(実施の形態1)
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここで示す実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本発明を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
以下、本発明の一実施形態に係る行動目標達成支援システムについて説明する。
(構成)
図1は、本実施の形態に係る行動目標達成支援システム10の概略構成を示す図である。行動目標達成支援システム10は、幼児、児童等といったユーザに特定の行動(目標行動)を習得させるために情報の提示制御を行うシステム(行動目標達成支援システム)の一例である。目標行動は、行動目標を達成する行動である。ここでは、目標行動の例として整理収納行動を用いて、主に住宅内に設置される装置類で構成され、幼児に整理収納行動を習得させるために情報の提示制御(提示内容、提示時期等に係る制御)を行う行動目標達成支援システム10について説明する。幼児の保護者(親等)は、幼児に、玩具で遊んだ後に適切に整理収納行動を習得させるべく行動目標達成支援システム10を活用し得る。整理収納行動は、例えば複数の物品の収納に係る行動であり、具体例としては、複数の玩具で遊んだ後にその複数全ての玩具を片付ける行動である。即ち、行動目標達成支援システム10は、具体例としては、幼児に玩具を片付けるという行動目標を達成させることを支援するシステムである。
行動目標達成支援システム10は、図1に示すように、情報処理装置100、撮像部101、及び、提示部102を含んで構成される。情報処理装置100、撮像部101及び提示部102は一体化して1つの筐体内に実装されてもよいが、ここではそれぞれ離間した装置に実装される例について説明する。
撮像部101は、情報処理装置100と通信可能なカメラ(イメージセンサ)であり、宅内の幼児が遊ぶ部屋等である所定空間を対象として撮像することにより、その所定空間に関しての画像データを生成して情報処理装置100へと送信する機能を有する。
提示部102は、例えば幼児が遊ぶ部屋或いはその周辺等に設置された提示装置(提示用情報を提示する装置)であり、例えば、映像コンテンツ(例えば動画等)を再生可能な再生装置(例えばディスプレイ等を備えた録画再生装置)等である。映像コンテンツには音声が付されていてもよく、再生装置は、例えばスピーカ等を備え、映像コンテンツに付された音声について再生可能であってもよい。提示部102は、情報処理装置100から予め定められた制御信号を受信することにより、その制御信号に示される制御内容に従って映像コンテンツの再生等を実行する機能を有する。提示部102が提示用情報を保持しない場合においては、制御信号は提示用情報を含む信号であり、提示部102が提示用情報を保持する場合においては、制御信号はその提示用情報を指定する信号であり得る。
情報処理装置100は、例えば、幼児に、整理収納行動を習得させるために、撮像部101による撮像で生成された画像データを分析して幼児の行動を評価し、評価結果に基づいて幼児に提示用情報を提示するための提示制御を行う機能を有するコンピュータである。提示用情報は、例えば小目標(玩具を1つ片付けること)の達成を褒める内容の映像コンテンツである。情報処理装置100は、提示制御として、提示用情報の内容及び提示時期を決定して提示部102を制御する。幼児が行動を行った後に提示用情報を提示することは、オペラント条件付け理論によれば、幼児に目標行動(整理収納行動)を自発的に実行する頻度を増加させる影響を与えることになる。提示用情報の提示は、報酬(幼児の目標行動の自発頻度を高める刺激)として作用する。
情報処理装置100は、通信インタフェース(I/F)、メモリ及びプロセッサ(マイクロプロセッサ)等を含んで構成される。通信I/Fは、無線通信或いは有線通信のための通信回路等である。通信I/Fにより、情報処理装置100は、例えば撮像部101及び提示部102と通信可能である。メモリは、プログラム及びデータを予め保持しているROM、プログラムの実行に際してデータ等の記憶に利用するためのRAM等であり、例えば不揮発性メモリを含んでいてもよい。なお、情報処理装置100は、メモリの他にハードディスク等の記憶媒体を含んでもよい。プロセッサは、メモリに格納されたプログラム(行動目標達成支援処理のための行動目標達成支援処理プログラム)を実行することにより通信I/F等を制御して各種処理を行う。なお、情報処理装置100は、幼児の保護者による操作を受け付ける等のためのユーザインタフェースとしての入力装置(キーボード、タッチパネル、或いは、音声入力装置等)及びディスプレイを有してもよい。また、情報処理装置100は、通信I/Fを用いて情報端末(幼児の保護者が携帯するスマートフォン、タブレット等)と通信することで、その情報端末を情報処理装置100のユーザインタフェース(入力装置及びディスプレイ)として利用してもよい。
情報処理装置100は、撮像部101で撮像により生成された画像データに基づく評価の結果に応じて提示制御を行う機能を実現するために、機能面では、図1に示すように評価部110、及び、提示制御部120を備える。
