JPH0764330A - 電子写真用トナー及び静電荷像現像剤組成物 - Google Patents

電子写真用トナー及び静電荷像現像剤組成物

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JPH0764330A
JPH0764330A JP5209494A JP20949493A JPH0764330A JP H0764330 A JPH0764330 A JP H0764330A JP 5209494 A JP5209494 A JP 5209494A JP 20949493 A JP20949493 A JP 20949493A JP H0764330 A JPH0764330 A JP H0764330A
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resin
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徳広 林
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Kanji Yoshimura
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 付加重合と縮重合を同一反応容器内で行うこ
とにより得られる樹脂を主成分として含有し、更に脂肪
酸及び/又はその金属塩の一種又は二種以上を該樹脂に
溶融混練により含有させたことを特徴とする電子写真用
トナー、並びに、該トナーと表面に凹凸部を有する多孔
性のキャリアとを含有する静電荷像現像剤組成物。 【効果】 低温定着性を確保しながら現像剤ライフの長
期に亘ってキャリア表面へのトナースカム形成を防止
し、キャリア抵抗および帯電量を安定に維持することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザプリンタ、乾式
静電複写機などの画像形成装置の静電潜像を現像する際
に用いられるトナー及び乾式二成分現像剤に関し、更に
詳細にはキャリアのトナースカムを低減させることでキ
ャリア抵抗帯電量を長期に亘って一定の値に維持し、高
画質を維持できるようにしたトナー及び静電荷像現像剤
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザプリンタ、乾式静電複写機などの
画像形成装置に用いられる電子写真法は、米国特許第
2,221,776号、同第2,297,691号、同
第2,357,809号などの明細書に記載されている
ように、光導電性絶縁層を一様に帯電させ(帯電工
程)、次いでその層を露光させ、露光した部分の電荷を
消散させて静電気的な潜像を形成し(露光工程)、この
静電潜像に帯電した着色微粉末、いわゆるトナーを付着
することによって可視化させ(現像工程)、得られた可
視像を転写紙などの転写材に転写し(転写工程)、その
後加熱、圧力その他の適当な手段によって永久定着する
(定着工程)ものである。
【0003】これらの電子写真法に適用される現像方法
としては、大別して乾式現像法と湿式現像法がある。前
者には、更に一成分系現像剤を用いる方法と、トナーと
キャリアからなる二成分系現像剤を用いる方法がある。
二成分系現像剤としては、トナーを搬送するシステムの
種類により、磁性粉キャリアを用いる磁気ブラシ現像法
(米国特許第2,786,439号明細書)、幾分粗い
ビーズキャリアを用いるカスケード現像法(米国特許第
2,618,551号明細書)等がある。
【0004】これらの現像法に適用されるトナーとして
は、スチレン−アクリレート共重合系(ポリスチレン
系)樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などの
結着樹脂中に染料・顔料などの着色剤、電荷制御剤、ワ
ックスなどの各種機能性添加剤を混合分散させ、1 〜8
0μm程度に粉砕した微粉末が一般に使用されている。
このような二成分系現像剤には、一般にロングライフ
性、すなわち連続現像における画像画質の安定性,維持
性が求められている。そのためにはトナーとキャリア粒
子間に帯電量及び現像剤抵抗を適性範囲内に維持する必
要があり、初期の帯電量及び抵抗が、ロングラン後期に
おいても変化しないことが最も望ましい。
【0005】これら現像剤の帯電量及び抵抗を安定に維
持する目的で、従来はトナー側からは結着樹脂、荷電制
御剤、その他の添加剤の設計及び選択が検討されている
一方、キャリア側でも鉄粉の酸化処理法あるいはフェラ
イト、マグネタイトなどの構成材料、更にこれら磁性粉
の表面形状、コーティング材料及びその処理方法などが
種々検討されている。特に高速で現像を行う場合には、
現像剤を多く必要とし、現像剤を撹拌するには大きな力
を要するため、現像剤と現像器の撹拌部材との間の衝突
の繰返しによって現像剤の劣化が著しいものとなる。
【0006】この現像剤の劣化を軽減するために、キャ
リアに「スポンジ」と称される多孔性の不定形鉄粉を用
いてかさ比重を小さくすることにより撹拌トルクを低減
させることが行われている。また現像速度が速くなる
と、現像の際に感光体近傍のキャリアにチャージアップ
が起こり易くなり、黒ベタ部のエッジ効果が大きくなる
傾向があるが、この現象も多孔質不定形鉄粉では凸部の
介在によって粒子同士のコンタクトポイントを大きくす
ることができ、バイアスの効きを良くして実質的な現像
電界強度を上げられるなどの副次効果があるため、この
種の構造を持つキャリアは疑似導電性方式を用いる高速
プリンタや複写機には好適である。
【0007】一方キャリアを多孔性にすると、その反復
使用によって粒子の凸部の低表面エネルギーコート剤が
