JPH0840625A - 板状ワークの排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工されたプリント基板を良品と不良品とを
完全に分離した状態で排出し、別装置としての分離装置
を不要にし、平面的な省スペースかつコストの低減を達
成する。 【構成】 プリント基板Ｗを加工する作業テーブルＴの
端部に、上下に相対向している従動ローラ72とモータロ
ーラ71とからなる１対の排出ローラ７を設ける。排出ロ
ーラ７に隣接してプリント基板を堆積可能なストッカを
設ける。ストッカは作業テーブル面よりも下方に位置す
る第１のストッカ22と、上方に位置する第２のストッカ
23とが上下に重なっている。１対の排出ローラ７を互い
に接離させる接離駆動手段と、排出ローラ７を第２のス
トッカ23より上方の上昇位置と下方の下降位置との間で
昇降させる昇降駆動手段とを設け、良品の基板Ｗg は下
降位置にある排出ローラ７により第１のストッカ２２に
排出し（ｃ）、不良品基板Ｗngは両ローラ７にて把持し
た状態でこのローラ７を上昇位置まで上昇させて第２の
ストッカ２３に排出する（ｄ）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばプリント基板等
の板状ワークに穿孔処理を施すなどの加工装置におい
て、加工された板状ワークを排出する際に、良品である
か不良品であるかなどによって区分けして排出する板状
ワークの排出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の排出装置において、ワークの良
品と不良品とを振り分けることは慣用的に行われてい
る。これは一旦ワーク受けに排出した後で、コンベアな
どの搬送手段とこの搬送手段の切換手段とを含む分離装
置を別装置として配置し、良品と不良品とを分離した
後、良品は良品ストッカに収容し、不良品は不良品スト
ッカに収容するものであった。すなわち、良品ストッカ
と不良品ストッカとを平面的に並べて配設する必要があ
った。

【０００３】しかしこのような装置では平面的に大きな
設置スペースを必要とする。これを改良するものとし
て、本出願人は、先に特開昭６３−３１９６６号に示さ
れる発明を出願している。これは、ワークが良品である
か不良品であるかによってワークの移送量を異ならせ、
不良品を良品よりも一定量突出した状態に積層するよう
にしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本出願人に係る上記の
排出装置は、不良品を良品から分離することは、突出し
たものを引き出すことにより容易であるが、排出時に別
々のストッカに分離されているわけではなく、完全分離
されたものとは言い得ない。

【０００５】そこで本発明の目的は、良品と不良品とが
完全に分離した状態で排出される排出装置において、別
装置として分離装置を配設する必要を無くし、省スペー
ス化を達成し、かつコストの低減を達成することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の板状ワークの排出装置は、プリント基板等
の板状ワークを加工する作業テーブルの端部に、上下に
相対する１対の排出ローラが設けてあり、この１対の排
出ローラに隣接して、作業テーブル面よりも下方に位置
し板状ワークを堆積可能な第１のストッカと、作業テー
ブル面よりも上方に位置し板状ワークを堆積可能な第２
のストッカとが上下に重なるように配設されており、１
対の排出ローラを互いに接離させる接離駆動手段が設け
てあり、１対の排出ローラを、第２のストッカより上方
の上昇位置と下方の下降位置との間で昇降させる昇降駆
動手段が設けてある。

【０００７】

【実施例】以下図面を参照して、本発明の一実施例を説
明する。図４に本発明装置が適用されている加工装置の
全体構成を示しており、板状ワークの一例である未加工
のプリント基板Ｗは収納手段Ａの収納箱内に収納してあ
り、最上位置にある基板から順に搬送手段Ｂの吸引チャ
ックｂにより吸着され位置決め手段Ｃに搬送される。作
業テーブルＴ上に載置されたプリント基板Ｗは、位置決
め手段Ｃにより所定の基準位置に位置決めされて把持さ
れた後、この位置決め状態で穴明け加工手段Ｄに搬送さ
れ、プリント基板Ｗの所定個所に穴明けなどの加工が施
される。すなわち、図示しないが、位置決めパターンが
印刷されているプリント基板Ｗをカメラにより撮像し、
画像処理によりパターンの中心位置を検出してその位置
に穴明けを行なうものである。その後で排出装置Ｅによ
り排出されるものである。