評価部110は、例えば情報処理装置100の通信I/F、及び、行動目標達成支援処理プログラムを実行するプロセッサにより実現される。評価部110は、撮像部101から、ユーザの行動に際して逐次撮像により生成された画像(画像データ)を取得し、その画像に基づいて、ユーザの行動を逐次評価する機能を有する。この評価は、行動目標をユーザが達成した度合いである達成レベルを決定することにより実現される。評価部110は、例えば幼児が玩具で遊んだ後の時間帯(片付けの時間帯)において撮像部101で逐次撮像された、幼児が遊ぶ部屋(所定空間)の画像の画像データと、参照用画像の画像データとを比較することで、逐次、幼児の行動の評価を行う。この評価は、その比較の結果に基づく達成レベルの決定である。参照用画像の画像データは、全ての玩具を片付けるという行動目標が達成された状態の所定空間を予め撮像して得られた画像データである。幼児が遊ぶ部屋等の所定空間は、整理収納行動(片付け)において収納される前の複数の物品(例えば玩具)が所在する場所を含む。評価部110は予めその参照用画像の画像データを保持している。
図2に、幼児(ユーザ)が玩具で遊んだ後の時間帯において撮像部101が撮像により生成した画像の一例を示す。図2に示す画像210は、所定空間の床に、玩具(積み木)210a〜210eが散在している状態(散らかっている状態)で撮像された画像である。評価部110は、撮像部101が撮像により生成した画像(例えば画像210)に係る画像データと、参照用画像の画像データとを比較することにより達成レベルを決定する。図2の例の場合においては、参照用画像は、全ての玩具を収納場所に格納することにより床に玩具が1つも存在しない状態の所定空間で予め撮像された画像である。なお、画像210及び参照用画像には、玩具以外の家具等も写ってよい。家具等は、例えば両画像の比較(例えば両画像の差分抽出等)により除去され得る。全ての玩具を片付けるという行動目標は、複数の小目標(例えば玩具を1つを片付けること)の達成によって、達成される。評価部110は、例えば、幼児が、達成した小目標の個数に応じて達成レベルを決定し得る。具体的には、評価部110は、撮像部101が撮像により生成した画像と参照用画像との差分から検出された物体の個数に基づいて達成レベルを決定し得る。ここでは、説明の便宜上、達成レベルを0から10までの範囲とし、幼児が片付けるべき玩具を、単純化して10個であるとする。この場合には、例えば、撮像部101が撮像により生成した画像と参照用画像との差分から検出された物体の個数を10から減算した結果を、達成レベルとして決定することができる。例えば、幼児が1個の玩具を片付けることができれば、画像の差分から検出された物体の個数は9となり、評価部110は達成レベルを1として決定する。また、幼児が2個の玩具を片付けることができれば、画像の差分から検出された物体の個数は8となり、達成レベルは2となる。また、幼児が10個全ての玩具を片付けることができれば、画像の差分から検出された物体の個数は0となり、達成レベルは10となる。達成レベルが10の場合には、幼児は行動目標を達成したことになり、達成レベルが0〜9の場合には、幼児は行動目標を達成できなかったことになる。
情報処理装置100における評価部110等は、幼児が遊んだ後の片付けの時間帯(玩具の整理収納が行われるべき時間帯)について、例えば、情報処理装置100の入力装置への幼児の保護者による操作、音声入力等に基づいて特定し得る。片付けの時間帯は、例えば、日毎に1回或いは複数回生じ得る。また、片付けの時間帯における撮像部101による撮像及び評価部110による幼児の行動の評価は、例えば、数秒毎、数十秒毎等の周期で逐次行われ得る。
提示制御部120は、例えば情報処理装置100の通信I/F、及び、行動目標達成支援処理プログラムを実行するプロセッサにより実現される。図1に示すように提示制御部120は、提示用情報の提示時期を決定する時期決定部121と、提示用情報の内容を決定する情報決定部122とを有する。提示制御部120は、評価部110から評価結果(達成レベル)を受けて、時期決定部121により決定された時期に、情報決定部122により決定された内容の提示用情報を提示させるように、提示部102に制御信号を送信することで提示部102を制御する。また、提示制御部120は、制御の履歴を制御記録(後述)として記録する。時期決定部121及び情報決定部122は、行動目標達成支援処理プログラムを実行するプロセッサにより実現される。
時期決定部121は、評価部110により決定される達成レベルに基づいて、提示用情報の提示時期を決定する機能を有する。時期決定部121は、提示時期制御情報を参照して、内容の互いに異なる提示時期パターンを選択的に用いることで提示時期を決定する。提示時期パターンは、1つ以上の基準レベルを特定する情報である。時期決定部121は、提示時期パターンで特定される1つ以上の基準レベルを用いて、評価部110により決定される達成レベルが、基準レベルのいずれかと一致した時期を、提示時期として決定する。時期決定部121が用いる各基準レベルは、互いに異なる行動目標の達成の度合いを示し、例えば、初期状態に対応する提示時期パターン(後述するパターンA)では1から10までの各整数である。時期決定部121は、一の単位期間(例えば1日間)において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルに基づいて、その一の単位期間に後続する単位期間である次の単位期間に用いる基準レベルの個数を定める(つまり提示時期パターンを定める)。個数の定め方の例としては、時期決定部121は、一の単位期間における最高の達成レベルが行動目標の達成に相当する、10という達成レベルを示すものとなった場合には、次の単位期間で用いる基準レベルの個数を一の単位期間で用いた基準レベルの個数より減少させる。つまり、時期決定部121は、ある日の最高の達成レベルに基づいて、次の日に提示時期の決定に用いる基準レベルの個数を定め、ある日の達成レベルが10であれば、その日より次の日の基準レベルの個数を減少させる。