JPH0835167A - 難燃性ファブリックの製造方法 - Google Patents
難燃性ファブリックの製造方法Info
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- JPH0835167A JPH0835167A JP6192135A JP19213594A JPH0835167A JP H0835167 A JPH0835167 A JP H0835167A JP 6192135 A JP6192135 A JP 6192135A JP 19213594 A JP19213594 A JP 19213594A JP H0835167 A JPH0835167 A JP H0835167A
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Abstract
加することができ、得られたファブリックは、優れた難
燃性を備え、しかも燃焼時に塩化水素ガスやシアン化水
素ガス等の有害ガスを発生せず、かつ適度な剛性を備
え、鉄道車両用スクリーンとして、また建造物の内装用
として好適である。 【構成】 燃焼酸素指数(LOI値)が26〜30の難
燃性ポリエステル繊維を少なくとも50重量%含有する
ポリエステル繊維製のファブリックに拡布状態で精練、
乾燥、熱セット、染色、乾燥、熱セットの処理を施し、
その熱セットは長さ方向および幅方向の収縮を規制した
状態で熱処理を施して上記のファブリックに剛性を付与
する。
Description
繊維を用いて得られる難燃性ファブリックの製造方法に
関するものであり、難燃性を必要とし、しかも燃焼時に
有害ガスが発生しないことを要求される分野、例えば鉄
道車両、自動車、建築物等の窓を覆って入射光線の透過
量を低減させるスクリーンとして、また家屋の室内装飾
用として好適に使用される。
させるためのスクリーンとして、塩化ビニリデン繊維の
モノフィラメントからなる織物が知られている。しか
し、この織物スクリーンは、塩化ビニリデン繊維の特性
上、製織後に任意の色彩を付与することができないた
め、上記スクリーンに色彩を付与するためには、塩化ビ
ニリデンポリマーから溶融紡糸する段階で顔料を練り込
む原着法によらざるを得ず、そのため基本色としての数
色でデザインを構成せざるを得ず、かつ原着法であるた
め色彩の明度や彩度が低くなり、色彩やデザインに対す
るユーザーの要求を満たすことができなかった。
が知られているが、ガラス繊維の製造段階で任意の量を
任意の色彩で着色することは工業生産的にほとんど不可
能であり、この場合も上記同様に個々のユーザーが望む
任意の量と色彩のスクリーンを提供することが極めて困
難であった。したがって、ガラス繊維束もしくはガラス
繊維織物に顔料入り塩化ビニル樹脂をコーティングする
ことが行われているが、デザイン上の制約を受けるとい
う問題がある。
維を用いたスクリーンに共通して燃焼ガスの問題があ
る。すなわち、塩化ビニリデン繊維製にあってはその繊
維中に塩素分子が、またガラス繊維製にあってはそのコ
ーティング剤である塩化ビニル樹脂中にそれぞれ塩素分
子が存在するため、車両火災が発生した場合、人体に最
も有毒な塩化水素ガスが発生する。したがって、特に地
下鉄車両およびトンネルの多い区間用の車両では、スク
リーン用として一層安全性の高い材料が求められてい
る。
燃性繊維として、ポリエステルにリン化合物を共重合さ
せて得られる難燃性ポリエステル繊維が特公昭53−1
3479号公報および特公昭55−41610号公報等
によって知られている。また、ポリエステルにリン化合
物または臭素化合物を混合、紡糸して得られた難燃性ポ
リエステル繊維、更に通常のポリエステル繊維にリン化
合物や臭素化合物を後加工で付与して得られる難燃性ポ
リエステル繊維が知られている。しかしながら、これら
の難燃性ポリエステル繊維は、有毒な塩化水素ガスを発
