JPH083834A - 強撚加工糸の製造法 - Google Patents
強撚加工糸の製造法Info
- Publication number
- JPH083834A JPH083834A JP12861394A JP12861394A JPH083834A JP H083834 A JPH083834 A JP H083834A JP 12861394 A JP12861394 A JP 12861394A JP 12861394 A JP12861394 A JP 12861394A JP H083834 A JPH083834 A JP H083834A
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- JP
- Japan
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- yarn
- twist
- twisting
- strong
- torque
- Prior art date
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ダブルツイスターを用い、マルチフィラメン
トからなる撚り角度40度近辺以上といった強撚糸を得
ようとするのに、断糸、毛羽等の発生を防止し、安定し
て撚糸加工を行うことが出来る高効率な製造法を提供せ
んとするもの。 【構成】 マルチフィラメント糸をダブルツイスターに
て強撚し強撚加工糸を製造する方法において、加工糸の
最終的な目的とする上撚り方向とは逆方向の下撚りを予
め付与した原糸を用い、該原糸の下撚り方向とは逆方向
の強撚上撚りを行う。
トからなる撚り角度40度近辺以上といった強撚糸を得
ようとするのに、断糸、毛羽等の発生を防止し、安定し
て撚糸加工を行うことが出来る高効率な製造法を提供せ
んとするもの。 【構成】 マルチフィラメント糸をダブルツイスターに
て強撚し強撚加工糸を製造する方法において、加工糸の
最終的な目的とする上撚り方向とは逆方向の下撚りを予
め付与した原糸を用い、該原糸の下撚り方向とは逆方向
の強撚上撚りを行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルチフィラメント糸
をダブルツイスターを用いて強撚加工し、強撚糸を製造
する製造法に係り、より詳しくは、該ダブルツイスター
を用いての強撚加工において、断糸、毛羽等の発生を防
止し、安定して高能率に強撚糸を得る製造法に関するも
のである。
をダブルツイスターを用いて強撚加工し、強撚糸を製造
する製造法に係り、より詳しくは、該ダブルツイスター
を用いての強撚加工において、断糸、毛羽等の発生を防
止し、安定して高能率に強撚糸を得る製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】今までイタリー式撚糸機において撚糸加
工を行う場合、原糸に、目的の撚り方向とは逆方向の地
撚りがあると、その加工では地撚りを解撚してさらに目
的方向に撚りを入れる工程をとる事となるので、その解
撚から目的の撚りが掛かり始める間に無撚状態となる点
並びに該点前後での実質上無撚状態となる領域が生じ、
この無撚状態並びに実質上無撚状態の時、糸はだぶり、
フィラメントのばらけが起こる。糸がばらければ、ガイ
ド擦れなどによって単糸の何本かは切断されることが多
く、切断単糸が給糸ボビン(パーン)に鉢巻き状に巻付
いて撚糸作業を止めなければならない、いわゆる“はち
まき”現象が生起する。よって、撚糸技術の常識とし
て、地撚り(下撚り)と逆方向に撚糸加工を行うと、毛
羽や断糸が多発し安定な撚糸が出来ない、というのが今
までの一般的な撚糸概念である。
工を行う場合、原糸に、目的の撚り方向とは逆方向の地
撚りがあると、その加工では地撚りを解撚してさらに目
的方向に撚りを入れる工程をとる事となるので、その解
撚から目的の撚りが掛かり始める間に無撚状態となる点
並びに該点前後での実質上無撚状態となる領域が生じ、
この無撚状態並びに実質上無撚状態の時、糸はだぶり、
フィラメントのばらけが起こる。糸がばらければ、ガイ
ド擦れなどによって単糸の何本かは切断されることが多
く、切断単糸が給糸ボビン(パーン)に鉢巻き状に巻付
いて撚糸作業を止めなければならない、いわゆる“はち
まき”現象が生起する。よって、撚糸技術の常識とし
て、地撚り(下撚り)と逆方向に撚糸加工を行うと、毛
