JPH049281B2 - - Google Patents

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JPH049281B2
JPH049281B2 JP56144018A JP14401881A JPH049281B2 JP H049281 B2 JPH049281 B2 JP H049281B2 JP 56144018 A JP56144018 A JP 56144018A JP 14401881 A JP14401881 A JP 14401881A JP H049281 B2 JPH049281 B2 JP H049281B2
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layer
film
coating
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transparent
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/111Anti-reflection coatings using layers comprising organic materials

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は各種の透明材料に容易に適用でき、か
つ耐久性、耐熱性、耐衝撃性の良好な反射防止膜
を有する透明材料に関する。
[従来の技術] 透明材料を通して物を見る場合、反射光が強
く、反射像が明瞭であることはわずらわしく、例
えば眼鏡用レンズではゴースト、フレアなどと呼
ばれる反射像を生じて目に不快感を与えたりす
る。またルツキンググラスなどではガラス面上の
反射した光のために内容物が判然としないという
問題が生ずる。
従来より反射防止のために、屈折率が基材と異
なる物質を、真空蒸着法などにより基材上に被膜
形成させる方法が行なわれた。この場合反射防止
効果を最も高くするためには基材を被覆する物質
の厚みの選択が重要であることが知られている。
例えば、単層被膜においては基材より低屈折率の
物質を光学的膜厚を対象とする光波長の1/4ない
しはその奇数倍に選択することが極小の反射率す
なわち極大の透過率を与えることが知られてい
る。
ここで光学的膜厚とは被覆形成材料の屈折率と
該被膜の膜厚の積で与えられるものである。さら
に複層の反射防止層の形成が可能であり、この場
合の膜厚の選択に関していくつかの提案がされて
いる(光学技術コンタクトvol9、No.8、17〜23.
(1971))。
この蒸着法により形成された反射防止膜は用途
によつては次のような問題点がある。
(1) 高度の真空度を要するために処理すべき基材
の大きさ、材料に制限を生ずる。又製造時間が
長くなり、生産性、経済性が低下する。
(2) 通常かなりの加熱を要し、基材によつては変
形、分解などの問題を生ずる。
(3) 使用される被膜形成材料は主として無機酸化
物であり、緻密な膜を構成する反面、プラスチ
ツク基材の場合には線膨張係数の差による耐熱
性、付着性の低下を生じ易い。
(4) 透明基材を彩色するにあたつての有力な手段
である染色に必要な染材透過性がまつたく失わ
れる。
(5) 染色可能な材料を被覆したガラスにおいても
同様の染色性の喪失、耐熱性、付着性の低下が
生ずる。
従来技術として、「写真工業」1973年12月号第
39頁には反射防止膜が、また特開昭48−63740号
公報には防曇性付与膜が提案されている。しかし
これらの従来技術にあつては、各々の層を液状組
成物の塗布により形成させるものではなく、また
第2層に有機ケイ素化合物を使用するものではな
いので、表面硬度が低く、染色性にも乏しいもの
であつた。
さらに特開昭50−145246号公報、および米国特
許4210699号明細書に記載された発明は、2層以
上の複層膜をレンズ基材の表面に設けるものであ
るが、これらの技術はいずれも、基材と接する第
1層被膜が無機系材料を含む高屈折率のものでは
ないので、良好な反射防止効果を達成することは
できなかつた。
また、特開昭56−74202号公報には、合成樹脂
成形体上に、シリカ微粒子を含む被膜を塗布によ
つて形成させ、次いで、無機物の被膜を真空蒸着
法により、形成される技術が公開されている。し
かしながら、この技術も、第1層目に含まれる無
機物が、シリカ微粒子であるため充分な反射防止
性を示さず、また、第2層が、真空蒸着法により
形成されているため、耐熱性、染色性を有するも
のでなく、汚れ防止性も満足されなかつた。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、かかる従来技術の欠点を解消しよう
とするものであり、高い反射防止性、表面硬度を
有し、かつ耐熱性、染色性、汚れ防止性を有する
透明材料を簡便な方法で得ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構
成を有する。
「透明基体あるいは透明被覆層を有する透明基
