JPH0844520A - 対話装置及び同装置に適用される操作ガイダンス出力方法 - Google Patents

対話装置及び同装置に適用される操作ガイダンス出力方法

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JPH0844520A
JPH0844520A JP17875394A JP17875394A JPH0844520A JP H0844520 A JPH0844520 A JP H0844520A JP 17875394 A JP17875394 A JP 17875394A JP 17875394 A JP17875394 A JP 17875394A JP H0844520 A JPH0844520 A JP H0844520A
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JP
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JP17875394A
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English (en)
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Hiroyuki Kamio
広幸 神尾
Hiroshi Matsuura
博 松浦
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ユーザの操作習熟度に適合した最適な操作ガイ
ダンスが提示できるようにする。 【構成】対話管理部16から操作可能状態の通知を受け
た後、ユーザによる音声入力装置3またはタッチパネル
4を用いた入力操作に応じて入力制御部6から入力情報
が入力されるまでの時間(操作時間)を計測する操作時
間計測部8と、この操作時間と閾値登録部10に予め登
録されている操作時間閾値をもとに、利用中のユーザの
習熟度(例えば習熟者、初心者、一般者の別)を判断し
て、その判断結果を習熟度記憶部13に記憶する習熟度
判断部12とを設け、対話管理部16による操作ガイダ
ンス出力に際しては習熟度記憶部13に記憶されている
習熟度をもとに、その習熟度に応じた操作ガイダンスを
操作ガイダンスDB15から取り出して、ディスプレイ
1またはスピーカ2から出力させる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金融機器や駅務機器、
自動化情報システムなど、ユーザとの対話を行うことで
タスクを達成する対話装置に係り、特にユーザにシステ
ムの操作方法を提示する操作ガイダンス出力方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金融機器や駅務機器、自動化情報システ
ムなどに代表される対話装置では、ユーザが効率的に操
作できるように、操作ガイダンスを出力するのが一般的
である。ユーザは、この操作ガイダンスに従って、逐次
入力操作等を行う。
【0003】対話装置から出力される操作ガイダンスの
内容はタスクの進行状況(に対応する表示画面)に応じ
て変化するものであるが、それはあくまでもユーザの操
作状況に対応したものであり、ユーザによって変わるも
のではなかった。即ち従来の対話装置では、(同一の表
示画面については)どのユーザに対しても同一の操作ガ
イダンスが固定的に用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
対話装置では、どのユーザに対しても同一の操作ガイダ
ンスが固定的に適用されていた。このため、操作に習熟
しているユーザにとっては、不必要なガイダンスが毎回
提示されることになり、次のような問題があった。即
ち、ガイダンスを提示する時間や、ユーザの注意がガイ
ダンスによってそがれることが原因で、一人当たりの操
作に要する時間が長くなるという問題があった。
【0005】そこで、習熟者の操作の妨げにならないよ
うに、必要最小限の操作ガイダンスのみを提供すること
も考えられる。しかし、この場合には、操作に習熟して
いないユーザ(初心者)には、操作方法がわからず、操
作に対する不安を感じさせ、操作方法の学習が遅くなる
という問題が発生する。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
でその目的は、利用中のユーザの操作習熟度を判断し、
その判断結果に応じて出力する操作ガイダンスを切り替
えることにより、ユーザに適合した最適な操作ガイダン
スが提示でき、特に習熟者の操作速度低下を防ぎ、初心
者の操作方法学習を助けることが可能な対話装置及び操
作ガイダンス出力方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、ユー
ザ操作に従う入力を行うための入力手段と、ユーザに提
示するメッセージの出力等に用いられる出力手段とを備
え、これら入力手段及び出力手段を介してユーザと対話
を行って必要なタスクを遂行する対話装置において、入
力手段に対するユーザ操作状況を当該入力手段からの入
力により監視する監視手段と、この監視手段の監視結果
をもとに、利用中のユーザの操作習熟度を判断する習熟
度判断手段と、この習熟度判断手段によって判断された
習熟度に応じて出力する操作ガイダンスを切り替える操
作ガイダンス切替手段とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0008】上記の構成においては、ユーザの本装置に
対する操作状況から、そのユーザの操作習熟度が判断さ
れ、その判断された習熟度に応じて出力する操作ガイダ
ンスか切り替えられる。
【0009】これにより、ユーザの操作習熟度に合わせ
た最適な操作ガイダンス、例えば現在利用中のユーザが
初心者ならば初心者向けの操作ガイダンス、習熟者なら
ば習熟者向けの操作ガイダンスが出力されるようにな
り、従来のように、どのユーザに対しても同一の操作ガ
イダンスを出力する(例えば、初心者に合わせた丁寧な
操作ガイダンスをどのユーザに対しても出力するとか、
習熟者に合わせた簡潔な操作ガイダンスをどのユーザに
対しても出力する)ものに比べて、習熟者に対しては操
作速度の低下を防ぐ一方、初心者に対しては操作方法の
学習を助けることが可能となる。
【0010】特に、習熟度が低いユーザほど丁寧で詳細
な操作ガイダンスを提示することにより、初心者に対し
ては操作方法を修得できるように学習させることが可能
となる。逆に習熟度が高いユーザほど必要最小限の簡潔
な操作ガイダンスを提示することにより、ガイダンスを
提示する時間が短縮でき、またユーザの注意がガイダン
スによってそがれる虞がなくなるため、即ち操作の妨げ
になることも防止できるため、一人当たりの操作に要す
る時間も短縮される。
【0011】また、ユーザの操作習熟度に応じた操作手
順を提示することにより、例えば初心者に対しては1画
面毎に1つの入力操作を必要とする操作手順を提示し、