【０００８】本発明はこの排出装置Ｅに係るものであ
り、作業テーブルＴの端部に配置してある。即ち、図１
及び図２に示すように、作業テーブルＴのテーブル面よ
りも下方にベース板１が固定的に設けてあり、ベース板
１上には作業テーブルＴの幅にほぼ等しい間隔をおい
て、１対のガイド軸２，２が立設してある。ガイド軸２
には摺動自在にリニアガイド３，３及び４，４が嵌合し
ている。リニアガイド３，４にはモータローラ固定板５
と従動ローラ固定板１５がそれぞれに固着してある。

【０００９】モータローラ固定板５と従動ローラ固定板
１５には、それぞれ１対のブラケット６，６及び１６，
１６が固定され、このブラケットにより上下に相対する
１対の排出ローラ７が保持してある。下方に位置する排
出ローラが駆動側のローラであるモータローラ７１であ
り、上方に位置する排出ローラが従動ローラ７２であ
り、それぞれ保持具８，１８により回転自在にかつ軸方
向に脱落不能に保持してある。

【００１０】モータローラ固定板５の両端部の上面に
は、１対の排出ローラ７を互いに接離させる接離駆動手
段が設けてある。これは、左右１対のシリンダ９からな
り、その下端面がモータローラ固定板５に固着してあ
り、シリンダロッド９ａの先端は連結部材１０を介して
従動ローラ固定板１５に固着してある。シリンダ９の駆
動により従動ローラ７２をモータローラ７１に対して接
離させる。

【００１１】また、モータローラ固定板５の作業テーブ
ルＴと反対側の縁部には、センサ１１が固着してあり、
プリント基板Ｗがモータローラ７１から離れたことを検
出するようにしている。

【００１２】ベース板１の中央部下面には、１対の排出
ローラ７を昇降させる昇降駆動手段が設けてある。これ
は、シリンダ１９からなり、その上端面がベース板１の
下面に固着してあり、シリンダロッド１９ａはベース板
１を貫通してその上面に突出し、シリンダロッド１９ａ
の先端は、連結部材２０を介してモータローラ固定板５
の中央部下面に固着してある。シリンダ１９の駆動によ
りモータローラ固定板５を昇降可能である。ベース板１
の上面には、１対の筒状のストッパ２１，２１が固着し
てあり、モータローラ固定板５の下面に固着されている
ガイド軸２２が貫通している。そしてモータローラ固定
板５の下降時にガイド軸２２はストッパ２１およびベー
ス板１を貫通して下方へ突出し、フランジ２２ａがスト
ッパ２１に当接した時点で下降が規制される。この昇降
駆動手段により、１対の排出ローラ７を後述の上昇位置
と下降位置との間で昇降させるもので、下降位置はスト
ッパ２１により規定することができる。モータローラ固
定板５には、基板ガイド板２３が取り付けられており、
プリント基板がモータローラ７１上に投入され易くする
ガイドとして作用する。

【００１３】排出ローラ７に隣接して、図４に示すよう
に、例えば良品のプリント基板Ｗgを堆積可能な第１の
ストッカ２２と、不良品のプリント基板Ｗngを堆積可能
な第２のストッカ２３とを上下に重なるように配設して
ある。第１のストッカ２２は作業テーブルＴのテーブル
面よりも下方に位置しており、第２のストッカ２３はテ
ーブル面よりも上方に位置している。第１のストッカ２
２上に良品のプリント基板Ｗg を排出し、第２のストッ
カ２３上に不良品のプリント基板Ｗngを排出するように
している。そして、前記の１対の排出ローラ７の上昇位
置は、第２のストッカ２３より上方の位置であり、下降
位置は、第２のストッカ２３より下方の位置であり、上
昇位置で不良品のプリント基板Ｗngを排出すると、第２
のストッカ２３の上に堆積でき、下降位置で良品のプリ
ント基板Ｗg を排出すると、第１のストッカ２２の上に
堆積できる。

【００１４】次に動作について説明する。加工が施され
たプリント基板が作業テーブルＴ上を排出装置Ｅに向か
って搬送されてくる。プリント基板の不良判別は、通
常、穴明け加工手段Ｄで前述の通りパターン位置検出し
て穴明けを行なった後、再度画像処理して穴の位置を検
出し、これをパターンの位置と比較し、一致するか否か
で良品であるか不良品であるかの判別が行われるので、
その良品，不良品のデータが排出装置Ｅに供給されてい
る。