体からなる透明基材の表面の少なくとも一部に、
第1層と第2層からなるそれぞれが液状で塗布さ
れ、乾燥およびまたは硬化によつて得られる反射
防止膜を有し、該反射防止膜の基材側の層(第1
層)はこれと接する透明基材と第2層とのいずれ
の層よりも高い屈折率を有し、さらに第1層は、
被膜形成材料としての有機材料中にアルミニウ
ム、チタニウム、ジルコニウムまたはアンチモン
の酸化物から選ばれる少なくとも一種の金属の無
機酸化物系微粒子を分散させてなる被膜、あるい
は、被膜形成材料として、被膜形成性で溶剤に分
散もしくは溶解し得るか、それ自体が液状であ
る、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムま
たはアンチモンの化合物から選ばれる少なくとも
一種の金属の化合物を含有してなる被膜であり、
第2層は、被膜形成材料として芳香環を含まない
有機置換されたケイ素化合物を含有してなる被膜
であり、第1層と第2層の膜厚が次の関係を満た
すことを特徴とする反射防止膜を有する透明材
料。
第1層m/4λ×0.7<n1d1<m/4λ×1.3 第2層n/4λ×0.7<n2d2<n/4×1.3 (ここでn1、n2は各々第1層、第2層の屈折率、
d1、d2は各々第1層、第2層の膜厚(単位:n
m)、mは正整数、nは奇の整数、λは可視周辺
領域内で選ばれる任意の基準波長(単位:nm)
である。)」 ここで透明基材とは下式により求められる曇価
が80%以下の透明性を有する透明基体であつて、
必要に応じ、染料などで着色されているもの、模
様状に彩色されているものもこれに含めることが
できる。また透明基体の上に、たとえば耐傷性な
どを付与するために被覆材によつて被覆されたも
のも下式により求められる曇価が80%以下であれ
ば本発明の透明基材に含めることができる。
曇価(%)=拡散光線透過率/全光線透過率×100 本発明の意図するところの光線反射率の低下、
および光線透過率の向上効果をより有効に発揮さ
せるためには、できるだけ透明性のあるものが好
ましい。さらに本発明における光線反射率の低下
を基体の一方のみで充分である場合には、その反
対面が不透明なもので覆われた基体であつても、
本発明で言うところの透明基材として使用でき
る。この場合には、曇価としては反対面における
不透明物質を除去したもので定義されなければな
らない。
前述の透明基体としてはガラス、プラスチツク
物品などの成型物、シート、フイルムなどが挙げ
られる。とくにプラスチツク物品を透明基体とし
て使用する場合にはあらかじめ該基体上に、付着
性、硬度、耐薬品性、耐久性、染色性などの諸物
性を向上、付与させる目的で被覆材を適用したも
のを用いることもできる。ただしこれらの被覆材
で被覆された基体(透明基材)は、前記透明基材
に関し与えられたと同様の透明性を有しているこ
とが必要である。
上記の反射防止性を付与させる被膜を形成する
液状組成物としては被膜形成性物質のみでなる場
合の他必要な塗布作業性を付与するために各種の
揮発性溶媒を含んだものも用いることができる。
ここで液状組成物とは通常の塗布作業が適用でき
る範囲の粘度を有する組成物であつて適用温度で
10ポイズ以下、好ましくは1ポイズ以下のものが
用いられる。すなわち、これより高い粘度を有す
る液状組成物は、均一な塗膜を得ることが困難で
ある。塗布方法としては通常のコーテイング作業
で用いられる方法が可能であるが、薄膜の膜厚コ
ントロールの観点からはカーテンフロー塗装、浸
漬塗装、スピン塗装などが好ましい。
反射防止性の被膜のうち第1層として最初に塗
布される被膜は第1層と接する透明基体あるいは
透明基体に被覆材が被覆されてなる場合は、その
被覆層と第2層のいずれよりも0.03以上、好まし
くは0.05以上高い屈折率を有するものが用いられ
る。第1層、第2層の塗布にあたつては各種の化
学処理、物理処理を各々と接する層に適用するこ
とで付着性を向上させることもできる。
なお本発明において、膜の厚さを前記のとおり
限定していることは、反射防止効果を発揮するた
めであり、膜の厚さそのこと自体は従来から周知
のものである。
液状組成物が塗布された透明器材を加熱、光照
射、紫外線ないし赤外線照射、電子線、X線など
の放射線照射することによつて上記の第1層およ
び第2層を別個にまたは一度に乾燥およびまたは
硬化させる。
かかる被膜形成物質としてはそれから形成され
た被膜が屈折率に関する要件を満たすものであ
り、かつ、第1層としては、アルミニウム、チタ
ニウム、ジルコニウムまたはアンチモンの酸化物
から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物系微粒
子を、被膜形成材料としての有機材料中に分散さ
せたもの、あるいは、被膜形成材料としてアルミ
ニウム、チタニウム、ジルコニウムまたはアンチ
モンから選ばれる少なくとも一種の金属の化合物
で、被膜形成性で溶剤に分散または溶解し得る
か、それ自体が液状であるものが用いられる。
さらに、第2層としては、被膜形成材料として
芳香環を含まない有機置換されたケイ素化合物を
含んでいることが必要である。