習熟者に対しては1画面で複数の入力が可能な画面切り
替えの少なくて済む操作手順を提示することにより、初
心者にとっては手順は多くなるものの分かりやすく、習
熟者にとっては高度な入力方法が要求されるものの短時
間で入力できる。
【0012】また、予め定められた習熟度より低い習熟
度のユーザに対しては、標準の操作よりも入力操作数が
少なくて済む入力方法、いわゆるショートカット入力の
操作ガイダンスを出力することにより、初心者等、習熟
度の低いユーザに対して効率の良い入力方法を学習させ
ることができ、しかも習熟者は当該操作ガイダンスの対
象外であるため、習熟者の操作に何ら影響を及ぼさな
い。
【0013】また、予め定められた習熟度より低い習熟
度のユーザに対しては、テキスト、イメージ等を用いた
表示による操作ガイダンス出力の他に、音声による操作
ガイダンス出力を行うことにより、初心者等に対して操
作法を一層確実に学習させることができ、しかも習熟者
は当該操作ガイダンスの対象外であるため、習熟者の操
作に何ら影響を及ぼさない。
【0014】さて、本発明者らは、操作習熟度の高いユ
ーザほど、本装置が操作可能状態となった時点から短時
間で操作することに着目し、操作可能状態となった時点
から利用中のユーザがどの程度素早く操作したかという
こと、即ち操作可能状態となった時点からユーザ操作に
従う入力手段からの入力時点までに要した操作時間を、
上記ユーザ操作状況として用いるようにしている。
【0015】そこで操作習熟度の判断の仕方の一態様と
して、上記の操作時間を操作時間計測手段により計測
し、その操作時間をもとに、習熟度判断手段により、利
用中のユーザの操作習熟度を判断することで、操作習熟
度が簡単に求められるようにしている。
【0016】また、誤った操作が行われた場合、操作習
熟度の高いユーザほど速やかに正しい操作が行えること
から、操作習熟度の判断の仕方の別の態様として、誤っ
た操作が行われてから正しい操作が行われるまでの時間
(再操作時間)を求め、この時間をもとに、習熟度判断
手段により、利用中のユーザの操作習熟度を判断するこ
とも可能である。そのためには、入力手段を用いて行わ
れたユーザの入力操作の履歴を入力時刻と共に記録して
おくための操作履歴記録手段と、正しい操作手順を登録
しておくための模範手順登録手段とを設け、操作履歴記
録手段に記録された入力操作の操作履歴と模範手順登録
手段に登録された正しい操作手順とを比較して、誤った
操作が行われてから模範手順登録手段に登録された正し
い操作が行われるまでの時間を求めるようにすれば良
い。
【0017】また、誤って行われた操作の回数を求め、
その回数をもとに判断した操作習熟度を変更することに
より、より精度の高い操作習熟度を求めることが可能と
なる。
【0018】また、習熟度判断手段により判断された習
熟度を記憶するための習熟度記憶手段と、この習熟度記
憶手段の内容を例えば表示出力する出力制御手段とを設
けることにより、利用中のユーザ自身が、装置によりど
の習熟度で判断されているかを認識できるようにするこ
とも可能である。更に、装置判断の習熟度の変更を入力
手段から指示入力するため習熟度変更指示手段を設け、
習熟度記憶手段に記憶されている習熟度をユーザ自身の
入力操作により変更できるようにすることも可能であ
る。ここで、本装置からユーザが立ち去ったことを検知
するための検知手段と、この検知手段によりユーザが立
ち去ったことが検知された場合に、習熟度記憶手段に記
憶されている習熟度を初期値に変更する手段とを設ける
ことにより、次に新たなユーザが本装置を利用する際
に、直前の利用者に対する習熟度判断結果に影響されな
いで済む。
【0019】
【実施例】以下、本発明を、音声入力装置とタッチパネ
ルの2種の入力手段を有し、ユーザと対話を行うマルチ
モーダル対話装置に適用した実施例につき、図面を参照
して説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例に係るマルチモー
ダル対話装置の構成を示すブロック図である。図1に示
すマルチモーダル対話装置は、ディスプレイ1、スピー
カ2、音声入力装置3、タッチパネル4、センサ5、入
力制御部6、出力制御部7、操作時間計測部8、操作履
歴記録部9、閾値登録部10、模範手順登録部11、習
熟度判断部12、習熟度記憶部13、出力回数記憶部1
4、操作ガイダンスDB(操作ガイダンスデータベー
ス)15及び対話管理部16から構成される。
【0021】ディスプレイ1は、ユーザに提示する各種
情報、操作ガイダンス等の表示に用いられる出力デバイ
スであり、例えばCRTディスプレイである。なお、C
RTディスプレイ以外に、液晶ディスプレイ等のフラッ
トパネルディスプレイを用いることも可能である。
【0022】スピーカ2は、操作ガイダンス等を音声に
より出力するのに用いられる出力デバイスである。な
お、スピーカ2に代えて、イヤホーンを用いることも可
能である。
【0023】音声入力装置3は、ユーザからの音声によ
る入力に用いられる入力デバイスであり、入力音声を認
識する音声認識機能を有している。タッチパネル4は、
ユーザからの指等によるタッチ操作による入力に用いら
れる入力デバイスであり、例えばディスプレイ1の表示
面に重ねて用いられる。タッチパネル4は、ユーザがデ
ィスプレイ1上の表示画面を見て所望の項目の表示位置
を当該タッチパネル4上でタッチした際のそのタッチ位
置を、静電容量の変化、赤外線の遮蔽、重力の変化など
を利用して検知して入力するものである。
【0024】センサ5は、利用者が本装置に接近したこ
と及び本装置から立ち去ったことを検知するものであ
り、例えば光学的なセンサである。入力制御部6は、音
声入力装置3、タッチパネル4及びセンサ5からの入力
を制御するものである。入力制御部6は、タッチパネル
4からの入力時には、当該タッチパネル4から入力され
る位置情報に対応する入力内容(入力項目)を、当該位
置情報と表示中の画面の構成情報とから判別するように
なっている。但し、以降は、説明を簡単にするために、
タッチパネル4により項目等が指定入力されるものとす
る。
【0025】出力制御部7は、対話管理部16の制御の
もとで、ディスプレイ1への画面情報、操作ガイダンス
等の出力と、スピーカ2への操作ガイダンスの出力とを
制御するものである。
【0026】操作時間計測部8は、本装置が操作可能状
態になってからユーザが実際に操作を行うまでの時間を
計測するものである。操作履歴記録部9は、ユーザ操作
の履歴(ここでは、入力操作の種類とその入力時刻の履
歴)を記録しておくためのものである。
【0027】閾値登録部10は、ユーザの操作時間から
そのユーザの操作習熟度(具体的には、そのユーザが操
作に習熟している習熟者、初心者、或いはそのいずれで
もない一般者であるか)を判断するのに必要な操作時間
閾値(単位は秒)を、各種画面(を識別する画面識別
子)毎に、且つその画面で利用される入力(入力操作)
の種類(例えば“訂正”指示入力と、それ以外の入力)
毎に、(入力デバイスにより識別される)音声入力とタ
ッチ入力のそれぞれについて予め登録しておくためのも
