JP3216575B2 - 取鍋摺動開閉装置の詰砂 - Google Patents

取鍋摺動開閉装置の詰砂

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼用取鍋などの
出湯に用いられるスライディングノズルまたはロータリ
ーノズルなどの取鍋摺動開閉装置の詰砂に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼を受鋼する取鍋は、転炉精錬の後に
行われる炉外精錬および連続鋳造などに用いられ、その
底部には溶鋼出鋼用の摺動開閉装置(スライディングノ
ズルまたはロータリーノズル)が設けられている。この
ような摺動開閉装置を備えた取鍋では、摺動開閉装置の
ノズル内で溶鋼が凝固することを防止するために、溶鋼
を受鋼する前に摺動開閉装置のノズル内に耐火性の詰砂
が充填され、取鍋内に溶鋼が注入された後にノズルを開
くと、自然に詰砂が落下し溶鋼が流出する自然開孔によ
り出鋼している。
【0003】従来、この種の詰砂としては、一般的にシ
リカ砂(SiO2:90〜99%)が用いられている。
また、溶融温度の高いクロム鉱石を原料とし、乾燥・分
級等を行って製造されたクロマイト砂が用いられる場合
もある。
【0004】しかしながら、シリカ砂は溶融温度が低
く、また、クロマイト砂は溶鋼の鋳込み時に焼結してし
まう。このようなことにより、従来の詰砂では、溶鋼に
より焼結層を形成し、孔が開かなくなる不開孔が生じる
ことがあった。そこで、特公昭60−57942号公報
に記載されているように、スライディングノズルの下層
にクロマイト砂を、上層にシリカ砂を充填する技術が一
般的に用いられている。しかし、このような技術によっ
ても不開孔を有効に減少させることはできず、2%前後
の不開孔率が生じる。
【0005】このような不開孔は溶鋼の排出の妨げにな
るため、熟練工が酸素溶解して開孔するという危険な作
業が必要である。したがって、労働災害を防止する観点
から、このような不開孔がほとんど生じないこと、すな
わち自然開孔率がほぼ100%であることが望まれてい
る。
【0006】また、連続鋳造においては、このような不
開孔が生じると、歩留まりが著しく低下するばかりか、
取鍋内の溶鋼を鋳造できないなどの操業上多くの問題が
生じる。
【0007】さらに、転炉で1次精錬を行った後、脱
酸、脱リン、脱硫等のために長時間取鍋で2次精錬する
場合、鋼種によっては7〜8時間も取鍋内で溶鋼が保持
されることがあり、そのためこのような過酷な条件であ
っても自然開孔率が高いことが要求されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたものであって、高い自然開孔率を維持
することができる取鍋摺動開閉装置の詰砂を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い自然
開孔率を維持することができる取鍋摺動開閉装置の詰砂
について検討を重ねた結果、クロマイト砂とシリカ砂と
を一定の割合で配合すると共に、その粒度分布を特定範
囲に規定することにより、詰砂の焼結、熱膨張による棚
吊り、およびスラグ、地金の浸透による不開孔を有効に
防止することができることを見出した。すなわち、クロ
マイト砂とシリカ砂との配合割合、およびこれらの粒度
分布を適切に調整することにより、詰砂が溶鋼などの高
温の溶湯に接触しても焼結しにくく、熱膨張による棚吊
りも発生しにくく、かつ溶湯が浸透しにくいため、高い
自然開孔率を維持することができることを見出した。
【0010】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであり、70〜90重量%のクロマイト砂
と、10〜30重量%のシリカ砂とから実質的になり、
前記クロマイト砂は粒径150〜850μmの範囲のも
のが95%以上、粒径200〜425μmの範囲のもの
が60%以上含まれ、前記シリカ砂は粒径200〜85
0μmの範囲のものが95%以上、粒径300〜600
μmの範囲のものが60%以上含まれていることを特徴
とする取鍋摺動開閉装置の詰砂を提供するものである。
【0011】また、上記詰砂において、前記シリカ砂
が、1.4以下の粒径係数を有することを特徴とする取
鍋摺動開閉装置の詰砂を提供するものである。さらに、
上記いずれかの詰砂において、前記クロマイト砂は、粒
径53μm未満のものが実質的に存在しないことを特徴
