法 - Google Patents
強靭化ポリフェニレンスルフィド組成物およびそれを製造する方法Info
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- JPH08506128A JPH08506128A JP6516159A JP51615994A JPH08506128A JP H08506128 A JPH08506128 A JP H08506128A JP 6516159 A JP6516159 A JP 6516159A JP 51615994 A JP51615994 A JP 51615994A JP H08506128 A JPH08506128 A JP H08506128A
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Abstract
(57)【要約】
他の種々の利点の中でも、衝撃強度、ウェルドライン強度および引張伸びを有する強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物を提供する。この組成物はポリフェニレンスルフィドと、そのポリフェニレンスルフィドを強靱化するためのオレフィン・ターポリマーとのブレンド物を含む。ターポリマーは式 E/X/Y(I)を有し、式中Eはオレフィンポリマー、Xはアクリル系エステル、およびYはグリシジルエステルである。この組成物は、補強材または充填剤、好ましくはガラス繊維類または炭素繊維類をも含有してよい。この組成物は、ポリフェニレンスルフィドの酸、熱水または有機溶媒を用いた洗浄前処理を伴わずにポリフェニレンスルフィドと、式(I)を有するオレフィン・ターポリマーとをブレンドすることにより形成される。
Description
【発明の詳細な説明】
強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物およびそれを製造する方法
発明の分野
本発明は、機械用途および工業用途ための強靱化ポリフェニレンスルフィド組
成物、さらに詳細には、衝撃強度および溶接ライン(ウェルドライン)強度およ
び引張伸びを高めてポリフェニレンスルフィド組成物を強靱化することに関する
。
発明の背景
ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、多くの工業用途および機械用途に使
用されている、半結晶性の耐高温性材料である。ポリフェニレンスルフィドは、
ギアー、モーター部品、炉構成部材、照明ソケットおよび電気コネクター等の機
械用部材としてしばしば使用される。エンジンセンサー類および光リフレクタ等
の自動車用部品もポリフェニレンスルフィド材料から製造し得る。
ポリフェニレンスルフィドは、衝撃強度が低く、ウェルドライン強度が乏しく
、射出成形の際にバリを生じる傾向を欠点として持っている。ポリフェニレンス
ルフィドを含む種々の熱可塑性樹脂を強靱化するために先行技術で多数の試みが
なされた。
例えば、米国特許第4,172,859は、ポリエステルおよびポリカーボネ
ートマトリックス樹脂60〜99重量%と、そのマトリックス樹脂に被着する粒
子径が0.01〜3ミクロンである少なくとも1つのランダムコポリマー1〜4
0重量%とから基本的に構成される強靱化多相熱可塑性樹脂組成物について
開示している。ポリエステル/ポリカーボネート・マトリックスを強靱化する好
適なコポリマーは、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタクリレートお
よびエチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレートを含む。これら
の組成物は、繊維状および粒子状の充填剤および補強材等の1つまたはそれ以上
の慣用の添加剤によって改変されていてもよい。これらの組成物は、延性と靱性
に優れるが、破壊に対する感受性が低い成形部品や押出部品を形成するのに有用
である。
同様に、米国特許第4,174,358号公報は、基本的にポリアミドマトリ
ックス樹脂60〜99重量%、および粒子径0.01〜3ミクロンを有し、ポリ
アミドに対して粘着性である少なくとも1つのポリマー1〜40重量%からなる