また、時期決定部121は、一の単位期間においてその前の単位期間より上達した場合には、次の単位期間で用いる基準レベルの個数を一の単位期間で用いた基準レベルの個数と同数にする。一の単位期間においてその前の単位期間期間より上達した場合とは、一の単位期間における最高の達成レベル(単位期間で評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベル)が、一の単位期間の前の単位期間における最高の達成レベルより高い場合である。また、時期決定部121は、一の単位期間における最高の達成レベルが、一の単位期間の前の単位期間における最高の達成レベルより高くない場合には、次の単位期間で用いる基準レベルの個数を一の単位期間で用いた基準レベルの個数より増加させる。単位期間は、1日より短い期間(例えば3時間等)でもよいし、1日より長い期間(例えば3日、10日等)であってもよい。
図3は、時期決定部121で用いられる提示時期制御情報の一例を示す図である。図3の例に係る提示時期制御情報は、複数の提示時期パターンそれぞれに番号を付した情報である。1番のパターンAは、1から10までの10個の基準レベルを特定するものであり、達成レベルが1から10までのいずれかに到達した時点で提示用情報を提示することを規定する。1番より提示頻度が1段階低い(つまり1番より基準レベルの個数が1段階少ない)2番のパターンBは、1、3、4、7、10という5個の基準レベルを特定するものであり、達成レベルが1、3、4、7、10のいずれかに到達した時点で提示用情報を提示することを規定する。2番より提示頻度が1段階低い3番のパターンCは、2、3、6、10という4個の基準レベルを特定するものであり、達成レベルが2、3、4、6、10のいずれかに到達した時点で提示用情報を提示することを規定する。3番より提示頻度が1段階低い4番のパターンDは、4、10という2個の基準レベルを特定するものであり、達成レベルが4、10のいずれかに到達した時点で提示用情報を提示することを規定する。なお、パターンB、パターンC及びパターンDにおいて、それぞれが特定する基準レベルそれぞれは、達成レベルがとり得る値の範囲内(10以下)で、ランダムに、つまり単純な規則性がないように、定めている。パターンAでは幼児が小目標(玩具を1つ片付けること)を達成する毎に提示用情報を提示するのに対して、パターンA以外の提示時期パターン(パターンB、パターンC、パターンD等)では、幼児が小目標を達成しても提示用情報が提示されないことが何回か生じる。オペラント条件付け理論を応用して、幼児が行動を行った後に毎回報酬を与える(提示用情報を提示する)という連続強化により整理収納行動を自発的に実行する頻度を増加させるために、時期決定部121では初期状態で提示時期パターンとしてパターンAを用いる。また、小目標を達成する幼児の行動に対して毎回報酬を与えるのではなく報酬を与える頻度を減少させることで、心理学上の部分強化の原理に基づく効果としての、整理収納行動を継続的に行わせる効果が生じ得る。そこで、時期決定部121は、パターンAで行動目標が達成された後において、提示時期パターンとしてパターンB等を用いる。これにより、幼児が行動目標の行動を効率的に習得できる可能性が高まり得る。
情報決定部122は、提示用情報の内容を決定する機能を有する。情報決定部122は、所定数の連続する単位期間のいずれについても、その単位期間における最高の達成レベルが、その単位期間の直前の単位期間における最高の達成レベルより高くない場合に、提示用情報の内容を変更する。所定数は例えば3、10等である。これにより、幼児が整理収納行動について上達していない場合に提示用情報の内容が変更されるようになる。所定数は1であってもよく、つまり、情報決定部122は、一の単位期間における最高の達成レベルが、一の単位期間の直前の単位期間における最高の達成レベルより高くない場合に提示用情報の内容を変更してもよい。情報決定部122が一定条件下で提示用情報の内容を変更することにより、提示用情報の提示が、幼児(ユーザ)個人の目標行動の自発頻度を高めるために一層効果的な刺激(報酬)となる可能性が生じ得る。
情報決定部122は、提示用情報リストを用いて提示用情報の内容を決定する。提示用情報リストにおける各提示用情報は、文字、音声、及び、キャラクターの画像のいずれか1つを含む。図4は、情報決定部122で用いられる提示用情報リストの一例を示す図である。図4の例に係る提示用情報リストは、複数の提示用情報それぞれに番号を付した情報である。図4の例では、1番の提示用情報Aは、キャラクターAが「やったね」、「よくできたね」と褒める映像を示す情報である。なお、この映像には、例えばキャラクターAが「やったね」、「よくできたね」と褒める音声が付されていてもよい。また、2番の提示用情報Bは、キャラクターBが「おかたづけできたね」と褒める映像を示す情報である。なお、この映像には、例えばキャラクターBが「おかたづけできたね」と褒める音声が付されていてもよい。情報決定部122は、例えば、提示用情報リストにおける1番の提示用情報を選択して、初期状態としての提示用情報の内容とする。情報決定部122は、例えば、提示用情報の内容を変更する必要がある場合に、提示用情報リストの番号順に1つの提示用情報を選択して新たな提示用情報の内容とする。提示用情報リストにおける各提示用情報の内容は、映像、音声等といった、人間の知覚(視覚、聴覚等)に作用する機器(ディスプレイ、スピーカ等)の出力に係る情報である。また、提示用情報リストにおける各提示用情報の内容は、例えば、オペラント条件付け理論に従って、幼児に目標行動(整理収納行動)を自発的に実行する頻度を増加させる影響を与えることを意図して定められたものである。なお、提示用情報リストにおける各提示用情報の内容(映像、音声等)は、例えば提示部102に記憶されている映像コンテンツ群から選択されていてもよく、例えば幼児の保護者が予め設定しておいてもよい。
