JP3988272B2 - 塗装乾燥炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体又は部品の塗装工程で用いられる塗装乾燥炉に関し、特に生産台数の変動に対して柔軟に対応できる塗装乾燥炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体の塗装工程には、電着乾燥炉、中塗り乾燥炉および上塗り乾燥炉といった塗装乾燥炉が数多く設置されているが、熱効率の向上および排気煙の集約率の向上を目的として、いわゆる山型乾燥炉が広く採用されている。
【0003】
この種の山型乾燥炉1は、図5に示すように炉入口11ゾーンおよび炉出口12ゾーンのそれぞれが上り勾配および下り勾配とされ、その中間ゾーン13が高床とされることで、中間ゾーン13内の熱風が炉入口11および炉出口12の開口部から逃げない構造となっている。
【0004】
そして、高床とされた中間ゾーン13の入口側で被塗物を所定の温度まで昇温し(昇温ゾーン)、ここから出口側に向かってその温度を所定の時間だけ維持する(キープゾーン)ように幾つかの熱風供給装置(燃焼器とも称される。)19a,19b,19cが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車の生産ラインでは、受注量に応じた適切な台数を生産し、在庫台数を極力少なくするため、たとえば月毎に生産計画が作成され、月によっては生産台数が多かったり少なかったり、その数にかなりのばらつきが生じることも少なくない。生産ライン側では、その月の生産台数に応じたラインスピード(タクトタイム)が設定され、最も効率的な工数および時間で自動車が生産される。
【0006】
ところが、こうした生産台数の増減の下、従来の塗装乾燥炉では、生産台数の多少に拘わらず、その乾燥炉の熱風供給装置を全て運転する必要があり、特に生産台数が少ない場合のエネルギーロスが無視できないといった問題があった。
【0007】
たとえば図示するように中間ゾーン13に3基の熱風供給装置19a,19b,19cが設けられた塗装乾燥炉1において、生産台数が少なくラインスピードが遅いからといって何れか1基(たとえば19c)の運転を停止すると、当該中間ゾーン13の容積は一定であるため、2基の熱風供給装置19a,19bのみによって炉内を所定の温度まで昇温させることはできない。したがって、生産台数が少なくても3基の熱風供給装置19a〜19cを稼働する必要があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、生産台数に応じた適切なエネルギーで稼働できる塗装乾燥炉を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、請求項1記載の塗装乾燥炉は、炉入口ゾーンが上り勾配部とされ、炉出口ゾーンが下り勾配部とされた山型塗装乾燥炉において、前記炉入口ゾーンと前記炉出口ゾーンとの間に形成され、被乾燥物に塗布された塗膜を焼き付けるための中間ゾーンに、少なくとも一対の下り勾配部および上り勾配部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の塗装乾燥炉では、中間ゾーンに一対の下り勾配部および上り勾配部が設けられているので、山型乾燥炉がこのアップダウンで分断されることになる。したがって、生産台数が多いときは全ての熱風供給装置を稼働する一方で、生産台数が所定台数以下になったら何れか一方の熱風供給装置を稼働するように制御すれば、稼働した方の山型乾燥炉内の熱風は他方の山型乾燥炉に流入することがないので、炉内を充分に昇温させることができ、その結果、生産台数に応じた適切なエネルギーで稼働させることができる。
【0011】
請求項1記載の発明において、一対の下り勾配部および上り勾配部とは、高床とされた中間ゾーンの途中に、炉体が炉入口または炉出口の高さまで一旦低くなりこれに続いて再び中間ゾーンの一般面(高床面)まで高くなる部分を設けること、換言すれば、炉体をいわゆるアップダウン(厳密にはダウンアップ)させることを意味する。
【0012】
