JPH0656501A - グリーン体 - Google Patents

グリーン体

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JPH0656501A
JPH0656501A JP4211613A JP21161392A JPH0656501A JP H0656501 A JPH0656501 A JP H0656501A JP 4211613 A JP4211613 A JP 4211613A JP 21161392 A JP21161392 A JP 21161392A JP H0656501 A JPH0656501 A JP H0656501A
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JP
Japan
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green body
weight
degreasing
organic binder
ceramic powder
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JP4211613A
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English (en)
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Hideki Furusawa
秀樹 古澤
Junichi Ito
順一 伊藤
Yukio Mizutani
幸雄 水谷
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非酸化性雰囲気下での脱脂において、高い脱脂
効率を発揮するグリーン体を提供する。 【構成】セラミック粉、有機バインダー及びラジカル発
生剤よりなり、該有機バインダーをセラミック粉100
重量部に対して5〜25重量部の割合で、該ラジカル発
生剤を有機バインダーに対して1〜50重量%の割合で
含有するグリーン体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック粉、有機バ
インダー及びラジカル発生剤を主構成成分とする新規な
グリーン体に関する。詳しくは、特に、非酸化性雰囲気
下での脱脂において、高い脱脂効率を発揮するグリーン
体である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に使用される基板や部品
の小型化及び高密度化が進むことに伴い、セラミック基
板においても多層化が要求されるようになってきた。そ
のため、基板の製造時に新たな問題が生じている。即
ち、多層基板の製造方法は、セラミック粉を有機バイン
ダーによってシート状に成形したグリーン体にタングス
テン等の高融点金属ペーストを塗布した後、上記グリー
ン体の複数枚を積層し、これを同時焼成する方法があ
る。かかる同時焼成は、一般に、セラミックス粉あるい
は高融点金属の酸化を防止する目的で、非酸化性雰囲気
が採用される。
【0003】このような非酸化性雰囲気中で脱脂を行っ
た場合、脱脂効率が著しく低下し、残炭率が増加する結
果、脱脂体の焼結時に高融点金属の炭化が進み、該高融
点金属によって形成される配線パターンの導電性を著し
く低下せしめるという問題が生じる。
【0004】そのため、上記の積層体のように、比較的
肉厚の厚いグリーン体の材質としては、非酸化性雰囲気
においても高い効率で脱脂できるという特性が要求され
る。かかる要求に対して、例えば、特開平4ー4299
3には、脱脂工程において有機バインダーと水蒸気との
反応による分解を促進する目的で、グリーンシートに金
属触媒を添加する方法が提案されている。
【0005】しかし、この方法ではセラミックス焼結体
中に触媒金属成分が残留するため、バインダーの分解率
を向上させようとした場合、得られる焼結体の絶縁抵抗
の低下を免れない。
【0006】一方、グリーン体の脱脂効率を向上する手
段として、有機バインダー自体の脱脂効率の改良も試み
られている。例えば、メタクリル酸メチルとメタクリル
酸イソブチルとの共重合体を有機バインダーとして用い
るグリーン体(特開平2−9745号)、ポリイソブチ
レンを有機バインダーとして用いたグリーン体(特開昭
63−30539号)等が提案されているが、特に、前
記した積層体のような肉厚のグリーン体の非酸化性雰囲
気下での脱脂効率において、脱脂効率に未だ改良の余地
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