図5は、提示制御部120により情報処理装置100のメモリ、ハードディスク等の記憶媒体に記録される制御記録の一例を示す。図5に例示する制御記録は、単位期間を1日として単位期間毎に、片付けの時間帯の終期の日時と、提示部102の制御に用いた提示用情報の内容と、提示時期パターンと、幼児の片付け(整理収納行動)の行動目標の達成度とを含む情報である。行動目標の達成度は、単位期間における評価部110の評価結果(達成レベル)のうち最高の達成レベルにより示される。制御記録は、時期決定部121及び情報決定部122が過去の単位期間における最高の達成レベルを参照する場合(幼児の片付けが上達しているか否かを判定する場合等)に利用される。図5の例では、9月1日に提示制御部120が提示時期パターンをパターンAとして提示用情報Aを提示するよう制御して、幼児の最高の達成レベルが10となったことを示す。また、9月2日に提示制御部120が提示時期パターンを部分強化のためのパターンBとして提示用情報Aを提示するよう制御して、幼児の最高の達成レベルが3となったことを示す。また、9月3日に提示制御部120が提示時期パターンをパターンAに戻して提示用情報Aを提示するよう制御して、幼児の最高の達成レベルが3となったことを示す。また、9月4日に提示制御部120が提示用情報の内容を変更して提示用情報Bを提示するよう制御して、幼児の最高の達成レベルが10となったことを示す。
上述の各構成要素を備える行動目標達成支援システム10は、例えば玩具で遊んだ後の整理収納行動を幼児に習得させるべく、幼児が、いくつかの玩具を片付けることができたときに効果的に提示用情報を提示し得る。
(動作)
以下、上述の構成を備える行動目標達成支援システム10の動作例について説明する。
図6は、行動目標達成支援システム10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図6に即して行動目標達成支援システム10の動作を説明する。ここでは、説明の便宜上、幼児の保護者が幼児に玩具で遊んだ後に玩具を片付けるという整理収納行動を習得させるために行動目標達成支援システム10を活用することとする。そして、幼児が玩具で遊んだ後に玩具を片付ける時間帯が1日に1回あり、単位期間が1日であるとして、説明する。
提示制御部120(時期決定部121及び情報決定部122)は、提示時期パターン及び提示用情報の内容を初期化する(ステップS11)。これにより、最初は、提示時期パターンとして連続強化に係るパターンA(図3参照)が用いられ、提示用情報として提示用情報A(図4参照)が用いられることになる。
片付けの時間帯において撮像部101は、所定空間(幼児が遊ぶ部屋の床付近の空間)を撮像することにより画像(画像データ)を生成する(ステップS12)。情報処理装置100は評価部110により、撮像部101から生成された画像データを取得して分析することで幼児の行動目標の達成の度合いを示す達成レベルを決定する(ステップS13)。達成レベルの決定は、取得した画像データに係る画像と、床に玩具が無い状態の参照用画像とを比較すること等により行われる。
情報処理装置100の提示制御部120は、達成レベルが、提示時期パターンにおける提示時期と合致するか否かを判定し(ステップS14)、合致する場合に提示用情報を提示するよう提示部102を制御する(ステップS15)。達成レベルが、提示時期パターンで規定されるいずれかの基準レベルと一致している場合に提示時期と合致すると判定される。これにより、提示部102は、提示制御部120(具体的には時期決定部121)により決定された提示時期に、提示用情報を提示することとなる。
ステップS14で合致しないと判定した場合には、提示制御部120は、提示用情報の提示に係るステップS15をスキップする。
提示制御部120は、単位期間が経過する毎に(ステップS16)、提示制御内容決定処理を行う(ステップS17)。提示制御内容決定処理は、達成レベルに基づいて一定条件下で提示時期パターン及び提示用情報の内容を変更する処理であり、後に図7を用いて説明する。
行動目標達成支援システム10は、ステップS12〜S17までの処理手順を繰り返し実行する。繰り返しの周期は、例えば、片付けの時間帯においては数秒、数十秒等の周期であり得るが、周期は必ずしも一定である必要はない。単位期間内における繰り返しにより、前回から達成レベルが変化していない場合にはステップS15での提示用情報の提示は行われない。なお、ステップS12及びS13を繰り返し、達成レベルに変化が生じた場合にのみステップS14へと進むようにしてもよい。
図7は、行動目標達成支援システム10における提示制御内容決定処理(上述のステップS17)の一例を示すフローチャートである。以下、図7に即して提示制御内容決定処理の具体例を説明する。
提示制御部120は、現在用いている提示時期パターンが、連続強化に係るパターンAであるか否かを判定する(ステップS21)。
ステップS21でパターンAであると判定した場合において、提示制御部120は、幼児が行動目標を達成したか否か(つまり達成レベルが最高の10であるか否か)を判定する(ステップS22)。
