JP2000082210A - 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体 - Google Patents

下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2000082210A
JP2000082210A JP28285098A JP28285098A JP2000082210A JP 2000082210 A JP2000082210 A JP 2000082210A JP 28285098 A JP28285098 A JP 28285098A JP 28285098 A JP28285098 A JP 28285098A JP 2000082210 A JP2000082210 A JP 2000082210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin film
magnetic thin
base film
coercive force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28285098A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Hibino
靖 日比野
Shinichiro Yahagi
慎一郎 矢萩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP28285098A priority Critical patent/JP2000082210A/ja
Publication of JP2000082210A publication Critical patent/JP2000082210A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの増大を招くことなく、磁性薄膜
の保磁力及びS/N比を高くすることができ、これによ
って記録密度を飛躍的に向上させることが可能な下地膜
用が得られる下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体を提
供すること。 【解決手段】 NiAlα(但し、x+y+z=
1、y/x=0.9〜1.1、z=0.02〜0.2
5。αは、Mo、Cr、V、Zr、W、Nb、Ta、及
びTiからなる群から選ばれる1又は2以上の元素)で
表される組成を有する下地膜用ターゲットを用いて、基
板12上に、第3元素αを含有するNiAlからなる厚
さが50nm〜500nmの下地膜14を成膜し、さら
にこの下地膜14の上に、六方稠密構造を有するCo基
合金からなる厚さ5nm以上20nm以下の磁性薄膜1
6を成膜するようにした。また、上述の下地膜14と磁
性薄膜16の間に、非磁性の体心立方構造を有する中間
層を介在させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下地膜用ターゲッ
ト及び磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、磁気記録
媒体の基板と磁性薄膜との間に介在させる下地膜、ある
いは磁性薄膜の下に中間層を成膜する磁気記録媒体にあ
っては、基板と中間層との間に介在させる下地膜の成膜
に用いられる下地膜用ターゲット、及びこれを用いて製
造される磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの補助記憶装置として汎用
されている磁気記録媒体には、ハードディスク、フロッ
ピーディスクなどがある。この内、ハードディスクは、
周知のように、アルミ合金、ガラス等からなる硬質の基
板表面に磁気記録層を形成した円盤状の磁気記録媒体で
ある。
【0003】ハードディスクは、その基板表面に磁気記
録層を形成する方法に応じて、磁性粉とバインダの混合
物を基板表面に塗布した塗布型ディスクと、メッキ法、
真空蒸着法、スパッタリング法等を用いて基板表面に多
結晶の磁性薄膜を形成した薄膜型ディスクに大別される
が、薄膜型ディスクは、塗布型ディスクに比べて高記録
密度化が容易であることから、現在ではハードディスク
の主流となっている。
【0004】また、磁気記録媒体への記録方式には、基
板面に対して平行に磁化する面内磁気記録方式と、基板
面に対して垂直に磁化する垂直磁気記録方式があるが、
強い磁化が容易に得られる等の理由から、工業的に量産
されているハードディスクについては、面内磁気記録方
式が主流になっている。
【0005】ところで、薄膜型のハードディスクの性能
は、基板上に形成される磁性薄膜の磁気特性に依存す
る。特に、保磁力及び角形比は重要な因子であり、磁性
薄膜の保磁力が大きくなるほど、ハードディスクの記録
密度を高くすることができる。また、角形比が1に近く
なるほど再生信号強度(S)が大きくなり、S/N比を
大きくすることができる。さらに、多結晶からなる磁性
薄膜の保磁力、角形比等の磁気特性は、材料組成が同一
であれば、結晶配向、結晶粒径等、磁性薄膜の微構造に
依存する。
【0006】例えば、面内磁気記録方式が採用されるハ
ードディスクの場合、記録密度を高くするためには、磁
性薄膜として保磁力の高い材料を用いることに加え、磁
性薄膜の磁化容易軸を基板面と平行に配向させ、面内方
向の保磁力を高める必要がある。また、薄膜型のハード
ディスクのS/N比を大きくするためには、再生信号強
度を大きくする他に、ノイズを小さくすることも有効で
あり、そのためには磁性薄膜の膜厚は薄い方が良く、結
晶粒径は小さい方が良い。
【0007】そのため、工業的に量産されている薄膜型
のハードディスクにおいては、通常、基板と磁性薄膜と
の間に下地膜を介在させ、下地膜の組成、厚さ、結晶配
向、結晶粒径等を制御することにより、磁性薄膜の結晶
配向や結晶粒径等の微構造を調節することが行われてい
る。
【0008】具体的には、ハードディスク用の磁性薄膜
としては、一般に、高い保磁力が得られるCoCrP
t、CoCrTa等からなる厚さ20〜40nmのCo
基合金薄膜が用いられている。Co基合金は、六方稠密
構造を有し、c軸方向が磁化容易軸になっているもので
ある。また、基板と磁性薄膜の間に介在させる下地膜と
しては、一般に、CrあるいはCr系合金が用いられて
いる。
【0009】CrあるいはCr系合金からなる下地膜を
基板上に形成すると、CrあるいはCr合金の(10
0)面もしくは(110)面が基板と平行に成長する傾
向がある。そのため、このような下地膜の上にCo基合
金からなる磁性薄膜を形成すると、エピタキシャル成長
により磁性薄膜の磁化容易軸が基板と平行もしくはほぼ
平行に配向し、磁性薄膜の保磁力を高めることができ
る。
【0010】また、米国特許第5,693,426号に
は、B2型規則構造を有する金属間化合物を下地膜に用
いた磁気記録媒体が開示されている。米国特許第5,6
93,426号に開示された磁気記録媒体によれば、下
地膜としてCrあるいはCr系合金の代わりにB2型規
則構造を有する金属間化合物、例えば、NiAlを用い
ると、磁性薄膜の結晶粒径を小さくすることができ、磁
気記録媒体の低ノイズ化を図ることができるという利点
がある。
【0011】また、磁性薄膜としてPt含有量の高いC
o基合金を用いた場合、Co基合金自体の保磁力は大き
くなるが、Ptの原子半径がCoの原子半径より大きい
ためにCo基合金の原子間隔が広くなる。そのため、P
t含有量の高いCo基合金の下地膜としてCrを用いる
と、下地膜と磁性薄膜との格子整合性が低下し、磁性薄
膜の保磁力が低下する。これに対し、NiAlを下地膜
として用いると、Crを下地膜に用いた場合に比べて格
子整合性が改善され、Co基合金の
【0012】
【外1】
【0013】が基板に対して平行に配向しやすくなるの
で、磁性薄膜の保磁力を高くすることができるという利
点がある。
【0014】さらに、米国特許第5,693,426号
には、下地膜としてNiAl等からなるB2型規則構造
を有する金属間化合物を用いると共に、該下地膜と磁性
薄膜の間に厚さ1〜5nmのCr薄膜からなる中間層を
介在させた磁気記録媒体も開示されている。下地膜とし
てNiAl等を用いると共に、該下地膜と磁性薄膜との
間にCr中間層を介在させると、CrがCo基合金の粒
界に拡散してCo基合金自体の保磁力が増大すると共
に、Co基合金の結晶配向がさらに改善され、磁性薄膜
の面内方向の保磁力がさらに高くなるというものであ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハードディ
スク等の磁気記録媒体の記録密度に対する要求は、年々
増加の一途をたどっており、そのためには、磁性薄膜の
S/N比を高く維持したまま、面内方向の保磁力をさら
に高める必要がある。一般に、薄膜型ディスクの場合、
3000Oe程度の保磁力を有する磁性薄膜が必要とい
われている。
【0016】しかしながら、Co基合金を磁性薄膜とし
て用い、CrあるいはNiAlの単相を下地膜として用
いた場合には、得られる磁性薄膜の面内方向の保磁力
は、2000Oe以下であり、高記録密度化を図るには
不十分である。
【0017】一方、米国特許第5,693,426号に
開示されているように、下地膜としてNiAl等を用い
ると共に、該下地膜と磁性薄膜の間にCr中間層を設け
た場合には、保磁力を2200Oe程度まで向上させる
ことができる。しかしながら、米国特許第5,693,
426号に開示された方法では、NiAl等からなる下
地膜を成膜した後、さらにCr中間層を成膜する必要が
あるために、スパッタリング工程が増え、製造コストが
高くなるという問題がある。
【0018】本発明が解決しようとする課題は、製造コ
ストの増大を招くことなく、磁性薄膜の保磁力及びS/
N比を高くすることができ、これによって記録密度を飛
躍的に向上させることが可能な下地膜が得られる下地膜
用ターゲット、及びこのような下地膜用ターゲットを用
いて製造される磁気記録媒体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る下地膜用ターゲットは、NiAl
α(但し、x+y+z=1、y/x=0.9〜1.