剥がれ、そこに現像器内で発生したトナーの微粉末が核
となり、トナースカムと称される薄膜が形成され、時間
の経過とともにコンタクトポイントとなる凸部が高抵抗
となり、磁気ブラシを通じての現像バイアスが感光体表
面近くに届きにくくなるため、画像濃度が低下し、特に
黒ベタ部分の再現ができなくなる問題がある。また、特
に高速の複写機、プリンターではトナーの低温定着性が
要求されるが、連続使用で50℃以上にもなる現像槽内
では低温定着トナーは熱的に凸部に融着して固化し易
く、要求される低温定着性とロングライフ性とは相反す
る条件となっていた。
【0008】図1(a)、(b)、(c)はそのトナー
スカム生成のメカニズムを示すものであり、キャリアは
凹凸のある多孔質鉄粉からなるコア1と、コア1の表面
を覆う導電性コート材2からなっている。そして、
(a)に示す初期状態ではトナー3はコア1の凹部に充
填され、凸部には存在せず、この凸部が隣り合うキャリ
ア同士のコンタクトポイントとなる。しかし、(b)に
示すように、キャリアの反復使用による摩耗によって凸
部に存在するコート材2は剥がれ、スカムしやすい情況
となり、この部分に(c)に示すようにトナー3による
トナースカム3aが形成される。
【0009】周知のように各キャリアはマグネットロー
ラと感光体との間を前記凸部をコンタクトポイントとし
て架橋的に連結し、帯電したトナー3を感光体表面に形
成された静電潜像に供給するものであるが、トナースカ
ム3aによりキャリアの抵抗が高くなると、マグネット
ロ―ラからのバイアスが伝わりにくいものとなり、結果
的に感光体表面へのトナー3の供給量が低下し、前述の
ように画像濃度の低下要因となる。
【0010】この種の構造を持ったキャリアに対するト
ナーのクリーニング不良を防止するとともに、オフセッ
ト現象の防止、及び感光体の摩耗を低減するための材料
として、従来は結着剤に適宣量のステアリン酸亜鉛など
の滑剤を外部添加することが行われ、例えば特開昭46
−12680号公報に示すように、結着剤としての線状
ポリエステル樹脂に対してステアリン酸亜鉛を外部添加
し、トナー粒子の外表面を滑性化させていた。これによ
れば、凸部におけるコート材の消耗があってもトナーは
容易にはキャリア表面に付着することがないのでロング
ライフにおける画像濃度低下を防止できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
はこの種の滑剤を単に外部添加したトナーは滑剤分離が
生じ易く、特に転写工程でトナーから遊離した滑剤が感
光体表面に付着し、複写作業の継続に応じて該滑剤が感
光体表面に絶縁層を形成する他、トナーそのものの帯電
性に著しく影響を与え、帯電量の低下と現像剤の流動性
向上による現像剤抵抗の低下によって地汚れ等の画像劣
化を生ずる問題があった。
【0012】従って、表面に凹凸部を有する多孔性の不
定形鉄粉からなるキャリアを用いた二成分系現像剤にお
いて、トナーの低温定着性を損なうことなく、キャリア
抵抗及び帯電量を長期に亘って安定に維持できるトナー
及び現像剤組成物が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる実状
において鋭意研究を重ねた結果、付加重合と縮重合を同
一反応容器内で行うことにより得られる樹脂に脂肪酸類
を溶融混練せしめれば、トナーの低温定着性を保ちつつ
キャリア側においてはトナースカムが極めて少なく、キ
ャリア抵抗及び帯電量を長期間安定に維持できるトナー
及び静電荷像現像剤組成物が得られることを見出し、本
発明を完成した。
【0014】すなわち本発明は、付加重合と縮重合を同
一反応容器内で行うことにより得られる樹脂を主成分と
して含有し、更に脂肪酸及び/又はその金属塩の一種又
は二種以上を該樹脂に溶融混練により含有せしめたこと
を特徴とする電子写真用トナーの第一の発明、並びにこ
のトナーと表面に凹凸部を有する多孔性のキャリアとを
含有する静電荷像現像剤組成物の第二の発明を提供する
ものである。
【0015】トナーは、結着樹脂及び着色剤を必須成分
とし、更に一般に電荷制御剤、流動性向上剤、離型剤等
が添加され、必要によりクリーニング性向上剤が添加さ
れたものであるが、本発明のトナーは、同一反応容器中
で原料モノマーをブレンドし、付加重合と縮重合を並行
して行わせて得られる樹脂を結着樹脂の主成分とするト
ナーである。このようなトナーのうち、付加重合(ラジ
カル重合)により得られるビニル系樹脂と縮重合により
得られるポリエステル、ポリエステルアミド又はポリア
ミドがブレンドされた樹脂を結着樹脂の主成分とするト
ナーが好ましい。ビニル系樹脂としては特に限定される
ものではないが、スチレン・アクリル樹脂が好ましい例
として挙げられる。本発明においてはスチレン・アクリ
ル樹脂とポリエステルがブレンドされた樹脂等を結着樹
脂の主成分とするトナーが好適な例として用いられる。
本発明に用いられるトナーの粒径については、キャリア
粒子の大きさにもよるが、通常6〜15μm 、好ましく
は8〜13μm のものが使用される。また、本発明に用
いられるトナーは正帯電性、負帯電性のいずれのものも
用いることができる。
【0016】本発明におけるトナーの結着樹脂は、例え
ば原料モノマーをブレンドし、付加重合と縮重合を並行
して行うことにより得ることができる。以下、原料モノ
マー等について説明する。
【0017】本発明において、付加重合によりビニル系
樹脂を得る場合、下記のビニル系モノマー、必要により
架橋剤及び過酸化物又はアゾ化合物等の重合開始剤が用
いられる。
【0018】ビニル系樹脂を構成するために使用される
代表的なモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、p−クロルスチレン、ビニルナフ
