JPH08338515A - 無段自動変速機の制御装置 - Google Patents
無段自動変速機の制御装置Info
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- JPH08338515A JPH08338515A JP8091159A JP9115996A JPH08338515A JP H08338515 A JPH08338515 A JP H08338515A JP 8091159 A JP8091159 A JP 8091159A JP 9115996 A JP9115996 A JP 9115996A JP H08338515 A JPH08338515 A JP H08338515A
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Abstract
について目標とする変速応答が得られるように変速比指
令値を演算する。 【解決手段】 無段変速機1と、その制御油圧を変速比
指令値に基づいて制御する変速制御弁2と、車両の運転
状態と無段変速機の実変速比を検出する検出手段3とを
備えるとともに、検出された運転状態から目標変速比を
設定する目標変速比設定部4と、変速比毎に無段変速機
の動特性に関わる定数を設定する動特性推定部5と、上
記実変速比と目標変速比と変速比毎の定数とに基づき、
変速制御弁2の開度を指令する変速比指令値を出力して
無段変速機1の変速比を制御する変速指令部6とを有す
る制御手段7を設ける。
Description
変速機の制御装置に関する。
いはフルードカップリング等の流体式伝動装置と、その
出力を無段階に変速する無段変速機を介して車両等の駆
動軸に伝動させるようにした無段自動変速機が知られて
いる。
無段変速機は、Vベルトとの接触プーリ幅が油圧に基づ
いて可変制御される駆動側と従動側の一対の可変プーリ
を備えており、各プーリのプーリ幅を油圧により相反的
に制御することにより変速比を変化させるようにしてい
る。その変速比は、例えば車速、エンジン回転速度、負
荷等の運転条件に応じて予め定めた所定のパターンにし
たがって変化するように、前記運転条件を検出しながら
各プーリへの変速制御弁の開度を加減することにより制
御される。
油圧可変プーリによる無段変速機を備えた自動変速機
は、車両の加速性能や燃費さらには快適性の向上等を目
的として、想定される運転条件に応じた適切な変速応答
特性が発揮されるように制御系が設計されている(特開
平3−121358号、同59−217047号公報等
参照)。
は、制御系が目標値として適切な変速比指令値を出力し
たとしても、無段変速機が必ずしも設計通りの変速応答
を示さず、したがって所期の制御効果が得られないとい
う問題が生じる。
プーリに付与される油圧力と変速比との関係が必ずしも
比例関係ではないことに加えて、ある変速比から異なる
変速比へと変速を行うときの変速比の動特性が、プーリ
に付加している油圧力つまり変速比によって作動油流量
が異なってくることから一様ではないことに原因してい
る。また、故障時等の変速動作を可能とするためにアッ
プシフト(増速)方向とダウンシフト(減速)方向とで
異なる特性を有する変速制御弁を適用した場合にも、変
速比の増減する方向によっても変速応答が異なることと
なり、目標とする変速制御特性からのずれを生じる結果
になる。
れたもので、確実に所期の変速応答が発揮される無段自
動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
示したように、Vベルトとの接触プーリ幅が油圧に基づ
いて可変制御される駆動側と従動側の一対の可変プーリ
を有する無段変速機1と、前記油圧を変速比指令値に基
づいて制御する変速制御弁2と、車両の運転状態と無段
変速機の実変速比を検出する検出手段3とを備えるとと
もに、検出された運転状態から目標変速比を設定する目
標変速比設定部4と、変速比毎に無段変速機の動特性に
関わる定数を設定する動特性推定部5と、上記実変速比
と目標変速比と変速比毎の定数とに基づき、変速比指令
値を出力して無段変速機1の変速比を制御する変速指令
部6とを有する制御手段7を設けるものとした。
その動特性推定部5に、検出変速比の変化に基づいて変
速方向を判定する手段を備え、この変速方向に応じて変