生しない反面、通常の精錬、染色、加工仕上げで得られ
るファブリックは、剛性が乏しいため、上記の鉄道車両
用スクリーンとしては不適当とされていた。
両用スクリーンとして従来使用されていなかった難燃性
ポリエステル繊維に剛性を付与することにより、製編織
後に任意の色彩で任意のデザインを付加することがで
き、かつ優れた難燃性を備え、しかも燃焼時に塩化水素
ガスやシアン化水素ガス等の有害ガスを発生せず、鉄道
車両用スクリーンとして、また建造物の内装用として好
適な織物、編物、不織布等からなる難燃性ファブリック
の製造方法を提供するものである。
性に加え、熱線反射性に優れた難燃性ファブリックを提
供するものである。
指数(LOI値)が26〜30の難燃性ポリエステル繊
維を少なくとも50重量%含有するポリエステル繊維製
のファブリックに、拡布状態で、その長さ方向および幅
方向の収縮を規制した状態で熱処理を施した後に、同じ
く拡布状態で精練、染色、乾燥等の処理を施し、再度、
長さ方向および幅方向の収縮を規制した状態で熱処理を
施して、上記のファブリックに剛性を付与することを特
徴とする難燃性ファブリックの製造方法である。
K 7201「酸素指数法による高分子材料の燃焼試験
方法」により、燃焼酸素指数(LOI値)が26以上の
ものをいう。また、難燃性を有するものとは、消防法
(昭和23年7月24日法律第186号)の政令で定め
る防炎物品(カーテン)の防炎性能試験基準値以上の防
炎性能を有するものをいう。
値)26〜32の難燃性ポリエステル繊維は、前記の特
公昭53−13479号公報、特公昭55−41610
号公報等に記載されているように、ポリエステルにリン
化合物を共重合させ、これを紡糸して得られる。また、
ポリエステルにリン化合物または臭素化合物などを混合
し紡糸して製造することができる。更に、通常のポリエ
ステル繊維に後加工でリン化合物、臭素化合物等を付与
して製造することができる。
繊維のみを使用して織物、編物、不織布等のファブリッ
クを製造してもよいが、他の公知の合成高分子からなる
ポリエステル系繊維およびその変性繊維であれば、その
繊維形状、繊維特性および加工特性を問わず、混紡、混
繊、合撚、交編織等の形で混用することができる。ただ
し、上記難燃性ポリエステル繊維の使用量が全量の50
重量%以上であることが必要であり、難燃性ポリエステ
ル繊維の使用量が50%未満では、所望の難燃性が得ら
れない。
に混用される他のポリエステル繊維の収縮率は、乾熱1
60℃、処理時間30分の乾熱収縮率で10〜50%が
好ましい。上記繊維の形態は、ステープルまたはフィラ
メントのいずれでもよく、またファブリックの種類は織
物、編物、不織布のいずれでもよいが、熱処理で剛性の
あるファブリックを得るには、上記の乾熱収縮率が10
〜50%のポリエステル系繊維のフィラメント糸を用
い、レース編みするのが最も好ましい。
工を拡布状態で行うことが必要であり、精練には拡布型
連続精練機の使用が、また染色にはビーム染色機または
ジッガー染色機の使用が、また熱セットにはピンテンタ
ーの使用がそれぞれ好ましい。そして、熱セットで剛性
を付与するには、ファブリックの構成繊維が保有する乾
熱収縮率に対して、熱セットでの収縮規制幅を70%以
上に設定し、換言すれば上記ファブリックの長さ方向お
よび幅方向の収縮量を乾熱収縮率の30%以下に小さく
規制する。なお、上記熱セットの条件は、乾熱150〜
220℃で10〜180秒が好ましい。
その熱処理後のファブリックにスパッタリング加工によ
る金属膜を形成することを特徴とする難燃性ファブリッ
クの製造方法である。このスパッタリング加工は、低圧
アルゴンガスの雰囲気中で陽極と陰極との間にグロー放
電を起こし、アルゴンガスから解離したイオンを陰極に
衝突させ、陰極の構成金属を叩きだして飛散させ、これ
を上記のファブリックに付着させる公知の加工方法であ
り、この発明では、上記の陰極にアルミニウム、チタ
