JPH083874Y2 - 自己充電型給湯用燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は給湯風呂釜、例えば、給湯機能と浴槽水の循
環追焚機能とを有するバランス型の給湯風呂釜等の給湯
用燃焼装置に関するものである。

〔従来の技術〕

バランス型の給湯風呂釜は、１つの筐体中に給湯用熱
交換器およびそのバーナと、浴槽水の循環追焚用熱交換
器およびそのバーナとを内蔵し、パイロットバーナに点
火させた後、シャワー栓または出湯栓を開くと、給湯用
バーナに着火させて給湯用熱交換器により給水を加熱し
て出湯し、追焚き摘みを循環追焚側に切換えると循環追
焚用バーナに着火させて浴槽水（湯）を循環追焚きする
ように構成されている。

そして、前記パイロットバーナの点火は、一般には、
点火摘みを点火位置にすると共に押し込んでガス弁を機
械的に開いた状態で圧電点火装置により点火させ、熱電
対による起電力が発生するまで人が点火摘みをその位置
に保持し、その後は熱電対の起電力によりガス弁開の状
態を維持し、パイロットバーナが消火して熱電対の起電
力が消失すると自動的にガス弁が閉じられるようにして
いる。

上記圧電点火方式の給湯風呂釜は、上記の如く、熱電
対による起電力が発生するまで人が点火摘みを押し込ん
でいなければならないので、操作性が悪いという問題が
あり、この点を改善するため、器具に乾電池を内蔵さ
せ、その乾電池を電源として点火させると共にそれ以後
の運転を電気的に制御する方式の給湯風呂釜が提案さ
れ、実用化されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

乾電池を電源として点火および制御する方式の給湯風
呂釜は、圧電点火方式のものに比べて操作性は良くなる
が、消耗に応じて電池を交換しなければならないという
問題がある。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、操
作性が良好で、しかも電池を交換することなく永続的に
使用することができる自己充電型給湯用燃焼装置を提供
せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記の如き目的を達成せんがため、初期動
作時は電池駆動により制御し、サーモ・モジュールの電
圧が設定レベルに達したら電池から切り離してサーモ・
モジュールからの電力供給により運転し、かつ、電池電
圧があるレベル以下に低下したらサーモ・モジュールか
ら電池に電力供給して充電する制御回路を備え、前記サ
ーモ・モジュールは、燃焼胴とその燃焼胴をとり囲む水
管との間に挟持し、その温度差に基づいて発電するよう
設けたものであることを特徴とする。

〔作用〕

本考案の給湯用燃焼装置は、前記の如き構成よりなる
ので、器具の初期動作時には従来の電池内蔵型の給湯風
呂釜と同様に電池を電源として制御するので操作性が良
く、その後はサーモ・モジュールからの電力供給により
運転すると共に、電池に充電するので、電池を交換する
ことなく永続的な運転を可能ならしめることができる。

〔実施例〕

以下、添付図面について本考案の一実施例を説明す
る。

第３図は本考案を適用したバランス型給湯風呂釜の一
例を示す構成図で、密閉器筐１中に燃焼胴２およびその
下方のバーナ３を配設し、燃焼胴２には水管４を巻装す
ると共にその下流側を熱交換器（図示を省略した）に接
続し、その熱交換器の出湯側を給湯栓５を介し給湯管６
に接続している。そして、器筐１には充電式電池７を備
え、図示を省略した点火スイッチを押すと、制御回路部
によりパイロットバーナに至る弁（図示を省略した）を
開くと共に放電電極８から放電させてパイロットバーナ
に着火させ、フレームロッド９がその着火を検出すると
制御回路によりパイロットバーナ燃焼状態を維持するよ
うに制御し、この状態で給湯栓５を開くとバーナ３を燃
焼させて給水を熱交換器により加熱して給湯管６より給
湯し、その間、燃焼排ガスは給排気ターミナル10中の排
気路11を経由して屋外に排出され、同時に給排気ターミ
ナル10を経由して給気を器筐１中に供給し、かくして給
排気のバランスを保ち乍ら給湯し得るように構成されて
いる。なお、上記の構成は、充電式の点を除き、電池駆
動形式の給湯風呂釜において公知のものである。

本考案においては、前記の如く、器筐１中に充電式電
池７を備え、かつ、燃焼胴２とその燃焼胴をとり囲む水
管４との間に温度差に基づいて発電するサーモ・モジュ
ール12を配設し、器具の初期動作時には電池７の駆動に
より制御し、サーモ・モジュール12の出力電圧が電池充
電レベルに達したら制御回路を電池７から切り離してサ
ーモ・モジュール12の出力により運転し、かつ、電池の
電圧があるレベルより低下するとサーモ・モジュール12
からの電力供給により電池７に充電するようにする。