グリーン体の有する問題点を解決すべく、鋭意研究を重
ねた。その結果、セラミック粉と有機バインダーよりな
るグリーン体の組成に特定量のラジカル発生剤を配合す
ることにより、該グリーン体の強度及び寸法精度等を犠
牲にすることなく、非酸化性雰囲気において短時間で極
めて高い脱脂効率を達成し得ること、更に、得られる焼
結体の絶縁抵抗の低下が極めて少ないことを見い出し、
本発明を提案するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、セラミ
ック粉、有機バインダー及びラジカル発生剤よりなり、
該有機バインダーをセラミック粉100重量部に対して
5〜25重量部の割合で、該ラジカル発生剤を有機バイ
ンダーに対して1〜50重量%の割合で含有するグリー
ン体である。
【0009】本発明で使用されるセラミック粉は公知の
アルミナ、シリカ、ムライト、コージェライト、結晶化
ガラスホウケイ酸系ガラス、マグネシア、スピネル、フ
ォルステライト等の酸化物粉や窒化アルミニウム、炭化
ケイ素、窒化ケイ素等の非酸化物粉が挙げられる。
【0010】また、セラミック粉には、焼結助剤として
MgO、CaO、SiO2、Y23、La23、YF3
LaF3等の公知の助剤を添加することができる。
【0011】本発明において使用される有機バインダー
は特に限定されるものではなく、種々のバインダーの単
独または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0012】これらのバインダーの一例を挙げると、カ
ルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ポ
リアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レンオキサイド、ポリビニールアルコール、ポリビニー
ルエーテル、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体な
どの水溶性バインダー類や、エチレン・酢酸ビニール共
重合体、エチレン・アクリレート共重合体、ポリスチレ
ン、アルファメチルスチレン・メチルメタクリレート共
重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、酢
酸ビニール樹脂、ポリビニールアセタール、ポリビニー
ルホルマール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、シ
アノアクリル酸エステル、三酢酸セルロース、酢酸・酢
酸セルロース、セルロイド、ニトロセルロース、エチル
セルロースなどの熱可塑性バインダー類などが挙げられ
る。
【0013】これらの有機バインダーの内、本発明にお
いて特に好ましいバインダーは、高分子鎖中にカルボキ
シル基、カルボキシルアンモニウム基、スルホン酸基、
スルホン酸アンモニウム基、ヒドロキシル基のいずれか
1種以上の官能基を0.1〜50モル%含有するもので
ある。即ち、かかる有機バインダーは、シート成形や顆
粒成形時におけるセラミック粉の分散効果を高め、グリ
ーン体の強度や成形寸法精度を高めることができる。
【0014】また、加熱しながら紫外光または放射線を
照射することにより有機バインダーの分解を促進させる
場合、紫外光または放射線に対する活性基を導入した解
重合性有機バインダーを用いると特に効果的である。該
有機バインダーの例としては、オキシムイミノ基やグル
タルイミド基を導入したポリ(メタ)アクリル酸エステ
ルや、インダノンまたは3ーメタクリロキシイミノー2
ーブタノンとポリ(メタ)アクリル酸エステルとの共重
合体などが挙げられる。
【0015】本発明において、有機バインダーの分子量
は特に制限されないが、重量平均分子量が5000〜1
00万、特に10万〜50万が好適である。重量平均分
子量が5000より小さい場合、グリーン体の強度や保
形性が低く、取扱が難しくなるという傾向がある。ま
た、100万より大きい場合、セラミック粉スラリーの
チキソトロピー性が悪くなり成形寸法精度の低下を起こ
したり、脱脂効率が低下する傾向がある。
【0016】該有機バインダーの添加量はセラミック粉
100重量部に対して5〜25重量部であるが、好まし
くは10〜20重量部である。5重量部よりも少ない場
合はグリーン体強度が低下し、取扱いにくくなる。一
方、25重量部以上の場合、グリーン体中セラミック粉
の充填密度が減少し、欠陥のない良好な焼成ができなく
なる。
【0017】本発明で用いるラジカル発生剤としては、
熱或いは光により分解してラジカルを発生する公知のも
のが特に限定されずに用いられる。例えば、ベンゾイル
