JPH0848567A - グリーンシート成形用セラミック泥漿物及びグリーンシート - Google Patents

グリーンシート成形用セラミック泥漿物及びグリーンシート

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JPH0848567A
JPH0848567A JP6188335A JP18833594A JPH0848567A JP H0848567 A JPH0848567 A JP H0848567A JP 6188335 A JP6188335 A JP 6188335A JP 18833594 A JP18833594 A JP 18833594A JP H0848567 A JPH0848567 A JP H0848567A
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polyvinyl acetal
acetal resin
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Yoshitaka Miyake
祥隆 三宅
Takashi Kamiyama
隆司 上山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布を広げ
ることにより、低重合度のもので、溶液粘度を下げて泥
漿物の分散性を高め、高重合度のもので成形したグリー
ンシートの強度を向上させクラックを入りにくくした、
グリーンシート成形用セラミック泥漿物及びグリーンシ
ートを得る。 【構成】少なくとも2種以上の重合度の異なるポリビニ
ルアセタール樹脂をブレンドして、又は少なくとも2種
以上の重合度の異なるポリビニルアルコールをブレンド
してアセタール化し、見掛け重合度を300〜1200
としたポリビニルアセタール樹脂と、セラミック粉末と
可塑剤とを配合し、これを水又は有機溶剤に溶解させる
ことにより、目的の泥漿物を得る。この泥漿物をシート
状に賦形した後乾燥して目的のグリーンシートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、グリーンシート成形
用セラミック泥漿物及びそれを用いて得られるグリーン
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】セラミック回路基板は、電子部品に広く
使用されている。この種のセラミック回路基板は、一般
に次のような工程を経て製造される。
【0003】先ず、バインダー樹脂と可塑剤とを含有す
る溶液にセラミック粉末を加え、均一に混合し脱泡して
セラミック泥漿物を調製する。次いで、このセラミック
泥漿物を剥離性の支持体上に塗布し、これを加熱して乾
燥させた後、支持体から剥離してグリーンシートを得
る。
【0004】そして、上記グリーンシートを所定の形状
に打ち抜き、その表面に所定の回路を印刷し、これを必
要に応じて複数枚積層して熱圧着し、これを高温で加熱
してバインダー樹脂を分解させ、さらに高温で加熱して
セラミック粉末を焼結させてセラミック回路基板を得
る。
【0005】この種のグリーンシートには、ハンドリン
グ性を良くするために、柔軟性の良いものが要求され
る。このような性能を改善するために、セラミック泥漿
物の調製に用いるバインダー樹脂として、水溶性或いは
有機溶剤溶解性(水不溶性)のポリビニルアセタール樹
脂、例えばポリビニルブチラール樹脂を用いることが知
られている(例えば、特開平3−197511号公報、
特開平3−200805号公報、特開平4−17526
1号公報及び特開平4−178404号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の小型
化にともない、セラミック回路基板を小型大容量化する
ことが求められている。その方策として、従来のものに
比べてより微細な粒径のセラミック粉末(例えば粒径が
1μm以下)を用いて得られる薄層のグリーンシート
(例えば10μm以下)の使用が試みられている。
【0007】ところが、このような薄層のグリーンシー
トを製造するために、水溶性或いは有機溶剤溶解性(水
不溶性)のポリビニルアセタール樹脂に、微細な粒径の
セラミック粉末を混合する場合、セラミック粉末の分散
性が十分でなかったり、またグリーンシートの強度が十
分でなくクラックが入ったりして均質な薄層グリーンシ
ートを得ることが困難である。
【0008】この発明は、上記問題を解決するもので、
その目的とするところは、セラミック粉末の分散性を高
め、クラックが入らないグリーンシートの強度を保つこ
とができ、塗工作業性が良好なグリーンシート成形用セ