羽や断糸が多発し安定な撚糸が出来ない、というのが今
までの一般的な撚糸概念である。
【0003】このことはダブルツイスターでの撚糸の場
合でも同様であり、逆方向の地撚りを、原糸には入れな
いことが一般的な常識となっている。つまり、ダブルツ
イスターでの通常の撚糸、即ち、弱撚〜中撚での撚糸加
工では、その撚糸工程で撚糸に発生する撚り戻りトルク
は大きいものではなく、後に述べるように、パーン解舒
糸へ影響を与える戻り撚りの発生が殆どないので、仮
に、原糸に逆方向の地撚りがあると、前記のように無撚
状態並びに実質上無撚状態となる点、領域が、丁度ダブ
ルツイスターのトップガイド、ワッシャーテンサー、リ
ングテンサーにかかる所となり、フィラメント割れを起
こし、毛羽、断糸となる。トップガイドやワッシャーテ
ンサーは、フィラメント割れを緩和する効果はあるが、
それは小さく、逆にしごき作用があるので、特にハイマ
ルチ糸や強度のない糸は単糸切れを誘発する。したがっ
て、撚り数が少ない通常の撚糸加工の場合においては、
原糸に、むしろ同方向に下撚りを入れた方が効率は上が
るのであり、原糸には逆方向の地撚りを入れないことが
常識となっている。
合でも同様であり、逆方向の地撚りを、原糸には入れな
いことが一般的な常識となっている。つまり、ダブルツ
イスターでの通常の撚糸、即ち、弱撚〜中撚での撚糸加
工では、その撚糸工程で撚糸に発生する撚り戻りトルク
は大きいものではなく、後に述べるように、パーン解舒
糸へ影響を与える戻り撚りの発生が殆どないので、仮
に、原糸に逆方向の地撚りがあると、前記のように無撚
状態並びに実質上無撚状態となる点、領域が、丁度ダブ
ルツイスターのトップガイド、ワッシャーテンサー、リ
ングテンサーにかかる所となり、フィラメント割れを起
こし、毛羽、断糸となる。トップガイドやワッシャーテ
ンサーは、フィラメント割れを緩和する効果はあるが、
それは小さく、逆にしごき作用があるので、特にハイマ
ルチ糸や強度のない糸は単糸切れを誘発する。したがっ
て、撚り数が少ない通常の撚糸加工の場合においては、
原糸に、むしろ同方向に下撚りを入れた方が効率は上が
るのであり、原糸には逆方向の地撚りを入れないことが
常識となっている。
【0004】ところで、マルチフィラメントをダブルツ
イスターを用いて撚糸加工し、その撚り角度が40度近
辺以上といった撚り数が高い強撚糸を得ようとする場
合、その工程では、強い撚り戻りトルクが発生する。こ
のトルクによる戻り撚りは、ボールテンサー、リングテ
ンサー、ワッシャーテンサーなどでは抑えることが出来
ず、それ等を通過してしまい、結局それは、供給原糸
(パーン)のパーン解舒糸にまで伝播することとなる。
イスターを用いて撚糸加工し、その撚り角度が40度近
辺以上といった撚り数が高い強撚糸を得ようとする場
合、その工程では、強い撚り戻りトルクが発生する。こ
のトルクによる戻り撚りは、ボールテンサー、リングテ
ンサー、ワッシャーテンサーなどでは抑えることが出来
ず、それ等を通過してしまい、結局それは、供給原糸
(パーン)のパーン解舒糸にまで伝播することとなる。
【0005】ここで、供給原糸が無撚りの場合には、該
原糸パーンから解舒された解舒糸は、パーンからトップ
ガイドに向かうにつれて撚り戻りの影響を受け、若干の
撚りは入るが、パーン解舒直後では無撚り状態のため静
電気によってフィラメントがばらけ、いわゆる“フィラ
メント割れ”、“花さき”現象が生起し、毛羽や単糸切
れがあると、該毛羽あるいは単糸がパーンに巻付く、い
わゆる“はちまき”現象を生起し、撚糸加工を中断する
こととなる。
原糸パーンから解舒された解舒糸は、パーンからトップ
ガイドに向かうにつれて撚り戻りの影響を受け、若干の
撚りは入るが、パーン解舒直後では無撚り状態のため静
電気によってフィラメントがばらけ、いわゆる“フィラ
メント割れ”、“花さき”現象が生起し、毛羽や単糸切
れがあると、該毛羽あるいは単糸がパーンに巻付く、い
わゆる“はちまき”現象を生起し、撚糸加工を中断する
こととなる。
【0006】また、供給原糸が上撚りの撚り方向と同方
向の下撚り(地撚り)を有する場合には、該原糸パーン
から解舒された解舒糸は、地撚りが入っているので、解
舒直後の糸は収束しており、したがって、フィラメント
のばらけは少なく、多少の毛羽や単糸切れがあっても、
前記無撚の場合での“はちまき”現象は起こりにくい。
しかし該解舒糸がトップガイドに向かうにつれて、パー