とする取鍋摺動開閉装置の詰砂を提供するものである。
【0012】さらにまた、上記いずれかの詰砂におい
て、前記クロマイト砂は、粒径850μmを超えるもの
が実質的に存在しないことを特徴とする取鍋摺動開閉装
置の詰砂を提供するものである。
【0013】さらにまた、上記いずれかの詰砂におい
て、前記シリカ砂は、粒径106μm未満のものが実質
的に存在しないことを特徴とする取鍋開閉装置の詰砂を
提供するものである。
【0014】さらにまた、上記いずれかの詰砂におい
て、前記シリカ砂は、粒径1180μmを超えるものが
実質的に存在しないことを特徴とする取鍋摺動開閉装置
の詰砂を提供するものである。
【0015】さらにまた、上記いずれかの詰砂におい
て、さらに外部添加で0.05〜5重量%のカーボンブ
ラックを配合したことを特徴とする取鍋摺動開閉装置の
詰砂を提供するものである。
【0016】さらにまた、上記詰砂において、前記カー
ボンブラックは、前記シリカ砂にコーティングされた状
態で配合されることを特徴とする取鍋摺動開閉装置の詰
砂を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の取鍋摺動開閉装置の詰砂
は、70〜90重量%のクロマイト砂と、10〜30重
量%のシリカ砂とから実質的になり、前記クロマイト砂
は粒径150〜850μmの範囲のものが95%以上、
粒径200〜425μmの範囲のものが60%以上含ま
れ、前記シリカ砂は粒径200〜850μmの範囲のも
のが95%以上、粒径300〜600μmの範囲のもの
が60%以上含まれていることを特徴とするものであ
る。
【0018】本発明において、クロマイト砂を70〜9
0重量%、シリカ砂を10〜30重量%としたのは、こ
の範囲で配合することにより、耐火性の低いシリカ砂の
欠点および溶鋼により焼結しやすいというクロマイト砂
の欠点の両方を補い、自然開孔率を高いものとできるか
らである。すなわち、クロマイト砂は約2150℃まで
の耐火性を有し、シリカ砂の約1720℃よりも十分に
高く、また、これに10〜30重量%のシリカ砂が配合
されることによりクロマイト砂の焼結しやすいという問
題が解消されるからである。好ましくはクロマイト砂7
5〜85重量%、シリカ砂15〜25重量%である。
【0019】また、クロマイト砂は粒径150〜850
μmの範囲のものが95%以上、粒径200〜425μ
mの範囲のものが60%以上含まれ、シリカ砂は粒径2
00〜850μmの範囲のものが95%以上、粒径30
0〜600μmの範囲のものが60%以上含まれている
ことと規定したのは、このような粒径分布とすることに
より、上述の配合割合と相俟って、過剰な焼結層の生
成、熱膨張による棚吊り、およびスラグ、地金の浸透を
有効に防止することができ、自然開孔率を高いものとす
ることができるからである。すなわち、クロマイト砂お
よびシリカ砂の配合割合を前述のように規定したうえ
で、これらの粒径分布をこのように規定することによ
り、焼結しにくく、しかもスラグ、地金が浸透しないた
め、高い自然開孔率が実現できるのである。
【0020】このように過剰な焼結層の生成、熱膨張に
よる棚吊り、およびスラグ、地金の浸透を有効に防止す
る観点からは、クロマイト砂において、粒径53μm未
満のもの、および/または粒径850μmを超えるもの
が実質的に存在しないことが好ましく、シリカ砂におい
て、粒径106μm未満のもの、および/または粒径1
180μmを超えるものが実質的に存在しないことが好
ましい。
【0021】このように本発明では、クロマイト砂およ
びシリカ砂の均一充填製のみならず、詰砂の焼結性をも
考慮してこれらの配合割合および粒径分布を規定したの
で、自然開孔率を著しく高めることができる。
【0022】ここで、本発明における粒度分布は、JI
Sの鋳物砂の粒度試験方法(Z2602)に準じて測定
した値である。この方法は、ふるいを粗いほうから呼び
寸法順に重ね、一番上すなわち最も目の大きいふるい上
に原料を載せ、ロータータップ型ふるい機等のふるい分
け機械を使用してふるい分けを行う。本発明の場合、ク
ロマイト砂については、粒径150〜850μmの範囲
のものが95%以上、粒径200〜425μmの範囲の
ものが60%以上になるようにふるい分けを行い、シリ
カ砂については、粒径200〜850μmの範囲のもの
が95%以上、粒径300〜600μmの範囲のものが
60%以上となるようにふるい分けを行う。
【0023】本発明で用いるシリカ砂は、粒子径が小さ
