JPH084923B2 - ノズル孔閉塞防止材 - Google Patents
ノズル孔閉塞防止材Info
- Publication number
- JPH084923B2 JPH084923B2 JP15512090A JP15512090A JPH084923B2 JP H084923 B2 JPH084923 B2 JP H084923B2 JP 15512090 A JP15512090 A JP 15512090A JP 15512090 A JP15512090 A JP 15512090A JP H084923 B2 JPH084923 B2 JP H084923B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nozzle hole
- steel
- layer
- hole blockage
- molten
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] 産業上の利用分野 本発明は、取鍋、タンディッシュ等に設置した流量制
御装置のノズル孔が溶融金属の凝固により閉塞するのを
防止するために使用するノズル孔閉塞防止材に関し、特
に高炭素鋼に適するノズル孔閉塞防止材に関するもので
ある。
御装置のノズル孔が溶融金属の凝固により閉塞するのを
防止するために使用するノズル孔閉塞防止材に関し、特
に高炭素鋼に適するノズル孔閉塞防止材に関するもので
ある。
従来の技術 取鍋やタンディッシュに設置した流量制御装置たとえ
ばスライディングノズル装置のノズル孔を溶融金属の凝
固により閉塞するのを防止するために、従来からノズル
孔閉塞防止材が用いられている。
ばスライディングノズル装置のノズル孔を溶融金属の凝
固により閉塞するのを防止するために、従来からノズル
孔閉塞防止材が用いられている。
近年、鋳造技術の発達に伴い、取鍋やタンディッシュ
などの溶融金属用のノズル孔が大型化している。そのよ
うなノズル孔の閉塞防止材として、例えばSiO280〜94重
量%およびアルカリ類2〜12重量%を主成分とする粒径
0.5〜2.5mmの閉塞防止材(特公昭55−18194号公報参
照)が使用されている。また、ノズル孔の下層に高融点
粒状充填材を充填し、その上層に発泡溶融する低融点粒
状充填材を充填する方法も提案されている。
などの溶融金属用のノズル孔が大型化している。そのよ
うなノズル孔の閉塞防止材として、例えばSiO280〜94重
量%およびアルカリ類2〜12重量%を主成分とする粒径
0.5〜2.5mmの閉塞防止材(特公昭55−18194号公報参
照)が使用されている。また、ノズル孔の下層に高融点
粒状充填材を充填し、その上層に発泡溶融する低融点粒
状充填材を充填する方法も提案されている。
対象とする鋼種がSiキルド鋼やAlキルド鋼のようなC
含有率0.2%以下の一般鋼であれば、前述のような従来
のノズル孔閉塞防止材でも充分出鋼が可能であった。
含有率0.2%以下の一般鋼であれば、前述のような従来
のノズル孔閉塞防止材でも充分出鋼が可能であった。
発明が解決しようとする課題 ところが、高炭素鋼(C含有率0.4〜0.8%)に対して
は従来のノズル閉塞防止材は開孔率がせいぜい70%と低
い値にとどまっており、充分な出鋼が不可能であった。
つまり、高炭素鋼の場合、従来のものは不開孔率が大き
かったのである。そのため高炭素鋼用のノズル孔閉塞防
止材は開孔率を高めるために特別なものが必要となって
きた。
は従来のノズル閉塞防止材は開孔率がせいぜい70%と低
い値にとどまっており、充分な出鋼が不可能であった。
つまり、高炭素鋼の場合、従来のものは不開孔率が大き
かったのである。そのため高炭素鋼用のノズル孔閉塞防
止材は開孔率を高めるために特別なものが必要となって
きた。
前述のような従来技術の問題点を解決して、高炭素鋼
の鋳造に十分適用できるノズル孔閉塞防止材を提供する
ことが本発明の目的である。
の鋳造に十分適用できるノズル孔閉塞防止材を提供する
ことが本発明の目的である。
[発明の構成] 課題を解決するための手段 前述の目的を達成するために、本発明は特許請求の範
囲に記載のノズル孔閉塞防止材を要旨としている。
囲に記載のノズル孔閉塞防止材を要旨としている。
本発明者らは、高炭素鋼において開孔率が小さい原因
を調査して、取鍋やタンディッシュへ出鋼してから注入
開始までの溶鋼温度と滞留時間の関係を究明した。その
結果、第1図のグラフからも明らかなように、高炭素鋼
は一般鋼より滞留時間が長いうえ、出鋼から注入までの
温度差が、一般鋼では約50℃であるのに対し、高炭素鋼
では約100℃〜150℃であることが判明した。すなわち、
