JPH08502944A - シート積層体から積重ねシートを供給する方法およびこの方法を実施するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 シート積層体（８）より単一のシートまたは多数の積重ねシートからなる積重ねシートを供給する方法と装置、とりわけ、前記シートを供給ステーション（１）または類似の装置から切断鋸に供給する方法と装置にして、前記供給ステーションは、前記積重ねシートをシート積層体（８）の上部から搬送するための押出し装置（１１）と、バックゲージ（１２）またはこれに類似のエレメントとを有し、前記供給ステーションでは、バックゲージ（１２）とシート積層体（８）の少なくとも１つ、バックゲージまたはシート積層体の何れか一方、あるいはこれら両方がお互いに対し上下方向に移動可能であり、しかもシート積層体（８）またはバックゲージ（１２）、あるいはこれら両方がお互いに対し上下方向に移動し、バックゲージ（１２）の上側縁より上にある積重ねシ一卜を押し出して後続の工程に送るために押出し装置（１１）が使用されている。押出し装置（１１）の供給運動は、１枚のシートまたは多数のシートからなる積重ねシートの先端縁がバックゲージ（１２）の上側縁の上に完全に持ち上げられる以前に開始され、その後、バックゲージ（１２）、または選択的に、シート積層体（８）を、あるいはこれら両方をお互いに対し上下方向に動かすことにより、供給されている積重ねシートがバックゲージ（１２）の上側縁よりも完全に高くなり、シート積層体（８）から分離可能な１枚のシートまたは多数のシートの積重ねシートが押出し装置（１１）により後続の工程へと押し出される。

Description

【発明の詳細な説明】 シート積層体から積重ねシートを供給する方法 およびこの方法を実施するための装置 本発明は、シート積層体から、単一のシートまたは複数のシートよりなる積層 体の一部分、すなわち積重ねシートを取り出して供給する、請求の範囲の請求項 １の冒頭に記載した方法に係る。さらに、本発明は、本発明の方法を実施する装 置にも関係している。 従来、シートは１枚づつ切断鋸に供給され、その後、切断されたシートは後続 の鋸引きトリム加工のために積重ねテーブル上に積み重ねられ積層体とされてい る。鋸引きトリム加工は、積み重ねた複数のシートからなる積重ねシートに対し て行われる。薄いシートを鋸引きする場合には、概して、鋸引き加工ラインにシ ートを供給する装置の供給能力が鋸引き加工ラインの処理能力を決定する要素で ある。 処理能力を向上する上での阻害要素となるシート供給面の課題を解決するため に、複数のシートを同時に供給する方法、状況次第で、シート積層体から一度に 積層シートのすべてを鋸引き加工ラインに供給する方法が開発されてきている。 しかしながら、この方法は概ね厚いシートにしか利用することができない。 本発明の目的は、薄いシートを積重ねシートとして切断鋸に確実に供給できる 方法を提供することにある。本発明に係る方法と装置の特徴は、添付の請求の範 囲に記載されている。 本発明の方法によれば、従来技術に優る幾つかの利点が得られる。本発明の方 法を実施すれば、複数の薄いシートを積重ねシートの形態で切断鋸に供給するこ とができる。シートの縁の平行関係力括Ｌれ長手方向にずれが生じていたり、積 重ねシートの先端縁が損傷していても、本発明に係る供給方法を実施する上で障 害とはならない。供給されている積重ねシートを測定するには、単一の測定セン サを配置しておけばよい。 以下、添付図面に基づき本発明の実施例を具体的に説明する。 第１図は、鋸切断による鋸引き加工ラインの配置を示す平面図である。 第２図は、本発明の方法により操作される供給装置の側面図である。 第３図は、バックゲージとバックゲージ側のシート積層体の端部とを示す概略 図である。 第４図は、バックゲージとバックゲージ側のシート積層体の端部とを示した他 の概略図である。 第５図は、供給ステーションの押出し装置の概略図である。 第１図を参照する。鋸引き加工ラインが示されている。鋸引き加工ラインの稼 働に際し、積重ねシートは供給コンベア１により供給ステーション２に搬送され る。シートは、この供給ステーションから積重ねテーブル３を経て個別にまたは まとめて鋸引きステーション４、５に供給される。鋸引きの後、シートは積重ね ステーション６に搬送され、さらに搬出コンベア７に送られる。 第２図を参照する。昇降テーブル９またはこれと同等の装置上にシート積層体 ８を積み上げた供給ステーション２が示されている。昇降テーブル９は、供給ス テーションのフレーム１０に沿って上下に移動できるように構成されている。昇 降テーブルの上下運動は昇降機構１６により行われる。昇降機構は複数のチェー ン１７を備えている。これらチェーンは一方の端部が昇降テーブル９に装着され 、チェーンスプロケット１８に掛け渡され、反対の端部はアクチュエータ手段１ ６に取り付けられている。昇降テーブル９を上下運動させるアクチュエータ手段 の動きは制御されている。