JPH0844190A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH0844190A
JPH0844190A JP6196202A JP19620294A JPH0844190A JP H0844190 A JPH0844190 A JP H0844190A JP 6196202 A JP6196202 A JP 6196202A JP 19620294 A JP19620294 A JP 19620294A JP H0844190 A JPH0844190 A JP H0844190A
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  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像ローラー表面にトナーを極めて均一に塗
布でき、かつ高い現像性を保ちつつ、環境の影響を受け
ることなく長期にわたり安定した画像を維持することが
可能な画像形成方法を提供することを目的とする。 【構成】 表面にトナー8を担持して回転し、該トナー
を静電荷像保持体1上に形成された静電潜像に供給する
ことによって潜像の現像を行なう現像ローラー9で基本
的に構成される現像装置を用いて静電潜像を現像した
後、さらに転写材16に転写する画像形成方法におい
て、該トナーは、ワックスとして特定の長鎖炭化水素化
合物を含有しており、現像時に該現像ローラーに対向し
て設けた静電荷像保持体に該現像ローラー上のトナーを
接触させて現像することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に使用す
るトナー及び該トナーを用いるのに適した現像ローラー
と感光体に対する帯電付与部材を用いる画像形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2,297,691に示されているカールソンプロセス
を基本として、これまで多数の方法が提案されている。
一般には光導電性物質を用いた感光体上に静電気的潜像
を形成し、次に該潜像に「トナー」と呼ばれる微粉末を
選択的に付着させ、現像を行ない該潜像を顕在化する。
この顕像化したトナーを必要に応じて紙などの転写材に
転写した後、熱及び圧力、または溶剤蒸気などにより定
着し画像形成物を得るものである。
【0003】これらの電子写真方式に使用されるトナー
はさらに絶縁性と導電性に分類される。一般にこれらの
現像方法に使用されるトナーは樹脂の中に染料,顔料な
どの着色剤、帯電制御剤などを分散させた約10μmの
微粒子の表面に種々の物質を付着させたものが使用され
ている。しかし、これらの微粉末を前記の現像方法に用
いるためには種々の化学的物理的特性が要求される。
【0004】現像方法としては乾式現像方式、液体現像
方式に大別でき、さらに乾式現像方式としてはキャリア
を使用する二成分現像方式として磁気ブラシ現像法、カ
スケード現像法などが知られている。また、一成分現像
方式としては、ジャンピング現像法、FEED現像法な
どが知られている。特に、弾性変形可能なトナー担持体
であるところの現像ロール上にトナーを規制部材により
薄層形成し、潜像担持体にトナーを搬送し、像を可視像
化する一成分現像方法としては、特公昭52−3641
4号公報、特公昭59−37828号公報、特公昭63
−54178号公報等に種々の方法が開示されている。
【0005】上述の最終行程であるトナー像を紙等のシ
ートに定着する行程に関しては、種々の方法や技術が開
発されている。現在最も一般的な方法は加熱ローラーに
よる圧着加熱方式である。この加熱ローラーによる圧着
加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を
形成した加熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像
面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着
を行うものである。この方法によれば、加熱ローラー表
面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するた
め、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が
極めて良好であり、迅速に定着を行うことができる。
【0006】また最近、熱ローラーにかわり加熱体に対
向圧接しかつフィルムを介して記録材を該加熱体に密着
させる加圧部材とからなる定着装置が実用化されてい
る。
【0007】ところで、近年においては、プリンターの
普及,複写機のデジタル化,及びトナーの微粒子化によ
り、コピー画像の高画質化が望まれている。
【0008】特に、文字入りの写真画像においてそのコ
ピー画像の文字は鮮明で、写真画像は、原稿に忠実な濃
度階調性が得られるということが要求されている。一般
に、文字入り写真画像のコピーにおいて、文字を鮮明に
する為にライン濃度を高くすると、写真画像の濃度階調
性が損なわれるばかりでなく、ハーフトーン部分では非
常にがさついた画像となる。
【0009】どころで、前述した様に定着時にライン画
像が押しつぶされたり、飛び散ったりして、逆に画像の
画質劣化を生じる。
【0010】さらに、ライン濃度を高くすると、トナー
の転写工程においてトナーののり量が多い為に、転写時
にトナーが感光体に押しつけられ感光体に付着して、か
えってライン上のトナーが抜けた、いわゆる中抜け現象
を起こし、低画質のコピー画像となる。また逆に写真画
像の濃度階調性を良くしようとすると、文字ラインの濃
度が低下し、鮮明さが悪くなる。
【0011】近年においては、画像濃度を読みとり、デ
ジタル変換によって濃度階調性はある程度改良されてき
てはいる。しかし未だ十分とは言えないのが現状であ
る。
【0012】これは現像剤の現像特性によるものが大き
い。つまり現像電位(感光体電位と、現像剤担持体電位
との差)と、画像濃度とが直線的な関係にならず、ハー
フトーン領域においては、わずかな現像電位の変化によ
り、画像濃度は非常に大きく変化することになる。この
ことにより、十分に満足し得る濃度階調性を得るのが難
しいのである。
【0013】通常、ライン画像をコピーしてその鮮明さ
を保つには、エッジ効果の影響を受ける為に、エッジ効
果を受けにくいベタ画像部での最大画像濃度は1.30
程度のもので十分である。
【0014】しかし、写真画像では、写真そのものの最
大濃度が、その表面光沢性によるものが大きく、1.9
0〜2.00と非常に高い。従って、写真画像のコピー
において、その表面の光沢性を抑えたとしても、画像面
積が大きい為、エッジ効果による濃度アップはしないの
で、ベタ画像部での最大画像濃度は、1.4〜1.5程
度は必要である。
【0015】したがって、現像電位と画像濃度とを一次
の(直線的な)関係にし、かつ最大画像濃度を1.4〜
1.5にすることが、文字入り写真画像の画像形成にお
いては非常に重要なものとなってくる。
【0016】さらに、濃度階調性は、トナーの飽和帯電
量及び帯電速度の影響を大きく受ける。飽和帯電量が現
像条件に対し適正量である場合、そして、さらにトナー
の帯電速度が遅い場合は、初期のトナー画像において、
最大画像濃度は低く、したがって、全体的に薄くぼやけ
たものとなる。
【0017】但し、前述した様に、このときの最大画像
濃度が、1.3程度であればライン画像では、問題がな
い。したがって、この場合、ライン画像ではトナーの帯
電速度が遅い為に、問題を生ずることは少ない。
【0018】また、帯電速度が遅くても、飽和帯電量を
大きくした場合、初期コピー画像濃度が高くなる。しか
し、連続コピーを行うと、徐々にトナーの帯電量が高く
なり、ついには現像適正帯電量を超える為に、コピー画
像濃度の低下を招く結果となる。この場合も前述したこ
とと同様に、最大画像濃度が1.3程度であれば、ライ
ン画像では問題ないか、又は、少ない。
【0019】つまり、これらのことは、写真画像の方
が、ライン画像よりも、トナーの飽和帯電量及び帯電速
度の影響をより大きく受けるということである。
【0020】一方、トナー粒子径を小さくすると、電荷
制御剤や着色剤の分散状態がトナーの帯電性に大きく影
響を及ぼすことは明白である。
【0021】静電荷像現像用トナーに用いられる、トナ
ーの電荷制御方法としては、一般に荷電制御剤と呼ばれ
る染料や顔料があり、負帯電性を与えるものとして、主
としてクロム錯体化合物が使用されている。
【0022】ところが、特開昭60−170864号公
報では、このクロム錯塩化合物中、バインダー樹脂に対
して相溶性の良いものは、均質な負帯電性を示し、鮮明
な複写画像を得ることはできるが、クリーニング不良に
よる感光体へのトナーの拭き残りや、フィルミング現象
が生じ、バインダー樹脂(特にポリエステル樹脂)に不
溶なものが、帯電性が良好で、フィルミングに対しても
良好であることが開示されている。
【0023】しかし、バインダー樹脂に不溶な金属錯塩
化合物を用いたトナーは結着樹脂に対して分散性が不十
分である。従って、この様な金属錯塩化合物を用いて、
トナーの微粒子化を行うと、低湿下では特に帯電過剰と
なり、カブリや濃度低下を生じる。これはトナー製造に
おける微粉砕工程の際トナーの粉砕粒度分布における微
粉における荷電制御剤量比(重量比)と粗粉における荷
電制御剤量比(重量比)に大きな差が生じ(いわゆる荷
電制御剤の偏析)、トナー粒子間の帯電量に差が生じる
為である。
【0024】また製造の点でトナーの分級工程で生じる
分級微粉、分級粗粉を再利用する場合において、さらに
荷電制御剤の偏析が著しくなり、低湿下でのトナーの帯
電性不良による画像濃度の低下、カブリの発生により、
従来は積極的に分級微粉や分級粗粉をともに再利用する
ことは困難であり、特開平3−209266号公報で開
示されているように分級粗粉のみの再利用化だけにとど
まっていた。この荷電制御剤の分散性向上のために特開
昭61−155464号公報、特開昭62−17756
1号公報にアゾ系鉄錯体の荷電制御剤が知られている
が、トナーの帯電の迅速な立ち上りが得られず、長期間
放置や高湿下では画像濃度が著しく低下する。また近年
の高画質化のためのトナーの微粒子化(重量平均径で9
μm以下)に際し、低湿度下で著しくトナーの帯電量が
高くなり、ライン画像の細り、画像濃度の低下さらに過
度に帯電したトナーによる、現像ローラー上のトナーの
帯電不良による逆帯電トナーが生じ、反転電位カブリが
起こる。
【0025】この様なアゾ系鉄錯体荷電制御剤を用いた
トナーの帯電性改良のために、特開平2−153362
号公報ではトナー層厚規制部材やトナー補給補助部材等
の特殊な現像装置が報告されている。これらの発明は、
トナー以外の帯電付与部材によりトナーの現像性を維持
させており、トナーの本質的な性能としては不十分なも
のであり、帯電付与部材の劣化、汚染等の問題で長期に
渡り良好な画像を維持できない。
【0026】また、一般に良好な画像を得るためには、
現像ローラー表面に均一にトナーを塗布する必要があ
る。
【0027】すなわち、図1に図示してある現像ローラ
ー(トナー担持体)9に対し、弾性ブレード13が50
g/cm〜2000g/cmの圧力で圧接しており、ト
ナー容器中に存在しているトナーは、現像ローラーの回
転により搬送され、弾性ブレードにより現像ローラー表
面に極めて薄く平均に塗布される。このため、トナーに
は、流動性,耐凝集性が良いことが要求される。
【0028】しかるに、トナー容器中に存在しているト
ナーは現像ローラーの回転により搬送されるが、往々に
して、凝集性を帯び塊状になるため、現像ローラー表面
にトナーが均一に塗布されない問題がある。
【0029】また、現像ローラーの回転により搬送され
てきたトナーは、弾性ブレードと現像ローラー間の圧接
力下において急激に高い圧力を受けることになり、摩擦
熱により現像ローラー表面にトナーが軟化し固着するこ
とがある。固着トナーの存在は、現像ローラー表面に極
めて薄く平均にトナーを塗布することが困難になるとい
う問題がある。これらの原因として、トナーの結着樹脂
の軟化点が低いこと、ガラス転移点が低いことが挙げら
れる。これとは逆に軟化点が高くなると定着温度が高く
なり、省エネルギーが求められている現在通常のプリン
ターや事務複写機に用いるには支障をきたす問題があ
る。したがって、装置とともにトナーとしての性質を改
良する方法が求められている。
【0030】一方、電子写真感光体に静電潜像を形成す
るために帯電する帯電器、潜像を現像して得られるトナ
ー像を転写材に転写するための転写器、転写後の静電記
録体に静電的に吸着した転写材を分離するための除電
器、或は転写後の静電記録体に残留する静電荷を除電す
