JPH0834002B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0834002B2
JPH0834002B2 JP1167750A JP16775089A JPH0834002B2 JP H0834002 B2 JPH0834002 B2 JP H0834002B2 JP 1167750 A JP1167750 A JP 1167750A JP 16775089 A JP16775089 A JP 16775089A JP H0834002 B2 JPH0834002 B2 JP H0834002B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体の製造法に係り、詳しくは、高
い保磁力を有する磁気記録媒体を製造する方法に関する
ものである。
〔従来の技術〕
近年、コンピュータ等の情報処理技術の発達に伴い、
この外部記憶装置に用いられる磁気ディスクなどの磁気
記録媒体に対し、高密度記録化への要求がますます高め
られている。
現在、長手記録用磁気ディスクに用いられる磁気記録
媒体の磁性層としては、スパッタリング等によりCr下地
薄膜上に、エピタキシャル的に成膜されたCo系合金薄膜
が主流となってきている。しかして、このCo系合金薄膜
磁性層についても、高密度記録化への要求に対し、磁気
特性としてより高い保磁力を付与することが必要とされ
ており、従来より、その特性についての報告が、数多く
なされている。(例えば、“New longitudinal recordi
ng media Cox Niy Crz from high rate static magnetr
on sputtering system",IEEE Trans.Magn.Mag−22,No5,
(1986),334;特開昭63−79233号公報;特開昭63−7996
8号公報。) 〔発明が解決しようとする課題〕 従来報告されているように、Co系合金薄膜磁性層の保
磁力は、Cr下地薄膜の膜厚とともに増大する。しかしな
がら、ある上限値を超えると飽和特性を示し、それ以上
の高保磁力化は困難である。例えば、特開昭63−79968
号公報には、Cr下地層薄膜の膜厚が1500Å以上では磁性
層の保磁力がそれ以上上昇しない飽和傾向が認められ、
それ以下では磁性層の保磁力が著しく低下し、実用上問
題があることが示されている。
また、この保磁力は、Co系合金薄膜の膜厚の低減によ
り増加する。しかしながら、膜厚の低減は再生出力値の
低下につながるため、実用上、所定の膜厚以下に薄くす
ることは困難である。更に、磁性層の成膜時における成
膜ガス圧力、基板温度などのスパッタ条件の選択によ
り、ある程度の保磁力の向上は可能であるが、その向上
効果は小さいものである。
また、上記磁性層の保磁力を向上させる方法として基
板に負のバイアス電圧を印加させた状態でスパッタリン
グする方法も知られている(1988(昭和63年)春季第35
回応用物理学関係連合講演会、29a-c-9,10参照)が、基
板が移動する連続式製膜装置においては、移動する基板
に負電位を印加させるために装置が複雑となり、且つ、
ターゲット近傍のみでなく、広範囲に負電位を印加させ
る必要があるため異常放電が発生し、製膜装置の損傷に
つながる等、工業的製膜方法としては種々の問題点があ
る。
本発明は上記従来の問題点を解決し、著しく高い保磁
力を有する磁気記録媒体を製造する方法を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上記従来の状況に鑑み、磁気記録媒体の
保磁力を更に向上させるべく鋭意検討を重ねた結果、タ
ーゲットの外周部近傍に中間電極を設け、該中間電極に
基板並びに成膜装置本体の接地部に対して正の電位を印
加しながら特定の磁性合金薄膜、すなわち、Coを主成分
とする磁性金属薄膜を基板上にスパッタリングによって
形成することにより、磁気記録媒体の保磁力が著しく向
上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は基板上にコバルト系合金磁性薄
膜をスパッタリングによって形成する磁気記録媒体の製
造方法において、ターゲットの近傍にターゲットのスパ
ッターエロジョン端部の外周部の少なくとも1/2を取り
囲む形状の中間電極を設け、該中間電極に基板並びに成
膜装置本体の接地部に対し正の電位を印加した状態でコ
バルト系合金磁性薄膜を形成させることを特徴とする磁
気記録媒体の製造方法に存する。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明に用いられる基板としては、一般に金属、特に
アルミニウム又はアルミニウム合金のディスク状基板が
用いられ、通常、アルミニウム基板を所定の厚さに加工
した後、その表面を鏡面加工したものに、第1次下地層
として硬質非磁性金属、例えばNi−P合金を無電解メッ
キ或いは陽極酸化処理により形成し、しかる後、第2次
下地層としてCrをスパッタリングしたものが用いられ
