JPH08339538A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH08339538A
JPH08339538A JP14444595A JP14444595A JPH08339538A JP H08339538 A JPH08339538 A JP H08339538A JP 14444595 A JP14444595 A JP 14444595A JP 14444595 A JP14444595 A JP 14444595A JP H08339538 A JPH08339538 A JP H08339538A
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magnetic
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magnetic layer
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JP14444595A
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Isao Kobayashi
功 小林
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一層の高SNm比化を達成し得る磁気記録媒
体の製造方法の提供。 【構成】 カーボン基板と、該基板上に設けられた下地
層と、該下地層上に設けられた磁性層と、該磁性層上に
設けられた保護層と、該保護層上に設けられた潤滑剤層
とを具備する本発明の磁気記録媒体の製造方法は、上記
下地層及び上記磁性層の形成に際して、上記カーボン基
板上に該カーボン基板を加熱しないで第1の下地層を形
成した後、該第1の下地層が形成されたカーボン基板を
所定温度に加熱した状態で該第1の下地層上に第2の下
地層及び磁性層を順次形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法に関するものであり、更に詳しくは、高SNm比を有
する磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
磁気記録媒体用の基板としては、ガラス基板や表面にN
i−Pメッキを施したAl合金基板等が用いられてい
た。例えば、特開平3−183015号公報には、ガラ
ス基板を用いた磁気記録媒体の例が記載されており、更
に詳しくは、ガラス基板上にクロム第1層を設けた後
に、該ガラス基板を約100〜300℃で2分間加熱し
て該クロム第1層表面を酸化し、その後、該クロム第1
層上にクロム第2層及び磁性層を順次形成することが記
載されている。しかし、このようなガラス基板やAl合
金基板を用いた磁気記録媒体は、耐衝撃性、耐熱性及び
薄板化等に劣るという問題があった。また、上記公報記
載の方法には、クロム第1層を設けた後、その表面を加
熱して酸化させることは記載されているものの、その後
のクロム第2層及び磁性層の形成における加熱の記載は
無い。更に、上記公報記載の方法では保磁力は向上する
が、SNm比の向上には改善の余地があった。
【0003】そこで、近年、上記諸特性に優れるカーボ
ン基板が高密度磁気記録媒体用の基板として注目を集め
ている。カーボン基板を高密度磁気記録媒体用の基板と
して用いた場合の磁気記録媒体の製造方法としては、例
えば、真空装置内にて該カーボン基板を所定の温度に加
熱した後、順次下地層、磁性層及び保護層をスパッタリ
ング法により形成する方法が挙げられる。かかる方法に
よって得られる磁気記録媒体は、ある程度のSNm比を
達成するものの、近年の磁気記録媒体の一層の高密度化
の要請を考慮すると、更なる高SNm比化が必要であ
る。従って、一層の高SNm比化(低ノイズ化)を達成
し得る磁気記録媒体の製造プロセスの検討が各種成膜条
件及び各種材料等の観点から種々行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、一層の高SNm比化を達成し得る磁気記録媒体の製
造方法を提供することにある。
【0005】本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意
検討した結果、基板としてカーボン基板を用い、且つ下
地層と磁性層とを特定条件下に形成すると、該下地層の