ることにより静電記録体を初期化するための除電器の少
なくとも1つにおいては、従来コロナワイヤを使用する
コロナ放電装置が広く採用されている。
【0031】しかし、コロナ放電装置は高電圧印加を行
うために危険性があること、またリークを防止するため
高絶縁被覆ケーブルを必要とし、大型でコスト高となり
がちであること、電流の大部分がシールド電極の方へ流
れるため効率が低いこと、コロナ電極がオゾンを多量に
発生させるために人体に有害であり且つ材料に化学的変
化を促進させて耐久性に問題があること、また高電圧を
印加したコロナワイヤに空気中の塵埃を付着しやすく、
ワイヤ汚れが発生し、画像ムラの原因となり易いなどの
問題がある。
【0032】近年、上記問題点を解決すべくローラタイ
プなどの接触型帯電装置が提案されている。しかしなが
ら接触型帯電装置は、被帯電体である電子写真感光体等
の静電記録体の感光層に存在するピンホール等の電気的
に弱い部分に集中放電し、帯電ムラを発生したり、接触
型帯電装置の表面部における物理的均一性、電気的均一
性が加工上得られにくく、これらの不均一性が原因で帯
電ムラが発生し、更に静電記録体など被接触体との間に
摩擦を生じるため静電記録体の耐久性を現象させる等の
問題点を有しており、実用化が困難であった。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決し、かつ高品位画像性を長期にわたり維持
できる画像形成方法を提供することを目的とする。
【0034】本発明は、荷電制御剤の分散性がよく、ト
ナーが均一な帯電をし、高い画像濃度を長期にわたり維
持し、カブリもなく解像力が高い画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0035】本発明は、トナーが迅速に帯電し、長期間
放置や高湿下放置においても放置前と同等な良好な画像
が得られる画像形成方法を提供することを目的とする。
【0036】本発明は現像ローラー表面にトナーを極め
て均一に塗布でき、かつ効率の良い摩擦帯電が得られる
画像形成方法を提供することを目的とする。
【0037】本発明は、高精細画像現像に対応する微粒
子トナーを用いた場合においても、様々な環境下におい
ても長期にわたり満足すべき画像が得られる画像形成方
法を提供することを目的とする。
【0038】本発明は、感光体や現像ローラーに悪影響
を及ぼさない電子写真プロセスに高度に適応を可能とす
る画像形成方法を提供することを目的とする。
【0039】さらに、本発明は従来の上記の問題点を解
消し、静電荷像保持体に均一な帯電を行うことができ、
耐久性を大幅に向上することができ、帯電ムラの無い信
頼性のすぐれた接触型帯電が実現できる画像形成方法を
提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の画像形
成方法は、少なくとも、表面にトナーを担持して回転
し、該トナーを静電荷像保持体上に形成された静電潜像
に供給することによって潜像の現像を行なう現像ローラ
ーで基本的に構成される現像装置を用いて静電潜像を現
像した後、さらに転写材に転写する画像形成方法におい
て、該トナーは重量平均粒径が13.5μm以下であ
り、かつ粒径分布の12.7μm以上の含有量が50重
量%以下であり、該トナーは少なくとも極性基を有する
炭化水素ワックスを含有しており、現像時に該現像ロー
ラーに対向して設けた静電荷像保持体に該現像ローラー
上のトナーを接触させて現像することによって高い現像
性を保ちつつ、環境の影響を受けることなく、長期にわ
たり安定した画像を維持することが可能な画像形成方法
を提供できることにある。
【0041】次に、本発明に用いられるトナー及び画像
形成方法について具体的に説明する。
【0042】本発明に用いられるトナー用結着樹脂とし
ては、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂
などが挙げられるが、なかでもポリエステル系樹脂、ビ
ニル系樹脂が、帯電特性,定着性でより好ましい。
【0043】本発明に用いられるポリエステル樹脂の例
としては以下のものがあげられる。
【0044】ポリエステル樹脂は、全成分中45〜55
mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%
が酸成分であることが望ましく、アルコール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール;水素化ビスフェノール
A;下記式(イ)で表わされるビスフェノール誘導体;
【0045】
【化5】
【0046】また式(ロ)で示されるジオール類;
【0047】
【化6】 が挙げられる。
【0048】全酸成分中、50mol%以上を含む2価
のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又
はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水
物;炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基を
置換基として有するこはく酸もしくはその無水物;フマ
ル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不
飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
【0049】特に好ましいポリエステル樹脂のアルコー
ル成分としては前記式(イ)で示されるビスフェノール
誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデ
セニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類が挙げられ
る。
【0050】ポリエステル樹脂のガラス転移温度は40
〜90℃、好ましくは45〜85℃が良く、数平均分子
量(Mn)が1,000〜50,000、好ましくは
1,500〜20,000が良く、重量平均分子量(M
w)が3,000〜2,000,000、好ましくは
4,000〜1,500,000であることが良い。
【0051】ビニル系共重合体の場合に用いるモノマー
としては、次のようなものが挙げられる。
【0052】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,
4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−te
rt−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p
−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p
−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如
きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;
ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハロゲン化
ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ
酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メ
チレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ク
ロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エス
テル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル
類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチ
ルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビ
ニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合
物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸誘導体ま
たはメタクリル酸誘導体;α,β−不飽和酸のエステ
ル、二塩基酸のジエステル類が挙げられる。
【0053】また、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如
き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無
水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の
如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエ
ステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸
ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエス
テル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン
酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエス
テル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマ
ル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエ
ステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチ
ルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸
エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケ
イヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケ
イヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β
−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン
酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、こ
れらの酸無水物及びこれらのモノエステルなどのカルボ
キシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0054】また、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタ
クリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチ
ルヘキシル)スチレン等、ヒドロキシル基を有するモノ
マーが挙げられる。
【0055】このビニル系結着樹脂のガラス転移温度は
45〜80℃、好ましくは55〜70℃であり、数平均
分子量(Mn)は2,500〜50,000、重量平均
分子量(Mw)は10,000〜1,500,000で
あることが好ましい。
【0056】本発明において、ビニル系モノマーの単重
合体、または共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロ
ジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂
環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を必要に応じて
前述した結着樹脂に混合して用いることができる。
【0057】2種以上の樹脂を混合して、結着樹脂とし
て用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異な
るものを適当な割合で混合するのが好ましい。
【0058】また、本発明の静電荷像現像用トナーは、
磁性トナーまたは非磁性トナーどちらでも良い。磁性ト
ナーとして用いる場合には、以下に挙げられる磁性材料
を用いるのが、帯電性、流動性、画像濃度の均一性等の
理由により好ましい。
【0059】本発明で磁性トナーとして用いる場合にお
ける磁性材料を具体的に挙げると、マグネタイト、マグ
ヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、または他の金属酸
