JPH084144Y2 - 間接熱風乾燥炉の温度制御装置 - Google Patents

間接熱風乾燥炉の温度制御装置

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JPH084144Y2
JPH084144Y2 JP1989095291U JP9529189U JPH084144Y2 JP H084144 Y2 JPH084144 Y2 JP H084144Y2 JP 1989095291 U JP1989095291 U JP 1989095291U JP 9529189 U JP9529189 U JP 9529189U JP H084144 Y2 JPH084144 Y2 JP H084144Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 本考案は、中塗りあるいは上塗りの完了した自動車ボ
ディ等の塗装体を熱風により乾燥させるための間接熱風
乾燥炉の温度制御装置に関する。
(2)従来の技術 自動車の塗装工程において、吹き付け塗装の完了した
自動車ボディはトンネル状の乾燥炉の内部をコンベヤで
移動しながら熱風によって約150℃の焼付温度に加熱さ
れて乾燥処理される。乾燥炉の内部に供給する熱風の熱
源としては一般にバーナが用いられるが、その燃焼ガス
を直接乾燥炉内に供給すると吹き付け塗装直後の濡れた
塗膜に燃焼ガス中に含まれるダストが付着して塗装の品
質を低下させる恐れがある。このために、フィルタを通
過させて清浄化した外気を前記燃焼ガスが通過する熱交
換器において加熱し、生成した加熱空気を熱風として乾
燥炉内に供給する間接熱風乾燥炉が用いられている。
かかる間接熱風乾燥炉においては、自動車ボディの加
熱温度を一定化するために温度制御装置が設けられてお
り、自動車ボディとコンベヤの熱吸収による損失を考慮
して、前記焼付温度よりも20℃高い約170℃に制御され
た熱風を乾燥炉内に供給している。
第3図は上記従来の間接熱風乾燥炉の温度制御装置の
全体構成を示すものである。
同図に示すように、紙面に対して垂直方向に延びるト
ンネル状の間接熱風乾燥炉1の内部には台車2を備えた
コンベヤ3が敷設されており、その台車2上に塗装体で
ある自動車ボディBが載置されて移動する。乾燥炉1の
下部には自動車ボディBを乾燥させるための加熱空気を
熱風として供給する吹出口4が設けられており、その上
部には炉内の加熱空気を回収する吸込口5が設けられて
いる。
バーナ6で生成した燃焼ガスが排気ファン7によって
吸引される熱管8、および外気吸入ファン9の下流に接
続した主管10は熱交換器11において交差し、熱管8内の
高温の燃焼ガスによって主管10内の空気が加熱される。
主管10から温度コントロールダンパ12を通って混合室13
に供給された加熱空気は該混合室13において前記吸込口
5から復管14を介して還流した空気と混合し、更に循環
系フィルタ15を挟んで設けられた供給室16のアジテータ
ファン17によって往管18を通って前記吹出口4に供給さ
れる。
温度設定器19および吹出口4に供給する加熱空気の温
度を測定するための往管18に設けた温度センサ20は温度
コントローラ21に接続されており、この温度コントロー
ラ21は前記主管10に設けた温度コントロールダンパ12に
接続されている。
上述の温度制御装置によれば、温度設定器19において
設定した温度(例えば170℃)と温度センサ20が測定し
た加熱空気の実際の温度に誤差が生じると、温度コント
ローラ21が温度コントロールダンパ12を開閉して熱交換
器11から供給される加熱空気の流量を制御し、これによ
り吹出口4から乾燥炉1内に供給される加熱空気の温度
が一定の170℃になるように制御している。
(3)考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の間接熱風乾燥炉の温度制御
装置は、塗装設備あるいは搬送設備のトラブルによって
コンベヤ3が停止して自動車ボディBが乾燥炉1内に取
り残された場合、該乾燥炉1内には温度コントローラ21
によって温度制御された170℃の加熱空気が継続して供