第1層に用いられる有機材料としては比較的屈
折率の高い被膜形成性物質、例えば、ポリスチレ
ン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、
ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状
基またはフツ素以外のハロゲン基を有する各種重
合体組成物、メラミン樹脂、フエノール樹脂、な
いしエポキシ樹脂などを硬化剤とする各種熱硬化
性樹脂形成性組成物、脂環式ないしは芳香族イソ
シアネートおよびまたはこれらとポリオールから
なるウレタン形成性組成物、および上記の化合物
に2重結合を導入することにより、ラジカル硬化
を可能にした各種変性樹脂またはプレポリマを含
む組成物、アクリル系を含むビニル系共重合体、
ポリエステル(アルキドを含む)系重合体、繊維
素系重合体、ウレタン系重合体、およびこれらを
硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有す
る組成物など透明性があり無機系微粒子を安定に
分散せしめる各種の有機材料が使用可能である。
さらに有機置換されたケイ素系化合物をこれに含
めることができる。これらのケイ素系化合物は一
般式 R1 aR2 bSiX4-(a+b) であらわされる化合物ないしはその加水分解生成
物である。ここでR1、R2は各々アルキル基、ア
ルケニル基、アリル基、またはハロゲン基、エポ
キシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオ
キシ基ないしシアノ基を有する炭化水素基、Xは
アルコキシル、アルコキシアルコキシル、ハロゲ
ンないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可
能な置換基、a、bは各々0、1または2でかつ
a+bが1または2である。これに分散される無
機化合物としてはアルミニウム、チタニウム、ジ
ルコニウム、アンチモンから選ばれる少なくとも
1種の金属元素の酸化物が好ましく用いられる。
これらは微粒子状で粉末ないしは水および/また
はその他の溶媒中へのコロイド状分散体として提
供されるものである。これらは上記の有機材料ま
たは有機ケイ素化合物中に混合分散される。
被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が
液状である無機系材料としてはアルミニウム、チ
タニウム、ジルコニウム、アンチモンから選ばれ
る少なくとも一種の金属のアルコキシド、有機酸
の塩、配位性化合物と結合した配位化合物などが
ありこれらの好適な例としては、チタンテトラエ
トキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チ
タンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−
n−ブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシ
ド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニ
ウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プ
ロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アン
チモントリエトキシド、アンチモントリブトキシ
ド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウ
ムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテト
ラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n
−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブト
キシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド
などの金属アルコレート金属、さらにはジ−イソ
プロポキシチタニウムビスアセチルアセトネー
ト、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチルアセト
ネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルア
セトネート、ジルコニウムテトラキスアセチルア
セトネート、アルミニウムアセチルアセトネー
ト、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチル
アセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポ
キシドモノメチルアセトアセテート、トリ−n−
ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテ
ートなどのキレート化合物、さらには炭酸ジルコ