強靱化熱可塑性樹脂組成物を開示している。好ましい強靱化ポリマーの例は、エ
チレン/ビニルアクリレート/グリシジルメタクリレートである。先に記載され
た強靱化ポリエステル/ポリカーボネート組成物で見られるのと同様の利点が、
この強靱化ポリアミド組成物にも見られる。
米国特許第4,753,980号公報は、ポリエステルマトリックス樹脂60
〜97重量%およびエチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート
のようなエチレンコポリマー3〜40重量%を含有する強靱化熱可塑性ポリエス
テル組成物を開示している。これらの強靱化ポリエステル組成物から成形される
成形品は、特に低温での顕著な強靱性が特徴である。
上述の先行文献を考慮すると、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメ
タクリレートのようなターポリマー(三元共重合体)がポリアミドのアミンまた
はポリエステルのカルボキシル基と反応すると思われる。しかし、ポリフェニレ
ンスルフィド組成物類に対して同様の反応性は明らかでない。
米国特許第4,889,893号公報は、(a)酸、熱水または有機溶媒ある
いはそれらの組合せで処理されたポリフェニレンスルフィド樹脂、および(b)
α−オレフィン60〜99.5重量%およびα,β−不飽和カルボン酸のグリシ
ジルエステル0.5〜40重量%を含有するオレフィン系コポリマーからなり、
増大された衝撃特性を示すポリフェニレンスルフィド組成物について記載してい
る。このポリフェニレンスルフィドは、オレフィン系コポリマーとの親和性を増
加させるために酸、熱水および/または有機溶媒で処理しなければならない。こ
の場合、好適なオレフィン系コポリマー類は、エチレン、プロピレンおよびブテ
ン−1を含む。好適なα,β−不飽和酸のグリシジルエステルは、グリシジルア
クリレート、メタクリレートおよびエタクリレートを含む。オレフィン系コポリ
マーは、さらにビニルエーテル、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリロニトリルまたはスチレンの
ような別の共重合可能な不飽和モノマー40重量%未満と、共重合化されてもよ
い。
オレフィン系コポリマーとの親和性を高めるためポリフェニレンスルフィドを
酸洗浄したり他の前処理をすることは高価であり、ポリフェニレンスルフィド組
成物の製造を不必要に複雑にする。他の種々の特性の中でも、高い衝撃強度、ウ
ェルドライン強度および引張伸びを有し、ポリフェニレンスルフィドの酸洗浄ま
たは他の前処理の必要がない強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物を得ること
は望ましいことであろう。
本発明の要旨
本発明は、他の種々の望ましい利点の中でも、高い衝撃強度、ウェルドライン
強度および引張伸びを有する強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物を提供する
ことによって先行技術の強靱化ポリマー組成物の欠点を解消する。本発明のポリ
フェニレンスルフィド組成物は、(a)酸、熱水または有機溶媒洗浄の前処理が
されていないポリフェニレンスルフィドと、(b)式:
E/X/Y (I)
(式中、Eはオレフィンポリマーであり、Xはアクリル酸エステルであり、およ
びYはグリシジルエステルである。)で示され、ポリフェニレンスルフィドを強
靱化するためのオレフィン・ターポリマーとのブレンド物よりなる。この組成物
は所望により充填剤(フィラー)類または補強材類のような通常の添加剤を含ん
でもよい。
本発明の他の態様は、ポリフェニレンスルフィド組成物を強靱化する方法であ
る。この方法は、ポリフェニレンスルフィドの酸、熱水または有機溶媒洗浄の前
処理なしに、ポリフェニレンスルフィドと式(I)で示されるオレフィン・ター
ポリマーとをブレンドすることを包含する。本発明は、ガラスまたは炭素繊維強
化ポリフェニレンスルフィド組成物を強靱化するのに特に有利である。
望ましい実施例の態様の説明
本発明の強靱化されたポリフェニレンスルフィド組成物は、高い衝撃強度、ウ
ェルドライン強度および引張伸びを示すのみならず、射出および成形作業時の色