ラミック泥漿物及びグリーンシートを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明のグリーンシート成形用セラミック泥漿
物は、少なくとも2種類以上の重合度の異なるポリビニ
ルアセタール樹脂が混合されてなり、見掛け重合度が3
00〜1200である混合ポリビニルアセタール樹脂、
または、少なくとも2種類以上の重合度の異なるポリビ
ニルアルコールが混合された混合ポリビニルアルコール
がアセタール化されてなり、見掛け重合度が300〜1
200であるポリビニルアセタール樹脂と、セラミック
粉末と、可塑剤とを含有するものである(請求項1の発
明)。
【0010】また、この発明のグリーンシートは、上記
のグリーンシート成形用セラミック泥漿物をシート状に
賦形した後、乾燥させて得るものである(請求項2の発
明)。
【0011】この発明で用いるポリビニルアセタール樹
脂は、少なくとも2種類以上の重合度の異なるポリビニ
ルアセタール樹脂をブレンドするか、もしくは少なくと
も2種類以上の重合度の異なるポリビニルアルコールを
ブレンドしてアセタール化するか、または一定の重合度
のポリビニルアルコールを少なくとも2種類以上それぞ
れ別系でアセタール化した後ブレンドすることにより、
見掛け重合度を300〜1200とする。合成されたポ
リビニルアセタール樹脂は重合度が300未満ではグリ
ーンシート成形時のシート強度がなくクラックが入りや
すく、逆に重合度が1200を超えると泥漿物の溶液粘
度が高くなり過ぎ分散性が悪く均質な泥漿物が得られな
い。またブレンド比は出来上がりのポリビニルアセター
ル樹脂の見掛け重合度が300〜1200の範囲であれ
ば特に限定されるものではない。
【0012】このようなポリビニルアセタール樹脂は、
ポリビニルアルコールの水溶液に各種のアルデヒドを添
加し、公知の方法でアセタール化反応を行うことによっ
て合成することができる。
【0013】用いるポリビニルアルコールは、重合度が
200〜3500、ケン化度が75〜99.8モル%の
ものが好ましい。重合度が200未満ではポリビニルア
ルコールの合成が難しくなり、逆に重合度が3500を
超えると、これを水溶液とした時にその粘度が高くなり
過ぎる。また、ケン化度が75モル%未満では水への溶
解性が充分でなく、逆にケン化度が99.8モル%を超
えると、ポリビニルアルコールの合成が難しくなるから
である。
【0014】ポリビニルアルコールのアセタール化に用
いるアルデヒドとしては、例えばホルムアルデヒド(パ
ラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラ
アセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒ
ド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒ
ド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオ
キサール、グルタルアルデヒド等が挙げられ、これ等の
アルデヒドが単独で或いは二種以上を組み合わせて用い
られる。特に、アセトアルデヒド及び/又はブチルアル
デヒドでアセタール化したものが好ましい。
【0015】ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化
度は、単独アルデヒド、混合アルデヒドのいずれを用い
る場合でも、一般に全アセタール化度で3〜80モル%
の範囲が好ましい。全アセタール化度が3モル%未満で
は樹脂の可撓性が乏しくなり、逆に全アセタール化度が
80を越えると、残存水酸基が少なくなってセラミック
粉末との分散性が低下する。ここで、全アセタール化度
が一般に55モル%以下では樹脂が水溶性となり、全ア
セタール化度が一般に55モル%以上では樹脂が水不溶
性で有機溶剤溶解性となる。
【0016】この発明に用いるポリビニルアセタール樹
脂の製造方法の一例を、より具体的に説明する。先ず、
上記ポリビニルアルコールを水に溶解させる。次に、塩
酸のような酸触媒の存在で、前記のアセタール化度を与
えるように、所定量のアルデヒド、好ましくはアセトア
ルデヒド及び/又はブチルアルデヒドと反応させた後、
水酸化ナトリウム等のアルカリで中和し、水洗、乾燥を
行う。こうして、この発明に用いるポリビニルアセター
ル樹脂が得られる。
【0017】この発明のグリーンシート成形用セラミッ
ク泥漿物は、上記特定の見掛け重合度を有するポリビニ
ルアセタール樹脂と、セラミック粉末と、可塑剤とを配
合し、これを常法により水又は有機溶剤に均一に溶解さ
せることにより調製される。
【0018】ポリビニルアセタール樹脂は、セラミック
泥漿物中に3〜15重量%の範囲で配合するのが好まし
