JP2842012B2 - 浸漬ノズル用酸化防止剤 - Google Patents

浸漬ノズル用酸化防止剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大型鋳片の連続鋳造に
おいてタンディッシュから鋳型に溶鋼を供給するのに使
用される浸漬ノズルに塗布するための酸化防止剤、特に
Ti入り極低炭素鋼を連続鋳造する場合に好適な浸漬ノズ
ル用酸化防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】浸漬ノズルには、高耐火性で熱衝撃に強
いという熱機械的特性の他に、ノズルの溶鋼による濡れ
を抑制して円滑に溶鋼を鋳型に送給するために「溶鋼濡
れ性」が低いことが要求され、このような要求を満たす
材料としてアルミナ黒鉛質または溶融石英質ノズルが一
般に使用されている。それでも、溶鋼中の主にAl2O3
らなる介在物がノズル内面、特に非浸漬部の温度勾配の
大きな部分と吐出口付近とに付着して、ノズル詰まりを
起こすことがある。
【0003】この浸漬ノズルの閉塞の問題は、特に低炭
素鋼や極低炭素素鋼の連続鋳造において顕著であり、製
品の疵の原因となったり、鋳造作業の持続を阻害するこ
とから、大きな問題となっている。特にTi入りの極低炭
素鋼は、通常の極低炭素鋼より浸漬ノズルの閉塞が起こ
り易い。これは、Ti添加により溶鋼の粘度が増大し、Al
2O3 介在物の浮上が抑制されることも要因の一つであ
る。別の要因として、ノズルに付着したAl2O3 介在物の
粒子間を通って溶鋼が排出される時に、溶鋼にTiが添加
されているとAl2O3 介在物の溶鋼との濡れ性が高くな
り、溶鋼の排出が抑制されることにも起因する。
【0004】このようにして起こる浸漬ノズルの閉塞防
止または低減の目的で、浸漬ノズル内面に酸化防止剤を
塗布する方策が取られている。酸化防止剤としては、A
、SiO、CaOを主とする混合粉末を適当
な結合剤(例、水ガラス)で結合したものが多く使用さ
れている。そして、酸化防止剤の塗布方法に工夫をこら
したり、酸化防止剤と浸漬ノズル内の溶鋼とが接触しな
いように不活性ガスを浸漬ノズル内に吹き込むといった
種々の提案がこれまでになされている(例えば、特開昭
52−19117号各公報参照)。
【0005】しかし、これらの手段でも十分とは言えな
い。特に、不活性ガスの吹き込みは鋼中のピンホールの
原因となる可能性がある。従って、浸漬ノズルの閉塞の
問題の根本的な解決には至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特にTi入り
極低炭素鋼を鋳造する場合に浸漬ノズルの閉塞を防止ま
たは低減し、同時に鋼中の介在物低減に有効な浸漬ノズ
ル用酸化防止剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶鋼をA
l脱酸するに当たり、溶鋼にテルル(Te)を添加して
おくと、析出したAl介在物が溶鋼で濡れにくく
なることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
させた。ここに、本発明は、Teの酸化物および複合酸
化物から選ばれた少なくとも1種のTe化合物を、Te
に換算して5重量%以下の量で含有することを特徴
とする、浸漬ノズル塗布用酸化防止剤を要旨とする。
【0008】
【作用】以下、本発明の構成をその作用とともに説明す
る。本発明の浸漬ノズル用酸化防止剤は、テルルの酸化
物および複合酸化物から選ばれた少なくとも1種の化合
物を含有させた点を除いて、従来の浸漬ノズル用酸化防
止剤と同様でよい。即ち、酸化防止剤のベース原料およ
び結合剤は、従来より浸漬ノズル用に使用されてきた酸
化防止剤ベース原料と結合剤をそのまま使用できる。ベ
ース原料の例は、Al2O3 、SiO2、CaO などの酸化物や複
合酸化物の1種もしくは2種以上、通常は2種以上の粉
末であり、その粒度も従来と同様でよい。例えば、珪藻
土、アルミナ、ソーダガラス、セメント、珪石などを適
宜混合すればよい。
