JPH0843604A - 着色光学部品及び着色光学部品の製造装置 - Google Patents

着色光学部品及び着色光学部品の製造装置

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JPH0843604A
JPH0843604A JP6177267A JP17726794A JPH0843604A JP H0843604 A JPH0843604 A JP H0843604A JP 6177267 A JP6177267 A JP 6177267A JP 17726794 A JP17726794 A JP 17726794A JP H0843604 A JPH0843604 A JP H0843604A
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JP
Japan
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manufacturing apparatus
optical component
heat
heating
dye
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JP6177267A
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Seiichiro Hoshiyama
征一郎 星山
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色濃度勾配を有する着色光学部品の着色性
能を均一にする。 【構成】 光学部品4を加熱する加熱手段1、加熱手段
1と光学部品4の間に設置された熱遮断部材2、熱遮断
部2材又は/及び光学部品4を相対的に移動させる移動
手段(図示せず)からなる着色濃度勾配を持った光学部
品4の製造装置において、熱遮断部材2の表面に、断熱
性部材又は電磁反射部材又は鏡面部材を被覆した製造装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は着色加工した光学部品、
例えば眼鏡用の染色レンズや、フィルター等の着色光学
部品の製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、眼鏡用レンズに着色を施してな
る着色レンズは、ファッション、流行などに関連した付
加価値技術として最近重要視されてきている。現在のレ
ンズの染色は、主として水系の分散媒に染料を分散さ
せ、大気圧下、100℃以下の温度に保った染液中への
レンズの浸漬/引き上げを繰り返す、いわゆる浸漬法に
よって行っていた。通常レンズ中心部にむけて色調が薄
くなるようなだらかな着色濃度勾配を付けたハーフ染色
が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の方法による光学部品の染色では、目的とする
色調や濃度を出すには作業者の長年の経験に頼りがち
で、特になだらかな濃度勾配を付ける場合、再現性に乏
しく、後加工による色調の変動要因が制御し難いという
問題点があった。更に、従来の浸漬法の場合、染色液の
廃液が多量に排出されるために、その処理のための設備
にコストがかかったり、また環境問題の点から、廃液の
処理が伴う染色技術の改善が急務となった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、第1に「光学部品を加熱する加熱手段、該加熱手段
と該光学部品の間に設置された熱遮断部材、前記熱遮断
部材又は/及び該光学部品を相対的に移動させる移動手
段からなる着色濃度勾配を持った光学部品の製造装置に
おいて、前記熱遮断部材の表面に、断熱性部材又は電磁
反射部材又は鏡面部材を被覆したことを特徴とする製造
装置(請求項1)」を提供する。また、「請求項1記載
の断熱性部材が二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタ
ン、炭化ケイ素からなることを特徴とする製造装置(請
求項2)」を提供する。また、「請求項1記載の電磁反
射部材が銅、アルミニウム、モリブテン、タンタルから
なることを特徴とする製造装置(請求項3)」を提供す
る。また、「請求項1記載の鏡面部材がステンレス、亜
鉛鋼板、鋳鉄鋼をバフ研磨した部材であることを特徴と
する製造装置(請求項4)」を提供する。更に、「請求
項1乃至4の製造装置において、真空チャンバーを有し
真空中において基材の加熱が可能であることを特徴とす
る製造装置(請求項5)」を提供する。更に「請求項1
記載の製造装置において、加熱手段が赤外線、可視光
線、熱風、マイクロ波、レーザー等の放射加熱手段であ
る特徴とする製造装置(請求項6)」を提供する。そし
て、「請求項1乃至6記載の製造装置で製造された着色
濃度勾配を有する光学部品(請求項7)」を提供する。
【0005】
