JP3090541B2 - 溶融金属流量制御装置用ノズル孔閉塞防止材 - Google Patents

溶融金属流量制御装置用ノズル孔閉塞防止材

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JP3090541B2 JP04226079A JP22607992A JP3090541B2 JP 3090541 B2 JP3090541 B2 JP 3090541B2 JP 04226079 A JP04226079 A JP 04226079A JP 22607992 A JP22607992 A JP 22607992A JP 3090541 B2 JP3090541 B2 JP 3090541B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、取鍋、タンディッシ
ュなどに設置される溶融金属の流量制御装置のノズル孔
に充填する、ノズル孔閉塞防止材に関する。
【0002】
【従来の技術】取鍋、タンディッシュなどに設置される
溶融金属流量制御装置、例えばスライドゲ−トノズル装
置は、溶融金属の流出の調整、或いは停止を行うものと
して広く使用されている。スライドゲ−トノズル装置
は、上部ノズル、固定盤、摺動盤、下部ノズルなどの主
たる部材からなり、摺動盤の開閉で溶融金属の流出調
整、または停止を行うものである。
【0003】しかしながら、こうしたスライドゲ−トノ
ズル装置を取り付けた溶湯容器に直接溶融金属を注入し
ても、スライドゲ−トノズル装置のノズル孔に充填され
た溶融金属が凝固して、ノズル孔を閉塞し、スライドゲ
−トノズル装置の摺動盤を移動してノズル孔を開口して
も、これから溶融金属をスム−スに流出させることは出
来なかった。普通、溶湯容器に溶融金属を注入する際
は、あらかじめ容器内を予熱しているが、それでもその
温度を十分に上げることが出来ないために、注入された
溶融金属は、その温度より低い該容器の下部に取り付け
られているスライドゲ−トノズル装置の上部ノズルおよ
び固定盤のノズル孔に流入して冷却固化する。従って、
その後、摺動盤を摺動してノズル孔を解放しても溶融金
属が流出できないといった問題が生じていた。
【0004】こうしたことで、従来から、溶湯容器に溶
融金属を注入するに先立ち、スライドゲ−トノズルの上
部ノズルおよび固定盤のノズル孔に、予め天然けい砂、
黒鉛、クキ屑、酸化鉄粉末などのノズル孔閉塞防止材を
充填し、溶融金属の注入時に、溶融金属がノズル孔内に
侵入するのを防ぐとともに、ノズルの開口時にこの閉塞
防止材が溶融金属とともに落下するようにすることが広
く行われている。
【0005】しかしながら最近、鋳造技術の発達によっ
て、溶融金属が溶湯容器に注入されてから出湯されるま
での時間が長くなったり、或いは溶湯容器が大型化し
て、ノズル孔に充填した閉塞防止材が溶融金属の上面に
浮上したり、さらには閉塞防止材がノズル孔内で焼結し
て凝固するなどして、その効果が十分に発揮出来ないこ
とが生じていた。こうした場合は、非常に危険な作業で
あるが、酸素ランスを用いて凝固した閉塞防止材を溶融
させて容器内の溶融金属を流出させるなどしていた。
【0006】こうした問題を解消するため、特公昭55
−18194号が提案され、容易に溶湯が排出できる閉
塞防止材が開発されている。これは、けい砂または珪石
と長石を主成分とし粒径を特定したものである。これに
よれば、シリコンキルド鋼やアルミキルド鋼の溶融金属
を対象としたものでは好結果が得られている。
【0007】しかしながら、このノズル閉塞防止材によ
っても、特に炭素を0.4〜0.8%含む高炭素鋼の溶
融金属の場合などは、ノズルの閉塞が依然として生じ易
く、問題を生じていた。図3は、取鍋に出湯した溶融金
属の、時間と溶融金属の温度の関係を示した線図であ
る。同図に示されているように、高炭素鋼の出湯後の温
度低下は著しく、特にこうした溶融金属では冷却固化し
て溶融金属が流出できないという問題を生じていた。
【0008】加えて近年、鋳造技術の一層の発達にとも
ない、取鍋やタンディッシュの大型化、それに伴うノズ
ル孔も大口径化している。その結果、ノズル孔に充填さ
れた閉塞防止材は、従来にもまして大量の溶湯圧力を受