パーオキサイドおよびその置換体、ターシャルブチルハ
イドロパーオキサイド、ジターシャルブチルパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物やア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカ
ルボニトリルなどのアゾ系ラジカル発生剤、ベンゾフェ
ノン、チオキサントン、キノン、チオアクリドン、ビス
イミダゾール、パラメトキシ安息香酸などの光重合開始
剤や光増感剤が挙げられる。
【0018】これらのラジカル発生剤は、グリーン体成
形時の加熱乾燥において安定性を維持するため、ベンゼ
ン中での10時間半減温度が50℃以上のものを選択す
ることが好ましい。
【0019】また、上記ラジカル発生剤のうち、特に、
有機過酸化物は、グリーン体の脱脂時におけるガスの発
生が殆どなく、本発明において好適に使用される。
【0020】本発明において、ラジカル発生剤の添加量
としては有機バインダーに対して1〜50重量%、好ま
しくは5〜30重量%である。即ち、ラジカル発生剤の
添加量が1重量%以下ではラジカル発生剤の効果がほと
んどみられない。一方、該添加量が50重量%以上で
は、脱脂効率の向上効果が頭打ちとなるばかりでなく、
グリーン体の強度低下、焼結性の低下等の問題も生じ
る。
【0021】本発明のグリーン体には、必要に応じて分
散剤、脱泡剤、可塑剤、滑剤、カップリング剤等の公知
の添加剤の一種以上を含有してもよい。即ち、これらの
添加剤は、後記するグリーン体の製造方法において、作
業性を改善し、また、得られるグリーン体の物性を改善
するために一般に使用される。
【0022】上記分散剤としては、アクリル酸オリゴマ
ー、アクリル酸とアクリル酸エステルの共重合体オリゴ
マー、およびそれらのアンモニウム塩、高級脂肪酸一価
アルコールエステル、高級脂肪酸、高級アルコール、グ
リセリントリオレートなどのグリセリンと高級脂肪酸と
のモノないしトリエステル、エチレングリコールと高級
脂肪酸とのジエステル、ソルビタントリオレートなどの
ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ヒドロキシステア
リン酸とその分子間エステル、リシノール酸とその分子
間エステル、、天然魚油、非イオン系合成界面活性剤、
ベンゼンスルホン酸、みつろう、カルナウバワックス、
モンタンワックス、ライスワックス、ヘキストワックス
などの公知の分散剤より選択して使用すればよい。ま
た、これら分散剤の使用量は、分散剤の種類、HLB
値、セラミック粉の性状等によって異なり一慨に限定で
きないが、一般的にはセラミック粉100重量部に対し
て0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の
範囲から選べば好適である。尚、後記するグリーン体の
製造方法において、スラリーの調製する際の分散剤の混
合態様は、特に制限されないが、一般には、セラミック
粉、焼結助剤等を溶剤中で分散剤と予め混合し、次い
で、有機バインダーあるいは後述する添加剤を混合する
ことによって行うことが好ましい。
【0023】また、上記の可塑剤としては、フタル酸ジ
メチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタ
ル酸ベンジルブチルなどのフタル酸エステルや、ステア
リン酸エチル、ステアリン酸ブチルなどのステアリン酸
エステルや、セバシン酸ジブチル、セバシB酸ジオクチ
ルなどのセバシン酸エステル、エチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、トリメチレングリコール、グリ
セリンなどが挙げられる。該可塑剤の添加量はセラミッ
ク粉100重量部に対して15重量部以下、好ましくは
3〜12重量部の範囲で適宜選択して使用すればよい。
【0024】上記滑剤は、成形性や離型性を改善するた
めに使用されるが、一般的には脂肪アルコール、ジカル
ボン酸エステル、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸塩、
脂肪酸アミド、ヘキストワックスOP、ヘキストワック
スE、ヘキストワックスS、流動パラフィン、パラフィ
ンワックス、ポリエチレンワックスなどがある。
【0025】また、カップリング剤は、特に、射出成形
において有機バインダーと粉体の加熱混練性向上、加熱
流動性向上、脱脂性向上のために使用される。カップリ
ング剤は一般に有機金属化合物が多く、セラミック粉に
対しては不純物となるため必要に応じ適宜使用される。
