JPH08505871A - イソシアネートの製造方法 - Google Patents
イソシアネートの製造方法Info
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- JPH08505871A JPH08505871A JP6517013A JP51701394A JPH08505871A JP H08505871 A JPH08505871 A JP H08505871A JP 6517013 A JP6517013 A JP 6517013A JP 51701394 A JP51701394 A JP 51701394A JP H08505871 A JPH08505871 A JP H08505871A
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Abstract
(57)【要約】
イソシアネートの製造方法は、(a)二酸化炭素と第一アミンとを非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[ここで有機含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択される]およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に接触させて対応のアンモニウムカルバメート塩を生成させ、(b)このアンモニウムカルバメート塩を求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反応させて対応のイソシアネートを生成させることからなる。第2態様は、工程(a)のアンモニウムカルバメート塩を回収した後にこのアンモニウムカルバメート塩を非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[この有機含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択される]およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反応させることからなっている。
Description
【発明の詳細な説明】
イソシアネートの製造方法
発明の背景
本発明はイソシアネートの製造方法に関するものである。1面において、本発
明は、第一アミンと二酸化炭素と求電子性もしくは求オキソ性(oxophllic)脱
水剤とからイソシアネートを製造するための新規かつ有用な方法に関するもので
ある。
イソシアネート、特にジイソシアネートはたとえばウレタフォーム、ウレタン
エラストマー、コーティング、殺虫剤、除草剤の製造のような各用途に使用する
ための重要な化学品である。
イソシアネートを大量に製造するには第一アミンのホスゲン化が最も広く使用
されている方法である。しかしながら、ホスゲンの使用は幾つかの欠点を有する
。ホスゲン化ルートは長時間にわたり多量のエネルギーを必要とし、さらに極め
て腐食性の材料、たとえば塩化水素、塩素、硫酸および硝酸、並びに極めて毒性
の試薬および中間体、たとえばホスゲンおよび塩素を取扱わなければならない。
さらに、ホスゲン化ルートは高温度および極めて腐食性の条件に耐えうる装置の
使用を必要とする結果、資本コストが増大する。
イソシアネートを製造するための非ホスゲン化法の1つは、第一アミンおよび
CO2とコバルトもしくはマンガン化合物とを反応させて金属カルバメート錯体
を生成させ、次いで溶剤の存在下にハロゲン化アシルと反応させることを含み、
これについてはA.Belforte等、「二酸化炭素の組込みおよび脱酸素化
;二酸化炭素および第一アミンからイソシアネートへの金属促進感電変換」、C
hem.Ber.第121巻、第1891〜1897頁(1988)に開示され
ている。しかしながら、そこに記載された方法は長い反応時間を必要とし、産業
上使用しうる方法としては不満足な量のイソシアネートしか生成されない。
イソシアネートを製造するための他の非ホスゲン化法は米国特許第4,192
,815号(シェルジアコフ等)に見られ、ここには第一アミンを酸性触媒(た
とえばH2SO4)の存在下にCO2およびヘキサメチルジシラザンと反応させ、
次いで得られたカルバミン酸のシリルエステルを脱水剤の存在下に分解すること
によるイソシアネートの製造方法を開示している。しかしながら、そこに記載さ
れた方法は長い反応時間を必要とし、産業上実用的でない。
経済的であると共に産業的に実施可能であり、しかも温和な反応条件および短
い反応時間にて高収率でイソシアネートを生成しうるような、イソシアネートを
製造するための非ホスゲン化法が極めて望ましい。
発明の要点
本発明の目的はイソシアネートの製造方法を提供することにある。さらに本発
明の目的は、産業上実施可能である効率的かつ経済的なイソシアネートの製造方
法を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、ホスゲンルートを介して
は容易に合成されないイソシアネートの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、(a)二酸化炭素と第一アミンとを非プロトン性有機溶剤と
ホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[この有機含窒素塩基はグアニジン化合物
、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択
される]およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に対応のア
ンモニウムカルバメート塩を生成するのに充分な時間および温度の条件下で接触
させ、(b)このアンモニウムカルバメート塩を対応のイソシアネートを生成す
るのに充分な時間および温度の反応条件下で求電子性もしくは求オキソ性脱水剤
と反応させることからなるイソシアネートの製造方法が提供される。1具体例に
おいては、工程(a)のアンモニウムカルバメート塩を回収した後に、このアン
モニウムカルバメート塩を非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、有機含
窒素塩基(この有機含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、第三アミ
ン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択される)およびその混合物よ
りなる群から選択される塩基との存在下に求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と