この場合、下り勾配部と上り勾配部との境界に水平部を設けても良いが、炉長を極力短くして省スペース化を図るためには、下り勾配部と上り勾配部とをできる限り接近させることが望ましいといえる。
【0013】
また、ここでいう勾配部とは、炉入口および炉出口のものも含めて、90度を含んだ勾配の概念である。したがって、垂直に上昇または下降するタイプのものも含まれる。
【0014】
また、下り勾配部と上り勾配部との境界部分の高さは、炉入口や炉出口の高さとすることが望ましいが、実質的には、何れか一方の炉体内の熱風が他方の炉体内に流入しない程度の高さであれば良い。
【0015】
上記請求項1記載の発明において、一対の下り勾配部および上り勾配部の設定位置は特に限定されず、中間ゾーンであればどの位置にでも設けることができ、それらは全て本発明に含まれる。
【0016】
また、請求項1記載の発明では、少なくとも一対の下り勾配部および上り勾配部があれば良く、二対以上の下り勾配部および上り勾配部を設けることも本発明に含まれる。
【0017】
(2)中間ゾーンに一対の下り勾配部および上り勾配部を設ける場合において、炉入口側の第1の山型乾燥炉と炉出口側の第2の山型乾燥炉とを等しい長さとすることも、あるいは第2の山型乾燥炉を第1の山型乾燥炉よりも長い炉長とすることも本発明に含まれるが、請求項2記載の塗装乾燥炉は、炉入口側の第1の山型乾燥炉の炉長が、炉出口側の第2の山型乾燥炉の炉長よりも長いことを特徴とする。なかでも、請求項3記載の塗装乾燥炉は、炉入口側の第1の山型乾燥炉の炉長が、炉出口側の第2の山型乾燥炉の炉長の1.5倍〜4倍、換言すれば第1の山型乾燥炉と第2の山型乾燥炉との炉長比が、6:4〜8:2であることを特徴とする。
【0018】
生産台数の増減幅としては一般的には数十%程度であり、第1の山型乾燥炉を第2の山型乾燥炉よりも長くすると、生産台数がこの程度減少したときに第1の山型乾燥炉のみを稼働して被乾燥物を乾燥させることができる。すなわち、炉出口側の山型乾燥炉のみを稼働させた場合には、蒸発した溶剤を炉外へ排出する給排気装置が炉入口側の山型乾燥炉に必要となり、また休止中である炉入口側の山型乾燥炉を通過する際にウェット塗膜にゴミが付着しやすい。これに対して、炉入口側の山型乾燥炉のみを用いて乾燥させることで、別途の給排気装置を稼働させる必要もなく、またゴミ付着の問題も解消される。
【0019】
ここで、炉入口側の第1の山型乾燥炉の炉長が炉出口側の第2の山型乾燥炉の炉長の5倍までを含めなかったのは、炉長比が9:1となって実用的でなくなるからである。
【0020】
請求項2および3記載の発明にいう炉長とは、塗膜乾燥に実質的に寄与するゾーンの長さを意味し、通常は熱風供給装置の吹出口が設けられたゾーンの長さをいうが、上り勾配部および下り勾配部を含めた長さであっても良い。
【0021】
(3)請求項4記載の塗装乾燥炉は、前記一対の下り勾配部および上り勾配部の炉入口側の炉内と炉出口側の炉内とのそれぞれに互いに独立して熱風を供給する熱風供給装置が設けられていることを特徴とする。
【0022】
中間ゾーンの途中に設けられた一対の下り勾配部および上り勾配部の前後のそれぞれに熱風を供給するにあたり、その熱風供給装置を相互に独立して稼働可能としているので、生産台数が減少したら一方の熱風供給装置を停止し、他方の熱風供給装置のみで塗装乾燥炉を昇温させることができるので、省エネルギーの効果が多大である。
【0023】
(4)上記発明において、中間ゾーンの途中に設けられた一対の下り勾配部および上り勾配部には、熱風吹出口や吸込口を設けなくても良いが設ける方が好ましい。生産台数が多くフル稼働に近い場合には、一対の下り勾配部および上り勾配部も実質的な乾燥ゾーンとなるからである。
【0024】
なかでも、請求項5記載の塗装乾燥炉のように、一対の下り勾配部および上り勾配部のうちの上り勾配部に、熱風吹出口を設けることがより好ましい。
【0025】
フル稼働を想定すると、下り勾配部および上り勾配部の少なくとも何れかに熱風吹出口を設けることが好ましいが、生産台数が減少した場合を想定すると、既述したように炉入口側の山型乾燥炉のみを稼働させることが好ましい。
【0026】