い。樹脂の配合量が15重量%を超えると、セラミック
泥漿物の粘度が高くなり過ぎて分散性が低下し、また得
られるグリーンシートを焼成する際にシートの収縮率が
大きくなる。逆に、樹脂の配合量が3重量%未満では、
セラミック粉末全体にポリビニルアセタール樹脂を分散
させるには不充分となり、得られるグリーンシートの柔
軟性が充分でなく、焼成後にクラック等が発生しやすく
なる。
【0019】セラミック粉末としては、従来よりセラミ
ックグリーンシートを製造するのに用いられているセラ
ミック粉末が使用される。このようなセラミック粉末と
しては、例えば、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、マ
グネシア、サイアロン、スピネルムライト、結晶化ガラ
ス、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の粉
末が挙げられる。
【0020】また、これ等のセラミック粉末に、MgO
−SiO2 −CaO系、B2 3 −SiO2 系、PbO
−B2 3 −SiO2 系、CaO−SiO2 −MgO−
23 系またはPbO−SiO2 −B2 3 −CaO
系等のガラスフリットを添加してもよい。
【0021】特に、薄層のグリーンシート(例えば10
μm以下)を得るために、より微細な粒径のセラミック
粉末(例えば粒径が1μm以下)を用いるのが好まし
い。
【0022】上記のセラミック粉末は、セラミック泥漿
物中に30〜80重量%の範囲で配合するのが好まし
い。セラミック粉末の配合量が80重量%を超えると、
セラミック泥漿物の粘度が高くなり過ぎて混練性が低下
する。逆に、セラミック粉末の配合量が30重量%未満
では、セラミック泥漿物の粘度が低くなり過ぎてシート
を成形する際のハンドリング性が悪くなる。
【0023】可塑剤としては、ポリビニルアセタール樹
脂との相溶性に優れているものであれば、任意の可塑剤
を用いることができる。樹脂が水溶性の場合、可塑剤と
して、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン、ヘキサメチレングリコールなどが用いられる。
【0024】樹脂が有機溶剤溶解性(水不溶性)の場
合、可塑剤として、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオク
チル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル
等のフタル酸エステル系、リン酸トリクレジル、リン酸
トリブチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル系、
リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジオクチル等の樹脂酸エステル系、ブチルフタ
リルグリコレート、トリエチレングリコール−2−エチ
ルブチレート等のグリコール誘導体などが用いられる。
【0025】上記可塑剤は、セラミック泥漿物中に0.
1〜10重量%の範囲で配合するのが好ましい。可塑剤
の配合量が10重量%を超えると、シートを成形する際
のハンドリング性が悪くなる。逆に、可塑剤の配合量が
0.1重量%未満では、可塑剤を配合したことによるシ
ートの柔軟性が充分に得られない。
【0026】水又は有機溶剤は、ポリビニルアセタール
樹脂を溶解し、セラミック泥漿物に適度な混練性を与え
るもので、セラミック泥漿物中に20〜80重量%の範
囲で使用するのが好ましい。有機溶剤で溶解する場合
は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタ
ノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が用いられ
る。
【0027】水を溶媒として用いる場合は、有機溶剤を
溶媒として用いる場合に比べ、火災や環境問題の発生が
ない利点がある。また、有機溶剤を溶媒として用いる場
合は、水を溶媒として用いる場合に比べ、セラミック泥
漿物の乾燥を早く行うことができ、グリーンシートの生
産性が向上する利点がある。
【0028】なお、この発明のセラミック泥漿物には、
目的を達成し得る範囲内で、必要に応じて、潤滑剤、解
膠剤、濡れ剤、帯電防止剤、消泡剤、乾燥促進剤などを
含有させてもよい。
【0029】こうして得られるグリーンシート成形用セ
ラミック泥漿物は、必要に応じて脱泡した後、剥離性の
ポリエステルフィルム等の支持体上に塗布され、加熱、
乾燥により水又は有機溶剤が除去され、その後支持体か
ら剥離されグリーンシートが製造される。
【0030】このグリーンシートを用いて、ハイブリッ