安定性を改善し、さらにポリフェニレンスルフィド単独より耐摩耗性を改
善したと考えられる。本発明の組成物では、ポリフェニレンスルフィドの酸洗浄
または他の前処理の必要性が排除され、それによって、強靱化ポリフェニレンス
ルフィド組成物を製造するための簡便で安価な方法が提供される。
本発明の強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物は、オレフィン・ターポリマ
ーとの親和性を改善するための酸洗浄、熱水および/または有機溶媒による前処
理がなされていないポリフェニレンスルフィドよりなる。ポリフェニレンスルフ
ィドは架橋型構造であってよいが、現在のところ(presently)リニア
型構造であるのが好ましい。好ましいリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂の
例は、フォートロン(Fortron)214であり、それはニュージャージー
州、チャタムのヘキスト セラニーズ社から市販されている。本発明に用いるの
に適した架橋型ポリフェニレンスルフィドは、ライトン(Ryton)P4であ
り、それはテキサス州、パサデナのフィリップス66社から市販されている。
未充填かあるいは未強化の組成物中のポリフェニレンスルフィドの含有率は、
一般的には約60〜約97重量%である。組成物中のポリフェニレンスルフィド
の含有率が約70〜約96重量%であるのが目下のところ好ましく、さらに好ま
しくは約80〜約93重量%である。
ポリフェニレンスルフィド組成物の強靱化剤は、
式:E/X/Y (I)
によって表されるオレフィン・ターポリマーよりなる。
成分Eはエチレン、プロピレン、ブテンまたはペンテンのようなオレフィンポ
リマーである。一般に、オレフィン・ターポリマー中のオレフィンポリマーの含
有率は、約40〜約90重量%である。本発明では、オレフィンポリマーの含有
率は、総ターポリマー中の約50〜約80重量%であるのが好ましく、さらに好
ましくは約60〜約70重量%である。
オレフィン・ターポリマー中の成分Xは、アクリル酸エステルである。アクリ
ル酸エステルは、一般式:
を有するものであるのが好ましい。
式中、Rは、Hおよび低級アルキル基からなる群から選ばれ、R’は1〜8個
、好ましくは1〜4個の炭素を有する炭化水素基である。この低級アルキル基は
1〜6個、好ましくは1〜3個の炭素を有する。
好ましいアクリル酸エステル類の例は、エチルアクリレートおよびブチルアクリ
レートを含む。
オレフィン・ターポリマー中の成分Xの含有率は、一般的に約15〜約40重
量%である。しかし、Xの含有率は総ターポリマー中の約20〜約35重量%で
あるのが目下のところ好ましく、さらに好ましくは約25〜約32重量%である
。
オレフィン・ターポリマー中の成分Yはグリシジルエステルである。グリシジ
ルエステルは一般式:
を有するものであるのが好ましい。
式中、R”は、水素および低級アルキル基(但し、低級アルキルは上述の定義
と同じである。)からなる群から選ばれる。
好ましいグリシジルエステル類の例は、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートおよびグリシジルエタクリレートを含む。
一般に、成分Yはオレフィン・ターポリマーの約1〜約20重量%よりなる。
好ましくは、成分Yはオレフィン・ターポリマーの約3〜約16重量%よりなり
、さらに好ましくは約5〜約9重量%よりなる。
好適なオレフィン・ターポリマーは商業的に入手可能であるかまたは当業界で
習練した者によく知られた方法に従って重合されてもよい。本発明で使用するの
に適したオレフィン・ターポリマー類の内、商標名ローテイダー(Lotade
r)としてペンシルベニア州、フィラデルフィアのエルフ アトケム ノース
アメリカ社から市販されているエチレン/エチルアクリレート/グリシジルメタ
クリレート・ターポリマーがある。ポリフェニレンスルフィドとブレンドされる
べきターポリマーは、粉末状またはペレット状の形態であるのが好ましい。
ポリフェニレンスルフィドおよびオレフィン・ターポリマーは、例えば、両者
をタンブラーでドライブレンドした後、混練に適したスクリュー構造を有する単
軸押出機で混練することによりブレンドされてもよい。本発明に使用する好まし