る。基板としては、上記第1次下地層を形成せずに、鏡
面加工したアルミニウム基板上に直接下地層としてCrを
スパッタリングしたものを用いることもできる。
Cr下地層を形成するスパッタリング条件としては特に
制限はなく、通常のCr下地層を形成する際に採用される
スパッタリング条件を採用することができる。
以下にこの磁性薄膜の形成方法につき、図面を参照し
て詳細に説明する。
第1図は本発明の実施に用いられるスパッタリング装
置の一例を示す概略構成図である。図中、1はターゲッ
トであり、これに対向した位置に基板ホルダー2が設け
られており、基板ホルダー2上には基板3が装着されて
いる。基板ホルダー2は基板3を連続的に成膜できるよ
うに移動可能とされている。このターゲット1と基板2
との間のスパッター放電空間を取り囲む形で、詳しくは
ターゲット1の近傍にターゲット1のスパッターエロー
ジョン端部の外周部の少なくとも1/2を取り囲む形状の
中間電極4が設置されている。5はターゲット1と中間
電極4に接続されるスパッタリンダ用電源である。6は
成膜装置本体の接地部と中間電極4に接続される中間電
極用電源である。7はターゲット1のスパッターエロー
ジョン部を示す。
これらスパッタリング用電源5及び中間電極用電源6
としては直流電源が好ましいが、RF電源も使用できる。
スパッタ装置としては、通常のDCマグネトロンスパッタ
装置又はRFマグネトロンスパッタ装置等が採用される。
第2図は第1図のスパッタリング装置の詳細図であ
る。8はマグネトロン用磁石、9はDCマグネトロンの陰
極、10は成膜装置本体、11は成膜装置本体10の接地部で
ある。
第3図は中間電極4の位置及び形状の例を示す断面図
の一部であり、(A)〜(F)はすべてターゲット1の
スバッターエロージョン端部の外周部の少なくとも1/2
以上を取り囲む形状とされている。
該中間電極4がターゲット表面を基準として基板方向
にターゲット表面と基板との距離の1/3、好ましくは1/4
の距離離れた位置からターゲット表面を基準にして基板
と反対方向に30mm、好ましくは20mm離れた位置までの範
囲内に少なくともその一部が設けられ、かつ、ターゲッ
トの平面方向に対し、ターゲットのスパッターエロジョ
ン端部の外周部から該外周部を基準にしてターゲットの
外周方向に200mm好ましくは150mm、さらに好ましくは12
0mm離れた位置までの範囲内に、ターゲットのスパッタ
ーエロージョン端部の外周部の少なくとも1/2、好まし
くはターゲットの外周部の全部を取り囲む形で設けられ
ている。該中間電極は特にターゲット表面を基準として
基板方向に30mmの位置からターゲット表面を基準にして
基板と反対方向に20mmの位置までの間に、且つ、ターゲ
ットの外周部から該外周部を基準にして外側方向に120m
mまでの範囲内でターゲットの外周部の全部を取り囲む
形で設けられているのが好適である。
上記中間電極4の位置が上記範囲外では磁気記録媒体
の保磁力の向上効果が著しく低下するので好ましくな
い。
また、中間電極4の形状はターゲット1の外周部を少
なくとも1/2取り囲む形状、例えば、リング状、筒状、
板状等が用いられる。該中間電極がターゲット1の外周
部を1/2未満取り囲んでいる場合には保磁力の向上効果
が小さくなるので好ましくない。
さらに中間電極の材質としては通常、ステンレス、ア
ルミニウム、銅等の金属が用いられる。ターゲットのス
パッターエロージョン端部とは、ターゲット表面をスパ
ッタリングした際、ターゲット材がスパッターされる領
域(スパッターエロージョン部)とスパッターされない
領域との境界線が形成されるが、この境界線のことをい
う。本発明ではこの境界線の外周部をターゲットのスパ
ッターエロージョン端部の外周部と定義する。平板ター
ゲットの場合にはスパッターエロージョン部は内周部と
外周部とを有するリング状形状を形成し、この外周部を
本発明におけるスパッターエロージョン端部の外周部と
呼ぶ。スパッターエロージョン端部はターゲットの大き
さ及びマグネトロン用磁石の配置によりその位置が決定
される。また、ターゲット表面をシールド板で覆ったス
パッター装置の場合にはそのシールド板の大きさによっ
てそのスパッターエロージョン端部の位置が決定され
る。
ターゲット1としては、Co−Cr、Co−Cr−X、Co−Ni
−X、Co−W−X等で表わされるCoを主成分とするCo系
合金が使用される。ここでXとしてはLi、Si、B、Ca、
Ti、V、Cr、Ni、As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Ag、S
b、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、La、Ce、Pr、N
d、Pm、Sm及びEuよりなる群から選ばれる1種又は2種
以上の元素が用いられる。
該ターゲット1としては、Coを主成分とし、Cr及びTa
からなる合金が好適に用いられる。このCo−Cr−Ta合金
としては、Co:70〜95原子%、Cr:5〜20原子%及びTa:0.