反応させる。
発明の詳細な説明
本発明の第1態様は、(a)CO2と第一アミンとを非プロトン性有機溶剤と
ホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[この有機含窒素塩基はグアニジン化合物
、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択
される]およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に対応のア
ンモニウムカルバメート塩を生成するのに充分な時間および温度の条件下で接触
させ、(b)アンモニウムカルバメート塩を対応のイソシアネートを生成するの
に充分な時間および温度の反応条件下で求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反
応させることからなるイソシアネートの製造方法に関するもの
である。
本発明の第2態様は、(a)CO2と第一アミンとを非プロトン性有機溶剤と
ホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[この有機含窒素塩基はグアニジン化合物
、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択
される]およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に対応のア
ンモニウムカルバメート塩を生成するのに充分な時間および温度の反応条件下で
接触させ、(b)アンモニウムカルバメート塩を回収し、(c)このアンモニウ
ムカルバメート塩を非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、有機含窒素塩
基、およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に対応のイソシ
アネートを生成するのに充分な時間および温度の反応条件下で求電子性もしくは
求オキソ性脱水剤と反応させることからなるイソシアネートの製造方法に関する
ものである。
本発明により製造されるイソシアネートは容易に回収することができ、ウレタ
ンフォーム、エラストマーおよびコーティング、殺虫剤、並びに除草剤の製造に
使用するのに極めて適している。
本発明の方法により製造されるイソシアネートは式:
R2−N=C=O
[式中、R2は1〜約22個の炭素原子を有する線状もしくは分枝鎖のアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラ
ルキル基、アラルケニル基、アルケナリール(alkenaryl)基およびアルカリー
ル(alkaryl)基、式:
により示される基、式:
−R4−N=C=O
により示される基、式:
により示される基よりなる群から選択される]
によって示すことができ、或いは本発明の方法により製造されるイソシアネート
は式:
により示すことができる。上記式中、R1およびR4は独立して1〜約22個の炭
素原子を有する線状もしくは分枝鎖のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、
シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アルケナリールおよ
びアルカリール基よりなる群から選択され、mは0〜約100の整数を示し、n
は0〜約8の整数を示し、R3は水素もしくはメチルであり、x+wは約2〜約
70の整数を示し、zは0〜約90の整数を示し、x+w+zは約2〜約100
の整数を示し、a、bおよびcは独立して約2〜約30の整数を示し、Aはたと
えばグリセリンもしくはトリメチロールプロパンのような三価アルコール開始剤
を示す。さらにR2は優先的に求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反応しない
非求核性官能基を有することもできる。適する官能基の例はエステル、アミド、
ウレタン、カーボネートなど、およびその塩を包含する。
本発明の方法により製造されるイソシアネートの例は限定はしないがシクロヘ
キシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイ
ソシアネート、フェニルイソシアネート、フェニルアラニンメチルエステルイソ
シアネート、グリシンベンジルエステルイソシアネート、アラニンベンジルエス
テルイソシアネート、フェニルアラニンエチルエステルイソシアネート、ロイシ
ンエチルエステルイソシアネート、バリンエチルエステルイソシアネート、β−
アラニンエチルエステルイソシアネート、グルタミン酸ジエチルエステルイソシ
アネート、水素化トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
、Jeffamine(登録商標)D−400のジイソシアネートなど、およびその混合
物を包含する。
カルバメート陰イオンのアンモニウム塩は、有機含窒素塩基の存在下に溶液中
で作成される。アンモニウムカルバメート塩を生成する第一アミンと二酸化炭素
との間の反応は反応式(1)により示すことができる。得られるアンモニウムカ
ルバメート塩溶液は一般に均質である。
アンモニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応は
反応式(2)により示すことができる。
RNHCO2 -H+塩基+「脱水剤」→
R−N=C=O+塩 (2)
本発明の方法に使用する第一アミンは、式R−NH2により示される化合物、
式:
により示されるポリオキシアルキレンジアミン、および式:
により示されるポリオキシアルキレントリアミンよりなる群から選択され、上記
式中Rは1〜約22個の炭素原子を有する線状もしくは分枝鎖のアルキル、アル
ケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケ
ニル、アルケナリールおよびアルカリール基、式:
により示される基、および式:
−R4−NH2
により示される基よりなる群から選択され、ここでR1、R3、R4、a、b、c
、m、n、w、x、zおよびAは上記の意味を有する。適する第一アミンはジア
ミン類およびポリアミン類である。さらに、Rは優先的に求電子性もしくは求オ
キソ性脱水剤と反応しない非求核性官能基を有することもできる。適する官能基
の例はエステル、アミド、ウレタン、カーボネートなど、およびその塩を包含す
る。
本発明の方法に用いうる第一アミンの例はシクロヘキシルアミン、オクチルア
ミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アニリン、メチルアミン、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチル
アミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘ
キシルアミン、n−オクチルアミン、ベンジルアミン、フェニアラニンメチルエ
ステル塩酸塩、グリシンベンジルエステルp−トルエンスルホン酸塩、アラニン
ベンジルエステル
塩酸塩、フェニルアラニンエチルエステル塩酸塩、ロイシンエチルエステル塩酸
塩、バリンエチルエステル塩酸塩、β−アラニンエチルエステル塩酸塩、グルタ
ミン酸エチルエステル塩酸塩、2,6−メチルシクロヘキシルジアミン、2,4
−メチルシクロヘキシルジアミン、n−ヘキシルジアミン、4,4′−メチレン
ジフェニルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン[
たとえばD−230(分子量=約230)、D−400(分子量=約400)、
D−2000(分子量=約2,000)、D−4000(分子量=約4,000
)、ED−600(分子量=約600)、ED−900(分子量=約900)、
ED−2001(分子量=約2000)、ED−4000(分子量=約4,00
0)およびED−6000(分子量=約6,000)を包含するJeffamine(登
録商標)としてテキサコ・ケミカル・カンパニー社から入手しうるもの]、ポリ
オキシアルキレントリアミン[たとえばT−403(分子量=約440)、T−
3000(分子量=約3,000)およびT−5000(分子量=約5,000
)を包含する Jeffamine(登録商標)としてテキサコ・ケミカル・カンパニー
社から入手しうるもの]、テトラエ
チレンペンタミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエ
チレンヘキサミンなど、およびその混合物を包含する。
本発明の方法に用いうる溶剤は非プロトン性有機溶剤である。極性および非極
性の非プロトン性有機溶剤、並びにその混合物を本発明の方法に使用することが
できる。ここで用いる「極性の非プロトン性有機溶剤」という用語は、C.Reic
hardt、「有機化学における溶剤および溶剤作用」、第2版、VCHフェアラー
クゲゼルシャフト出版、ワインハイム(1988)、第A−1表に報告されたよ
うに、トルエン(2.38ε)およびテトラヒドロフラン(7.58ε)を25
℃で測定する標準物質として用いて25℃で測定して約10εより大の誘電率を
有する非プロトン性有機溶剤を意味する。誘電率を測定する他の方法は公知であ
って、適する極性の非プロトン性有機溶剤はこれら方法を用いテトラヒドロフラ
ンよりも高い誘電率を有するものである。
本発明の方法に用いうる非極性の非プロトン性有機溶剤の例にはジクロルメタ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、o−ジクロルベンゼン、トリエチルアミン
など、並びにその混合物を
包含される。現在好適な非極性の非プロトン性有機溶剤はジクロルメタンおよび
トルエンである。
本発明の方法に用いうる極性の非プロトン性有機溶剤の例はジメチルホルムア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセタミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトニトリル、スルホラン、ピリジンなど、並びにその混合物を
包含する。現在好適な極性の非プロトン性有機溶剤はアセトニトリルおよびN,
N−ジメチルアセタミドである。
特には必要としないが、追加溶剤を回収するための追加処理装置を避けるべく
本発明の両反応工程で同じ溶剤を用いるのが好適である。
本発明の方法に用いる溶剤の量は好ましくは少なくとも存在するアンモニウム
カルバメート塩を可溶化させるのに必要な量である。
所望のイソシアネートを高い選択率および収率で得るにはホスファゼン化合物
、有機含窒素塩基もしくはその混合物を本発明の方法において塩基として用いる
。ここで用いる「有機含窒素塩基」という用語は、反応体である第一アミンの他
に用いられるホスファゼン化合物以外の塩基を意味する。本発明の方法
に用いうる有機含窒素塩基にはグアニジン化合物、アミジン化合物、第三アミン
、ピリジン、およびその2種もしくはそれ以上の混合物が包含される。
本発明のホスファゼン化合物は式:
により示される化合物であり、上記式中R7、R8、R9、R10、R11、R12およ
びR13は独立して1〜約22個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アルカ
リール、アラルキルおよびシクロアルキル基よりなる群から選択されるか、或い
はR8もしくはR9の一つがR10もしくはR11の一つと一緒になって、またはR12
もしくはR13の一つがR10もしくはR11の一つと一緒になって、さらにR7がR8
もしくはR9の一つまたはR12もしくはR13の一つと一緒になって独立して窒素
含有複素環を形成し、或いはR8がR9と一緒になって、R10がR11
と一緒になって、さらにR12がR13と一緒になって独立して式
[式中、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は上記の意味を有する]
により示される基を示す。
本発明の方法に用いうるホスファゼン化合物の例は限定はしないがt−ブチル
イミノトリス(ジメチルアミノ)−ホスホラン(P1−tBu)、1−t−ブチ
ル−4,4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス−[トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホラニリデンアミノ)−2λ,4λ−カテナジ(ホスファタゼン
)(P4−tBu)、2−t−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジ
メチル−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホラン(BEMP)、t−ブチル
イミノトリス(ジエチルアミノ)ホスホラン、2−t−オクチルイミノ−2−ジ
エチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3,
2−ジアザホスホランなど、並びにその2種もしくはそれ以上の混合物を包含す
る。
本発明のグアニジン化合物は式:
[式中、R14、R15、R16、R17およびR18は独立して1〜約22個の炭素原子
を有するアルキル、アリール、アルカリール、アラルキルおよびシクロアルキル