のである。ここでは、操作時間閾値として、利用中(操
作中)のユーザが操作の習熟者であるか否かを判断する
ためのτmin と、操作の初心者であるか否かを判断する
ためのτmax (τmax >τmin )の2種が用意されてい
る。この閾値登録部10内のτmin ,τmax の登録形態
を図2に示す。
【0028】操作時間閾値τmin は、操作可能状態にな
ってから当該時間以内に入力操作が行われるならば、そ
の操作者(ユーザ)は習熟者である可能性が高いという
数値である。また、操作時間閾値τmax は、操作可能状
態になってから当該時間以内に入力操作が行われなけれ
ば、その操作者(ユーザ)は初心者である可能性が高い
という数値である。
【0029】閾値登録部10にはまた、ユーザが誤って
操作を行った結果、正しい操作を行うまでの時間(再操
作時間)からそのユーザの習熟度を判断するのに必要な
(上記操作時間閾値τmin ,τmax に相当する)2種の
再操作時間閾値が登録される。閾値登録部10には更
に、ユーザが誤って行った操作の回数(誤操作回数)か
らそのユーザの習熟度を変更するのに必要な(上記操作
時間閾値τmin ,τmaxに相当する)2種の誤操作回数
閾値も登録される。以上の再操作時間閾値及び誤操作回
数閾値は、画面種類に無関係に共通であるものとする。
【0030】模範手順登録部11は、システムの正しい
操作手順を予め登録しておくためのものである。この操
作手順は、選択操作がある場合(例えば自動預貯金機に
おいて「通帳記入」、「預け入れ」、「残高照会」等の
複数の項目から1つを選択することにより以降の流れが
変わる場合)には分岐が発生して複数の道筋が存在し得
ることから、一般にはツリー状の形式で記述される。
【0031】習熟度判断部12は、利用中のユーザの操
作習熟度を判断するものである。習熟度判断部12は、
操作時間計測部8により得られるユーザの操作時間と閾
値登録部10に登録されている操作時間閾値とから、ユ
ーザの操作習熟度を判断する第1の習熟度判断機能を有
する。
【0032】習熟度判断部12はまた、操作履歴記録部
9に記録されている操作履歴と模範手順登録部11に登
録されている模範手順とからユーザによる操作が正しく
行われたかを調べ、誤操作を判定した場合に、正しい操
作が行われるまでの時間(再操作時間)と閾値登録部1
0に登録されている再操作時間閾値とから、ユーザの操
作習熟度を判断する第2の習熟度判断機能を有する。
【0033】習熟度判断部12は更に、操作履歴記録部
9及び模範手順登録部11の内容の比較により求められ
るユーザの誤操作の回数と閾値登録部10に登録されて
いる誤操作回数閾値とから、ユーザの操作習熟度を変更
すべきか等を判断する第3の習熟度判断機能を有する。
【0034】習熟度記憶部13は習熟度判断部12によ
り判断されたユーザの操作習熟度(利用中のユーザが操
作の習熟者、初心者、或いは一般者のいずれであるか)
を記憶しておくためのものである。初期状態(ユーザの
利用開始時)において、習熟度記憶部13には、一般者
を示す操作習熟度が設定される。
【0035】出力回数記憶部14は、同じ内容の操作ガ
イダンスの出力回数の上限値を記憶しておくためのもの
で、その回数は習熟度判断部12により決定される。操
作ガイダンスDB15は、各種の操作ガイダンスを画面
種類別並びにユーザの操作習熟度別に予め登録しておく
ためのものである。この操作ガイダンスDB15に登録
されている操作ガイダンスには、テキストデータ(文字
コードデータ)、更にはイメージデータから構成される
表示用の操作ガイダンスと、音声データから構成される
音声出力用の操作ガイダンスとがある。
【0036】対話管理部16は、ディスプレイ1、スピ
ーカ2、音声入力装置3及びタッチパネル4を通して利
用者との対話を管理・制御するものである。対話管理部
16は、センサ5によるユーザの接近検知に従うディス
プレイ1への初期画面表示、音声入力装置3またはタッ
チパネル4からの入力内容(と現在の状態)に従う表示
画面の切り替え、習熟度記憶部13の示すユーザの操作
習熟度に対応した操作ガイダンスの(出力制御部7によ
る)ディスプレイ1またはスピーカ2からの出力制御等
を司る。
【0037】次に、図1のマルチモーダル対話装置の動
作を、まず習熟度判断部12による操作習熟度判断処理
を中心に説明する。ユーザが本装置に近づくと、その旨
がセンサ5により検知され、入力制御部6を介して対話
管理部16に通知される。
【0038】すると対話管理部16は、初期画面の構成
情報を出力制御部7に送って、ディスプレイ1に表示さ
せる。同時に対話管理部16は、習熟度記憶部13に記
憶されている操作習熟度を参照し、その操作習熟度に合
致した初期画面用の操作ガイダンスを操作ガイダンスD
B15から抽出して、出力制御部7により例えばディス
プレイ1に表示させる。このとき習熟度記憶部13に記
憶されている操作習熟度は一般者を示す初期値となって
おり、一般者(一般者モード)向けの初期画面用操作ガ
イダンスが表示されることになる。この習熟度記憶部1
3に記憶されている習熟度に従う操作ガイダンスの出力
方法の詳細については後述する。
【0039】対話管理部16は、出力制御部7を用いた
ディスプレイ1への表示出力によりユーザ操作(入力操
作)が可能な状態になると、その旨を操作時間計測部8
に通知する。また対話管理部16は、上記のような画面
出力(画面切り替え)時には、その画面の識別子(画面
識別子)を習熟度判断部12に通知する。
【0040】操作時間計測部8は、対話管理部16から
操作可能通知を受け取ると、その際の時刻を操作可能時
刻として保持する。さて、ユーザは、ディスプレイ1に
表示された画面(ここでは初期画面)、更には操作ガイ
ダンスに従い、音声入力装置3或いはタッチパネル4を
用いて必要な入力操作を行う。
【0041】入力制御部6は、ユーザの入力操作に応じ
て音声入力装置3或いはタッチパネル4から入力される
情報を取り込んで操作時間計測部8、習熟度判断部12
及び対話管理部16に送る。また入力制御部6は、習熟
度判断部12に対しては、音声入力装置3またはタッチ
パネル4のいずれからの入力かを示す入力デバイス情報
も送る。
【0042】対話管理部16は、入力制御部6から入力
情報を受け取ると、その入力が初心者や一般者には知り
得ないような方法、例えばショートカット入力で行われ
たか否かを調べ、ショートカット入力が行われた場合に
はその旨を習熟度判断部12に通知する。ここでショー
トカット入力とは、複数の項目入力を1回で入力可能と
する方法であり、その具体例については後述する。
【0043】一方、操作時間計測部8は、入力制御部6
から入力情報を受け取ると、その際の時刻をユーザ操作
時刻として保持した後、当該ユーザ操作時刻から先に保
持しておいた操作可能時刻を減じることにより、装置側
での出力が発生してユーザ操作(ユーザの入力操作)が
可能な状態となってから、実際にユーザが入力操作を行
うまでに要する時間(ユーザ操作時間)を算出する(単
位は秒)。なお、対話管理部16からの操作可能通知に