給される。しかしながら、この場合コンベヤ3が停止し
ているために、自動車ボディBとコンベヤ3による熱吸
収が飽和状態に達して自動車ボディBの表面温度は通常
の150℃から加熱空気の温度に等しい170℃まで上昇し、
所謂オーバベークの状態となって塗装の品質が低下する
不都合があった。
そこで間接熱風乾燥炉のコンベヤが万一停止した場合
に、例えば実開昭60-118486号公報に開示される如く熱
交換器への燃焼ガス供給量を開閉ダンパにより減少制御
して熱風循環ガスの温度を低下させることにより、或い
は実開昭60-188995号公報に開示される如く乾燥炉内よ
り回収した熱風の乾燥炉内への戻り量を停止又は減少制
御することにより、それぞれ塗装体のオーバーベークを
防止するようにしたものも既に提案されているが、何れ
の提案のものも、コンベア停止に伴う乾燥炉内温度の急
激な上昇に対しては有効な抑制手段とはなり得ず、その
ためオーバーベークによる塗装の品質低下を招く恐れが
ある。
本考案は前述の事情に鑑みてなされたもので、間接熱
風乾燥炉のコンベアが万一停止した場合であっても、塗
装体の表面温度の過上昇を確実に防止してオーバベーク
による塗装の品質低下を効果的に防止することを目的と
する。
B.考案の構成 (1)課題を解決するための手段 前記目的を達成するために、本考案は、乾燥炉内に設
置されて塗装体を搬送するコンベヤと、吸入した外気を
加熱する熱交換器と、この熱交換器を通過した加熱空気
と前記乾燥炉から還流する加熱空気とを混合して該乾燥
炉に供給する混合室と、この混合室と前記熱交換器間に
設けられた温度コントロールダンパと、設定温度と前記
乾燥炉内に供給される加熱空気の温度との差に基づいて
前記温度コントロールダンパを開閉制御する温度コント
ローラとを備えた間接熱風乾燥炉の温度制御装置におい
て、前記温度コントローラに接続されてコンベヤの停止
を検出する停止検出器と、前記熱交換器を迂回するよう
に前記外気を前記混合室側に導くためのバイパス路と、
前記温度コントローラにより制御されて通常は前記バイ
パス路を遮断する外気バイパス量制御手段とを少なくと
も備え、前記温度コントローラが、前記停止検出器の信
号に基づいて、前記外気の少なくとも一部を前記バイパ
ス路を通して前記混合室に供給するように前記外気バイ
パス量制御手段を制御することを特徴とする。
(2)作用 前述の構成を備えた本考案によれば、コンベヤが運転
されている通常時に、熱交換器を通過した外気が加熱空
気となって温度コントロールダンパを介して混合室に供
給され、この混合室で乾燥炉から還流する加熱空気と混
合した後、前記乾燥炉に供給される。乾燥炉に供給され
る加熱空気の温度と設定温度との間に誤差が生じると、
温度コントローラは温度コントロールダンパを開閉して
熱交換器から混合室に供給される加熱空気の流量を制御
し、乾燥炉に供給される加熱空気の温度を一定に維持す
る。
コンベヤが停止すると塗装体の表面温度が上昇を始め
るが、停止検出器の信号を受けた温度コントローラが外
気バイパス量制御手段を制御して、吸入した外気の少な
くとも一部を、熱交換器を迂回するバイパス路を介して
直接混合室に供給し、これにより、乾燥炉に供給される
加熱空気の温度が迅速且つ効果的に低下するから、コン
ベヤ停止に起因した炉内温度の過上昇が確実に抑制され
て、塗装体の表面温度の過上昇も抑えられる。
(3)実施例 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。
第1図および第2図は本考案の一実施例を示すもの
で、第1図はその間接熱風乾燥炉の温度制御装置の全体
構成図、第2図はその塗装体の表面温度を示すグラフで
ある。同図において前記従来の温度制御装置と同一の構
成要素には同一の符号が付してある。
第1図から明らかなように、この温度制御装置は温度
コントローラ21に接続された停止検出器22を備えてお
り、コンベヤ3が何らかの原因で停止した場合に温度コ
ントローラ21に信号を出力するようになっている。
熱交換器11を通過する主管10の上流側と下流側は該熱
