JP2000081124A - Vベルト式無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

Vベルト式無段変速機の変速制御装置

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JP2000081124A
JP2000081124A JP10253832A JP25383298A JP2000081124A JP 2000081124 A JP2000081124 A JP 2000081124A JP 10253832 A JP10253832 A JP 10253832A JP 25383298 A JP25383298 A JP 25383298A JP 2000081124 A JP2000081124 A JP 2000081124A
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moving speed
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target moving
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動プーリの目標移動速度を変速比に応じて
制御することにより、Vベルトに生じる滑りを防止する
と共に、変速応答性を向上させる。 【解決手段】 可動プーリの目標速度Vo は、目標変速
比io =i1 になるまでVo =V1 (t)を維持し、目
標変速比io =i1 〜i2 までの範囲内では、Vo =V
2 (t)を維持する。但し、目標変速比io =i2 を越
えると、Vo =V3 (t)に沿って制御する。所定の目
標変速比ix 近傍(i1 <io <i2 )における目標速
度Vo をそれ以外の変速比における目標移動速度よりも
相対的に小さく設定するから、変速制御実施時に可動プ
ーリの実速度Vが極大となる所定変速比ix 近傍の移動
速度だけが選択的に低減され、可動プーリ12の実移動
速度Vは、Vベルト5が滑りを発生し始める滑り限界速
度Vs 以下の一定値となる。従って、可動プーリ12の
実移動速度Vを常に滑り限界速度Vs 以下に押さえてV
ベルト5の滑りを確実に防止すると共に、実移動速度V
をほぼ一定に制御することで変速時間Tが短縮するため
変速応答性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーボ機構によっ
て、車両の運転状態に応じて決定された目標変速比位置
まで目標とする移動速度で可動プーリを変位させること
により、無段階に変速を行うVベルト式無段変速機の変
速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機および、その変速
制御装置には、例えば、本出願人による特公昭63−4
2147号公報に記載のものがある。Vベルト式無段変
速機は一般に、回転シャフトと一体に回転する固定プー
リと、サーボ機構によって前記回転シャフト上を移動可
能な可動プーリとを具えた入力側可変プーリおよび出力
側可変プーリを有し、これら入出力側プーリ間にVベル
トを掛け渡したものである。
【0003】サーボ機構は、例えば、ポンプ吐出圧を元
圧として調圧されたライン圧PL を出力するライン圧供
給手段と、該ライン圧PL を元圧として調圧された変速
油圧Pi を出力するソレノイド制御による変速制御弁と
で構成され、入力側可変プーリに変速油圧Pi を供給す
ると共に、出力側可変プーリにライン圧PL を供給する
ことにより、入力側可変プーリおよび出力側可変プーリ
のプーリ溝幅を変更する。なお、変速制御弁2およびソ
レノイド4には、例えば、特公昭63−42147号公
報に記載のものがある。
【0004】また変速制御装置としては、例えば、入力
側回転センサおよび出力側回転センサから入力側可変プ
ーリの回転Ninおよび出力側可変プーリの回転Nout を
読み込むと共に、運転者の操作に応じたインヒビタスイ
ッチからの信号Iおよびスロットル開度TVOと、エン
ジン回転Ne とをそれぞれ読み込むCVTコントロール
ユニットを具える。CVTコントロールユニットは、イ
ンヒビタスイッチ信号I、スロットル開度TVOおよび
エンジン回転Ne を基に目標とする変速比ioを算出
し、この目標変速比io に対応する入力側可動プーリの
目標変位量Xo を算出する一方、入力回転Ninおよび出
力回転Nout を基にして実際の変速比iを算出し、この
実変速比iに対応する入力側可動プーリの軸方向変位量
Xを算出する。
【0005】従ってVベルト式無段変速機の変速制御
は、実変速比iを目標変速比io に一致させるよう変速
制御弁から出力された変速油圧Pi を制御し、目標変速