化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あ
るいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、M
g、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、C
a、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、
およびこれらの混合物等が挙げられる。さらに、磁性材
料としては、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ
−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イ
ットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(Cd
Fe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、
酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe
1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネ
オジウム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe
1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化
鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaF
eO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケ
ル粉(Ni)等が知られているが、上述した磁性材料を
単独で或いは2種類以上を組合せて使用してもよい。好
適な磁性材料は四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末
である。
【0060】これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μ
m程度で、10Kエルステッド印加での磁気特性が抗磁
力20〜150エルステッド,飽和磁化50〜200e
mu/g(好ましくは50〜100emu/g),残留
磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
【0061】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良いが、本発明のトナーには必要に応じて着色
剤を用いてもかまわない。本発明のトナーに使用し得る
着色剤としては、任意の適当な顔料または染料が挙げら
れる。
【0062】例えば顔料としてカーボンブラック、アニ
リンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロ
ー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレ
ーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレ
ンブルーなどが挙げられる。結着樹脂100重量部に対
し0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の顔
料を使用することが好ましい。同様に着色剤として染料
が用いられる。例えば、アントラキノン系染料、キサン
テン系染料、メチン系染料があり、結着樹脂100重量
部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜1
0重量部の染料を使用することが好ましい。
【0063】本発明において、必要に応じて一種又は二
種以上の離型剤を、トナー中に含有させてもかまわな
い。
【0064】本発明に用いられる離型剤としては次のも
のが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィ
ンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリ
エチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸
化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワ
ックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エス
テルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワッ
クスなどの如き脂肪酸エステル類から酸成分の一部また
は全部を脱酸したものが挙げられる。さらに、リノール
酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き
脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エ
チレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸
アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き
飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミ
ド、ヘキサメチンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジ
オレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレインセバ
シン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレ
ンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイ
ソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステア
リン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩
(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化
水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系
モノマーを用いてグラフトしたグラフトワックス類;ベ
ヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコール
との部分エステル化物;植物性油脂を水素添加すること
によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステ
ル化合物が挙げられる。
【0065】本発明に特に好ましく用いられる離型剤と
しては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。これ
は、本発明で用いている酸価が5〜50の樹脂に、この
ワックスを適用することにより、その分散性が非常に良
くなり、従って定着性のみならず、有機感光体を用いた
場合に、その削れ量も少なくすることができる。これ
は、本発明の中で接触型帯電付与装置を用いた場合に一
層明らかである。
【0066】本発明に好ましく用いられる離型剤の具体
例としては、例えばアルキレンを高圧下でラジカル重合
あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量の
アルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを
熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及
び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭
化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素あるいはこ
れらを水素添加して得られる合成炭化水素の如きワック
スがよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利
用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行っ
たものがより好ましく用いられる。母体としての炭化水
素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を
使用し、一酸化炭素と水素の反応によって合成される炭
化水素(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触
媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く得ら
れるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られる炭素
数が数百ぐらいまでの炭化水素);エチレンなどのアル
キレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分
岐が少なくて、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好
ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合
成されたワックスがその分子量分布からも好ましいもの
である。
【0067】分子量分布では、分子量400〜2400
の領域に、好ましくは分子量450〜2000、特に好
ましくは分子量500〜1600の領域にピークが存在
することが良い。このような分子量分布を持たせること
によりトナーに好ましい熱特性を持たせることができ
る。
【0068】本発明に用いられる離型剤の量は、結着樹
脂100重量部あたり0.1〜20重量部、好ましくは
0.5〜10重量部が好ましい。
【0069】これらの離型剤は、結着樹脂を溶剤に溶解
して得た樹脂溶液を加温し、撹拌しながら離型剤を添加
混合する方法や、混練時に結着樹脂と離型剤を混合する
方法で結着樹脂と混合する。
【0070】本発明に用いられる流動化剤としては、ト
ナー粒子と混合することにより、流動性が混合前後を比
較すると増加し得るものであれば良い。例えば、フッ化
ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末
の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカまたは乾式製
法シリカの如き微粉末シリカ、それらシリカをシランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイ
ル等により表面処理を施した処理シリカ微粉体がある。
【0071】好ましい流動化剤としては、ケイ素ハロゲ
ン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、
いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称される
もので、従来公知の技術によって製造されるものであ
る。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱
分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次
の様なものである。
【0072】SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HC
【0073】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素
ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の
金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能である。その
粒径は、平均の一次粒径として、0.001〜2μmの
範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.0
02〜0.2μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するの
が良い。