ン〜トップガイド間で無撚になる時、あるいは収束を与
えるほど撚りが入っていない時など、自身の地撚に戻り
撚りが作用することとなるので、パーン解舒バルーンが
不安定となり、バルーンが変形し、原糸パーン表面に接
触したり、糸が跳ね、或はトップガイドに巻付き、更に
は解舒部でのパーン落糸となり、結局、断糸、毛羽が発
生し安定した撚糸加工が困難となるのである。
向の下撚り(地撚り)を有する場合には、該原糸パーン
から解舒された解舒糸は、地撚りが入っているので、解
舒直後の糸は収束しており、したがって、フィラメント
のばらけは少なく、多少の毛羽や単糸切れがあっても、
前記無撚の場合での“はちまき”現象は起こりにくい。
しかし該解舒糸がトップガイドに向かうにつれて、パー
ン〜トップガイド間で無撚になる時、あるいは収束を与
えるほど撚りが入っていない時など、自身の地撚に戻り
撚りが作用することとなるので、パーン解舒バルーンが
不安定となり、バルーンが変形し、原糸パーン表面に接
触したり、糸が跳ね、或はトップガイドに巻付き、更に
は解舒部でのパーン落糸となり、結局、断糸、毛羽が発
生し安定した撚糸加工が困難となるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ダブルツイスターを用い、マルチフィラメントから
なる撚り角度40度近辺以上といった強撚糸を得ようと
するのに、断糸、毛羽等の発生を防止し、安定して撚糸
加工を行うことが出来る高効率な製造法を提供せんとす
るものである。
は、ダブルツイスターを用い、マルチフィラメントから
なる撚り角度40度近辺以上といった強撚糸を得ようと
するのに、断糸、毛羽等の発生を防止し、安定して撚糸
加工を行うことが出来る高効率な製造法を提供せんとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
つき鋭意検討した結果、次ぎのように構成することによ
ってその目的が達せられることを見いだした。即ち、本
発明は、マルチフィラメント糸をダブルツイスターにて
強撚し強撚加工糸を製造する方法において、加工糸の最
終的な目的とする上撚り方向とは逆方向の下撚りを予め
付与した原糸を用い、該原糸の下撚り方向とは逆方向の
強撚上撚りを行うことを特徴とする強撚加工糸の製造法
であり、より具体的には、前記マルチフィラメント原糸
に付与する下撚りが該原糸50〜150デニールに対し
て20〜100T/mの撚りであり、上撚りが2000
〜2500T/mの撚りであることを特徴とする強撚加
工糸の製造法である。また他の方法は、マルチフィラメ
ント糸をダブルツイスターにて強撚し強撚加工糸を製造
する方法において、加工糸の最終的な目的とする上撚り
方向と同方向のトルクを予め付与した原糸を用い、該原
糸をそのトルク方向と同方向の強撚上撚りを行うことを
特徴とする強撚加工糸の製造法である。
つき鋭意検討した結果、次ぎのように構成することによ
ってその目的が達せられることを見いだした。即ち、本
発明は、マルチフィラメント糸をダブルツイスターにて
強撚し強撚加工糸を製造する方法において、加工糸の最
終的な目的とする上撚り方向とは逆方向の下撚りを予め
付与した原糸を用い、該原糸の下撚り方向とは逆方向の
強撚上撚りを行うことを特徴とする強撚加工糸の製造法
であり、より具体的には、前記マルチフィラメント原糸
に付与する下撚りが該原糸50〜150デニールに対し
て20〜100T/mの撚りであり、上撚りが2000
〜2500T/mの撚りであることを特徴とする強撚加
工糸の製造法である。また他の方法は、マルチフィラメ
ント糸をダブルツイスターにて強撚し強撚加工糸を製造
する方法において、加工糸の最終的な目的とする上撚り
方向と同方向のトルクを予め付与した原糸を用い、該原
糸をそのトルク方向と同方向の強撚上撚りを行うことを
特徴とする強撚加工糸の製造法である。
【0009】
【作用】本発明は、マルチフィラメント糸をダブルツイ
スターにて強撚加工する際に遭遇する特有の現象を、マ
ルチフィラメント原糸に、加工糸の最終的な目的とする
撚り方向とは逆方向の下撚りを予め付与しておくか、あ
るいは加工糸の最終的な目的とする上撚り方向と同方向
のトルクを予め付与しておき、該付与原糸を強撚の上撚
り加工を行うことによって見事に解消し、強撚加工時で
の安定したパーン解舒を実現したものである。また本発
明は、原糸にこの下撚りあるいはトルクを付与すること
によって糸の収束性が良くなり、撚糸の立ち上がりが安