比ioに対応する目標変位Xo まで入力側可動プーリを
移動させて入出力側可変プーリの溝幅を変更することに
より行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
変速制御装置においては、急変速時における入力側可変
プーリの目標移動速度Vo を変速比に関わらず一定に設
定していたため、油圧の立ち上がり遅れ等の影響によ
り、変速過渡時には、実際の入力側可動プーリの移動速
度Vが、特定の変速比ix 近傍で極大となり、この変速
比ix 近傍でVベルトの滑りが発生するという問題があ
った。加えて、Vベルトの滑りを抑制するためには、入
力側可動プーリの最大目標移動速度Vomaxを所定の値よ
りも低く設定する必要があり、これ以上の変速応答性の
向上が困難であった。
【0007】図8は、変速比i=0.4〜2.4までの
急減速(ダウンシフト)を指令したときの入力側可動プ
ーリの移動速度と変位、並びに変速比の制御目標値と、
実際の応答波形との一例を対比して示したものである。
【0008】図8(a)において、破線Vo は入力側可
動プーリの目標移動速度Vo を示し、実線Vは目標移動
速度Vo に対する実際の移動速度Vである応答波形を示
す。なお、一点鎖線Vs は、Vベルトがプーリ間で滑ら
ないための滑り限界速度Vsである。図8(b)では、
破線Xo は目標とするプーリ変位Xo を示し、実線Xは
実際のプーリ変位Xを示す。図8(c)では、破線io
は目標とする変速比io を示し、実線iは実際の変速比
iを示す。
【0009】目標移動速度Vo は、図8(a)の破線V
o に示すように、変速開始時間t=0から変速が終了す
る時間まで一定に設定されているが、実際の移動速度V
は、図8(a)の実線Vに示すように、制御目標Vo に
対してかなりの遅れを生じる。また入力側可動プーリの
移動速度Vは図8(a)に示すように、変速比ix =1
近傍では極大値Vmax を取るような特性を示し、入力側
可動プーリの移動速度Vを実際に一定することは困難で
あると共に、滑り限界速度Vs を越える極大値Vmax 近
傍(斜線領域)ではVベルトがプーリ間で滑りを生じ
る。従って入力側可動プーリの目標変位Xo も、図8
(b)の破線Xo に示すように設定されているが、実際
の応答波形は、実線Xに示すように実変速比i=1近傍
で反曲点を有するS字状の曲線となる。
【0010】これを解消するために、入力側可動プーリ
の目標移動速度Vo を増大させると、変速時間Tが短縮
するものの、目標移動速度Vo の応答波形は振幅の大き
な波形となるため、入力側可動プーリの実移動速度Vが
滑り限界速度Vs を越えてVベルトに滑りを生じてしま
う。逆に、入力側可動プーリの目標移動速度Vo を減少
させると、目標移動速度Vo の応答波形は振幅の小さな
波形となるため、入力側可動プーリの実移動速度Vが減
少するものの、目標移動速度Vo が変速比によらない一
定値であるため、目標移動速度Vo を設定する際には、
実移動速度Vが滑り限界速度Vs よりも低い速度になる
ように抑えなければならない。
【0011】このため、図9(a)の破線Vo で示すよ
うに、Vベルトが滑りを発生し始める入力側可動プーリ
の移動速度を滑り限界速度Vs と定義し、その範囲内で
速度制御するのが一般的であった。従って、入力側可動
プーリの目標移動速度Vo が滑り限界速度Vs を越える
ような設定を行うことができず、これ以上、変速応答性
を向上させることが困難であった。例えば、滑り限界速
度Vs がVs =2.0の場合、目標移動速度をVo =
2.5に設定すると、実移動速度Vの最大値が滑り限界
速度Vs を越えてしまうため、Vベルトが滑りを生じ
る。これに対して、図9に示すように目標の移動速度V
o を滑り限界速度Vs =2.0以下の値に設定すると、
実移動速度Vの最大値が滑り限界速度Vs を越えないた
め、Vベルトの滑りを防止できるものの、変速時間は図
8のT3 =1.22からT4 =1.46に増加してしま
う。
【0012】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、急変速時に可動プーリが実際に移動するときの速
度を常にVベルトの滑り限界速度以下に抑えてVベルト
の滑りを防止すると共に、可動プーリにおける実際の移
動速度をほぼ一定に制御することで変速応答性を向上さ
せることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的のため、第1発
明であるVベルト式無段変速機の変速制御装置は、サー
ボ機構によって、車両の運転状態に応じて決定された目
標変速比位置まで目標とする移動速度で可動プーリを変
位させることにより、回転シャフトと一体の固定プーリ
と前記可動プーリとの間のプーリ溝幅を変更して無段階