応じて操作時間計測部8が時間カウントを開始し、入力
制御部6から入力情報を受け取った時点で操作時間計測
部8が時間カウントを停止することにより、ユーザ操作
時間をカウント(計測)するようにしても構わない。
【0044】操作時間計測部8は、求めたユーザ操作時
間を習熟度判断部12に通知する。また操作時間計測部
8は、入力制御部6から入力情報を受け取る毎に、その
入力情報の種類(入力操作の種類)と入力時刻との対を
操作履歴記録部9に入力順に記録する。
【0045】さて、習熟度判断部12は、操作時間計測
部8からユーザ操作時間を受け取ると、現在利用中(操
作中)のユーザの操作習熟度を判断するための処理(第
1の習熟度判断処理)を図3のフローチャートに従って
次のように行う。
【0046】まず習熟度判断部12は、対話管理部16
からショートカット入力通知があったか否かを調べる
(ステップS1)。もし、ショートカット入力通知があ
ったなら、即ちユーザがショートカット入力を行ったな
らば、習熟度判断部12は、そのユーザは操作の習熟者
であると判断し、習熟者を示す習熟度を習熟度記憶部1
3に設定する(ステップS2)。
【0047】これに対して、ショートカット入力通知が
なかったならば、習熟度判断部12は、対話管理部16
から送られた(現在表示中の画面を示す)画面識別子、
入力制御部6から送られた入力情報の種類(入力操作の
種類)及び入力デバイス情報をもとに、閾値登録部10
から対応する操作時間閾値τmin ,τmax (図2参照)
を取り出す(ステップS3)。
【0048】次に習熟度判断部12は、操作時間計測部
8から受け取ったユーザ操作時間と閾値登録部10から
取り出した操作時間閾値τmin との大小を比較する(ス
テップS4)。
【0049】もし、ユーザ操作時間がτmin 以下である
ならば、即ちユーザ操作が可能な状態となってからτmi
n 秒以内にユーザ操作が行われたならば、習熟度判断部
12は、そのユーザは操作の習熟者であると判断する。
この判断の理由は、ユーザからの反応が早ということ
は、そのユーザは操作ガイダンスを与えられなくても、
既に操作方法を理解していると推察できるからである。
【0050】習熟度判断部12は、現在操作中のユーザ
が習熟者であると判断した場合、習熟者を示す習熟度を
習熟度記憶部13に設定する(ステップS2)。したが
って、習熟度記憶部13に、前記したように一般者を示
す習熟度が初期設定されている状態でステップS2が実
行された場合には、一般者モードから習熟者モードに切
り替えられることになる。
【0051】これに対し、ユーザ操作時間がτmin を越
えているならば、即ち操作入力が可能な状態となってか
らτmin 秒以内にユーザ操作が行われなかったならば、
習熟度判断部12は、今度は当該ユーザ操作時間と閾値
登録部10から取り出した操作時間閾値τmax との大小
を比較する(ステップS5)。
【0052】もし、ユーザ操作時間がτmax 以上である
ならば、即ち操作入力が可能な状態となってからτmax
秒以上を経過してユーザ操作が行われたならば、習熟度
判断部12は、そのユーザは操作の初心者であると判断
する。この判断の理由は、ユーザからの反応が遅いとい
うことは、そのユーザは一般者向けの操作ガイダンスで
は操作方法を理解できずに、操作に迷っていると推察で
きるからである。
【0053】習熟度判断部12は、現在操作中のユーザ
が初心者であると判断した場合、初心者を示す習熟度を
習熟度記憶部13に設定する(ステップS6)。したが
って、習熟度記憶部13に、前記したように一般者を示
す習熟度が初期設定されている状態でステップS6が実
行された場合には、一般者モードから初心者モードに切
り替えられることになる。
【0054】これに対し、ユーザ操作時間がτmax 以上
でないならば、即ち操作入力が可能な状態となってから
τmin 秒経過後且つτmax 秒経過前にユーザ操作が行わ
れたならば、習熟度判断部12は、そのユーザは習熟者
でも初心者でもない一般者であると判断し、一般者を示
す習熟度を習熟度記憶部13に設定する(ステップS
7)。この場合、一般者モードが継続される。
【0055】さて習熟度判断部12は、以上に述べた第
1の習熟度判断処理の他、次に述べる第2の習熟度判断
処理も行う。即ち習熟度判断部12は、入力制御部6か
ら入力情報を受け取る毎に、その時点において操作履歴
記録部9に記録されているユーザの入力操作の履歴を、
模範手順登録部11に登録されている正しい操作手順と
比較することで、正しい操作が行われたか否かを判断す
る。この比較は、操作履歴記録部9に記録されている操
作履歴中の最新の入力操作の種類と、模範手順登録部1
1に登録されている操作手順中の、前回正しいと判断さ
れた位置の次の位置にある操作の種類(前回正しいと判
断された操作位置で分岐しているならば、全ての分岐先
の各操作の種類)との間で行われ、一致する(ものがあ
る)ならば、正しい操作が行われたと判断される。ま
た、前回誤った操作が行われたと判断された場合には、
模範手順登録部11については、例えば最も最近に正し
いと判断された位置の次の位置にある操作の種類が比較
の対象となる。
【0056】習熟度判断部12は、以上の比較処理によ
り、誤った操作が行われたと判断した場合には、比較に
用いた入力操作の種類と対をなして操作履歴記録部9に
記録されている入力時刻を誤り操作時刻として保持す
る。但し、前回も誤った操作が行われた場合には、この
保持動作は行われない。これにより、連続して誤った操
作が行われた場合には、最初の誤った操作が行われた際
の時刻が保持されることになる。
【0057】1回誤った操作が行われた後、或いは2回
以上続けて誤った操作が行われた後、正しい操作が行わ
れたものとする。習熟度判断部12は、上記した比較処
理により前回とは違って正しい操作が行われたと判断す
ると、その際の比較に用いた入力操作の種類と対をなし
て操作履歴記録部9に記録されている入力時刻(即ち正
しい操作が行われた際の時刻)から先に保持しておいた
誤り操作時刻を減じて、正しい操作が行われるまでの時
間(再操作時間)を求める。
【0058】習熟度判断部12は、求めた再操作時間を
閾値登録部10に登録されている(操作時間閾値τmin
,τmax に相当する)2種の再操作時間閾値と比較す
ることで、先に述べた操作時間と操作時間閾値τmin ,
τmax との比較の場合と同様のアルゴリズムで、利用中
(操作中)のユーザの習熟度を判断する。即ち習熟度判
断部12は、ユーザが誤った操作を行ってから正しい操
作を行うまでに要した時間(再操作時間)が値の小さい
方の再操作時間閾値以下であるならば、習熟者であると
判断し、値の大きい方の再操作時間閾値以上であるなら
ば、初心者であると判断し、そのいずれでもないなら
ば、一般者であると判断する。
【0059】習熟度判断部12は、この習熟度判断結果
に応じて習熟度記憶部13への習熟度の再設定を行う。
習熟度判断部12はまた、以上に述べた第1及び第2の
習熟度判断処理の他、次に述べる第3の習熟度判断処理
も行う。