1〜10原子%の組成のものが好適である。
第1図に示すスパッタリング装置を用いて、本発明の
方法に従って、磁気記録媒体を製造するには、まず、上
述の如き基板3を装置の基板ホルダー2に取り付け、前
記Co系合金のターゲット1を用いて、Ar等の希ガスの存
在下でスパッタリングを行なうが、この際、中間電極4
に、基板並びにスパッタリング装置本体の接地部に対し
て正の電極、例えば、1000V以下、好ましくは50〜500
V、更に好ましくは100〜400Vの電位を印加した状態でス
パッタリングを行ない、基板3上にCo系合金の磁性金属
薄膜を形成する。
本発明において、スパッタリング条件としては、通
常、磁気記録媒体の磁性層を形成させる際に採用される
条件を採用することができる。例えば、真空排気したチ
ャンバー内圧力を1×10-6Torr以下、Ar等の希ガス圧力
を0.5×10-3〜2×10-2Torr、望ましくは1×10-3〜5
×10-3Torrの範囲で、基板温度を150℃以上、望ましく
は200〜300℃の範囲の条件下でスパッタリングを実施す
ることができる。
このようなスパッタリングにより形成する磁性合金薄
膜層の膜厚は、残留磁性密度(Br)と磁性合金薄膜層の
膜厚(t)との積(Br・t)が300〜700G・μmとなる
ような膜厚とするのが好ましい。
第4図〜第13図は本発明の実施に好適なスパッタリン
グ装置の他の例を示す概略図及び詳細図である。
〔作用〕
ターゲットの外周部近傍に中間電極を設け、該中間電
極を成膜装置本体の接地部に対して正の電位に印加した
状態でスパッタリングにより形成されたCo系合金の磁性
金属薄膜層により、高い保磁力を有する高特性磁気記録
媒体が形成される。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例においては中間電極の
位置及び形状を特定するために図中にa〜eの符号を付
して示した。bはターゲット外周部から中間電極までの
距離を示しているが、以下の実施例及び比較例において
はターゲットのスパッターエロージョン端部とターゲッ
ト外周部が同一部分であることによりbはターゲットの
スパッターエロージョン端部の外周部から中間電極まで
の距離を示している。
なお、実施例に用いられた装置は基板ホルダー2が成
膜装置本体10を経由して接地されている。
実施例1〜7、比較例1 第1図及び第2図に示す装置*)を用い、下地層とし
てCr薄膜を形成したアルミニウム基板および、Co−Cr−
Ta合金ターゲット1を用いて、中間電極4に基板に対し
て第1表に示す正の電位を印加した状態で且つ、Arガス
の存在下にチャンバー内到達圧力1×10-6Torr以下、ア
ルゴンガス圧力4×10-3Torr、基板温度210℃の条件下
でスパッタリングを行ない、該基板上に86原子%Co−12
原子%Cr−2原子%Ta磁性層(400G・μm)を形成し
た。得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計
で測定した結果を番1表に示す。実施例より中間電極に
基板に対して正の電位を印加した状態でスパッタリング
した場合には得られる磁気ディスクの保磁力が大幅に向
上することが判明した。
*)中間電極位置及び形状 a=15mm,b=50mm,c=52mm,d=3mm,e=83mm 形状;ターゲット外周部の全部を取り囲む形状 実施例8〜12、比較例2 第4図及び第5図に示す装置*)を用い、下地層とし
てCr薄膜(膜厚1000Å)をスパッタリングにより形成し
たアルミニウム基板3及び、Co−Cr−Ta合金ターゲット
1を用いて、中間電極4に、基板3に対して第2表に示
す電位を印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10
-6Torr、以下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温
度250℃の条件下でスパッタリングを行ない、基板上に8
6原子%Co−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μ
m)を形成した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動磁力計で測
定し、結果を第2表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=3mm,b=5mm,c=3mm,d=43mm,e=83mm 形状;ターゲット外周部の全部を取り囲む形状 実施例13〜18、比較例3 第6図に示す装置*)を用い、下地層としてCr層薄膜
(膜厚1000Å)をスパッタリングにより形成したアルミ
ニウム基板3及び、Co−Cr−Ta合金ターゲット1を用い
て、中間電極4に、基板3に対して第3表に示す電位を
印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10-6Torr以
下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度250℃の
条件下でスパッタリングを行ない、基板上に86原子%Co
−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μm)を形成
した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第3表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=3mm,b=5mm,c=71mm,d=100mm,e=83mm 形状;ターゲット外周部の全体を取り囲む形状 実施例19〜20、比較例4 第7図に示す装置*)を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚1000Å)を形成したアルミニウム基板3及び、Co
