JPH083427A - 樹脂組成物、その製造方法およびホットメルト接着剤 - Google Patents

樹脂組成物、その製造方法およびホットメルト接着剤

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JPH083427A
JPH083427A JP6140378A JP14037894A JPH083427A JP H083427 A JPH083427 A JP H083427A JP 6140378 A JP6140378 A JP 6140378A JP 14037894 A JP14037894 A JP 14037894A JP H083427 A JPH083427 A JP H083427A
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polymer segment
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JP6140378A
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English (en)
Inventor
Seikichi Wada
誠吉 和田
Yoko Furuta
洋子 古田
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Du Pont Toray Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 主として結晶性芳香族ポリエステル単位から
なる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として
脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエス
テル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主
たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体
(A)5〜95重量部と、ポリカーボネート系熱可塑性
ポリウレタンエラストマ(B)95〜5重量部を配合し
てなる樹脂組成物、その製造方法およびホットメルト接
着剤。 【効果】 本発明によればポリエステルブロック共重合
体に特定の熱可塑性ポリウレタンエラストマを配合する
ことにより、高温での接着力および接着耐久性に優れた
樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の樹脂組
成物は、押出機やニーダーの中で加熱溶融混合すること
によって製造することができる。さらに、本発明の樹脂
組成物はホットメルト接着剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種のプラスチック類、
ゴム類、繊維類、金属類などの被着体に対して高い接着
力を有し、特に高温下でも接着力が高く、さらに接着し
た複合物が高温下に屈曲、圧縮、伸張などの動的外力を
受けて、各層間に大きなずり変形が生じる過酷な条件下
で使用されても、長期間にわたって高い接着力を保持し
うる樹脂組成物、その製造方法およびホットメルト接着
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート単位のよう
な結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントと
し、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂
肪族ポリエーテル単位および/またはポリラクトンのよ
うな脂肪族ポリエステル単位をソフトセグメントとする
ポリエステルブロック共重合体は、機械的強度が高く、
また耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などのゴム的性質、
低温および高温特性、耐水性などに優れ、さらに熱可塑
性で成形加工が容易であるため、自動車部品および電気
・電子部品、繊維、フィルムなどに用途を拡大してい
る。また、これらの性質を利用した接着性材料として
も、繊維積層物、フィルム積層物、各種ベルト、ホー
ス、タイヤなどにおいてその使用が試みられている。
【0003】しかし、ポリエステルブロック共重合体を
接着性材料として使用した場合、用途によっては接着力
が十分でなく、特に高温下では接着力が低下したり、高
温下で屈曲、圧縮、伸張などの動的外力を受けて、各層
間に大きなずり変形が生じる過酷な条件下で使用される
場合には耐久性が問題になることがあった。かかる過酷
な条件下での耐久性を改良するために、被着体をポリイ
ソシアネート化合物またはポリエポキシ化合物で処理し
たのち、熱可塑性ポリウレタンとポリエポキシ化合物で
処理し、さらに熱可塑性ポリウレタンを塗布し、その
後、ポリエステル系熱可塑性エラストマに密着させる方
法が特開平2−151635号公報に開示されている。
【0004】また、セグメントコポリエステルと熱可塑
性ポリウレタンを含有するポリマ混合物、およびその混
合物から得られるチューブを巻心や外装材として用い補
強材と組み合わせたチューブ製品が特開昭52−102
365号公報に開示されている。さらに、筒状布はくの
外面に熱可塑性ポリウレタン弾性樹脂を主成分とする合
成樹脂を内層とし熱可塑性ポリエステル弾性樹脂を主成
分とする合成樹脂を外層とする積層皮膜を被覆した内張
り材が特公平2−19785号公報に開示されており、
該公報にはこの内層と外層の中間層として熱可塑性ポリ
エステル弾性樹脂と熱可塑性ポリウレタン弾性樹脂との
ブレンド物を用いてもよいことも記載されている。ま
た、熱可塑性ポリエステルブロック共重合体と熱可塑性
ポリウレタンとの組成物については特公昭52−786
号公報にも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平2−151
635号公報に開示された接着方法は、確かに耐久性の
改良されたものであるが、工程が多いため作業性の点に
おいて十分満足できるものではない。また、前記特開昭
52−102365号公報、特公平2−19785号公
報、および特公昭52−786号公報に開示された熱可
塑性ポリエステル弾性樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂
との混合物は、ある程度接着性の改良されたものである
が、熱可塑性ポリウレタン樹脂がそれを構成する長鎖グ
リコール成分として、ポリカプロラクトンジオールやポ
リブチレンアジペートジオールなどを使用したポリエス
テル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、或いはポリテトラメ
チレングリコールなどを使用したポリエーテル系熱可塑
性ポリウレタン樹脂であるため、高温下での接着力や耐
久性においては必ずしも十分な効果を得られないことが
あった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、高