速比毎の定数を設定するものとした。
その動特性推定部5に、変速制御弁の増減圧状態に基づ
いて変速方向を判定する手段を備え、この変速方向に応
じて変速比毎の定数を設定するものとした。
御手段を、変速比指令値と実変速比とが比例関係となる
ように変速比指令値を変換する変換手段を備えたものと
した。
を、次の関係式(a)〜(c)から得られる駆動側プーリ間隔
の移動量Dsと変速比ipとの関係に基づき、変速比指令値
と変速比ipとの比例関係が成立するように、当該変速比
指令値の変換量を決定するものとした。
その変速制御弁を、変速比指令値に基づいて該変速制御
弁を駆動する駆動手段に、該駆動手段の変位と無段変速
機の駆動側プーリ変位との偏差を補償するリンクを介し
て連結する一方、変速制御弁の増減圧状態は、前記駆動
手段への指令値から推定した変速制御弁変位と、実変速
比から推定した駆動側プーリ変位との偏差に基づいて演
算するように構成するものとした。
その制御手段を、目標変速比と実変速比と変速比毎の動
特性に関わる定数とに基づいて無段変速機の動特性補償
出力を演算する動特性補償出力演算部と、無段変速機の
動特性に関わる定数に基づいて後述する外乱補償出力部
のローパスフィルタのカットオフ周波数を演算する外乱
補償定数演算部と、前記カットオフ周波数に基づきカッ
トオフ周波数が設定されるローパスフィルタに変速比指
令値を入力して第1の外乱補償出力を演算する第1の外
乱補償出力演算部と、前記第1の外乱補償出力演算部の
ローパスフィルタと同様の特性を有するローパスフィル
タに、前記動特性に関わる定数を用いたローパスフィル
タの逆系を掛け合わせたフィルタを構成し、実変速比を
入力として第2の外乱補償出力を演算する第2の外乱補
償出力演算部と、前記第2の外乱補償出力から第1の外
乱補償出力を差し引いて外乱補償出力を演算する外乱補
償出力部とを備え、変速指令部は前記動特性補償出力か
ら外乱補償出力を差し引いて駆動手段への指令値を演算
するように構成する一方、前記駆動手段への指令値から
第1の駆動手段変位を推定する第1の変位推定部と、前
記外乱補償出力から駆動手段変位の補正量を演算する変
位補正量演算部と、前記第1の駆動手段変位と変位補正
量とから第2の駆動手段変位を推定する第2の変位推定
部と、駆動側プーリ変位と前記第2の駆動手段変位との
偏差に基づいて変速制御弁の増減圧状態を推定する増減
圧状態推定部とを備えるものとした。
その変位補正量演算部を、外乱補償出力からローパスフ
ィルタを用いて外乱補償出力の定常値を演算する外乱補
償出力定常値演算部を備え、この外乱補償出力定常値か
ら駆動手段の変位補正量を演算するように構成するもの
とした。
に定まる動特性(ゲインまたは時定数)に応じた定数が
設定され、この制御定数を用いて変速比指令値が演算さ
れるので、任意の変速比からの変速時に予め目標とした
通りの変速応答で無段自動変速機の変速比を制御するこ
とが可能となる。
変速比毎にその変速方向に応じて定められるので、変速
方向によって無段変速機の動特性が異なるような場合に
もこれに対応して適切な変速制御を行わせることができ
る。
増減状態によって判定されるので、より精度の高い変速
制御が可能である。
が比例関係となるように変速制御弁に付与する変速比指
令値を変換するので、変速制御弁がそのストローク位置
や作動方向によって流量特性が異なるような構造のもの
であったり、あるいは制御系の作動に対して変速比が非
線形的に変化するような特性の変速機であったりして
も、適切な変速制御を行わせることができる。
無段変速機の可変プーリを変速制御弁を介して油圧制御
する場合に、可変プーリの移動量に対する変速比の変化
が比例関係に補償されるのでより適切な制御が可能とな
る。
の駆動手段の変位と駆動側プーリの変位との偏差によっ
て補正されるように互いにリンクを介して機械的に連結
された構成において、変速制御弁の増減圧状態が前記駆
動手段への指令値から推定した変速制御弁変位と、実変
速比から推定した駆動側プーリ変位との偏差に基づいて
演算されるので、変速制御弁の増減圧状態を正確に検出
して動特性に関する定数を適切に設定することができ
る。
御弁を駆動するステップモータ等の駆動手段に生じる誤
差や外乱の影響が排除されるので、こうした外乱に原因
する制御精度の悪化を回避してより信頼性と精度に優れ