ニールアンモニウム、あるいはジルコニウムを主
成分とする活性無機ポリマーなどをあげることが
できる。上記に述べた他に、屈折率が比較的低い
が、上記の化合物と併用できるものとしてとくに
各種のアルキルシリケート類もしくはその加水分
解物、微粒子状シリカとくにコロイド状に分散し
たシリカゾルが用いられる。
一方第2層として用いられる芳香環を含まない
有機置換されたケイ素化合物以外の材料としては
上記の有機材料および/または無機化合物のうち
相対的に第1層より低い屈折率の被膜を形成する
ものであり、また無機系材料として、各種アルキ
ルシリケート類、微粒子状シリカとくにコロイド
状に分散されたシリカゾルが好ましく用いられ
る。
本発明で、第2層を形成する被膜中に、芳香環
を含まない有機置換されたケイ素化合物を含む成
分を必須とする理由は、芳香環を含むものは、屈
折率が高くなり、反射防止機能が発揮されず好ま
しくないからである。
上記の第1層または第2層に用いられる各種材
料は、1種または2種以上を透明性を低下させな
い範囲で併用することができる。
これらの組成物は通常揮発性溶媒に希釈して塗
布される。溶媒として用いられるものは、とくに
限定されないが、使用にあたつては組成物の安定
性、透明基材に対するぬれ性、揮発性などを考慮
して決められるべきである。また溶媒は1種のみ
ならず2種以上の混合物として用いることも可能
である。
本発明の第1層および第2層のコーテイング組
成物中には、塗布時におけるフローを向上させる
目的で各種の界面活性剤を使用することも可能で
あり、とくにジメチルシロキサンとアルキレンオ
キシドとのブロツクまたはグラフト共重合体、さ
らにはフツ素系界面活性剤などが有効である。
さらに耐侯性を向上させる目的で各層中に紫外
線吸収剤、また耐熱劣化向上法として酸化防止剤
を添加することも容易に可能である。
このようにして塗布された各層のコーテイング
組成物は段階的に加熱硬化および/または乾燥す
ることもできるし、第1層の塗膜を予備硬化およ
び/または乾燥した後、第2層をコーテイング
し、加熱硬化および/または乾燥することも可能
である。加熱方法としては熱風、赤外線などで行
なうことが可能である。また加熱温度は適用され
る透明基体および使用されるコーテイング組成物
によつて決定されるべきであるが、通常は50〜
250℃、より好ましくは60〜200℃が使用される。
これより低温では硬化または乾燥が不充分であ
り、またこれより高温になると熱分解などが起つ
て黄変などの問題点を生ずる。
さらに硬化性官能基、例えば重合体もしくはオ
リゴマ中の2重結合などを利用して紫外線、電子
線、γ線などの放射線を用いて硬化させることも
できる。
また本発明の第1層および第2層の膜厚はコー
テイング組成物の固形分およびコーテイング方法
さらにはコーテイング条件によつてコントロール
されるものである。
本発明の透明基体としては本発明目的を必要と
する場合には透明なものならば何でも良いのであ
るが、液状コーテイングの観点から、ガラス、プ
ラスチツク材料としてはポリメチルメタクリレー
トおよびその共重合体、ポリカーボネート、ジエ
チレングリコールビスアリルカーボネート(CR
−39)、ポリエステルとくにポリエチレンテレフ
タレート、および不飽和ポリエステル、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、塩化ビニル、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。
また、ガラスにも好ましく用いることができ
る。さらに被覆材料で被覆された上記のプラスチ
ツク、ガラスなどの透明基体にも好ましく適用で
きる。とくに本発明の反射防止性薄膜の下層にあ
る被膜材料によつて付着性、硬度、耐薬品性、耐
久性、染色性などの諸物性を向上させることがで
きる。また硬度向上のためにはこれまでプラスチ
ツクの表面高硬度被膜として知られる各種の材料
を適用したものを用いることができる。(特公昭
50−28092、特公昭50−28446、特公昭50−39449、
特公昭51−24368、特開昭52−112698、特開昭53
−111336) とくに特開昭53−111336に記載の可染性高硬度
化被膜に関して本発明の反射防止性複層膜を適用
したものは染料透過性のある反射防止性被膜とい
う本発明の効果を最大に発揮し得るものとして好
ましく使用できる。
本発明の目的を達成する基体ないしは被覆され
た基体と反射防止性複層膜には数多くの組み合わ
せが考えられ、その最適な範囲は目的に応じ実験
的に定められるべきものである。
なお本発明においては、最外の表面層も液状コ
ーテイング物(塗料)を塗布し硬化したものであ
るので、表面は平滑性に優れ、汚れが付きにく
く、汚れが付いても落ち易く、使用時においても
反射防止の効果が持続するという、レンズにとつ
て好ましい効果を発揮する。従来技術の蒸着法で
は、最外の表面層は必ず微細の凸凹形状となるの
で、汚れが付き易く、汚れが付くと落ちにくいも
のであつた。
以下実施例より本発明の内容を説明するがこれ
に限定されるものでない。