結晶粒径が微細化し、且つ磁性層の磁性結晶粒間の磁気
的相互作用が低下する結果、磁気記録媒体の高SNm比
化が図られることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、カーボン基板と、該基板上に設けられた下地層
と、該下地層上に設けられた磁性層と、該磁性層上に設
けられた保護層と、該保護層上に設けられた潤滑剤層と
を具備する磁気記録媒体の製造方法において、上記下地
層及び上記磁性層の形成に際して、上記カーボン基板上
に該カーボン基板を加熱しないで第1の下地層を形成し
た後、該第1の下地層が形成されたカーボン基板を所定
温度に加熱した状態で該第1の下地層上に第2の下地層
及び磁性層を順次形成することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法を提供することにより、上記目的を達成し
たものである。
【0007】本発明者らは磁気記録媒体の高SNm比化
(低ノイズ化)を図るために下地層及び磁性層の構造に
ついて検討したところ、磁気記録媒体の低ノイズ化は
(イ)下地層における結晶粒径の微細化及び(ロ)磁性
層における磁性結晶粒間の磁気的相互作用の低下に大き
く依存することが判明した。上記(イ)の点について詳
述すると、磁性結晶粒の粒径は、下地層における結晶粒
径に強く依存しており、該結晶粒径が小さいほど良好な
結果が得られる。そして、該結晶粒径を微細化するため
には上記下地層の成膜条件をコントロールする必要があ
る。また、上記(ロ)の点について詳述すると、磁性結
晶粒間の磁気的相互作用を低下させるためには、非磁性
物質を磁性結晶粒界へ偏析させることが有効である。上
記結晶粒径の微細化及び非磁性物質の磁性結晶粒界への
偏析を図るべく、本発明者らは種々の検討を行った結
果、上記磁気記録媒体の製造方法の完成に至ったもので
ある。かかる本発明の磁気記録媒体の製造方法につい
て、下記に詳述する。
【0008】上述の通り、本発明は、カーボン基板と、
該基板上に設けられた下地層と、該下地層上に設けられ
た磁性層と、該磁性層上に設けられた保護層と、該保護
層上に設けられた潤滑剤層とを具備する磁気記録媒体の
製造方法において、上記下地層及び上記磁性層の形成に
際して、i)上記カーボン基板上に該カーボン基板を加
熱しないで第1の下地層を形成する第1工程、及び該第
1工程の後、ii)該第1の下地層が形成されたカーボン
基板を所定温度に加熱した状態で該第1の下地層上に第
2の下地層及び磁性層を順次形成する第2工程を具備す
ることを特徴とするものである。かかる本発明の特徴に
ついて、下記にそれぞれ説明する。
【0009】まず、上記第1工程について説明すると、
該第1工程においては、カーボン基板上に該カーボン基
板を加熱しないで第1の下地層を形成する。カーボン基
板を加熱しないで該第1の下地層を形成することで、該
第1の下地層中の結晶粒径を最も微細化することができ
る。なお、本発明において「カーボン基板を加熱しない
で」とは、上記第1の下地層の形成に際して、積極的に
該カーボン基板を加熱する操作を除外することを意味す
る。
【0010】このように、上記第1の下地層の形成に際
しては、上記カーボン基板は加熱されないわけである
が、更に詳しくは、該第1の下地層の形成に際しての該
カーボン基板の温度は、20〜80℃であることが好ま
しく、20〜50℃であることが更に好ましい。上記カ
ーボン基板の温度がかかる範囲内にあれば、上記第1の
下地層中の結晶粒径を最も微細化できるので好ましい。
【0011】上記第1の下地層の形成方法に特に制限は
なく、従来公知の薄膜形成手段、例えば、スパッタリン
グ法、真空蒸着法及びイオンプレーティング法等の物理
的気相成長法(PVD)等を用いることができる。これ
らの薄膜形成手段のうち、スパッタリング法を用いるこ
とが真空中において連続処理できる点から特に好まし
い。
【0012】上記スパッタリング法を用いた上記第1の
下地層の形成について説明すると、スパッタリングの条
件として、Arガス圧を1〜30mTorr(更に好ま
しくは1〜10mTorr)とし、上記カーボン基板の
バイアス電圧を−300〜0V(更に好ましくは−20
0〜−100V)とすることが結晶粒径の微細化の点か
ら特に好ましいが、かかる条件に限定されるものではな
い。
【0013】このようにして形成された上記第1の下地
層の膜厚に特に制限はないが、好ましくは5〜50n