【0060】即ち習熟度判断部12は、上記第2の習熟
度判断処理において、誤った操作が行われたと判断され
る毎に、誤操作回数(初期値は0)を+1する誤操作回
数カウント動作を行う。習熟度判断部12は、誤操作回
数を+1すると、その+1後の誤操作回数(利用中のユ
ーザが誤った操作を行った回数の現時点まで累積値)と
閾値登録部10に登録されている(操作時間閾値τmin
,τmax に相当する)2種の誤操作回数閾値と比較す
る。
【0061】習熟度判断部12は、誤操作回数が値の小
さい方の誤操作回数閾値に一致したならば、利用中のユ
ーザの習熟度は比較的低いものと判断し、現時点におい
て習熟度記憶部13に設定されている習熟度を1ランク
下げる。これにより、習熟者を示す習熟度が設定されて
いる場合には、一般者を示す習熟度に変更され、一般者
を示す習熟度が設定されている場合には、初心者を示す
習熟度に変更される。なお、初心者を示す習熟度が設定
されている場合には、習熟度は変更されない。
【0062】また、誤操作回数が値の大きい方の誤操作
回数閾値に一致したならば、習熟度判断部12は、利用
中のユーザの習熟度は極めて低いものと判断し、現時点
において習熟度記憶部13に設定されている習熟度を2
ランク下げる。これにより、習熟者または一般者を示す
習熟度が設定されている場合には、初心者を示す習熟度
に変更され、初心者を示す習熟度が設定されている場合
には、習熟度は変更されない。なお、現時点の習熟度記
憶部13の内容に無関係に、当該習熟度記憶部13に初
心者を示す習熟度を再設定するようにしても構わない。
【0063】対話管理部16は、習熟度記憶部13に設
定されている習熟度を、出力制御部7を通してディスプ
レイ1に常時表示する。これによりユーザは、自身が習
熟者、初心者或いは一般者のいずれに判断されているか
視認することができる。
【0064】本実施例において、この画面上の習熟度の
表示領域は、習熟度変更ボタンを兼ねており、ユーザが
タッチパネル4から当該領域(習熟度変更ボタン)をタ
ッチすることで、以下に述べるように、習熟度記憶部1
3に設定されている習熟度を変更できるようになってい
る。
【0065】まずユーザがタッチパネル4から習熟度表
示領域(習熟度変更ボタン)をタッチすると、その入力
情報が入力制御部6から習熟度判断部12に渡される。
習熟度判断部12は、入力制御部6から習熟度変更ボタ
ンが選択されたことを示す入力情報を受け取る毎に、習
熟度記憶部13に設定されている習熟度を、例えば“初
心者”→“一般者”→“習熟者”→“初心者”→…の如
く、1ランクずつ一定方向に変更する。この習熟度の変
更結果は、対話管理部16により習熟度表示領域(習熟
度変更ボタン)に反映される。
【0066】なお、画面上に、例えば[初心者]指定ボ
タン、[一般者]指定ボタン及び[習熟者]指定ボタン
を用意し、そのいずれかのボタンをタッチすることで、
ユーザが望む習熟度を直接指定できるようにしても構わ
ない。
【0067】次に、習熟度記憶部13に記憶されている
習熟度に従う操作ガイダンスの出力方法の詳細につい
て、図1のマルチモーダル対話装置で自動定期券発行機
を実現した場合を例に、図4乃至図6を参照して説明す
る。なお、図4は着駅路線名入力画面例を示す図、図5
は操作ガイダンス出力処理の手順を示すフローチャー
ト、図6は操作手順例を示す図である。
【0068】まず、図1のマルチモーダル対話装置で自
動定期券発行機を実現した場合の、習熟度による操作ガ
イダンスの違いを説明する。本実施例においては、ユー
ザが本装置(自動定期券発行機)で着駅の駅名を入力す
るに当たり、駅名の項目数を減らすための階層として路
線名で分類し、図4に示す画面を表示して路線名を入力
させるようになっている。
【0069】このとき、一般者(一般ユーザ)向けの操
作ガイダンスでは、例えば「着駅の路線名を入力しま
す。希望の路線に触れてください」のように比較的簡潔
な内容で表示並びに音声出力する。これに対し、初心者
向けの操作ガイダンスでは、「この画面では、着駅の路
線名を入力します。希望の路線に触れてください。この
地図上にない路線のときは、次候補ボタンに触れてくだ
さい」というような、詳細な説明(丁寧な説明)を表示
並びに音声出力する。また、習熟者の場合は、「希望の
路線に触れてください」という極めて簡単な説明を表示
出力し、音声出力は行わない。また、音声の出力速度
は、初心者の場合は説明が理解しやすいようにゆっくり
と、一般者の場合は苛々しないように速くする。
【0070】以上の路線名入力のための習熟度別の操作
ガイダンスは、図4に示す着駅路線名入力画面の画面識
別子に対応して操作ガイダンスDB15に予め格納され
ている。
【0071】さて、対話管理部16は、図4に示す着駅
路線名入力画面を出力制御部7によりディスプレイ1に
表示させた状態で、ユーザに対して路線名を入力させよ
うとする場合、路線名入力用の操作ガイダンスを出力す
る処理を図5のフローチャートに従って次のように行
う。
【0072】まず対話管理部16は、現在習熟度記憶部
13に記憶されている習熟度を参照し(ステップS1
1)、その習熟度により、本装置を利用中のユーザが、
習熟者、初心者、或いは一般者のいずれを示しているか
を調べる(ステップS12,S13)。
【0073】もし、現在利用中のユーザが習熟者である
ことが示されているならば、対話管理部16は、図4に
示す着駅路線名入力画面の画面識別子に対応して操作ガ
イダンスDB15に格納されている習熟度別の操作ガイ
ダンスの中から、路線名入力のための習熟者向け操作ガ
イダンス「希望の路線に触れてください」を抽出する
(ステップS14)。この習熟者向け操作ガイダンス
は、表示用のみ用意されている。
【0074】そして対話管理部16は、この抽出した習
熟者向けの表示用操作ガイダンスを、出力デバイスとし
てディスプレイ1を指定する出力デバイス指定通知と共
に出力制御部7に送ることにより、当該操作ガイダンス
「希望の路線に触れてください」をディスプレイ1に表
示出力させる(ステップS15)。
【0075】一方、現在利用中のユーザが初心者である
ことが示されているならば、対話管理部16は、操作ガ
イダンスDB15から路線名入力のための初心者向けの
操作ガイダンス「この画面では、着駅の路線名を入力し
ます。希望の路線に触れてください。この地図上にない
路線のときは、次候補ボタンに触れてください」を抽出
する(ステップS16)。この初心者向け操作ガイダン
スは、表示用と音声出力用の2種が用意されている。
【0076】そして対話管理部16は、この抽出した初
心者向けの表示用と音声出力用の両操作ガイダンスを、
前者にはディスプレイ1を指定する出力デバイス指定通
知を付して、後者にはスピーカ2を指定する出力デバイ
ス指定通知を付して、出力制御部7に送ることにより、
当該操作ガイダンス「この画面では、着駅の路線名を入
力します。希望の路線に触れてください。この地図上に
ない路線のときは、次候補ボタンに触れてください」を
ディスプレイ1に表示出力させると共にスピーカ2より
音声で出力させる(ステップS17)。この初心者向け