【作用】本発明の着色された光学部品の製造方法におい
ては、光学部品となる基材表面に染料液を塗布すること
により着色加工された表面に対して熱放射を行い、基材
内に染料を浸透させて着色加工を行うものである。本発
明において濃度勾配とは、着色される色の濃度が無色か
ら淡色を経て濃くなるように変化していく状態をいう。
また不均等加熱とは、基材表面全面を均一な温度に加熱
するのではなく、ある部位に対しては加熱量は少なく、
また別の部位では加熱量は大きくなるように基材表面を
部位によって加熱量を変化(不均一)させることをい
う。つまり、熱放射を多く受けた基材は被加熱量が多く
なる。本発明は、染料液が塗布された光学部品基材面の
被加熱量が多ければ、被加熱面に浸透する染料の量が多
くなり、着色濃度は濃くなり、放射強度が少なく被加熱
量が少なければ浸透する染料の量は少なく着色濃度は薄
くなるという、着色濃度と加熱量との対応関係に基づ
き、所望の濃度勾配に相当する加熱量差になるよう制御
しながら不均等加熱を行うことによって、作業者の経験
に頼ることなく所望の濃度勾配パターンを有する着色さ
れた光学部品を簡便に得ることができるものである。そ
して、光学部品基材面への加熱量を制御することによっ
て所望の濃度勾配を有する染料された光学部品を得るこ
とを可能としたものである。
【0006】更に、本発明においては、加熱を放射加熱
とし加熱量の制御によって不均等加熱を行うものであ
る。光学部品となる基材に対して着色濃度を濃くしたい
部位には比較的長時間または高強度の熱放射を行い、着
色濃度を薄くしたい部位には比較的短時間または低強度
の熱放射を行うよう放射時間または放射強度を変化させ
うことによって所望の濃度勾配パターンを生じさせるた
めの加熱量の差を簡便に得ることができる。
【0007】基材表面に対して加熱量差を生じさせる方
法として、第1に放射熱または放射エネルギー強度を一
定にし、前記放射熱または前記放射エネルギーの放射時
間を制御する方法がある。この方法の一態様として、放
射熱または熱エネルギーを放射するための熱放射手段と
基材との間に放射熱または熱エネルギーの遮断手段を設
け、放射熱または放射エネルギーを所定時間遮断し、そ
の遮断時間を変化させることによって基材表面の加熱時
間に差異を生じさせることにより、不均等加熱を行うこ
とが可能となる。
【0008】また、第2の方法として、前記放射熱また
は前記放射エネルギーの放射時間を一定にし、放射強度
を制御する方法がある。放射強度の制御方法の一態様と
しては、熱放射手段と基材との距離を制御することで放
射強度の差異を生じさせることができる。つまり、基材
を熱放射手段に接近させれば放射強度は高くなり、遠ざ
ければ放射強度は低くなる。
【0009】本発明において使用される光学部品は、着
色可能なものであればよく、特に制限されるものではな
いが、基材としてプラスチックを用いる場合、その材料
には、例えばポリメチルメタクリレート及びその重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレスタレート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、CR−39重合体など
が用いられる。
【0010】また、熱放射源として、赤外線,可視光線
等の放射、熱風、マイクロ波放射等種々のものが用いら
れるが、いずれにしてもレンズ基材が熱劣化しない加熱
条件を設定することが必要である。
【0011】
【実施例1】以下に、実施例として、レンズの転写によ
る、染色方法の内容を説明するが、本発明は、これらに
限定されるものではない。第一の実施例では、赤外線ヒ
ーターを熱放射源とし、遮蔽板により放射熱を制御しな
がら不均等的加熱を行って、染色レンズを得る。この遮
蔽板表面には、真空蒸着により、二酸化ケイ素が被覆さ
れている。この装置を図1に示す。
【0012】(1)転写染料の組成物の調製 転写染料は、イエロー、レッド、ブルーの3原色の染料
を、有機溶媒に溶かした溶液を、目的とする色調が再現
できる任意の割合で調合し、アセトンを主成分とする希
釈液で任意の濃度に希釈したものを転写液とした。 <レッド染料>回転子を備えたビーカーにアセトン8
6.49wt%、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)
を、2.70wt%、エチレングリコール・モノ・エチ
ルエーテル、9.74wt%、住友3M社製フローラー
ド:0.26wt%、染料として、C.I.(Colo
ur Index)ソルベントレッド73:0.81w
t%の合計100wt%を室温において混合した後に、
ガラス製密閉容器中に移して保管する。
【0013】<ブルー染料>回転子を備えたビーカーに
アセトン86.72wt%、PMMAを、2.71wt
%、エチレングリコール・モノ・エチルエーテルを、
9.77wt%、住友3M社製フローラード:0.26
wt%、染料として、C.I.ディスパース60:0.