実施例 1 (1) 第1層コーテイング組成物の調製 回転子を備えたビーカー中にn−プロピルア
ルコール368g、フエネチルアルコール42.7g、
シリコーン系界面活性剤0.64gを添加する。こ
の混合液中に室温にて撹拌しながら、メタノー
ル分散コロイド状シリカ(平均粒子径12±1m
μ、固形分30%)17.8g、さらにチタンテトラ
−n−ブトキシド23gを添加して、コーテイン
グ組成物とした。
(2) 第2層コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン14.1g、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシン14.3g、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン30.7gを添加し、10℃
に冷却したのち、撹拌下で0.05規定塩酸水溶
液13.6gを滴下した。滴下終了後、室温にて
さらに1時間撹拌を行ない、シラン加水分解
物を得た。
(b) コーテイング組成物の調製 上記シラン加水分解物19.3g、メタノール
264.0g、水29.0g、シリコーン系界面活性
剤0.3gを加え、よく混合した後、(1)で使用
したと同じメタノール分散コロイド状シリカ
35.3g、さらにアルミニウムアセチルアセト
ネート1.1gを加え、充分撹拌を行ないコー
テイング組成物とした。
(3) 塗布およびキユア まず前項(1)で調製した塗料を用いて、カセイ
ソーダ水溶液に浸漬後、洗浄したジエチレング
リコールビスアリルカーボネート重合体レンズ
(直径75mm、厚み2.1mm、CR−39プラノレンズ)
に浸漬法で塗布した。塗布条件は引き上げ速度
10cm/分であり、塗布したレンズは90℃の熱風
乾燥機で20分間加熱キユア後、直ちに80℃、90
%RHの恒温恒湿下で1時間処理し、さらに
110℃熱風乾燥機で1時間加熱乾燥した。得ら
れた第1層の屈折率は1.62、膜厚は82nmであ
つた。また第1層と接する基材層(透明基体)
の屈折率は1.49であつた。得られた第1層は表
面処理用プラズマ装置(PR501A ヤマト科学
株式会社製)を用い、酸素流量100ml/分、出
力50wで1分間処理を行なつた。
この前項(2)で調製した塗料を用いて、第1層と
同様にして、表面処理された第1層上にコーテイ
ングした。塗布したレンズは110℃で1時間加熱
キユアした。得られた第2層の屈折率は1.43、膜
厚は106nmであつた。
得られたレンズの全光線透過率は96.0%であり
反射防止率を有していた。なお未コートレンズの
全光線透過率は92.4%であつた。
実施例 2 (1) アンダーコーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン106.8gを10℃に冷却し、撹拌しな
がら0.05規定塩酸水溶液15.5gを徐々に滴下
し、滴下終了後、室温にてさらに1時間撹拌
をつづけてシラン加水分解物を得た。
(b) コーテイング組成物の調製 前記シラン加水分解物に、エポキシ樹脂
(“エピコート827”、シエル化学株式会社製
品)25g、エポキシ樹脂(“エポライト
3002”、共栄社油脂化学工業株式会社製品)
25g、ジアセトンアルコール58.9g、ベンジ
ルアルコール29.5g、メタノール310g、シ
リコーン系界面活性剤1.5gを添加混合し、
さらに実施例1で使用したメタノール分散コ
ロイド状シリカ416.7gとアルミニウムアセ
チルアセトネート12.5gを添加し、充分撹拌
した後、コーテイング組成物とした。
(2) アンダーコートの塗布、キユアおよび前処理 前項コーテイング組成物を使つて、実施例1
で使用したジエチルグリコールビスアリルカー
ボネート重合体レンズに浸漬法で塗布し、93℃
で4時間加熱した。キユアされたレンズは前処
理として実施例1で行なつたと同様の活性化ガ
ス処理を行なつた。なお処理時間は30秒で行な
つた。
(3) 反射防止膜の製造 前記アンダーコートレンズを使用し、実施例
1中の第2層コーテイング組成物をメタノール
90gと水10gで希釈する以外は、すべてまつた
く同様にして反射防止膜を得た。なお第2層の
膜厚は95nmであつた。また第1層と接する基
材層(アンダーコート層)の屈折率は1.50であ
つた。
(4) 試験結果 得られたレンズの全光線透過率は96.9%であ
り、反射光色は赤紫色がかつた色を呈した。ま
た得られたレンズを#0000のスチールウールに
て耐摩耗性を調べたところ、摩耗後もほとんど
傷発生は認められなかつた。またこの反射防止
レンズを赤、青、黄の3色を混合した分散染料
を水に分散溶解させた染色浴を用い、90℃、30
分間染色した。このレンズは全光線透過率か60
%まで染色されていた。また染色後においても
反射防止効果はまつたく低下されていなかつ
た。
実施例 3 (1) 第1層コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン23.6gに0.01規定塩酸水溶液5.4gを10℃
で滴下混合した。滴下終了後、室温にてさら