タレン等のスチレン若しくはスチレン誘導体;エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等の如きエチ
レン系不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニ
ル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ
酸ビニル、カプロン酸ビニル等の如きビニルエステル
類;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリ
ル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2
−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアク
リル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メ
タクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタ
クリク酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル等の如きエチレン性モノカルボン
酸及びそのエステル;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド等の如きエチレン性モノカルボ
ン酸置換体;マレイン酸ジメチル等の如きエチレン性ジ
カルボン酸及びその置換体;ビニルメチルケトン等の如
きビニルケトン類;ビニルメチルエーテル等の如きビニ
ルエーテル類;ビニリデンクロリド等の如きビニリデン
ハロゲン化物;N−ビニルピロール、N−ビニルピロリ
ドン等の如きN−ビニル化合物類が挙げられる。
【0019】架橋剤を添加する場合、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキ
シレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメ
タクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレ
ート、2,2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキシ
フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、フタル酸ジアリル等、一般の架橋剤を適宜(必要に
応じて二種以上組み合わせて)用いることができる。こ
れらの架橋剤は、使用量が多いとトナーが熱で溶融しに
くくなり、熱定着性又は熱圧定着性が劣ることとなる。
また使用量が少ないと、ヒートローラー定着において、
トナーの一部が紙に完全に固着しないでローラー表面に
付着し、次の紙に転移するというオフセット現象を防ぎ
にくくなる。更に、これらの架橋剤の使用量は、重合性
モノマーを基準にして0.001〜15重量%、より好
ましくは0.1〜10重量%で使用するのがよい。
【0020】また、ビニル系樹脂を製造する際使用され
る重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−
1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ
系又はジアゾ系重合開始剤又はベンゾイルパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピル
パーオキシカーボネート、キュメンハイドロパーオキサ
イド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドの如
き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。重合体の分子量
及び分子量分布を調節する目的で、又は反応時間を調節
する目的等で二種類又はそれ以上の重合開始剤を混合し
て使用することもできる。重合開始剤の使用量は、重合
モノマー100重量部に対して0.1〜20重量部、好
ましくは1〜10重量部である。
【0021】また、本発明において、縮重合によりポリ
エステルを得る場合は、アルコールと酸成分を原料モノ
マーとする。すなわち、2価又は3価のアルコールとカ
ルボン酸、若しくはカルボン酸エステル、カルボン酸無
水物等のカルボン酸の誘導体とを原料モノマーとする。
【0022】2価のアルコール成分としては、ポリオキ
シプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオ
キシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が
挙げられる。
【0023】3価以上のアルコール成分としては、例え
ばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0024】また、酸成分としてはカルボン酸成分で2
価のモノマーとして、マレイン酸、フマール酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク
酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、
イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−
オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオク
チルコハク酸等、又はこれらの酸の無水物若しくは低級
アルキルエステル等が挙げられる。
