JPH084726B2 - 中空糸型限外濾過膜モジユ−ルの蒸気滅菌方法 - Google Patents

中空糸型限外濾過膜モジユ−ルの蒸気滅菌方法

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JPH084726B2
JPH084726B2 JP2223787A JP2223787A JPH084726B2 JP H084726 B2 JPH084726 B2 JP H084726B2 JP 2223787 A JP2223787 A JP 2223787A JP 2223787 A JP2223787 A JP 2223787A JP H084726 B2 JPH084726 B2 JP H084726B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、原水を限外濾過して除菌及び除パイロジェ
ンを行なう中空糸型限外濾過膜モジュールの蒸気滅菌に
関し、さらに詳細には、中空糸型限外濾過膜モジュール
を損傷することのない蒸気滅菌方法に関するものであ
る。
(従来技術) 従来の限外濾過装置の滅菌方法としては、次亜塩素酸
ナトリウム,ホルマリン,過酸化水素などの薬剤による
方法と90℃程度の熱水による加熱方法がある。しかし、
薬品による方法は薬剤が装置のデッドスペース部へ十分
に浸透しないための滅菌不十分とか滅菌後薬剤を洗浄す
るのに時間がかかるといった問題がある。また、90℃程
度の熱水の場合は、耐熱性の芽胞形成菌が確実には滅菌
出来ないという問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) これらの従来方法の欠点を解決するために蒸気滅菌が
考えられた。特開昭61−242604では蒸気の滅菌の前に、
限外濾過装置内の原水及び濾水を抜き去り、蒸気を1次
側より2次側へ通過させることが、また特開昭61−2426
05では、蒸気滅菌後の負圧を防止するために、蒸気滅菌
終了後、50℃〜80℃以上の加圧熱水を原水側から供給す
ることが記述されている。しかし蒸気滅菌をする毎に、
加圧熱水を作ったり、又、モジュールからの水抜きをす
ることは非常に手間がかかる。本発明者らも蒸気滅菌の
テストを行なった。その方法は、モジュールから水抜き
を行なわないで、水の入ったまま蒸気を通して滅菌し、
滅菌終了後、直ちに25℃前後の装置に入れた。この場合
の問題としては、蒸気を通す時はあまり問題がないが、
水を入れるときに問題があった。即ち、蒸気の充満して
いる場所が水が入っていくと激しく凝縮がおこり、その
ために中空糸束が揺さぶられるために、中空糸がその接
着界面付近で損傷することがある点である。
本発明らは、この点について鋭意検討した結果、本発
明を完成させた。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は中空糸内側を原液の流路、中空糸外側
を透過液の流路として使用する中空糸型限外濾過膜モジ
ュールにおいて、蒸気で滅菌した後、蒸気の供給を止
め、原液側から空気を供給し、空気の一部を膜を透過さ
せて透過側の空間を満たしたのち、原液側より水を供給
してモジュールの温度を下げることを特徴とする中空糸
型限外濾過膜モジュールの蒸気滅菌方法である。
本発明のポイントは、蒸気滅菌が終了したら、蒸気の
供給を止め、すぐに原液側より空気を供給することで、
これにより空気の一部が限外濾過膜を透過して、透過側
へ入っていくので、蒸気が凝縮して負圧になることがな
い。通常、水に濡れた限外濾過膜は空気を全く通さない
が、膜が蒸気滅菌の直後には膜がドライ状態にあるの
で、空気を通すようになる。
このように空気が原液側、透過側に満たされた状態に
なってから、水を供給すると中空糸の動揺は全くなくな
り、このため中空糸の損傷は生じない。また空気は原液
側から入れてやればよく、透過側を菌で汚染する心配も
ないので、空気を無菌にする必要もない。
(発明の効果) 本発明による中空糸型限外濾過膜モジュールの蒸気滅
菌方法によれば、中空糸を損傷する心配もなしに、また
負圧の発生の心配もなく蒸気滅菌を行なうことができ
る。
(実施例) 次に実施例によってこの発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 第1図に基づいて本発明による蒸気滅菌方法の一実施
例を説明する。
通常の使用時には原水入口弁1開放、蒸気入口弁2閉
止、空気入口弁3閉止として使用するので、限外濾過膜
4を配設したモジュール5内には水が充満している。蒸
気滅菌時、原水入口弁1を閉じ蒸気入口弁2を開くと蒸
気(1kg/cm2G)が流れ込み、全体の温度が上がってゆ
き、全系が水蒸気で満たされる。1kg/cmGの蒸気は120℃
であるので、このまま1時間おくことで全系が滅菌でき
る。次に、蒸気入口弁2を閉じ、空気入口弁3を開ける
とエア(1kg/cm2G)が原水側に入り、さらに透過側へも
入っていく。系内に残っていた蒸気は次第に凝縮して、
水蒸気圧は低下していくが、その分を空気が補うので全
圧は低下しない。15分経過後、空気入口弁3を閉じ、原
水入口弁1を開けて系内へ25℃の水を流入させて、全系
の温度を低下させた。この後、モジュールの性能検査を
行なったが全く問題なく、またリークも全くなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の説明図である。 1……原水入口弁、2……蒸気入口弁、3……空気入口
弁、4……中空糸型限外濾過膜、5……モジュール、6
……スチームトラップ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空糸内側を原液の流路、中空糸外側を透
    過液の流路として使用する中空糸型限外濾過膜モジュー
    ルにおいて、蒸気で滅菌した後、蒸気の供給を止め、原
    液側から空気を供給し、空気の一部を膜を透過させて透
    過側の空間を満たしたのち、原液側より水を供給してモ
    ジュールの温度を下げることを特徴とする中空糸型限外
    濾過膜モジュールの蒸気滅菌方法。
JP2223787A 1987-02-02 1987-02-02 中空糸型限外濾過膜モジユ−ルの蒸気滅菌方法 Expired - Fee Related JPH084726B2 (ja)

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