た変速制御が可能となる。
る。
の縦断面構造を示す。これを説明すると、エンジン出力
軸10には流体式伝動装置としてのトルクコンバータ1
2が連結されている。流体式伝動装置としては、トルク
コンバータ12に代えてフルードカップリングあるいは
電磁クラッチ等が用いられる場合もある。
ッチ11を備えており、コンバータ室12cおよびロッ
クアップ油室12dの油圧を相反的に制御することによ
り、入力側のポンプインペラ12aと出力側のタービン
ランナ12bとを機械的に連結しまたは切り離し可能と
している。
3と連結され、回転軸13は前後進切換機構15と連結
されている。前後進切換機構15は、遊星歯車機構1
9、前進用クラッチ40、後退用ブレーキ50等から構
成されている。遊星歯車機構19の出力側は回転軸13
の外側に同軸的に嵌装された駆動軸14に連結されてい
る。駆動軸14には無段変速機17の駆動側プーリ16
が設けられている。
と従動側プーリ26と、駆動側プーリ16の回転力を従
動側プーリ26に伝達するVベルト24などからなって
いる。
回転する固定円錐板18と、固定円錐板18に対向配置
されてV字状プーリ溝を形成すると共に駆動側プーリシ
リンダ室20に作用する油圧によって駆動軸14の軸方
向に移動可能である可動円錐板22からなっている。駆
動側プーリシリンダ室20は、この場合室20aおよび
室20bの2室からなっており、後述する従動側プーリ
シリンダ室32よりも大きな受圧面積を有している。
られている。従動側プーリ26は、従動軸28と一体に
回転する固定円錐板30と、固定円錐板30に対向配置
されてV字状プーリ溝を形成すると共に従動側プーリシ
リンダ室32に作用する油圧によって従動軸28の軸方
向に移動可能である可動円錐板34とからなっている。
おり、この駆動ギヤ46はアイドラ軸52上のアイドラ
ギヤ48とかみ合っている。アイドラ軸52に設けられ
たピニオンギア54はファイナルギア44とかみ合って
いる。ファイナルギア44は差動装置56を介して図示
しない車輪に至るプロペラシャフトまたはドライブシャ
フトを駆動する。
力軸10から入力された回転力は、トルクコンバータ1
2および回転軸13を介して前後進切換機構15に伝達
され、前進用クラッチ40が締結されると共に後退用ブ
レーキ50が解放されている場合には一体回転状態とな
っている遊星歯車機構19を介して回転軸13の回転力
が同じ回転方向のまま無段変速機17の駆動軸14に伝
達され、一方前進用クラッチ40が解放されると共に後
退用ブレーキ50が締結されている場合には遊星歯車機
構19の作用により回転軸13の回転力は回転方向が逆
になった状態で駆動軸14に伝達される。
Vベルト24、従動側プーリ26、従動軸28、駆動ギ
ア46、アイドラギア48、アイドラ軸52、ピニオン
ギア54、およびファイナルギア44を介して差動装置
56に伝達される。前進用クラッチ40および後退用ブ
レーキ50の両方が解放されている場合には動力伝達機
構は中立状態となる。
リ16の可動円錐板22および従動側プーリ26の可動
円錐板34を軸方向に移動させてVベルト24との接触
位置半径を変えることにより、駆動側プーリ16と従動
側プーリ26とのあいだの回転比つまり変速比(減速
比)を変えることができる。例えば、駆動側プーリ16
のV字状プーリ溝の幅を拡大すると共に従動側プーリ2
6のV字状プーリ溝の幅を縮小すれば、駆動側プーリ1
6側のVベルト24の接触位置半径は小さくなり、従動
側プーリ26側のVベルト24のVベルトの接触位置半
径は大きくなるので、大きな変速比が得られることにな
る。可動円錐板22および34を逆方向に移動させれば
上記とは逆に変速比は小さくなる。
リ26のV字状プーリ溝の幅を変化させる制御は、次に
述べる制御系統を介しての駆動側プーリシリンダ室20
(20a,20b)または従動側プーリシリンダ室32
への油圧制御により行われる。
て上記した無段自動変速機の基本的な変速比制御を行う
機能を有する制御系統の概略を示す。なお、図2におい
て図1と対応する機構部分には同一の符号を付して示し
てある。
図において101はマイクロコンピュータ等からなる電
子制御部、102は各種油圧制御弁等からなる油圧制御
部を示しており、この制御系統では上記無段自動変速機