54wt%の合計100wt%を混合した後に、ガラス
製密閉容器中に移して保管する。
【0014】<イエロー染料>回転子を備えたビーカー
にアセトン84.43wt%、PMMAを、2.64w
t%、エチレングリコール・モノ・エチルエーテルを、
9.51wt%、住友3M社製フロラードを、0.25
wt%、染料としてC.I.ディスパースイエロー5
4:3.17wt%の合計100wt%を混合した後
に、ガラス製密閉容器中に移して保管する。
【0015】<希釈液>回転子を備えたビーカーにアセ
トン87.60wt%、PMMAを、2.65wt%、
エチレングリコール・モノ・エチルエーテルを、9.5
0wt%、住友3M社製フローラード:0.25wt%
の合計100wt%を混合する。上記のイエロー、レッ
ド、ブルーの3色の、原液及び、希釈液を室温にて撹拌
した後、ガラス製の密閉容器に移して保管する。 (2)転写染料の調色 染色レンズの製作に用いる染料液は、上記のように各々
調整したイエロー、レッド、ブルーの3原色の染料を目
的とする色調が再現される任意の割合で調合して、上記
のアセトンを主成分とした希釈液で任意の濃度に希釈し
たものとする。
【0016】本実施例においては、色調にはブラウンを
選び、その色調を得るための転写染料の3原色液の配合
比は、体積比で、イエロー:レッド:ブルー = 4
5:27:28。この配合比のブラウン原液に、同じく
体積比で、ブラウン原液:希釈液 = 97:3の割合
に希釈したものを染料液とした。 (3)塗布及び染色 以上の操作によって調整したブラウン染料液を用いてレ
ンズの染色を以下の方法で行った。
【0017】すなわち、図2に示したように、レンズ基
材(4)として、厚さ2mm、直径70mm、0.00
Dの眼鏡用のプラスッチクであるCR39をセットし、
レンズの接眼面に染料液を約2mlを注射器で滴下し、
1000r.p.mで5秒間スピンし、続けて2000
r.p.mで5秒間回転して、レンズ基材(4)の接眼
面に均一な塗膜を形成した。
【0018】この塗布したレンズを赤外線の照射で13
0℃、40分間、ベルトコンベアーで平行移動させなが
ら固定式照射面積制御板(単位mm)で、加熱面を制御
して不均等的加熱を行い、レンズへ染料を加熱含浸させ
た。図1はその方法を示したものである。すなわち、図
1において、レンズ基材(4)を、その上面から赤外線
加熱源(1)(株式会社ノリタケカンパニーリミテッド
製、100V,400W、型式CMH−110 100
V/400W)までの高さHが190mmとなるように
染料塗膜(3)の形成されている面を上にして設置す
る。また、レンズ基材(4)底面からの高さhが40m
mの位置の固定式遮蔽板(2)を、レンズ基材(4)の
端部Sからの距離Lが20mmの位置にその先端が来る
ように設定しておく。
【0019】この様な初期設定において、約130℃、
40分間、固定式遮蔽板(2)の下をベルトコンベアー
で毎分60mmの速度で図1の矢印の方向へ平行移動さ
せながらレンズ基材(4)への加熱照射を行った。次
に、洗浄として、20℃の塩化メチレン槽に1分間浸漬
し、その間は液中で揺動させる。これを2回行い、続い
て、40℃の塩化メチレン蒸気中に1分間浸漬して洗浄
した。
【0020】レンズ端部Sからの距離L毎に、着色濃度
の評価基準として、視感度透過率計透過率値を分光光度
計により測定した。その結果、端部Sからの距離が大き
いほど視感度透過率が高い。端部Sからの距離が長くな
るに従って、反比例的に放射束が低くなっていることが
予想され、着色濃度も薄くなっているものと考えられ
る。
【0021】この放射束に対する着色濃度は、初期設定
における固定式遮光板(2)の先端位置に対応する距離
20mmの位置からほぼ直線的な関係となっている。
【0022】
【実施例2】次に、第2の実施例として、厚さ2mm、
直径75mmの、第1の実施例とは異なるプラスチック
レンズ基材(ニコンライトDX2:商品名)に不均等的
加熱による染色を行った。ここでは、染料液を第1の実
施例と同じブラウン染料液を用い、また第1の実施例と
同様の条件設定で図2に示すスピンコート装置によって
プラスチックレンズ基材に染料塗膜を形成した。
【0023】この染料塗膜が形成されたレンズ基材を、
図1に示した初期設定と同様に配置し、ただし、レンズ
径が5mm大きいので固定式遮光板とレンズ端面Sとの
距離Lを25mmとして、40分間熱放射した。次に、
染料塗膜の形成に使用したものと同じ、図2に示したス
ピンコート装置を用いて洗浄を行った。熱放射によって
染料の含浸を行った被染色面を上方向にしてレンズ基材
(4)をエアージャケット(17)内のレンズスピンナ