くなると耐火性が低下するので、これを防止するため、
シリカ砂として粒径係数を1.4以下のものを使用する
ことが好ましい。シリカ砂の粒径係数が1.4以下であ
れば、シリカ砂がノズル内に残存しにくくなり、棚吊り
の発生を有効に防止することができる。粒径係数のより
好ましい範囲は1.3〜1である。
【0024】なお、ここでいう粒径係数は、砂表面積測
定器(ジョージフィッシャー社製)を用いて算出した値
である。すなわち、粒径係数は、1g当たりの実際の砂
の表面積(比表面積)を、理論的比表面積で割った値で
表す。ここで、理論的比表面積とは、砂粒が全て球形で
あると仮定した場合の比表面積をいう。したがって、粒
径係数が1に近いほど球に近い形状である。
【0025】本発明で使用されるクロマイト砂は、特に
限定されるものではなく、天然に算出されるものを原料
として乾燥・分級等を行って製造してもよいし、天然に
産出されるものをそのまま用いてもよい。クロマイト砂
の成分は、その産地に左右されるが、一般的にはCr2
3を30重量%以上、好ましくは30〜60重量%含
有する。例えば、Cr23を40〜50重量%、FeO
を20〜30重量%、その他、Al23を約15重量%
程度、MgOを約10重量%程度を含有するものが典型
例として挙げられる。
【0026】一方、シリカ砂も特に限定されるものでは
なく、天然に産出されるものを原料として乾燥・分級等
を行って製造してもよいし、天然に産出されるものをそ
のまま用いてもよい。シリカ砂の成分もその産地に左右
されるが、一般的には、SiO2を90重量%以上含有
する。天然砂としては、例えば、オーストラリア産のフ
リーマントル砂や、国産の東北珪砂が挙げられる。な
お、シリカ砂には、Al23、K2O、Na2O等の物質
が含まれていてもよいが、これらはシリカ砂の融点を低
下させ、不開孔の原因となるので、これらが含まれてい
る場合でも1重量%以下であることが好ましい。
【0027】クロマイト砂およびシリカ砂の品質を一定
にするために、磨鉱処理を施した砂を使用してもよい。
また、磨鉱処理を施した砂または施さない砂を2種以上
混合してもよい。
【0028】磨鉱処理には、公知の乾式法、湿式法のい
ずれも適用することができる。乾式法には、原料砂を高
速気流により装置内で上昇させ、衝突板に衝突させるこ
とによって、砂粒相互の衝突と摩擦によって磨鉱処理す
るサンドリクレンマ等のニューマチックスクラバー装
置、高速回転するローター上に原料砂を投入し、その遠
心力で生ずる投射砂と落下する投入砂との間で起こる衝
突と摩擦によって磨鉱処理する高速回転スクラバー装
置、砂同士の摩擦を利用して磨鉱処理するアジテータミ
ル等の高速攪拌機を用いた方法が挙げられる。一方、湿
式法には、羽を回転させたトラフ内の砂粒相互の摩擦に
よって磨鉱処理するトラフ式等の磨鉱機による方法が挙
げられる。
【0029】これら乾式法および湿式法の磨鉱処理の中
では、湿式法を使用することが好ましい。これは、湿式
法を用いることにより、磨鉱処理時の水洗によって所望
の粒度より小さい砂を同時に取り除くことができるから
である。しかしながら、乾式法であっても水洗装置を併
設することにより同様の効果を得ることができる。
【0030】本発明においては、これらクロマイト砂お
よびシリカ砂に対して、さらに外部添加でカーボンブラ
ックを0.05〜5重量%の範囲で配合することが好ま
しい。このようにカーボンブラックを配合することによ
り、出鋼温度1700℃以上、溶鋼リードタイム200
分間以上の、炉外精錬を伴う高温長時間処理において
も、高い自然開孔率を維持することができる。
【0031】すなわち、このようにカーボンブラックを
配合することにより、シリカ砂やクロマイト砂の粒同士
が焼結して結合することを防止することができ、かつそ
の溶鋼侵入防止特性によって溶鋼が詰砂内に侵入するこ
とを防止することができる。したがって、炉外精錬を伴
う高温長時間処理であっても、極めて高い自然開孔率を
得ることができる。
【0032】また、カーボンブラックを配合しなけれ
ば、出鋼温度が1700℃以上と高く、かつ溶鋼滞留時
間が2〜3時間を超えて長時間になる場合に、詰砂がノ
ズル受けレンガ表面に焼結しやすく、そのため、ノズル
受けの酸素洗浄頻度が増加し、それに伴うノズル受けの
寿命低下、または鍋内残鋼による歩留低下を招くおそれ
があるが、カーボンブラックを配合することにより、こ
のような問題も解消される。
【0033】ここで、カーボンブラックの配合量が0.