基よりなる群から選択されるか、或いはR14がR15、R16、R17もしくはR18の
1つと一緒になって或いはR15およびR16、並びにR17およびR18と一緒になっ
て独立して窒素含有複素環を形成する]
により示される化合物である。
本発明のアミジン化合物は式:
[式中、R19、R20、R21およびR22は独立して1〜約22個の炭素原子を有す
るアルキル、アリール、アルカリール、アラルキルおよびシクロアルキル基より
なる群から選択され;或いはR19はR20もしくはR21と一緒になって、およびR22
はR20もしくはR21と一緒になって独立して窒素含有複素環を形成する]
により示される化合物である。
本発明の方法に用いうる有機含窒素塩基の例はトリエチルアミン、ジエチルイ
ソプロピルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、テトラメチルグアニジン(T
MG)、シクロヘキシル−テトラメチルグアニジン(CyTMG)、ブチルテト
ラエチルグアニジン(n−BTEG)、シクロヘキシル−テトラエチルグアニジ
ン(CyTEG)、テトラエチルグアニジン(TEG)、t−ブチル−テトラエ
チルグアニジン(t−BTEG)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ
[4.4.0]デク−5−エン(MTBD)、t−ブチル−ジメチルホルムアミ
ジン(t−BDMF)、t−ブチルジメチルアセトアミジン(t−BDMA)、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]
ウンデク−7−エン(DBU)など、並びにその2種もしくはそれ以上の混合物
を包含する。
本発明の方法に用いる塩基、すなわちホスファゼン化合物、有機含窒素塩基も
しくはその混合物の量はこの方法の特定態様に依存する。
求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反応させる前にアンモニウムカルバメー
ト塩を回収しない第1の態様において、塩基の量は添加する第一アミン中のアミ
ンの当量数に基づく比として便利に表わすことができる。広範囲において、塩基
のモル数と第一アミン中のアミンの当量数との比は約1:1〜約20:1、好ま
しくは約2:1〜約10:1、特に好ましくは約2:1〜約4:1である。塩基
は工程の開始時点で全て添加してもよく、或いは1部を工程の開始時点で添加す
ると共に残部をアンモニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水
剤との反応前の任意の時点で添加することもできる。
求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応前にアンモニウムカルバメート塩
を回収する第2の態様において、塩基の量は第一アミンと二酸化炭素との反応に
つき添加される第一アミン中のアミンの当量数に基づく比として便利に表わすこ
とができ、
さらに塩基の量はアンモニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱
水剤との反応につき添加されたアンモニウムカルバメート塩中のカルバメートの
当量数に基づく比として便利に表わすことができる。第一アミンと二酸化炭素と
の反応の場合、塩基のモル数と第一アミン中のアミンの当量数との比は広範囲に
は約0.5:1〜約10:1、好ましくは約1:1〜約5:1、特に好ましくは
約1:1〜約2:1である。アンモニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求
オキソ性脱水剤との反応の場合、塩基のモル数とアンモニウムカルバメート塩中
のカルバメートの当量数との比は広範囲には約0.5:1〜約10:1、好まし
くは約1:1〜約5:1、特に好ましくは約1:1〜約2:1である。
本発明の方法に用いうる求電子性もしくは求オキソ性脱水剤は式:
を有する無水物、式
を有するチオ無水物、およびその混合物を包含し、式中XおよびYは独立して
よりなる群から選択され、R5およびR6は独立して1〜約22個の炭素原子を有
するフルオロアルキル、アルキル、アリール、アルカリールおよびアラルキル基
よりなる群から選択されるか、或いはR5およびR6は一緒になって融合芳香族も
しくは脂環式環を有する環式無水物もしくは環式チオ無水物を形成する。R5お
よびR6が融合環を形成する場合、好適な芳香族環はフェニルおよびナフチルで
あり、好適な脂環式環は約5〜約8個の炭素原子を有する。
環式無水物もしくは環式チオ無水物の融合芳香族もしくは脂環式環は置換もし
くは未置換とすることができる。置換基の例は限定はしないがアルキル、ハロゲ
ン、−NO2など、並びにその組合せを包含する。ここで用いるハロゲンという
用語はフ
ッ素、塩素、臭素および沃素、好ましくはフッ素および塩素よりなる群から選択
される。
適する求電子性もしくは求オキソ性脱水剤の例には無水2−スルホ安息香酸、
無水ベンゼンスルホン酸、無水ベンゼンスルフィンメタンスルホン酸、チオ無水
エタンスルホンメタンスルホン酸、チオ無水2−スルホ安息香酸、無水2−スル
ホシクロヘキサン酸、無水シクロヘキサンカルボキシルエタンスルホン酸、チオ
無水ベンゼンスルホン酸、無水2−スルホナフトエ酸、無水2−スルホシクロオ
クタン酸など、並びにその混合物が包含される。現在好適な求電子性もしくは求
オキソ性脱水剤は、温和な反応条件下で高収率が達成されることから無水2−ス
ルホ安息香酸である。
求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応前にアンモニウムカルバメート塩
を回収しない第1の態様において、求電子性もしくは求オキソ性脱水剤の量は添
加する第一アミン中のアミンの当量数に基づく比として便利に表わすことができ
る。広義において、求電子性もしくは求オキソ性脱水剤のモル数と第一アミン中
のアミンの当量数との比は約0.4:1〜約10:1、好ましくは約0.9:1
〜約5:1、特に好ましくは約1:1
〜約2:1である。
求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応前にアンモニウムカルバメート塩
を回収する第2の態様において、求電子性もしくは求オキソ性脱水剤の量はアン
モニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応につき添
加されるアンモニウムカルバメート塩中のカルバメートの当量数に基づく比とし
て便利に表わすことができる。広範囲にて求電子性もしくは求オキソ性脱水剤の
モル数とアンモニウムカルバメート塩中のカルバメートの当量数との比は約0.