定するので、その加工効率を著しく上げることができ
る。
スターにて強撚加工する際に遭遇する特有の現象を、マ
ルチフィラメント原糸に、加工糸の最終的な目的とする
撚り方向とは逆方向の下撚りを予め付与しておくか、あ
るいは加工糸の最終的な目的とする上撚り方向と同方向
のトルクを予め付与しておき、該付与原糸を強撚の上撚
り加工を行うことによって見事に解消し、強撚加工時で
の安定したパーン解舒を実現したものである。また本発
明は、原糸にこの下撚りあるいはトルクを付与すること
によって糸の収束性が良くなり、撚糸の立ち上がりが安
定するので、その加工効率を著しく上げることができ
る。
【0010】本発明の製造法において使用するマルチフ
ィラメント糸としては、ポリエチレンテレフタレートや
ポリブチレンテレフタレートからなるポリエステルマル
チフィラメント糸を代表とし、他の熱可塑性ポリマーか
らなるマルチフィラメント糸はもとより、レーヨンの如
き再生繊維マルチフィラメント糸に対しても適用するこ
とが出来る。
ィラメント糸としては、ポリエチレンテレフタレートや
ポリブチレンテレフタレートからなるポリエステルマル
チフィラメント糸を代表とし、他の熱可塑性ポリマーか
らなるマルチフィラメント糸はもとより、レーヨンの如
き再生繊維マルチフィラメント糸に対しても適用するこ
とが出来る。
【0011】本発明において、マルチフィラメント原糸
に付与しておく下撚りは、原糸繊度50デニール〜15
0デニールに対して20T/m〜100T/mの撚りで
あることが望ましい。20T/m未満の下撚りでは、原
糸の収束性が良くなく、給糸パーン解舒部でのフィラメ
ント割れが生じ、撚糸の立ち上がりが安定せず、またそ
れによる単糸切れが発生し易く、好ましくない。また原
糸に100T/mを越える下撚りを与えると、パーン解
舒部でのフィラメントは収束しており、その割れや、ば
らけはなく、該解舒糸はトップガイド、テンサーガイド
部(ワッシャーテンサー、リングテンサー)に進むが、
一方強撚によるボールテンサーチューブ部からの撚り戻
りがあるので、該解舒糸はトップガイド前後で該撚り戻
りに合い、その収束を解かれることとなるので、該トッ
プガイド部で、しごき状態が発生し断糸を生じさせるこ
ととなり好ましくない。。またこれに加え、本発明の性
質上、設定した上撚りから下撚りを引いたものが、施撚
された撚数となる、(例えば、上撚り2000T/m
で、下撚り100T/mなら、1900T/mがその糸
が最終的に施撚されたものとなる。)ため、強撚200
0〜2500T/mにおいて100T/m以上の下撚り
が入っていると、数%程度の撚糸ロスとなるため、その
ロス分だけ撚糸設定を高めなければならず、経済的では
ない。この下撚り範囲は、原糸物性、フィラメント数、
実トルク撚数等のファクターが関係するので、その都度
糸と撚数によって決定されるのが好ましく、一概には言
えないが、より好ましい下撚り範囲は20〜150T/
mであり、更に好ましい範囲は30〜80T/mであ
る。
に付与しておく下撚りは、原糸繊度50デニール〜15
0デニールに対して20T/m〜100T/mの撚りで
あることが望ましい。20T/m未満の下撚りでは、原
糸の収束性が良くなく、給糸パーン解舒部でのフィラメ
ント割れが生じ、撚糸の立ち上がりが安定せず、またそ
れによる単糸切れが発生し易く、好ましくない。また原
糸に100T/mを越える下撚りを与えると、パーン解
舒部でのフィラメントは収束しており、その割れや、ば
らけはなく、該解舒糸はトップガイド、テンサーガイド
部(ワッシャーテンサー、リングテンサー)に進むが、
一方強撚によるボールテンサーチューブ部からの撚り戻
りがあるので、該解舒糸はトップガイド前後で該撚り戻
りに合い、その収束を解かれることとなるので、該トッ
プガイド部で、しごき状態が発生し断糸を生じさせるこ
ととなり好ましくない。。またこれに加え、本発明の性
質上、設定した上撚りから下撚りを引いたものが、施撚
された撚数となる、(例えば、上撚り2000T/m
で、下撚り100T/mなら、1900T/mがその糸
が最終的に施撚されたものとなる。)ため、強撚200
0〜2500T/mにおいて100T/m以上の下撚り
が入っていると、数%程度の撚糸ロスとなるため、その
ロス分だけ撚糸設定を高めなければならず、経済的では
ない。この下撚り範囲は、原糸物性、フィラメント数、
実トルク撚数等のファクターが関係するので、その都度