に1時間撹拌を行なつて、シラン加水分解物
を得た。
(b) コーテイング組成物の調製 前記シラン加水分解物5.24g、チタンテト
ラ−n−ブトキシド19.4g、n−プロピルア
ルコール275.2g、アルミニウムアセチルア
セトネート0.15gを添加混合して、コーテイ
ング組成物を調製した。
(2) 第2層コーテイング組成物の調製 前項(1)の(a)で調製したシラン加水分解物17.4
g、シリコーン系界面活性剤0.13g、n−プロ
ピルアルコール232g、さらにアルミニウムア
セチルアセトネート0.5gを混合し、充分に撹
拌してコーテイング組成物を得た。
(3) 塗布、キユアおよび前処理 実施例2と同様にしてアンダーコートを塗布
したレンズに、前項(1)および(2)の第1層、第2
層コーテイング組成物をすべて実施例1と同様
に行なつた。第1層の屈折率は1.73、膜厚は
70nm、また第2層の屈折率は1.48、膜厚は
117nmであつた。また第1層と接する基材層
(アンダーコート層)の屈折率は1.50であつた。
(4) 試験結果 得られたレンズの全光線透過率は97.0%であ
り、実施例2と同様の摩耗テストを行なつた
が、まつたく傷の発生は認められなかつた。
実施例 4 実施例2で使つたアンダーコート処理したレ
ンズに炭酸ジルコニールアンモニウムの6%水
溶液を第1層コーテイング組成物とし、また第
2層コーテイング組成物としては実施例1で使
用したと同じコーテイング組成物をそれぞれ使
用し、加湿下での加熱を除く以外はすべて実施
例1と同様に塗布、およびキユアを行なつた。
第1層の屈折率は1.75、膜厚は54nm、また第
2層は屈折率、膜厚とも実施例1の場合と同じ
であつた。なお、第1層と接する基材層(アン
ダーコート層)の屈折率は1.50であつた。
得られたレンズの全光線透過率は94,5%で
あり、反射防止効果があつた。
実施例 5 (1) 第1層コーテイング組成物の調製 アセチルアセトン358.5gに撹拌下でチタン
テトラ−n−ブトキシド26.0g、実施例1で使
用したメタノール分散コロイド状シリカ20.0g
を添加し、コーテイング組成物を得た。
(2) 第2層コーテイング組成物の調製 実施例3の(1)の(a)で調製したシラン加水分解
物6.94gにn−プロパノール260g、水111g、
エチルセロソルブ32.0gを加え、よく撹拌した
のち実施例1で使用したと同じメタノール分散
コロイド状シリカ13.3gとアルミニウムアセチ
ルアセトネート0.4gを添加し、充分に撹拌混
合してコーテイング組成物を得た。
(3) 塗布およびキユア ポリメチルメタクリレート注型板(商品名
“スミペツクス”2mm厚、住友化学株式会社製
品)を水と洗剤で洗浄後、前記第1層コーテイ
ング組成物を浸漬法(引き上げ速度10cm/分)
で塗布し、93℃で熱風乾燥機で60分間加熱後、
50℃の熱水に60分間浸漬後、水滴を窒素ブロー
で除去した後、さらに93℃で60分間加熱乾燥を
行なつた。ついで第1層の上に前記第2層コー
テイング組成物を第1層と同様に浸漬法で塗布
し、93℃の熱風乾燥機内で2時間加熱硬化させ
た。
(4) 試験結果 得られたポリメチルメタクリレート注型板の
全光線透過率は95.0%てあつた。また未コート
のポリメチルメタクリレート注型板の全光線透
過率は92.2%であつた。なお第1層の屈折率は
1.76、膜厚は43nmまた第2層の屈折率は1.43
で、膜厚は92nmであつた。
また、第1層と接する基材層(ポリメチルメ
タクリレート注型板)の屈折率は1.49であつ
た。
実施例 6 実施例5において透明基体として無機ガラスレ
ンズ(直径65mm、厚み2.0mm)を使用する以外は
すべて実施例5に準じて行なつた。
得られたレンズの全光線透過率は96.0%であつ
た。なお未コートのガラスレンズの全光線透過率
は91.9%であつた。また第1層、第2層の屈折
率、膜厚は実施例5の場合と同じであつた。また
第1層と接する基材層(無機ガラスレンズ)の屈
折率は1.51であつた。
実施例 7 以下に述べるアンダーコートしたポリメチルメ
タクリレート注型板を使用する以外はすべて実施
例5とまつたく同様に行なつた。
(1) アンダーコート組成物の調製 (a) ビニルトリエトキシシラン加水分解物の調
製 ビニルトリエトキシシラン26.0gに酢酸
2.0gを添加し、20℃にコントロールしなが
ら0.05規定塩酸水溶液7.4gを撹拌下に滴下
混合して、加水分解物を得た。
(b) メチルトリメトキシシラン加水分解物の調
製 メチルトルメトキシシラン37.2gに酢酸
2.8gを添加し、20℃にコントロールしなが
ら0.01規定塩酸水溶液14.7gを撹拌下に滴下
混合して、加水分解物を得た。
(c) 塗料の調製 前記(a)、(b)で調製したそれぞれのシラン加
水分解物を混合し、さらにキシレン8g、酢
酸ブチル2g、シリコーン系界面活性剤0.15
g、酢酸ソーダ0.2gを添加し、均一に溶解
させて塗料とした。
(2) アンダーコートの塗布、キユアおよび前処理 前項(1)で調製したアンダーコート組成物を実
施例5で使用したと同じポリメチルメタクリレ