交換器11を迂回するバイパス路23で接続されている。バ
イパス路23には前記温度コントローラ21に接続されて制
御されるバイパスコントロールダンパ24が設けられると
ともに、前記主管10の上流側におけるバイパス路23の分
岐部と熱交換器11の間には、温度コントローラ21に接続
されて制御される熱回収コントロールダンパ25が設けら
れている。しかして、外気吸入ファン9で主管10に吸入
された外気は熱交換器11を通過する経路と、バイパス路
23を通過して熱交換器11を迂回す経路の2種類の経路の
いずれか1方、あるいは両方を介して混合室13に供給さ
れる。前記バイパスコントロールダンパ24及び熱回収コ
ントロールダンパ25は互いに協働して、停止検出器22の
信号に基づき主管10への吸入外気の少なくとも一部をバ
イパス路23を通して混合室13に供給するように温度コン
トローラ21により制御される、本発明の外気バイパス量
制御手段Cを構成している。
本温度制御装置は上記特徴を有しており、その他の構
成は前述の従来の温度制御装置と同一である。
次に、前述の構成を備えた本考案の実施例の作用につ
いて説明する。
バーナ6で生成した高温の燃焼ガスは排気ファン7に
吸引されて熱管8の内部を流れ、その経路において熱交
換器11を通過する。一方、コンベヤ3が運転されている
通常の状態において、前記バイパスコントロールダンパ
24は閉状態、熱回収コントロールダンパ25は開状態にあ
る。したがって、外気吸入ファン7から主管10に供給さ
れた空気も前記熱交換器11を通過し、その際に熱管8内
の燃焼ガスによって加熱されて加熱空気となる。この加
熱空気は主管10を介して混合室13に供給され、ここで乾
燥炉1から復管14を介して還流する温度の低下した加熱
空気と混合する。混合室13内の加熱空気は循環系フィル
タ15を通過して供給室16に達し、そこからアジテータフ
ァン17で往管18を介して乾燥炉1に熱風として供給され
る。往管18には温度センサ20が設けられており、その検
出温度と温度設定器19の設定温度(例えば、170℃)と
の間に誤差が生じた場合、温度コントローラ21は温度コ
ントロールダンパ12を開閉制御する。すなわち、温度セ
ンサ20の検出温度が設定温度よりも高い場合、温度コン
トロールダンパ12が閉じられて混合室13に供給される加
熱空気の流量が減少する。これにより、復管14から還流
する温度の低下した加熱空気との混合比率が変化して乾
燥炉1に供給される加熱空気の温度が170℃まで下げら
れる。逆に、温度センサ20の検出温度が設定温度よりも
低い場合には温度コントロールダンパ12が開かれて混合
室13に供給される加熱空気の流量が増加し、その結果乾
燥炉1に供給される加熱空気の温度が170℃まで上昇す
る。
上述のようにして170℃に制御された加熱空気が熱風
として吹出口4から乾燥炉1に供給されると、この熱風
はコンベヤ2や自動車ボディBの熱吸収によって温度が
低下し、最終的に自動車ボディBの表面温度は目的の乾
燥温度である150℃に加熱される。
さて、塗装設備や搬送設備のトラブルによってコンベ
ヤ3が停止した場合、コンベヤ3や自動車ボディBによ
る熱吸収が飽和状態に達するため、第2図鎖線に示すよ
うにボディ表面温度が150℃から熱風の温度に等しい170
℃まで上昇しようとする。しかしながら、停止検出器22
の出力信号が温度コントローラ21に入力されると、温度
コントローラ21は主管10に介装した熱回収コントロール
ダンパ25を閉鎖するとともに、バイパス路23に介装した
バイパスコントロールダンパ24を開放する。その結果、
これまで熱交換器11を通過して加熱されていた外気がバ
イパス路23を介して常温のまま混合室13に供給されるよ
うになり、混合室13において復管14から還流する加熱空
気と混合する。これにより、往管18から乾燥炉1に供給
される空気の温度が前記設定温度である170℃よりも低
い150℃まで低下し、コンベヤ3の停止によって熱吸収
が行われなくなっても、自動車ボディBの表面温度は上
昇することなく、第2図実線に示すように所望の150℃
のままに保持される。