4:1〜約10:1、好ましくは約0.9:1〜約5:1、特に好ましくは約1
:1〜約2:1である。
第一アミンと二酸化炭素との間の反応はCO2雰囲気下で行われる。この反応
の間のCO2の圧力は0 psig(大気圧)〜約150 psig、好ましく
は0 psig〜約100psig、特に好ましくは0 psig〜約80 p
sigである。反応容器における液体レベル以下に第一アミンを含有する反応容
器にCO2を添加するのが好適である。特に必要ではないが、アンモニウムカル
バメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応をCO2雰囲気下で行
うことが好ましい。
しかしながら、アンモニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水
剤との反応は任意の不活性雰囲気下、たとえば窒素、アルゴンもしくは空気の下
で行うこともできるが、ただし雰囲気は実質的に乾燥状態とする。実質的に乾燥
した雰囲気は、水が求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反応するため重要であ
る。この反応の間の圧力は0 psig〜約150psig、好ましくは0 p
sig〜約100 psig、特に好ましくは0 psig〜約80 psig
である。
本発明の方法に用いる温度および時間は関与する特定の反応に依存する。第一
アミンとCO2との反応の場合、温度は約−78℃〜約100℃、好ましくは約
10℃〜約40℃、特に好ましくは約20℃〜約30℃である。時間は広義にお
いて反応体の完全混合を達成するのに要する時間〜約4時間、好ましくは約5分
間〜約1時間、特に好ましくは約10分間〜約30分間である。アンモニウムカ
ルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応の場合、温度は−7
8℃〜約100℃、好ましくは約−20℃〜30℃、特に好ましくは約−10℃
〜約10℃である。時間は広義において反応体の完全混合を達成するのに要する
時間〜約4時間、好ましくは約1分間〜約30
分間、特に好ましくは約5分間〜約10分間である。
アンモニウムカルバメート塩を求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応前
に回収する態様では、アンモニウムカルバメート塩を当業界で知られた任意慣用
の手段により回収することができる。
本発明の方法により製造された所望のイソシアネートは当業界で知られた任意
慣用の手段、たとえば後記実施例により開示される手段によって回収することが
できる。
第一アミン、イソシアネートおよび求電子性もしくは求オキソ性脱水剤につき
上記した一般式の考えられる均等物は、これに対応すると共に各R基の1個もし
くはそれ以上がここに記載した置換基の簡単な改変である同一の一般的性質を有
する化合物である。
さらに、置換基を水素として規定し或いは水素としうる場合、その位置におけ
る水素以外の置換基の正確な化学的性質は全合成過程に悪影響を与えない限り重
要でない。
上記化学反応を本発明の化合物の製造に対する最も広範な使用に関し説明する
。しばしば、反応は開示された範囲内に含まれる各化合物につき記載したように
適用することができない。
これが生ずる化合物は当業者には容易に理解されるであろう。これら全ての場合
、反応は当業者に知られた慣用の改変により行って成功し、たとえば妨害基を適
当に保護し、他の慣用の試薬に変化させ、反応条件を一般的に改変するなどして
行い、或いはここに開示しまたは慣用である他の反応を本発明の対応する化合物
の製造につき適用しうる。全ての製造法において全出発物質は公知であり、或い
は公知の出発物質から容易に作成することができる。
以下、限定はしないが例示の目的で本発明をさらに説明し、ここで部数および
%は特記しない限りモル基準で示す。
実施例
以下の実施例で用いたアミンは全てアルドリッチ・ケミカル・カンパニー社ま
たはコダック・ケミカル・カンパニー社のいずれかから入手し、そのままで使用
した。アセトニトリル、トルエン、塩化メチレンおよびトリエチルアミンはアル
ドリッチ・ケミカル・カンパニー社から購入した。無水2−スルホ安息香酸はフ
ルカ・ケミカル・コーポレーション社から入手した。CyTEG(N−シクロヘ
キシル−N′,N′,N″,N″−テトラエチルグアニジン)はH.ブレデレッ
クおよびK.
ブレデレック、ケミカル・ベリヒテ、第94巻、第2278〜2295頁(19
61)に示された一般的手順にしたがって合成した。二酸化炭素はマテソン社か
ら(無水級)またはアセチレン・ガス・カンパニー社から(ウェルジング級)供
給され、さらに精製することなく使用した。
ガスクロマトグラフ分析は、30メートル・メガボアDB−1(3μm)J&
Wサイエンチフィック・カラムを用いモデル8000型自動サンプラーを有する
バリアン・モデル3400型ガスクロマトグラフで行った。
実施例1
n−オクチルイソシアネート:
フィッシャー・ポーター壜に1.29g(10ミリモル)のn−オクチルアミ
ンと3g(30ミリモル)のトリエチルアミンと154mg(1ミリモル)のビ
フェニル(G.C.内部標準として)と20mLのCH3CNとを充填した。室
温にて80 psigの二酸化炭素をこの溶液の上方に添加した。(CO2添加
に際し白色沈澱が生じ、これは5分間以内に均質となった)。1時間の後、この
溶液を約0℃まで冷却した。第2のフィッシャー・ポーター壜に2.7g(15
ミリモル)の
無水2−スルホ安息香酸(フルカ社から入手し、そのままで使用)と20mLの
CH3CN(均質溶液)とを充填した。1時間の後、この溶液も0℃まで冷却し
た。第1のフィッシャー・ポーター壜で生成したカルバメート溶液を全部1度に
80psigのCO2下で無水スルホ安息香酸溶液に添加して発熱反応を生ぜし
めた(溶液を0℃から11℃まで加温した)。1部を定期的に抜取り、それぞれ
をジエチルエーテルで希釈しG.C.により分析した。5分間後のn−オクチル
イソシアネートのG.C.収率は94%であると計算された(試験1)。
他の試験(試験2〜6)を塩基の種類および量、溶剤、並びに無水2−スルホ
安息香酸の量を変化させて上記手順にしたがい行った。これら全ての試験の結果
を第I表に示す。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年1月9日
【補正内容】
請求の範囲
1. イソシアネートの製造方法であって、
(a)CO2と第一アミンとを、非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、
有機含窒素塩基[ここで有機含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、
第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択される]およびその
混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に、対応のアンモニウムカルバ
メート塩を生成するのに充分な時間および温度の反応条件下で接触させ、(b)