ン、ステンレス鋼等の金属が使用される。なお、付着金
属で形成される薄膜の厚みは、200〜2000Åが好
ましい。
6〜30の難燃性ポリエステル繊維を少なくとも50重
量%含有するポリエステル繊維製のファブリックを使用
するので、消防法で定める難燃性のファブリックが得ら
れる。そして、拡布状態で精練、乾燥、熱セット、染
色、乾燥等の処理を施した後、再度熱セットを行う。そ
の熱セットでは、長さ方向および幅方向の収縮を規制し
た状態で熱処理を施すので、熱可塑性を有するポリエス
テル繊維相互の交絡点が該繊維の収縮応力で強く締めら
れ、その状態で熱固定され、そのためファブリックに剛
性が付与される。
エステル繊維の乾熱収縮率が10%未満の場合、および
上記熱処理の際におけるファブリックの幅方向収縮量が
上記乾熱収縮率の30%を超えた場合は、上記の収縮応
力が不足して所望の剛性が得られない。反対に、上記の
乾熱収縮率が50%を超えた場合は、高分子の配列が乱
れて繊維強度が低下する。また、上記熱処理の際の処理
温度が150℃未満であったり、処理時間が10秒未満
であったりした場合は、充分な緊張が得られず、また処
理温度が220℃を超えたり、処理時間が180秒を超
えたりした場合は、ポリエステル繊維が溶融膠着状態と
なってファブリックの強度低下となり、いずれも好まし
くない。
ファブリックにスパッタリング加工で金属の薄膜を形成
するので、上記の難燃性ファブリックに熱線遮蔽性、電
磁波遮蔽性、帯電防止性等の機能が付与される。
0ppm含有する難燃性ポリエステル繊維(LOI値2
8、乾熱収縮率20%)のマルチフィラメント糸(15
0デニール/30フィラメント)のみを使用してラッセ
ルメッシュの編地A(目付量300g/m2 、幅100
cm)を編成し、チューブ状の巻芯に巻取った。また、上
記の難燃性ポリエステル繊維(LOI値28)のマルチ
フィラメント糸(150デニール/30フィラメント)
およびレギュラーポリエステル繊維(乾熱収縮率20
%)のマルチフィラメント糸(150デニール/30フ
ィラメント)を交互に配列し、その混用率を50%とす
る以外は、上記同様にして編地Bを編成し、同様に巻取
った。また、レギュラーポリエステル繊維(乾熱収縮率
20%)のマルチフィラメント糸(150デニール/3
0フィラメント)のみを用いる以外は、上記同様にして
編地Cを編成し、同様に巻取った。
ぞれチューブ巻きから引出しながら、拡布状でオープン
ソーパーに通して通常の精練加工と乾燥を行い、続いて
ピンテンターを使用し、セット幅が98cm、95cm、9
0cm、80cmの4水準の熱セットを行い、換言すれば上
記編地の幅方向収縮量を使用繊維の乾熱収縮率の10
%、25%、50%、100%の4水準に設定し、乾熱
180℃で60秒のセット加工を行う。引き続き、高圧
ジッガー染色機を使用し、分散染料で染色し、シリンダ
ー乾燥機で乾燥し、しかるのちピンテンターを使用して
乾熱160℃で60秒の再熱セット加工を行い、セット
後の硬さ、車両用スクリーンとしての剛性評価および消
防法に定められた防炎性能試験法による難燃性の評価試
験を行った。その結果を下記の表1に示す。
を98cm、95cmに設定した試料番号1、2、5、6、
9、10、すなわち水準1、2のものは、編地A、B、
Cのいずれにおいてもセット後の硬さが硬く、剛性が車
両用スクリーンとして好適であった。これに対し、セッ
ト幅を90cm、80cmに設定した試料番号3、4、7、
8、11、12、すなわち水準3、4のものは、編地
A、B、Cのいずれにおいてもセット後の硬さが低く、
剛性が車両用スクリーンとして不適当であった。また、
編地AおよびBを使用した試料番号1〜8は、総て難燃
性試験に合格したが、編地Cを使用した試料番号9〜1
2は総て不合格であった。
(LOI値28、乾熱収縮率20%)のマルチフィラメ
ント糸(150デニール/30フィラメント)のみを使
用してストライプ柄のラッセルレースを編成し、上記と