ステップS22で幼児が行動目標を達成したと判定した場合には、提示制御部120は、提示時期パターンを、パターンAより一段階低頻度のパターンBに変更して(ステップS23)、提示制御内容決定処理を終える。
ステップS22で幼児が行動目標を達成しなかったと判定した場合には、提示制御部120は、幼児が上達したか否か(つまり現在の単位期間における最高の達成レベルがその前の単位期間における最高の達成レベルより上昇したか否か)を判定する(ステップS24)。ステップS24で幼児が上達したと判定した場合には、提示制御部120は、提示時期パターンをパターンAから変更することなく、提示制御内容決定処理を終える。一方、ステップS24で幼児が上達しなかったと判定した場合には、提示制御部120は、情報決定部122で提示用情報の内容を変更し(ステップS25)、提示制御内容決定処理を終える。
また、ステップS21でパターンAでないと判定した場合において、提示制御部120は、幼児が行動目標を達成したか否か(つまり達成レベルが最高の10であるか否か)を判定する(ステップS26)。
ステップS26で幼児が行動目標を達成したと判定した場合には、提示制御部120は、提示時期パターンを、現在のパターンより一段階低頻度のパターンに変更して(ステップS27)、提示制御内容決定処理を終える。
ステップS26で幼児が行動目標を達成しなかったと判定した場合には、提示制御部120は、幼児が上達したか否か(つまり現在の単位期間における最高の達成レベルがその前の単位期間における最高の達成レベルより上昇したか否か)を判定する(ステップS28)。ステップS28で幼児が上達したと判定した場合には、提示制御部120は、提示時期パターンを現在のパターンから変更することなく、提示制御内容決定処理を終える。一方、ステップS28で幼児が上達しなかったと判定した場合には、提示制御部120は、提示時期パターンを、現在のパターンより一段階高頻度のパターンに変更して(ステップS29)、提示制御内容決定処理を終える。
以上説明したように行動目標達成支援システム10は、幼児の行動の評価結果(達成レベル)に基づいて提示用情報の提示時期及び内容を一定条件下で変化させ、達成レベルが変化した際(つまり玩具を1つ片付けるという小目標を達成した際)に提示用情報を提示する。提示部102が提示用情報を提示する様子を図8に示す。図8では、提示部102がディスプレイ311及びスピーカ312a、312bを備える例を示している。提示部102は、図8の例のように、例えば、提示用情報Aに基づいてキャラクターA313が「やったね」等と褒める言葉を発する映像コンテンツを再生(表示、音声再生等)することで、提示用情報の提示を実現し得る。提示部102による提示用情報の提示時期についての変化の例を図9に示す。9月1日の提示例321と、9月2日の提示例322とでは、玩具を片付けた数毎について提示用情報が提示されたか否かを区別して示している。塗り潰した縦長短冊により、提示用情報が提示されたことを示している。また、破線の輪郭の縦長短冊により、達成レベルが、提示用情報が提示されるはずの基準レベルに達しなかったため提示用情報が提示されなかったことを示している。提示例321は、連続強化に係るパターンAの適用例であり、1個目の玩具から10個目の玩具まで1つずつ片付ける毎に提示用情報が提示されたことを示している。また、提示例322は、部分強化に係るパターンBの適用例であり、1個目或いは3個目の玩具を片付けた際には提示用情報が提示されたが、2個目の玩具を片付けた際には提示用情報が提示されなかったことを示している。
このように、行動目標達成支援システム10は、幼児等のユーザに目標行動(行動目標の達成に係る行動)を効果的に習得させるために有用である。
(他の実施の形態等)
以上、実施の形態1により行動目標達成支援システム10について説明したが、上述した実施の形態は一例に過ぎず、各種の変更、付加、省略等が可能であることは言うまでもない。
上述の実施の形態では、行動目標達成支援システム10が、幼児が玩具を全て片付けるという行動目標を達成するための目標行動(整理収納行動)を習得することを支援する例を示した。しかし、目標行動は、整理収納行動に限られず、例えば早起き等でもよく、いかなる行動であってもよい。また、評価部110による行動の評価としての達成レベルの決定においては、幼児が片付けた玩具の個数と達成レベルとが一対一に対応する必要はない。行動目標を細分化した小目標を任意の単位で定めることが可能であり、評価部110は、その小目標の達成と一定の関係を有するように達成レベルを決定し得る。また、行動目標達成支援システム10を幼児に早起きを習得させるために用いる場合においては、単位期間を例えば1週間とし、1週間連続して早起きするという行動目標に対して小目標は1日早起きすることとし得る。この場合に、起床時間帯において撮像部101により幼児のベッド周辺を撮像することで、起床できたか否かを識別する。評価部110では、1週間(7日)における達成レベルを起床時間帯に起床できた日数に応じて0〜7の範囲で決定する。提示制御部120は、最初は連続強化のパターンにより1日の早起きができる毎に提示用情報を提示し、1週間連続して1日の早起きができたら、部分強化のパターンにより提示用情報の提示頻度を減少させる。なお、行動目標達成支援システム10のユーザは必ずしも幼児、児童等に限られず、例えば成人等であってもよい。
また、上述の実施の形態では、図3で予め基準レベルを定めたパターンB、パターンC等を示しているが、提示時期パターンとして用いるパターンにおける基準レベルを、乱数を用いた演算処理によってランダムに定めてもよい。また、提示時期パターンとして用いるパターンにおける基準レベルを、演算処理によって一定の規則性を有するように定めてもよい。