ート注型板に浸漬法(引き上げ速度20cm/分)
で塗布し、90℃で熱風乾燥機で2時間加熱キユ
アした。得られた注型板をさらに10%のカセイ
ソーダ水溶液中に30℃で5分間浸漬処理して、
透明基体とした。
(3) 試験結果 得られたポリメチルメタクリレート注型板の
全光線透過率は、98.0%であり、ほとんど反射
が認められないほどの反射防止効果があつた。
また実施例2と同様の摩耗テストを行なつた
が、まつたく傷の発生は認められなかつた。さ
らに本処理板をフエードメーターで20時間紫外
線照射したところ、まつたく透過率の変化が認
められず、非常に耐光性が良好であつた。なお
第1層と接する基材層(アンダーコート層)の
屈折率は1.46であり、第1層、第2層の屈折
率、膜厚は実施例5と同じであつた。
実施例 8 (1) 第1層コーテイング組成物の調製 アセチルアセトン387g中に撹拌下でチタン
テトラ−n−ブトキシド13,8g、ジルコニウ
ムテトラ−n−ブトキシド8.9g、実施例1で
使用したと同じメタノール分散コロイド状シリ
カ21,3gを添加し、充分撹拌を行なつてコー
テイング組成物を得た。
(2) 塗布、キユアおよび試験結果 実施例7で第1層のコーテイング組成物を上
記組成物を使用する以外はすべて実施例7に準
じて塗布およびキユアを行なつた。
得られた注型板は全光線透過率が98.1%であ
り、赤紫色の反射光を有する反射防止板であつ
た。また摩耗テスト、フエードメーターによる
耐光性テストとも良好であつた。なお、第1層
の屈折率は1.56、膜厚は101nmであり、また第
2層の屈折率、膜厚は実施例5の第2層と同じ
であつた。また、第1層と接する基材層の屈折
率は実施例7の基材層と同じであつた。
実施例 9 (1) 第1層コーテイング組成物の調製 アセチルアセトン796g中に撹拌下でチタン
テトラ−n−ブトキシド73.3g、実施例1で使
用したと同じメタノール分散コロイド状シリカ
85gを添加し、さらにシリコーン系界面活性剤
を0.5gを加えてコーテイング組成物を得た。
(2) 第2層コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン56.5g、ビニルトリエトキシシラン24.0
gに0.05規定塩酸水溶液19.8gを10℃にコン
トロールしながら撹拌下で滴下混合した。滴
下終了後は室温でさらに1時間撹拌を行な
い、シラン加水分解物を得た。
(b) コーテイング組成物の調製 前記シラン加水分解物22.1g中に撹拌しな
がらn−プロパノール234g、水98.4g、エ
チルセロソルブ31.8g、実施例1で使用した
と同じメタノール分散コロイド状シリカ36.7
g、シリコーン系界面活性剤0.25gとアルミ
ニウムアセチルアセトネート1.1gを添加し、
充分撹拌混合を行なつて、コーテイング組成
物を得た。
(3) 塗布、キユアおよび試験結果 実施例2に準じた方法でアンダーコート処理
したレンズに上記(1)で第1層コーテイング組成
物を下記の条件でスピンコートした。塗布レン
ズはさらに93℃で45分間加熱後、50℃の熱水に
1時間浸漬し、さらに93℃45分間加熱を行なつ
た。
スピンコート条件 回転数:3500rpm 回転時間:25秒 この第1層上にさらに上記(2)、(b)で調製した第
2層コーテイング組成物を第1層と同じ条件でス
ピンコートし、塗布後93℃で2時間加熱硬化させ
た。
得られたレンズは全光線透過率が96.7%で反射
光の色は赤紫色であつた。またこのレンズの摩耗
テスト、フエードメーターによる耐光性テストは
どちらも良好であつた。さらに実施例2と同様の
染色テストを行なつたところ、55%まで染色さ
れ、染色後も反射防止効果は保持されていた。こ
の反射防止レンズの耐衝撃性をFDA規格による
落球衝撃テストで調べたところ、染色前、染色後
ともまつたく破壊が認められず、すぐれた耐衝撃
性を有していることがわかつた。
第1層の屈折率は1.598、膜厚は85nmであり、
第2層の屈折率は1.43、膜厚は82nmであつた。
また第1層と接する基材層(アンダーコート層)
の屈折率は実施例2と同じ1.50であつた。
実施例 10 (1) 第1層コーテイング組成物の調製 実施例3の(1)、(a)で調製したγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン加水分解物9.9
gとメタノール5.6g、ベンジルアルコール
76.2gとアルミニウムアセチルアセトネート
0.6gを混合し、充分撹拌して均一な溶液とし
た。この溶液に撹拌をつづけながらエチレング
リコール120g、n−プロピルアルコール122
g、シリコーン系界面活性剤0.4gを添加した
(A液とする)。別途、エチレングリコール33.5
g、n−プロピルアルコール25.7g、アセチル
アセトン22.1gに水分散コロイド状酸化チタン
ゾル(平均粒子径約50mμ、固形分35,8%)
23.5gを撹拌しながら、添加混合した(B液と
する)。
前記A液中にB液を71.6g添加して、充分撹
拌を行なつて、コーテイング組成物を得た。