温下での耐久性に優れた樹脂組成物について鋭意検討し
た結果、ポリエステルブロック共重合体にポリカーボネ
ート系熱可塑性ポリウレタンエラストマを配合した樹脂
組成物を見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる
高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪
族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル
単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる
構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)5
〜95重量部と、ポリカーボネート系熱可塑性ポリウレ
タンエラストマ(B)95〜5重量部を配合してなる樹
脂組成物であり、また、その配合が、押出機またはニー
ダーの中で、160〜260℃で加熱溶融混合すること
である樹脂組成物の製造方法であり、また、前記樹脂組
成物を粉末状、顆粒状、フィルム状、シート状またはチ
ューブ状に成形したホットメルト接着剤である。
【0007】以下、本発明について詳述する。本発明に
用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の高融
点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールか
ら形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタ
ル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−
ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレ
ートであるが、この他にテレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−
ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−
スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性
誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下の
ジオール、例えば1,4−ブタンジオール、エチレング
リコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレン
グリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホ
ン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロシキ−p
−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオー
ターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導される
ポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およ
びジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステル
であっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸
成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分
などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能であ
る。
【0008】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂
肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルで
ある。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオ
キシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、
ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロ
ピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重
合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合
体などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとして
は、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクト
ン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、
ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂
肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルの
なかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特
性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポ
リ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシ
ド付加物、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレン
アジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。
また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量
としては共重合された状態において300〜6000程
度であることが好ましい。
【0009】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体(A)における低融点重合体セグメント(b)
の共重合量は、好ましくは10〜80重量%、更に好ま
しくは15〜75重量%である。本発明に用いられるポ
リエステルブロック共重合体(A)は公知の方法で製造
することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコ
ールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および
低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交
換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。
あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融
点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応
せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。また、
あらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これ
に低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応に
よりランダム化せしめる方法。高融点結晶性セグメント
と低融点重合体セグメントを鎖連結剤でつなぐ方法。さ
らにポリ(ε−カプロラクトン)を低融点重合体セグメ
ントに用いる場合は、高融点結晶性セグメントにε−カ
プロラクトンモノマを付加反応させるなど、いずれの方
法をとってもよい。
【0010】本発明の樹脂組成物に用いられるもう一つ
の成分であるポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタン
エラストマ(B)は、ポリウレタン成分をハードセグメ
ントとし、ポリカーボネートをソフトセグメントとした
ブロック共重合体である。ポリカーボネートとしてはア
ルカンジオールカーボネート、即ち炭素数2〜10のア
ルカンジオールを主体とするカーボネートが挙げられ、
特に好ましくはポリヘキサンジオールカーボネートであ
る。本発明のポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタン
エラストマ(B)は、ポリカーボネートジオールと、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トル
エンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどのジイソシアネート化合物、およびエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオールなどのグリコールから合成することがで
きる。完全に鎖状のものよりも、若干の分岐と架橋を有
する物の方がより好ましい。
【0011】本発明の樹脂組成物においては、ポリエス
テルブロック共重合体(A)を5〜95重量部、好まし
くは10〜90重量部、さらに好ましくは20〜80重
量部と、ポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマ(B)を95〜5重量部、好ましくは90〜10
重量部、さらに好ましくは80〜20重量部とを配合す
る。配合比は被着材や使用条件によって適宜変更するこ
とが好ましい。本発明の樹脂組成物とすることによっ
て、各々の樹脂を単独に用いた場合よりも数段に優れた
接着性能が得られる。
【0012】本発明の樹脂組成物は、押出機やニーダー
の中で加熱溶融混合することによって製造することがで
き、好ましい混練温度は160〜260℃、更に好まし
くは180〜240℃である。また本発明の樹脂組成物
には、本発明の目的を損なわない範囲で、公知のヒンダ
ードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系、
アミン系などの酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、エ
ポキシ化合物やイソシアネート化合物などの増粘剤、染
料や顔料などの着色剤、酸化チタン、カーボンブラック
などの紫外線遮断剤、ガラス繊維やカーボンファイバ
ー、チタン酸カリファイバーなどの補強剤、シリカ、ク
レー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ガラスビーズ
などの充填剤、タルクなどの核剤、難燃剤などを任意に
含有させることができる。
【0013】本発明の樹脂組成物はそれ自体、耐熱性、
耐薬品性に優れた柔軟材であり、かつ被着体との接着力
にすぐれているので、他の層(樹脂、金属、木材、ゴ
ム、織物等)と積層して2層積層物としたり、他の層と
層の間に介在させ、多層積層物とすることができる。ま
た、樹脂組成物を粉末状、顆粒状、フィルム状、シート
状またはチューブ状に成形し、ホットメルト接着剤とし
て用いることもできる。本発明の樹脂組成物は、繊維積
層物、フィルム積層物、各種多層ベルト、多層ホース、
多層チューブ、多層タイヤなどに有用である。
【0014】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない
場合すべて重量基準である。また、参考例中に示される
物性は次のように測定した。 ・相対粘度:o−クロロフェノールを溶媒とした0.5
%のポリマ溶液を25℃で測定した。 ・融点:差動走査熱量計(デュポン社製 DSC-910型) を
使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で
加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。 ・溶融粘度指数(MFR値):ASTM D−1238
に従って、温度240℃、荷重2160gで測定した。 ・硬度(ショアDスケール):ASTM K−7215
に従って測定した。 参考例 ポリエステルブロック共重合体(A−1)の製造 テレフタル酸222部、イソフタル酸95部、1,4−
ブタンジオール344部および数平均分子量約1000
のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール89部
を、チタンテトラブトキシド0.15部と共にヘリカル
リボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜2
25℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエ
ステル化反応を行った。反応混合物に“イルガノック
ス”1010(チバガイギー社製ヒンダードフェノール
系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇
温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHg
の減圧とし、その条件下で2時間35分重合を行わせ
た。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カ
ッティングを行ってペレットとした。 ポリエステルブロック共重合体(A−2)の製造 ジメチルテレフタレート245部、1,4−ブタンジオ
ール171部およびポリ(テトラメチレンオキシド)グ
リコール(数平均分子量約1400)239部を、チタ
ンテトラブトキシド0.15部と共にヘリカルリボン型
攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、210℃で2時間加
熱して、理論メタノール量の95%のメタノールを系外
に留出させた。反応混合物に“イルガノックス”101
