JP3041555B2 - セラミックス粉末の鋳込み成形方法 - Google Patents

セラミックス粉末の鋳込み成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス粉末の鋳
込み成形方法に関し、特に、分散媒体として有機溶剤を
用いるセラミックス粉末の鋳込み成形方法に関するもの
である。
【0002】鋳込み成形は、複雑な形状のセラミックス
成形体を作製することができ、このため、ガスタービン
部品のような、プレスを用いて成形することができない
セラミックス製品の作製にとって非常に有用な成形方法
である。
【0003】
【従来の技術】従来、鋳込み成形用セラミックス粉末ス
ラリーとしては、水を分散媒体として用いる方法が広く
行われている。この際、解膠剤としてはポリカルボン酸
やそのアンモニウム塩、スルホン酸ナトリウムなどがよ
く使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鋳込み成形用スラリー
としては上記のように分散媒体として水を用いたものが
広く行われてきたが、セラミックスの原料粉末の中に
は、耐水性の低いものや水と反応して特性が劣化するも
のがあり、例えば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイアロ
ンなどは、水と混合することにより粒子表面が酸化さ
れ、結果として焼結体の強度が低下する。また、窒化ア
ルミニウムは式1により水と反応して水酸化アルミへと
変化してしまう。
【0005】
【式1】AlN +3H2O → Al(OH)3 +NH3
【0006】すなわち、水を分散媒体として窒化アルミ
ニウム粉体のスラリーを作製すると、窒化アルミニウム
に一部生成した水酸化アルミニウムが混入するため、こ
のようなスラリーを成形、焼結した場合、水酸化アルミ
ニウムがα- アルミナ(Al2O3) に変化し、得られる焼結
体はアルミナを多く含む。このため、熱伝導率等の焼結
体の特性を著しく損う結果となる。そこで分散媒体とし
て有機溶剤を用いたスラリーによる鋳込み成形方法の採
用が必要となる。
【0007】しかしながら、上記の解膠剤のポリカルボ
ン酸は分散媒体として水を使用した場合には十分な効果
を発揮するが、分散媒体として有機溶剤を使用した場合
には、粘度上昇のため、鋳込み成形用スラリーとしては
実用性は必ずしも十分ではなかった。
【0008】有機溶剤用の解膠剤としては、ポリオキシ
エチレン付加物などの非イオン性のものが使用されてい
るが、鋳込み成形に適した高濃度で、且つ低粘度のスラ
リーは得られなかった。
【0009】本発明の目的は、分散媒体として有機溶剤
を用いるセラミックス粉末の鋳込み成形方法を提供する
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、分散媒体
として有機溶剤を用いる粉末スラリーを作製するための
好適な解膠剤を見出すことを目的として研究を進めた結
果、アルキル系解膠剤とポリカルボン酸系解膠剤を併用
することにより上記目的を達成し、本発明を完成したも
のである。
【0011】すなわち、本発明は、分散媒体として有機
溶剤を用い、解膠剤としてアルキル系解膠剤とポリカル
ボン酸系解膠剤とを同時に添加してなるセラミックス粉
末含有スラリーを用いることを特徴とするセラミックス
粉末の鋳込み成形方法である。
【0012】本発明は、上記したとおり、アルキル系解
膠剤とポリカルボン酸系解膠剤とをスラリー作製時に用
いるものであり、ポリカルボン酸系解膠剤のみでは十分
低粘度のスラリーは得られず、アルキル系解膠剤を同時
に用いることにより、セラミックス粉末の解膠効果を十
分に発揮させることができる。
【0013】本発明におけるセラミックス粉末として
は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミ
ニウム、あるいはこれらのセラミックスを主成分とした
複合材料がある。また、これらのセラミックス粉末を主
成分とし、特性改善のために、これらの材料が含まれて
いても差し支えなく、これも本発明に包含されるもので
ある。
【0014】用いるセラミックス粉末は市販の慣用のも
のでよく、その平均粒径は 0.3〜1.0 μm 程度である
が、用途に応じてこの範囲外のものも使用できる。
【0015】本発明において、分散媒体として用いる有
機溶媒の種類は、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、キシレン、ヘキサン等が挙げられ、混合
溶媒を使用することもできる。低級アルコールの場合そ
の含水量はセラミックス粉末の種類によるが、耐水性の
低い窒化アルミニウムのスラリーを製造する場合、分散
媒体として用いるアルコールの含水量は 5重量%以下が