ド型の多層セラミック回路基板を得るには、グリーンシ
ートを所定の形状及び寸法に打ち抜き、その表面に回路
を印刷し、このグリーンシートを複数枚、例えば数十枚
積層し、これを熱圧着することにより一体化し積層体を
得る。そして、この積層体を高温(例えば600℃程
度)に加熱してバインダー樹脂をほぼ完全に分解させ、
さらに高温(例えば1600℃程度)に加熱してセラミ
ック粉末を焼結させ、ハイブリッド型の多層セラミック
回路基板を得る。
【0031】
【作用】バインダー樹脂として、前記した少なくとも2
種類以上の重合度の異なるポリビニルアセタール樹脂を
ブレンド、もしくは少なくとも2種類以上の重合度の異
なるポリビニルアルコールをブレンドしてアセタール化
し、見掛け重合度を300〜1200とすることで、す
なわち分子量分布を広げることで低重合度のもので溶液
粘度を下げることにより泥漿物の分散性を高め、また高
重合度のもので成形したグリーンシートの強度を向上さ
せクラックが入りにくくすることができる。
【0032】さらにアセタール環の立体障害に起因する
結晶化や水酸基相互の分子間水素結合の形成が抑制され
るので、この発明のグリーンシート成形用セラミック泥
漿物は経時での粘度変化も生じにくく、塗工作業性が良
好なグリーンシート成形用セラミック泥漿物及びグリー
ンシートが得られる。
【0033】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を挙げ
る。
【0034】(実施例1)ポリビニルアセタール樹脂の製造 重合度300、ケン化度98モル%のポリビニルアルコ
ール81gと重合度1000、ケン化度98モル%のポ
リビニルアルコール112gを純水2900gに加え
(見掛け重合度600)、90℃の温度で約2時間攪拌
し溶解させた。この溶液を28℃に冷却し、これに濃度
35重量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド11
2gとを添加し液温を20℃に下げてこの温度を保持し
てアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。
その後、液温を30℃に5時間保持して反応を完了さ
せ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニル
アセタール樹脂の白色粉末を得た。
【0035】得られたポリビニルアセタール樹脂をDM
SO−d6 (ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13
−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール
化度(ブチラール化度)を測定したところ、ブチラール
化度は67モル%であった。
【0036】セラミック泥漿物の製造 このポリビニルアセタール樹脂10重量部を、トルエン
30重量部とメチルエチルケトン15重量部との混合溶
剤に加え攪拌溶解した。この樹脂溶液に、可塑剤として
ジブチルフタレート5重量部を加え攪拌溶解した。こう
して得られた樹脂溶液に、セラミック粉末としてアルミ
ナ粉末(平均粒径0.3μm)100重量部を加え、ボ
ールミルで48時間混合してアルミナ粉末を分散させた
セラミック泥漿物を得た。
【0037】グリーンシートの製造 このセラミック泥漿物を、離型処理したポリエステルフ
ィルム上に約12μm程度に塗布し、常温で30分間風
乾し、さらに熱風乾燥器で60〜80℃で1時間乾燥さ
せて有機溶剤を蒸発させて、厚さ8μmの薄層のグリー
ンシートを得た。
【0038】セラミック泥漿物及びグリーンシートの柔
軟性、分散性、クラックの有無の性能評価結果を表1に
示す。
【0039】なお該性能評価は、下記基準により行っ
た。
【0040】クラックの有無 グリーンシートのクラックの有無を目視により調べ、◎
(クラックなし)、×(クラックあり)の2水準で評価
した。
【0041】柔軟性 グリーンシートの柔軟性を手触りにより調べ、◎(極め
て良好)、○(良好)、良(△)、×(悪い)の4水準
で評価した。
【0042】分散性 セラミック泥漿物の分散性を目視により調べ、◎(極め
て良好)、○(良好)、良(△)、×(悪い)の4水準
で評価した。
【0043】(実施例2〜3,比較例1〜3)ポリビニ
ルアルコールの重合度、ケン化度、アルデヒドの種類、
アセタール化度、樹脂のブレンド方法及びセラミック粉
末の平均粒径を表1に示すように変更した以外は実施例
1と同様の方法により、セラミック泥漿物およびグリー
ンシートを製造した。該物質の性能評価結果を表1に示
す。
【0044】(実施例4)ポリビニルアセタール樹脂の製造 重合度300、ケン化度98モル%のポリビニルアルコ