従来の閉塞防止材では、注入開始時の温度が比較的低く
鎮静時間の長い時に不開孔になる傾向があることがわか
った。
を調査して、取鍋やタンディッシュへ出鋼してから注入
開始までの溶鋼温度と滞留時間の関係を究明した。その
結果、第1図のグラフからも明らかなように、高炭素鋼
は一般鋼より滞留時間が長いうえ、出鋼から注入までの
温度差が、一般鋼では約50℃であるのに対し、高炭素鋼
では約100℃〜150℃であることが判明した。すなわち、
従来の閉塞防止材では、注入開始時の温度が比較的低く
鎮静時間の長い時に不開孔になる傾向があることがわか
った。
そこで、本発明のノズル孔閉塞防止材においては、主
成分組成としてそれぞれSiO2を75〜79重量%、Al2O3を1
1〜13重量%、アルカリ類を10〜12重量%含有せしめ、
耐火度(JIS R2204)が1050℃〜1150℃となるように設
定されている。好ましくは、耐火度を1100℃±15℃にす
る。
成分組成としてそれぞれSiO2を75〜79重量%、Al2O3を1
1〜13重量%、アルカリ類を10〜12重量%含有せしめ、
耐火度(JIS R2204)が1050℃〜1150℃となるように設
定されている。好ましくは、耐火度を1100℃±15℃にす
る。
防止材の粒径は0.5〜2.5mmであることが望ましい。
アルカリ類の混合量はK:Na=2:1とするのが望まし
い。一般的にいって、Naを多くすると、発泡しやすくな
り、溶鋼からの熱伝導を低くできる利点がある。
い。一般的にいって、Naを多くすると、発泡しやすくな
り、溶鋼からの熱伝導を低くできる利点がある。
作用 従来は耐火度1300℃付近の閉塞防止材を高炭素鋼に用
いていたが、この場合は、閉塞防止材の相当な部分は出
鋼時の高温域で焼結(反応)される。出鋼から注入開始
までの間、時間の経過とともに溶鋼温度は100〜150℃程
度低下するため、焼結された部分は時間の経過につれて
冷却され、焼結層の鉱物相が変化して温度が上昇し、ひ
いては注入開始時に開孔不能となることが多かった。
いていたが、この場合は、閉塞防止材の相当な部分は出
鋼時の高温域で焼結(反応)される。出鋼から注入開始
までの間、時間の経過とともに溶鋼温度は100〜150℃程
度低下するため、焼結された部分は時間の経過につれて
冷却され、焼結層の鉱物相が変化して温度が上昇し、ひ
いては注入開始時に開孔不能となることが多かった。
ところが、本願発明では、溶鋼の温度低下に対して鉱
物相の変化の少ない温度域を作り、耐火度を1050〜1150
℃と低くしたので、溶融層が厚くなり、従来のものに比
較して、焼結層は極めて薄い層を形成する。溶融層の比
重は1.9〜2.0であるのに対し、鉄は7であるので、単純
に考えれば、溶融層が溶鋼の上に浮き上がることが懸念
されるが、実際には、そのような現象は生じない。溶融
層は粘性が高いため、薄く形成された焼結層に張りつい
て浮き上がらないのである。
物相の変化の少ない温度域を作り、耐火度を1050〜1150
℃と低くしたので、溶融層が厚くなり、従来のものに比
較して、焼結層は極めて薄い層を形成する。溶融層の比
重は1.9〜2.0であるのに対し、鉄は7であるので、単純
に考えれば、溶融層が溶鋼の上に浮き上がることが懸念
されるが、実際には、そのような現象は生じない。溶融
層は粘性が高いため、薄く形成された焼結層に張りつい
て浮き上がらないのである。
また、時間が経つにつれ、溶鋼温度が下がるので、焼
結層が厚くなろうとするが、高炭素鋼の場合は、溶鋼温
度と実際に焼結する温度との差が大きいので、焼結層は
固くならず、容易に崩壊される程度の固さに維持され
る。
結層が厚くなろうとするが、高炭素鋼の場合は、溶鋼温
度と実際に焼結する温度との差が大きいので、焼結層は
固くならず、容易に崩壊される程度の固さに維持され
る。
また、閉塞防止材の耐火度が1050℃よりも小さいと、
不都合が生じる。溶融層が厚くなりすぎて、スライドゲ
ートの開孔時に溶融層が溶鋼の圧力を吸収してしまい、
焼結層が割れにくくなるのである。
不都合が生じる。溶融層が厚くなりすぎて、スライドゲ
ートの開孔時に溶融層が溶鋼の圧力を吸収してしまい、
焼結層が割れにくくなるのである。
主成分組成の量を限定した理由を述べると、SiO2、Al
2O3が所定範囲を超えると、アルカリ類が少なくなり、
形成されたガラス相の粘性(粘度)が高くなりすぎて、
強固な焼結層ができ、溶鋼自身の重みでは破ることがで
きなくなる。SiO2、Al2O3が所定範囲より少ないと、形
成されたガラス相の粘性(粘度)が低くなりすぎて浸潤
層ができるため、焼結層と浸潤層の2層にわかれ、焼結