糸と撚数によって決定されるのが好ましく、一概には言
えないが、より好ましい下撚り範囲は20〜150T/
mであり、更に好ましい範囲は30〜80T/mであ
る。
【0012】上記マルチフィラメント原糸の下撚り(地
撚り)は、各種撚糸機、延撚機、撚糸効果のあるリワイ
ンダーにて行えばよく、或はまた、紡糸工程、延撚工程
にて行うことが出来、その手段、工程は限定されるもの
ではない。
撚り)は、各種撚糸機、延撚機、撚糸効果のあるリワイ
ンダーにて行えばよく、或はまた、紡糸工程、延撚工程
にて行うことが出来、その手段、工程は限定されるもの
ではない。
【0013】本発明においては、上記のように、加工糸
の最終的な目的とする撚り方向とは逆方向の下撚りを予
めフィラメント原糸に付与しておく代わりに、その下撚
り付与と同作用をなすトルクを予め付与した原糸を使用
することをも包含するものである。即ち、加工糸の最終
的な目的とする撚り方向と同方向のトルクを予め付与し
た原糸を用い、目的の撚り方向の上撚りを行うものであ
る。
の最終的な目的とする撚り方向とは逆方向の下撚りを予
めフィラメント原糸に付与しておく代わりに、その下撚
り付与と同作用をなすトルクを予め付与した原糸を使用
することをも包含するものである。即ち、加工糸の最終
的な目的とする撚り方向と同方向のトルクを予め付与し
た原糸を用い、目的の撚り方向の上撚りを行うものであ
る。
【0014】このような、トルクを予め付与した原糸と
は、例えば、仮撚やエッジング加工により糸に歪みを与
えトルクを持たせたものであってもよいし、あるいはま
た、各種コンジュゲートヤーンなど異種ポリマーによる
収縮差等の物性差を用いてトルクを持たせたものであっ
てもよい。
は、例えば、仮撚やエッジング加工により糸に歪みを与
えトルクを持たせたものであってもよいし、あるいはま
た、各種コンジュゲートヤーンなど異種ポリマーによる
収縮差等の物性差を用いてトルクを持たせたものであっ
てもよい。
【0015】本発明の強撚糸の製造法においては、フィ
ラメント原糸に、目的とする上撚りの撚り方向とは逆方
向の下撚り(地撚り)を付与しているので、あるいは最
終的な目的とする撚り方向と同方向のトルクを付与して
いるので、該地撚りあるいはトルクのため、原糸パーン
から解舒された解舒糸は、解舒直後において収束してお
り、したがって、フィラメントのばらけは少なく、前述
無撚の場合での“はちまき”現象は起こらない。しかも
該解舒糸がトップガイドに向かう過程で、地撚りあるい
はトルクの方向と上撚り方向の撚り(ボールテンサーか
らの撚り戻りトルクによる戻り撚り)とが互いに打消し
あって、一瞬無撚り状態となる点が発生するが、トップ
ガイドに近づくにつれて、上撚りの撚り方向へ撚り込ま
れていき、パーン解舒バルーンは安定している。したが
って、トップガイドへ到達した解舒糸は、この時点では
上撚り(戻り撚り)がかかって収束しており、またそれ
までの工程である程度トルクが相殺されているので、パ
ーン解舒バルーンを変形させる程のトルクはなく、解舒
糸は収束状態でバルーン変形を起こすことなく滑らかに
トップガイドに入り、安定した撚糸加工が出来るもので
ある。
ラメント原糸に、目的とする上撚りの撚り方向とは逆方
向の下撚り(地撚り)を付与しているので、あるいは最
終的な目的とする撚り方向と同方向のトルクを付与して
いるので、該地撚りあるいはトルクのため、原糸パーン
から解舒された解舒糸は、解舒直後において収束してお
り、したがって、フィラメントのばらけは少なく、前述
無撚の場合での“はちまき”現象は起こらない。しかも
該解舒糸がトップガイドに向かう過程で、地撚りあるい
はトルクの方向と上撚り方向の撚り(ボールテンサーか
らの撚り戻りトルクによる戻り撚り)とが互いに打消し
あって、一瞬無撚り状態となる点が発生するが、トップ
ガイドに近づくにつれて、上撚りの撚り方向へ撚り込ま
れていき、パーン解舒バルーンは安定している。したが
って、トップガイドへ到達した解舒糸は、この時点では
上撚り(戻り撚り)がかかって収束しており、またそれ
までの工程である程度トルクが相殺されているので、パ
ーン解舒バルーンを変形させる程のトルクはなく、解舒
糸は収束状態でバルーン変形を起こすことなく滑らかに
トップガイドに入り、安定した撚糸加工が出来るもので
ある。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いてより具体的に