05重量%未満であると、砂粒子同士の結合防止作用が
不足し、5%を超えるとカーボンの溶鋼へのピックアッ
プ量が多くなりすぎる。したがって、カーボンブラック
を配合する場合には、その配合量を0.05〜5重量%
とする。極低炭素の溶製の際に適用する場合には、カー
ボンの溶鋼へのピックアップ量を極力抑制する必要があ
り、この場合にはカーボンブラックの配合量を1重量%
以下とすることが好ましい。
【0034】本発明の詰砂が適用される取鍋摺動開閉装
置としてはスライディングノズルおよびロータリーノズ
ルが挙げられ、その形状は特に限定されない。用いられ
る溶鋼の種類も限定されるものではない。また、溶鋼の
他の溶湯であっても用いることができる。
【0035】また、本発明の詰砂は上記配合割合であれ
ばその形態は問わず、クロマイト砂とシリカ砂との混合
性が比較的良好であるため別々に摺動開閉装置のノズル
に充填することが可能ではあるが、予め均一に混合した
ものを充填するほうが作業性の向上等の観点から好まし
い。
【0036】カーボンブラックを配合する場合にも、そ
の配合形態は問わないが、カーボンブラックにバインダ
ー等により適度な粘性を持たせ、予めカーボンブラック
をシリカ砂の表面にコーティングしておき、これとクロ
マイト砂とを均一に混合して用いることが好ましい。こ
れによりカーボンブラックの均一分散を図ることができ
るとともに、シリカ砂の焼結を一層有効に防止すること
ができる。なお、ここでいうコーティングは、カーボン
ブラック粒子をシリカ砂粒子の表面に付着させることを
意図しており、必ずしもカーボンブラックの層が形成さ
れている必要はない。また、クロマイト砂にカーボンブ
ラックをコーティングしてもよく、シリカ砂およびクロ
マイト砂の両方にコーティングしてもよい。
【0037】本発明の詰め砂が適用される摺動開閉装置
の一例としてのスライディングノズルの構造を図1に示
す。スライディングノズル10は、上ノズル3と、それ
を側方から支持するノズル受けレンガ2と、上ノズル3
を下方から支持する固定盤4と、固定盤4に対して摺動
可能に設けられた摺動盤5と、摺動盤5の下に取り付け
られた下部ノズル6とを備えている。そして、上ノズル
3で規定されるノズル孔7内には本発明の詰砂1が充填
される。図示するように、スライディングノズル10が
閉状態で取鍋に溶鋼が注入される。溶鋼の注入が終了し
た時点で、摺動盤5を移動することによりスライディン
グノズルが開かれる。この状態で詰砂が落下しノズル孔
7が自然開孔する。なお、ロータリーノズルも基本構造
は同様であり、摺動盤が回転可能になっている点が異な
るのみである。
【0038】本発明の詰砂は、上述したように、溶鋼な
どの高温の溶湯に接触しても焼結しにくく、熱膨張によ
る棚吊りも発生しにくく、かつ溶湯が浸透しにくいた
め、自然開孔率を99.5%以上、さらにはほぼ100
%にも高めることができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。クロマイト砂、シリカ砂を表1のように配合した
詰砂を、250t取鍋の底に設けられた摺動開閉装置の
ノズル径75mmφのノズル孔に充填し、1000チャ
ージにおける自然開孔率を測定した。なお、ここでは、
ほぼ全チャージが通常の連続鋳造に適用したものであ
る。表1中、実施例1,2は本発明の範囲を満たすもの
であり、比較例1はシリカ砂の粒径分布が本発明の範囲
から外れるもの、比較例2はクロマイト砂の粒径分布が
本発明の範囲から外れるもの、比較例3はクロマイト砂
とシリカ砂の配合割合が本発明の範囲から外れるもの、
比較例4はシリカ砂単独のもの、比較例5はクロマイト
砂単独のものである。
【0040】
【表1】
【0041】その結果、実施例1では自然開孔率が10
0%となり、実施例2では粗粉、微粉が多いため、実施
例1より自然開孔率が若干低下したが、99.6%とい
う高い値が得られた。
【0042】これに対して、粒径分布が本発明の範囲か
ら外れる比較例1,2は、自然開孔率が99.0%であ
り、十分な自然開孔率が得られなかった。また、配合が
本発明の範囲〜外れる比較例3は、98.6%の低い自
然開孔率であった。さらに、シリカ砂単独およびクロマ
イト砂単独の比較例4,5は、自然開孔率がそれぞれ9
7.8%、98.4%とやはり低い自然開孔率であっ
た。なお、図2に実施例1の詰砂のクロマイト砂および
シリカ砂の粒径分布を示す。
【0043】次に、実施例1の詰砂、および実施例1の
詰砂に対して外部添加でカーボンをそれぞれ0.1、
0.5 、3重量%配合した詰砂を、250t取鍋の底
に設けられた摺動開閉装置のノズル径75mmφのノズ
ル孔に充填し、1000チャージにおける自然開孔率を
測定した。ここでは、高級鋼の炉外精錬に相当する出鋼
温度1700℃以上、溶鋼リードタイム200分間以上
という過酷な条件の割合が10%以上と高いものとし
た。また、カーボンブラックについては平均粒径40n