また、上述の実施の形態では、提示制御部120は、図7のステップS24、S28での処理等における上達の判定を、ある単位期間での最高の達成レベルとその前の単位期間での最高の達成レベルとを比較することで実現することとした。しかし、上達の判定を、複数の単位期間における最高の達成レベルの平均値を用いた比較により実現してもよい。例えば、ある日(単位期間の一例)における過去10日分の最高の達成レベルの平均値を、その前の日における過去10日分の最高の達成レベルの平均値と比較することで、ある日が前の日から上達したか否かを判定してもよい。
また、上述の実施の形態では、提示制御部120は、図7のステップS24或いはステップS28で上達したと判定した場合に、次の単位期間で用いる提示時期パターンを、現在の単位期間で用いた提示時期パターンから変更しないこととした。しかし、この場合に、次の単位期間で用いる提示時期パターンにおける基準レベルの個数を、現在の単位期間で用いた提示時期パターンにおける基準レベルの個数と同数にして、各基準レベルの値をランダムに定めてもよい。
また、上述の実施の形態では、時期決定部121が、提示時期パターンを用いて提示用情報の提示時期を決定する例を示した。これは、時期決定部121が、評価部110による評価結果(達成レベル)に基づいて提示用情報の提示時期を決定する一例に過ぎない。例えば、次のように提示時期を決定するように時期決定部121を部分的に変形してもよい。即ち、変形例に係る時期決定部121は、一の単位期間における最高の達成レベルが、一の単位期間の前の単位期間における最高の達成レベルより高い場合には、一の単位期間の次の単位期間における提示用情報の提示間隔が、一の単位期間における提示用情報の提示間隔よりも長くなるように、次の単位期間における提示用情報の提示時期の決定を行う。また、変形例に係る時期決定部121は、一の単位期間における最高の達成レベルが、一の単位期間の前の単位期間における最高の達成レベルより高くない場合には、一の単位期間の次の単位期間における提示用情報の提示間隔が、一の単位期間における提示用情報の提示間隔よりも短くなるように、次の単位期間における提示用情報の提示時期の決定を行う。これは、個々の達成レベルに対応する行動(例えば小目標の達成のための行動)の実行に要する期間が一定であるような場合等において有用となる。
また、上述の実施の形態では、行動目標達成支援システム10では、評価部110が、達成レベルの逐次決定を、撮像部101から逐次取得した画像データに係る画像と、床に玩具が無い状態の参照用画像とを比較することにより行う例を示した。しかし、参照用画像は、例えば幼児が玩具で遊んで片付けを開始する前の状態の所定空間(玩具が散在する床を含む空間)を撮像部101が撮像することで生成した画像であってもよい。この場合には、評価部110は、例えば片付けの時間帯において逐次撮像された画像とその参照用画像との差分が大きいほど達成レベルが高くなるように、達成レベルを決定し得る。また、玩具それぞれの収納場所が予め定まっているような場合においてその個々の収納場所を区別して撮像部101が複数の画像を撮像することとしてもよい。この場合には、評価部110は、収納場所毎に対応する各画像に玩具が写っているか否かにより玩具が何個片付けられたかを判別して個数に応じて、達成レベルを決定し得る。
また、上述の実施の形態では、行動目標達成支援システム10が、主に住宅内に設置された装置類で構成される例を示した。しかし、行動目標達成支援システム10は、住宅内に設置された装置類を含んでも含まなくてもよく、住宅外に設置された装置類を含んで構成されてもよいし、また、可搬性を有する装置類を含んで構成されてもよい。また、提示部102が、例えばディスプレイ等を備えた録画再生装置である例を示した。しかし、提示部102は、ユーザに視覚、聴覚等のいずれかにより認識されるように情報を提示可能な装置であれば十分であり、プロジェクタ、テレビジョン受信機、タブレット、音声再生装置等であってもよい。また、情報処理装置100と提示部102とは一体の装置(例えばタブレット、スマートフォン等の情報端末)であってもよい。
また、上述の実施の形態では、提示用情報は、ユーザの小目標の達成を褒める情報を含むこととした。しかし、提示用情報は、ユーザの行動の上達を褒める情報等であってもよく、褒める内容を含むことで提示用情報は、褒める前に実行された行動(オペラント行動)の自発頻度を高める刺激(報酬)として作用し得る。なお、提示用情報は、報酬として作用し得るものであれば、ユーザにとって好まれる情報(例えば心地よい感情を生じ得るキャラクターその他の映像、音楽等)であってもよい。
また、上述の実施の形態で示した行動目標達成支援システム10における情報処理装置100の機能の一部を他の装置が分担してもよい。他の装置は、住宅の外部のサーバ等といった、情報処理装置100に対して遠隔地に設置されたコンピュータであってもよい。また、上述の行動目標達成支援システム10の動作手順(図6、図7参照)の実行順序は、必ずしも、上述した通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えたりその一部を省略したりすることができる。また、上述の提示制御内容決定処理(図7参照)の全部又は一部を含む行動目標達成支援処理は、情報処理装置100或いは他の装置のハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理は、情報処理装置100或いは他の装置に含まれるプロセッサがメモリに記憶された行動目標達成支援処理プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その行動目標達成支援処理プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させてもよい。例えば、頒布された行動目標達成支援処理プログラムを装置にインストールして、装置のプロセッサに実行させることで、装置に提示制御内容決定処理の全部又は一部を含む行動目標達成支援処理を行わせることが可能となる。