−Cr−Ta合金ターゲット1を用いて中間電極4に第4表
に示す電位を印加した状曜で、チャンバー内圧力1×10
-6Torr以下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度
250℃の条件下でスパッタリングを行ない、基板上に86
原子%Co−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μ
m)を形成した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第4表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=3mm,b=102mm,c=58mm,d=3mm,e=83mm 形状;ターゲット外周部の全部を取り囲む形状 実施例21〜22、比較例5 第8図に示す装置*)を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚1000Å)をスパッタリングにより形成したアルミ
ニウム基板3及び、Co−Cr−Ta合金ターゲット1を用い
て、中間電極4に、基板3に対して第5表に示す電位を
印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10-6Torr以
下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度250℃の
条件下でスパッタリングを行ない、基板上に86原子%Co
−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μm)を形成
した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第5表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=3mm,b=5mm,c=58mm,d=100mm,e=83mm 形状;ターゲット外周部の全部を取り囲む形状 実施例23〜25、比較例6 第9図に示す装置*)を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚1000Å)をスパッタリングにより形成したアルミ
ニウム基板3及び、Co−Cr−Ta合金ターゲット1を用い
て、中間電極4に、基板3に対して第6表に示す電位を
印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10-6Torr以
下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度250℃の
条件下でスパッタリングを行ない、基板上に86原子%Co
−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μm)を形成
した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第6表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=17mm,b=10mm,c=13mm,d=13mm,e=83mm 形状; 実施例29,30;ターゲット近傍外周部の全部を取り囲む形
状 実施例31;ターゲット近傍外周部の60%を囲む形状 実施例26、比較例7 第10図に示す装置*)を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚1000Å)をスパッタリングにより形成したアルミ
ニウム基板3及び、Co−Cr−Ta合金ターゲット1を用い
て、中間電極4に、基板3に対して第7表に示す電位を
印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10-6Torr以
下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度250℃の
条件下でスパッタリングを行ない、基板上に86原子%Co
−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μm)を形成
した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第7表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=13mm,b=53mm,c=3mm,d=52mm,e=83mm 形状;ターゲット下方外周部の全部を取り囲む形状 比較例8〜9 第11図に示す装置*)を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚1000Å)をスパッタリングにより形成したアルミ
ニウム基板3及び、Co−Cr−Ta合金ターゲット1を用い
て、中間電極4に、基板3に対して第8表に示す電位を
印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10-6Torr以
下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度250℃の
条件下でスパッタリングを行ない、基板上に86原子%Co
−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(550G・μm)を形成
した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第8表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=17mm,b=10mm,c=13mm,d=13mm,e=83mm 形状;ターゲット外周部近傍で、該外周部の30%を囲む