ール193gを純水2900gに加え、90℃の温度で
約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を28℃に冷却
し、これに濃度35重量%の塩酸201gとn−ブチル
アルデヒド112gとを添加し液温を20℃に下げ、こ
の温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物
を析出させた。その後、液温を30℃に5時間保持して
反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経
て、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。
【0045】得られたポリビニルアセタール樹脂をDM
SO−d6 (ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13
−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール
化度(ブチラール化度)を測定したところ、ブチラール
化度は67モル%であった。
【0046】同様に重合度1000、ケン化度98モル
%のポリビニルアルコールを用いて合成し、ブチラール
化度67モル%のポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0047】次に重合度300のポリビニルアセタール
樹脂と重合度1000のポリビニルアセタール樹脂とを
重量比で42:58でブレンドし、見掛け重合度600
のポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0048】セラミック泥漿物の製造、グリーンシート
の製造は、実施例1と同様に行った。その結果を表1に
示す。
【0049】(実施例5〜6)ポリビニルアルコールの
重合度、ケン化度、アルデヒドの種類、アセタール化
度、樹脂のブレンド方法、及びセラミック粉末の平均粒
径を表1に示すように変更した以外は、実施例4と同様
の方法により、セラミック泥漿物およびグリーンシート
を製造した。上記物質の性能評価結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】(実施例7)ポリビニルアセタール樹脂の製造 重合度300、ケン化度98モル%のポリビニルアルコ
ール84gと重合度1000、ケン化度98モル%のポ
リビニルアルコール116gを純水1600gに加え9
0℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。
【0052】この溶液を45℃に冷却し、これに濃度3
5重量%の塩酸50gを加え、さらに35℃まで冷却
し、これに純度99%のn−ブチルアルデヒド20gと
純度99%のアセトアルデヒド25gとを2時間かけて
滴下し、35℃で3時間アセタール化反応を行った。そ
の後、液温を20℃に冷却し攪拌下で濃度10重量%の
水酸化ナトリウム水溶液192gを加え、ポリビニルア
セタール樹脂の透明溶液を得た。
【0053】得られたポリビニルアセタール樹脂の透明
溶液をポリエチレンフィルム上に塗布し乾燥させて、透
明フィルムを作成し、この透明フィルムをDMSO−d
6 (ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR
(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度(ブ
チラール化度及びアセトアセタール化度)を測定したと
ころ、ブチラール化度は10モル%、アセトアセタール
化度は15モル%であった。
【0054】セラミック泥漿物の製造 このポリビニルアセタール樹脂の透明溶液(濃度20重
量%)60gを純水120gに混合溶解させ、これに可
塑剤としてポリエチレングリコール(平均分子量20
0)4gと、セラミック粉末としてアルミナ粉末(平均
粒径0.3μm)200gを加え、ボールミルで15時
間混合してアルミナ粉末を分散させたセラミック泥漿物
を得た。
【0055】グリーンシートの製造 このセラミック泥漿物を攪拌しながら5mmHgの減圧下
で脱泡し、10ポイズの粘度に調整した後、これを離型
処理したポリエステルフィルム上に約15μm程度に塗
布し、常温で1日間風乾し、さらに110℃の熱風乾燥
器で3時間乾燥させ水を蒸発させて、厚さ8μmの薄層
のグリーンシートを得た。
【0056】上記のセラミック泥漿物及びグリーンシー
トについて、クラックの有無、柔軟性、分散性を実施例
1と同様にして評価した。
【0057】その結果を表2に示す。
【0058】(実施例8〜9,及び比較例4〜6)ポリ