前記アンモニウムカルバメート塩を、式:
を有する無水物、式:
を有するチオ無水物[式中、XおよびYは
よりなる群から選択され、R5およびR6は独立して1〜22個の炭素原子を有す
るアルキル、フルオロアルキル、アリール、アルカリールおよびアラルキル基よ
りなる群から選択されるか、またはR5およびR6は一緒になって融合芳香族もし
くは脂環式環を有する環式無水物もしくは環式チオ無水物を形成する]およびそ
の混合物よりなる群から選択される求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と、対応
のイソシアネートを生成するのに充分な時間および温度の反応条件下で反応させ
る
ことを特徴とするイソシアネートの製造方法。
2. 前記非プロトン性有機溶剤をジクロルメタン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル、o−ジクロルベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルアセタミドお
よびピリジンよりなる群から選択する請求の範囲第1項に記載の方法。
3. 前記非プロトン性有機溶剤を、少なくとも前記アンモニウムカルバメート
塩を可溶化させるのに充分な量存在させる請求の範囲第2項に記載の方法。
4. 前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のアミン
の当量数との比が1:1〜20:1である請求の範囲第1項に記載の方法。
5. 前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のアミンの当量数との比が
2:1〜10:1である請求の範囲第4項に記載の方法。
6. 前記求電子性もしくは求オキソ性脱水剤のモル数と前記第一アミン出発物
質中のアミンの当量数との比が0.4:1〜10:1である請求の範囲第1項に
記載の方法。
7. 前記第一アミンを式R−NH2により示される化合物、式:
により示されるポリオキシアルキレンジアミン、および式:
により示されるポリオキシアルキレントリアミンよりなる群か
ら選択し、上記式中Rは1〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、
シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、ア
ルケナリールおよびアルカリール基、式:
により示される基、式−R4−NH2により示される基よりなる群から選択される
か、または非求核性官能基を有する上記Rであり;R1およびR4は独立して1〜
22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアル
ケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アルケナリールおよびアルカリ
ール基よりなる群から選択され、mは0〜100の整数を示し、nは0〜8の整
数を示し、R3は水素もしくはメチルであり、x+wは2〜70の整数を示し、
zは0〜90の整数を示し、x+w+zは2〜100の整数を示し、a、bおよ
びcは独立して2〜30の整数を示し、Aは三価アルコールの開始剤を示す請求
の範囲第1項に記載の方法。
8. 前記非求核性官能基をエステル、アミド、ウレタン、カーボネートおよび
その塩よりなる群から選択する請求の範囲第
7項に記載の方法。
9. 前記イソシアネートが式:
R2−N=C=O
[式中R2は1〜22個の炭素原子を有するアルキル アルケニル、シクロアル
キル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アルケナリー
ルおよびアルカリール基、式:
により示される基、式:
−R4−N=C=O
により示される基、式:
により示される基よりなる群から選択されるか、または非求核性官能基を有する
上記R2である]
により示され、または前記イソシアネートが式:
[式中R1およびR4は独立して1〜22個の炭素原子を有するアルキル、アルケ
ニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニ
ル、アルケナリールおよびアルカリール基よりなる群から選択され、mは0〜1
00の整数を示し、nは0〜8の整数を示し、R3は水素もしくはメチルであり
、x+wは2〜10の整数を示し、zは0〜90の整数を示し、x+w+zは2
〜100の整数を示し、a、bおよびcは独立して2〜30の整数を示し、Aは
三価アルコールの開始剤を示す]
により示される請求の範囲第1項に記載の方法。
10. 前記非求核性官能基をエステル、アミド、ウレタン、カーボネートおよ
びその塩よりなる群から選択する請求の範囲第9項に記載の方法。
11. 工程(a)のアンモニウムカルバメート塩を回収した
後、非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[ここで有機
含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよび
その混合物よりなる群から選択される]およびその混合物よりなる群から選択さ
れる塩基との存在下に工程(b)の求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と反応さ
せる請求の範囲第1項に記載の方法。
12. 工程(a)において前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のア
ミンの当量数との比が0.5:1〜10:1であり、工程(c)において前記塩
基のモル数と前記アンモニウムカルバメート塩出発物質中のカルバメートの当量
数との比が0.5:1〜10:1である請求の範囲第11項に記載の方法。
13. 工程(a)において前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のア
ミンの当量数との比が1:1〜5:1であり、工程(c)において前記塩基のモ
ル数と前記アンモニウムカルバメート塩出発物質中のカルバメートの当量数との
比が1:1〜5:1である請求の範囲第12項に記載の方法。
14. 前記求電子性もしくは求オキソ性脱水剤が無水2−スルホ安息香酸であ
る請求の範囲第1項に記載の方法。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年1月30日
【補正内容】
第一アミンと二酸化炭素との間の反応はCO2雰囲気下で行われる。この反応
の間のCO2の圧力は0 KPaゲージ[0 psig](大気圧)〜約103
4.2KPaゲージ[150 psig]、好ましくは0 KPaゲージ[0p
sig]〜約689.47 KPaゲージ[100psig]、特に好ましくは
0 KPaゲージ[0 KPaゲージ[0 psig]〜約551.57 KP
aゲージ[80psig]である。第一アミンを含有する反応容器中の液体レベ
ル以下にCO2を反応容器に添加するのが好適である。特に必要ではないが、ア