00.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで
50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、
その条件下で2時間20分重合を行わせた。得られたポ
リマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行
ってペレットとした。 ポリエステルブロック共重合体(A−3)の製造 ジメチルテレフタレート162部、1,4−ブタンジオ
ール113部、エチレンオキサイドで末端をキャッピン
グしたポリ(プロピレンオキシド)グリコール(数平均
分子量約2200,EO含量26.8%)332部を、
チタンテトラブトキシド0.15部およびトリメリット
酸無水物3部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反
応容器に仕込み、210℃で2時間30分加熱して、理
論メタノール量の95%のメタノールを系外に留出させ
た。反応混合物に“イルガノックス”1010 0.7
5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分か
けて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件
下で1時間50分重合を行わせた。得られたポリマを水
中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレ
ットとした。 ポリエステルブロック共重合体(A−4)の製造 テレフタル酸100部、1,4−ブタンジオール110
部、テトラブチルチタネート0.05部を精留塔および
ヘリカルリボン型攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、1
90〜225℃で加熱して反応水を系外に留出しながら
エステル化反応を行った。その後、反応物を重合缶に移
液し、250℃に昇温しつつ、系内の圧力を0.2mm
Hgの減圧とし、その条件下で2時間重合を行わせた。
得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッテ
ィングを行って相対粘度1.47、融点225℃のポリ
ブチレンテレフタレートを得た。このポリブチレンテレ
フタレートとε−カプロラクトンをそれぞれ900g/
hr、1700g/hrで、内径30mmφ、L/D=
40、中間部と先端部に長さ200mmの混練ユニット
を有するスクリューを備えた単軸押し出し機の最後部供
給口に供給し、シリンダー中間部の設定温度を240
℃、スクリュー回転数30rpmで付加重合反応を行っ
た。次に、ダイスからポリマを水中にストランド状で吐
出し、カッティングを行ってペレットとした。該ペレッ
ト100部、トリフェニルホスフィン0.1部を内径3
0mmφ、L/D=40でフルフライトスクリューを備
えたベント付き単軸押出機を使用して、ベント口の真空
度10mmHg、押出温度200℃、スクリュー回転数
60rpmで混練し、脱ε−カプロラクトンと触媒失活
を行い、ダイスからポリマを水中にストランド状で吐出
し、カッティングを行ってペレットとした。 1H−NM
R分析の結果ポリカプロラクトンからなるセグメントの
共重合量は55重量%であった。 ポリエステルブロック共重合体(A−5)の製造 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸80モル%、イソ
フタル酸20モル%、ジオール成分として1,4−ブタ
ンジオールを使用し、ジカルボン酸成分に対して0.0
5重量%のテトラチタンブトキシドで重合したポリブチ
レンテレフタレート/イソフタレート共重合体400部
と、アジピン酸、1,4−ブタンジオール、アジピン酸
に対して0.05重量%のテトラチタンブトキシドを用
いて重合したポリブチレンアジペート100部とを、窒
素雰囲気下、250℃で30分間溶融混合後、ポリブチ
レンテレフタレート/イソフタレート共重合体とポリブ
チレンアジペートとの合計量に対して0.1重量%のリ
ン酸を添加した。得られたポリマを水中にストランド状
に吐出し、カッティッグを行ってペレットとした。 ポリエステルエラストマー(A−6)の製造 ジカルボン酸成分としてテレフタル酸60モル%、イソ
フタル酸40モル%、ジオール成分として1,4−ブタ
ンジオールを使用し、ジカルボン酸成分に対して0.0
5重量%のテトラチタンブトキシドで重合した相対粘度
1.12のポリブチレンテレフタレート/イソフタレー
ト共重合体350部と、アジピン酸、エチレングリコー
ル、アジピン酸に対して0.05重量%のテトラチタン
ブトキシドを用いて重合した数平均分子量が2000の
ポリエチレンアジペート150部、およびこのポリエチ
レンアジペートと当量のジフェニルメタンジイソシアネ
ートとを、30mmφのスクリューを有する押出機を使
用して160℃の温度で溶融混練し、水中にストランド
状に吐出し、カッティングを行ってペレットとした。表
1にA−1、A−2、A−3、A−4、A−5、A−6
の組成と物性を示す。
【0015】
【表1】 また、実施例と比較例に用いた熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマを表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】実施例1〜8 参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−
1)、(A−2)、(A−3)、(A−5)に、熱可塑
性ポリウレタンエラストマ(B−1)、(B−2)を表
3に示すような配合比率でドライブレンドし、45mm
φのスクリューを有する二軸押出機を用いて220℃で
溶融混練したのちペレット化した。このペレットを10
0℃で5時間乾燥後、成形温度220℃、金型温度40
℃で、幅25mm、長さ120mm、厚み2mmの試験
片に射出成形した。この射出成形片を厚み1mmのアル
ミ板と重ね、わずかに加圧して230℃で1分間接着し
た。同様に被着体として軟質ポリ塩化ビニルシート(厚
み2mm)、あるいは上記の方法で同様に射出成形した
ポリエステルブロック共重合体(A−2)またはポリエ
ーテル系熱可塑性ポリウレタン(B−4)の射出成形片
を用いて接着した。接着試験片を室温で1日放置した
後、23℃における剥離接着強度を剥離速度200mm
/分で測定した。また、同様に100℃における剥離接
着強度を測定した。さらに被着体が熱可塑性ポリウレタ
ン(B−4)のものについて、JISK6301−15
に準じ接着試験片を恒温槽付きデマッチャ屈曲試験機
(東洋精機製作所製)にかけ、恒温槽温度100℃、屈
曲回数300回/min、サンプル取り付けチャック間
距離100mm、サンプルストローク距離20mmで試
験を行い接着層間に剥離を生じるまでの回数を測定し
た。結果を表3に示す。
【0018】
【表3】
【0019】比較例1〜8 参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−