また、上述した実施の形態及び変形例等で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲に含まれる。
なお、本発明の包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
以下、本発明の一態様に係る行動目標達成支援システム、及び、この行動目標達成支援システムで用いられる行動目標達成支援方法及び行動目標達成支援処理プログラムの構成、変形態様、効果等について示す。
(1)本発明の一態様に係る行動目標達成支援システムは、行動目標の達成を支援する行動目標達成支援システム10であって、ユーザの行動に際して逐次撮像により生成された画像に基づいて、行動目標をユーザが達成した度合いである達成レベルを逐次決定する評価部110と、評価部110により決定される達成レベルに基づいてユーザへの提示用情報の提示時期を決定する時期決定部121と、時期決定部121により決定された提示時期に、提示用情報を提示する提示部102とを備える。
この構成により、提示用情報の提示によりユーザに影響を及ぼすことでユーザに特定の行動を習得させることを支援する。そして、提示用情報の提示時期を達成レベルに基づいて決定するので、提示時期を変動させ得る。提示時期の変動を伴う提示用情報は、報酬(つまりユーザの自発的行動の自発頻度を高める刺激)として有効に作用し得る。これにより、ユーザが行動目標の行動を効率的に習得できる可能性が高まり得る。
(2)例えば、行動目標は、複数の小目標の達成によって、達成され、評価部110は、ユーザが達成した小目標の個数に応じて達成レベルを決定し、時期決定部121は、互いに異なる行動目標の達成の度合いを示す1つ以上の基準レベルを用いて、評価部110により決定される達成レベルが、基準レベルのいずれかと一致した時期を、提示時期として決定し、一の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルに基づいて、その一の単位期間に後続する単位期間である次の単位期間に用いる基準レベルの個数を定めることとしてもよい。この基準レベルの個数は、単位期間において提示用情報の提示頻度の可能性としての最大値を特定するものである。ユーザが、行動目標を達成する場合においては基準レベルの個数分だけ提示用情報の提示がなされる。
これにより、ユーザによる小目標の達成に対する、提示用情報の提示頻度が変動し得るので、ユーザが行動目標の行動を効率的に習得できる可能性が高まり得る。
(3)例えば、提示用情報は、小目標の達成を褒める情報を含むこととしてもよい。
これにより、提示用情報の提示が、その提示の前に実行された行動の自発頻度を高める刺激として作用する。
(4)例えば、時期決定部121は、一の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルが行動目標の達成に相当する度合いを示すものとなった場合には、次の単位期間で用いる基準レベルの個数をその一の単位期間で用いた基準レベルの個数より減少させることとしてもよい。
これにより、次の単位期間において提示用情報の提示により、部分強化が行われるようになり、ユーザが継続的に行動目標の達成に向けた行動を行う可能性が高まり得る。このため、行動目標達成支援システム10は、ユーザによる目標行動の習得を促進し得る。
(5)例えば、時期決定部121は、基準レベルの個数を減少させるときに、その減少後の個数の基準レベルそれぞれを、達成レベルがとり得る値の範囲内でランダムに定めることとしてもよい。
これにより、規則的に提示用情報が提示されないので部分強化が有効に作用し得る。
(6)例えば、時期決定部121は、一の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルが、その一の単位期間の前の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルより高い場合には、次の単位期間で用いる基準レベルの個数を一の単位期間で用いた基準レベルの個数と同数にすることとしてもよい。
これにより、行動目標達成支援システム10は、ユーザの上達により有効に作用していると推定される提示頻度を維持するので、ユーザの行動目標の達成を適切に支援し得る。
(7)例えば、時期決定部121は、一の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルが、その一の単位期間の前の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルより高くない場合には、次の単位期間で用いる基準レベルの個数を一の単位期間で用いた基準レベルの個数より増加させることとしてもよい。
これにより、行動目標達成支援システム10は、ユーザが上達しないことにより有効に作用していないと推定される現在の提示頻度を、高めるように変更するので、ユーザによる行動目標の達成を促進し得る。