1、z=0.02〜0.25。αは、Mo、Cr、V、
Zr、W、Nb、Ta、及びTiからなる群から選ばれ
る1又は2以上の元素)の組成を有することを要旨とす
るものである。
【0020】また、本発明に係る磁気記録媒体は、基板
と、該基板上に成膜された下地膜と、該下地膜上に成膜
された磁性薄膜とを備えた磁気記録媒体において、前記
下地膜は、NiAlα(但し、x+y+z=1、
y/x=0.9〜1.1、z=0.02〜0.25。α
は、Mo、Cr、V、Zr、W、Nb、Ta、及びTi
からなる群から選ばれる1又は2以上の元素)の組成を
有する下地膜用ターゲットを用いてスパッタリング法に
より成膜されたものからなり、前記磁性薄膜は、六方稠
密構造を有するCo基合金からなることを要旨とするも
のである。
【0021】ここで、前記下地膜は、(211)面が前
記基板面に対して平行に配向している結晶粒が含まれて
いることが望ましい。(211)面が基板面に対して平
行に配向している結晶粒の割合が多くなるほど、エピタ
キシャル成長により磁性薄膜の磁化容易軸が基板面に対
して平行に配向しやすくなり、保磁力及び角形比の高い
磁性薄膜を得ることができる。
【0022】また、前記下地膜の厚さは、20nm以上
500nm以下であることが望ましい。下地膜の厚さが
20nm未満では、磁性薄膜の保磁力が低下するので好
ましくない。下地膜の厚さが増加するに伴い、磁性薄膜
の面内方向の保磁力は増加する傾向にあるが、下地膜の
膜厚が500nmを超えると、保磁力の大きな向上が望
めず、製造コストが増大するだけであるので実益がな
い。
【0023】さらに、前記磁性薄膜は、六方稠密構造を
有するCo基合金を用いる必要がある。六方稠密構造を
有するCo基合金は、高い保磁力が得られると同時に、
第3元素を添加したNiAl下地膜と良好な格子整合性
を有するので、これを磁性薄膜として用いれば、基板面
と平行方向に磁化容易軸であるc軸を配向させることが
でき、記録密度の高い磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0024】また、前記磁性薄膜の厚さは、5nm以上
50nm以下であることが望ましい。磁性薄膜の厚さが
50nmを超えると、磁化の垂直成分が増大し、磁性薄
膜の保磁力が低下すると共に、ノイズが増大してS/N
比が低下するので好ましくない。一方、膜厚が薄くなる
ほど磁性薄膜の保磁力は増大するが、膜厚が5nm未満
になると、熱揺らぎのために保磁力が急減するので好ま
しくない。
【0025】さらに、本発明に係る2番目の磁気記録媒
体は、基板と、該基板上に成膜された下地膜と、該下地
膜上に成膜された中間層と、該中間層上に成膜された磁
性薄膜とを備えた磁気記録媒体において、前記下地膜
は、NiAlα(但し、x+y+z=1、y/x
=0.9〜1.1、z=0.02〜0.25。αは、M
o、Cr、V、Zr、W、Nb、Ta、及びTiからな
る群から選ばれる1又は2以上の元素)の組成を有する
下地膜用ターゲットを用いてスパッタリング法により成
膜されたものからなり、前記中間層は、非磁性の体心立
方構造を有する金属もしくは合金からなり、前記磁性薄
膜は、六方稠密構造を有するCo基合金からなることを
要旨とするものである。
【0026】ここで、中間層に用いられる非磁性の体心
立方構造を有する金属もしくは合金としては、Crある
いはCr合金が好適な一例として上げられる。中間層の
厚さは、最も高い保磁力及び角形比が得られるよう、磁
性薄膜及び下地膜の材質に応じて選択すれば良い。
【0027】なお、前記下地膜は、(211)面が前記
基板に対して平行に配向している結晶粒が含まれている
ことか好ましい点、前記下地膜の膜厚は、20nm〜5
00nmの範囲が好適である点、及び前記磁性薄膜の膜
厚は、5〜50nmの範囲が好適である点は、上述した
本発明に係る1番目の磁気記録媒体と同様である。
【0028】上記構成を有する本発明に係る下地膜用タ
ーゲットは、第3元素を含むNiAlからなっているの
で、これを用いて基板上に下地膜を成膜した場合には、
得られる下地膜とCo基合金との格子整合性が改善され
ると共に、下地膜の(211)面が基板に対して平行に
配向しやすくなる。そのため、このようなターゲットを
用いて成膜された下地膜の上に六方稠密構造を有するC
o基合金からなる磁性薄膜を形成すれば、エピタキシャ
ル成長により、磁性薄膜の磁化容易軸が基板面に対して
平行に配向しやすくなる。
【0029】また、第3元素を含むNiAlからなる下
地膜用ターゲットを用いて下地膜を成膜すると、磁性薄
膜の角形比を高くすることができる。これにより、Cr
下地膜、NiAl下地膜、あるいはNiAl下地膜+C
r中間層を用いた従来の磁気記録媒体と同等以上の面内
保磁力及びS/N比を有する磁気記録媒体を得ることが
できる。
【0030】また、磁気記録媒体の製造工程において、
第3元素を含むNiAlを下地膜用ターゲットとして用
いた場合には、1工程で所望の特性を有する下地膜を基
板上に形成することができる。そのため、NiAl下地
膜とCr中間層とを順次成膜することにより得られる従
来の磁気記録媒体に比べて、製造工程を簡略化すること
ができ、磁気記録媒体の製造コストを削減することが可
能となる。
【0031】さらに、第3元素を含むNiAlからなる
下地膜用ターゲットを用いて下地膜を成膜すると共に、
下地膜と磁性薄膜の間に非磁性の体心立方構造を有する
金属あるいは合金を介在させると、さらに磁性薄膜の結
晶配向が改善されるので、第3元素を含まないNiAl
下地膜+Cr中間層を用いた従来の磁気記録媒体よりも
さらに高い保磁力及び角形比を有する磁気記録媒体を得
ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本
発明に係る磁気記録媒体の一例であるハードディスクの
断面図を示したものである。図1において、ハードディ
スク10は、基板12と、基板12表面に形成された下
地膜14と、下地膜14上に形成された磁性薄膜16
と、磁性薄膜16上に形成された保護膜18と、保護膜
18上に形成された潤滑膜20からなっている。
【0033】基板12は、磁性薄膜16を担持する基材
となるものであり、通常、直径数インチ、厚さ0.4〜
1.3mm程度の円盤が用いられる。基板12には、N
iPメッキを施したAl−Mg合金、ガラス、シリコ
ン、SiC、カーボン等、各種の材料を用いることがで
きる。中でも、ガラス基板は、従来から広く用いられて
いるNiPメッキAl合金基板に比べて、耐衝撃性に優
れ、平滑表面が得られるので、基板12として特に好適
である。
【0034】下地膜14は、磁性薄膜16の結晶配向や
結晶粒径等を制御するために、基板12と磁性薄膜16
の間に介在させるものであり、第3元素を含有するNi
Alからなっている。本発明では、この下地膜14とし
て、次の数1の式で表される組成を有する下地膜用ター
ゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたも
のが用いられる。
【0035】
【数1】NiAlα (但し、x+y+z=1、y/x=0.9〜1.1、z
=0.02〜0.25。αは、Mo、Cr、V、Zr、
W、Nb、Ta、及びTiからなる群から選ばれる1又
は2以上の元素)
【0036】なお、下地膜用ターゲットの組成を示す数
1の式において、Niに対するAlの原子比に若干の幅
がある。これは、Niに対するAlの比は、理想的には
1であることが望ましいが、分析上、あるいは製造上、
不可避的に発生する若干の組成のずれを許容する趣旨で
ある。
【0037】また、下地膜14の特性は、磁性薄膜16
の磁気特性に影響を及ぼすので、下地膜14中に含有さ
せる第3元素の種類及び含有量は、磁性薄膜16の材
質、要求される磁気特性等に応じて適宜選択すればよ
い。さらに、第3元素αの含有量zは、保磁力の高い磁
性薄膜16を得るには、少なくとも2at%〜25at
%である必要があり、さらに好ましくは3.5〜15a
t%である。