ンモニウムカルバメート塩と求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応をCO2
雰囲気下で行うことが好ましい。しかしながら、アンモニウムカルバメート塩
と求電子性もしくは求オキソ性脱水剤との反応は任意の不活性雰囲気下、たとえ
ば窒素、アルゴンもしくは空気の下で行うこともできるが、雰囲気は実質的に乾
燥状態とする。実質的に乾燥した雰囲気は、水が求電子性もしくは求オキソ性脱
水剤と反応するため重要である。この反応の際の圧力は0 KPaゲージ[0
psig]〜約1034.2 KPaゲージ[150psig]、好ましくは0
KPaゲージ[0 psig]〜
約689.47 KPaゲージ[100psig]、特に好ましくは0 KPa
ゲージ[0 psig]〜約551.57 KPaゲージ[80 psig]で
ある。
実施例1
n−オクチルイソシアネート:
フィッシャー・ポーター壜に1.29g(10ミリモル)のn−オクチルアミ
ンと3g(30ミリモル)のトリエチルアミンと154mg(1ミリモル)のビ
フェニル(G.C.内部標準として)と20mLのCH3CNとを充填した。室
温にて551.57 KPaゲージ[80 psig]の二酸化炭素をこの溶液
の上方に添加した。(CO2添加に際し白色沈澱が生じ、これは5分間以内に均
質となった)。1時間の後、この溶液を約0℃まで冷却した。第2のフィッシャ
ー・ポーター壜に2.7g(15ミリモル)の無水2−スルホ安息香酸(フルカ
社から入手し、そのままで使用)と20mLのCH3CN(均質溶液)とを充填
した。1時間の後、この溶液も0℃まで冷却した。第1のフィッシャー・ポータ
ー壜で生成したカルバメート溶液を全部1度に551.57 KPaゲージ[8
0 psig]のCO2下で無水スルホ安息香酸溶液に添加して発熱反応を生ぜ
しめた(溶液が0℃から11℃に加温された)。1部を定期的に抜取り、それぞ
れをジエチルエーテルで希釈しG.C.により分析した。5分間後のn−オクチ
ル
イソシアネートのG.C.収率は94%であると計算された(試験1)。
他の試験(試験2〜6)を塩基の種類および量、溶剤、並びに無水2−スルホ
安息香酸の量を変化させて上記手順にしたがい行った。これら全ての試験の結果
を第I表に示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. イソシアネートの製造方法であって、 (a)CO2と第一アミンとを、非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、 有機含窒素塩基[ここで有機含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、 第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択される]およびその 混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に、対応のアンモニウムカルバ メート塩を生成するのに充分な時間および温度の反応条件下で接触させ、 (b)前記アンモニウムカルバメート塩を、式: を有する無水物、式: を有するチオ無水物[式中、XおよびYは独立して よりなる群から選択され、R5およびR6は独立して1〜約22個の炭素原子を有 するアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アルカリール基およびアラ ルキル基よりなる群から選択されるか、またはR5およびR6は一緒になって融合 芳香族もしくは脂環式環を有する環式無水物もしくは環式チオ無水物を形成する ]およびその混合物よりなる群から選択される求電子性もしくは求オキソ性脱水 剤と、対応のイソシアネートを生成するのに充分な時間および温度の反応条件下 で反応させる ことを特徴とするイソシアネートの製造方法。 2. 前記非プロトン性有機溶剤をジクロルメタン、テトラヒドロフラン、アセ トニトリル、o−ジクロルベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルアセタミドお よびピリジンよりなる群から選択する請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 前記非プロトン性有機溶剤を、少なくとも前記アンモニウムカルバメート 塩を可溶化させるのに充分な量存在させる請求の範囲第2項に記載の方法。 4. 前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のアミンの当量数との比が 1:1〜約20:1である請求の範囲第1項に記載の方法。 5. 前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のアミンの当量数との比が 約2:1〜約10:1である請求の範囲第4項に記載の方法。 6. 前記求電子性もしくは求オキソ性脱水剤のモル数と前記第一アミン出発物 質中のアミンの当量数との比が約0.4:1〜約10:1である請求の範囲第1 項に記載の方法。 7. 前記第一アミンを式R−NH2により示される化合物、式: により示されるポリオキシアルキレンジアミン、および式: により示されるポリオキシアルキレントリアミンよりなる群から選択し、上記式 中Rは1〜約22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキル 、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アルケナリールお よびアルカリール基、式: により示される基および式−R4−NH2により示される基よりなる群から選択さ れるかまたは非求核性官能基を有する上記したRであり;R1およびR4は独立し て1〜約22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シ クロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アルケナリールおよび アルカリール基よりなる群から選択され、mは0〜約100の整数を示し、nは 0〜約8の整数を示し、R3は水素もしくはメチルであり、x+wは約2〜約7 0の整数を示し、zは0〜約90の整数を示し、x+w+zは約2〜約100の 整数を示し、a、bおよびcは独立して約2〜約30の整数を示し、Aは三価ア ルコールの開始剤を示す請求の範囲第1項に記載の方法。 8. 前記非求核性官能基をエステル、アミド、ウレタン、カーボネートおよび その塩よりなる群から選択する請求の範囲第7項に記載の方法。 9. 