形状 実施例27〜28、比較例10〜11 実施例8で用いた装置を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚2000Å)をスパッタリングにより形成したアルミ
ニウム基板3及び、第9表に示すCo系合金ターゲット1
を用いて、中間電極4に、基板3に対して第9表に示す
電位を印加した状態で、チャンバー内到達圧力1×10-6
Torr以下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温度25
0℃の条件下でスパッタリングを行ない、基板上に第9
表に示す磁性層(550G・μm)を形成した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第9表に示した。
実施例29〜34、比較例12〜14 第12図に示す装置*)を用い、下地層としてCr薄膜
(膜厚2000Å)を形成したアルミニウム基板3及び、Co
−Cr−Ta合金ターゲット1を用いて中間電極4に第10表
に示す電位を印加させた状態で、チャンバー内圧力1×
10-6Torr以下、アルゴンガス圧力2×10-3Torr、基板温
度250℃の条件下でスパッタリングを行ない、基板上に8
6原子%Co−12原子%Cr−2原子%Ta磁性層(400G・μ
m)を形成した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第10表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=1mm,b=1mm,c=5mm,d=56mm,e=200mm 形状;ターゲット外周部の全部を取り囲む形状 実施例33〜34、比較例15〜16 実施例29においてCo−Cr−Ta合金をCo−Cr−Ag合金又
はCo−Ni−B合金のターゲットに変え中間電極印加電位
を第10表に示したように変えて行なったこと以外は同様
にして行なった。結果を第10表に示した。
実施例35 第13図に示すRFマグネトロンスパッタ装置*)を用
い、下地層としてCr下地層(膜厚2000Å)をスパッタリ
ングにより形成したアルミニウム基板3及び、Co−Cr−
Ta合金ターゲット1を用いて、中間電極4に、基板3に
対して第11表に示す電位を印加した状態で、チャンバー
内到達圧力1×10-6Torr以下、アルゴンガス圧力2×10
-3Torr、基板温度250℃の条件下でスパッタリングを行
ない、基板上に86原子%Co−12原子%Cr−2原子%Ta磁
性層(400G・μm)を形成した。
得られた磁気ディスクの保磁力を試料振動型磁力計で
測定し、結果を第11表に示した。
*)中間電極位置及び形状 a=1mm,b=1mm,c=185mm,d=56mm,e=200mm 形状;ターゲット外周部の全部を取り囲む形状 〔発明の効果〕 本発明は、高い保磁力を有する高密度記録に適した磁
気記録媒体を容易に製造することができるため、工業的
に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のスパッタリング装置の一例を示す概
略構成図であり、第2図はその詳細図である。図中、1
はターゲット、2は基板ホルダー、3は基板、4は中間
電極、5はスパッタリング用電源、6は中間電極用電
源、7はターゲット1のスパッターエロージョン部、8
はマグネトロン用磁石、9はDCマグネトロンの陰極、10
は成膜装置本体、11は成膜装置本体の接地部を示す。 第3図は、中間電極4の位置及び形状の例を示す断面図
の一部である。 第4図〜第13図(第11図を除く)は本発明の実施に好適
なスパッタリング装置のその他の例を示す概略図及び詳
細図である。第11図は本発明の比較例8及び9で用いた
スパッタリング装置を示す概略図である。
フロントページの続き (72)発明者 山口 由岐夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−266731(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にコバルト系合金磁性薄膜をスパッ
    タリングによって形成する磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、ターゲットの近傍にターゲットのスパッターエロ
    ージョン端部の外周部の少なくとも1/2を取り囲む形状
    の中間電極を設け、該中間電極に基板並びに成膜装置本
    体の接地部に対し正の電位を印加した状態でコバルト系
    合金磁性薄膜を形成することを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法
  2. 【請求項2】ターゲット表面を基準として基板方向にタ
    ーゲット表面と基板表面との距離の1/3の距離離れた位
    置からターゲット表面を基準として基板と反対方向に30
    mm離れた位置までの間に中間電極の少なくとも一部分が
    設けられている特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】中間電極がターゲットのスパッターエロー
    ジョン端部の外周部から該外周部を基準としてターゲッ
    トの外周部方向に200mm離れた位置までの間に設けられ
    ている特許請求の範囲第1項又は第2項記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
JP1167750A 1988-07-15 1989-06-29 磁気記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JPH0834002B2 (ja)

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