【0038】また、下地膜14は、少なくとも、磁性薄
膜16と接する層が数1の式に示す組成を有するターゲ
ットを用いて成膜された、第3元素を含有するNiAl
からなっていれば足りる。成膜の容易さからすれば、下
地膜14は、膜全体に第3元素が均一に添加されたNi
Al膜であることが望ましいが、基板12と接する層が
第3元素を含有していないNiAlからなり、磁性薄膜
16に接する層が数1の式に示す組成を有するターゲッ
トを用いて成膜された第3元素を含有するNiAlから
なる2層構造を呈するものでも良い。あるいは、基板1
2と接する面から磁性薄膜16と接する面に向かって、
第3元素含有量を段階的に増加させるようにしたもので
も良い。
【0039】また、下地膜14の厚さも磁性薄膜16の
磁気特性に影響を及ぼすので、磁性薄膜16に要求され
る磁気特性に応じて、下地膜16の厚さを適宜制御すれ
ばよい。但し、下地膜14の厚さが20nm未満になる
と、磁性薄膜14の保磁力が急激に低下し、記録密度の
高いハードディスク10が得られないので、下地膜14
の膜厚は、20nm以上とするのが好ましい。
【0040】一方、下地膜14の厚さが増加するに伴
い、磁性薄膜16の面内方向の保磁力は増加し、記録密
度の高いハードディスク10を得ることができるが、下
地膜14の膜厚が500nmを超えると、磁性薄膜16
の保磁力の大きな向上が望めず、製造コストが増大する
だけである。従って、下地膜14の厚さは、50nm以
上500nm以下の範囲が特に好適である。
【0041】さらに、下地膜14は、(211)面が基
板12面に対して平行に配向している結晶粒が含まれて
いることが望ましい。詳細は不明であるが、下地膜14
中に、(211)面が基板12に対して平行に配向して
いる結晶粒が多く含まれているほど、磁性薄膜16を構
成するCo基合金のc軸が基板12面と平行に配向し、
磁性薄膜16の保磁力を増大させるためと考えられる。
なお、このような下地膜14の結晶配向は、数1の式に
示す組成を有するターゲットを用いて基板12上に成膜
することにより容易に得ることができる。
【0042】磁性薄膜16は、磁気情報が記録される部
分であり、六方稠密構造を有するCo基合金が用いられ
る。具体的には、CoCr、SmCo、CoP、CoP
t、CoNiCr、CoNiPt、CoCrTaSi、
CoCrPtSi、CoCrPtB、CoCrPtTa
等を用いることができる。中でも、CoCrPt系合金
は、高い結晶磁気異方性エネルギーを有し、1500〜
4500Oeの高い保磁力が期待できるので、磁性薄膜
16として特に好適である。
【0043】また、結晶粒が磁気的に分離された多結晶
の磁性薄膜16では、膜厚が厚くなるほど磁性薄膜16
の保磁力が減少し、高記録密度化が困難となる。これ
は、高記録密度化のためには磁区を小さくする必要があ
り、そのためには、結晶粒径を小さくする必要がある
が、結晶粒径が小さい状態で膜厚を厚くすると、磁化の
垂直成分が増加し、磁化が反転する際の抵抗が小さくな
るためである。さらに、磁性薄膜16の膜厚が厚くなる
ほど、ノイズが増加し、S/N比が低下する。従って、
磁性薄膜16の膜厚は、薄い程良い。
【0044】但し、磁性薄膜の膜厚が薄くなりすぎる
と、熱揺らぎのためにかえって保磁力は急減する。従っ
て、磁性薄膜16の保磁力及びS/N比を高め、ハード
ディスク10の高記録密度化を図るためには、磁性薄膜
16の厚さは、5nm以上50nm以下の範囲が特に好
適である。
【0045】保護膜18は、磁性薄膜16の摩耗を抑制
するために磁性薄膜16上に設けられるものであり、通
常、厚さ10〜40nm程度の硬質膜からなっている。
保護膜18の材質としては、具体的には、酸化ジルコニ
ウム、酸化シリコン、非晶質カーボン等を用いることが
できる。特に、カーボンに水素を添加したダイヤモンド
ライクカーボンは、硬度が高く、潤滑膜20との親和性
が大きいので、保護膜18として好適である。
【0046】潤滑膜20は、ハードディスク10の摺動
特性を向上させるためにハードディスク10の最表面に
設けられるものであり、パーフルオロポリエーテル等の
液体フッ素系化合物が用いられる。通常、5〜20nm
程度の厚さとなるように、保護膜18上に被覆される。
【0047】なお、第3元素が添加されたNiAlから
なる下地膜14と磁性薄膜16の間に、CrあるいはC
r合金等の非磁性で体心立方構造を有する中間層を介在
させるようにしても良い。Cr等の中間層を介在させる
と、磁性薄膜16の保磁力をさらに増加させることがで
きるという利点がある。なお、中間層の厚さは、最も高
い保磁力及び角形比が得られるよう、磁性薄膜及び下地
膜の材質に応じて選択すれば良い。
【0048】本発明により保磁力の高い磁性薄膜16が
得られるのは、詳細は不明であるが、以下の理由による
と考えられる。すなわち、下地膜14として従来から用
いられているCr及びNiAlは、それぞれ、BCC構
造及びB2型規則構造を有しているのに対し、Co基合
金は六方稠密構造を有しているが、両者の格子定数の関
係から、CrあるいはNiAlの(100)面、(11
0)面、あるいは(211)面と、Co基合金の
【0049】
【外2】
【0050】との間には、良好な格子整合性があると言
われている。
【0051】特に、Co基合金の
【0052】
【外3】
【0053】は、磁化容易軸であるc軸に平行であるの
で、下地膜14の結晶配向を適正に制御し、エピタキシ
ャル成長によりCo基合金結晶粒の
【0054】
【外4】
【0055】を基板12面に対して平行に配向させるこ
とができれば、磁性薄膜16の面内方向の保磁力を高く
することができる。
【0056】ところで、Co基合金は、Coよりも相対
的に原子半径の大きいPt、Ta、Irなどの合金元素
をCoに添加することにより保磁力を増大させたもので
あり、合金元素添加量が多くなるほど、Co基合金の格
子定数が大きくなる。
【0057】そのため、例えば、高い保磁力が期待され
るCoCrPt系合金を磁性薄膜16として用い、C
r、又は第3元素を含まないNiAlを下地膜14とし
て用いた場合には、合金組成によっては両者の間の格子
整合性が低下する。その結果、下地膜14の(100)
面、(110)面、あるいは(211)面を基板12面
に対して平行に配向させた場合であっても、c軸が基板
12面に対して平行に配向しているCo基合金結晶粒の
割合が減少し、保磁力の高い磁性薄膜16が得られな
い。
【0058】これに対し、下地膜14として第3元素を
含有するNiAlを用いた場合、第3元素の種類及び含
有量に応じてNiAlの格子定数が変化する。そのた
め、磁性薄膜16として使用する材料、要求される磁気
特性等に応じて、第3元素の種類及び添加量を最適化す
れば、Co基合金との格子整合性が改善され、これによ
りc軸が基板12面と平行に配向しているCo基合金結
晶粒の割合が増加し、磁性薄膜16の保磁力を増加させ
ることができると考えられる。
【0059】さらに、下地膜14の厚さと下地膜14の
結晶配向には相関があり、一般に、下地膜14の厚さが
厚くなるほど特定の結晶面を成長面に持つ結晶粒の割合
が増大する。また、NiAlの(211)面は、Co基
合金の
【0060】
【外5】
【0061】と良好な格子整合性を有していると言われ
ている。
【0062】本発明の場合、数1の式に示す組成を有す
る下地膜用ターゲットを用いて下地膜14を成膜するこ
とにより、(211)面を成長面に持つ結晶粒の割合が
大きい下地膜14を基板12上に成膜することができ
る。そのため、このような下地膜14の上にCo基合金
からなる磁性薄膜16を成膜すれば、エピタキシャル成
長により、Co基合金結晶粒の
【0063】
【外6】
【0064】が基板12面に対して平行に配向しやすく
なり、その結果として、磁性薄膜16の保磁力が増大す
ると考えられる。
【0065】本発明により高い角形比を有する磁性薄膜
16が得られる理由についても詳細は不明であるが、数
1の式に示す組成を有する下地膜用ターゲットを用いて