の制御手段は主としてこれら電子制御部101および油
圧制御部102によって構成されている。
中央演算部101A、中央演算部101Aにエンジンお
よび車両からの各種の運転状態信号を処理可能な形式に
変換して供給する入力部101B、および中央演算部1
01Aからの制御信号に基づいて油圧制御等のための各
種信号を出力する出力部101Cからなる。
料噴射量や点火時期を電子制御するためのコントロール
モジュール103によって利用される水温信号S1、ス
ロットル開度信号S2、エンジン回転信号S3、ABS
(アンチロックブレーキシステム)制御装置104から
のABS作動信号S4、車両の制動装置作動時に発せら
れる制動信号S5、セレクタレバー105の操作位置を
示す信号としてインヒビタスイッチから発せられるセレ
クタ位置信号S6、駆動側プーリ16の回転速度信号S
7(タービン回転速度信号)、従動側プーリ26の回転
速度信号S8(車速信号)などが入力し、これらの信号
を必要に応じて中央演算部101Aに供給する。
6、ライン圧制御部107、ロックアップ制御部108
からなり、それぞれ上記各種信号中から必要な所定の信
号を用いて制御信号を演算し、出力部101Cを構成す
るステップモータ駆動回路109、ライン圧ソレノイド
駆動回路110、ロックアップソレノイド駆動回路11
1を駆動することにより、無段変速機17の変速比、ラ
イン圧、ロックアップクラッチ11を制御する。
ル開度に代表されるエンジン負荷や回転速度、車速等に
応じて予め定められたパターンに従って変速が行われる
ようにステップモータ駆動回路109に制御信号を出力
する。この制御信号に基づき、ステップモータ駆動回路
109は油圧制御部102の変速制御弁112に連結し
たステップモータ113を駆動する。
モータ駆動回路109からの信号に対応した変速比とな
るように変速制御弁112を駆動し、駆動側プーリシリ
ンダ室20と従動側プーリシリンダ室32(図1参照)
に供給するライン圧を相反的に増減させる。変速制御弁
112にはリンク114を介して駆動側プーリ16の変
位つまり変速比がフィードバックされ、ステップモータ
113の位置に応じた目標とする変速比となったところ
で各プーリシリンダ室20,32への油圧分配が一定化
して当該目標変速比に安定するようになっている。
速比が制御されているとき、各プーリ16,26に供給
されるライン圧が過小であるとプーリ16,18とVベ
ルト24との間の摩擦力が不足してスリップが起こり、
その反対にライン圧が過大であると摩擦力が無用に大き
くなり、いずれの場合も車両の燃費や動力性能に悪影響
がおよぶ。そこで、運転状態に応じて過不足のない適切
な動力伝達が行えるように、ライン圧制御部107がラ
イン圧ソレノイド駆動回路110を介してライン圧を制
御するようにしている。
10は、油圧制御部102のライン圧ソレノイド115
の位置を駆動回路110からの制御信号に応じて制御
し、これに応じてライン圧ソレノイド115は、図示し
ない油圧ポンプからの油圧力を、モディファイア(圧力
制御弁)116およびレギュレータ(定圧弁)117を
介して目標とする適切なライン圧に調整して変速制御弁
112ないし各プーリ16,26に供給させる。
クアップクラッチ11を、例えば車速が所定値以上とな
ったときに接続し、車速が所定値以下となったときに解
放するように油圧制御を行う。
車速に応じてロックアップソレノイド駆動回路111を
介して油圧制御部102のロックアップソレノイド11
8を駆動し、これによりロックアップ制御弁119を切
換制御する。この場合、ロックアップ制御弁119は、
油圧ポンプからの油圧をロックアップクラッチ11を接
続すべくアプライ圧としてトルクコンバータ12のコン
バータ室12cに供給する系統と、同じく解放すべくリ
リース圧としてロックアップ油室12dに供給する系統
との2系等の相反的切換えを行うようになっている。つ
まり、ロックアップクラッチ11を接続するときにはコ
ンバータ室12cにアプライ圧を供給すると共にロック
アップ油室12dを開放し、ロックアップクラッチ11
を解放ときにはロックアップ油室12dにリリース圧を
供給すると共にコンバータ室12cを開放する。
の一例を示したものであり、本発明ではこのような無段
自動変速機において、無段変速機に固有の動特性に対応
した所期の変速応答が得られるように変速比指令値を設