けてノズル内で加圧され、これが焼結されて凝固される
危険が一層高くなっている。こうしたことで、これらの
場合は摺動盤を解放したときのノズル孔の開口率は7割
と低い値に止まっていた。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】この発明は、取鍋
などの大型の溶湯容器内で、溶融金属が長時間滞留して
も、また高炭素鋼の生産を行っても、ノズルの閉塞が生
じないで高い開孔率が得られるノズル孔閉塞防止材を得
ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、700〜1
200℃の温度範囲内でかつ長石が溶融しない温度で焼
成した長石とカレットからなり、耐火度をSK01a〜
SK2aとしたことを特徴とする溶融金属流量制御装置
用ノズル孔閉塞防止材(請求項1)および粒径を0.5
〜2.0mmの範囲とした請求項1記載の溶融金属流量制
御装置用ノズル孔閉塞防止材(請求項2)である。
【0011】この発明のノズル孔閉塞防止材は、長石と
カレットからなる。長石は多種に分類され、カリ長石
(K2 O・Al2 3 ・6SiO2 )、ソ−ダ長石(N
2 O・Al2 3 ・6SiO2 )、石灰長石(CaO
・Al2 3 ・2SiO2 )、バリウム長石(BaO・
Al2 3 ・2SiO2 )などで、また産地よりその化
学組成や溶融温度を異にしている。この発明ではそのい
ずれも使用することが出来る。こうした長石は700〜
1200℃でかつ長石が溶融しない温度で焼成して使用
する。この焼成によって、長石中に含まれる水分、Fe
2 3 ,TiO2,CaO,MgO,雲母などの低融点
物質や微量不純物が反応して除去される。ここでの温度
が700℃未満であると長石中の低融点物質の除去が不
十分で、かつ焼成に長時間を要する。また、これが12
00℃を超えると長石が分解する場合があり好ましくな
い。焼成温度のさらに好ましい温度範囲は1000〜1
100℃である。例えば、ソ−ダ長石は約1100℃で
溶融するので、この温度以下で焼成する必要がある。こ
うした焼長石はこれを粉砕して粒径0.5〜2.0mmの
範囲とする。これが0.5mm未満であると反応焼結層が
厚くなり、また20mmを超えると長石の表層が溶融し、
粒子が接着するまでに時間がかかり、その間に溶湯が粒
子間に差し込んで凝固状態となる。
【0012】上記の長石に対しカレットを混合する。こ
こで用いるカレットは、珪砂や珪石、これにNa2 O、
2 O、CaO、MgOなどのアルカリ金属またはアル
カリ土類金属を添加したものを溶融し、これを粉砕して
粒径0.5〜2.0mmの範囲としたものを用いる。アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の添加はカレットに対
し5〜30%の範囲とする。
【0013】本願発明のノズル孔閉塞防止材は、上記の
ようした長石と、カレットを混合したものでその配合比
は特に限定されないが、得られたものの耐火度をJIS 22
04で規定したSK01a〜SK2aとすることが条件で
ある。耐火度をSK01a〜SK2aとするための長石
とカレットの配合比は、使用する長石、カレットの種類
などで変動するが、通常、その割合は長石80〜90
%,カレット20〜10%で、例えば正長石を用いた場
合は、長石とカレットの比率は85:15とする。な
お、閉塞防止材の粒度調整は、長石、カレットの別々に
行ってもよいが、両者を混合した後にこれを粉砕して行
ってもよい。
【0014】この発明で耐火度を上記範囲としたことは
重要で、耐火度がSK01a未満であると粘性が低下す
ることとなり、またこれがSK2aを超えると長石単味
に近い耐火度となって、いずれも良好なノズル閉塞防止
材が得られない。
【0015】
【実施例】1000℃で2時間長石を焼成し、これを粉
砕機で粉砕して、粒度0.5〜2.0mm長石の粉末を用
意した。この長石の化学組成は表1の通りであった。
【0016】
【表1】 また、珪砂にNa2 Oを添加し電気溶融し、その固形物
を粉砕し粒度0.5〜2.0mmとしてカレットを得た。
このカレットの化学組成を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】上記の長石粉末85重量%とカレット15