下地膜14を成膜すると共に、第3元素の種類及び添加
量、並びに下地膜14の膜厚を制御することにより、磁
性膜膜16の角形比を大きくすることができる。これに
より、再生信号強度を大きくすることができ、磁性薄膜
16のS/Nを高くすることができる。
【0066】中間層を用いる場合も同様に解釈すること
ができ、数1の式に示す組成を有する下地膜用ターゲッ
トを用いて下地膜14を成膜することに加えて、非磁性
の体心立方構造を有する金属または合金からなる中間層
を下地膜14及び磁性薄膜16の間に介在させることに
より、磁性薄膜16との格子整合性等がさらに改善さ
れ、高い保磁力と角形比を有する磁気記録媒体10が得
られると考えられる。
【0067】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法について説明する。本発明に係る磁気記録媒体は、図
2に示すようなスパッタ成膜装置を用いて製造すること
ができる。図2において、スパッタ成膜装置30は、周
知のように、排気口32aとArガス供給口32bとを
備えた反応容器32内に、シャッター34を介して基板
ホルダ36と電極38とを対向して設けたものである。
【0068】図2に示すスパッタ成膜装置を用いて基板
12上に所望の組成を有する薄膜を形成するには、基板
ホルダ36上に基板12を載置すると共に、電極38に
所定の材料からなるターゲット42を取り付け、反応容
器32内のArガス圧を所定の値に調整した状態で、電
極38に直流又は高周波を印加すればよい。
【0069】電極38に直流又は高周波が印加される
と、接地された反応容器32と電極38の間に生じたグ
ロー放電によりArイオンが生成し、生成したArイオ
ンは、負の電位が印加されたターゲット42に衝突す
る。そして、ターゲット42を構成する原子がArイオ
ンによりはじき出され、はじき出された原子が基板12
上に堆積することにより薄膜が形成される。
【0070】従って、基板12上に、下地膜14、磁性
薄膜16及び保護膜18をこの順で成膜する場合、ある
いは下地膜14と磁性薄膜16の間にさらに中間層を成
膜する場合には、所定の組成を有するターゲット42を
順次交換しながら成膜すればよい。また、膜厚は、主に
ターゲット42と基板12間の距離、及び成膜時間によ
り制御することができる。
【0071】ここで、第3元素を含有するNiAlから
なる下地膜14を形成するには、数1の式に示す組成を
有する第3元素を含有するNiAlをターゲット42と
して用いればよい。数1の式に示す組成を有するターゲ
ット42を使用して下地膜14を成膜すると、下地膜1
4中の第3元素含有量を正確に制御することができ、し
かもNiに対するAlの原子比がほぼ1である下地膜1
4を成膜することができるという利点がある。
【0072】なお、NiAl中に含有させる第3元素の
種類及び含有量は、磁性薄膜16の材質、要求される特
性等に応じて、適宜選択すればよい点は、上述したとお
りである。
【0073】また、下地膜14を成膜するためのターゲ
ット42は、その組成が数1の式を満足していれば足
り、その製造方法については、特に限定されるものでは
ない。具体的には、NiAl粉末に、所定量の第3元素
α粉末を混合し、粉末冶金法を用いて焼結されたターゲ
ット42が好適であるが、Ni:Alが1:1になるよ
うに秤量された原料に第3元素αを所定量加えて溶製さ
れたターゲット42を用いても良く、あるいは、Ni粉
末とAl粉末と第3元素α粉末とを所定量混合し、粉末
冶金法を用いて焼結されたターゲット42を用いてもよ
い。
【0074】また、成膜に使用するスパッタリング成膜
装置は、図2に示すような二極スパッタリング装置に限
定されるものではなく、三極スパッタリング装置、マグ
ネトロンスパッタリング装置、イオンビームスパッタリ
ング装置、ECRスパッタリング装置等、各種の装置を
用いることができる。
【0075】さらに、保護膜18として用いられるダイ
ヤモンドライクカーボンは、黒鉛ターゲットのスパッタ
リングによっても成膜することができるが、反応容器3
2内に炭化水素ガスを導入し、炭化水素ガスを分解させ
て基板12上に成膜する、いわゆるプラズマCVD法を
用いても良い。
【0076】(実施例1)初めに、ターゲット42の組
成と下地膜14の組成の関係を調べた。図2に示すスパ
ッタリング成膜装置を用いて、直径3インチのガラス基
板(コーニング社製7059)12上に、Crを含有す
るNiAlからなる厚さ1μmの下地膜14を成膜し
た。下地膜14の成膜に用いたターゲット42の組成
を、発光分析法(ICP)を用いて分析した結果を表1
に示す。
【0077】
【表1】
【0078】また、表1に示すターゲット42を用いて
成膜された厚さ1μmの下地膜14の組成を、発光分析
法(ICP)を用いて分析した結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】表2より、得られた約1μmの膜中に含ま
れるCr含有量は、5.11at%であり、表1に示す
ターゲット42に含まれるCr含有量(5.07at
%)とほぼ同等であることがわかる。また、Niに対す
るAlの原子比は、1.07であり、ターゲットの組成
に比してAlが若干増加しているが、これは、ターゲッ
トに添加される第3元素の種類、スパッタリング条件等
により、Niのスパッタリング速度とAlのスパッタリ
ング速度に差が生ずるためと考えられる。
【0081】以上の結果から、Crを含有するNiAl
をターゲット42に用いて下地膜14を成膜すると、タ
ーゲット42の組成とほぼ同等の組成を有する下地膜1
4が得られることがわかった。
【0082】(実施例2)図2に示すスパッタリング成
膜装置を用いて、Crを含有するNiAlを下地膜14
とするハードディスク10を作製した。すなわち、基板
12には、直径3インチのガラス基板(コーニング社製
7059)を用い、また、ターゲット42には、表1に
示す5.07at%のCrを含有するNiAlを用い
た。
【0083】この基板12及びターゲット42を、それ
ぞれ、基板ホルダ36及び電極38にセットし、Arガ
ス圧3.0mTorr、基板温度300℃、基板12と
電極32の間隔106mmの条件下において、200W
の高周波電圧を電極32に印加することにより、5.1
at%のCrを含有するNiAl(以下、これを「Ni
Al+Cr」という)からなる下地膜14を基板12上
に成膜した。なお、下地膜14の膜厚は、100nm及
び200nmの2種類とした。
【0084】次に、ターゲット42を交換し、NiAl
+Crからなる下地膜14上にCoCrTaPt合金
(以下、これを「CCTP」という)からなる磁性薄膜
16を成膜した。成膜は、Arガス圧3.0mTor
r、基板温度300℃、及び基板12と電極32の間隔
106mmとし、電極32に100Wの直流電圧を印加
することにより行った。また、磁性薄膜16の厚さは、
20nmとした。なお、本実施例の場合、保護膜18及
び潤滑膜20の成膜は行わなかった。
【0085】得られた各ハードディスク10について、
振動試料型磁力計(VSM)を用いて、磁性薄膜16の
保磁力及び角形比を測定した。なお、保磁力及び角形比
は、各基板12面内の4点について測定し、その平均値
を求めた。
【0086】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2114Oe、角形比Sは0.89
であった。また、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは1704Oeまで低下したが、角形
比Sは0.87であり、下地膜14の膜厚を200n
mとした場合と同等の値を示した。
【0087】(実施例3)Vを添加したNiAlをター
ゲット42に用いて、5.5at%のVを含有するNi
Al(以下、これを「NiAl+V」という)からなる
下地膜14を成膜した以外は、実施例2と同様の手順に
従い、ハードディスク10を作製し、保磁力及び角形比
を測定した。