【0025】3価以上のカルボン酸成分としては、例え
ば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−
ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、
1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカル
ボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパ
ン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テト
ラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポー
ル三量体酸等、又はこれらの酸無水物若しくは低級アル
キルエステル等が挙げられる。
【0026】本発明において、縮重合によりポリエステ
ルアミド又はポリアミドを得る場合、アミド成分を形成
する原料モノマーの内、ポリアミンとしては、例えばエ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロ
ピルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、6−アミ
ノカプロン酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン
酸類、プロパノールアミン等のアミノアルコールが挙げ
られる。
【0027】以上の原料モノマーを用いてポリエステル
樹脂、ポリエステルアミド樹脂、あるいはポリアミド樹
脂とビニル系樹脂とがブレンドされた結着樹脂を製造す
るには、反応容器中に収容したポリエステルあるいはポ
リエステルアミド、あるいはポリアミドの原料モノマー
混合物中にビニル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤
からなる混合物を滴下して予め混合し、先ずラジカル重
合反応により、ビニル系樹脂を得る重合反応を重合完結
させ、次に反応温度を上昇させ、縮重合により、ポリエ
ステルあるいはポリエステルアミドあるいはポリアミド
を得る重合反応を重合完結させる方法がある。このよう
に、反応容器中で独立した二つの反応を並行して進行さ
せる方法により二種類の樹脂が効果的に混合分散した結
着樹脂を得ることができる。上記の並行反応において
は、二つの重合反応の進行及び完結は時間的に同時であ
る必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及
び時間を適当に選択して順次反応を進行、完結させても
よい。
【0028】このような製造方法により、上記の如きポ
リエステル、ポリエステルアミド又はポリアミドから選
ばれた縮重合樹脂とスチレン・アクリル樹脂の如きビニ
ル系樹脂とのブレンドからなる結着樹脂を得ることがで
きるが、そのとき、上記の縮重合樹脂とビニル系樹脂と
の混合割合は、縮重合樹脂が10〜90重量部でビニル
系樹脂が90〜10重量部が好ましい。また、得られる
結着樹脂は、軟化点が95〜170℃、ガラス転移温度
が50〜80℃となるようにするのが好ましい。かかる
結着樹脂の軟化点及びガラス転移温度の調製は原料モノ
マー混合物中の重合開始剤あるいは触媒の量の調整ある
いは反応条件の選択により容易に行うことができる。
【0029】なお、本発明において、一方の反応経路で
生成する樹脂の分子量を低くすれば、結着樹脂の粉砕性
を向上させることが可能となる。特にビニル系樹脂部分
については、数平均分子量が11,000以下であれ
ば、結着樹脂の粉砕性の向上に有効になる。数平均分子
量を11,000以下にするには、重合開始剤を多用し
たり、連鎖移動剤を用いることにより容易に達成でき
る。
【0030】本発明に用いられる脂肪酸、その金属塩
は、キャリアに対するトナースカムを防止するためのク
リーニング剤としての機能とともに、オフセット現象の
防止のための離型剤としての機能、及び感光体の摩耗を
低減するために添加される。これらのうち脂肪酸として
は、ヤシ油系脂肪酸、牛脂系脂肪酸、各種単体脂肪酸が
あり、単体脂肪酸としては、分子量の小さい順からカプ
リル酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリ
デシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘニン酸、リグノリン酸、セロスチン酸、モンタ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、エルカ酸、リシノレイン酸ジヒドロキシステアリ
ン酸、環状脂肪酸、二塩基性酸等が挙げられるが、炭素
数18以上の飽和脂肪酸を90%以上多く含むステアリ
ン酸以上の長鎖アルキル基を持つものが好ましい。
【0031】また、脂肪酸金属塩の金属としては、亜
鉛、鉛、鉄、銅、錫、カドミウム、アルミニウム、カル
シウム、マグネシウム、ニッケル、コバルト、マンガ
ン、リチウム、バリウム等の各種金属が挙げられる。脂
肪酸金属塩のうち、特にラウリン酸亜鉛、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウ
ムが好適である。
【0032】これらの脂肪酸、その金属塩は単独又は2
種以上を組合わせて用いることができ、これらの結着樹
脂に対する添加方法としては、溶融混練方法、すなわち
内部添加方法が採用される。この方法により従来の外部
添加方法に比べて本発明では分散が更に均一に行われる
とともに、結着樹脂中の極性基に脂肪酸又は脂肪酸金属
塩の−COOX(Xは水素又は金属)が吸着してトナー