したがって、こうした少量生産の場合に一対の下り勾配部および上り勾配部のうちの下り勾配部に熱風吹出口を設けると、この熱風吹出口から吹き出された熱風が炉出口側の山型乾燥炉側へ流れてしまうことになるので、下り勾配部ではなく上り勾配部に熱風吹出口を設けることで、熱風の浪費を防止することができる。
【0027】
(5)上述した熱風供給装置は、請求項6記載の塗装乾燥炉のように生産台数に応じてその稼働を制御することが好ましく、また請求項7記載の塗装乾燥炉のように生産台数が所定台数以下のときは炉出口側の熱風供給装置を停止することが好ましい。
【0028】
(6)上記目的を達成するために、本発明は他の観点からも把握することができ、請求項8記載の塗装乾燥炉は、被乾燥物に塗布された塗膜を焼き付けるための少なくとも2つの山型乾燥炉体が、被乾燥物の進行方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
【0029】
この請求項8記載の塗装乾燥炉では、2つの山型乾燥炉体が被乾燥物の進行方向に沿って連続して設けられているので、生産台数が多いときは全ての山型乾燥炉体にて被乾燥物を乾燥させ、生産台数の減少に応じて幾つかの山型乾燥炉体の稼働を停止する。これにより、エネルギーの浪費が防止できる。
【0030】
(7)上記発明の塗装乾燥炉は、電着乾燥炉、中塗り乾燥炉、上塗り乾燥炉その他塗装工程に設けられる全ての乾燥炉に適用することができる。また、被乾燥物の搬送方式には何ら限定されず、フロアコンベアおよびオーバヘッドコンベアの何れにも適用することができる。さらに、被乾燥物は自動車の車体の他、自動車部品であっても良い。
【0031】
【発明の効果】
請求項1,6,7および8記載の発明によれば、乾燥品質を確保しながら生産台数が減少した場合のエネルギーロスを低減することができ、請求項4記載の発明によれば、さらに省エネ化が達成できる。
【0032】
これに加えて、請求項2および3記載の発明によれば、生産台数が減少した場合に、別途の給排気装置を稼働させる必要もなく、またゴミ付着も防止できる。
【0033】
これに加えて、請求項5記載の発明によれば、生産台数が減少した場合の熱風の流出を防止でき、その結果さらにエネルギーロスを低減することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の塗装乾燥炉の実施形態を示す側面図、図2は図1の II-II線に沿う断面図、図3は図1に示す熱風供給装置の実施形態を示すブロック図である。
【0035】
まず本実施形態の塗装乾燥炉1は、塗装台車に搭載されたボディ(被乾燥物)Bに塗布された塗膜を焼き付けるためのもので、内部の床面にはフロアコンベアが敷設されている。塗装台車に搭載されたボディBは、炉入口11から搬入され、中間ゾーン13を通過して炉出口12から搬出されるが、この間に当該ボディBには所定温度が所定時間だけ印加され、これにより塗膜が硬化する。
【0036】
炉入口11のゾーンは上り勾配部とされ、また炉出口12は下り勾配部とされており、これらの間の中間ゾーン13は、高床とされている。この中間ゾーン13の高床面は、たとえば炉入口11および炉出口12の開口上端縁とほぼ同じ高さとされているので、中間ゾーン13に供給された熱風は炉入口11または炉出口12から炉外へ逃げないようになっている。
【0037】
特に本実施形態の塗装乾燥炉1では、中間ゾーン13の途中に下り勾配部14と上り勾配部15とが連続して設けられ、これにより塗装乾燥炉1自体が、炉入口11側の第1の山型乾燥炉16と炉出口12側の山型乾燥炉17とに分断されている。図示する例では、中間ゾーン13の途中に設けられた一対の下り勾配部14と上り勾配部15との間に若干長の水平部が設けられているが、これはフロアコンベアのアップダウンにともなうボディBと床面との干渉等を避けるためのものであり、可能であればこの水平部を省略して下り勾配部14と上り勾配部15とを直接つなげてもよい。
【0038】
一対の下り勾配部14と上り勾配部15の設定位置は、特に限定はされないが、本例では第1の山型乾燥炉16の有効炉長L1と、第2の山型乾燥炉17の有効炉長L2との比が、6:4乃至8:2、より好ましくは7:3とされている。この炉長比を換言すれば、第1の山型乾燥炉16の炉長L1が第2の山型乾燥炉17の炉長L2の1.5倍〜4倍、より好ましくは2.3倍となる。またここでいう有効炉長とは、ボディBの塗膜を焼き付けるための有効領域の長さをいう。