【0088】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2073Oe、角形比Sは0.86
であった。また、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは1759Oeまで低下したが、角形
比Sは0.88であり、下地膜14の膜厚を200n
mとした場合と同等の値を示した。
【0089】(実施例4)Moを添加したNiAlをタ
ーゲット42に用いて、5.0at%のMoを含有する
NiAl(以下、これを「NiAl+Mo」という)か
らなる下地膜14を成膜した以外は、実施例2と同様の
手順に従い、ハードディスク10を作製し、保磁力及び
角形比を測定した。
【0090】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2176Oe、角形比Sは0.84
であった。また、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは1777Oeまで低下したが、角形
比Sは0.85であり、下地膜14の膜厚を200n
mとした場合と同等の値を示した。
【0091】(実施例5)Tiを添加したNiAlをタ
ーゲット42に用いて、5.0at%のTiを含有する
NiAl(以下、これを「NiAl+Ti」という)か
らなる下地膜14を成膜した以外は、実施例2と同様の
手順に従い、ハードディスク10を作製し、保磁力及び
角形比を測定した。
【0092】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは1863Oe、角形比Sは0.76
であった。一方、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは1846Oeであり、膜厚を200
nmとした場合と同等の値を示したが、角形比S
0.79となり、下地膜14の膜厚を200nmとした
場合よりも若干増加した。
【0093】(比較例1)下地膜14を成膜するターゲ
ット42としてCrを用い、下地膜14を成膜する際に
電極32に100Wの直流電圧を印加した以外は、実施
例2と同様の手順に従い、ハードディスク10を作製
し、保磁力及び角形比を測定した。
【0094】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは1684Oe、角形比Sは0.79
であった。一方、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは若干低下して1562Oeとなった
が、角形比Sは0.78であり、下地膜14の膜厚を
200nmとした場合と同等の値を示した。
【0095】(比較例2)第3元素を含有していないN
iAlをターゲット42に用いて、第3元素を含有して
いないNiAl(以下、これを単に「NiAl」とい
う)からなる下地膜14を成膜した以外は、実施例2と
同様の手順に従い、ハードディスク10を作製し、保磁
力及び角形比を測定した。
【0096】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは1626Oe、角形比Sは0.67
であった。一方、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは1230Oeまで低下したが、角形
比Sは0.80となり、下地膜14の膜厚を200n
mとした場合よりも高い値を示した。
【0097】実施例2〜5及び比較例1〜2で得られた
各ハードディスク10について、下地膜の種類と保磁力
Hcの関係、及び下地膜の種類と角形比の関係を、それ
ぞれ、図3及び図4に示す。
【0098】図3より、下地膜14の膜厚を200nm
とした方が、高い保磁力Hcが得られることがわかる。
また、下地膜14の膜厚を適正に制御した場合、Cr又
はNiAlを下地膜14として用いた場合に比べて、N
iAl+α(α=Cr、V、Mo、Ti)を下地膜14
に用いた方が、高い保磁力Hcが得られることがわか
る。これは、上述したように、NiAl+αの結晶配向
と、NiAl+αと磁性薄膜16との間の格子整合性に
起因すると考えられる。
【0099】さらに、図4より、角形比Sについて
は、下地膜14の膜厚の影響は比較的少ないが、Cr又
はNiAlを下地膜14として用いた場合に比べて、N
iAl+α(α=Cr、V、Mo)を下地膜14に用い
た方が、高い角形比Sが得られることがわかる。さら
に、第3元素としてTiを用いた場合であっても、下地
膜14の膜厚が適正であれば、Cr又はNiAlを下地
膜14として用いた場合と同等の角形比Sが得られる
ことがわかる。
【0100】(実施例6)図2に示すスパッタリング成
膜装置を用いて、NiAl+Crからなる下地膜14
と、下地膜14と磁性薄膜16の間に介在させたCr中
間層(以下、これを「Cr/NiAl+Cr」という)
とを有するハードディスク10を作製した。成膜は、下
地膜14、Cr中間層、磁性薄膜16の順で行い、下地
膜14及び磁性薄膜16の成膜は、実施例2と同一の条
件下で行った。
【0101】また、Cr中間層は、Arガス圧3.0m
Torr、基板温度300℃、基板12と電極32の間
隔106mmの条件下において、100Wの直流電圧を
電極32に印加することにより成膜した。なお、Cr中
間層の厚さは、100nmとした。得られた各ハードデ
ィスク10について、実施例2と同様の手順に従い、磁
性薄膜16の保磁力及び角形比を測定した。
【0102】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2146Oe、角形比Sは0.75
であった。また、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは若干低下して2104Oeとなり、
角形比Sは若干増加して0.78となった。
【0103】(実施例7)Vを添加したNiAlをター
ゲット42に用いて、下地膜14を成膜した以外は、実
施例6と同様の手順に従い、NiAl+Vからなる下地
膜14と、Cr中間層(以下、これを「Cr/NiAl
+V」という)とを有するハードディスク10を作製
し、保磁力及び角形比を測定した。
【0104】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2245Oe、角形比Sは0.79
であった。また、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは若干低下して2197Oeとなった
が、角形比Sは0.79であり、下地膜14の膜厚を
200nmとした場合と同等の値を示した。
【0105】(実施例8)Moを添加したNiAlをタ
ーゲット42に用いて下地膜14を成膜した以外は、実
施例6と同様の手順に従い、NiAl+Moからなる下
地膜14と、Cr中間層(以下、これを「Cr/NiA
l+Mo」という)とを有するハードディスク10を作
製し、保磁力及び角形比を測定した。
【0106】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2250Oe、角形比Sは0.78
であった。また、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは若干低下して2214Oeとなった
が、角形比Sは0.77であり、下地膜14の膜厚を
200nmとした場合と同等の値を示した。
【0107】(実施例9)Tiを添加したNiAlをタ
ーゲット42に用いて下地膜14を成膜した以外は、実
施例6と同様の手順に従い、NiAl+Tiからなる下
地膜14と、Cr中間層(以下、これを「Cr/NiA
l+Ti」という)とを有するハードディスク10を作
製し、保磁力及び角形比を測定した。
【0108】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2182Oe、角形比Sは0.76