重量%を混合した。この混合物の耐火度をJIS 2204に基
づいて測定したところSK1aであった。このノズル閉
塞防止材を用いてスライドゲ−トノズル装置のノズル孔
に充填した。図1は、その状態を示した説明図である。
図1は、取鍋1の底部のノズル受け部2に設置した上部
ノズル3と、この上部ノズル3の下方に順次設けた固定
盤4、摺動盤5、下部ノズル6とからなるスライドゲ−
トノズル装置7の上部ノズル3および固定盤4のノズル
孔8内に、予め上記のノズル孔閉塞防止材9を充填した
ものである。ノズル孔閉塞防止材9の上表面に形成され
ている被覆層10は、ここに溶融金属が注入された場合
に形成される反応被覆層を想定して示したものである。
【0019】この取鍋1内を予め加温した後、1650
℃の溶融金属を200トン注入し、溶融金属を30〜9
0分間滞留させた後、摺動盤5を摺動してノズル孔8を
開口した。この場合のノズル孔の開口率を測定したとこ
ろ、表3の通りであった。同表には比較例も同時に示し
た。比較例は従来の生長石を使った詰物を用いた。
【0020】なお、図2は、従来のノズル閉塞防止材を
ノズル孔に充填したスライドゲ−トノズル装置の図1と
同様な状態を示した説明図で、10aは溶融反応層、9
aは局部的な溶融反応部を示したものである。
【0021】
【表3】
【0022】表3に示されるように、本発明のノズル閉
塞防止材は、高炭素鋼の溶融金属に60〜110分の長
時間、接触して加圧されてもノズル孔内で凝固せず摺動
盤を摺動してノズル孔を解放すると、速やかに溶融金属
の加圧力でノズル孔から押し出され、溶融金属を流出す
ることが出来る。
【0023】本発明にのノズル孔閉塞防止材を適用でき
る溶融金属流量制御装置は、上記の如くスライドゲ−ト
ノズル装置に限定されるものではなく、ロ−タリ−ノズ
ル方式、その他のものでもよいことは勿論である。
【0024】
【発明の効果】本発明のノズル孔閉塞防止材によれば、
溶融金属の注入時に溶融金属上面に浮上するようなこと
がなく、しかも溶融金属の滞留時間が長くてもノズル孔
内で強固に凝固することもなく、ノズル孔の解放にとも
なって溶融金属をスム−スに流出させることが出来る。
しかも、従来では開口率が特に問題とされた高炭素鋼で
も、ノズルの閉塞を大幅に回避出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のノズル閉塞防止材を用いてスライド
ゲ−トノズル装置のノズル孔に充填した状態を示した説
明図。
【図2】図2は、従来のノズル閉塞防止材をノズル孔に
充填したスライドゲ−トノズル装置の図1と同様な状態
を示した説明図である。
【図3】取鍋に出鋼した溶融金属の、時間と溶融金属の
温度の関係を示した線図。
【符号の説明】
1…取鍋、2…ノズル受け部、3…上部ノズル、4…固
定盤、5…摺動盤、6…下部ノズル、7…スライドゲ−
トノズル装置、8…ノズル孔89…ノズル孔閉塞防止
材、10…被覆層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−182060(JP,A) 特開 昭62−97762(JP,A) 特開 昭62−68673(JP,A) 特開 昭59−47054(JP,A) 特開 昭57−50269(JP,A) 特開 昭52−70941(JP,A) 特開 平2−220767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 41/46 B22D 11/10 340 C04B 35/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 700〜1200℃の温度範囲内でかつ
    長石が溶融しない温度で焼成した長石とカレットからな
    り、耐火度をSK01a〜SK2aとしたことを特徴と
    する溶融金属流量制御装置用ノズル孔閉塞防止材。
  2. 【請求項2】 粒径を0.5〜2.0mmの範囲とした請
    求項1記載の溶融金属流量制御装置用ノズル孔閉塞防止
    材。
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