説明するが、本発明はそれにより限定されない 実施例1、比較例1〜3;ビスコースレーヨンフィラメ
ントからなる120D−40fのマルチフィラメント
に、予めリングツイスターによってZ40T/mの下撚
りを付与した下撚り原糸(a)を作った。また全く同様
に、S40T/mの下撚りを付与した下撚り原糸(b)
を作った。これらZ、S各下撚り原糸をそれぞれ用い、
また下撚りを施さない無撚り原糸(c)を用い、各1k
g巻パーンを作成した。この各1kg巻パーンを、それ
ぞれ錘数128錘のダブルツイスターにかけ、S230
0T/mの強撚加工を実施した。無撚り原糸(c)の場
合には、さらにZ2300T/mでの加工も実施した。
説明するが、本発明はそれにより限定されない 実施例1、比較例1〜3;ビスコースレーヨンフィラメ
ントからなる120D−40fのマルチフィラメント
に、予めリングツイスターによってZ40T/mの下撚
りを付与した下撚り原糸(a)を作った。また全く同様
に、S40T/mの下撚りを付与した下撚り原糸(b)
を作った。これらZ、S各下撚り原糸をそれぞれ用い、
また下撚りを施さない無撚り原糸(c)を用い、各1k
g巻パーンを作成した。この各1kg巻パーンを、それ
ぞれ錘数128錘のダブルツイスターにかけ、S230
0T/mの強撚加工を実施した。無撚り原糸(c)の場
合には、さらにZ2300T/mでの加工も実施した。
【0017】S方向下撚り原糸(b)のパーンをS方向
2300T/mで強撚加工した場合(比較例1)は、強
撚での撚り戻りにより追撚状態となり、パーン解舒バル
ーンが暴れ、パーン底部で下落ちして断糸が生じ、また
外側バルーンと絡んで断糸するものもあり、結局これら
断糸数は21本生じ、撚糸断糸率は21(本)/128
(錘)=16.4%となった。
2300T/mで強撚加工した場合(比較例1)は、強
撚での撚り戻りにより追撚状態となり、パーン解舒バル
ーンが暴れ、パーン底部で下落ちして断糸が生じ、また
外側バルーンと絡んで断糸するものもあり、結局これら
断糸数は21本生じ、撚糸断糸率は21(本)/128
(錘)=16.4%となった。
【0018】また、無撚り原糸(c)のパーンをS方向
2300T/mで強撚加工した場合(比較例2)は、無
撚糸のために立ち上げ時の断糸数が5本生じ、その断糸
率は5(本)/128(錘)=3.9%である。またこ
の場合、立ち上がった後の撚糸断糸数は12本生じ、撚
糸断糸率は12(本)/128(錘)=9.4%であ
る。結局、この無撚り原糸(c)使いの場合の総合断糸
率は17(本)/128(錘)=13.3%である。さ
らに又、無撚り原糸(c)のパーンをZ方向2300T
/mで強撚加工した場合(比較例3)も、上記S方向強
撚の場合(比較例2)とほぼ一致する立ち上げ時の断糸
並びにその後の撚糸時断糸を生じた。
2300T/mで強撚加工した場合(比較例2)は、無
撚糸のために立ち上げ時の断糸数が5本生じ、その断糸
率は5(本)/128(錘)=3.9%である。またこ
の場合、立ち上がった後の撚糸断糸数は12本生じ、撚
糸断糸率は12(本)/128(錘)=9.4%であ
る。結局、この無撚り原糸(c)使いの場合の総合断糸
率は17(本)/128(錘)=13.3%である。さ
らに又、無撚り原糸(c)のパーンをZ方向2300T
/mで強撚加工した場合(比較例3)も、上記S方向強
撚の場合(比較例2)とほぼ一致する立ち上げ時の断糸
並びにその後の撚糸時断糸を生じた。
【0019】Z方向下撚り原糸(a)のパーンをS方向
2300T/mで強撚加工した場合(実施例1)は、立
ち上げ時の断糸はなく、撚糸断糸数が8本生ずるのみで
あり、撚糸断糸率は8(本)/128(錘)=6.3%
となる。即ち、本実施例1の場合は、前記比較例1、2
および3の場合に比べてその撚糸断糸率が顕著に低く、
その撚糸効率が大きく上がることが明らかである。
2300T/mで強撚加工した場合(実施例1)は、立
ち上げ時の断糸はなく、撚糸断糸数が8本生ずるのみで
あり、撚糸断糸率は8(本)/128(錘)=6.3%
となる。即ち、本実施例1の場合は、前記比較例1、2
および3の場合に比べてその撚糸断糸率が顕著に低く、
その撚糸効率が大きく上がることが明らかである。
【0020】比較例4;比較例1においてパーンへの撚
り込みが確認されたので、ワッシャーテンサー、リング
テンサーにて撚り込み防止をはかったが、トップワッシ
ャーでスナールが発生し、リングテンサーによってパー