昇降運動は、開閉脚方式の昇降プラットホームのよう な他の装置構成により行うこともできる。供給ステーションはキャリッジ式の押 出し装置１１を備えている。この押出し装置は、機械式、油圧式または空気圧式 のアクチュエータ機構により水平レールに沿って移動することができる。押出し 装置１１とは反対側のシート積層体の端部にはバックゲージ１２が配置されてい る。押出し装置１１により加えられる押出し力は制御可能である。押出し力の制 御は、空気圧系／油圧系の圧力制御弁により行い、また機械系統にはモータトル ク制限機を用いると都合がよい。 押出し装置１１は、シート積層体８から、バックゲージ１２を通り越してピン チローラ１３間のニップ内に必要数のシートを押し出し、このニップはシートを 積重ねテーブルに供給する。 必要枚数のシートからなる積重ねシートは、（図示していない）測定エレメン トを用いて測定される。測定エレメントは、積重ねシートの端部に当接する押出 し装置１１の供給クランプ組立体１５に連係して機能するようにされている。こ のような供給クランプ組立体は、空気圧手段により上下方向に移動可能にしてお き、供給動作に伴い積重ねシート８に沿って下降し、復帰動作に際し上向きに移 動できるようにしておくと都合がよい。供給クランプ組立体１５の制御は、油圧 または電気的手段により実施できるようにしておくのがよい。供給クランプ組立 体１５の位置からフィードバックされる電気信号は、例えば、パルス変換器（図 示せず）により処理される。 バックゲージ１２は、アクチュエータ１９により積重ねシート８の先端縁に接 して移動可能である。アクチュエータ１９は、電気または空気圧により駆動され るエレメントであると都合がよく、油圧シリンダでもよい。 積重ねシートの上側表面の位置は、電気移動式のセンサまたは機械式センサ等 の検知器１４により測定され、この測定位置はパルス変換器を用いてモニターさ れている。 積重ねシートを後続の工程に送り出すピンチローラ１３はフレーム１０に装着 されている。ピンチローラ組立体は、電気駆動される駆動ローラと、この駆動ロ ーラに積重ねシートを圧縮する空気圧作動式のピンチローラにより構成しておく と都合がよい。 本発明の方法によれば、積重ねシートは、以下の段階を経て供給ステーション に積み上げておいたシート積層体から供給される。 供給される積重ねシートの丈ｈは、例えば、個々のシートの厚みを合計した、 積重ねシートの所望の全体厚みに基づいて求められる。 積重ねシートの所望の丈ｈに基づき、押出し供給クランプ１５は丈ｈよりも僅 かに手前の位置、好ましくは、寸法ｈより０．５から２mm小さい位置に制御され る。 先ず最初に、積重ねシート８が供給ステーションの供給テーブル９に運ばれる 。積重ねシートは、積重ねシート供給高さ測定センサ１４がシート積層体の上側 表 面が寸法ｄにわたり供給レベル（バックゲージ１２の上側縁）を越えたことを検 知するまで、昇降テーブルにより持ち上げられる。寸法ｄは、供給される積重ね シートの所望の丈（寸法ｈ）より２から６mm小さいと都合がよい。バックゲージ １２は、積重ねシート８の先端縁に接した状態で供給方向に制御される。押出し 装置１１は積重ねシートの後端縁に対し制御され、また供給される積重ねシート を供給方向に一定の力で押すように制御される。しかしながら、積重ねシートの 最下層のシートはバックゲージ１２を完全に越えていないため、バックゲージ１ ２は供給動作を止めている。その際、押出し装置は一定の力で引き続き積重ねシ ートを押すように制御され、積重ねシート８はゆっくり上昇し、積重ねシートの 最下層のシートがバックゲージ１２の上側縁を越えた時点で、供給途中の積重ね シートは非拘束の状態となり、押出し装置により前向きに押し出される。積重ね シート８の上昇運動は、例えば、押出し装置１１またはバックゲージ１２と連係 するセンサが積重ねシートの前進移動を検知すると停止するように制御される。 押出し装置１１はピンチローラ１３間のニップに積重ねシートを送り込み、ニ ップは積重ねシートを前向きに搬送する。 引き続き、押出し装置１１は元の位置に復帰する。後続の積重ねシートを供給 するために、シート積層体は再び持ち上げられ、積重ねシートの上側表面がバッ クゲージ１２の上側縁から上方に寸法ｄにわたり突き出すようにする。 本発明に係る方法は、供給途中の積重ねシートの丈（寸法ｈ）を、積重ねシー トの後端縁からだけ供給クランプを用いて測定することを特徴としている。シー ト積層体の先端縁からの丈（寸法ｄ）の測定は、シート積層体上側表面を大まか に位置決めするのに必要とされる。 本発明に係る方法は、特に、薄いシートを取扱うのに適している。シートの厚 みは、１から９mmの範囲、好ましくは２から６mmの範囲で調節することができる 。供給途中の積重ねシートの丈は、具体的には、１５から３０mmの範囲で変化さ せてみた。シート積層体のシートのサイズには制限はない。実施例において、シ ートのサイズは２５００×５０００mm、厚み３mmであった。この実施例では、供 給途中のシートの枚数は、５から１０の範囲で変えることができる。 