層側の強度が上がり、不開孔となる。
2O3が所定範囲を超えると、アルカリ類が少なくなり、
形成されたガラス相の粘性(粘度)が高くなりすぎて、
強固な焼結層ができ、溶鋼自身の重みでは破ることがで
きなくなる。SiO2、Al2O3が所定範囲より少ないと、形
成されたガラス相の粘性(粘度)が低くなりすぎて浸潤
層ができるため、焼結層と浸潤層の2層にわかれ、焼結
層側の強度が上がり、不開孔となる。
実施例1〜3 第1表に示すように、SiO2、Al2O3、FeO3、Na2O、K
2O、R2Oを所定量含有する3つの閉塞防止材の実施例1
〜3を作った。
2O、R2Oを所定量含有する3つの閉塞防止材の実施例1
〜3を作った。
実施例1〜3の耐火度(JIS R2204)は、すべて1100
℃であった。
℃であった。
他方、比較例として実公昭63−12710号公報に記載さ
れている閉塞防止材も作った。この比較例の耐火度は13
00℃であった。
れている閉塞防止材も作った。この比較例の耐火度は13
00℃であった。
前述の実施例1〜3および比較例について溶融金属の
滞留時間(分)と開孔率(%)の関係を測定したとこ
ろ、結果は第2表に示すとおりであった。
滞留時間(分)と開孔率(%)の関係を測定したとこ
ろ、結果は第2表に示すとおりであった。
[発明の効果] 本発明によれば、高炭素鋼の場合にノズル孔の開孔率
が著しく向上する。その結果、危険な作業の激減又は皆
無が可能になった。しかも、迅速に注出することができ
るようになった。
が著しく向上する。その結果、危険な作業の激減又は皆
無が可能になった。しかも、迅速に注出することができ
るようになった。
【図面の簡単な説明】 第1図は時間と溶鋼の温度の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】取鍋、タンディッシュ等に設置した流量制
御装置のノズル孔が溶融金属の凝固により閉塞するのを
防止するために使用するノズル孔閉塞防止材において、
主成分組成としてそれぞれSiO2を75〜79重量%、Al2O3
を11〜13重量%、アルカリ類を10〜12重量%含有せし
め、耐火度(JIS R2204)を1050℃〜1150℃に設定した
ことを特徴とするノズル孔閉塞防止材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15512090A JPH084923B2 (ja) | 1990-06-15 | 1990-06-15 | ノズル孔閉塞防止材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15512090A JPH084923B2 (ja) | 1990-06-15 | 1990-06-15 | ノズル孔閉塞防止材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0452071A JPH0452071A (ja) | 1992-02-20 |
JPH084923B2 true JPH084923B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=15599009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15512090A Expired - Lifetime JPH084923B2 (ja) | 1990-06-15 | 1990-06-15 | ノズル孔閉塞防止材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH084923B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6412852A (en) * | 1987-07-03 | 1989-01-17 | Nat Res Inst Metals | Magnetic fluid heat engine |
JPS6412853A (en) * | 1987-07-03 | 1989-01-17 | Nat Res Inst Metals | Magnetic fluid heat engine |
-
1990
- 1990-06-15 JP JP15512090A patent/JPH084923B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0452071A (ja) | 1992-02-20 |
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