定することにある。
御部106の第1の実施の形態としての構成例を機能ブ
ロック図として示したもので、これは主として上記第
1、第2、第4、第5の発明に対応するものである。図
において410は、スロットル開度信号S2、エンジン
回転信号S3など上述した各種の運転状態信号に基づい
て当該運転状態に対応する目標変速比ipTを演算する目
標変速比演算部、420は前記目標変速比ipTと実変速
比ipRとの比較に基づいて最終的な指令値としてのステ
ップモータ駆動信号Sθを出力する変速指令部、430
は駆動側プーリ16の回転速度信号S7と従動側プーリ
26の回転速度信号S8とから無段変速機の実変速比i
pRを演算する実変速比演算部である。変速指令部420
は、実変速比ipRをフィードバックして目標変速比ipTへ
と所定の特性で変速比が変化するように変速比指令値S
ipを演算する変速比指令値演算部440に加えて、この
演算結果をステップモータ113の角度位置に変換して
駆動信号Sθとして出力するステップモータ角位置調整
部450を備えている。
図4に示した流れ図に沿って説明すると、この制御で
は、所定の制御周期毎に変速制御を行うために待ち時間
を設定し、その経過を待ってまず無段変速機の入出力軸
回転数信号S7,S8に基づき、実変速比ipRを演算す
ると共に、このipRとその前回までの演算値との比較に
基づいて変速比が増加または減少の何れの方向に変化し
つつあるかを示す変速方向値Sdを設定する。(ステップ
101〜103)次に、運転状態信号により目標変速比
ipTを演算した後、無段変速機の機種毎に予め実験等に
より求めておいた変速比ipおよび変速方向Sd毎の動特性
GP(s)と、設計者が希望する変速応答GT(s)とから変速比
毎の制御定数C1(ip),C2(ip)を算出し、これらに基づい
て変速比指令値Sipを演算する。(ステップ104〜1
06) ここで、上記GP(s),GT(s),C1(ip),C2(ip),Sipはそ
れぞれ次の式(1)〜(5)により表される。
時定数 (図5参照) TT :設計目標に対応する時定数 L :無駄時間 s :微分演算子 t :時間(制御演算周期の現在時点) ipT(t):時間tにおける目標変速比 ipR(t):時間tにおける実変速比 である。
は無段変速機の変速比と変速方向毎の動特性を反映して
おり、すなわち任意の変速比および変速方向について当
初の目標通りの変速応答を代表している。ただし、一般
にステップモータ113の角位置と無段変速機の変速比
とは正比例関係に無いことから、この場合ステップモー
タ角位置つまりその駆動信号Sθを前記比例関係が成立
するように変速比指令値Sipに対応した値に変換して出
力するようにしている。(ステップ107〜109)次
の式(6)~(8)はこの変換のための関係式を示しており、
この場合、ステップモータ角に対応する駆動側プーリ間
隔の移動量Dsと変速比ipとの関係に基づき、変速比指令
値と変速比ipとの比例関係が成立するように当該変速比
指令値の変換量を決定するものとしている。
あるから、制御の都度この変換式に基づいて変換量を演
算するのではなく、予め演算しておいた結果を図6に例
示したようにマップ化したものや、あるいは実測結果に
基づいて得た変換量をマップ化したものを読み出すよう
に構成してもよい。図7は、このようにマップの読み出
しにより変換量を決定するようにした場合の制御概念を
ブロック図として示したものである。また、上記変換量
は可変プーリを備えた無段変速機のプーリ位置と変速比
との関係を規定することを目的として設定されるもので
あるが、例えば変速制御弁がそのストローク位置や作動
方向によって流量特性が異なってくるようなものである
場合には、その特性変化に伴う変速制御弁位置と変速比
との間に生じる非線形関係を補償するために同様の変換
を行うようにするとよい。
する変速応答を、 GT(s) = exp(-0.09s)/(0.3s + 1) として制御系を設計してシミュレーションを行った結果
を示したもので、図示したように目標通りの変速応答が
得られることがわかる。
上述したものに限られるものではなく、例えば次の式
(9)のような演算式によって求めるようにしてもよい。
図9は前記演算式に対応する制御概念のブロック図であ
る。