同様の条件で精練加工、乾燥、熱セット、染色、乾燥、
再熱セットを施し、熱セットは上記の水準1と同様の条
件とした。しかるのち、上記ラッセルレースの片面にス
パッタリング加工によりステンレス鋼の薄膜を厚み30
0Åに形成した。この加工生地を鉄道車両の窓の部分に
上記のスパッタリング加工面が外を向くように取付ける
一方、上記のスパッタリング加工をする前の未加工生地
を上記車両に取付け、車両内の温度比較試験を行った結
果、スパッタリング加工布を使用した場合の方が、相対
温度で2〜3℃低い結果が得られた。
数(LOI値)が26〜30の難燃性ポリエステル繊維
を少なくとも50重量%含有するポリエステル繊維製の
ファブリックに拡布状態で精練、乾燥、熱セット、染
色、乾燥、熱セット等の処理を施し、その熱セットは長
さ方向および幅方向の収縮を規制した状態で熱処理を施
して上記のファブリックに剛性を付与するものであるか
ら、この方法で製造されたファブリックは、優れた難燃
性を有し、強制燃焼を行っても、塩化水素ガスやシアン
化水素ガス等の有毒ガスを発生せず、しかもデザイン性
に富み、かつ適度な剛性を備え、鉄道車両用スクリーン
または建築物の内装用品として好適である。
1に記載した発明において、その熱処理後にスパッタリ
ング加工を行って金属膜を形成する方法であるから、上
記の難燃性および剛性に加えて熱線遮蔽性、電磁波遮蔽
性および帯電防止性等の諸機能を付加することができ
る。
1または2に記載した発明において、そのファブリック
をマルチフィラメント糸のレース編みで構成したもので
あるから、特に剛性に優れた難燃性の製品ファブリック
が得られる。
に記載した発明における使用繊維の乾熱収縮率を10〜
50%とし、熱処理の際におけるファブリックの長さ方
向および幅方向の収縮率を上記乾熱収縮率の30%以下
に規制する方法であるから、特に剛性に優れた難燃性の
製品ファブリックが得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 燃焼酸素指数(LOI値)が26〜30
の難燃性ポリエステル繊維を少なくとも50重量%含有
するポリエステル繊維製のファブリックに、拡布状態
で、その長さ方向および幅方向の収縮を規制した状態で
熱処理を施した後に、同じく拡布状態で精練、染色、乾
燥等の処理を施し、再度、長さ方向および幅方向の収縮
を規制した状態で熱処理を施して、上記のファブリック
に剛性を付与することを特徴とする難燃性ファブリック
の製造方法。 - 【請求項2】 熱処理後のファブリックにスパッタリン
グ加工による金属膜を形成する請求項1に記載の難燃性
ファブリックの製造方法。 - 【請求項3】 ファブリックがマルチフィラメント糸の
レース編みで構成される請求項1または2に記載された
難燃性ファブリックの製造方法。 - 【請求項4】 乾熱収縮率が10〜50%の繊維でファ
ブリックを製造し、熱処理の際にファブリックの長さ方
向および幅方向の収縮量を上記繊維の乾熱収縮率の30
%以下に規制する請求項1ないし3のいずれかに記載さ
れた難燃性ファブリックの製造方法。
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---|---|---|---|
JP19213594A JP3489199B2 (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | 難燃性ファブリックの製造方法 |
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-
1994
- 1994-07-22 JP JP19213594A patent/JP3489199B2/ja not_active Expired - Fee Related
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