第４図は前記サーモ・モジュール12の設置例を示す第
３図のＡ部拡大斜視図で、水管４とサーモ・モジュール
12の低温側とはその接触面積を広くするため両者の間に
伝熱板13を介在させてある。サーモ・モジュール12の高
温側すなわち燃焼胴側はそのまま接触させた状態で燃焼
胴２と水管４との間にサーモ・モジュール12を挟持す
る。このようにしてサーモ・モジュールを配設すると、
バーナの燃焼に伴いゼーベック効果によりサーモ・モジ
ュール12から起電力（約3.6V）が得られる。

第１図は充電式電池７とサーモ・モジュール12を併用
した本考案の給湯風呂釜の回路例を示すブロック図、第
２図はその動作のフローチャートである。

第１図および第２図に示すように、充電式電池７を常
閉スイッチング回路20を介し制御回路部14と負荷装置15
とに接続し、スタートスイッチ16をオンすると、前記放
電電極からの放電などの点火動作を行ない、フレームロ
ッド９が炎を検出すると制御回路部14によりパイロット
バーナの燃焼を維持させる。

この状態において、給湯栓を開くとバーナ３が燃焼を
開始し、その当初は電池運転を行なうが、サーモ・モジ
ュール12の出力電圧がハイレベルに達したことを電圧比
較回路17が検出すると、制御回路部14によりスイッチン
グ回路19をオンすると共にスイッチング回路20をオフさ
せ、制御回路部14を電池７から切離すと共にサーモ・モ
ジュール12からの電力供給により運転する。また、充電
式電池の電圧があるレベル以下に下ったことを電圧比較
回路18が検出すると、制御回路部14によりスイッチング
回路21をオンさせてサーモ・モジュール12から電池７に
電力供給して電池７の充電を行ない、電池７の電圧がハ
イレベルになったことを電圧比較回路18が検出するとス
イッチング回路21をオフさせ、かくしてバーナ３の燃焼
中はサーモ・モジュール12により運転を行なうと共に、
電池電圧が低下すると充電を行なう。

そして、フレームロッド９が炎なしを検出すると、バ
ーナ３の燃焼を停止させ、これによりサーモ・モジュー
ル12の電圧が低下するとスイッチング回路19をオフさせ
ると共にスイッチング回路20をオンさせて次の運転にそ
なえる。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、初期動作時には
電池駆動により制御するので、電池駆動方式の給湯用燃
焼装置と同様に操作性が良くなり、しかも、バーナ燃焼
時にはサーモ・モジュールにより発電し、その電力があ
る設定レベルに達したら制御回路を電池から切り離して
サーモ・モジュールからの電力供給により運転し、か
つ、電池電圧があるレベル以下に低下するとサーモ・モ
ジュールから電力供給を受けて電池に充電するようにし
たので、電池の充電を常に一定電圧に維持でき、これに
より初期動作を確実に制御でき、また、従来の如く電池
を交換することなく、永続的に使用することができる。
また、サーモ・モジュールは、燃焼胴と水管との間に挟
持させたので、低温側が水管に接触し、高温側が燃焼胴
に接触して温度差が大きく、ゼーベック効果による起電
力が高められ、充分な電力供給により安定した運転及び
充電制御ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による給湯風呂釜の実施の一例を示すブ
ロック図、第２図は同じく動作のフローチャート、第３
図は器具の構成を示す図、第４図は第３図のＡ部拡大斜
視図である。 ２……燃焼胴、３……バーナ、４……水管、７……充電
式電池、９……フレームロッド、12……燃焼胴と水管に
挟まれたサーモ・モジュール、14……制御回路部、15…
…負荷装置、16……スタートスイッチ、17,18……電圧
比較回路、19,20,21……スイッチング回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】充電式電池及びサーモ・モジュールを内蔵
   させた自己充電型給湯用燃焼装置において、初期動作時
   は電池駆動により制御し、サーモ・モジュールの電圧が
   設定レベルに達したら電池から切り離してサーモ・モジ
   ュールからの電力供給により運転し、かつ、電池電圧が
   あるレベル以下に低下したらサーモ・モジュールから電
   池に電力供給して充電する制御回路を備え、前記サーモ
   ・モジュールは、燃焼胴とその燃焼胴をとり囲む水管と
   の間に挟持し、その温度差に基づいて発電するよう設け
   たものであることを特徴とする自己充電型給湯用燃焼装
   置。