【0009】結合剤の例は、水ガラス、リグニンなどで
あり、特に水ガラスが望ましい。結合剤の量は、得られ
る混合物が塗布に適した粘性を持つようにするのに十分
な量であればよく、特に制限されない。
【0010】好適態様において、本発明の浸漬ノズル用
酸化防止剤は上塗り用と下塗り用の2種類を用意する。
従来より、浸漬ノズル用酸化防止剤は、鋳込み前の予備
加熱で溶融し、ノズル全面を滑らかに覆わせるための比
較的低融点の上塗り用と、鋳込み中に融解し、ノズル−
メタル界面を覆わせるための下塗り用の2種類を用いる
ことが行われてきた。本発明では、この上塗り、下塗り
の酸化防止剤のいずれにもTeを含有させるのが好ましい
が、いずれか一方だけに添加してもある程度の効果はあ
る。ノズルに直接塗る下塗り用は、例えばSiO2 42 %、
CaO 58%の高塩基性混合物にTeの酸化物および複合酸化
物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含有させ
たものである。下塗り用の上に塗る上塗り用は、例えば
SiO2 62%、CaO 24%、Al2O3 14%のシリカ主体の混合
物にTeの酸化物および複合酸化物から選ばれた少なくと
も1種以上の化合物を含有させたものである。
【0011】本発明で用いるTeの酸化物としては、TeO,
TeO2, TeO3 などが例示される。Teの複合酸化物として
は、 TeO・SiO2, 2TeO・SiO2, 4TeO・3SiO2 などが例示
されるが、これ以外のものも使用可能である。これらの
Te化合物の平均粒度は、酸化防止剤中に均一に分散させ
るために50μm以下とすることが好ましい。
【0012】本発明の酸化防止剤は、ベース原料と結合
剤とTe化合物とを混合することにより調製される。この
酸化防止剤の使用方法は従来と同様でよい。即ち、酸化
防止剤を浸漬ノズルの内面に塗布し、必要に応じて加熱
乾燥して、被覆を形成する。酸化防止剤の塗布量は、酸
化防止剤中のTe化合物の含有量、塗布当たりの溶鋼鋳造
量などの条件に応じて異なるが、一般には、溶鋼100ton
につき0.25〜0.4 g/m2の範囲内であろう。本発明の酸化
防止剤は、特にジルコニアグラファイトノズルに有効で
ある。
【0013】本発明の酸化防止剤を浸漬ノズルに塗布し
ておくと、ノズルを通る溶鋼流れと接触して酸化防止剤
が徐々に溶鋼中に溶け込み、溶鋼にTeが混入する。本発
明の酸化防止剤により、極低炭素鋼、特にTi入り極低炭
素鋼の鋳造時の浸漬ノズルの閉塞が抑制されるのは、Al
脱酸した溶鋼にTeが混入すると、Al2O3 介在物と溶鋼の
濡れ性が低下し、Al2O3 粒子間の溶鋼の排出が促進され
るためではないかと推測される。
【0014】図1に、後出の実施例で使用した従来の酸
化防止剤A (組成は実施例1の表1に示した通り) を塗
布した浸漬ノズルと、この酸化防止剤に対して本発明に
よりTeO2を10重量%までの量で添加した酸化防止剤を塗
布した浸漬ノズルをそれぞれ使用して溶鋼を流した時
の、浸漬ノズルへの介在物付着厚さを、酸化防止剤中の
TeO2の含有量との関係として示す。この図から、Te化合
物の添加効果は、添加量がTeO2に換算して5重量%を超
えると飽和し、有意差が認められなくなる。
【0015】一方、前述したように、本発明の酸化防止
剤を使用すると溶鋼中にTeが溶出する。Teはイオウ
(S)と同属元素であり、Teの溶出量が多くなると鋼
の品質にSと同様の悪影響がある。従って、酸化防止剤
中のTe化合物の含有量については、鋼中のTeの許容
量からも制限を受ける。極低炭素鋼に許容されるS量の
上限は、一般に0.006重量%である。TeとSが等
価であるとみなすと、鋼中のTeの最大許容量はやはり
0.006重量%、好ましくは0.002重量%以下で
あろう。従って、酸化防止剤中のTeが全て鋳造中に溶
鋼に移行したとしても、溶鋼のTe含有量がこの量を超
えないことが必要である。この点および上記の効果、さ
らにはTe化合物の価格を考慮して、酸化防止剤中のT
e化合物の含有量を、TeOに換算して5重量%以下