好ましい。
【0016】本発明において、解膠剤として用いるアル
キル系解膠剤は、例えばポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキシド、ポリプロピレノオキシド等が挙げら
れ、その分子量が2000〜20000 のものが好ましい。分子
量が2000未満では、解膠剤としての効果が得られず、一
方、 20000を超えると、スラリーの粘度が上昇し、鋳込
み成形用のスラリーとしては好ましくない。
【0017】本発明において、上記アルキル系解膠剤と
併用するポリカルボン酸系解膠剤は、通常その一般式が
−(CH2CHCOOX)n−のポリアクリル酸又はその塩であり、
ここでn は重合度、X は H、NH4 、Naなどであり、その
分子量は、2000〜20000 が好ましい。2000未満では、十
分な解膠性が得られず、一方、20000 を超えるとスラリ
ーの粘度がかえって上昇し、好ましくない。
【0018】アルキル系解膠剤及びポリカルボン酸系解
膠剤の添加量は、それぞれセラミックス粉末に対して
0.1〜2.0 重量%がである。0.1 重量%未満では、解膠
剤としての効果が得られず、一方、2.0 重量%を超える
と、スラリーの粘度が上昇し、鋳込み成形用のスラリー
として好ましくない。
【0019】本発明に用いられる鋳込み成形用スラリー
としては、その粘度は、10 poise以下がその目安であり
5 poise 以下にすることが好ましい。
【0020】セラミックス粉末含有スラリーの作製方法
としては慣用の手法に従うことができる。例えば、平均
粒径 0.2〜1.0 μm 程度のセラミックス粉末 100重量部
に、有機溶剤60重量部、アルキル系解膠剤及びポリカル
ボン酸系解膠剤をそれぞれ 0.1〜2.0 重量部及び必要に
応じて結合剤などを添加、混合、脱泡してしてスラリー
化する。
【0021】スラリーを用いる鋳込み成形方法及び成形
体の焼成方法は、慣用の方法により行うことができる。
例えば鋳込み成形方法としては、排泥鋳込み、固形鋳込
み、加圧鋳込み、真空鋳込み等の各手段が挙げられ、一
方、焼結方法としては、常圧焼結法、ガス圧焼結法、H
P、 HIP等である。
【0022】
【作用】本発明において、有機溶剤を分散媒体としたス
ラリーを用いることにより、セラミックス粉末と水との
反応による焼結体の強度低下を避けることができ、その
際解膠剤としてアルキル系解膠剤とポリカルボン酸系解
膠剤をスラリー作製時に同時に用いることにより、セラ
ミックス粉末の解膠効果を十分に発揮することができ
る。併用による解膠効果の向上する作用機構については
必ずしも明らかではないが、水媒体中で優れた解膠作用
を示すポリカルボン酸が、有機媒体中ではその親水性の
ため十分な解膠作用が発揮されず、疎水性のあるアルキ
ル系解膠剤を併用することにより、解膠作用が発現する
ものと推定される。
【0023】
【実施例】 実施例1〜5、比較例1〜4 平均粒径 0.5μm のサイアロン粉末Si5.5Al0.5O0.5N7.5
( Z=0.5 ) 100重量部及び分散媒体としてイソプロピ
ルアルコール60重量部を樹脂製ボールミルに入れ、これ
にアルキル系解膠剤としてポリプロピレンオキシド(分
子量 1万)及びポリカルボン酸系解膠剤として市販のセ
ルナE-503 (中京油脂社製、ポリカルボン酸含有量10重
量%)を表1に示す割合で配合し、18時間混合してスラ
リーとし、更に真空脱泡タンク内で真空引きにより 2時
間脱泡した。得られた各スラリーの粘度を B型粘度計で
測定し、その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】上記実施例のうち、粘度が低い実施例3の
スラリーを用い、 150×150 ×20mmの石膏型で固形鋳込
み成形をし、得られた成形体を窒素雰囲気中、1700℃で
3時間焼成して焼結体を得た、得られた焼結体について
1200℃で曲げ強度を測定したところ600MPaであった。
【0026】比較例5 実施例3のスラリーで、分散媒体としてイソプロピルア
ルコールの代わりに水を用いたスラリーを作成して、同
様の条件及び手段で焼結体の曲げ強度を測定したとこ
ろ、300MPaであった。
【0027】表1から明らかなように、アルキル系解膠
剤及びポリカルボン酸系解膠剤の添加量がサイアロン粉
末に対して、 0.1〜2.0 重量%の範囲であれば、低粘度
(10P以下) のスラリーが得られることが理解できる。
【0028】一方、アルキル系解膠剤及びポリカルボン
酸系解膠剤の添加量が 2.0重量%を超えて添加したスラ
リー(比較例1、同2参照)は、粘度が 20P、 15Pとな
った。
【0029】また、アルキル系解膠剤、及びポリカルボ
ン酸系解膠剤の添加量が 0.1〜2.0重量%の範囲内の 1.