【００１５】そこで排出装置Ｅは図３（ａ）に示す待機
状態では、排出ローラ７は下降位置にあり、モータロー
ラ７１は作業テーブルＴのテーブル面と同一レベルにあ
る。また、従動ローラ７２はシリンダ９の駆動によりモ
ータローラ７１から離れている。この状態で良品のプリ
ント基板Ｗg が搬送されてきた場合には、図３（ｂ）に
示すように、シリンダ９の駆動により従動ローラ７２が
下降して良品のプリント基板Ｗg の先端をモータローラ
７１との間で挟んだ状態でモータローラ７１が駆動され
て時計方向に回転すると、従動ローラ７２はプリント基
板を介して反時計方向に連動回転し、良品のプリント基
板Ｗg を右方向へ押し出す。上に述べたように排出装置
Ｅの待機状態では、排出ローラ７は下降位置にあり、良
品のプリント基板Ｗg の排出時にはこの下降位置のまま
で押出すことになるので、図３（ｃ）に示すように、良
品プリント基板Ｗg は第１のストッカ２２上に堆積され
る。

【００１６】良品プリント基板Ｗg がモータローラ７１
を離れると、センサ１１がオンとなり、シリンダ９が駆
動されて従動ローラ７２を上昇させてモータローラ７１
から離すと共に、モータローラ７１の回転が停止され
る。これにより排出装置Ｅは図３（ａ）の待機状態に戻
る。

【００１７】次にこの待機状態で不良品のプリント基板
Ｗngが搬送されてきた場合には、図３（ｂ）に示すよう
に、シリンダ９の駆動により従動ローラ７２が下降して
不良品プリント基板Ｗngの先端をモータローラ７１との
間で挟んで保持した後で、図３（ｄ）に示すように、シ
リンダ１９（図１，２参照）が駆動されて排出装置Ｅを
上昇位置に移動させる。このために排出ローラ７は第２
のストッカ２３の上方に位置するので、上記と同様にモ
ータローラ７１が駆動されて時計方向に回転すると、従
動ローラ７２はプリント基板を介して反時計方向に連動
回転し、不良品のプリント基板Ｗngを右方向へ押し出す
ことになるので、不良品プリント基板Ｗngは第２のスト
ッカ２３上に堆積される。

【００１８】不良品のプリント基板Ｗngがモータローラ
７１を離れると、上記と同様にセンサ１１がオンとな
り、シリンダ９が駆動されて従動ローラ７２を上昇させ
てモータローラ７１から離すと共に、モータローラ７１
の回転が停止され、更にシリンダ１９が駆動されて排出
装置Ｅを下降させ、モータローラ固定板５がストッパ２
１に当接した下降位置で停止する。これにより排出装置
Ｅは図３（ａ）の待機状態に戻る。

【００１９】したがって、加工後の良品のプリント基板
Ｗg は第１のストッカ２２上に堆積され、不良品のプリ
ント基板Ｗngは第２のストッカ２３上に堆積され、完全
分離ができることになる。

【００２０】

【発明の効果】このように本発明の排出装置は、１対の
排出ローラ自体を昇降駆動手段により昇降させるので、
良品の場合と不良品の場合とで排出する高さを変えるこ
とができ、これにより上下に重なるように配設してある
第１のストッカ上と第２のストッカ上とにそれぞれ分け
て堆積することができる。このために良品と不良品とを
完全に分離した状態で排出することができる。また、別
装置として分離装置を配設する必要が無くなるととも
に、平面的なスペースを非常に小さくすることができ、
かつコストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）はプリント基
板の排出の動作を段階的に説明する説明図である。

【図４】加工装置の全体を示す正面図である。

【符号の説明】

Ｅ 排出装置 Ｔ 作業テーブル Ｗ プリント基板（板状ワーク） Ｗg 良品のプリント基板 Ｗng 不良品のプリント基板 ７ 排出ローラ ９ 接離駆動手段（シリンダ） １９ 昇降駆動手段（シリンダ） ２２ 第１のストッカ ２３ 第２のストッカ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント基板等の板状ワークを加工する
   作業テーブルの端部に、上下に相対する１対の排出ロー
   ラが設けてあり、 上記１対の排出ローラに隣接して、上記作業テーブル面
   よりも下方に位置し上記板状ワークを堆積可能な第１の
   ストッカと、上記作業テーブル面よりも上方に位置し上
   記板状ワークを堆積可能な第２のストッカとが上下に重
   なるように配設されており、 上記１対の排出ローラを互いに接離させる接離駆動手段
   が設けてあり、 上記１対の排出ローラを、上記第２のストッカより上方
   の上昇位置と下方の下降位置との間で昇降させる昇降駆
   動手段が設けてあることを特徴とする板状ワークの排出
   装置。