(8)例えば、行動目標達成支援システム10は更に、提示用情報の内容を決定する情報決定部122を備え、情報決定部122は、所定数の連続する単位期間のいずれについても、その単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルが、その単位期間の直前の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルより高くない場合に、提示用情報の内容を変更することとしてもよい。所定数は、例えば、1、3、10等であり得る。なお、所定数が1の場合においては上述の連続する単位期間は、1つの単位期間を意味する。
これにより、ユーザが上達しないことにより有効に作用しなかったと推定される現在の提示用情報の内容での提示を繰り返すことが防止される。
(9)例えば、提示用情報は、ユーザの行動の上達を褒める情報を含み、時期決定部121は、一の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルが、その一の単位期間の前の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルより高い場合には、その一の単位期間に後続する単位期間である次の単位期間における提示用情報の提示間隔が、その一の単位期間における提示用情報の提示間隔よりも長くなるように、次の単位期間における提示用情報の提示時期の決定を行うこととしてもよい。
これにより、ユーザが継続的に行動目標の達成に向けた行動を行う可能性が高まり得る。
(10)例えば、提示用情報は、ユーザの行動の上達を褒める情報を含み、時期決定部121は、一の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルが、その一の単位期間の前の単位期間において評価部110により決定された達成レベルのうち最高の達成レベルより高くない場合には、その一の単位期間に後続する単位期間である次の単位期間における提示用情報の提示間隔が、その一の単位期間における提示用情報の提示間隔よりも短くなるように、次の単位期間における提示用情報の提示時期の決定を行うこととしてもよい。
これにより、ユーザが上達しない場合において提示用情報の提示頻度を高めることで、ユーザによる行動目標の達成を促進し得る。
(11)例えば、行動目標達成支援システム10は更に、画像を撮像により生成する撮像部101を備え、評価部110は、撮像部101によりユーザの行動に際して所定空間を撮像することで生成された画像と、行動目標が達成された状態のその所定空間を予め撮像して得られた画像との比較結果に応じて達成レベルの決定を行うこととしてもよい。
これにより、逐次撮像で得られた画像データに係る画像と、参照用画像との比較という比較的容易な方法でユーザの行動に係る評価(達成レベルの決定)を行うことが可能となる。このため、例えばコストを抑制して行動目標達成支援システム10を構築することが可能となり得る。
(12)例えば、上述の行動目標のための行動は、複数の物品(例えば玩具等)の収納に係る整理収納行動であり、上述の所定空間は、収納される前の複数の物品が所在する場所を含むこととしてもよい。なお、この場合において例えば、評価部110は、複数の物品が所在する場所から物品がいくつ消えたか等を画像比較等で区別して達成レベルを決定してもよい。
これにより、行動目標達成支援システム10は、例えば、玩具を片付けることを幼児に効果的に習得させ得る。
(13)例えば、提示用情報は、文字、音声、及び、キャラクターの画像のいずれか1つを含むこととしてもよい。キャラクターの画像は、キャラクターを表した画像である。
これにより、提示用情報がユーザに認識されるので、提示用情報の提示が、ユーザの自発的行動の自発頻度を高める刺激として有効に作用し得る。
(14)本発明の一態様に係る行動目標達成支援方法は、行動目標の達成を支援する行動目標達成支援方法であって、ユーザの行動に際して逐次撮像により生成された画像に基づいて、行動目標をユーザが達成した度合いである達成レベルを逐次決定する評価ステップ(例えばステップS13)と、評価ステップで決定される達成レベルに基づいてユーザへの提示用情報の提示時期を決定する時期決定ステップ(例えばステップS14、S17)と、時期決定ステップで決定された提示時期に、提示用情報を提示する提示ステップ(例えばステップS15)とを含む。
これにより、ユーザの達成レベルに基づいて提示用情報の提示時期が変動し得るので、ユーザが行動目標の行動を効率的に習得できる可能性が高まり得る。
(15)本発明の一態様に係る行動目標達成支援処理プログラムは、行動目標の達成を支援する行動目標達成支援処理をコンピュータに実行させるための行動目標達成支援処理プログラムであって、行動目標達成支援処理は、ユーザの行動に際して逐次撮像により生成された画像に基づいて、行動目標を当該ユーザが達成した度合いである達成レベルを逐次決定する評価ステップ(例えばステップS13)と、評価ステップで決定される達成レベルに基づいてユーザへの提示用情報の提示時期を決定する時期決定ステップ(例えばステップS14、S17)とを含む。
この行動目標達成支援処理プログラムを、マイクロプロセッサを備えるコンピュータである情報処理装置100にインストールすれば、情報処理装置100が行動目標達成支援処理を実行し、ユーザに提示すべき提示用情報の提示時期を適切に決定し得る。この情報処理装置100により決定された提示時期を用いて提示部102がその提示時期に提示用情報の提示を行うことで、ユーザによる行動目標の行動の習得を適切に支援することが可能となり得る。