0重量%であっても、アルキル系解膠剤及びポリカルボ
ン酸系解膠剤の分子量が2000〜20000 の範囲外であれば
(実施例3、同4)、同じく粘度が 23P、 19Pとなっ
た。
【0030】比較例5 比較のため、アルキル系解膠剤及びポリカルボン酸系解
膠剤を添加しないスラリーを、上記実施例と同様の条件
及び手段により作製したところスラリー化しなかった。
【0031】比較例6、7 また、実施例2と同様の条件及び手段でアルキル系解膠
剤又はポリカルボン酸系解膠剤を添加しないでスラリー
を作製した。表1に示すように、得られたスラリーの粘
度は高く、鋳込み成形用スラリーとしては不適当であっ
た。
【0032】実施例6 平均粒径 0.5μm の窒化アルミニウム(AlN) 粉末97重量
部、平均粒径 0.8μmの酸化イットリウム(Y2O3)粉末 3
重量部とイソプロピルアルコール60重量部を樹脂製ボー
ルミルに入れ、これにアルキル系解膠剤としてポロプロ
ピレンオキシド(分子量 1万)及びポリカルボン酸系解
膠剤として市販のセルナE-503 (中京油脂社製、ポリカ
ルボン酸含有量10重量%)を添加し、 5時間混合し、更
に 2時間脱泡してスラリーを作製した。
【0033】得られたスラリーを用い、12mmφ×2"の石
膏型で固形鋳込みをし、得られた成形体を窒素雰囲気
中、1880℃で 2時間焼成して焼結体を得た。得られた焼
結体について理学電機社製、レーザーフラッシュ熱定数
測定装置(LF/TCM-FA8510B)を用いて熱伝導率を測定した
ところ、180W/m・K であった。
【0034】比較例8 実施例6のスラリーで、分散媒体としてイソプロピルア
ルコールの代わりに水を用いたスラリーを作成して、同
様の条件及び手段で焼結体の熱伝導率を測定したとこ
ろ、105W/m・K であった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、上述したとおり、分散媒体と
して有機溶剤を用い、解膠剤としてアルキル系解膠剤
と、ポリカルボン酸系解膠剤を併用するものであり、こ
れによって、ポリカルボン酸系解膠剤単独使用の場合よ
りもスラリーが低粘度となる顕著な効果が生じ、その結
果、鋳込み成形に適した高濃度のスラリーを作製するこ
とができ、耐水性の低いセラミックス粉末の鋳込み成形
も可能となり、プレス成形では成形することのできない
複雑な形状のセラミックス成形品及びその焼結体を容易
に製造することができる効果が生ずる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−275744(JP,A) 特開 平4−270884(JP,A) 特開 昭58−101006(JP,A) 特開 平1−110101(JP,A) 特開 昭63−147853(JP,A) 特開 昭64−37453(JP,A) 特開 平1−236931(JP,A) 特開 平1−301558(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/622 C04B 35/632

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散媒体として有機溶剤を用い、解膠剤
    としてそれぞれ分子量が2000〜20000 のアルキル系解膠
    剤とポリカルボン酸系解膠剤とをセラミックス粉末に対
    してそれぞれ 0.1〜2.0 重量%添加してなるセラミック
    ス粉末含有スラリーを用いることを特徴とするセラミッ
    クス粉末の鋳込み成形方法。
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