該カップリング剤としては、公知のシラン系、チタネー
ト系、アルミ系が使用できる。
【0026】更に、消泡剤としては、脂肪酸、高級アル
コール、シリコン、鉱油、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポ
リプロピレングリコールポリエチレングリコールエーテ
ルなどがある。
【0027】本発明のグリーン体の製造方法は特に制限
されない。一般には、セラミック粉、有機バインダー、
ラジカル発生剤、その他添加剤を混合して、成形が可能
なスラリー状とした後、シート状等の形状に成形する方
法が採用される。
【0028】尚、前記ラジカル発生剤は、グリーン体の
成形の直前に混合することが、脱脂において該ラジカル
発生剤の効果を十分に発揮するために好ましい。一般に
は、後記の製造方法において、混合物をスラリーとした
後、内在する気泡を減圧下で除去する脱泡工程において
ラジカル発生剤を混合することが好ましい。
【0029】上記方法において、混合物のスラリー粘度
を調節し成形を容易とするために、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ソルベントナフタ、テトラリン、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
トリデカノール、シクロヘキサノール、2ーメチルシク
ロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビト
ール、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテ
ート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールア
セテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマ
ルブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサ
ノン、イソホロン、ジアセトンアルコール、ノルマルヘ
キサン、ノルマルヘプタン、ゴム揮発油、ミネラルスピ
リット等の有機溶剤、水等の希釈剤を使用してもよい。
【0030】また、上記グリーン体の製造方法におい
て、グリーン体に成形する前のセラミック粉を含むスラ
リーの粘度は、ELD−ST型粘度計(東京計器製)を
用いて12rpmで測定した粘度が、シート成形の場
合、50〜500ポイズ、好ましくは100〜300ポ
イズとなるように調製することが好ましい。上記粘度が
50ポイズより低いとスラリーが流れ易くなり、得られ
るグリーン体の成形精度が低くなる。また、スラリーの
粘度が500ポイズより高くなると泡の咬み込み等によ
りグリーン体の表面平滑性が悪くなったり、欠陥が増え
強度が低くなる傾向がある。
【0031】更に、上記グリーン体の製造方法におい
て、各成分の混合は、公知の混合方法が特に制限なく採
用される。例えば、高速インペラー分散機、ボールミ
ル、三本ロールミル等を用いて混合しスラリーとするこ
とができる。このスラリーを真空ポンプで減圧下に脱泡
した後、濃縮する方法が好適である。
【0032】上記の方法で調製されたスラリーを使用て
グリーン体を成形する方法は、特に制限されず、公知の
方法が特に制限なく採用される。例えば、スプレードラ
イヤーで顆粒成形後乾式プレス成形する方法、ドクター
ブレード方式によってグリーンシートを得る方法、常圧
または加圧下での鋳込み成形により複雑な立体的グリー
ン体を得る方法などが一般的である。上記成形におい
て、添加したラジカル発生剤が分解しないような温度域
での成形条件を採用することが好ましい。
【0033】このようにして得られたグリーン体は、必
要に応じてその表面にタングステン、銅、銀、パラジウ
ム、銀・パラジウム、金、モリブデン等の高融点金属よ
りなる導電性ペーストが積層される。
【0034】また、グリーン体の脱脂、焼成条件はも特
に制限されない。
【0035】例えば、脱脂方法については、窒素等の不
活性ガス、水素等の還元性ガスなどの非酸化性雰囲気下
で行うことが好ましい。また、上記非酸化性雰囲気中に
水蒸気を加えてもよい。脱脂工程においては、昇温速度
と脱脂温度の設定は、使用する有機バインダーとラジカ
ル発生剤の種類に応じて、最適範囲を適宜決定すればよ
い。一般的には、昇温速度は0.5〜5℃/分、脱脂温
度は400〜900℃から選ばれる。
【0036】また、脱脂において、紫外線や放射線に活
性な有機バインダーやラジカル発生剤を用いた場合には
紫外線や放射線を照射しながら加熱する方法が好まし
い。そうすることにより、脱脂温度を大幅に低減するこ