【0074】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。
【0075】AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−Sil(CABOT CO.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社)N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングC
o.社) Fransol(Fransil社)
【0076】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シ
リカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定
された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシ
リカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0077】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0078】そのような有機ケイ素化合物の例は、ヘキ
サメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルク
ロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジ
ルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロル
シラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロ
ルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロ
ルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチ
ルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレー
ト、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル
テトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12
個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞ
れ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポ
リシロキサンがある。これらは1種あるいは2種以上の
混合物で用いられる。
【0079】本発明に用いられる流動化剤は、BET法
で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以
上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を
与える。トナー100重量部に対して流動化剤0.01
〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが
良い。
【0080】一般に、アゾ系鉄錯体化合物は電子写真現
像剤(トナー)の荷電制御剤として用いた場合、高湿下
での帯電の立ち上りが不十分で、高湿下での初期状態や
長期放置試験に対して、満足できる画像濃度が得られな
い。また低湿下においては連続的な長期使用に対し、過
度の帯電量の蓄積(チャージアップ)が起こり、画像濃
度も低く、カブリも目立って発生する。
【0081】これに対して、バインダー樹脂に不溶なク
ロムやアルミニウム錯体化合物は上述の問題点が軽減さ
れるため、一般にひろく用いられてきたが、この様なク
ロムやアルミニウム錯体化合物を用いたトナーはトナー
製造工程で生じる分級微粉や分級粗粉の再利用化が困難
であるという問題点を有していた。これは分級微粉、分
級中粉(トナーとして用いる)、分級粗粉においてクロ
ム錯体化合物またはアルミニウム錯体化合物の偏析が生
じ、分級微粉、分級粗粉を再利用化して製造したトナー
は、低湿環境下における連続的な長期使用に対し、画像
濃度の低下およびカブリも発生しやすいからである。
【0082】本発明者らはアゾ系鉄錯体化合物の分級粉
における偏析性が小さいことと、偏析性の大きいバイン
ダー樹脂に不溶なアゾ系クロム錯体化合物を用いたトナ
ーの現像性が良好なことを考え合わせ、トナー中にてア
ゾ系鉄錯体化合物のミクロドメインを形成させることに
より、アゾ系鉄錯体化合物の荷電制御性の向上を図りか
つ、アゾ系鉄錯体化合物の非偏析性を保持し得たもので
ある。
【0083】アゾ系鉄錯体化合物のミクロドメイン形成
は、長鎖炭化水素化合物がトナー中に存在することによ
り、なされるものである。これは、長鎖炭化水素化合物
のOH基またはカルボキシル基がそれぞれ会合状態をつ
くり、この会合体の影響を受けて、アゾ系鉄錯体化合物
がミクロドメインを形成すると推察される。このことに
より、アゾ系鉄錯体化合物の非偏析性を保持しつつ、帯
電制御性の向上を図ることが可能になった。
【0084】さらに、本発明者らが検討したところ、前
記一般式に示したアゾ系鉄錯体化合物のA+が75〜9
8モル%のアンモニウムイオンを含有することが、安定
したトナー画像を得るために好ましい傾向を示すことを
見い出した。すなわち、前記したアゾ系鉄錯体化合物に
おいてアンモニウムイオンだけをカチオンとして有する
場合には、高湿下に放置後の画像濃度に立上がりが遅く
なる傾向が見られる。一方、プロトンやアルカリ金属だ
けをカチオンとして有する場合には、高湿下での画像濃
度が低めに推移する。
【0085】本発明者らが検討したところ、カチオン成
分としてアンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオン
および/またはプロトンを共存させることで、長期放置
特性の良好な化合物が得られることを新たに見いだし
た。特に、アンモニウムイオンが75〜98モル%にな
ると画像濃度の立上がり、及び立上がった濃度レベルが
良好になる。
【0086】アンモニウムイオンが75%未満になる
と、画像濃度が低くなり、98%を超えると、画像濃度
の立上がりが遅くなる傾向が見られる。
【0087】これらの荷電制御剤は、結着樹脂100重
量部に対して0.2重量部〜8重量部で用いることが好
ましい。
【0088】本発明に係るアゾ系鉄錯体化合物は、下記
一般式(1)で示すものが挙げられる。
【0089】
【化7】
【0090】[式中、X1およびX2は水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン
原子を表わし、X1とX2は同じであっても異なっていて
もよく、mおよびm’は1〜3の整数を表わし、R1
よびR3は水素原子、C118のアルキル、アルケニル、
スルホンアミド、メシル、スルホン酸、カルボキシエス
テル、ヒドロキシ、C118のアルコキシ、アセチルア
ミノ、ベンゾイルアミノ基またはハロゲン原子を表わ
し、R1とR3は同じであっても異なっていてもよく、n
およびn’は1〜3の整数を表わし、R2およびR4は水
素原子またはニトロ基を表わし、A+はカチオンイオン
を示し、75〜98モル%のアンモニウムイオンを有
し、他に水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ンまたはそれらの混合イオンを有する。]
【0091】前記一般式(1)で示すアゾ系鉄錯体化合
物は負荷電制御剤として用いられ、公知の手段により合
成できる。
【0092】これらの負荷電制御剤は、単独で用いても
2種類以上の併用であってもよく、更には他の負荷電制
御剤とともに用いてもかまわない。
【0093】前記一般式のアゾ系鉄錯体化合物の代表的
な具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
【0094】
【化8】
【0095】
【化9】
【0096】本発明の静電荷像現像用トナーは、これら
アゾ系鉄錯体化合物を結着樹脂100重量部当り0.1
〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するの
が好ましい。
【0097】本発明に用いられるワックスは、極性基を
有する炭化水素ワックスである。好ましく用いられる極
性基を有する炭化水素ワックスは下記一般式で示される
化合物を含有する。
【0098】R−Y (R:炭化水素基、Y:水酸基、カルボキシル基、アル
キルエーテル基、エステル基、スルホニル基を示す。)
【0099】さらに好ましく用いられるものとしては、
下記式(1),(2)または(3)で示される化合物で
ある。
【0100】
【化10】 [x=35〜150,z=1〜5,R=HまたはC1
10のアルキル基]
【0101】例えばエチレンをチーグラー触媒を用いて
重合し、重合終了後、酸化して触媒金属とポリエチレン
とのアルコキシドを生成する。この後、加水分解するこ
とにより、式(1)に示す長鎖アルキルアルコールを得
る。また、この長鎖アルキルアルコールをエポキシ基を
有する物質を反応させることにより式(2)で示される
アルコールを得る。この様にして得られた長鎖アルキル
アルコールは、共に分岐が少なく、さらに、分子量分布
がシャープであり、本発明の目的にそったものである。
【0102】
【化11】 [y=35〜150]
【0103】この式(3)の長鎖炭化水素化合物は、式
(1)で示される長鎖炭化水素化合物を酸化することに
より得られる。
【0104】式(1),式(2),式(3)中でx,y
は35〜150が好ましい。x,yが35未満の場合
は、共に感光体融着が発生したり、トナーの保存安定性
が悪くなる。また、x,yが150より大きい場合は、
前述したようなトナーの帯電特性に対する寄与効果(ア
ゾ系鉄錯体化合物のミクロドメインの形成)が小さく、
本発明の目的にそわないものになる。また、zは5以下
が好ましい。zが5より大きいと、感光体融着が発生し
やすいからである。同様の理由でRはH或いはC1〜C
10が好ましい。
【0105】さらに、本発明に用いられる極性基を有す
る炭化水素ワックスは、好ましくは、重量平均分子量
(Mw)3000以下であることが良く、より好ましく
は、数平均分子量(Mn)150〜2500、重量平均
分子量(Mw)250〜5000、Mw/Mnは3以下
が良い。
【0106】Mnが150未満又はMwが250未満の
場合には、感光体融着が発生したり、トナーの保存安定
性が悪化する。また、Mnが2500を超える又はMw
が5000を超える場合には、トナーの帯電特性に対す
る寄与効果が小さく、カブリ等の問題を生じやすくな
る。
【0107】本発明に用いられる極性基を有する炭化水
素ワックス(1),(2)のOH価は、2mgKOH/
mg〜200mgKOH/mgであるものを用いること
ができるが、好ましくは10mgKOH/mg〜120
mgKOH/mgであることが望ましい。長鎖炭化水素
化合物(1),(2)のOH価が2mgKOH/mg未
満である場合は、結着樹脂中での分散が悪く、このこと
によりトナーの帯電が不均一になり、コピー画像におい
て濃度低下をおこしたり、カブリを発生し、画質を低下
させることになる。また、極性基を有する炭化水素ワッ
クスのOH価が、200mgKOH/mgより大きい場
合は、OH基の電荷密度の偏りが大きくなり、結着樹脂
中のOH基の電荷密度の偏りよりも大きくなるため、コ
ピー画像において、初期から濃度の低い低画質のものあ
るいは、初期の濃度は高くても、コピーを続けてゆくう
ちに次第に濃度が低下してゆく現象が出現する。さら
に、OH価が200mgKOH/mgより大きい場合
は、長鎖アルキルアルコールの分子量の低いものが多く
含まれるため、トナーの感光体融着,保存安定性の悪い
ものとなる。
【0108】本発明に用いられる極性基を有する炭化水
素ワックス(3)の酸価は、2mgKOH/mg〜20
0mgKOH/mg、好ましくは5mgKOH/mg〜
120mgKOH/mgであることが望ましい。酸価が
2mgKOH/mg未満の場合は、結着樹脂中での分散
が悪くなり、コピー画像の画質低下を招く。さらに、カ
ルボキシル基が十分に会合体を形成しないため、トナー
の帯電速度が遅くなり、コピー初期濃度が低く、環境特
性も悪くなる。また、酸価が、200mgKOH/mg
より大きい場合も、低分子量のものが多く含まれるた
め、現像ローラー・静電荷像保持体への融着,保存安定
性が悪くなる。
【0109】これら極性基を有する炭化水素ワックスを
単独で用いる場合は、結着樹脂100重量部当り、0.