であり、右辺のSip(t)は指令値の前回値である。
ドフォワード補償器により所望の変速応答を実現するこ
ともできる。図10はこの場合の制御概念を示すブロッ
ク図である。
様な手法にて算出することにより所望の変速応答を得る
ことが可能である。
する。これは主として上記第3、第6〜第8の発明に対
応する内容を有するものであり、すなわち無段変速機の
動特性を代表する制御定数を変速方向ごとに決定するに
当たり、変速制御弁の増減圧状態に基づいて変速状態を
判定するようにした点に特徴がある。
な変化に伴う変速比のハンチングを防止するためにヒス
テリシスを与えることが望ましいのであるが、その場合
には変速比の緩やかな増減に対して応答遅れを生じる可
能性がある。これに対して、この第2の実施の形態によ
れば変速制御弁の増減圧状態から動特性を推定するの
で、変速状態をより確実に判定して的確な変速応答を実
現することが可能である。
106の機能をブロック図にて示したもので、基本的に
目標変速比演算部410、変速指令部420、実変速比
演算部430からなる点においては図3に示したものと
同様である。ただし、変速指令部420が、動特性補償
出力演算部440、外乱補償出力部(第1の外乱補償出
力演算部451と第2の外乱補償出力演算部452とか
らなる)450、変速制御弁開口方向演算部460、増
減圧状態判定部470、制御対象特性演算部480、動
特性補償定数演算部490、外乱補償定数演算部50
0、変速比指令値変換部510、ステップモータ角位置
調整部520から構成されている点で異なる。これらに
よる制御動作の詳細は以下のとおりである。
準モデルとして、まず無段変速機の動特性GP(s)が次の
式(11)で表される。
り、変速比のみならず変速制御弁の増減圧状態(変速制
御弁112の変速指令スプール変位)毎に変化する定数
として設定されている点である。
ビン回転速度信号から実変速比ipRを演算する。ここで
上記時定数TP(ip,Pd)を決定するにあたり、変速制御弁
開口方向演算部460および増減圧状態判定部470に
て、変速制御弁の増減圧状態を判定する。増減圧状態は
変速制御弁の開口方向(増圧側、減圧側)によって決ま
るので、変速制御弁変位から判定できる。変速制御弁変
位は、変速制御弁の変速指令スプール変位および駆動側
プーリ変位から、次に示す式に基づき算出する。すなわ
ち、まず駆動側プーリ変位Xppは実変速比ipRから式(1
2),(13)を用いて作成したマップあるいは実験データを
用いて作成したマップ(図12参照)から求める。なお
式中の記号の意味は式(6),(7)と同一である。
るステップモータの角位置指令値Sθと角位置θが一致
している場合、次の式(14)に基づき算出することができ
る。
ール変位量である。
や機械的なガタに原因して、あるいはステップモータ部
の制御をフィードフォワード制御とした場合には、角位
置指令値Sθと実角位置θとの間にズレが生じる可能性
がある(このズレを「脱調」という)。したがって、脱
調によって生じる変位分を考慮して変速指令スプール変
位を算出するのがより望ましい。そこで、脱調による変
速指令スプール変位を後述する外乱補償出力から推定
し、次式(15)から求めた値に補正を施すことにより、変
速指令スプール変位を算出するように図る。脱調による
変速指令スプール変位は定常的に生じる外乱と考えるこ
とができるので、この変位分Xerrは、外乱補償出力Si
pDに例えば式(16)に示すようなローパスフィルタをかけ
ることにより算出した外乱出力定常値SipDTから、上述
した駆動側プーリ変位の算出と同様にして、例えば図1
2と同様のマップから求めることができる。
る。
変位Xsccは、次式(17)に基づき算出する。
変位Xpp,および変速指令スプール変位Xsccから、次式
(18)に基づき算出することができる。
予めパラメータ同定実験に基づき作成しておいた時定数
マップ(図5参照)を用いて時定数Tpを求める。
設計者が希望する動特性GT(s)が次式(19)で与えられる
と、以後の式(20)〜(23)に基づき、動特性補償器出力S
ipAを算出する。
応答の時定数 SipT :目標変速比である。
機の動特性を基準モデルとして、この基準モデルが量産
バラツキ(パラメータ変動)やステップモータの脱調等
の外乱により乱されるのを除去するように設計される。