であった。一方、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは若干低下して2147Oeとなった
が、角形比Sは逆に若干増加して0.79となった。
【0109】(比較例3)下地膜14を成膜するターゲ
ット42として第3元素を含まないNiAlを用いた以
外は、実施例6と同様の手順に従い、NiAlからなる
下地膜14と、Cr中間層(以下、これを「Cr/Ni
Al」という)とを有するハードディスク10を作製
し、保磁力及び角形比を測定した。
【0110】下地膜14の膜厚を200nmとした場
合、保磁力Hcは2183Oe、角形比Sは0.77
であった。一方、下地膜14の膜厚を100nmとした
場合、保磁力Hcは若干低下して2158Oeとなった
が、角形比Sは逆に若干増加して0.81となった。
【0111】実施例6〜9及び比較例3で得られた各ハ
ードディスク10について、下地膜の種類と保磁力Hc
の関係、及び下地膜の種類と角形比の関係を、それぞ
れ、図5及び図6に示す。
【0112】図5より、下地膜14の膜厚を200nm
とした方が、磁性薄膜16の保磁力Hcが若干増加する
ことがわかる。また、Cr中間層を用いる場合であって
も、保磁力Hcは、下地膜14の組成の影響を受け、下
地膜14してNiAl+V又はNiAl+Moを用いた
場合には、NiAlを下地膜14として用いた場合に比
して、保磁力Hcが数十Oe増加していることがわか
る。一方、図6より、Cr中間層を用いた場合には、角
形比Sは、下地膜14の厚さ及び組成の影響をあまり
受けず、いずれも0.8前後の値を示すことがわかる。
【0113】実施例2、実施例6及び比較例1〜3で得
られた各ハードディスク10について、X線回折を行
い、基板12上に成膜された下地膜14の結晶配向を調
べた。結果を図7に示す。なお、図7には、参考のため
に、ガラス基板(コーニング社製7059)の上に厚さ
1.2μmのNiAl膜を成膜したもの、及びガラス基
板上に厚さ1.2μmのCr膜を成膜したものについて
X線回折を行った結果も合わせて示してある。
【0114】一般に、CrあるいはNiAlの(10
0)面は、Co基合金の
【0115】
【外7】
【0116】と良好な格子整合性を有すると言われてい
る。しかしながら、いずれの試料とも、(100)面に
相当する位置に、明瞭な回折ピークは認められなかっ
た。従って、基板12面に対して(100)面が平行に
配向している下地膜14の結晶粒は、極めて少ないと考
えられる。
【0117】また、CrあるいはNiAlの(110)
面は、Co基合金の
【0118】
【外8】
【0119】と良好な格子整合性を有すると言われてい
る。実際に、Cr下地膜の上にCCTP磁性薄膜を成膜
した比較例1(CCTP/Cr)では、Crの(11
0)面に相当する明瞭な回折ピークが認められた。
【0120】しかしながら、CCTP/Crの組み合わ
せは、上述したように、NiAl+αを下地膜に用いた
場合に比して磁性薄膜16の保磁力Hcが低いので、基
板12面に対して(110)面が平行に配向している下
地膜結晶粒が多いほど、磁性薄膜16の保磁力Hcが増
大するとは言いがたい。
【0121】これに対し、CrあるいはNiAlの(2
11)面は、Co基合金の
【0122】
【外9】
【0123】と良好な格子整合性を有すると言われてい
る。図7を見ると、製造したハードディスク10の中で
保磁力Hcが最も低いのは、NiAlを下地膜14に用
いた比較例2であるが、CCTP/NiAlの組み合わ
せでは、(211)面に相当する位置に明瞭な回折ピー
クが認められない。
【0124】一方、CCTP/NiAl+Crの組み合
わせとした実施例2では、(211)面に相当する位置
に回折ピークが認められる。また、下地膜14に加え、
Cr中間層を用いた比較例3(CCTP/Cr/NiA
l)及び実施例6(CCTP/Cr/NiAl+Cr)
では、実施例2より高い保磁力Hcが得られているが、
それに対応して、(211)面に相当する位置に、実施
例2よりも明瞭な回折ピークが認められるのがわかる。
【0125】以上の結果から、Co基合金からなる磁性
薄膜16の保磁力Hcを高めるためには、下地膜14中
の結晶粒の(211)面を基板12面と平行に配向させ
た方が望ましいと言える。また、このような下地膜14
の結晶配向は、NiAl下地膜とCr中間層の2層の組
み合わせでも得られるが、NiAl+α下地膜1層でも
得られることがわかった。
【0126】(実施例10)Cr含有量の異なる種々の
NiAlターゲット42を用いて下地膜14を成膜した
以外は、実施例2と同様の手順に従い、所定量のCrを
含有するNiAlを下地膜14とするハードディスク1
0を作製し、保磁力及び角形比を測定した。また、下地
膜14中のCr含有量を、発光分析法(IPC)を用い
て測定した。
【0127】磁性薄膜16の保磁力Hc及び角形比S
と、下地膜14中のCr含有量との関係を図8に示す。
図8より、下地膜14の膜厚によらず、Cr含有量が5
at%のところで磁性薄膜16の保磁力Hcが最大にな
っていることがわかる。また、膜厚を200nmした場
合には、保磁力Hcは最大2150Oeに達し、NiA
l下地膜とCr中間層とを用いたハードディスク(比較
例3)と同等の保磁力Hcが得られていることがわか
る。
【0128】工業的に量産されているハードディスク
は、Crを下地膜14として用いているが、その場合、
保磁力Hcは、1700Oe程度である(比較例1)。
従って、図8より、CCTPを磁性薄膜16として用
い、膜厚200nmのNiAl+Crを下地膜14とし
て用いる場合において、Cr含有量を2at%以上25
at%以下とすれば、Crを下地膜14とする従来型の
ハードディスクよりも高い保磁力Hcが得られることが
わかる。また、1900Oe以上の保磁力を得るために
は、Cr含有量を3.5〜15at%とすればよいこと
もわかる。
【0129】また、角形比Sも同様であり、下地膜1
4の膜厚によらず、Cr含有量が5at%のところで、
磁性薄膜16の角形比Sが最大になっていることがわ
かる。Crを下地膜14とするハードディスクの角形比
は、0.8程度である(比較例1)が、図8に示す
ように、Crを含有するNiAlを下地膜14として用
いれば、Cr含有量を適正化することにより、角形比S
を0.9程度まで向上させることができる。
【0130】Cr以外の第3元素、すなわち、Mo、
V、Zr、W、Nb、Ta、あるいはTiについても同
様であり、第3元素含有量が少なくとも2〜25at
%、好ましくは3.5〜15at%であるNiAlをタ
ーゲット42に用いて下地膜14を成膜すれば、磁性薄
膜16の保磁力及び角形比Sを高めることができる。
【0131】以上のように、数1の式に示す組成を有す
る第3元素を含有するNiAlをターゲットに用いて下
地膜14を成膜すれば、保磁力Hcを高くすることがで
きると同時に、角形比を1に近づけることができ、これ
によって磁性薄膜16のS/N比を高くすることができ
ることがわかった。
【0132】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改変が可能である。例えば、上記実施例では、基板と
してガラスを用いた例について説明したが、他の材質、
例えばNiPメッキAl合金等を基板として用いてもよ
く、あるいは、フロッピーディスクや磁気テープ用とし
て汎用されているポリエチレンテレフタレートを基板と
して用いても良い。
【0133】また、Co基合金は、CoCrTaPt合
金に限られるものではなく、Pt含有量をさらに増加さ
せたCoCrTaPt系合金や、あるいは他の系に属す
るCo基合金を用いても良い。その場合、上記実施例と
同様に、Co基合金のある特定の結晶面と、NiAlの
ある特定の結晶面の格子整合性が良好となるように、N
iAlに含有させる合金元素の種類、含有量、下地膜の
膜厚等を制御すれば、Co基合金からなる磁性薄膜の角
形比を高く維持したまま、保磁力を増大させることが可
能となる。