の音声出力用操作ガイダンスは、ゆっくりとした速度で
音声出力されるように予め設定されており、初心者にと
って分かりやすいものとなっている。
【0077】また、現在利用中のユーザが一般者である
ことが示されているならば、対話管理部16は、操作ガ
イダンスDB15から路線名入力のための一般者向けの
操作ガイダンス「着駅の路線名を入力します。希望の路
線に触れてください。」を抽出する(ステップS1
8)。この一般者向け操作ガイダンスは、表示用と音声
出力用の2種が用意されている。
【0078】そして対話管理部16は、この抽出した一
般者向けの表示用と音声出力用の両操作ガイダンスを、
前者にはディスプレイ1を指定する出力デバイス指定通
知を付して、後者にはスピーカ2を指定する出力デバイ
ス指定通知を付して、出力制御部7に送ることにより、
当該操作ガイダンス「着駅の路線名を入力します。希望
の路線に触れてください。」をディスプレイ1に表示出
力させると共にスピーカ2より音声で出力させる(ステ
ップS17)。この一般者向けの音声出力用操作ガイダ
ンスは、比較的速い速度で音声出力されるように予め設
定されており、一般者が苛々しないで済むものとなって
いる。
【0079】対話管理部16は、初心者或いは一般者向
けの操作ガイダンスの出力を行う場合、更にショートカ
ット入力の操作ガイダンスの出力も行う(ステップS1
9)。
【0080】ここで、ショートカット入力の例を、図6
を参照して説明する。図6は、図1のマルチモーダル対
話装置で自動定期券発行機を実現した場合の操作手順を
示したものである。
【0081】本装置では、通常は、1つの入力項目毎に
ユーザへ入力を要求し、その要求の都度、ユーザは図6
のステップS21〜S25のように1つの項目を逐次入
力するのであるが、習熟者に対してはステップ26,S
27のように、例えば音声によって2つの項目を1回で
入力可能にする方法(ショートカット入力方法)も用意
されている。即ち、図4の着駅路線名入力画面は、図6
のステップS21の路線名入力(のための操作)を要求
する画面であるが、図6のステップS26に示すよう
に、「○○線△△駅まで」といった路線名と着駅の2つ
の項目を(音声により)1回で入力するショートカット
入力が利用できるようになっている。
【0082】そこで、このような入力方法を知らない
(と推察される)一般者及び初心者に対しては、前記ス
テップS19のように、例えば“次回からは「○○線△
△駅まで」のように入力することもできます”といった
ショートカット入力のガイダンスを行い、ユーザの学習
を助ける。
【0083】以上に述べたように、本実施例において
は、利用中のユーザの習熟度を判断し、特に初心者と判
断したユーザに対しては、丁寧で詳細な操作ガイダンス
を提供するようにしているので、その操作ガイダンスか
ら、初心者が操作方法を修得できるように学習させるこ
とができる。しかも、初心者に対し操作ガイダンスを音
声でも出力することから、初心者にとって操作方法が一
層理解しやすいものとなる。
【0084】一方、習熟者と判断したユーザに対して
は、操作の妨げとならないように必要最小限の簡潔な操
作ガイダンスのみが提供されるため、習熟者の操作速度
低下を防ぐことができる。しかも、習熟者に対しては、
音声ガイダンスを与えないようにしているため、習熟者
の操作の妨げとなることが防止できる。また、このよう
に音声出力を必要最小限とすることにより、音声により
周囲に迷惑を及ぼすことが極力防止できる。
【0085】更に、本実施例においては、入力をショー
トカットできる操作方法が用意されているため、その方
法を熟知している習熟者ほど操作時間が短縮され、一人
当たりの平均操作時間が短くなる。しかも、初心者(及
び一般者)と習熟者とを区別し、初心者(及び一般者)
に対してのみ、ショートカット入力のための操作ガイダ
ンスを出力するようにしているため、ショートカット入
力の操作方法を学習させて、次回からショートカット入
力を利用させることが可能となる。なお、初心者(及び
一般者)と習熟者とを区別しないものとすると、全ての
ユーザに対してショートカット入力のための操作ガイダ
ンスを行わねばならず、冗長になってしまう。
【0086】さて本実施例では、ユーザに対して音声に
よる入力を指示するときには、例えば「マイクに向かっ
て発声してください」という操作ガイダンスを、ディス
プレイ1またはスピーカ2から出力するようになってい
る。この操作ガイダンスは、一定時間を経過してもユー
ザから音声による入力がない場合には、再度出力され
る。
【0087】しかし、習熟者に対して何度も同じ操作ガ
イダンスを出力するのは冗長である。そこで、同じ内容
の操作ガイダンスを繰り返し出力する回数に上限を設
け、利用中のユーザの習熟度が高いほど出力回数が少な
くなるようにしている。この出力回数の上限値は、習熟
度判断部12が習熟度記憶部13に習熟度を設定する際
に、その習熟度に応じて当該習熟度判断部12により出
力回数記憶部14に設定されるもので、習熟者を示す習
熟度の場合には小さな値に、初心者を示す習熟度の場合
には大きな値に設定される。
【0088】対話管理部16は、上記した「マイクに向
かって発声してください」という操作ガイダンスの繰り
返し出力回数をカウントしており、その回数が出力回数
記憶部14に設定されている値に一致した場合には、当
該操作ガイダンスの繰り返し出力を停止する。
【0089】このように、利用中のユーザの習熟度に応
じて設定された出力回数記憶部14の内容に従って、同
じ内容の操作ガイダンスの繰り返し出力回数を制御する
ようにしたので、習熟者に対して同じ内容の操作ガイダ
ンスが何度も出力されて冗長になることが防止できる一
方、初心者に対しては必要な操作が行われるまで同じ内
容の操作ガイダンスを何度も出力して、必要な操作要求
を確実に伝えることができる。
【0090】ところで、対話装置においては、上記した
ように、1つの入力項目毎にユーザへ入力を要求するた
めに、その都度画面を切り替えるのが一般的である。こ
の画面切り替えの例を、図1のマルチモーダル対話装置
を、金融機関で用いられる自動預貯金機(ATM)に実
施した場合について、図7及び図8を参照して説明す
る。
【0091】通常、ATMで預金の引き出しを行う際に
は、図7(a),(b),(c),(d)の順で画面が
切り替えられる。対話装置は、この画面の切り替えに従
って順を追って操作ガイダンスを切り替えながらユーザ
に対して入力を促す。
【0092】この方式は、特に初心者にとって正しい手
順で操作しやすいという利点があるが、画面を切り替え
る(書き替える)時間と(画面数が多くなることから)
ユーザが全画面を理解するのに時間がかかるという問題
がある。特に、次にどのような操作を行うべきか熟知し
ている習熟者にとっては苛々する原因となる。
【0093】そこで、習熟度記憶部13に設定されてい
る習熟度により、利用中のユーザが習熟者であることが
示されている場合には、対話管理部16は、図8中の
(b),(c),(d)のように、画面の全体構成は変