前記イソシアネートが式: R2−N=C=O により示され、式中R2は1〜約22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニ ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル 、アルケナリールおよびアルカリール基、式: により示される基、式: −R4−N=C=O により示される基、式: により示される基または非求核性官能基を有する上記R2よりなる群から選択さ れ;または 前記イソシアネートが式: により示され、式中R1およびR4は独立して1〜約22個の炭素原子を有するア ルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキ ル、アラルケニル、アルケナリールおよびアルカリール基よりなる群から選択さ れ、mは0〜約100の整数を示し、nは0〜約8の整数を示し、R3は水素も しくはメチルであり、x+wは約2〜約10の整数を示し、zは0〜約90の整 数を示し、x+w+zは約2〜約100の整数を示し、a、bおよびcは独立し て約2〜約30の整数を示し、Aは三価アルコールの開始剤を示す請求の範囲第 1項に記載の方法。 10. 前記非求核性官能基をエステル、アミド、ウレタン、カーボネートおよ びその塩よりなる群から選択する請求の範囲第9項に記載の方法。 11. イソシアネートの製造方法であって、 (a)CO2と第一アミンとを、非プロトン性有機溶剤とホスファゼン化合物、 有機含窒素塩基[ここで有機含窒素塩基はグアニジン化合物、アミジン化合物、 第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりなる群から選択される]およびその 混合物よりなる群から選択される塩基との存在下に、対応のアンモニウムカルバ メート塩を生成させるのに充分な時間および温度の反応条件下で接触させ、 (b)前記アンモニウムカルバメート塩を回収し、 (c)前記アンモニウムカルバメート塩を、式: を有する無水物、式: を有するチオ無水物[式中、XおよびYは独立して よりなる群から選択され、R5およびR6は独立して1〜約22個の炭素原子を有 するアルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アルカリール基およびアラ ルキル基よりなる群から選択されるか、またはR5およびR6は一緒になって融合 芳香族もしくは脂環式環を有する環式チオ無水物を形成する]およびその混合物 よりなる群から選択される求電子性もしくは求オキソ性脱水剤と、非プロトン性 有機溶剤とホスファゼン化合物、有機含窒素塩基[ここで有機含窒素塩基はグア ニジン化合物、アミジン化合物、第三アミン、ピリジンおよびその混合物よりな る群から選択される]およびその混合物よりなる群から選択される塩基との存在 下に、対応のイソシアネートを生成するのに充分な時間および温度の反応条件下 で反応させることを特徴とするイソシアネートの製造方法。 12. 前記非プロトン性有機溶剤をジクロルメタン、テトラヒドロフラン、ア セトニトリル、o−ジクロルベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルアセタミド およびピリジンよりなる群から選択する請求の範囲第11項に記載の方法。 13. 前記非プロトン性有機溶剤を、前記アンモニウムカルバメート塩を可溶 化させるのに充分な量存在させる請求の範囲 第12項に記載の方法。 14. 工程(a)において前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のア ミンの当量数との比が0.5:1〜約10:1であり、工程(c)において前記 塩基のモル数と前記アンモニウムカルバメート塩出発物質中のカルバメートの当 量数との比が0.5:1〜約10:1である請求の範囲第11項に記載の方法。 15. 工程(a)において前記塩基のモル数と前記第一アミン出発物質中のア ミンの当量数との比が1:1〜約5:1であり、工程(c)において前記塩基の モル数と前記アンモニウムカルバメート塩出発物質中のカルバメートの当量数と の比が1:1〜約5:1である請求の範囲第14項に記載の方法。 16. 工程(c)において前記求電子性もしくは求オキソ性脱水剤のモル数と 前記アンモニウムカルバメート塩出発物質中のカルバメートの当量数との比が約 0.4:1〜約10:1である請求の範囲第11項に記載の方法。 17. 前記第一アミンを式R−NH2により示される化合物、式: により示されるポリオキシアルキレンジアミン、および式: により示されるポリオキシアルキレントリアミンよりなる群から選択し、上記式 中Rは1〜約22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、シクロアルキル 、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アルケナリールお よびアルカリール基、式: により示される基および式−R4−NH2よりなる群から選択されるか非求核性官 能基を有する上記Rにより示される基であり;R1およびR4は独立して1〜約2 2個の炭素原子を有す るアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラ ルキル、アラルケニル、アルケナリールおよびアルカリール基よりなる群から選 択され、mは0〜約100の整数を示し、nは0〜約8の整数を示し、R3は水 素もしくはメチルであり、x+wは約2〜約70の整数を示し、zは0〜約90 の整数を示し、x+w+zは約2〜約100の整数を示し、a、bおよびcは独 立して約2〜約30の整数を示し、Aは三価アルコールの開始剤を示す請求の範 囲第11項に記載の方法。 18. 前記非求核性官能基をエステル、アミド、ウレタン、カーボネートおよ びその塩よりなる群から選択する請求の範囲第17項に記載の方法。 19. 前記イソシアネートが式: R2−N=C=O により示され、式中R2は1〜約22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニ ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アラルケニル 、アルケナリールおよびアルカリール基、式: により示される基、式: −R4−N=C=O により示される基、式: により示される基よりなる群から選択されるかまたは非求核性官能基を有する上 記R2であり、または前記イソシアネートが式: により示され、式中R1およびR4は独立して1〜約22個の炭素原子を有するア ルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキ ル、アラルケニル、アルケナリールおよびアルカリール基よりなる群から選択さ れ、m は0〜約100の整数を示し、nは0〜約8の整数を示し、R3は水素もしくは メチルであり、x+wは約2〜約70の整数を示し、zは0〜約90の整数を示 し、x+w+zは約2〜約100の整数を示し、a、bおよびcは独立して約2 〜約30の整数を示し、Aは三価アルコールの開始剤を示す請求の範囲第11項 に記載の方法。 20. 前記非求核性官能基をエステル、アミド、ウレタン、カーボネートおよ びその塩よりなる群から選択する請求の範囲第19項に記載の方法。 21. 求電子性もしくは求オキソ性脱水剤が無水2−スルホ安息香酸である請 求の範囲第1項に記載の方法。 22. 前記求電子性もしくは求オキソ性脱水剤が無水2−スルホ安息香酸であ る請求の範囲第11項に記載の方法。
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