い単軸押出機は、ペンシルベニア州、ブルー ベルのワレックスから市販されて
いる。ポリフェニレンスルフィドとオレフィン・ターポリマーとを混合するため
の他の方法は、当業界で習練した者にとっては明白であろう。
本発明の強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物は、補強材類、充填材類、潤
滑剤類、静電気散逸材料(スタチック ディシペイティング マテリアル)、お
よび/または加工助剤のような添加剤を含んでいてもよい。好ましい添加剤は、
ポリテトラフルオロエチレン;シリコーン;二硫化モリブデン;ポリエチレン;
炭素繊維または炭素粉末;ガラスの繊維、粉末またはビーズ類;炭化ケイ素繊維
類;アラミド繊維類;セラミック繊維類;グラファイト繊維類またはグラファイ
ト粉末;金属繊維類;およびシリケート類、マイカ、タルク、ウォラストナイト
、クレー、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム類のようなカーボネート類、
硫酸バリウムおよび硫酸カルシウム類のようなスルフェート類等の充填剤類を包
含する。
ポリフェニレンスルフィド組成物中の添加剤(類)は、総組成物の約80重量
%までの量で存在していてよい。添加剤の含有率は、組成物中の約30〜約60
重量%であるのが好ましい。
本発明のポリフェニレンスルフィド組成物にガラス繊維を加えるのが特に好ま
しく、そのことが組成物の強度、剛性、耐クリープ性、熱伝導性および熱変形温
度を増大する。炭素繊維類を、組成物の強度、熱伝導性、電気伝導性、および耐
クリープ性および疲労特性を増大させるために、ポリフェニレンスルフィド組成
物に添加してもよい。
ポリフェニレンスルフィドおよびオレフィン・ターポリマーがブレンドされた
後に添加剤を組成物と混練するのが好ましいが、所望により各成分は、上述のよ
うにそれぞれ共にブレンドしたり押出したりしてもよい。
本発明の強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物類は、ポリフェニレンスルフ
ィド単独の場合と同じタイプの用途に使用してもよく、さらに向上した強靱性、
高い衝撃強度、ウェルドライン強度および引張伸びが望まれる場合に特に有利で
ある。
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、以下の実施例で限定されるも
のではない。
実施例 1
本発明による組成物を形成するために、リニア型ポリフェニレンスルフィド(
ヘキスト セラニーズ社)とエチレン/エチルアクリレート/グリジシルメタク
リレート(E/EA/GMA)(アトケム社)の含有率を変化させながらタンブ
ラーでドライブレンドすることによって、ポリフェニレンスルフィドとオレフィ
ン・ターポリマーとを混合した。PPSは酸、熱水、有機溶媒または他の前処理
のないものが使用された。ガラス繊維類(GF)〔1/8”×10μm;ペンシ
ルベニア州、ピッツバーグのピーピージー インダストリーズ社市販〕を異なる
含有率でポリフェニレンスルフィドおよびオレフィン・ターポリマーと一緒にブ
レンドした。これらの組成物を、混練用スクリューを有する2 1/2”の単軸
押出機で押し出し混練した。各試験試料中に存在する強靱化剤およびガラス繊維
補強材の含有率を表Iに記載する。
ノッチ付きアイゾット衝撃試験のために各押出混練物をペレット化し、そして
5”×0.5”×0.125”厚の試料(ASTM標準 D−256による)を
射出成形した。試験は室温(73°F)で行われた。各成形試験片の中央から2
1/2”長の試験片を切り出した。0.25±0.12mmの径の切欠(ノッ
チ)をTMI切欠きカッター〔モデル番号22−05−12〕を使用して各試験
片に加工した。片持ばりビーム型のTMI衝撃試験機で2ポンドハンマーを使用
した。ノッチ付きアイゾット衝撃試験の結果を表Iに記載した。
結果は、ターポリマーを有しない試料と比較した場合にターポリマーを入れる
ことがノッチ付きアイゾット衝撃値を大きく増加させることを示している。表I
に示されるとおり、エチレン/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレート
の重量%が、ガラス繊維を同一%で有する試料で段階的に増加されると、ノッチ