表面に脂肪酸の長鎖アルキル基が表出することになる。
明らかではないが、この吸着は水素結合により生じ、か
なり強固にトナーに付着するので転写工程におけるトナ
ーからの遊離を防止するものと推定される。
【0033】また、脂肪酸及び/又はその金属塩の結着
樹脂に対する添加量は、クリーニング剤としての機能を
充分に達成するためには0.1〜5.0重量部であるこ
とが好ましく、特に脂肪酸の場合には0.1〜2.0重
量部、脂肪酸金属塩の場合には0.5〜5.0重量部、
更に0.7〜2.0重量部が好ましい。
【0034】次に、本発明のトナーの調製に用いられる
各種添加剤について説明する。トナーには荷電制御剤、
着色剤、及び必要に応じて流動性向上剤、クリーニング
性向上剤、離型剤等が添加される。
【0035】荷電制御剤については特に制限はなく、正
帯電トナーと負帯電トナーによりその制御剤の種類を設
定できる。正帯電トナーには、従来電子写真用に用いら
れている全ての正帯電性の荷電制御剤から1種又は2種
以上が用いられる。具体例としてはイミダゾール誘導
体、例えば「PLZ−2001」、「PLZ−800
1」(以上、四国化成(株)社製);トリフェニルメタ
ン誘導体、例えば「COBY BLU PR」(ヘキス
ト社製);四級アンモニウム化合物、例えば「TP−4
15」、「TP−4040」(保土谷化学社製)、「ボ
ントロンP−51」(オリエント化学社製)、「Cop
y Charge pxvP435」(ヘキスト社
製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド等;ポリ
アミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリエント化学社
製)等を挙げることができる。
【0036】負帯電性トナーには、従来電子写真用に用
いられることが知られている全ての負帯電性の荷電制御
剤から1種又は2種以上が用いられる。具体例として
は、含金属アゾ染料、例えば「バリーファーストブラッ
ク3804」、「ボントロンS−32」、「ボントロン
S−34」、「ボントロンS−36」(以上、オリエン
ト化学社製)、「アイゼンスピロンブラックTVH」
(保土谷化学社製)等、銅フタロシアニン染料、サリチ
ル酸のアルキル誘導錯体、例えば「ボントロンE−8
4」(オリエント化学社製)等;四級アンモニウム塩、
例えば「Copy Charge NX Vp434」
(ヘキスト社製)等を挙げることができる。
【0037】また主荷電制御剤と逆極性の荷電制御剤と
の併用も可能であり、逆帯電性の荷電制御剤の使用量を
主帯電性の荷電制御剤の使用量の1 /2 以下とすれば5
万枚以上連続して現像を行っても濃度の低下もなく、良
好な可視画像を得ることができる。これらの荷電制御剤
は結着樹脂に対して0.1〜8.0重量%、特に0.2
〜5.0重量%配合するのが好ましい。
【0038】着色剤は有彩色の染料又は黒色を発色させ
るカーボンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で
被覆したグラフト化カーボンブラックのような顔料が用
いられるが、公知のものが全て使用可能であり、特に限
定されるものではない。黒色以外ではイエロー、マゼン
タ、シアンの三原色があるが、例えばイエローにはC.
I. ソルベントイエロー21、C. I. ソルベントイエ
ロー77、C.I. ピグメントイエロー12、C. I.
ディスパースイエロー164等が挙げられる。マゼンタ
にはC. I. ソルベントレッド49、C. I. ソルベン
トレッド128、C. I. ピグメントレッド13、C.
I. ピグメントレッド48.2、C.I. ディスパース
レッド11等が挙げられる。シアンにはC. I. ソルベ
ントブルー21、C. I. ソルベントブルー94、C.
I. ピグメントブルー15.3等が挙げられる。
【0039】これらの着色剤は、トナー全量に対して
0.01〜20重量%、特に1〜10重量%配合するの
が好ましい。
【0040】本発明のトナーには必要に応じて流動性向
上剤、クリーニング性向上剤等を用いることができる。
流動性向上剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チ
タン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜
鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸
化クロム、二酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化けい素、窒化
けい素等を挙げることができ、特にシリカの微粉末が好
ましい。
【0041】クリーニング性向上剤は、トナー中に内部
添加された前記脂肪酸及び/又はその金属塩がその機能
を発揮する他に、フッ素系高分子量体の微粒子粉末及び
シリコーン樹脂微粒子などを用いることができる。これ
ら流動性向上剤及びクリーニング性向上剤は前記脂肪酸
及び/又はその金属塩の効果を低下させないために、ト
ナーに対し0.01〜1.0重量%の範囲で添加するこ
とが好ましい。
【0042】本発明のトナーには、必要に応じてヒート
ローラ定着における耐オフセット性を改善する目的で離
型剤を用いることができる。この離型剤としては、前述
の脂肪酸及び/又はその金属塩がその機能を兼用する他
に、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪
酸エステル、高級アルコール、パラフィンワックス、ア
ミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコンワ
ニス、脂肪族フロロカーボン、シリコンオイル等のオフ
セット防止剤の任意の1種以上を含有させても良い。
【0043】本発明のトナーには、以上の他に更に種々
の添加剤を添加でき、例えば現像性を調整するための添
加剤として、例えばメタクリル酸メチルエステルの重合
物の微粒子粉末を用いることができ、更には調色、抵抗
調整等のために少量のカーボンブラックを用いることが
できる。
【0044】このようにして得られる本発明のトナー
は、乾式二成分系現像剤用キャリア、特に表面に凹凸部
を有する多孔性のキャリアと組み合わせ、静電荷像現像
剤組成物として用いるのが好ましい。ここで用いられる
キャリアは、スポンジと称される表面に凹凸部を有する
多孔性の不定形鉄粉を芯材としてその外表面をコーティ
ング剤で被覆したものが好適に用いられる。
【0045】コアを構成する不定形鉄粉としては、鉄鋼
石を還元して製造する鉱石還元鉄粉、ミルスケールを還
元して製造するミルスケール還元鉄粉、鋼の溶湯を細孔
から流出させて冷却粉末化した球状のアトマイズ鉄粉、
鋼の薄片を窒化し粉砕後脱窒処理をした窒化鉄粉が挙げ
られるが、これらのうちかさ比重が2〜4g/cm3 、平
均粒径が50〜200μm、特に55〜170μmのも
のが好ましく、また各粒子の凹凸の差が10μm以上の
細孔を有する不定形鉄粉が好ましい。なお、鉄粉系キャ
リアは、空気中の水分の存在により酸化され表面にFe2O
3(いわゆる錆)が生じてしまうため、強制酸化により
比較的高抵抗の安定な酸化薄膜で覆い、この処理度合い
により薄膜の厚みを調整してキャリアとしての電気抵抗
を調整することができる。
【0046】不定形鉄粉の外表面を被覆するコーティン
グ剤としては、帯電制御を容易にし、ロングラン及び高
温高湿時での帯電安定性を保持する目的で、従来より電
子写真に用いられることが知られているキャリア用コー
ティング剤の全てを使用することができる。具体的には
例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいは更に表面滑性を
上げる役割となるシリコーン樹脂、シリコンアクリル樹
脂、あるいはフッ素系樹脂として種々のフッ化炭素が挙
げられる。このフッ化炭素の具体例としては、フッ化ビ
ニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピ
レンなどの単独重合体又は共重合体が挙げられる。更に
具体的には、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロ
エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロ
プロピレン共重合体等が挙げられる。これらのうち四フ
ッ化エチレン又はフッ化ビニリデンを単量体の一つとし
て用いたフッ素樹脂が好ましい。
【0047】また以上のフッ素樹脂は、電気的特性又は
消耗特性を改善するために、アルミナ、グラファイト、
二硫化モリブデン、ブロンズなどの無機微粒子と混合し
て用いることができ、これら微粒子はフッ素樹脂の融点
近くの温度で焼成結着することができる。更には、以上
のフッ素樹脂の不定形鉄粉の表面に対する接着強度を高
め、耐久性を付与するためにポリアミド樹脂又はエポキ
シ樹脂を配合することができる。
【0048】コーティング方法としては、以上の樹脂を
メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどの分散媒
に分散させ、この分散液に前記キャリアを浸漬するか、
あるいはこの分散媒をキャリア表面にスプレーし、続い
て150〜300℃で熱硬化させることによって得られ
る。このコーティング量はキャリア重量に対して乾燥重
量で0.5〜10重量%、特に1〜5重量%が好まし
い。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定され
るものではない。又、以下に示す組成割合の部数は、特
に明記しない限り重量部で表わすものとする。尚、本発
明に用いる結着樹脂及びトナーの製造例、並びに本発明
で特に好適なコートキャリアの製造例も併せて以下に示
す。
【0050】樹脂製造例1 ビニル系樹脂のモノマーとして、スチレン700g、メ
タクリル酸ブチル300g、重合開始剤としてジクミル
パーオキサイド50gを滴下ロートに入れる。ポリオキ
シプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン390g、イソフタル酸120
g、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸38g及びジ
ブチル錫オキシド1gを、ガラス製5リットルの4つ口
フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式
コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ、マントルヒ
ーター中で、窒素気流下にて、135℃の温度で攪拌し
つつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂のモノマー及び
重合開始剤を4時間かけて滴下した。135℃に保持し
たまま5時間熟成し、昇温した後、220℃にて反応せ
しめた。重合度は、ASTM E28−67に準拠した
軟化点測定により追跡を行い、軟化点が120℃に達し
た時、反応を終了した。得られた樹脂は、淡黄色の固体
であり、示差熱分析(以下DSCと略す)によるガラス
転移温度は、ピークが1本のみで、62℃であった。こ
のようにピークが1本であることから、樹脂どうしの分
散が好適であることが判る。当該樹脂を結着樹脂(1)
とする。