とが可能となる。上記紫外線源としては水銀ランプ、ハ
ロゲンランプ、キセノンランプなど公知の光源が使用で
きる。放射線は電子線、ベーター線、アルファー線、ガ
ンマー線、中性子線など一般に使用できる放射線であれ
ばいずれも有効である。
【0037】焼結条件については、セラミック粉の性状
に合わせて適宜選定される。
【0038】
【発明の効果】本発明は、有機バインダーとラジカル発
生剤との組合せにより、脱脂効率の優れたグリーン体を
得ることができる。特に、非酸化性雰囲気での脱脂、焼
成を必要とする導電性ペーストの積層体を同時焼成して
セラミック焼結体を得る場合や、非酸化物セラミック焼
結体を得る場合などのように、脱脂、焼成を非酸化性雰
囲気下で行う場合でも、高い脱脂効率で且つ短時間で脱
脂を実施することができる。
【0039】従って、該グリーン体を焼結して得られる
焼結体は、焼結体密度が高い上、その表面に高融点金属
ペーストを塗布して同時焼結する場合も、高融点金属の
炭化による導電性の低下も極めて少ない。
【0040】また、本発明のグリーン体は、焼結体に不
要な金属成分が残留することがなく、絶縁抵抗が高い、
良好な特性を有する焼結体を得ることができる。
【0041】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下に
実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0042】実施例1 窒化アルミニウム粉、ポリビニールブチラール(積水化
学工業(株)社製エスレックスB品番BL−S)、クメ
ンハイドロパーオキサイドを用いて次のようにグリーン
シートを作製した。
【0043】 (i)配合 窒化アルミニウム粉 100重量部(2000g) ポリビニールブチラール 13 〃 ( 260g) クメンハイドロパーオキサイド 2 〃 ( 40g) CaO 3 〃 ( 60g) ソルビタントリオレート 1 〃 ( 20g) フタル酸ジブチル 6 〃 ( 120g) トルエン 80 〃 (1600g) (ii)混合 内容量5リッターの攪拌機付き分散混合機に溶剤として
トルエンを半量(40重量部)入れ、攪拌しながら窒化
アルミニウム粉、CaO、ソルビタントリオレートを全
量投入した後、ポリビニールブチラールを添加して全量
溶解させた。さらに、トルエンの残量(40重量部)を
投入した後、1時間攪拌を続けて配合成分を分散あるい
は溶解させて予めスラリー化した。
【0044】内容量10リッターのナイロン製ポットに
ナイロンで被覆された直径20mmの鋼球をポット内容
量の50%を占める数だけ入れ、次いで上記で得たスラ
リーを投入して、回転数35rpmで36時間ボールミ
ル混合した。得られたスラリーは白色ペンキ状のもので
あった。
【0045】(iii)脱泡および脱溶剤 上記混合で得たスラリーを内容量4リッターの攪拌機付
き真空容器に移し、攪拌しながら1気圧から徐々に30
〜40torrまで減圧して、前記混合の際スラリーに
混入した気泡を除いた(脱泡)。
【0046】次いで、攪拌しながら同真空容器内を排気
しつつ10〜40torrに保ち、溶剤の一部を蒸発除
去した(脱溶剤)。その結果、粘度200ポイズの白色
粘調なスラリーを得た。このスラリーを95℃、2時間
乾燥機で溶剤を蒸発させて成形用のスラリーを得た。
【0047】(iv)成形 得られたスラリーをドクターブレード方式のシート成形
機を用いて、表面にシリコン樹脂を塗布して離型化処理
したポリエステルフィルム上に流し出し、次いでシート
状物を室温で30分、その後50℃で1時間、更に80
℃で30分溶剤を乾燥させた後、シート状物を上記ポリ
エステルフィルムより剥離して、幅約250mm、厚さ
約1mmの形状のグリーン体(グリーンシート)を作製
した。このグリーンシートは、白色で光沢のある外観を
呈し、柔軟で且つ屈曲に対しても腰の強い性状を有す
る。金型を取り付けた打ち抜き機を用いてグリーンシー
トより試験片を打ち抜き、オートグラフによって10m
m/分の引張速度で引張試験を行ったところ、引張強度
は30kg/cm2であった。シートの厚みはマイクロ
メーターで幅方向の中心点に当たる125mmの位置で
シート成形方向へ50mm毎に10点を測定した。平均
厚みは0.992mmであった。
【0048】(v)脱脂および焼結 上記のグリーンシートを30mm×30mmの角板状に
打ち抜き、これを10枚積層し、電気炉を用いて1気圧
の加湿窒素雰囲気で室温から昇温速度1℃/分で昇温
し、800℃、2時間保持した後、室温まで放冷し脱脂
を完了した。この脱脂試料の残炭素量を堀場製作所
(株)製カーボンアナライザーEMIAー511で測定