付きアイゾット衝撃値も増加する。例えば、30重量%のガラス繊維の試料の場
合、ノッチ付きアイゾット衝撃値は、ポリフェニレンスルフィド組成物中に20
重量%のエチレン/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレートが含まれる
場合にはほぼ3倍になる。ノッチ付きアイゾット衝撃強度値での同様の増加が、
40および50重量%のガラス繊維をそれぞれ含有する試料でも見られた。
実施例 2
40重量%のガラス繊維および8.5重量%の炭素繊維が各試料に含有される
ことを除き、実施例1と同様の成分を同様に使用してポリフェニレンスルフィド
とオレフィン・ターポリマーとの複合材料を製造した。PPSの酸、熱水、有機
溶媒による前処理または他の前処理は行われなかった。各複合材料の試験試料を
製造し、実施例1に記載されたものと同じ方法で試験した。試験結果を表IIに
記載する。
表IIに記載の結果は、ターポリマーを入れると、ガラス繊維および炭素繊維
を入れたPPS試料のノッチ付きアイゾット衝撃値を高めることを示している。
E/EA/GMAの重量%を増加すると、対応する試料のノッチ付きアイゾット
衝撃値も増加する。
実施例 3
本発明の組成物における、リニア型と架橋型のポリフェニレンスルフィドの好
ましさを比較するために、ポリフェニレンスルフィドとエチレン/エチルアセテ
ート/グリシジルメタクリレートとの組成物を上述の方法にしたがって製造した
。ただし、リニア型ポリフェニレンスルフィド(Fortron214)を1つ
めの試験に使用する一方で、架橋型ポリフェニレンスルフィ
ド(Ryton P4)を2番目の試験に使用した。実施例1と同様に、PPS
の酸、熱水、有機溶媒による前処理または他の前処理は行わなかった。実施例1
で使用したタイプの10%のターポリマーと30%のガラス繊維を使用した組成
物を製造した。ASTM D−256にしたがい、実施例1で記載した試験条件
で、各組成物にノッチ付きおよびノッチなしアイゾット衝撃試験を行った。
表IIIに示すとおり、リニア型ポリフェニレンスルフィド含有組成物におけ
るノッチ付きおよびノッチなしの両方のアイゾット衝撃値は、架橋型ポリフェニ
レンスルフィドを含有する組成物の値に比べて高い。したがって、架橋型ポリフ
ェニレンスルフィド組成物に比べてリニア型で使用された場合に、少なくも本実
施例で使用されたターポリマーの効果が高められていることが一般的に結論づけ
られる。本実施例のものと同様のオレフィン・ターポリマー類は、架橋型ポリフ
ェニレンスルフィドに比べてリニア型のものについて優れた強化効果を有するで
あろうと考えられる。
上記の試験結果から、本発明のオレフィン・ターポリマー類は、配合する前に
ポリフェニレンスルフィドを酸、熱水または有機溶媒で処理しなくてもポリフェ
ニレンスルフィド組成物の強靭性および強度を向上させることを示している。本
発明によるオレフィン・ターポリマーの使用は、ポリフェニレンスルフィドの衝
撃強度を増加するのみでなく、ウェルドライン強度および引張伸びをも増加する
。オレフィン・ターポリマーが、本発明によるポリフェニレンスルフィド組成物
の射出及び成形作業時の色安定性、および組成物から成形される成形品(製造物
)の耐摩耗性をも改善すると考えられる。
発明の主旨の範囲から逸脱しない範囲で上述の具体例に変更を加え得ることは
、当業界で習練した者にとって明白であろう。したかって、この発明は開示され
た特定の実施の態様に限定されるものではなく、付随の請求の範囲によって提示
された本発明の意図および範囲の範囲内での変形をも含むものである。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C08L 27/18 LFG 9166−4J
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H
U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN
,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,
SD,SE,SK,UA,VN
(72)発明者 ボーバリ,アン イー.