m、更に好ましくは5〜30nmであることが結晶粒径
の微細化の点から好ましい。
【0014】上記第1工程における上記カーボン基板及
び第1の下地層の材質について説明すると、まず、該カ
ーボン基板の材質であるカーボンとしては、例えば、平
滑性、導電性及び耐衝撃性等に優れるガラス状炭素(G
C)等のアモルファスカーボン等を用いることが好まし
い。
【0015】上記カーボンについて詳述すると、該カー
ボンとしては、例えば、下記〜のもの等を用いるこ
とができる。 熱硬化性樹脂を炭素化して得られるカーボン。 共重合や共縮合などにより熱硬化するよう変性され
た樹脂を炭素化して得られるカーボン。 硬化又は炭素化の過程での化学処理により、結晶化
を著しく妨げて得られるカーボン。 このようなカーボンの製造方法の詳細は、例えば、特公
昭63−46004号公報、特公平1−23047号公
報及び特公平3−11005号公報等に記載されてい
る。
【0016】次に、上記第1の下地層の材質について説
明すると、該第1の下地層は、上記カーボン基板と磁性
層との密着性の向上を目的として設けられるものであ
り、この目的のために、その材質としては両者の密着性
を向上せしめるものが用いられる。特に、上記第1の下
地層が、Si、Cr、Ta、Ti、Zr、Y、Mo、W
及びV等のカーバイド形成金属からなるか、又は該カー
バイド形成金属を含む合金(即ち、カーバイド形成金属
を成分の一つとする合金)からなることが密着性の向上
と共にノイズの低減化の点から好ましい。上記第1の下
地層の形成に際しては、上記カーバイト形成金属又は該
カーバイト形成金属を含有する合金を単独で又は2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0017】以上、上記第1工程について詳述したが、
本発明においては、該第1工程を行う前に、上記カーボ
ン基板に、必要に応じて、各種のテクスチャ処理を施し
てもよい。かかるテクスチャ処理としては、例えば、研
磨テープや研磨砥粒を用いての処理、酸によるエッチン
グ処理、熱酸化や陽極酸化処理、シリケート化合物をス
ピンコートにより表面析出させる処理、プラズマアッシ
ングあるいは金属をスパッタリングして表面に凹凸を形
成するスパッタテクスチャー等による粗面化処理等を挙
げることができる。
【0018】次に、上記第2工程について説明する。該
第2工程においては、該第1の下地層が形成されたカー
ボン基板を所定温度に加熱した状態で該第1の下地層上
に第2の下地層及び磁性層を順次形成する。
【0019】上記第1工程における成膜条件で形成され
た上記第1の下地層は、その結晶粒径が微細化されたも
のであり、高SNm比化の点から好ましいが、上記カー
ボン基板との密着性に劣る場合がある。この場合、上記
第1工程完了後、上記第1の下地層が形成されたカーボ
ン基板を所定温度に加熱することで、上記結晶粒径の増
大化を抑えつつ、該第1の下地層とカーボン基板との密
着性が向上することを本発明者らは見い出した。
【0020】上記加熱について更に詳述すると、該加熱
は、真空下、具体的には1×10-3〜1×10-7Tor
rの真空度の下で行うことが好ましい。また、上記第1
の下地層が形成されたカーボン基板の加熱温度は、十分
な密着性を達成する観点から120〜700℃であるこ
とが好ましく、200〜700℃であることが更に好ま
しく、300〜700℃であることが特に好ましい。特
に、上記カーバイド形成金属又は該カーバイド形成金属
を含む合金から成る第1の下地層の加熱に上記温度範囲
を用いると、上記カーボン基板と第1の下地層との密着
性が極めて向上する。また、加熱時間は加熱温度の効果
の方が支配的であるため、特に制限はないが、一般に5
秒〜3分であることが、生産性の向上の点から好まし
い。
【0021】次いで、上記第1の下地層が形成されたカ
ーボン基板の加熱に引き続き、上記第2の下地層及び磁
性層を順次形成する。該第2の下地層及び磁性層の形成
方法としては、上記第1の下地層の形成方法と同様に、
従来公知の薄膜形成手段を特に制限なく用いることがで
き、好ましくは、スパッタリング法を用いる。
【0022】上記第2の下地層の形成と磁性層の形成は
連続して加熱下で行い、その加熱温度は、120〜70
0℃であることが好ましく、200〜700℃であるこ
とが更に好ましく、300〜700℃であることが特に
好ましい。該加熱温度が、かかる範囲内であれば、上記