1)、(A−2)、(A−3)、(A−5)に、熱可塑
性ポリウレタンエラストマ(B−3)、(B−8)を表
4に示すような配合比率でドライブレンドし、実施例1
〜8と同様にペレット化と接着試験とを行った。ポリエ
ステルブロック共重合体のみ、あるいは熱可塑性ポリウ
レタンエラストマのみを射出成形して得られた成形片を
用いて接着試験を行った結果を合わせて表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】表3から明らかなようにポリカーボネート
系熱可塑性ポリウレタンエラストマを使用した樹脂組成
物は、高温での接着力および接着耐久性に優れている。
一方、表4のようにポリエーテル系あるいはポリエステ
ル系(ポリアジペート系およびポリカプロラクトン系)
熱可塑性ポリウレタンエラストマを使用した樹脂組成物
は、高温での接着力および接着耐久性に劣っている。 実施例9〜12、比較例9〜18 参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A−
4)、(A−6)に、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
(B−1)〜(B−8)を表5に示すような配合比率で
ドライブレンドし、45mmφのスクリューを有する二
軸押出機を用いて180℃で溶融混練したのちペレット
化した。このペレットを70℃で5時間乾燥後、温度1
80℃で加圧して、厚み0.2mmのプレスフィルムを
作成した。このプレスフィルムを2枚の厚み0.2mm
のポリエステルフィルム(東レ(株)製“ルミラー”)
の間にはさみ、わずかに加圧して230℃で1分間接着
した。接着片を室温で1日放置した後、幅25mmの試
験片を切り出し、常温における剥離接着強度を剥離速度
200mm/分で測定した。また、同様に100℃にお
ける剥離接着強度を測定した。ポリエステルブロック共
重合体のみ、あるいは熱可塑性ポリウレタンエラストマ
のみから得られたプレスフィルムを用いて接着試験を行
った結果と合わせて表5に示す。
【0022】
【表5】 表5からポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマを使用した本発明の樹脂組成物が高温での接着力
に優れていること、そしてポリエーテル系あるいはポリ
エステル系(ポリアジペート系およびポリカプロラクト
ン系)熱可塑性ポリウレタンエラストマを使用した樹脂
組成物は高温での接着力に劣っていることが明白であ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明によればポリエステルブロック共
重合体に特定の熱可塑性ポリウレタンエラストマを配合
することにより、高温での接着力および接着耐久性に優
れた樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の樹
脂組成物は、押出機やニーダーの中で加熱溶融混合する
ことによって製造することができる。さらに、本発明の
樹脂組成物はホットメルト接着剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08G 18/44 NDW

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として結晶性芳香族ポリエステル単位
    からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主と
    して脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリ
    エステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)と
    を主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体
    (A)5〜95重量部と、ポリカーボネート系熱可塑性
    ポリウレタンエラストマ(B)95〜5重量部を配合し
    てなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 高融点結晶性重合体セグメント(a)が
    ポリブチレンテレフタレート単位で構成される請求項1
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 低融点重合体セグメント(b)がポリ
    (テトラメチレンオキシド)グリコール単位で構成され
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエステルブロック共重合体(A)に
    おける低融点重合体セグメント(b)の共重合量が10
    〜80重量%である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタ
    ンエラストマ(B)がポリヘキサンジオールカーボネー
    トとジイソシアネートから合成されたものである請求項
    1記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 主として結晶性芳香族ポリエステル単位
    からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主と
    して脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリ
    エステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)と
    を主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体
    (A)5〜95重量部と、ポリカーボネート系熱可塑性
    ポリウレタンエラストマ(B)95〜5重量部を押出機
    またはニーダーの中で、160〜260℃で加熱溶融混
    合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 主として結晶性芳香族ポリエステル単位
    からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主と
    して脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリ
    エステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)と
    を主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体
    (A)5〜95重量部と、ポリカーボネート系熱可塑性
    ポリウレタンエラストマ(B)95〜5重量部を配合し
    てなる樹脂組成物を粉末状、顆粒状、フィルム条、シー
    ト状またはチューブ状に成形したホットメルト接着剤。
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