【0039】
こうして第1の山型乾燥炉16と第2の山型乾燥炉17とに分断された塗装乾燥炉1には、3基の熱風供給装置19a,19b,19cが設けられている。すなわち、第1の山型乾燥炉16には、ボディBの搬送方向に沿って2基の熱風供給装置19a,19bが設置され、第2の山型乾燥炉17には1基の熱風供給装置19cが設置されている。
【0040】
図2に炉体の断面図が示されているが、同図に示すように、炉内には左右一対の熱風吹出口20a(20b,20cも同様の構造である。)および吸込口21a(21b,21cも同様の構造である。)がボディBの搬送方向(炉長方向)に沿って設けられ、熱風供給装置19aから供給されたフレッシュな熱風は吹出口20aから炉内に吹き出され、ボディBを昇温させたのち吸込口21aから熱風供給装置19aへ戻される。
【0041】
図3に熱風供給装置19a(19b,19cも同様の構造である。)の一例をブロック図で示す。この熱風供給装置19aは、吸込口21aから炉内の熱風を吸い込むための第1のファン191と、この熱風を再昇温させるバーナ192と、バーナ192で昇温された熱風と炉内排気とを熱交換させる第1の熱交換器193と、フレッシュエアーを吸入する第2のファン194と、第1の熱交換器193を通過した熱風とフレッシュエアーとの間で熱交換を行う第2の熱交換器195とを有している。そして、炉内の排気(熱風)は、バーナ192で再燃され、この熱風から熱を奪うことでフレッシュエアーが所定の温度まで昇温し、吹出口20aから炉内へ吹き出される。なお、この燃焼タイプはフレッシュエアーを直接バーナ192で燃焼させていないので窒素酸化物NOxを含んでおらず、したがって、塗膜の黄変や剥がれに対して良好なものとなる。ただし、これは単なる一例であり、本発明の塗装乾燥炉では熱風供給装置の形式等には何ら限定されずに種々のタイプのものを適用することができる。
【0042】
第2の山型乾燥炉17の熱風供給装置19cは上述したものと同様の構造であるが、その吹出口20cと吸込口21cは、上り勾配部15、図示する例では下り勾配部14と上り勾配部15との間の水平部22まで延びて設けられている。この場合、好ましくは下り勾配部14に吹出口および吸込口を設けない。また、水平部22まで延在させずに上り勾配部15までとしてもよい。
【0043】
中間ゾーン13の途中に設けられた一対の下り勾配部14と上り勾配部15に設けるべき吹出口と吸込口とをこうしたのは、以下の理由による。
【0044】
すなわち、本実施形態の塗装乾燥炉1は、生産台数に応じて第1および第2の山型乾燥炉16,17の稼働を切り替えるもので、生産台数がフル生産またはこれに近い場合には両山型乾燥炉16,17を稼働させ、生産台数が数十%程度まで減少したときは第1の山型乾燥炉16のみ稼働し、第2の山型乾燥炉17は停止して塗膜を乾燥させる。したがって、第1および第2の山型乾燥炉16,17の両方を稼働させる場合を考慮すると、下り勾配部14、水平部22および上り勾配部17も有効炉として機能させる必要がある。さもなくば、ここでボディBの温度が一旦低下するため、塗膜の焼き付け不良が生じるおそれがあるからである。
【0045】
このとき、仮に下り勾配部14に第1の山型乾燥炉16側の熱風供給装置(たとえば19bとする。)からの吹出口および吸込口を設けたとすると、フル生産時は特に問題とならないが、生産台数が減少して第1の山型乾燥炉16のみ稼働させた場合には、この下り勾配部14に設けられた吹出口からの熱風が、昇温の必要がない第2の山型乾燥炉17に流れ込み、本来必要とされる第1の山型乾燥炉16の熱効率が低下することになる。したがって、減産時の稼働を考慮するならば、下り勾配部14,水平部22および上り勾配部15に設けるべき吹出口および吸込口は、少なくとも第2の山型乾燥炉17の熱風供給装置19cの系統であることが必要である。
【0046】
ちなみに、熱風供給装置19cからの吹出口20cおよびその吸込口21cを下り勾配部14まで延在させてもよい。ただし本例では、フル生産時においても下り勾配部14ゾーンにおいて充分な昇温が得られるので、この下り勾配部14に吹出口および吸込口を設けることは省略している。