この場合、外乱補償出力部450は、変速比指令値Si
pc、実変速比ipRより、次式(24)から外乱補償出力SipD
を算出する。
カットオフ周波数であり、無段変速機の動特性と制御系
の安定性(例えばゲイン余裕12dB以上、位相余裕45
度以上)が満足されるように算出される。
に基づき、変速比指令値Sipcは次式(25)から算出され
る。
とにより、パラメータ変動や外乱の影響を受けにくい、
設計者が希望する変速応答が精度よく得られるようにな
る。ただし、変速比に対するステップモータの角位置は
正比例関係にはないので、既述した式(6),(7)の関係な
いしは図6のようなマップを用いて、変速比指令値変換
部510において、変速比指令値Sipcに対応したステ
ップモータ角位置指令値Sθとなるように変換が行われ
る。
効果を示したもので、キックダウン加速により変速比が
急速にダウンシフト方向(変速制御弁の減圧方向)に変
化し、その後加速が終了して変速比が緩やかにアップシ
フト方向(同じく増圧方向)に変化する運転状態での変
速応答をシミュレートしたものである。図13は第1の
実施の形態による変速応答を示しており、全体としてお
おむね目標通りの変速応答を示しているが、ダウンシフ
トからアップシフトに転じて変速比が緩やかに増大し始
める領域およびそれ以後の応答にやや遅れを生じてい
る。これに対して図14は第2の実施の形態による変速
応答を示しており、アップシフトに転じてからも目標に
対して忠実に変速比が変化していることが分かる。
ば、無段変速機の変速比毎に定まる動特性に対応する定
数を用いて変速比指令値を演算するようにしたので、変
速時の応答特性を常に目標通りに制御して自動変速機の
制御をより適切かつ正確に行うことができる。
速機の動特性に関わる定数を変速比毎にその変速方向に
応じても定めるものとしたので、ダウンシフトかアップ
シフトかの変速方向によって無段変速機の動特性が異な
るような場合にもこれに対応して適切な変速制御を行わ
せることができる。
性に関わる定数を変速制御弁の増減状態に応じて判定す
るようにしたので、目標とする変速応答に対してより精
度の高い変速制御を行わせることができる。
速比指令値と実変速比が比例関係となるように変速比指
令値を変換するようにしたので、変速比指令値を当該指
令値に対して比例関係で変速比が変化するものとして演
算でき、したがって制御系の構成を一般化して構成の簡
略化を図りつつ無段変速機の変速比を適切に制御するこ
とができる。
が、その駆動手段の変位と駆動側プーリの変位との偏差
によって補正されるように互いにリンクを介して機械的
に連結された構成において、変速制御弁の増減圧状態を
前記駆動手段への指令値から推定した変速制御弁変位
と、実変速比から推定した駆動側プーリ変位との偏差に
基づいて演算することにより、無段変速機の変速方向を
示す変速制御弁の増減圧状態を判定するようにしたの
で、変速比が緩やかに変化するような運転状態において
もこれを確実に変速制御に反映させて精度の高い変速応
答性を発揮させることができる。
段変速機の動特性に関わる定数に対して外乱補償を施す
ことにより、変速制御弁を駆動するステップモータ等の
駆動手段に生じる誤差や外乱の影響を排除するようにし
たので、こうした外乱に原因する制御精度の悪化をも回
避してさらに信頼性と精度に優れた変速応答特性が得ら
れる。
面図。
向毎に示した特性線図。
た特性線図。
ク図。
ション結果を示す特性線図。
ロック図。
に示すブロック図。
成を示すブロック図。
特性線図。
ーション結果を示す特性線図。
ーション結果を示す特性線図。
Claims (8)
- 【請求項1】 Vベルトとの接触プーリ幅が油圧に基づ
いて可変制御される駆動側と従動側の一対の可変プーリ
を有する無段変速機と、前記油圧を変速比指令値に基づ
いて制御する変速制御弁と、車両の運転状態と無段変速
機の実変速比を検出する検出手段とを備えるとともに、 検出された運転状態から目標変速比を設定する目標変速
比設定部と、変速比毎に無段変速機の動特性に関わる定
数を設定する動特性推定部と、上記実変速比と目標変速
比と変速比毎の定数とに基づき、変速比指令値を出力し
て無段変速機の変速比を制御する変速指令部とを有する
制御手段を設けたことを特徴とする無段自動変速機の制
御装置。 - 【請求項2】 動特性推定部は、検出変速比の変化に基