に変速を行うVベルト式無段変速機の変速制御装置にお
いて、所定の変速比ix 近傍における可動プーリの目標
移動速度を、それ以外の変速比における目標移動速度よ
りも相対的に小さく設定することを特徴とするものであ
る。
【0014】第2発明であるVベルト式無段変速機の変
速制御装置は、サーボ機構によって、車両の運転状態に
応じて決定された目標変速比位置まで目標とする移動速
度で可動プーリを変位させることにより、回転シャフト
と一体の固定プーリと前記可動プーリとの間のプーリ溝
幅を変更して無段階に変速を行うVベルト式無段変速機
の変速制御装置において、所定の変速比ix に到達する
までの可動プーリの目標移動速度を、それ以外の変速比
における目標移動速度よりも相対的に小さく設定するこ
とを特徴とするものである。
【0015】第3発明である変速制御装置は、第1発明
において、Vベルトの潤滑油温またはオイルパン油温が
所定の値よりも低い場合にだけ、前記所定の変速比ix
近傍における可動プーリの目標移動速度を、通常の目標
移動速度よりも低下させることを特徴とするものであ
る。
【0016】第4発明である変速制御装置は、第2発明
において、Vベルトの潤滑油温またはオイルパン油温が
所定の値よりも低い場合にだけ、前記所定の変速比ix
に到達するまでの前記可動プーリの目標移動速度を、通
常の目標移動速度よりも低下させることを特徴とするも
のである。
【0017】第5発明である変速制御装置は、第1また
は第3発明において、前記可動プーリの目標移動速度が
所定の値よりも大きい場合にだけ、前記所定の変速比i
x 近傍における目標移動速度を、通常の目標移動速度よ
りも低下させることを特徴とするものである。
【0018】第6発明である変速制御装置は、第2また
は第4発明において、前記可動プーリの目標移動速度が
所定の値よりも大きい場合にだけ、前記所定の変速比i
x に到達するまでの目標移動速度を、通常の目標移動速
度よりも低下させることを特徴とするものである。
【0019】第7発明である変速制御装置は、第1乃至
第6発明のいずれか一発明において、前記所定の変速比
ix が、少なくとも、 ix =1 ・・・(1) であることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】従って第1発明のVベルト式無段変速機
の変速制御装置によれば、所定の変速比ix 近傍におけ
る可動プーリの目標移動速度を、それ以外の変速比にお
ける目標移動速度よりも相対的に小さく設定するから、
変速制御実施時に可動プーリの移動速度が極大となる前
記所定変速比ix 近傍の移動速度だけが選択的に低減さ
れ、前記可動プーリが実際に移動する速度は、Vベルト
が滑りを発生し始める滑り限界速度以下の概略一定値と
なる。従って、可動プーリが実際に移動するときの速度
を常にVベルトの滑り限界速度以下に押さえてVベルト
の滑りを確実に防止すると共に、可動プーリにおける前
記実移動速度をほぼ一定に制御することで変速時間が短
縮するため変速応答性が向上する。
【0021】第2発明のVベルト式無段変速機の変速制
御装置によれば、所定の変速比ixに到達するまでの可
動プーリの目標移動速度を、それ以外の変速比における
目標移動速度よりも相対的に小さく設定するから、変速
制御実施時に可動プーリの移動速度が極大となる前記所
定変速比ix までの移動速度だけが選択的に低減され、
前記可動プーリが実際に移動する速度は、Vベルトが滑
りを発生し始める滑り限界速度以下の概略一定値とな
る。従って、可動プーリが実際に移動するときの速度を
常にVベルトの滑り限界速度以下に押さえてVベルトの
滑りを確実に防止すると共に、可動プーリにおける前記
実移動速度をほぼ一定に制御することで変速時間が短縮
するため変速応答性が向上する。
【0022】第3発明の変速制御装置によれば、第1発
明において、Vベルトの潤滑油温またはオイルパン油温
が所定の値よりも低い場合にだけ、前記所定の変速比i
x 近傍における可動プーリの目標移動速度を、通常の目
標移動速度よりも低下させるから、前記所定の変速比i
x 近傍において、Vベルトとプーリ面との間の摩擦係数
の低下に伴い前記滑り限界速度が減少する低油温時に限
定して変速時間の増加により起きる変速応答性の悪化を
改善することができる。
【0023】第4発明の変速制御装置によれば、第2発
明において、Vベルトの潤滑油温またはオイルパン油温
が所定の値よりも低い場合にだけ、前記所定の変速比i
x に到達するまでの前記可動プーリの目標移動速度を、
通常の目標移動速度よりも低下させるから、前記所定の
変速比ix に到達するまでの間、Vベルトとプーリ面と
の間の摩擦係数の低下に伴い滑り限界速度が減少する低
油温時に限定して変速時間の増加により起きる変速応答