第1の下地層とカーボン基板との密着性を向上させつつ
該第2の下地層を形成することができるので好ましい。
しかも、磁性層結晶粒界への非磁性物質の偏析が促進さ
れ、磁気的相互作用が低下し、低ノイズ化が図られる。
上記非磁性物質の偏析は、約300℃より活発となる。
一方、加熱温度が約700℃以上では、磁性層を構成す
る物質の拡散が活発になるため上記非磁性物質の偏析構
造がくずれてしまうため好ましくない。なお、該第2の
下地層の形成における加熱温度と、上記第1の下地層が
形成されたカーボン基板の加熱温度とは、同一でもよく
又は異なっていてもよいが、好ましくは両者の加熱温度
は同一である。
【0023】このようにして形成された上記第2の下地
層の膜厚は、5〜50nm(特に、10〜30nm)で
あることが結晶粒径の微細化を維持しつつ、高い結晶
性、結晶配向性の保持の点から好ましい。
【0024】また、上記磁性層の膜厚は、5〜35nm
(特に、10〜30nm)であることが磁化容易軸であ
るC軸の面内配向の促進、及び記録再生時のオーバーラ
イト特性等の点から好ましい。
【0025】上記第2の下地層及び磁性層の材質につい
て説明すると、該第2の下地層は、上記磁性層の静磁気
特性の向上を目的として設けられるものであり、この目
的のために、その材質としては両者の格子定数を近づけ
たものが用いられる。特に、上記第2の下地層が、Cr
又はCrを含む二元合金からなることが静磁気特性の向
上と共にノイズの低減化の点から好ましい。該Crを含
む二元合金の例としては、CrTi、CrMo、Cr
W、CrNb、CrSi、CrCo、CrTa等を挙げ
ることができるが、これらに限定されない。上記第2の
下地層の形成に際しては、Cr又はCrを含む二元合金
を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0026】また、上記磁性層の材質としては、金属薄
膜型磁性層を形成し得るものを使用することができ、例
えば、CoCr、CoNi、CoCrX、CoCrPt
X、CoSm、CoSmX、CoNiX及びCoWX
(ここで、Xは、Ta、Pt、Au、Ti、V、Cr、
Ni、W、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Li、Si、B、Ca、As、Y、Zr、Nb、M
o、Ru、Rh、Ag、Sb及びHf等からなる群より
選ばれる1種又は2種以上の金属を示し、組成中同一元
素の組合せは除く)等で表されるCoを主成分とするC
o系の磁性合金等を好ましく挙げることができる。上記
磁性層の形成に際しては、これらを単独で又は2種以上
の混合物として用いることができる。これらの磁性合金
のうち、特に、CoCrPt含有合金(即ち、CoCr
Pt合金及び、CoCrPtを含有する四元系以上の合
金)を、Cr又はCrを含む二元合金からなる第2の下
地層と共に用いると、高SNm比化が一層図られるので
好ましい。該CoCrPt含有合金の例としては、Co
CrPt、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoC
rNiPt、CoCrNiPtTa、CoCrNiPt
B、CoCrPtBTaなどが挙げられるが、これらに
限定されない。
【0027】以上、上記第1工程及び第2工程について
詳述したが、本発明の方法においては、これらの工程に
加えて、上記磁性層上に保護層を形成する工程及び該保
護層上に潤滑剤層を形成する工程を行う。これら保護層
及び潤滑剤層の形成方法に特に制限はなく、従来公知の
方法を用いることができる。即ち、上記保護層の形成に
は、例えば、PVDやスピンコーティング等を用いるこ
とができる。該保護層は、耐摩耗性の観点から力学的強
度の高い材料で形成されていることが好ましく、具体的
な材質としては、例えば、Al、Si、Ti、Cr、Z
r、Nb、Mo、Ta、W等の金属の酸化物(酸化ケイ
素、酸化ジルコニウム等);該金属の窒化物(窒化ホウ
素等);該金属の炭化物(炭化ケイ素、炭化タングステ
ン等);ダイヤモンドライクカーボン等のカーボン(炭
素)及びボロンナイトライド等からなる群より選択され
る一種以上が用いられることが好ましい。また、上記材
料の中でも、カーボン、炭化ケイ素、炭化タングステ
ン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素又はこ