づいて変速方向を判定する手段を備え、この変速方向に
応じて変速比毎の定数を設定することを特徴とする請求
項1に記載の無段自動変速機の制御装置。 - 【請求項3】 動特性推定部は、変速制御弁の増減圧状
態に基づいて変速方向を判定する手段を備え、この変速
方向に応じて変速比毎の定数を設定することを特徴とす
る請求項1に記載の無段自動変速機の制御装置。 - 【請求項4】 制御手段は、変速比指令値と実変速比が
比例関係となるように変速比指令値を変換する変換手段
を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れ
かに記載の無段自動変速機の制御装置。 - 【請求項5】 変換手段は、次の関係式(a)〜(c)から得
られる駆動側プーリ間隔の移動量Dsと変速比ipとの関係
に基づき、変速比指令値と変速比ipとの比例関係が成立
するように、当該変速比指令値の変換量を決定するもの
としたことを特徴とする請求項4に記載の無段自動変速
機の制御装置。 ri={Ds/2tan(β)}+rio … (a) ro=[2ri-πDc+{(2ri-πDc)2-4(ri 2+Dcri+Dc(2Dc-LB))}1/2]/2 … (b) ip=ro/ri … (c) ただし、ri :駆動側プーリのベルト接触部の半径 rio:駆動側プーリの最小半径 ro :従動側プーリのベルト接触部の半径 Dc :駆動側プーリと従動側プーリとの軸間距離 LB :ベルトの周長 β :プーリのシーブ角 である。 - 【請求項6】 変速制御弁は、変速比指令値に基づいて
該変速制御弁を駆動する駆動手段に、該駆動手段の変位
と無段変速機の駆動側プーリ変位との偏差を補償するリ
ンクを介して連結される一方、変速制御弁の増減圧状態
は、前記駆動手段への指令値から推定した変速制御弁変
位と、実変速比から推定した駆動側プーリ変位との偏差
に基づいて演算するように構成されていることを特徴と
する請求項3に記載の無段自動変速機の制御装置。 - 【請求項7】 制御手段は、目標変速比と実変速比と変
速比毎の動特性に関わる定数とに基づいて無段変速機の
動特性補償出力を演算する動特性補償出力演算部と、 無段変速機の動特性に関わる定数に基づいて後述する外
乱補償出力部のローパスフィルタのカットオフ周波数を
演算する外乱補償定数演算部と、 前記カットオフ周波数に基づきカットオフ周波数が設定
されるローパスフィルタに変速比指令値を入力して第1
の外乱補償出力を演算する第1の外乱補償出力演算部
と、 前記第1の外乱補償出力演算部のローパスフィルタと同
様の特性を有するローパスフィルタに、前記動特性に関
わる定数を用いたローパスフィルタの逆系を掛け合わせ
たフィルタを構成し、実変速比を入力として第2の外乱
補償出力を演算する第2の外乱補償出力演算部と、 前記第2の外乱補償出力から第1の外乱補償出力を差し
引いて外乱補償出力を演算する外乱補償出力部とを備
え、 変速指令部は前記動特性補償出力から外乱補償出力を差
し引いて駆動手段への指令値を演算するように構成され
る一方、 前記駆動手段への指令値から第1の駆動手段変位を推定
する第1の変位推定部と、 前記外乱補償出力から駆動手段変位の補正量を演算する
変位補正量演算部と、 前記第1の駆動手段変位と変位補正量とから第2の駆動
手段変位を推定する第2の変位推定部と、 駆動側プーリ変位と前記第2の駆動手段変位との偏差に
基づいて変速制御弁の増減圧状態を推定する増減圧状態
推定部とを備えることを特徴とする請求項3に記載の無
段自動変速機の制御装置。 - 【請求項8】変位補正量演算部は、外乱補償出力からロ
ーパスフィルタを用いて外乱補償出力の定常値を演算す
る外乱補償出力定常値演算部を備え、この外乱補償出力
定常値から駆動手段の変位補正量を演算するように構成
されていることを特徴とする請求項7に記載の無段自動
変速機の制御装置。
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- 1996-04-12 JP JP09115996A patent/JP3161326B2/ja not_active Expired - Lifetime
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