性の悪化を改善することができる。
【0024】第5発明の変速制御装置によれば、第1ま
たは第3発明において、前記可動プーリの目標移動速度
が所定の値よりも大きい場合にだけ、前記所定の変速比
ix近傍における目標移動速度を通常の目標移動速度よ
りも低下させるから、可動プーリの目標移動速度が十分
小さく、実際の可動プーリの移動速度が目標移動速度に
十分追従できる場合には、可動プーリの目標移動速度を
変速途中に変化させない。このため、変速中に発生する
段付き感などの変速ショックを防止することができる。
【0025】第6発明の変速制御装置によれば、第2ま
たは第4発明において、前記可動プーリの目標移動速度
が所定の値よりも大きい場合にだけ、前記所定の変速比
ixに到達するまでの目標移動速度を通常の目標移動速
度よりも低下させるから、可動プーリの目標移動速度が
十分小さく、実際の可動プーリの移動速度が目標移動速
度に十分追従できる場合には、可動プーリの目標移動速
度を変速途中に変化させない。このため、変速中に発生
する段付き感などの変速ショックを防止することができ
る。
【0026】第7発明の変速制御装置によれば、第1乃
至第6発明のいずれか一発明において、前記所定の目標
変速比ix は、少なくとも、 ix =1 ・・・(1) であるから、最小変速比(OD:オーバードライブ)か
ら最大変速比(最Lo:最大Low)まで一気に変速す
るような足離し状態からのアクセル踏み込みによるキッ
クダウンやパニックブレーキ時など、可動プーリの移動
速度が極大になりやすい変速比i=1近傍で、可動プー
リの実移動速度を確実に低減することができる。このた
め、車両において可動プーリの移動速度が最大となり易
い変速比i=1近傍におけるVベルトの滑りを効果的に
抑制することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明であるVベル
ト式無段変速機の変速制御装置の一実施形態を示したシ
ステム図である。Vベルト式無段変速機1は、トルクコ
ンバータ30を経て入力されたエンジン回転Ne を入力
側のプライマリ可変プーリ10に入力し、この可変プー
リ10の入力回転をVベルト5を介して出力側のセカン
ダリ可変プーリ20に出力する。
【0028】プライマリ可変プーリ10は、トルクコン
バータ30の出力シャフト30fと一体に回転するプラ
イマリ固定プーリ11と、該シャフト30f上に沿って
移動可能なプライマリ可動プーリ12と、この可動プー
リ12の後方に設けられたプライマリ可変プーリピスト
ン室13とを有し、可動プーリ12は、油圧コントロー
ルユニット3からプライマリ可変プーリピストン室13
に供給される変速油圧Pi の変化に応じて移動する。
【0029】セカンダリ可変プーリ20は、車軸に連結
されるシャフトと一体に回転するセカンダリ固定プーリ
21と、該シャフト上に沿って移動可能なセカンダリ可
動プーリ22と、この可動プーリ22の後方に設けられ
たセカンダリ可変プーリピストン室23とを有し、可動
プーリ22は、油圧コントロールユニット3からセカン
ダリ可変プーリピストン室23に供給されるライン圧P
L の変化に応じて移動する。
【0030】油圧コントロールユニット3は、少なくと
も、変速制御弁2およびライン圧供給手段(図示せず)
を具え、オイルポンプ40の吐出圧をライン圧供給手段
を通じて所定のライン圧PL に調圧し、このライン圧P
L をセカンダリプーリピストン室23および変速制御弁
2に供給する。なお、変速制御弁2およびソレノイド4
には、例えば、特公昭63−42147号公報に記載の
ものがある。
【0031】CVTコントロールユニット100は、マ
イクロコンピュータを主体に構成され、入力側回転セン
サ6および出力側回転センサ7から入力回転Ninおよび
出力回転Nout を読み込むと共に、運転者の操作に応じ
たインヒビタスイッチ8からの信号Iおよびアクセルペ
ダル9の踏込み量に応じて変化するスロットル開度TV
Oと、エンジンコントロールユニット200で検出され
たエンジン回転Ne とをそれぞれ読み込み、インヒビタ
スイッチ信号I、スロットル開度TVOおよびエンジン
回転Ne を基に目標とする変速比io を算出し、この目
標変速比io に対応するプライマリ可動プーリ12の目
標変位Xo を算出する一方、入力回転Ninおよび出力回
転Nout を基にして実際の変速比iを算出し、この実変
速比iに対応するプライマリ可動プーリ12の実変位X
を算出する。
【0032】本発明によれば、プライマリ可動プーリ1
2の目標移動速度Vo は、上記実変位Xと目標変位Xo
との偏差に基づいて演算する。つまり、プライマリ可動
プーリ12の目標移動速度Vo は、実変速比iと目標変
速比io とに基づいて演算される。
【0033】従って、Vベルト式無段変速機1の変速制