(2) 第2層コーテイング組成物の調製 (a) シラン加水分解物の調製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン6.7g、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン4.35g、ビニルトリエト
キシシラン12.24gを混合し、10℃にコント
ロールしながら撹拌下に0.05規定塩酸水溶液
5.63gを滴下混合し、滴下終了後室温にてさ
らに1時間撹拌つづけてシラン加水分解物を
得た。
(b) コーテイング組成物の調製 前記シラン加水分解物15.4gにエポキシ樹
脂(商品名“デナコールEX320”、トリメチ
ロールプロパンポリグリシジルエーテル、長
瀬産業株式会社製品)2.2g、n−プロピル
アルコール214.3g、水90.2g、エチルセロ
ソルブ28.7g、シリコーン系界面活性剤0.2
g、実施例1で使用したと同じメタノール分
散コロイド状シリカ30.1g、アルミニウムア
セチルアセトネート0.9gをそれぞれ撹拌し
ながら添加し、充分に撹拌を行なつてコーテ
イング組成物とした。
(3) 塗布およびキユア 実施例2の(2)に準じてアンダーコート処理を
施したレンズに前記(1)の第1層コーテイング組
成物を実施例10と同条件でスピンコートした。
塗布レンズは110℃の熱風乾燥機で1時間加熱
した。つぎに第1層コートレンズを実施例1の
第1層に行なつたと同様に活性化ガス処理をし
た後、前記(2)の第2層コーテイング組成物をひ
きつづき、第1層と同じ条件でスピンコートし
た。塗布後は、110℃でさらに1時間加熱硬化
させた。
(4) 試験結果 得られたレンズの全光線透過率は98.0%であ
り、深みのある赤紫色の反射光であつた。また
摩耗テストではまつたく傷発生がなく、染色テ
ストでは25.0%と、非常に濃色まで染色が可能
であつた。なお染色後においても反射防止効果
はまつたく変化が認められなかつた。
前項(3)で得たレンズの第1層の屈折率は
1.675、膜厚は54nmであり、第2層の屈折率は
1.40、膜厚は80nmてあつた。また、第1層と
接する基材層(アンダーコート層)の屈折率は
実施例2と同じ1.50であつた。
比較例 1 CR−39プラノレンズを基材として、一酸化ケ
イ素と二酸化ケイ素の組み合わせ膜からなる反射
防止膜を形成させた試料(特願昭53−105249号に
基づく)について測定した結果、染色性はまつた
く認められず、処理レンズの反射防止膜に多くの
亀裂発生が認められた。
比較例 2 実施例9において、第2層をコーテイングしな
かつたレンズの全光線透過率は90.0%であり、反
射防止効果はまつたくなかつた。
比較例 3 実施例9において、第1層をコーテイングせず
に、第2層のみをコーテイングしたレンズの全光
線透過率は92.9%であり、反射防止効果はまつた
くなかつた。
比較例 4 実施例9において、第2層をコーテイングした
後、第1層をコーテイングしたレンズの全光線透
過率は89.6%であり、反射防止効果はまつたくな
かつた。
[発明の効果] 本発明により、高い反射防止性を有し、かつ、
表面硬度が高く、さらに、耐熱性、染色性を有す
る透明材料を提供することができる。
また、本発明の透明材料は、コーテイングによ
り被膜を形成することができ、簡便に効率よく製
造することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 透明基体あるいは透明被覆層を有する透明基
    体からなる透明基材の表面の少なくとも一部に、
    第1層と第2層からなるそれぞれが液状で塗布さ
    れ、乾燥およびまたは硬化によつて得られる反射
    防止膜を有し、該反射防止膜の基材側の層(第1
    層)はこれと接する透明基材と第2層とのいずれ
    の層よりも高い屈折率を有し、さらに第1層は、
    被膜形成材料としての有機材料中にアルミニウ
    ム、チタニウム、ジルコニウムまたはアンチモン
    の酸化物から選ばれる少なくとも一種の金属酸化
    物系微粒子を分散させてなる被膜、あるいは、被
    膜形成材料として、被膜形成性で溶剤に分散もし
    くは溶解し得るか、それ自体が液状である、アル
    ミニウム、チタニウム、ジルコニウムまたはアン
    チモンの化合物から選ばれる少なくとも一種の金
    属の化合物を含有してなる被膜であり、第2層
    は、被膜形成材料として芳香環を含まない有機置
    換されたケイ素化合物を含有してなる被膜であ
    り、第1層と第2層の膜厚が次の関係を満たすこ
    とを特徴とする反射防止膜を有する透明材料。 第1層m/4λ×0.7<n1d1<m/4λ×1.3 第2層n/4λ×0.7<n2d2<n/4λ×1.3 (ここでn1、n2は各々第1層、第2層の屈折率、
    d1、d2は各々第1層、第2層の膜厚(単位:n
    m)、mは正整数、nは奇の整数、λは可視周辺
    領域内で選ばれる任意の基準波長(単位:nm)
    である。)
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