に制限した。Te化合物の含有量の下限については特に
制限はないが、TeOに換算して0.5重量%以上
することが好ましい。
【0016】例えば、TeO2の含有量が5重量%の酸化防
止剤530 gを浸漬ノズルに塗布して、30 tonの溶鋼の鋳
造に使用した時の溶鋼中のTe濃度は、酸化防止剤中のTe
が全て溶鋼中に移行すると仮定すると、 {530 ×10-6×0.05×127.6 /159.6 /30}×100 なる計算式より、 7.0×10-5 (=0.00007)重量%とな
り、十分に極低炭素鋼のS量の許容範囲内である。
【0017】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中、%は特に指定のない限り重量%である。
下記の表1に示した従来の酸化防止剤Aと、TeO2を1%
添加した本発明の酸化防止剤Bを塗布した浸漬ノズルを
使用し、表2に示す組成の溶鋼をT/D容量30tonで2
回続けて鋳型に流すことにより連続鋳造試験を行った。
ノズル内面への酸化防止剤の塗布量はAは 530g、Bは
上塗り 110g、下塗り 420gとした。使用した酸化防止
剤Aは、珪藻土、アルミナ、ソーダガラス、セメント、
珪石等の粉末 (平均粒度 150μm) を結合剤の水ガラス
と混合したものであり、酸化防止剤Bは、TeO2 (平均粒
度 30 μm) を1%添加したものである。
【0018】酸化防止剤AおよびBのいずれを塗布した
場合にも、ノズル閉塞などの事故なしに60 tonの鋳造を
行うことができた。試験後、ノズル内面における介在物
の付着厚さをノズル吐出口で測定した。介在物の付着厚
さは、従来の酸化防止剤Aを塗布した場合には15.5 mm
であったが、本発明の酸化防止剤Bを塗布した場合には
9.1 mmに低減した。従って、本発明により、浸漬ノズル
への介在物の付着が著しく改善された。このように介在
物の付着厚さが減少したのは、鋼中にTeが溶出し、Al2O
3 介在物の溶鋼による濡れ性が低下して、溶鋼表面にAl
2O3 介在物を排出されやすくなるためである。そこでAl
2O3 吸収能の高い酸化防止剤をノズル表面に塗布するこ
とにより、ノズル面に排出された溶鋼中のAl2O3 は酸化
防止剤に吸収される。このためノズルへの介在物付着量
は減少し、溶鋼の清浄度も向上する。
【0019】一方、上記の鋳造試験において、ノズル通
過後の溶鋼の試料を採取し、成分を分析した結果を表3
に示す。表3から判るように、本発明の酸化防止剤を塗
布した場合と従来の酸化防止剤を塗布した場合で、溶鋼
の組成に著しい違いはない。また、溶鋼中に溶出したTe
量は0.0003%であり、Sの許容量に比べて著しく少な
く、鋼の品質に悪影響を及ぼす量ではない。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明の酸化防止剤を連続鋳造中に浸漬
ノズルに塗布しておくことで、極低炭素鋼、特にTi入り
の極低炭素鋼の鋳造時に浸漬ノズルへの介在物の付着が
従来よりも大幅に抑制され、この種の鋼の連続鋳造を阻
害する大きな原因であったノズルの閉塞によるトラブル
を防ぐのに有効であり、鋳造作業が非常に円滑に進行す
るようになる。同時に鋼中の介在物量も低減し、高品質
の鋳片が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】TeO2無添加およびTeO2を各種の量で添加した酸
化防止剤を浸漬ノズルに塗布して溶鋼をノズルに流した
時の、浸漬ノズルへの介在物の付着厚さを酸化防止剤中
のTeO2量との関係で示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テルルの酸化物および複合酸化物から選
    ばれた少なくとも1種のテルル化合物を、TeOに換
    算して5重量%以下の量で含有することを特徴とする、
    浸漬ノズル塗布用酸化防止剤。
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