御は、実変速比iを目標変速比ioに一致させるように
変速制御弁2から出力された変速油圧Pi を制御し、プ
ライマリ可動プーリ12を目標移動速度Vo で目標変速
比io に対応する目標変位Xo まで移動させてプライマ
リ可変プーリ10およびセカンダリ可変プーリ20のプ
ーリ溝幅を変更することにより行われる。
【0034】次に、図面を参照し、本実施形態の作用を
詳細に説明する。
【0035】図2は、所定の変速比ix 近傍におけるプ
ライマリ可動プーリ12の目標移動速度を、それ以外の
変速比における設定速度よりも相対的に小さく設定した
場合を説明する第1のフローチャートである。
【0036】まずステップ50にて、運転者によるアク
セルペダル9の操作に応じたスロットル開度TVO、運
転者のレバー操作に応じた変速モードなどを示すインヒ
ビタスイッチ信号I、プライマリ回転センサ6で検出さ
れる入力回転Ninおよび、セカンダリ回転センサ7で検
出される出力回転Nout をエンジンコントローラ200
で検出されたエンジン回転Ne と共に読み込む。
【0037】次にステップ51では、従来と同様の方法
で、車両の運転状態に応じて算出した目標とする変速比
io と、実際の変速比iとを演算する。目標変速比io
は、予め設定された変速マップなどから、ステップ50
にて読み込んだ車両の運転状態、例えば、出力回転Nou
t から求めた車速Vと、スロットル開度TVO(または
アクセルペダル9の踏み込み量)とに応じて算出され
る。実変速比iは、ステップ50にて読み込んだ入力回
転Ninおよび出力回転Nout から算出する。
【0038】ステップ52では、ステップ51で算出し
た目標変速比io および実変速比iそれぞれから、これ
ら変速比を得るためにプライマリ可動プーリ12が移動
すべきそれぞれの変位、つまり、目標変速比io に対応
する目標変位Xo と、実変速比iに対応する実変位Xと
を算出する。
【0039】ステップ53では、目標変速比io が所定
の範囲内、つまり、所定の変速比ix 近傍にあるかどう
かを判断し、目標変速比io が所定変速比ix 近傍にあ
るとステップ54に移行し、そうでないとステップ55
に移行する。なお、この実施形態で所定の変速比ix 近
傍とは、i1 (=1.0)<ix <i2 (=1.4)の
範囲である。
【0040】ステップ54,55では、実変位Xと目標
変位Xo との偏差に基づいて、プライマリ可動プーリ1
2の目標移動速度Vo を演算する。この場合、目標移動
速度Vo を演算する制御関数V(t)は、上述のように
目標変速比io に応じて決定される。
【0041】ステップ54では、目標変速比io が所定
の変速比ix 近傍、つまり目標変速比io がi1 <ix
<i2 の場合、 Vo =V(t)=V2 (t) :(i1 <io <i2 ) ・・・(5) として、プライマリ可動プーリ12の目標移動速度Vo
を、所定の変速比ix 近傍にない状態における目標移動
速度よりも相対的に小さく設定する。
【0042】ステップ55では、目標変速比io が所定
の変速比ix 近傍にない場合、つまり目標変速比io が
i1 <ix <i2 にない場合、 Vo =V(t)=V1 (t) :(io <i1 ) ・・・(3) Vo =V(t)=V3 (t) :(i2 <io ) ・・・(4) として、プライマリ可動プーリ12の目標移動速度Vo
を、所定の変速比ix 近傍における目標移動速度よりも
相対的に大きく設定する。従って、制御関数V(t)
は、V2 (t)<V1 (t),V3 (t)である。
【0043】ステップ56では、ソレノイド4を実際に
駆動し、プライマリ可動プーリ12を制御関数V(t)
に応じた目標移動速度Vo で目標変位Xo の位置に移動
させることにより変速制御を実行する。
【0044】図3は、図2の第1フローチャートにおけ
る作用を説明するためのタイムチャートであって、変速
比i=0.4〜2.4までの急減速(ダウンシフト)を
指令したときのプライマリ可動プーリ12の移動速度と
変位、並びに変速比の制御目標値と、実際の応答波形と
を比較したものである。
【0045】図3(a)では、破線Vo はプライマリ可
動プーリ12の目標移動速度Vo を示し、実線Vは実際
の応答波形、つまり、実際にプーリ12が移動するとき
の速度Vを示す。なお、一点鎖線Vs は、Vベルトがプ
ーリ間で滑らないための滑り限界速度Vs である。図3
(b)では、破線Xo は目標とするプーリ変位Xo を示
し、実線Xは実際の応答波形、つまり、実際のプーリ変
位Xを示す。図3(c)では、破線io は目標とする変
速比io を示し、実線iは実際の応答波形、つまり、実
際の変速比iを示す。
【0046】これらタイムチャートから明らかなよう
に、目標移動速度Vo は、目標変速比io がi1 =1.