ー(19)にセットし、滴下ノズル(16)から塩化メ
チレンを滴下しながらレンズスピンナー(19)を10
00r.p.mで4秒間回転させて洗浄を行った。
【0024】以上の操作で得られた染色レンズの視感度
透過率とレンズ内の位置との関係を端部sからの距離L
が長いほど、視感度透過率が高く、着色濃度が薄くなっ
ており、初期設定に於ける遮光板の先端位置に対応する
25mm位置付近からほぼ直線的な関係となっている。
図3のような形状を有する遮蔽板22を用い、これを例
えば、電気メッキにより鏡面を形成し、矢印方向へ移動
することで加熱時間の差異を生じさせることにより、濃
度勾配を形成することも可能である。
【0025】なお、以上の実施例においては、レンズの
接眼面側に染料塗膜を形成し、加熱を行ったが、対物面
側のレンズ面であってもかまわない。また、染料の塗布
に際しても、スピンコートに限らず、例えば、印毛で塗
布するなどの一般的な従来用いられている方法を用いて
もできる。また、染料液に用いた組成は、上記実施例に
示したものに限らず種々のものが使用可能である。例え
ば、染料を溶解する溶剤として、アセトンの代わりに、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリクロ
ロエチレン、塩化メチレン、トルエン、キシレン、石油
ナフサ、N−メチルピロリドン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、フルフローラル、エチルエー
テル、ジオキサン、等が用いられるが、用いる染料は溶
解し、プラスチックレンズは溶解しないものを使用す
る。
【0026】また、塗膜の形成材として、ポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)の代わりに、セルロースアセテ
ート、セルロースナイレート、セルロースアセテートブ
チレート等の繊維素系樹脂、ポリメタクリレート等のア
クリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール
等のビニル系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂などがある。
【0027】塗膜の白化防止及びレベリング剤としての
エチレングリコール・モノ・エチルエーテルの代わりに
は、エチレングリコール・モノ・フェニルエーテル、ジ
エチレングリコール・モノ・メチルエーテル、ジエチレ
ングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリ
コール・モノ・ブチルエーテル、酢酸エチレングリコー
ル・モノ・メチルエーテル、酢酸エチレングリコール・
モノ・エチルエーテル、乳酸エチル、プロピオン酸ブチ
ル、ジアセトンアルコール、シクロヘキサン、等が使用
できる。
【0028】さらに、レベリング剤として用いた住友3
M社製フローラードの代わりに使用可能なものとして
は、信越シリコーン社製KP322、日信化学工業社製
サフィノールシリーズ、共栄社油脂製ポリフロー、フロ
ーレンシリーズ、サンモント社製モダフロー、マルチフ
ロー、楠本化成社製ディスパロンシリーズ、サンノプコ
社製ノプコカラースパースシリーズ、ノプコ1338、
モディコールSNシックナーシリーズ、ヴァンデルビル
ト社製のリオトール、ジェネラルアニリン社製シッケナ
ーL、トロイ社製LLBA、ラテックスアンチクレータ
ー、ヤンドット社製プリロニックシリーズ、SBSケミ
カルズ社製レジフロウシリーズ等が挙げられる。また、
染色に用いる染料は、実施例に用いたものに限らない
が、分散染料の原体及び油溶性染料が望ましい。以下に
その一例を示す。
【0029】分散染料には、C.I.(Colour
Index)ディスパースイエロー5、198、83、
64、33、42、149、7、56、4、3、C.
I.ディスパースオレンジ49、31、13、29、6
1、33、3、C.I.ディスパースレッド72、22
5、146、76、54、56、205、227、13
5、1、17、C.I.ディスパースヴィオレット3
5、1、38、C.I.ディスパースブルー106、2
01、183、148、128、56、214、19
7、194、87、56、102、3、1、7、C.
I.ディスパースブラウン1、等がある。
【0030】油溶性染料には、C.I.ソルベントイエ
ロー19、77、C.I.ソルベントオレンジ1、C.
I.ソルベントレッド1、111、146、88、C.
I.ソルベントヴィオレット13、14、C.I.ソル
ベントブルー12、35、36、C.I.ソルベントグ
リーン3、C.I.ソルベントブラウン37、C.I.