1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部使用す
るのが好ましい。
【0110】また、他の長鎖炭化水素化合物を併用する
場合は、これらの使用総量を、結着樹脂100重量部当
り0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部
使用するのが好ましい。
【0111】本発明の長鎖炭化水素化合物(ワックス)
を用いることにより、直流電圧のみを印加するDC現像
方式を用いた場合においても、静電荷潜像へのトナーの
均一な載りによって優れた現像性が得られることが見い
出されている。さらに、静電荷像保持体から、紙やフィ
ルム上への転写特性が良好で、鮮明でかつ、ムラの無い
画像を得ることができ、また定着性も良く、定着温度領
域が広くオフセットの生じない良好な画像を得ることが
可能であることが見い出されている。
【0112】トナーの粒径分布については、本発明のト
ナーにおいて5μm以下の粒径のトナー粒子の含有量が
3〜90個数%であることが望ましい。従来、5μm以
下のトナー粒子は帯電制御が困難であったりトナーの流
動性を損ない、キャリアや現像スリーブの汚染の原因と
なる成分、クリーニング不良やドラムへのフィルミング
の問題の原因となる成分、さらには、トナー飛散して画
像形成装置内部を汚す成分として、積極的に除去もしく
は減少させることが必要であると考えられていた。
【0113】しかしながら、本発明者らは極性基を有す
る炭化水素ワックスを用い、前記式のアゾ系鉄錯体化合
物を含有したトナーは粒径5μm以下のトナー粒子が高
精細,高解像度の画像を形成するのに、非常に有効であ
ることを見い出した。しかも、本発明の現像方式に用い
た場合、小型化の際に必須となる30m/m以下の小径
の現像ローラー,静電荷像担持体ドラムを用いても画像
劣化,耐久劣化を生じにくい。
【0114】また、本発明のトナーにおいて、粒径6.
35〜10.08μmの範囲のトナー粒子が1〜80個
数%であることが好ましい。また、このことから重量平
均粒径は4.0〜10μm、好ましくは4.5〜9.0
μmであることが好ましい。
【0115】粒径5μm以下のトナー粒子は静電荷像を
厳密に覆い、忠実に再現する能力を有するが、静電荷像
自身においてその周囲のエッジ部の電解強度が中央部よ
りも高く、そのため静電荷像内部がエッジ部よりもトナ
ー粒子ののりが薄くなり、画像濃度が薄くみえることが
ある。
【0116】しかしながら、本発明者らは粒径6.35
〜10.08μmの範囲のトナー粒子を1〜80個数%
含有させることによってこの問題を解決し、さらに鮮明
にできることを見い出した。これは静電荷像のエッジ部
より電界強度の小さい内側に6.35〜10.08μm
のトナー粒子が供給されて、エッジ部に対する内側のト
ナー粒子の数の少なさを補って均一な画像が形成され、
その結果高い濃度で解像性、階調性に優れたシャープな
画像が形成されるものである。
【0117】また、粒径12.7μm以上のトナー粒子
については2.0体積%以下にし、出来るかぎり少ない
ことがより好ましい。
【0118】本発明におけるトナー粒子の粒度分布につ
いてさらに詳細に説明する。
【0119】粒径5μm以下のトナー粒子が全粒子数の
5〜90個数%である事が良く、好ましくは9〜75個
数%が良い。粒径5μm以下のトナー粒子が5個数%未
満であると、高画質に有効なトナー粒子が少なく、特に
複写を続けることによって、高画質を達成するために必
要なトナー粒子成分が減少しトナー粒度分布が悪化し画
質がしだいに低下してくる。粒径5μm以下のトナー粒
子が90個数%を超える場合は、トナー粒子相互の凝集
やチャージアップを生じやすくなり、クリーニング不良
や画像濃度の低下、さらには潜像のエッジ部と内部との
濃度差が大きくなり、いわゆる中抜け気味の画像となり
やすい。粒径6.35〜10.08μmの範囲のトナー
粒子が1〜80個数%である事が良く、好ましくは5〜
70個数%が良い。粒径6.35〜10.08μmのト
ナー粒子が80個数%より多いと画像が悪化すると共に
必要以上の現像(即ちトナーののり過ぎ)がおこり、細
線再現性が低下し、トナー消費量の増大を招く。一方、
粒径6.35〜10.08μmのトナー粒子が5個数%
未満であると高画像濃度が得られ難い。
【0120】本発明の静電荷像現像用トナーを作製する
には結着樹脂、磁性体、離型剤、着色剤、荷電制御剤ま
たはその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミ
ルの如き混合機により充分混合し、加熱ロール、ニーダ
ー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏
和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物
を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発
明のトナーを得ることができる。
【0121】さらに、流動化剤とトナーとをヘンシェル
ミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子表
面に流動化剤を有するトナーを得ることができる。
【0122】次に、本発明の現像方法を用いた画像形成
装置の断面概略図を図1に示す。
【0123】静電荷像保持体(潜像担持体)1は、導電
性の支持部2の上に有機または無機の光導電性を有する
感光層3を形成したものであって、感光層3をコロナ帯
電器や帯電ローラー等の帯電器4を用いて帯電した後
に、レーザーやLED等の光源5から出た光を結像光学
系6を通して感光層3に画像に応じて選択的に光照射し
て電位コントラストを得て静電潜像を形成する。
【0124】一方、現像装置7はトナー8を搬送し現像
するものであって、トナー8を搬送するトナー担持体
(現像ローラー)9は、シャフト10の外周に弾性層1
1及び導電層12などを適宜選んでそれぞれ同心円状に
配設したもので、非磁性または磁性の金属や樹脂で構成
される板状の規制部材13をトナー担持体9に押圧して
トナー8を所定の極性に帯電させると共にトナー層を適
量に薄層化し、導電層12の表面近傍に静電的鏡像力に
よりトナー8をトナー担持体9上に直接保持し、トナー
担持体9を回転させて薄層のトナー8を搬送するもので
ある。潜像担持体1とトナー担持体9が近接する現像部
までトナー8が搬送されると潜像担持体1の電位コント
ラスト及び現像バイアス印加手段14により現像電界が
形成され、現像電界に応じて帯電したトナー8が潜像担
持体1に付着し静電潜像が顕像化される。さらに、コロ
ナ転写器や転写ローラー等の転写器15を用いて転写材
である記録紙16上にトナーによる像を転写し、熱や圧
力を用いてトナーを記録紙に定着し所望の画像を記録紙
上に得るものである。転写材としては、フィルム状シー
トなども用いられる。
【0125】本発明では、現像ローラー上のトナーと静
電荷像保持体とが接していることによって、これらが離
れている場合に比べて非画像部へのトナーの飛び散りが
少なく静電荷像保持体上へ薄く均一なトナーの「載り」
を達成することができる。
【0126】この理由については、本発明のワックスを
用いることにより、トナー粒子間の付着力が適度に抑制
され、過剰なトナーがなくとも十分な濃度が得られるこ
とやトナーが現像ローラーと静電荷像保持体との間を飛
翔する必要が無い為、電界の微妙な乱れの影響を受けに
くいことが考えられる。
【0127】更に本発明のワックスを用いることによっ
て優れた離型性が得られることにより、画像形成装置の
小型化にともなって用いられる小径の感光体ドラムや現
像ローラーを使用することもまた可能となった。
【0128】従来装置では、このような現像工程が繰り
返し行われると、回転するスリーブ上のトナーが凝集し
て現像容器内で凝集塊となり、この塊がある限界値に達
するとスリーブの搬送力に打ち負けて塗布ムラを生じ、
現像剤層の厚みを不均一にした。この現像剤層の不均一