ビニルアルコールの重合度、ケン化度、アルデヒドの種
類、アセタール化度、樹脂のブレンド方法及びセラミッ
ク粉末の平均粒径を表2に示すように変更した以外は実
施例7と同様の方法により、セラミック泥漿物およびグ
リーンシートを製造した。その結果を表2に示す。なお
比較例5及び6ではセラミック粉末の分散性が悪くグリ
ーンシートの焼成収縮率は測定しなかった。
【0059】(実施例10)重合度300、ケン化度9
8モル%のポリビニルアルコール200gを純水160
0gに加え、90℃の温度で約2時間攪拌して溶解させ
た。
【0060】この溶液を45℃に冷却し、これに濃度3
5重量%の塩酸50gを加え、さらに35℃まで冷却
し、これに純度99%のn−ブチルアルデヒド20gと
純度99%のアセトアルデヒド25%とを2時間かけて
滴下し、35℃で3時間アセタール化反応を行った。そ
の後、液温を20℃に冷却し攪拌下で濃度10重量%の
水酸化ナトリウム水溶液192gを加え、ポリビニルア
セタール樹脂の透明溶液を得た。
【0061】得られたポリビニルアセタール樹脂の透明
溶液をポリエチレンフィルム上に塗布し乾燥させて、透
明フィルムを作成し、この透明フィルムをDMSO−d
6 (ジメチルスルホキサイド)に溶解し、13C−NMR
(核磁気共鳴スペクトル)を用いてアセタール化度(ブ
チラール化度及びアセトアセタール化度)を測定したと
ころ、ブチラール化度は10モル%、アセトアセタール
化度は15モル%であった。
【0062】同様に重合度1000、ケン化度98モル
%のポリビニルアルコールを用いて合成し、ブチラール
化度10モル%、アセトアセタール化度は15モル%の
ポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0063】次に重合度300のポリビニルアセタール
樹脂と重合度1000のポリビニルアセタール樹脂を固
形分重量比で42:58でブレンドし見掛け重合度60
0のポリビニルアセタール樹脂を得た。
【0064】あとは、実施例7と同様に行い、セラミッ
ク泥漿物およびグリーンシートを得た。その結果を表2
に示す。
【0065】(実施例11〜12)ポリビニルアルコー
ル、アルデヒド及びセラミック粉末の諸数値等を表2に
示すように変更した以外は、実施例10と同様にして、
セラミック泥漿物およびグリーンシートを得た。その結
果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】この発明のグリーンシート成形用セラミ
ック泥漿物は、前記した少なくとも2種類以上の重合度
の異なるポリビニルアセタール樹脂が混合もしくは、少
なくとも2種類以上の重合度の異なるポリビニルアルコ
ールが混合された混合ポリビニルアルコールがアセター
ル化され、見掛け重合度を300〜1200とされたポ
リビニルアセタール樹脂とセラミック粉末と可塑剤とを
含有するため、すなわち、分子量分布を広げることで低
重合度のものでは溶液粘度を下げることにより泥漿物の
分散性を高め、また高重合度のものでは成形したグリー
ンシートの強度を向上させ、クラックが入りにくくする
ことが可能となり、その結果、柔軟性が良く、均質な薄
層のグリーンシートを製造することができる。
【0068】さらに、アセタール環の作用により、ポリ
ビニルアセタール樹脂の分子間会合や結晶化が抑制され
るので、この発明のグリーンシート成形用セラミック泥
漿物は経時での粘度変化も生じにくく、塗工作業性が良
好で均質な薄層のグリーンシートの製造が容易に行える
という利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/14 LHA C04B 35/00 108

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種類以上の重合度の異なる
    ポリビニルアセタール樹脂が混合されてなり、見掛け重
    合度が300〜1200である混合ポリビニルアセター
    ル樹脂、または、少なくとも2種類以上の重合度の異な
    るポリビニルアルコールが混合された混合ポリビニルア
    ルコールがアセタール化されてなり、見掛け重合度が3
    00〜1200であるポリビニルアセタール樹脂と、セ
    ラミック粉末と、可塑剤とを含有することを特徴とする
    グリーンシート成形用セラミック泥漿物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のグリーンシート成形用セ
    ラミック泥漿物がシート状に賦形された後、乾燥されて
    得られるグリーンシート。
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