【0051】樹脂製造例2 ビニル系樹脂のモノマーとして、スチレン820g、2
−エチルヘキシルアクリレート180g、重合開始剤と
してアゾビスイソブチロニトリル40gを滴下ロートに
入れる。ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン390g、フマル
酸12g、イソドデセニル無水コハク酸55g、テレフ
タル酸110g及びジブチル錫オキシド1gを、ガラス
製5リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステン
レス製攪拌棒及び窒素導入管を取りつける。以後の操作
及び重合反応条件は実施例1と同様である。得られた樹
脂のガラス転移温度をDSCで求めたところ、ピークが
1本のみで、60℃であり、実施例1と同様に樹脂どう
しの分散が良好であることが判る。当該樹脂を結着樹脂
(2)とする。
【0052】実施例1
【表1】 結着樹脂(1) 87部 カーボンブラック「リーガル330R」 7部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−07」(オリエント化学社製) 2部 正帯電性荷電制御剤「TP−415」(保土谷化学社製) 1部 ステアリン酸亜鉛「S−Z」(日本油脂社製) 3部 以上の原料をヘンシェルミキサーで良く混合した後、バ
レル冷却装置を備えた2軸押出機で溶融混練し、冷却、
粗砕化した後、ジェットミルによって粉砕し、更に風力
分級機を用いて分級し、平均粒径11μmの正帯電性ト
ナー1を得た。
【0053】実施例2 実施例1でステアリン酸亜鉛S−Z(日本油脂社製)3
部をステアリン酸亜鉛SZ−DF−2(堺化学社製)1
部に変更する以外は同様に行い、正帯電性トナー2を得
た。
【0054】実施例3 実施例1でステアリン酸亜鉛S−Z(日本油脂社製)3
部をステアリン酸マグネシウムSM−1000(堺化学
社製)3部に変更する以外は同様に行い、正帯電性トナ
ー3を得た。
【0055】実施例4 実施例1でステアリン酸亜鉛S−Z(日本油脂社製)3
部をステアリン酸アルミニウムSA−1000(堺化学
社製)1部に変更する以外は同様に行い、正帯電性トナ
ー4を得た。
【0056】実施例5
【表2】 結着樹脂(2) 90部 カーボンブラック「リーガル400R」(キャボット社製) 8部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンラックT−77」 1.5部 (保土谷化学社製) ステアリン酸「ルナックS−90」(花王株式会社製) 0.5部 以上の原料を実施例1と同様の方法で溶融混練し粉砕分
級し、平均粒径11μmの負帯電性トナー5を得た。
【0057】比較例1 実施例1でステアリン酸亜鉛のS−Z(日本油脂社製)
3部を除き結着樹脂(1)を90重量部に変更する以外
は同様に行い、正帯電性トナー6を得た。
【0058】比較例2 比較例1のトナー100部に対し、ステアリン酸亜鉛S
Z−DF−2 F(堺化学社製、平均粒径3μm品)0.
3部を外部添加してヘンシェルミキサーを用いて混合付
着させ、正帯電性トナー7を得た。
【0059】コートキャリア製造例1 平均粒径160μmのスポンジ鉄粉Copy Powd
er CS105−175(Hoganas AB社
製)1000部に、フッ化ビニリデン−テトラフルオロ
エチレン共重合体[VT50(ダイキン工業社製),共
重合モル比80:20]50部及びエポキシ樹脂[エピ
コート1001(三菱油化社製)]20部を1000部
のメチルエチルケトンに分散させた分散液を調製し、転
動流動床コーティング装置を用いて、導電性グラファイ
ト充填スポンジ鉄粉1000部に対し、1部がコート層
として残るようにその表面にスプレーコートし、更に乾
燥した後、電気炉中で200℃、30分間熱処理し、コ
ートキャリア1を得た。
【0060】コートキャリア製造例2 コートキャリア製造例1におけるフッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン共重合体VT50及びエポキシ樹
脂エピコート1001をストレートシリコン樹脂KR−
271(信越化学社製)に変更する以外は同様に行い、
コートキャリア2を得た。
【0061】試験例 コートキャリア1の100重量部に対し、実施例1、
2、3、4又は比較例1、2で得られたトナー3重量部
を混合して正帯電現像剤を調製し、またコートキャリア
2の100重量部に対し実施例5で得られたトナー5を
3重量部混合して負帯電正現像剤を調製した。これらの
現像剤をOPCベルト搭載複写機(富士ゼロックス社
製、FX1075)の改造機を用い、正帯電現像剤に対
しては反転現象で、また負帯電現像剤に対しては正転現
象で定着性試験を行い、更に通常環境(23℃、50%
RH)において10万枚のロングラン試験を行い、現像
剤帯電量、キャリア抵抗、画像及びキャリア表面のトナ
ースカムのFE/SEM(日本電子社製)による観察結
果について以下に示す方法で評価した。
【0062】(1)帯電量の評価 帯電量の評価に用いた装置は、ブローオフ式帯電量測定
装置であり、この装置は、ファラデーケージ、コンデン
サ及びエレクトロメータを備えた比電荷測定装置であ
る。測定方法は、325メッシュ(キャリア粒子の通過
しない大きさに適宣変更可能)のステンレスメッシュを
備えた真鍮製の測定セルに、現像槽から取り出した現像
剤をW(g)(約3.0g)入れた。次に吸引孔から、
流量計3リットル/分を示す圧力で90秒間吸引を行
い、トナーのみをセル中から除去した。この吸引開始か
ら90秒後の電位計の電圧をV(ボルト)とした。ここ
でコンデンサの電気容量をC(μF)とすると、このト
ナーの比電荷Q/mは下式のごとく求められる。