【0047】
次に作用を説明する。
まず生産台数がフル生産またはこれに近い台数である場合には、全ての熱風供給装置19a,19b,19cを稼働して、塗装乾燥炉1全体を有効炉として用いる。この場合、炉入口11ゾーンの上り勾配部を登り切るとボディBは昇温し始め、たとえば熱風供給装置19aのゾーンを通過したときに所定の温度まで昇温する。そして、熱風供給装置19bのゾーン以降はその温度をキープしながら塗膜の焼き付けが行われる。
【0048】
特に、中間ゾーン13の途中に設けられた下り勾配部14、水平部22および上り勾配部15においても、水平部22および上り勾配部15に吹出口20cが設けられているので、ここからの熱風は下り勾配部14にも流下し、これらのゾーンにおいて充分な雰囲気温度を維持することができる。また、本実施形態の塗装乾燥炉1をフル稼働させると、下り勾配部14および上り勾配部15のゾーンで実質的に炉長が長くなるので、スペース効率にも優れているといえる。
【0049】
これに対して、フル生産台数に比べて数十%程度の減産となった場合には、第2の山型乾燥炉17の熱風供給装置19cを停止し、第1の山型乾燥炉16の熱風供給装置19a,19bのみを稼働させて塗膜を焼き付ける。このとき、炉内を搬送するコンベアスピードは第1の山型乾燥炉16で所定温度を所定時間キープできるスピードに減速する。一般的には、生産台数の減少率に応じてコンベアスピードも減少させるので、たとえば第1の山型乾燥炉16の有効炉長が全炉長の70%であるとすると、30%の減産時にはフル生産時に対してそのまま70%のスピードに設定すればよい。
【0050】
こうした減産時には、第2の山型乾燥炉17の熱風供給装置19cは停止しているので、中間ゾーン13の途中に設けられた下り勾配部14、水平部22および上り勾配部15には第1の山型乾燥炉16からの熱風が流れ込みことがなく、したがって2基の熱風供給装置19a,19bによる加熱効率が向上する。
【0051】
なお、本実施形態の塗装乾燥炉1を電着乾燥炉として用いた場合には、炉内を通過するボディの焼き付け条件をたとえば170℃×30分、中塗り乾燥炉または上塗り乾燥炉として用いた場合にはボディの焼き付け条件をたとえば140℃×20分とする。
【0052】
第2実施形態
本発明の塗装乾燥炉は上述した実施形態にのみ限定されず、種々に改変することができる。図4は本発明の塗装乾燥炉の他の実施形態を示す側面図であり、本実施形態の塗装乾燥炉1では、中間ゾーンの途中に二対の下り勾配部14および上り勾配部15が設けられている。
【0053】
これにより、塗装乾燥炉1自体が、炉入口11から炉出口12に向かって、第1の山型乾燥炉16、第2の山型乾燥炉17および第3の山型乾燥炉18の3つに分断されることになる。
【0054】
また、その二対の下り勾配部14および上り勾配部15の設定位置が、全炉長が三等分される位置とされ、それぞれの山型乾燥炉16,17,18にそれぞれ独立して稼働する熱風供給装置19a,19b,19cが設けられている。
【0055】
さらに、第2の山型乾燥炉17の熱風供給装置19bの吹出口20cと吸込口21cとは、第1の山型乾燥炉16と第2の山型乾燥炉17との間の上り勾配部15および水平部22まで延びて設けられており、同様に第3の山型乾燥炉18の熱風供給装置19cの吹出口20cと吸込口21cとは、第2の山型乾燥炉17と第3の山型乾燥炉18との間の上り勾配部15および水平部22まで延びて設けられている。
【0056】
こうした塗装乾燥炉1によれば、まず生産台数がフル生産またはこれに近い台数である場合には、全ての熱風供給装置19a,19b,19cを稼働して、塗装乾燥炉1全体を有効炉として用いる。この場合、炉入口11ゾーンの上り勾配部を登り切るとボディBは昇温し始め、たとえば熱風供給装置19aのゾーンを通過したときに所定の温度まで昇温する。そして、第2の山型乾燥炉17の熱風供給装置19bのゾーン以降はその温度をキープしながら塗膜の焼き付けが行われる。
【0057】
次に、フル生産台数に比べて数十%程度の減産となった場合には、第3の山型乾燥炉18の熱風供給装置19cを停止し、第1および第2の山型乾燥炉16,17の熱風供給装置19a,19bのみを稼働させて塗膜を焼き付ける。このとき、炉内を搬送するコンベアスピードは第1および第2のの山型乾燥炉16,17で所定温度を所定時間キープできるスピードに減速する。