【0134】さらに、上記実施の形態では、1種類の第
3元素を添加したNiAlを下地膜として用いた例につ
いて説明したが、2種以上の第3元素を添加したNiA
lを下地膜として用いても良く、これにより上記実施の
形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
【発明の効果】本発明に係る下地膜用ターゲットは、所
定量の第3元素を含有するNiAlからなっているの
で、これを用いて基板上に下地膜を成膜し、さらにこの
下地膜の上に磁性薄膜を成膜した場合には、磁性薄膜の
磁化容易軸が基板面に対して平行に配向しやすくなる。
また、本発明に係る下地膜用ターゲットを用いて第3元
素を含有するNiAlからなる下地膜を成膜することに
より、磁性薄膜の角形比を大きくすることができる。そ
のため、磁性薄膜の保磁力及びS/N比を高くすること
ができるという効果がある。
【0136】また、第3元素を含有するNiAlからな
る下地膜と磁性薄膜の間に、Cr合金等からなる非磁性
の体心立方構造を有する中間層を介在させると、磁性薄
膜の保磁力及び角形比をさらに向上させることができる
という効果がある。
【0137】さらに、第3元素を含有するNiAlを下
地膜として用いた場合、NiAl下地膜とCr中間層と
を備えた磁気記録媒体と同等以上の保磁力及び角形比を
有する磁気記録媒体を得ることができるが、このような
組成を有する下地膜は、所定量の第3元素を含有するN
iAlターゲットを用い、スパッタリング法により一工
程で成膜することができる。そのため、スパッタリング
工程が簡略化され、磁気記録媒体の製造コストを削減す
ることができるという効果がある。
【0138】以上のように、本発明に係る下地膜用ター
ゲット及びこれを用いて製造される磁気記録媒体によれ
ば、高保磁力及び高S/N比を有する磁性薄膜が容易に
得られるので、これを例えば面内磁気記録方式が用いら
れる薄膜型のハードディスクに応用すれば、高記録密度
のハードディスクを安価に製造することが可能となるも
のであり、産業上その効果の極めて大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の断面図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の製造に用いられる
スパッタリング成膜装置の概略構成図である。
【図3】下地膜の種類と磁性薄膜の保磁力の関係を示す
図である。
【図4】下地膜の種類と磁性薄膜の角形比の関係を示す
図である。
【図5】Cr中間層を下地膜と磁性薄膜の間に介在させ
た場合における下地膜の種類と磁性薄膜の保磁力の関係
を示す図である。
【図6】Cr中間層を下地膜と磁性薄膜の間に介在させ
た場合における下地膜の種類と磁性薄膜の角形比の関係
を示す図である。
【図7】基板上に成膜した各種の下地膜のX線回折図形
である。
【図8】Crを含有するNiAlを下地膜に用いた場合
におけるCr含有量と磁性薄膜の保磁力及び角形比の関
係を示す図である。
【符号の説明】
10 ハードディスク(磁気記録媒体) 12 基板 14 下地膜 16 磁性薄膜 18 保護膜 20 潤滑膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA09 AA24 BA23 BA24 BA25 BB02 BB07 BC06 BD11 CA05 DC04 EA01 5D006 BB01 BB07 CA01 CA05 CA06 FA09 5D112 AA03 AA05 AA11 BB05 BB06 BD03 FA04 FB02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NiAlα(但し、x+y+z=
    1、y/x=0.9〜1.1、z=0.02〜0.2
    5。αは、Mo、Cr、V、Zr、W、Nb、Ta、及
    びTiからなる群から選ばれる1又は2以上の元素)の
    組成を有することを特徴とする下地膜用ターゲット。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上に成膜された下地膜
    と、該下地膜上に成膜された磁性薄膜とを備えた磁気記
    録媒体において、 前記下地膜は、NiAlα(但し、x+y+z=
    1、y/x=0.9〜1.1、z=0.02〜0.2
    5。αは、Mo、Cr、V、Zr、W、Nb、Ta、及
    びTiからなる群から選ばれる1又は2以上の元素)の
    組成を有する下地膜用ターゲットを用いてスパッタリン
    グ法により成膜されたものからなり、 前記磁性薄膜は、六方稠密構造を有するCo基合金から
    なることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記下地膜は、(211)面が前記基板
    面に対して平行に配向している結晶粒が含まれているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記下地膜は、その厚さが20nm以上
    500nm以下であることを特徴とする請求項2又は3
    に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁性薄膜は、その厚さが5nm以上
    50nm以下であることを特徴とする請求項2、3又は
    4に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 基板と、該基板上に成膜された下地膜
    と、該下地膜上に成膜された中間層と、該中間層上に成
    膜された磁性薄膜とを備えた磁気記録媒体において、 前記下地膜は、NiAlα(但し、x+y+z=
    1、y/x=0.9〜1.1、z=0.02〜0.2
    5。αは、Mo、Cr、V、Zr、W、Nb、Ta、及
    びTiからなる群から選ばれる1又は2以上の元素)の
    組成を有する下地膜用ターゲットを用いてスパッタリン
    グ法により成膜されたものからなり、 前記中間層は、非磁性の体心立方構造を有する金属もし
    くは合金からなり、 前記磁性薄膜は、六方稠密構造を有するCo基合金から
    なることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記下地膜は、(211)面が前記基板
    面に対して平行に配向している結晶粒が含まれているこ
    とを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記下地膜は、その厚さが20nm以上
    500nm以下であることを特徴とする請求項6又は7
    に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記磁性薄膜は、その厚さが5nm以上
    50nm以下であることを特徴とする請求項6、7又は
    8に記載の磁気記録媒体。
JP28285098A 1998-06-25 1998-10-05 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体 Pending JP2000082210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28285098A JP2000082210A (ja) 1998-06-25 1998-10-05 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-178947 1998-06-25
JP17894798 1998-06-25
JP28285098A JP2000082210A (ja) 1998-06-25 1998-10-05 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000082210A true JP2000082210A (ja) 2000-03-21