アメリカ合衆国 19382 ペンシルバニア,
ウエスト チェスター,ブレッティンガム
コート 815
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(a)酸、熱水または有機溶媒による洗浄で、前処理されていないポリフェ ニレンスルフィドと、 (b)該ポリフェニレンスルフィドを強靱化するオレフィン・ターポリマー〔 ただし、該ターポリマーは式: E/X/Y (I) (式中、Eはオレフィンポリマー、Xはアクリル酸エステル、およびYはグリシ ジルエステルである。) を有する。〕 とのブレンド物よりなり、高い衝撃強度、ウェルドライン強度および引張伸びを 示すことを特徴とする強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物。 2.前記ポリフェニレンスルフィドがリニア型である請求項1に記載の組成物。 3.前記オレフィンが、エチレン、プロピレン、ブテンおよびペンテンからなる 群から選ばれるものである請求項1に記載の組成物。 4.前記アクリル酸エステルが、式: (式中、Rは、Hおよび低級アルキル基からなる群から選ばれるものであり、お よびR’は、1〜8個の炭素を有する炭化水素基である。) である請求項1に記載の組成物。 5.前記グリシジルエステルが、式: (式中、R”は、水素および低級アルキル基からなる群から選ばれるものである 。) である請求項1に記載の組成物。 6.前記グリシジルエステルが、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ レートおよびグリシジルエタクリレートからなる群から選ばれるものである請求 項5に記載の組成物。 7.前記ポリフェニレンスルフィドが、前記ポリマー組成物の約60〜約97重 量%である請求項1に記載の組成物。 8.前記成分Eが、前記オレフィン・ターポリマーの約40〜約90重量%であ る請求項1に記載の組成物。 9.前記成分Xが、前記オレフィン・ターポリマーの約15〜約40重量%であ る請求項1に記載の組成物。 10.前記成分Yが、前記オレフィン・ターポリマーの約1〜約20重量%である 請求項1に記載の組成物。 11.さらに、補強材および充填剤からなる群から選択される少なくとも1つの添 加剤を含有する請求項1に記載の組成物。 12.前記添加剤が、前記組成物中に約80重量%以下含有される請求項11に記 載の組成物。 13.前記添加剤が、ガラス繊維類、鉱物粉類、ガラスビーズ類、炭素繊維類、ア ラミド繊維類、セラミック繊維類、金属フィラー類、シリケート類、カーボネー ト類、スルフェート類、ポリテトラフオロエチレン、シリコーン、二硫化 モリブデンおよびグラファイトからなる群から選ばれるものである請求項11に 記載の組成物。 14.請求項1に記載の組成物から成形される製造物。 15.(a)酸、熱水または有機溶媒による洗浄で、前処理されていないポリフェ ニレンスルフィドと、 (b)該ポリフェニレンスルフィドを強靱化するオレフィン・ターポリマ ー〔該ターポリマーは式: E/X/Y (I) (式中、Eはエチレン、Xはエチルアクリレート、およびYはグリシジルメタク リレートである。) を有する。〕と、 (c)ガラス繊維、炭素繊維およびそれらの混合物からなる群から選ばれる少な くとも1つの補強材と のブレンド物よりなり、高い衝撃強度、ウェルドライン強度および引張伸びを示 すことを特徴とする強靱化ポリフェニレンスルフィド組成物。 16.請求項15に記載の組成物から成形される製造物。 17.酸、熱水または有機溶媒の洗浄で、前処理されていないポリフェニレンスル フィドと、 式: E/X/Y (I) (式中、Eはオレフィンポリマー、Xはアクリル酸エステル、およびYはグリシ ジルエステルである。) を有するオレフィン・ターポリマーとを ブレンドすることよりなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド組成物を 強靱化する方法。 18.ポリフェニレンスルフィドとオレフィン・ターポリマーとのブレンド工程に 、さらに、補強材、充填剤、潤滑剤、静電気散逸材料および加工助剤からなる群 より選ばれる少なくとも1つの添加剤をブレンドする工程を含む請求項17に記 載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
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US228793A | 1993-01-08 | 1993-01-08 | |
US002,287 | 1993-01-08 | ||
PCT/US1994/000103 WO1994016018A1 (en) | 1993-01-08 | 1994-01-04 | Toughened polyphenylene sulfide compositions and method of making the same |
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JPH08506128A true JPH08506128A (ja) | 1996-07-02 |
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JP6516159A Pending JPH08506128A (ja) | 1993-01-08 | 1994-01-04 | 強靭化ポリフェニレンスルフィド組成物およびそれを製造する方法 |
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