れらの複合材料が好ましく、更に好ましくはカーボンで
あり、中でも特にダイヤモンドライクカーボン及びガラ
ス状カーボンが好ましい。上記保護層の厚さは、5〜2
5nmであることが好ましいが、かかる範囲に限定され
ない。
【0028】また、上記潤滑剤層の形成について説明す
ると、該潤滑剤層は磁気記録媒体の走行性及び耐久性を
向上させるために用いられるものであり、例えば厚さが
5〜100Å程度になるように潤滑剤をスピンコーティ
ングやディップコーティング等の塗布手段で塗布するこ
とにより形成することができる。該潤滑剤としては、フ
ッ素系高分子を好適に用いることができる。該フッ素系
高分子としては、分子中に極性基を有するもの及び極性
基を有しないものの双方を単独で又は組み合わせて用い
ることができる。分子中に極性基を有する上記フッ素系
高分子としては、分子量が2000〜4000のパーフ
ロロポリエーテル系の高分子であって、末端に芳香族環
又はOH基を有するものが好ましく用いられる。より詳
細には、−(CF2 CF2 O)n−(CF2 O)m−骨
格を有し、末端に芳香族環又はOH基を有し、且つ分子
量が2000〜4000であるものが好ましい。具体例
としては、フォンブリンAM2001、フォンブリンZ
DOL(アオジモント社)等が挙げられる。一方、分子
中に極性基を有しない上記フッ素系高分子としては、分
子量が2000〜10000のパーフロロポリエーテル
系の高分子であって、末端にパーフルオロアルキル基を
有するものが好ましく用いられる。より詳細には、CF
3 −(CF2 CF2 O)n−(CF2 O)m−CF3
表わされ、分子量が2000〜10000であるものが
好ましい。具体例としては、フォンブリンZ03(アオ
ジモント社)等が挙げられる。
【0029】以上、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
ついて詳述したが、上記の他に特に詳述しなかった点に
ついては、従来公知の磁気記録媒体の製造方法に関する
説明が適宜適用される。
【0030】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例により更に具体
的に説明する。
【0031】〔実施例1〕密度1.5g/cm3 のアモ
ルファスカーボン基板(サイズ2.5インチ)を研磨
し、中心線平均粗さRaを1.0nmにした。該カーボ
ン基板を精密洗浄した後、これを静止対向型スパッタ装
置を用い、Arガス圧3mTorr、基板バイアス電圧
0V、基板温度 25 ℃の条件下でスパッタリング
し、上記カーボン基板上に厚さ30nmのCrからなる
第1の下地層を設けた。
【0032】次いで、上記第1の下地層が設けられたカ
ーボン基板を、上記静止対向型スパッタ装置内で、真空
度5×10-7Torrにて200℃に加熱した。
【0033】引き続き、上記第1の下地層が設けられた
カーボン基板を200℃に保ったままで、上記静止対向
型スパッタ装置を用い、Arガス圧3mTorr、基板
バイアス電圧−300Vの条件下でスパッタリングし、
該第1の下地層上に厚さ50nmのCrからなるの第2
の下地層を設けた。
【0034】次いで、上記第2の下地層が設けられたカ
ーボン基板を200℃に保ったまま、上記静止対向型ス
パッタ装置を用い、Arガス圧3mTorr、基板バイ
アス電圧−300Vの条件下でスパッタリングし、該第
2の下地層上に厚さ17nmのCoCr12Pt8 Ta2
(at%)からなる磁性層を設けた。
【0035】更に、上記磁性層が設けられたカーボン基
板を、上記静止対向型スパッタ装置を用い、Arガス圧
3mTorr、基板バイアス電圧0Vの条件下でスパッ
タリングし、該磁性層上にアルモファスカーボンからな
る厚さ15nmの保護層を設けた。
【0036】最後に、バーニッシュ後、上記保護層上
に、潤滑剤(アオジモント社製フォンブリンAM200
1)を厚さ2nmになるようにスピンコーティングし潤
滑剤層を設け、本発明の製造方法による磁気記録媒体で
ある磁気ディスクを得た。
【0037】〔実施例2〕上記第1の下地層がTiから
なる層である以外は実施例1と同様に操作を行い、磁気
ディスクを得た。
【0038】〔実施例3〕上記第1の下地層がWからな
る層である以外は実施例1と同様に操作を行い、磁気デ
ィスクを得た。
【0039】〔実施例4〕上記第2の下地層がCrTi
5 (at%)からなる層である以外は実施例1と同様に