は複写画像に濃度ムラ,かぶりを生じさせた。
【0129】そこで、本発明により前記現像ローラーの
表面粗さRaを本発明の式に当てはめるように形成する
と、本発明における現像剤の組成による効果をさらに高
めることができる。現像ローラーの回転により前記トナ
ーに好ましい帯電を与え、その結果常時トナー搬送量が
ほぼ一定に保持されてスリーブ面に好適な物性のトナー
層を形成できた。
【0130】また、本発明で述べる「中心線平均粗さR
a」とはJIS−B0601による。本発明の現像ロー
ラーにこのような表面粗さを得る方法としては、特に限
定されないが、例えば粒子を砥粒として用いたサンドブ
ラスト法,現像ローラー成型時に凹凸をつける方法,ス
リーブ円周方向に凹凸を形成するためにサンドペーパー
でスリーブ面を横方向に擦るサンドペーパー法,化学処
理による方法等の従来公知の方法を用いることが可能で
ある。
【0131】本発明においては、現像ローラーにカーボ
ンブラック、グラファイト、導電性粒子、導電性ゴムの
うち、少なくともいずれかを含有させることもまた効果
的である。特に、現像ローラーの材質として弾性層をも
つもの−例えば天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴ
ム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴ
ム、イソプレンゴム、NBR等を用い、弾性層の形態と
しては、ゴム、発泡体、スポンジ等の形態にして用いた
場合に効果的である。
【0132】該現像ローラーにおける非磁性弾性層は、
天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレン
ゴム、NBR等を用い、弾性層の形態としては、ゴム、
発泡体、スポンジ等の形態にして用い、非弾性層の層厚
は、現像方法やトナー搬送量の規制方法により異なる
が、十分な弾性変位を得るためには400μm以上とし
た方が望ましい。また、磁界発生層を存在させることも
可能であり、磁気記録材料や磁石材料としてフェライト
などの公知のものを用いることができるが、磁界発生層
は必ずしも必要ではない。
【0133】現像ローラーに導電層を設ける理由とし
て、現像電極効果による高解像の画像を得ることができ
ることがあげられる。これにより、静電荷像保持体上に
より忠実なトナー画像を形成することが可能となった。
【0134】本発明においては、現像ローラー上の現像
剤層をほぼ一定量に規制するブレードを設けることも可
能である。その場合のブレードは材料や形状として特に
限定されず、また、ドラムに対する角度についても現像
ローラーの周速および材質によって適宜設定可能であ
る。
【0135】本発明の前記トナーの効果を最大限に生か
す為に、本発明者らは極性基を有する炭化水素ワックス
のOH基価とスリーブの表面粗さとの関係を最適化する
ことが望ましいという結論を得た。具体的には、図4に
おいて斜線部分の条件で良好な画像が得られることを見
い出した。この理由として、OH基の電荷密度の偏りを
スリーブ上の凹凸が安定化させるのに寄与していると見
られる。スリーブの表面粗さに対し、OH基価が小さす
ぎるし、スリーブの凹凸の効果、即ちトナーへの帯電付
与能力が低下し、濃度の低下の原因となる。一方で、ス
リーブの表面粗さにたいしてOH基価が大き過ぎる場
合、OH基の電荷密度の偏りが大きくなり過ぎ、長期放
置によるカブリを生じやすい。
【0136】また、スリーブ上の凹凸によって、トナー
の搬送性が良くなる効果が見い出されていることから、
Raは0.2〜4.5μmであることが望ましく、より
好ましくは0.4〜3.5μmである。表面粗度が0.
2μm未満ではトナーの搬送性が低下してしまい十分な
画像濃度が得られなくなる場合があり、4.5μmを超
えるとトナーの搬送量が多くなり過ぎてトナーが十分に
帯電できなくなる。
【0137】これらの効果から、Raと極性基を有する
炭化水素ワックスのOH基価Sとは、式
【0138】
【数2】 の範囲にあるものが好ましいとの結論を得た。
【0139】また、本発明においては、静電荷潜像への
帯電手段として接触式帯電方法を用いることが良好な画
像を得る上でより望ましく、具体的には、繊維状毛ブラ
シ、弾性ローラー、ベルトあるいは、磁気ローラーの周
囲に磁性粉を存在させたもの等が用いられ、帯電接触子
を静電荷像保持体へ直接接触させながら静電荷像保持体
表面を帯電する。静電荷像保持体の表面電位を50〜1
000Vに帯電する場合、帯電接触子へは、直流電圧の
場合およそ1〜3kV,交流電圧を直流電圧へ重畳する
のであれば直流電圧を500〜1000V、交流電圧の
PP電圧を50V〜3kV印加すれば良い。
【0140】感光体の帯電は、上述した帯電接触子と感
光体間の放電現象及び摩擦帯電現象等によると考えられ
ている。帯電接触子と感光体との接触距離も数μm〜数
十μmと非常に近いことから、感光体を帯電するために
消費する電力、放電電流もコロナチャージャーに比べは
るかに少なく、帯電効率が非常に良い。また、当然の如
く、オゾン等のコロナ生成物の発生も少ない。つまり、
接触式帯電方式は、コロナチャージャーに比べ、高効
率,安全,安定な帯電方式である。
【0141】従来の接触帯電は、残留トナーの有無など
のドラム上の不均一さによって、帯電電位が異なってし
まう。即ち、静電荷像保持体を新品の状態にしておかな
い限り、クリーニングしきらない僅かな残存トナーの下
部の表面電位は、明らかな差を生じてしますものであっ
た。しかしながら、本発明中のトナーを用いることによ
って直流電圧のみを用いるDC帯電方式によっても十分
な性能を得ることができる。更に接触帯電部材として、
導電性シリコーンローラーおよびウレタンゴムローラー
などの表面にフッ素樹脂などのコーティングを施したも
ので非ブラシ状であって、ほぼ平滑な表面性状を示すも
のも使用可能である。
【0142】本発明者らは、本発明のワックスが接触帯
電方法における前記の問題点を解決する上で極めて有効
であることを見い出した。
【0143】その理由としては、本発明のワックスが静
電荷保持体上に極めて薄層の被覆を生成し、安定に帯電
付与を行うことができるものと考えられる。さらに帯電
付与部材の長寿命化も達成されている。これに対して、
従来から滑剤として用いられているポリプロピレンの様
な添加物ではほとんど効果が無い。
【0144】この場合のワックスの添加量についても前
述のトナーとしての保存性などとの関係から、結着樹脂
100重量部当り0.1〜30重量部、好ましくは0.
5〜20重量部、より好ましくは3〜18重量部使用す
るのが好ましい。
【0145】次に、本発明における測定方法について述
べる。
【0146】(1)ガラス転移温度Tg 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。
【0147】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0148】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0149】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0150】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0151】(2)分子量の測定(結着樹脂) 本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムの分子量は次の条件
で測定される。
【0152】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTH
F(テラトヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2、2.1×103、4×103、1.75×104
5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.