ン解舒バルーンが抑制されて小さくなり、パーン表面を
擦って上がるようになり、パーン肩叩き現象が発生し
た。これによりパーン表面の毛羽を助長し、断糸、毛羽
落糸が発生し、強撚加工の場合に、追撚の撚り込み防止
を行って操作することは有効ではないことが解った。
り込みが確認されたので、ワッシャーテンサー、リング
テンサーにて撚り込み防止をはかったが、トップワッシ
ャーでスナールが発生し、リングテンサーによってパー
ン解舒バルーンが抑制されて小さくなり、パーン表面を
擦って上がるようになり、パーン肩叩き現象が発生し
た。これによりパーン表面の毛羽を助長し、断糸、毛羽
落糸が発生し、強撚加工の場合に、追撚の撚り込み防止
を行って操作することは有効ではないことが解った。
【0021】
【発明の効果】本発明はマルチフィラメント糸をダブル
ツイスターによって強撚加工する場合に生起する解舒バ
ルーンの不安定さに起因する断糸を顕著に低下させ、該
加工効率を大きく向上させることが出来るものであり、
実用上において極めて有益なものである。
ツイスターによって強撚加工する場合に生起する解舒バ
ルーンの不安定さに起因する断糸を顕著に低下させ、該
加工効率を大きく向上させることが出来るものであり、
実用上において極めて有益なものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 マルチフィラメント糸をダブルツイスタ
ーにて強撚し強撚加工糸を製造する方法において、加工
糸の最終的な目的とする上撚り方向とは逆方向の下撚り
を予め付与した原糸を用い、該原糸の下撚り方向とは逆
方向の強撚上撚りを行うことを特徴とする強撚加工糸の
製造法。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたマルチフィラメン
ト原糸に付与された下撚りが該原糸50〜150デニー
ルに対して20〜100T/mの撚りであり、上撚りが
2000〜2500T/mの撚りであることを特徴とす
る強撚加工糸の製造法。 - 【請求項3】 マルチフィラメント糸をダブルツイスタ
ーにて強撚し強撚加工糸を製造する方法において、加工
糸の最終的な目的とする上撚り方向と同方向のトルクを
予め付与した原糸を用い、該原糸をそのトルク方向と同
方向の強撚上撚りを行うことを特徴とする強撚加工糸の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12861394A JPH083834A (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 強撚加工糸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12861394A JPH083834A (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 強撚加工糸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083834A true JPH083834A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=14989122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12861394A Pending JPH083834A (ja) | 1994-06-10 | 1994-06-10 | 強撚加工糸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083834A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012102770A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 弾性継手 |
-
1994
- 1994-06-10 JP JP12861394A patent/JPH083834A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012102770A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 弾性継手 |
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