操作を行い、磁気ディスクを得た。
【0040】〔実施例5〕上記磁性層がCoCr12Pt
6 4 (at%)からなる層である以外は実施例1と同
様に操作を行い、磁気ディスクを得た。
【0041】〔実施例6〕上記第1の下地層の形成後の
加熱温度並びに上記第2の下地層及び磁性層を形成する
際の加熱温度を400℃とした以外は実施例1と同様に
操作を行い、磁気ディスクを得た。
【0042】〔実施例7〕上記第1の下地層の形成後の
加熱温度並びに上記第2の下地層及び磁性層を形成する
際の加熱温度を350℃とした以外は実施例1と同様に
操作を行い、磁気ディスクを得た。
【0043】〔比較例1〕上記第1の下地層を形成しな
かった以外は実施例1と同様に操作を行い、磁気ディス
クを得た。
【0044】〔比較例2〕上記第1の下地層を形成しな
かった以外は実施例6と同様に操作を行い、磁気ディス
クを得た。
【0045】〔比較例3〕上記アモルファスカーボン基
板に代えてガラス基板を用いた以外は実施例1と同様に
操作を行い、磁気ディスクを得た。
【0046】〔比較例4〕第1の下地層形成時、カーボ
ン基板に200℃の温度をかけた以外は実施例1と同様
に操作を行い、磁気ディスクを得た。
【0047】<性能評価>上記実施例及び比較例で得ら
れた磁気記録媒体について、その性能を評価するため、
IND/MR複合ヘッドを用いて記録再生特性(線記録
密度70kfciでのSNm比)の評価を行った。その
結果を成膜条件と共に表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の方法(実施例1〜7)により製造された磁気ディス
クは、SNm比が35.5〜37.5であり高SNm比
が達成されることが判る。これに対して、比較例1〜4
の方法により製造された磁気ディスクではSNm比が3
3.0〜34.5であり高SNm比は達成されない。
【0050】
【発明の効果】以上、詳述した通り、基板としてカーボ
ン基板を用い、且つ下地層と磁性層とを特定条件下に形
成する本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、高S
Nm比化を達成し得る磁気記録媒体が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボン基板と、該基板上に設けられた
    下地層と、該下地層上に設けられた磁性層と、該磁性層
    上に設けられた保護層と、該保護層上に設けられた潤滑
    剤層とを具備する磁気記録媒体の製造方法において、 上記下地層及び上記磁性層の形成に際して、上記カーボ
    ン基板上に該カーボン基板を加熱しないで第1の下地層
    を形成した後、該第1の下地層が形成されたカーボン基
    板を所定温度に加熱した状態で該第1の下地層上に第2
    の下地層及び磁性層を順次形成することを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記加熱温度が120〜700℃であ
    る、請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第1の下地層がカーバイト形成金属
    又はカーバイト形成金属を含有する合金からなる、請求
    項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第2の下地層がCr又はCrを含有
    する二元合金からなり、且つ上記磁性層がCoCrPt
    含有合金からなる請求項1〜3の何れかに記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記第1の下地層の膜厚が5〜50nm
    であり、上記第2の下地層の膜厚が5〜50nmであ
    り、且つ上記磁性層の膜厚が5〜35nmである、請求
    項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1の下地層の形成を、1〜30m
    TorrのArガス圧、及び−300〜0Vの基板バイ
    アス電圧条件下におけるスパッタリングにより行う、請
    求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
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