【0058】
さらに、フル生産に比べて50%以上の減産となった場合には、第2および第3の山型乾燥炉17,18の熱風供給装置19b,19cを停止し、第1の山型乾燥炉16の熱風供給装置19aのみを稼働させて塗膜を焼き付ける。
【0059】
このように、本実施形態の塗装乾燥炉1によれば、上述した第1実施形態のものに比べて生産台数の増減に対する対応の柔軟性が大きい。また、中間ゾーン13に二対のアップダウンが設けられているので、フル生産時において、下り勾配部14および上り勾配部15のゾーンで実質的に炉長が長くなるので、スペース効率にもより優れているといえる。
【0060】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0061】
たとえば、上述した実施形態ではボディBをフロアコンベアにて搬送したが、本発明の塗装乾燥炉はボディの搬送方法には何ら限定されず、オーバーヘッドコンベアその他の搬送方式にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装乾燥炉の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の II-II線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す熱風供給装置の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の塗装乾燥炉の他の実施形態を示す側面図である。
【図5】従来の塗装乾燥炉を示す側面図である。
【符号の説明】
1…塗装乾燥炉
11…炉入口
12…炉出口
13…中間ゾーン
14…下り勾配部
15…上り勾配部
16…第1の山型乾燥炉
17…第2の山型乾燥炉
18…第3の山型乾燥炉
19a〜19c…熱風供給装置
20a〜20c…吹出口
21a〜21c…吸込口
22…水平部

Claims (8)

  1. 炉入口ゾーンが上り勾配部とされ、炉出口ゾーンが下り勾配部とされた山型塗装乾燥炉において、
    前記炉入口ゾーンと前記炉出口ゾーンとの間に形成され、被乾燥物に塗布された塗膜を焼き付けるための中間ゾーンに少なくとも一対の下り勾配部および上り勾配部を設け、前記下り勾配部および上り勾配部により分断された山型塗装乾燥炉のいずれか一方又は全部を有効炉として切り替えることを特徴とする山型塗装乾燥炉。
  2. 前記炉入口側の第1の山型乾燥炉の炉長が、前記炉出口側の第2の山型乾燥炉の炉長よりも長いことを特徴とする請求項1記載の山型塗装乾燥炉。
  3. 前記炉入口側の第1の山型乾燥炉の炉長が、前記炉出口側の第2の山型乾燥炉の炉長の1.5倍〜4倍であることを特徴とする請求項2記載の山型塗装乾燥炉。
  4. 前記一対の下り勾配部および上り勾配部の炉入口側の炉内と炉出口側の炉内とのそれぞれに互いに独立して熱風を供給する熱風供給装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の山型塗装乾燥炉。
  5. 前記一対の下り勾配部および上り勾配部のうちの上り勾配部に、熱風吹出口が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の山型塗装乾燥炉。
  6. 生産台数に応じて前記熱風供給装置の稼働を制御することを特徴とする請求項4または5記載の山型塗装乾燥炉。
  7. 生産台数が所定台数以下のとき、前記炉出口側の熱風供給装置を停止することを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の山型塗装乾燥炉。
  8. 被乾燥物に塗布された塗膜を焼き付けるための少なくとも2つの山型乾燥炉体被乾燥物の進行方向に沿って連続して設け、前記2つの山型乾燥炉体のいずれか一方又は全部を有効炉として切り替えることを特徴とする山型塗装乾燥炉。
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