えずに画面の切り替えを極力抑えて入力を促し、説明
(操作ガイダンス)も全体について1度だけ行うように
している。この場合、迅速な処理が可能となり、習熟者
にとっても煩わしくなく、快適に感じられる。
【0094】さて、本装置を利用していたユーザが本装
置から立ち去ると、その旨がセンサ5により検知され、
入力制御部6を介して習熟度判断部12に通知される。
すると習熟度判断部12は、習熟度記憶部13に設定さ
れている習熟度を初期値(一般者を示す習熟度)に戻
す。また習熟度判断部12は、自身が保持している誤操
作回数を初期値0に戻す。
【0095】なお、前記実施例では、ユーザによる入力
操作が行われる毎に習熟度判断部12による第1及び第
2の習熟度判断処理が行われる場合について説明した
が、例えば予め定められた画面まで処理が進んだ以降
は、これ以上の習熟度判断は不要であるとして、習熟度
判断処理を行わないようにしても構わない。
【0096】また、前記実施例では、利用中のユーザの
習熟度を判断する毎に、その判断した習熟度を習熟度記
憶部13に再設定するものとして説明したが、例えば判
断した習熟度の履歴を記録しておき、その履歴と今回の
判断結果をもとに(例えば習熟度の平均値を求めるなど
して)習熟度記憶部13に再設定する最新の習熟度を決
定するようにしても良い。この方式では、習熟度記憶部
13の示す習熟度が、ユーザ操作の都度大きく変動する
虞はない。更に、第1の習熟度判断処理での判断結果と
第2の習熟度判断処理での判断結果に重みを付け、例え
ば通常の入力時の操作速度を重視するならば前者の方に
大きい重みを、訂正入力時の操作速度を重視するならば
後者の方に大きい重みを付与するようにしても良い。
【0097】また、前記実施例では、習熟度判断部12
が第1乃至第3の習熟度判断機能を有しているものとし
て説明したが、いずれか1つだけを有しているものであ
っても良く、第1及び第2の習熟度判断機能、第1及び
第3の習熟度判断機能、または第2及び第3の習熟度判
断機能を有しているものであっても構わない。要は、ユ
ーザの入力操作状況を監視して、その操作状況からユー
ザの習熟度を判断する機能を有していれば良い。但し、
第2の習熟度判断機能を第1の習熟度判断機能と併用せ
ずに用いる場合には、再操作時間(正しい操作が行われ
るまでの時間)をもとに現在の習熟度を変更する(習熟
度のランクを下げる)方式(第3の習熟度判断機能と同
様の方式)とすることが好ましい。
【0098】また、前記実施例では、表示用の操作ガイ
ダンスとは別に音声出力用の操作ガイダンスも用意され
ているものとして説明したが、表示用の操作ガイダンス
(を構成するテキストデータ)及び習熟度記憶部13に
設定されている習熟度をもとに、利用中のユーザが初心
者の場合には、初心者向けに出力速度の遅い音声出力用
操作ガイダンスを作成し、利用中のユーザが一般者の場
合には、一般者向けに出力速度の比較的速い音声出力用
操作ガイダンスを作成して用いるようにしても構わな
い。
【0099】また、表示用の操作ガイダンスを初心者向
けと一般者向けとで共通なものとし、初心者向けには上
記のように表示による他に音声でも操作ガイダンスを出
力するものの、一般者向けには表示による操作ガイダン
ス出力のみとするようにしても構わない。更に、画面に
よっては、習熟者、初心者及び一般者の全てに対して音
声による操作ガイダンスの出力を行うようにしても構わ
ない。この場合、その出力速度は、習熟者に対するもの
が最も速く、初心者に対するものが最も遅くなるように
することが、習熟者にとっては苛々しないで済み、初心
者にとっては分かりやすいという点で好ましい。しか
も、音声出力速度を変えることにより、ユーザは画面上
の習熟度表示領域は見なくても、操作ガイダンスを聞く
だけで、自身が習熟者、初心者或いは一般者のいずれに
判断されているかを判別できる。この判別は、音声ガイ
ダンスの声質を変えることによっても可能でる。特に、
一般者という概念を無くし、習熟者と初心者の2つのラ
ンクに分ける場合には、一方に対しては男性の声で、他
方に対しては女性の声で音声ガイダンスを出力すること
で、より判別が容易となる。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ユ
ーザの操作状況からユーザの操作習熟度を判断し、その
判断した習熟度に応じて操作ガイダンスの内容、更には
出力形態を変えることにより、ユーザの習熟度に合わせ
た最適な操作ガイダンスを、そのユーザに最適な出力形
態で出力することができ、一人当たりの操作時間の減
少、操作方法の学習の促進、初心者の不安解消などの効
果を得ることができ、ユーザにより使いやすいヒューマ
ンインタフェースを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマルチモーダル対話装
置のブロック構成図。
【図2】図1中の閾値登録部10における操作時間閾値
τmin ,τmax の登録形態を示す概念図。
【図3】同実施例における習熟度判断処理(第1の習熟
度判断処理)の手順を示すフローチャート。
【図4】図1の対話装置で自動定期券発行機を実現した
場合における着駅路線名入力画面例を示す図。
【図5】同実施例における操作ガイダンス出力処理の手
順を示すフローチャート。
【図6】同実施例における操作手順例を示す図。
【図7】図1の対話装置で自動預貯金機を実現した場合
における預金引き出し時の初心者及び一般者向け画面切
り替え例を示す図。
【図8】図1の対話装置で自動預貯金機を実現した場合
における預金引き出し時の習熟者向け画面切り替え例を
示す図。
【符号の説明】
1…ディスプレイ(出力手段)、2…スピーカ(出力手
段)、3…音声入力装置(入力手段)、4…タッチパネ
ル(入力手段)、5…センサ(検知手段)、6…入力制
御部、7…出力制御部、8…操作時間計測部(監視手
段、操作時間計測手段)、9…操作履歴記録部、10…
閾値登録部、11…模範手順登録部、12…習熟度判断
部、13…習熟度記憶部、14…出力回数記憶部、15
…操作ガイダンスDB、16…対話管理部。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザ操作に従う入力を行うための入力
    手段と、ユーザに提示するメッセージの出力等に用いら
    れる出力手段とを備え、前記入力手段及び出力手段を介
    してユーザと対話を行って必要なタスクを遂行する対話
    装置において、 前記入力手段に対するユーザ操作状況を当該入力手段か
    らの入力により監視する監視手段と、 この監視手段の監視結果をもとに、利用中のユーザの操
    作習熟度を判断する習熟度判断手段と、 この習熟度判断手段によって判断された習熟度に応じ
    て、出力する操作ガイダンスを切り替える操作ガイダン
    ス切替手段とを具備することを特徴とする対話装置。
  2. 【請求項2】 ユーザ操作に従う入力を行うための入力
    手段と、ユーザに提示するメッセージの出力等に用いら
    れる出力手段とを備え、前記入力手段及び出力手段を介