【0063】
【数1】Q/m(μc/g)=C×V/m
【0064】ここで、mはW(g)中の現像中に含まれ
るトナーの重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT
(g)、現像剤の重量をD(g)とした場合、試料のト
ナー濃度はT/D×100(%)と現され、mは下式の
ごとく求められる。
【0065】
【数2】m(g)=W×T/D
【0066】(2)キャリア抵抗の評価 (1)で帯電量を測定した際に、ブローオフ式帯電量測
定装置のステンレスメッシュ上に残ったキャリアを動的
キャリア抵抗測定機(C−meter Epping
GmbH社製)のセルに付属の計量スプーンで1cc計り
込み、磁力630 gauss、予備撹拌63秒、印加
電圧12V、10000pFのコンデンサーを使用して
動的キャリア抵抗を測定した。
【0067】(3)画像の評価 評価は現像濃度及び地汚れについて、以下の方法で行っ
た。画像濃度はマクベス反射濃度計RD−914(Ma
cbeth Process Measurement
s社製)による測定値により評価した。地汚れは、白色
度測色色差計Z−1001Dp(日本電色工業社製)に
より、未使用の紙の表面及び現像後の紙の非画像部の白
色度を測定し、前者から後者を引いて得られた相対比較
価により評価した。
【0068】(4)定着性の評価 上述の複写機の定着部のシリコンオイル塗布をしないで
画像出しを行い、ローラ温度可変できるように改造し、
定着温度を120℃〜240℃にコントロールし、画像
の最低定着温度、オフセット性を評価した。ここでの最
低定着温度とは、底面が15mm×7.5mmの砂消しゴム
に500gの荷重を載せ、定着段を通して定着された画
像の上を5往復こすり、こする前後でマクベス社の反射
温度計にて光学反射密度を測定し、以下の定義による定
着率が70%を越える際の定着ローラの温度をいう。
【0069】
【数3】
【0070】実施例1〜5及び比較例1、2の全てのト
ナーについて、目標の最低定着温度である180℃以下
の定着温度を確保することができ、また、240℃にお
いてもオフセットは発生しなかった。
【0071】(5)キャリア表面のスカム発生の有無 以上の複写機により100万枚複写後キャリアを取出
し、トナーを分離後に電子顕微鏡によりその凸部にトナ
ースカムが発生しているか否かを観察した。以上の
(1)〜(5)の試験結果を表3に示す。なお、(4)
の試験結果は全てのトナーにオフセット現象が発生して
いないので表からは除いてある。
【0072】
【表3】
【0073】以上の表に示す結果からも明らかなよう
に、比較例1のステアリン酸又はその金属塩を全く添加
していないものでは、帯電量が半減し、また抵抗値も測
定不能となる位に上昇してしまい、性能低下する。また
このことは画像濃度が1/3程度までに低下し、地よご
れの増加やトナースカムの発生により検証される。また
比較例2のステアリン酸亜鉛を外部添加したものでは、
帯電量が極端に低下し、画像濃度は低下しないにもかか
わらず、地よごれが極端に増加する。このことはトナー
中のステアリン酸亜鉛が転写過程で順次感光体側に移行
して感光体表面に絶縁層を形成するか、あるいは遊離の
ステアリン酸亜鉛が現像剤の流動性を向上させ、キャリ
ア同士のコンタクトを強くしすぎるため、バイアスのリ
ークが発生するためであろうと推定される。これに対
し、実施例1〜5のトナーを用いた場合には、目標とす
る低温定着性を満足させながら100万枚に及ぶロング
ライフを達成でき、キャリアに対するトナースカムも良
好に防止できることが確認できた。このことは、特に比
較例2における従来の外部添加方法に比べて本発明では
分散が更に均一に行われるとともに、脂肪酸及び/又は
その金属塩がかなり強固にトナーに付着するので転写工
程におけるトナーからの遊離を防止するからであると推
定できる。
【0074】
【発明の効果】本発明のトナーは、乾式二成分系現像剤
用キャリア、特に表面に凹凸部を有する多孔性のキャリ
アと混合することにより、低温定着性を確保しながら現
像剤ライフの長期に亘ってキャリア表面へのトナースカ
ム形成を防止し、キャリア抵抗及び帯電量を安定に維持
できる長寿命の現像剤となる。また特に本発明のトナー
は高速の導電性疑似二成分現像方法を用いる現像剤に好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はトナースカムの生成メカニズ
ムを示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 365 9/10 311

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付加重合と縮重合を同一反応容器内で行
    うことにより得られる樹脂を主成分として含有し、更に
    脂肪酸及び/又はその金属塩の一種又は二種以上を該樹
    脂に溶融混練により含有せしめたことを特徴とする電子
    写真用トナー。
  2. 【請求項2】 付加重合がラジカル重合によりビニル系
    樹脂を得るものであり、かつ縮重合がポリエステル、ポ
    リエステルアミド又はポリアミドを得るものである請求
    項1記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 表面に凹凸部を有する多孔性のキャリア
    と、請求項1又は2記載のトナーとを含有する静電荷像
    現像剤組成物。
  4. 【請求項4】 キャリアが不定形の鉄粉であることを特
    徴とする請求項3記載の静電荷像現像剤組成物。
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