Family

ID=26498955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28285098A Pending JP2000082210A (ja) 1998-06-25 1998-10-05 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000082210A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166921B2 (en) 2003-11-20 2007-01-23 Hitachi Metals, Ltd. Aluminum alloy film for wiring and sputter target material for forming the film
US7247395B2 (en) 2001-12-14 2007-07-24 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Magnetic recording medium exhibiting low noise and high coercive force
USRE41282E1 (en) 2001-08-31 2010-04-27 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium and a method of manufacturing the same
US8252152B2 (en) 2001-12-07 2012-08-28 Fuji Electric Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium and method of manufacturing the same and product thereof
CN112458419A (zh) * 2020-11-25 2021-03-09 南京工程学院 一种多元难熔金属元素共掺杂纳米NiAl基合金薄膜及其制备方法和应用

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE41282E1 (en) 2001-08-31 2010-04-27 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium and a method of manufacturing the same
US8252152B2 (en) 2001-12-07 2012-08-28 Fuji Electric Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium and method of manufacturing the same and product thereof
US7247395B2 (en) 2001-12-14 2007-07-24 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Magnetic recording medium exhibiting low noise and high coercive force
US7166921B2 (en) 2003-11-20 2007-01-23 Hitachi Metals, Ltd. Aluminum alloy film for wiring and sputter target material for forming the film
KR100695919B1 (ko) * 2003-11-20 2007-03-20 히다찌긴조꾸가부시끼가이사 배선용 알루미늄 합금 막 및 상기 막을 형성하기 위한스퍼터 타겟 재료
CN112458419A (zh) * 2020-11-25 2021-03-09 南京工程学院 一种多元难熔金属元素共掺杂纳米NiAl基合金薄膜及其制备方法和应用
CN112458419B (zh) * 2020-11-25 2023-04-11 南京工程学院 一种多元难熔金属元素共掺杂纳米NiAl基合金薄膜及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6596409B2 (en) Onset layer for thin film disk with CoPtCrB alloy
US5736013A (en) Method for forming an improved magnetic media including sputtering of selected oxides or nitrides in the magnetic layer, and apparatus for same
US20060154113A1 (en) Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording device
JP6205871B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2007087575A (ja) 磁気記録媒体におけるチューニング交換結合
JPH08171716A (ja) 磁性合金及びその製造方法
US5516547A (en) Method for fabricating magnetic recording medium
EP0710949B1 (en) Magnetic recording medium and its manufacture
JP2005276364A (ja) 磁気記録媒体及びその製造法、並びにそれを用いた磁気記録再生装置
JP2911782B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
US6174582B1 (en) Thin film magnetic disk having reactive element doped refractory metal seed layer
JP2001052330A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
JPH07118417B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2000082210A (ja) 下地膜用ターゲット及び磁気記録媒体
US20140178714A1 (en) Method and Manufacture Process for Exchange Decoupled First Magnetic Layer
JPH11219511A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録装置
JPH0817032A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH08180360A (ja) 垂直磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP3663289B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
US6416881B1 (en) Media with a metal oxide sealing layer
JP3157806B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2004234718A (ja) 磁気記録媒体
JP2536993B2 (ja) 薄膜磁気記録層の磁気特性を制御する方法
JP3945742B2 (ja) 磁性合金と磁気記録媒体およびその製造方法と磁性膜形成用ターゲットおよび磁気記録装置
JP2911797B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法