    してユーザと対話を行って必要なタスクを遂行する対話
    装置において、 前記装置でのユーザ操作が可能となった時点からユーザ
    操作に従う前記入力手段からの入力時点までに要した操
    作時間を計測する操作時間計測手段と、 この操作時間計測手段によって計測された操作時間をも
    とに利用中のユーザの操作習熟度を判断する習熟度判断
    手段と、 この習熟度判断手段によって判断された習熟度に応じ
    て、出力する操作ガイダンスを切り替える操作ガイダン
    ス切替手段とを具備することを特徴とする対話装置。
  3. 【請求項3】 ユーザ操作に従う入力を行うための入力
    手段と、ユーザに提示するメッセージの出力等に用いら
    れる出力手段とを備え、前記入力手段及び出力手段を介
    してユーザと対話を行って必要なタスクを遂行する対話
    装置において、 前記入力手段を用いて行われたユーザの入力操作の履歴
    を入力時刻と共に記録しておくための操作履歴記録手段
    と、 前記装置における正しい操作手順を登録しておくための
    模範手順登録手段と、 前記操作履歴記録手段に記録された入力操作の操作履歴
    と前記模範手順登録手段に登録された正しい操作手順と
    を比較して、誤った操作が行われてから前記模範手順登
    録手段に登録された正しい操作が行われるまでの時間を
    求め、その時間をもとに利用中のユーザの操作習熟度を
    判断する習熟度判断手段と、 この習熟度判断手段によって判断された習熟度に応じて
    出力する操作ガイダンスを切り替える操作ガイダンス切
    替手段とを具備することを特徴とする対話装置。
  4. 【請求項4】 前記習熟度判断手段は、前記操作履歴記
    録手段に記録された入力操作の操作履歴と前記模範手順
    登録手段に登録された正しい操作手順とを比較して誤っ
    て行われた操作の回数を求め、その回数をもとに前記判
    断した操作習熟度を変更することを特徴とする請求項3
    記載の対話装置。
  5. 【請求項5】 前記習熟度判断手段は、標準の操作より
    も入力操作数が少なくて済む入力方法が適用された場合
    に、最高の操作習熟度を判断することを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれかに記載の対話装置。
  6. 【請求項6】 前記操作ガイダンス切替手段は、前記習
    熟度判断手段によって判断された習熟度が低いほど丁寧
    で詳細な操作ガイダンスに切り替え、当該習熟度が高い
    ほど簡潔な操作ガイダンスに切り替えることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の対話装置。
  7. 【請求項7】 前記操作ガイダンス切替手段は、前記習
    熟度判断手段によって判断された習熟度が予め定められ
    た習熟度より低い場合には、標準の操作よりも入力操作
    数が少なくて済む入力方法の操作ガイダンスを出力する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載の対話装置。
  8. 【請求項8】 前記操作ガイダンス切替手段は、前記習
    熟度判断手段によって判断された習熟度に応じた操作手
    順を提示することを特徴とする請求項1乃至請求項5の
    いずれかに記載の対話装置。
  9. 【請求項9】 前記出力手段として表示出力手段と音声
    出力手段とを備えており、前記操作ガイダンス切替手段
    は、前記操作ガイダンスの出力に前記表示手段を用いる
    他、前記習熟度判断手段によって判断された習熟度が予
    め定められた習熟度より低い場合に限り、前記音声出力
    手段も用いることを特徴とする請求項1乃至請求項5の
    いずれかに記載の対話装置。
  10. 【請求項10】 前記習熟度判断手段により判断された
    習熟度を記憶しておくための習熟度記憶手段を更に具備
    し、 前記操作ガイダンス切替手段は、操作ガイダンス出力が
    必要な場合に前記習熟度記憶手段を参照し、その時点に
    おいて当該記憶手段に記憶されている前記習熟度に応じ
    て、前記出力する操作ガイダンスを切り替えることを特
    徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の対話
    装置。
  11. 【請求項11】 前記装置からユーザが立ち去ったこと
    を検知するための検知手段と、 この検知手段によりユーザが立ち去ったことが検知され
    た場合に、前記習熟度記憶手段に記憶されている前記習
    熟度を初期値に変更する手段とを具備することを特徴と
    する請求項10記載の対話装置。
  12. 【請求項12】 前記習熟度記憶手段に記憶されている
    前記習熟度を示す情報を前記出力手段から出力させる出
    力制御手段を更に具備することを特徴とする請求項10
    記載の対話装置。
  13. 【請求項13】 前記習熟度記憶手段に記憶されている
    前記習熟度の変更を前記入力手段から指示入力するため
    習熟度変更指示手段と、 この習熟度変更指示手段からの変更指示に応じて前記習
    熟度記憶手段に記憶されている前記習熟度を変更する手
    段とを更に具備することを特徴とする請求項12記載の
    対話装置。
  14. 【請求項14】 ユーザ操作に従う入力を行うための入
    力手段と、ユーザに提示するメッセージの出力等に用い
    られる出力手段とを備え、前記入力手段及び出力手段を
    介してユーザと対話を行って必要なタスクを遂行する対
    話装置に適用される操作ガイダンス出力方法において、 前記入力手段に対するユーザ操作状況を監視して、利用
    中のユーザの操作習熟度を判断する第1の段階と、 この第1の段階での操作習熟度判断結果に応じて、出力
    する操作ガイダンスを切り替える第2の段階とを具備す
    ることを特徴とする操作ガイダンス出力方法。
  15. 【請求項15】 ユーザ操作に従う入力を行うための入
    力手段と、ユーザに提示するメッセージの出力等に用い
    られる出力手段とを備え、前記入力手段及び出力手段を
    介してユーザと対話を行って必要なタスクを遂行する対
    話装置に適用される操作ガイダンス出力方法において、 前記装置でのユーザ操作が可能となった時点からユーザ
    操作に従う前記入力手段からの入力時点までに要した操
    作時間を計測する第1の段階と、 この第1の段階で計測された操作時間をもとに利用中の
    ユーザの操作習熟度を判断する第2の段階と、 この第2の段階で判断された操作習熟度に応じて、出力
    する操作ガイダンスを切り替える第3の段階とを具備す
    ることを特徴とする操作ガイダンス出力方法。
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