mのものを用いた。
【0044】その結果、実施例1については、99.8
%の自然開孔率を示したが、詰砂がノズル受けレンガ表
面に焼結する頻度が高く、ノズル受けの酸素洗浄頻度が
高いものとなった。これに対して、カーボンブラックを
0.1、0.5 、3重量%配合したものは、100%
の自然開孔率を示し、詰砂のノズル受けレンガ表面への
焼結の頻度も低かった。
【0045】以上のように、本発明の詰砂を用いること
により、高い自然開孔率が達成できることが確認され
た。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クロマイト砂とシリカ砂との配合割合、およびこれらの
粒径分布を適切に調整することにより、溶鋼などの高温
の溶湯に接触しても焼結しにくく、熱膨張による棚吊り
が生じにくく、かつ溶湯が浸透しにくいため、高い自然
開孔率を維持することができる取鍋摺動開閉装置の詰砂
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の詰砂が適用される摺動開閉装置の一例
としてのスライディングノズルを示す断面図。
【図2】本発明の実施例1に係る詰砂のクロマイト砂お
よびシリカ砂の粒径分布を示す図。
【符号の説明】
1……詰砂、 2……ノズル受レンガ 3……上部ノズル、 4……固定盤 5……摺動盤、 6……下部ノズル 7……ノズル孔、 10……スライディングノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 健司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中嶋 廣久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 赤井 真一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−47863(JP,A) 特開 平1−271058(JP,A) 特開 平6−71424(JP,A) 特開 平4−84664(JP,A) 特開 昭57−139466(JP,A) 特開 昭54−5828(JP,A) 特開 平7−251261(JP,A) 特開 昭61−10054(JP,A) 特開 平5−8022(JP,A) 国際公開97/5978(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 41/46 B22D 11/10 340 C21C 7/00 F27D 3/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 70〜90重量%のクロマイト砂と、1
    0〜30重量%のシリカ砂とから実質的になり、前記ク
    ロマイト砂は粒径150〜850μmの範囲のものが9
    5%以上、粒径200〜425μmの範囲のものが60
    %以上含まれ、前記シリカ砂は粒径200〜850μm
    の範囲のものが95%以上、粒径300〜600μmの
    範囲のものが60%以上含まれていることを特徴とする
    取鍋摺動開閉装置の詰砂。
  2. 【請求項2】 前記シリカ砂が、1.4以下の粒径係数
    を有することを特徴とする請求項1に記載の取鍋摺動開
    閉装置の詰砂。
  3. 【請求項3】 前記クロマイト砂は、粒径53μm未満
    のものが実質的に存在しないことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の取鍋摺動開閉装置の詰砂。
  4. 【請求項4】 前記クロマイト砂は、粒径850μmを
    超えるものが実質的に存在しないことを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の取鍋摺動開
    閉装置の詰砂。
  5. 【請求項5】 前記シリカ砂は、粒径106μm未満の
    ものが実質的に存在しないことを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のいずれか1項に記載の取鍋開閉装置の詰
    砂。
  6. 【請求項6】 前記シリカ砂は粒径1180μmを超え
    るものが実質的に存在しないことを特徴とする請求項1
    ないし請求項5のいずれか1項に記載の取鍋摺動開閉装
    置の詰砂。
  7. 【請求項7】 さらに外部添加で0.05〜5重量%の
    カーボンブラックを配合したことを特徴とする請求項1
    ないし請求項6のいずれか1項に記載の取鍋摺動開閉装
    置の詰砂。
  8. 【請求項8】 前記カーボンブラックは、前記シリカ砂
    にコーティングされた状態で配合されることを特徴とす
    る請求項7に記載の取鍋摺動開閉装置の詰砂。
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