ソルベントブラック3、等がある。
【0031】また、眼鏡用レンズには、表面に耐擦傷性
被膜を施す場合があるが、以上の染色レンズ製造工程
は、耐擦傷性被膜を形成する前に限らず、形成後に染色
を行ってもかまわない。レンズ表面に施す耐擦傷性被膜
の組成物として、例えば以下の式で表される有機珪素化
合物またはその加水分解物等が用いられる。
【0032】R1a2bSi(OR34ー(a+b) (ただし、R1は官能基または不飽和2重結合を有する
炭素数4〜14の有機基、R2は炭素数1〜6の炭化水
素基又は、ハロゲン化炭化水素基、R3は炭素数1〜4
のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基であ
り、aおよびbは各々0又は1であり、かつa+bは1
又は2である。) 上記の化合物としては、例えば、γーグリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルト
リエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメト
キシエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリア
セトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、βー(3、4エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシランや、さらにメチルメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γーメ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミメチル
ノトリメトキシシラン、3ーアミノプロピルトリメトキ
シシラン、3ーアミノプロピルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γークロロプロピルトリメトキシシラン、γーメル
カプトプロピルトリエトキシシラン、3、3、3、ート
リフルオロプロピルトリメトキシシラン、等の各種トリ
アルコキシシラン、トリアシロキシシラン、あるいはト
リアルコキシアルコキシシラン化合物、また、ジメチル
ジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシラン、メチルビニウジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、さらにメチルシリ
ケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、
n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、t−
ブチルシリケート、secーブチルシリケート、等が挙
げられる。これらの化合物は、1種で用いても良いが、
目的・種類に応じて2種以上を混合して用いても良い。
また、堅さを増すために種々の微粒子状の酸化物を添加
することが可能である。
【0033】
【発明の効果】この発明により、以上説明した通り、所
望の濃度勾配に相当する放射熱を制御しながら不均等的
加熱を行うことによって、作業者の経験に頼ることな
く、所望の濃度勾配パターンを有する光学部材を簡便に
得ることができる。更に本願発明における製造装置の遮
蔽板には、断熱性部材又は電磁反射部材又は鏡面部材が
被覆されているので、加熱手段からの熱放射をより効率
よく遮断できるので、着色濃度の制御がし易く、着色性
能もより均一である。
【0034】従って、染色光学部材の製造工程におい
て、同じ濃度勾配パターンの染色光学部材を大量に製造
する場合であっても、種々の異なる濃度勾配パターンの
染色光学部材を製造する場合であっても、不均等的加熱
の制御によって容易となるだけでなく、染色工程の無人
化、自動化が可能となり、製造工程全体の効率の向上も
図られる。また、本発明の加工ラインを用いれば、眼鏡
レンズのような多種類の濃度に対応するハーフレンズの
物まで、同一ラインで着色加工できるため、従来行われ
てきた複数台の染色用浸漬処理加工ラインは必要なくな
り、製造ラインの単一化が計られる重要な効果がある。
また、湿式法を用いないので、廃液処理工程がなく、コ
ストの削減や環境問題も解決可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における染色レンズの製造装置を示す
説明図である。
【図2】本実施例における染色レンズの製造方法に用い
たスピンコート装置の概略構成図である。
【図3】本実施例における染色レンズの製造装置の応用
例を示す説明図である。
【符号の説明】 1,21:加熱手段 2,22:遮蔽手段 3,23:染料塗膜 4,24:レンズ基材 11:支持棒 12:染料滴下用バルブ 13:バルブ駆動用圧搾空気取り入れ口 14:バルブ駆動用圧搾空気取り入れ口 15:染料取り入れ口 16:染料滴下ノズル 17:エアージャケット 18:排気口 19:レンズスピンナー 25:移動手段 以上

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学部品を加熱する加熱手段、該加熱手
    段と該光学部品の間に設置された熱遮断部材、前記熱遮
    断部材又は/及び該光学部品を相対的に移動させる移動
    手段からなる着色濃度勾配を持った光学部品の製造装置
    において、前記熱遮断部材の表面に、断熱性部材又は電
    磁反射部材又は鏡面部材を被覆したことを特徴とする製
    造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の断熱性部材が二酸化ケイ
    素、窒化ケイ素、窒化チタン、炭化ケイ素からなること
    を特徴とする製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電磁反射部材が銅、アル
    ミニウム、モリブテン、タンタルからなることを特徴と
    する製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の鏡面部材がステンレス、
    亜鉛鋼板、鋳鉄鋼をバフ研磨した部材であることを特徴
    とする製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の製造装置において、真
    空チャンバーを有し真空中において基材の加熱が可能で
    あることを特徴とする製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の製造装置において、加熱
    手段が赤外線、可視光線、熱風、マイクロ波、レーザー
    等の放射加熱手段であることを特徴とする製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の製造装置で製造さ
    れた着色濃度勾配を有する光学部品。
JP6177267A 1994-07-28 1994-07-28 着色光学部品及び着色光学部品の製造装置 Pending JPH0843604A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6635352B2 (en) 2001-04-24 2003-10-21 Hoya Corporation Coating composition, process for producing optical element using the same, and optical element produced thereby
JP2009237075A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Seiko Epson Corp プラスチックレンズの染色方法

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