6×105、2×106、4.48×106のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)
検出器を用いる。
【0153】カラムとしては、103〜2×106の分子
量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Water
s社製のμ−styragel 500、103、1
4、105の組合せや、昭和電工社製のShodex
KA−−801、802、803、804、805、8
06、807の組合せが好ましい。
【0154】(3)分子量分布の測定(極性基を有する
炭化水素ワックス) (GPC測定条件)装置:GPC−150C(ウォータ
ーズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0155】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0156】(4)酸価・OH価の測定 a)酸価について 試料を精秤し、混合溶媒に溶かし水を加える。この液を
ガラス電極を用いて0.1N−NaOHで電位差滴定を
行い酸価を求める。(JIS K1557−1970に
準ずる。)
【0157】b)水酸基価について 試料を100mlのナスフラスコに精秤し、これにアセ
チル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5
℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴
から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸
を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを
浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコ
の壁を良く洗う。この液をガラス電極を用いてN/2水
酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行い
水酸基(OH)価を求める(JIS K0070−19
66に準ずる。)
【0158】(5)粒度分布の測定 測定装置としてはCOULTER MULTISIZE
R II(コールター社製)に、個数分布、体積分布を
出力するインターフェイス(日科機製)及びPC980
1パーソナルコンピュータ(NEC製)を接続したもの
を用いた。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%N
aCl水溶液を調整する。測定法としては、前記電解水
溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、
好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜
5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料
を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分分散処理
を行ない前記COULTER MULTISIZER
IIによりアパーチャーとして100μmアパーチャー
を用いて個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分
布を測定し、2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布
を算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径
(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値と
する)を求めた。
【0159】(6)現像ローラーの中心線平均粗さ(R
a)の測定 JIS表面粗さ(B0601)に基づいて、小坂研究所
製サーフコーダーSE−3300似て、軸方向3点×周
方向2点=6点測定し、その平均値をとった。
【0160】
【実施例】以下製造例及び実施例によって本発明を説明
する。
【0161】[樹脂製造例1] テレフタル酸 12mol% フマル酸 18mol% アジピン酸 10mol% 無水トリメリット酸 12mol% 式(イ)で表わされるビスフェノール誘導体 (R=プロピレン基でx+y=2.2) 15mol% (R=エチレン基でx+y=2.2) 33mol%
【0162】これらを縮合重合してMn=5000,M
w=57000,Tg=60℃,酸価=20,OH価=
20のポリエステル樹脂を得た。ここで得られたポリエ
ステル樹脂を樹脂Aとする。
【0163】[樹脂製造例2] スチレン 87重量部 ブチルアクリレート 13重量部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 3重量部
【0164】上記材料を、還流温度まで加熱したキシレ
ン200重量部中に4時間かけて滴下した。更にキシレ
ン還流下(138〜144℃)で重合を完了し、減圧下
で200℃まで昇温させながらキシレンを除去した。こ
のようにして得られた樹脂を樹脂Bとする。
【0165】 スチレン 75 重量部 ブチルアクリレート 25 重量部 2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシ 0.1重量部 シクロヘキシル)プロパン ベンゾイルパーオキサイド 0.1重量部
【0166】上記混合液にポリビニルアルコール部分ケ
ン化物0.12重量部を溶解した水170重量部を加
え、激しく撹拌し、懸濁分散液とした。水50重量部を
入れ窒素置換した反応器に上記懸濁分散液を添加し、反
応温度80℃で8時間懸濁重合反応させた。反応終了
後、水洗し、脱水、乾燥して樹脂Cを得た。
【0167】上記樹脂Bと樹脂Cを、重量比70:30
の割合でキシレンに溶解,均一に混合後、キシレンを除
去して得られた樹脂を樹脂Dとする。樹脂Dは、分子量
分布において、1.2万と80万にピークを有し、Mn
=0.7万,Mw=25万で、Tg=61℃であった。
【0168】[樹脂製造例3]樹脂製造例2において前
記樹脂Bの成分を スチレン 78重量部 ブチルアクリレート 22重量部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 3重量部 とした樹脂B’と、前記樹脂Cの成分を スチレン 65重量部 ブチルアクリレート 35重量部 2,2−ビス(4,4−ジ−tert− ブチルパーオキシ)シクロヘキシルプロパン 0.1重量部 ベンゾイルパーキサイド 0.1重量部 とした樹脂C’とを成分とする以外は樹脂製造例2と同
様に製造し、B’とC’とを重量比70:30の割合で
キシレン中で混合,溶媒除去したものを樹脂Eとした。
【0169】樹脂Eは分子量分布において、1.3万と
80万にピークを有し、Mn=0.8万,Mw=2.4
万,Tg=55℃であった。
【0170】実施例1 樹脂A 100重量部 カーボンブラック(平均粒径0.07μm) 5重量部 式(1)で示される長鎖アルキルアルコール 3重量部 (x=49,Mn=400,Mw=860, Mw/Mn=2.15,OH価=70) アゾ系鉄錯体化合物(1) 2重量部 (NH 4 +が90%,他10%はNa+,H+の混合物)
【0171】上記材料をヘンシェルミキサーで前混合し
た後、130℃で2軸混練押出機によって溶融混練を行
った。混練物を放冷後カッターミルで粗粉砕した後、ジ
ェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力
分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.6μm,5μ
m以下の粒子について49.3個数%,19.6体積%
である非磁性トナー(1)を得た。
【0172】尚、分級除去された分級微粉および分級粗
粉のアゾ系鉄錯体化合物の偏析性の指標とするODF
ODM=1.012,ODG/ODM=0.998であっ
た。
【0173】この非磁性トナー(1)100重量部に、
ヘキサメチルジシラザンで表面処理した疎水化シリカ微
粉体1.0重量部をヘンシェルミキサーで混合し、トナ
ー1を得た。このトナー1を用いて表1に示す構成に沿
って低温低湿下(15℃/10%RH)および高温高湿
下(32.5℃/80%RH)で画出しを行った。画出
し試験の結果を表5〜6に示す。
【0174】本実施例中では、市販のレーザービームプ
リンターLBP−PX(キヤノン製)改造機を下記の条
件に設定して用いた。本実施例では感光体上のネガ(負
極性)潜像をネガ(負極性)トナーを用いて現像する反
転現像の装置を例にして説明する。
【0175】図1は本発明に適用する画像形成装置の断
面の概略的説明図であり、更にその加熱定着装置は、図
5(分解斜視図)及び図6(断面図)の構成に改造し
た。
【0176】静電荷像保持体であるOPC感光体ドラム
1は、矢印の方向に回転し、帯電器4により暗部電位
(Vd)が−600Vになる様に均一に帯電される。次
に露光装置5,6により、画像部に露光が行われ、明部
電位(V1)が−150Vの静電潜像が形成される。図
1中の感光ドラム1とトナー担持体9上の現像剤層を接
触する様に設定し、直流バイアス(Vdc=−400
V)とをバイアス印加手段によりトナー担持体9に印加
しながら画像部をネガトナーで現像してトナー像を感光
体ドラム上に形成した。得られた該トナー像を転写ロー
ラー15によって転写材上にトナーを転写する。感光体
表面上に残ったトナーをクリーニングするクリーナーは
除去した。一方、感光体ドラム1から分離された転写材
は加熱定着装置により転写材上のトナー画像を定着する
為に加熱定着処理される。以上の工程を繰り返して画像
形成を行っている。この時、加熱定着装置の、加熱体2
1の検温素子21dの表面温度は130℃、加熱体21
−加圧ローラー23間の総圧は6kg、加圧ローラーと
フィルムのニップは3mmとし、定着フィルム22に
は、転写材との接触面にPTEFに導電性物質を分散さ
せた低抵抗の離型層を有する厚さ50μmの耐熱性ポリ
イミドフィルムを使用した。
【0177】尚、非磁性トナーを用いる場合には、トナ
ー収納容器7内のトナー担持体9の背面にスポンジ製の
トナー塗布ローラーを取り付けて画像形成を行った。
【0178】以上の設定条件で、8枚(A4サイズ)/
分のプリントアウト速度で、本発明に係るトナー、及
び、比較用トナーを補給しながら連続10,000枚に
わたりプリントアウト試験を行い、得られた画像を下記
項目について評価した。
【0179】[プリントアウト画像評価] (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に耐久初期と終
了時における画像濃度維持により評価した。尚、画像濃
度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用い
て、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画
像に対する相対濃度を測定した。
【0180】◎(優):1.40以上, ○
(良):1.35以上、1.40未満 △(可):1.00以上、1.35未満, ×(不
可):1.00未満
【0181】(2)画像品質 図7に示す模様をプリントアウトし、そのドット再現性
を評価した。
【0182】 ◎:非常に良好(欠損2個以下/100個) ○:良好 (欠損3〜5個/100個) △:実用可 (欠損6〜10個/100個) ×:実用不可 (欠損11個以上/100個)
【0183】(3)画像カブリ 「リフレクトメーター」(東京電色社製)により測定し
たプリントウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色
度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを
評価した。
【0184】◎:非常に良好(1.5%未満) ○:良好 (1.5%以上、2.5%未満) △:実用可 (2.5%以上、4.0%未満) ×:実用不可 (4%以上)
【0185】(4)定着性 定着性は、50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙に
より定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率
(%)で評価した。
【0186】◎(優):5%以下, ○
(良):5%以上、10%未満 △(可):10%以上、20%未満, ×(不可):2
0%以上
【0187】(5)耐オフセット性 耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像を
プリントアウトし、3000枚後の画像上の汚れの程度
により評価した。
【0188】◎:非常に良好(未発生), ○:良好