以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は、前記
実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の
範囲に記載された本考案を逸脱することなく種々の小設
計変更を行うことが可能である。
例えば、乾燥炉1に供給する加熱空気の温度および自
動車ボディBの表面温度は、必ずしも実施例と同じ170
℃と150℃である必要はなく、その値は必要に応じて適
宜変更可能である。また、コンベヤ3の停止時に熱回収
コントロールダンパ25を完全閉鎖、バイパスコントロー
ルダンパ24を完全開放して外気吸入ファン9で吸入した
外気の全量をバイパス路23を通過させる必要はなく、吸
入した外気の一部のみをバイパス路23を通過させてもよ
い。要するに、熱回収コントロールダンパ25とバイパス
コントロールダンパ24の開度は、熱交換器11とバイパス
路23を通過する空気の比率を変更することにより乾燥炉
1に供給される加熱空気の温度が所定の値に低下するよ
うに設定すればよい。
C.考案の効果 前述の本考案によれば、乾燥炉に供給する外気を加熱
する熱交換器にバイパス路を設け、このバイパス路を通
常は遮断し、また停止検出器がコンベヤの停止を検出す
ると、吸入外気の少なくとも一部を前記バイパス路を通
して(即ち熱交換器を介さずに)乾燥炉上流の混合室に
直接供給するようにしたので、コンベヤの停止時には、
乾燥炉に供給すべき加熱空気の温度を、比較的低温の外
気を利用して迅速且つ効果的に自動低下させることがで
き、従って、コンベヤ停止に伴い該コンベヤや塗装体に
よる熱吸収が飽和しても炉内温度の過上昇を確実に抑制
することができるから、塗装体の表面温度の過上昇も抑
えられて、オーバベークに因する塗装品質の低下防止に
極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案の一実施例を示すもので、
第1図はその間接熱風乾燥炉の温度制御装置の全体構成
図、第2図はその塗装体の表面温度を示すグラフ、第3
図は従来の間接熱風乾燥炉の温度制御装置の全体構成図
である。 1……乾燥炉、3……コンベヤ、11……熱交換器、12…
…温度コントロールダンパ、13、混合室、21……温度コ
ントローラ、22……停止検出器、23……バイパス路、B
……塗装体としての自動車ボディ、C……外気バイパス
量制御手段

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥炉(1)内に設置されて塗装体(B)
    を搬送するコンベヤ(3)と、吸入した外気を加熱する
    熱交換器(11)と、この熱交換器(11)を通過した加熱
    空気と前記乾燥炉(1)から還流する加熱空気とを混合
    して該乾燥炉(1)に供給する混合室(13)と、この混
    合室(13)と前記熱交換器(11)間に設けられた温度コ
    ントロールダンパ(12)と、設定温度と前記乾燥炉
    (1)内に供給される加熱空気の温度との差に基づいて
    前記温度コントロールダンパ(12)を開閉制御する温度
    コントローラ(21)とを備えた間接熱風乾燥炉の温度制
    御装置において、 前記温度コントローラ(21)に接続されてコンベヤ
    (3)の停止を検出する停止検出器(22)と、前記熱交
    換器(11)を迂回するように前記外気を前記混合室(1
    3)側に導くためのバイパス路(23)と、前記温度コン
    トローラ(21)により制御されて通常は前記バイパス路
    (23)を遮断する外気バイパス量制御手段(C)とを少
    なくとも備え、前記温度コントローラ(21)は、前記停
    止検出器(22)の信号に基づいて、前記外気の少なくと
    も一部を前記バイパス路(23)を通して前記混合室(1
    3)に供給するように前記外気バイパス量制御手段
    (C)を制御することを特徴とする、間接熱風乾燥炉の
    温度制御装置。
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