した。残炭素量およびグリーンシートの引張強度と表面
光沢を表2に示した。
【0049】脱脂した角板を窒化ホウ素で被覆した黒鉛
製皿にセットし、1気圧の窒素中で公知の方法で焼成し
た。
【0050】得られた焼結体の体積抵抗及び焼結体密度
を測定した結果、それぞれ5×1014Ωcm、3.25
g/ccであった。
【0051】比較例1 実施例1においてラジカル発生剤を用いなかった以外は
同様にしてグリーン体を製造し、得られたグリーン体の
脱脂、焼結を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0052】実施例2 実施例1において、窒化アルミニウム粉100重量部の
代わりに、アルミナ粉100重量部を用いた以外は同様
にしてグリーン体を製造し、得られたグリーン体の脱
脂、焼結を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0053】実施例3 実施例1において、窒化アルミニウム粉100重量部の
代わりに、窒化ケイ素粉100重量部を用いた以外は同
様にしてグリーン体を製造し、得られたグリーン体の脱
脂、焼結を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0054】比較例2 実施例1において、ポリビニールブチラールを4重量部
用いた以外は同様にしてグリーン体を製造し、得られた
グリーン体の脱脂、焼結を行った。それぞれの結果を表
1に示す。
【0055】実施例4 実施例1において、ポリビニールブチラールを20重量
部用いた以外は同様にしてグリーン体を製造し、得られ
たグリーン体の脱脂、焼結を行った。それぞれの結果を
表1に示す。
【0056】比較例3 実施例1において、ポリビニールブチラールを30重量
部用いた以外は同様にしてグリーン体を製造し、得られ
たグリーン体の脱脂、焼結を行った。それぞれの結果を
表1に示す。
【0057】実施例5 実施例1において、ポリビニールブチラール13重量部
の代わりに、ポリメタクリル酸エステル(共重合組成:
イソブチルメタクリレート/メタクリル酸=95/5モ
ル%、重量平均分子量10万、)13重量部を用いた以
外は同様にしてグリーン体を製造し、得られたグリーン
体の脱脂、焼結を行った。それぞれの結果を表1に示
す。
【0058】比較例4 実施例5において、有機バインダーに対しクメンハイド
ロパーオキサイドを用いなかった以外は同様にしてグリ
ーン体を製造し、得られたグリーン体の脱脂、焼結を行
った。それぞれの結果を表1に示す。
【0059】比較例5 実施例1において、有機バインダーに対しクメンハイド
ロパーオキサイドを0.5重量%用いた以外は同様にし
てグリーン体を製造し、得られたグリーン体の脱脂、焼
結を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0060】実施例6 実施例1において、有機バインダーに対し、クメンハイ
ドロパーオキサイドを45重量%用いた以外は同様にし
てグリーン体を製造し、得られたグリーン体の脱脂、焼
結を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0061】比較例6 実施例1において、有機バインダーに対し、クメンハイ
ドロパーオキサイドを60重量%用いた以外は同様にし
てグリーン体を製造し、得られたグリーン体の脱脂、焼
結を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0062】実施例7 実施例1において、有機バインダーに対しクメンハイド
ロパーオキサイドの代わりにラウリルパーオキサイドを
用いた以外は同様にしてグリーン体を製造し、得られた
グリーン体の脱脂、焼結を行った。それぞれの結果を表
1に示す。
【0063】実施例8 実施例1において、有機バインダーに対しクメンハイド
ロパーオキサイドの代わりにベンゾフェノンを用い、脱
脂時に高圧水銀ランプで100ジュール/cm2の紫外
線を照射した以外は同様にしてグリーン体を製造し、得
られたグリーン体の脱脂、焼結を行った。それぞれの結
果を表1に示す。
【0064】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉、有機バインダー及びラジカ
    ル発生剤よりなり、該有機バインダーをセラミック粉1
    00重量部に対して5〜25重量部の割合で、該ラジカ
    ル発生剤を有機バインダーに対して1〜50重量%の割
    合で含有するグリーン体。
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