(ほとんど発生せず) △:実用可, ×:実用不可
【0189】[画像形成装置マッチング評価] (6)現像ローラー(現像スリーブ)とのマッチング:
スリーブ汚れ プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留
トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目
視で評価した。
【0190】◎:非常に良好(未発生)○:良好
(ほとんど発生せず) △:実用可 (固着があるが、画像への影響が少ない) ×:実用不可(固着が多く、画像ムラを生じる)
【0191】 (7)感光ドラムとのマッチング:ドラム汚れ 感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況と
プリントアウト画像への影響を目視で評価した。
【0192】◎:非常に良好(未発生) ○:良好 (わずかに傷の発生が見られるが、画像
への影響はない) △:実用可 (固着や傷があるが、画像への影響が少
ない) ×:実用不可 (固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生
じる)
【0193】(8)定着装置とのマッチング:フィルム
汚れ プリントアウト試験終了後の定着フィルム表面の残留ト
ナーの固着状況を目視で評価した。
【0194】◎:非常に良好(未発生), ○:良好
(ほとんど発生せず) △:実用可, ×:実用不可
【0195】表1中で「帯電方法」における「固定型ブ
ラシ」とは、静電荷像保持体に帯電付与を行う手段のう
ち、レーヨンにカーボンを分散させた7mmの長さで1
0万本/inch2の密度のものを用いた。
【0196】また、「回転型ブラシ」とは、回転機構を
備えた帯電付与ブラシで、マグネットローラーの周囲に
フッ素系樹脂をコートした平均粒径23μmの球形フェ
ライト粉によって穂を形成したファーブラシを用いた。
【0197】また、「ローラー帯電」とは、導電性シリ
コーンローラーの表面にフッ素系樹脂のコーティングを
施したものを用いた。
【0198】また、磁性トナーであるトナー6,7を用
いた場合においては、現像ローラー内にマグネットを内
蔵した磁性スリーブを使用した。
【0199】実施例の表1において、現像方法の欄で
「接触」とあるのは現像時に塩蔵ローラー上のトナー
(a)が静電荷潜像担持体(b)に接する(図1又は図
2の)現像方法を示し、「非接触」とあるのは上記
(a),(b)の2つが接しない(図3の)現像方法を
示す。
【0200】実施例2〜21および比較例1〜4 トナー内添処方を表2〜4に示した材料を用い、現像方
法,現像ローラー,帯電方法を表1に示した方法を用い
た以外は実施例1と同様に行った。これらを用いて実施
例1と同様に評価し、表5および表6に示す結果を得
た。
【0201】
【表1】
【0202】
【表2】
【0203】
【表3】
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】
【表6】
【0207】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーは、低湿
下や高湿下のきびしい環境条件下においてもトナー粒子
が均一に帯電でき、かつ、帯電,現像が円滑に行われる
ことから、長期にわたり、高画像濃度,高解像性の高品
位画像を提供できるものであり、画像形成方法のレベル
向上を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いた画像形成装置の
概略的説明図である。
【図2】本発明の画像形成方法に用いた画像形成装置の
他の一例を示す概略的説明図である。
【図3】本発明以外の画像形成方法による画像形成装置
の概略的説明図である。
【図4】本発明におけるワックスのOH基価と現像ロー
ラーの粗度との好ましい範囲を示す図である。
【図5】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解
斜視図である。
【図6】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時の
フィルム状態を示した要部の拡大横断面図である。
【図7】トナーの現像特性をチェックする為のチェッカ
ー模様の説明図である。
【符号の説明】
1 静電荷像保持体(潜像担持体) 2 導電性の支持部 3 感光層 4 帯電器 5 光源 6 結像光学系 7 現像装置 8 トナー 9 トナー担持体(現像ローラー) 10 シャフト 11 弾性層 12 導電層 13 規制部材(ブレード) 14 現像バイアス印加手段 15 転写器 16 記録紙(転写材) 20 ステー 21 加熱体 21a ヒーター基板 21b 発熱体 21c 表面保護層 21d 検温素子 22 定着フィルム 23 加圧ローラー 24 コイルばね 25 フィルム端部規制フランジ 26 給電コネクター 27 断電部材 28 入口ガイド 29 出口ガイド(分離ガイド)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正内容】
【0156】(4)酸価・OH価の測定 a)酸価について 試料を精秤し、混合溶媒に溶かし水を加える。この液を
ガラス電極を用いて0.1N−OHで電位差滴定を行
い酸価を求める。(JIS K1557−1970に準
ずる。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0199
【補正方法】変更
【補正内容】
【0199】実施例の表1において、現像方法の欄で
「接触」とあるのは現像時に現像ローラー上のトナー
(a)が静電荷潜像担持体(b)に接する(図1又は図
2の)現像方法を示し、「非接触」とあるのは上記
(a),(b)の2つが接しない(図3の)現像方法を
示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0201
【補正方法】変更
【補正内容】
【0201】
【表1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0206
【補正方法】変更
【補正内容】
【0206】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 15/02 101

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にトナーを担持して回転し、該トナ
    ーを静電荷像保持体上に形成された静電潜像に供給する
    ことによって潜像の現像を行なう現像ローラーで基本的
    に構成される現像装置を用いて静電潜像を現像した後、
    さらに転写材に転写する画像形成方法において、 該トナーは重量平均粒径が13.5μm以下であり、か
    つ粒径分布の12.7μm以上の含有量が50重量%以
    下であり、該トナーは少なくとも極性基を有する炭化水
    素ワックスを含有しており、 現像時に該現像ローラーに対向して設けた静電荷像保持
    体に該現像ローラー上のトナーを接触させて現像するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該極性基を有する炭化水素ワックスが下
    記一般式 R−Y (R:炭化水素基、 Y:水酸基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、エ
    ステル基、スルホニル基を示す。)で示される化合物を
    含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 該極性基を有する炭化水素ワックスが下
    記式(1),(2)または(3) 【化1】 [式中、xは35〜150の整数を示す。] 【化2】 [式中、xは35〜150の整数を示し、zは1〜5の
    整数を示し、Rは水素または炭素数1〜10個のアルキ
    ル基を示す。] 【化3】 [式中、yは35〜150の整数を示す。]で示される
    長鎖炭化水素化合物のうちの少なくとも1種を含有して
    いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該極性基を有する炭化水素ワックスが式
    (1)で示される長鎖炭化水素化合物であることを特徴
    とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 該極性基を有する炭化水素ワックスが式
    (1)で示される長鎖炭化水素化合物であって、該ワッ
    クスのOH基価が200(mgKOH/mg)以下であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 該極性基を有する炭化水素ワックスのO
    H基価が10〜120(mgKOH/mg)であること
    を特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 該現像ローラーが弾性変形可能な担持体
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 該現像ローラーに、カーボンブラック、
    グラファイト、導電性微粒子、導電性ゴムのうち少なく
    ともいずれかを含有した弾性材料を用いたことを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 該静電荷像保持体に電荷を付与する際、
    被帯電体である静電荷像保持体の表面に接触して前記表
    面に電荷を付与する電荷付与装置を用いることを特徴と
    する請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該電荷付与装置が直流電圧のみを用い
    るDC帯電方式であることを特徴とする請求項9に記載
    の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 該電荷付与装置が固定型ブラシを用い
    ることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成
    方法。
  12. 【請求項12】 該電荷付与装置が回転型ブラシを用い
    ることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成
    方法。
  13. 【請求項13】 該現像装置において、現像時に少なく
    とも現像ローラーにDC電圧のみを印加することを特徴
    とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  14. 【請求項14】 該現像装置において、転写材にトナー
    を転写した後、静電荷像保持体から残存物を除去するク
    リーニング手段を用いないことを特徴とする請求項1乃
    至13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該トナー中に、下記式で示されるアゾ
    系鉄錯体化合物を含有することを特徴とする請求項第1
    乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。 【化4】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わ
    し、X1とX2は同じであっても異なっていてもよく、m
    およびm’は1〜3の整数を表わし、R1およびR3は水
    素原子、C118のアルキル、アルケニル、スルホンア
    ミド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒド
    ロキシ、C118のアルコキシ、アセチルアミノ、ベン
    ゾイルアミノ基またはハロゲン原子を表わし、R1とR3
    は同じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は
    1〜3の整数を表わし、R2およびR4は水素原子または
    ニトロ基を表わし、A+はカチオンイオンを示し、75
    〜98モル%のアンモニウムイオンを有し、他に水素イ
    オン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはそれら
    の混合イオンを有する。]
  16. 【請求項16】 該現像ローラーの表面の粗度が中心線
    平均粗さをRa(μm)として、該極性基を有する炭化
    水素ワックスのOH基価をS(mgKOH/mg)とし
    たとき、式 【数1】 が成り立つことを特徴とする請求項1乃至15のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
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