当業者にとり、本発明は前述した具体例に限定されるわけではなく、添付の請 求の範囲内で変更できることが自明である。例えば、シート積層体以外にもバッ クゲージを選択的に移動可能にしておくこともできる。また、バックゲージとシ ート積層体をお互いに対し移動可能にしておくこともできる。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 ージ（１２）、または選択的に、シート積層体（８） を、あるいはこれら両方をお互いに対し上下方向に動か すことにより、供給されている積重ねシートがバックゲ ージ（１２）の上側縁よりも完全に高くなり、シート積 層体（８）から分離可能な１枚のシートまたは多数のシ ートの積重ねシートが押出し装置（１１）により後続の 工程へと押し出される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．シート積層体（８）より単一のシートまたは多数の積重ねシートからなる 積重ねシートを供給する方法、とりわけ、前記シートを供給ステーション（１） または類似の装置から切断鋸に供給する方法にして、前記供給ステーションは、 前記積重ねシートをシート積層体（８）の上部から搬送するための押出し装置（ １１）と、バックゲージ（１２）またはこれに類似のエレメントとを有し、前記 供給ステーションでは、バックゲージ（１２）とシート積層体（８）の少なくと も１つ、バックゲージまたはシート積層体の何れか一方、あるいはこれら両方が お互いに対し上下方向に移動可能であり、しかもシート積層体（８）またはバッ クゲージ（１２）、あるいはこれら両方がお互いに対し上下方向に移動し、バッ クゲージ（１２）の上側縁より上にある積重ねシートを押し出して後続の工程に 送るために押出し装置（１１）が使用されているような方法において、押出し装 置（１１）の供給運動は、１枚のシートまたは多数のシートからなる積重ねシー トの先端縁がバックゲージ（１２）の上側縁の上に完全に持ち上げられる以前に 開始され、その後、バックゲージ（１２）、または選択的に、シート積層体（８ ）を、あるいはこれら両方をお互いに対し上下方向に動かすことにより、供給さ れている積重ねシートがバックゲージ（１２）の上側縁よりも完全に高くなり、 シート積層体（８）から分離可能な１枚のシートまたは多数のシートの積重ねシ ートが押出し装置（１１）により後続の工程へと押し出すようにした積重ねシー トの供給方法。 ２．請求項１に記載された積重ねシートの供給方法において、バックゲージ（ １２）、または選択的に、シート積層体（８）、あるいはこれら両方は、押出し 装置の供給動作の開始後、この供給動作の開始以前の速度より実質的に遅い速度 で、お互いに対し上下方向に動かされることを特徴とする積重ねシートの供給方 法。 ３．請求項１または２に記載された積重ねシートの供給方法において、供給さ れている積重ねシートの丈（ｈ）は１つの測定位置で測定されることを特徴とす る積重ねシートの供給方法。 ４．請求項１から３の何れか１項に記載された積重ねシートの供給方法におい て、積重ねシートの丈（ｈ）は、積重ねシートに含まれるのが望ましいシートの 枚数により求められることを特徴とする積重ねシートの供給方法。 ５．請求項１から４の何れか１項に記載された積重ねシートの供給方法におい て、シートは、好ましくは、１mmから９mmの範囲の厚みを持つ薄いシートである ことを特徴とする積重ねシートの供給方法。 ６．請求項１から５の何れか１項に記載された積重ねシートの供給方法におい て、押出し装置（１１）の押出し力は、押出し位相の開始時に制限されているこ とを特徴とする積重ねシートの供給方法。 ７．請求項１に記載された方法を実施するのに適した装置にして、当該装置は 、供給されている積重ねシート（８）の置かれる昇降テーブル（９）または類似 のプラットホームと、シート積層体（８）から積重ねシートを搬送する押出し装 置（１１）と、積重ねシートの先端縁に当接するバックゲージ（１２）とを有し 、バックゲージ（１２）と昇降テーブル（９）の少なくとも１つ、バックゲージ または昇降テーブルの何れか一方、あるいはこれら両方がお互いに上下方向に移 動可能である装置において、押出し装置（１１）は、供給されている積重ねシー トの丈（ｈ）に対し調節することのできる上下方向にセット可能な供給クランプ 組立体（１５）を備えており、しかも、先ず、積重ねシートがバックゲージ（１ ２）の上側縁より僅かに上にあるようにし、次に、押出し装置（１１）の供給動 作の開始後、バックゲージ（１２）と昇降テーブル（９）が移動して積重ねシー ト全体がバックゲージ（１２）の上側縁より上になり、その後、積重ねシートは シート積層体（８）の上部から後続の工程に搬送されるように、バックゲージ（ １２）と昇降テーブル（９）はお互いに対して移動可能であることを特徴とする 装置。 ８．請求項７に記載された方法にして、押出し力を制限するためのエレメント が押出し装置（１１）に連係するようになされていることを特徴とする方法。