0になるまでV1 (t)=3.5を維持し、目標変速比
io が所定の変速比ix 近傍、即ち、目標変速比io が
i1 =1.0からi2 =1.4までの範囲内では、V2
(t)=1.5を維持する。但し、目標変速比io がi
2 =1.4を越えると、目標移動速度Vo はVo =V3
(t)に沿って制御される。Vo =V3 (t)は定数で
あっても構わないが、本実施形態では、例えば、経過時
間tに従って増加する比例関数であって、目標移動速度
Vo が滑り限界速度Vs =2.0から徐々に増大するよ
うに設定する。この制御によると、可動プーリ12の実
移動速度Vは、実線Vに示した応答波形を描いて変化
し、実移動速度Vが滑り限界速度Vs を越えることがな
いから、2個のプーリで挟圧されたVベルト5の滑りを
防止することができる。
【0047】また本実施形態によれば、可動プーリ12
の実移動速度Vはほぼ滑り限界速度Vs に沿った応答波
形を描いて変化するため、変速が終了するまでの変速時
間TがT1 =1.26で、T4 =1,46である従来技
術に対して変速所要時間が短縮されていることが分か
る。つまり、この実施形態によれば、可動プーリ22の
最大移動速度Vを従来と同じレベルに保ちながら、変速
時間を短縮して変速応答性を向上させることができる。
【0048】従って第1実施形態によれば、所定の目標
変速比ix 近傍における可動プーリの目標移動速度Vo
を、それ以外の変速比における目標移動速度よりも相対
的に小さく設定するから、変速制御実施時に可動プーリ
12の実移動速度Vが極大となる所定変速比ix 近傍の
移動速度だけが選択的に低減され、可動プーリ12が実
際に移動する速度Vは、Vベルト5が滑りを発生し始め
る滑り限界速度Vs 以下の一定値となる。従って、可動
プーリ12が実際に移動するときの速度Vを常にVベル
ト5の滑り限界速度Vs 以下に押さえてVベルト5の滑
りを確実に防止すると共に、可動プーリ12における実
移動速度Vをほぼ一定に制御することで変速時間Tが短
縮するため変速応答性が向上する。
【0049】図4は、所定の変速比に到達するまでのプ
ライマリ可動プーリ12の目標移動速度を、それ以外の
変速比における設定速度よりも相対的に小さく設定した
場合を説明する第2のフローチャートである。
【0050】ステップ50〜52までのフローは、第1
のフローチャートと同様な制御を実行する。まずステッ
プ50にて、スロットル開度TVO、インヒビタスイッ
チ信号I、入力回転Ninおよび出力回転Nout をエンジ
ン回転Ne と共に読み込み、次にステップ51で、目標
変速比io と実変速比iとを演算し、ステップ52で
は、目標変速比io に対応する目標変位Xo と、実変速
比iに対応する実変位Xとを算出する。
【0051】ステップ57では、目標変速比io が所定
の変速比を超えたか、つまり、所定の変速比ix に到達
したかどうかを判断し、目標変速比io が変速比ix に
到達するまではステップ58に移行し、それ以後はステ
ップ59に移行する。なお、所定の変速比ix は、任意
の定数であって構わないが、この実施形態では、例え
ば、ix =i3 (=1.1 )である。
【0052】ステップ58,59では、第1フローチャ
ートと同様、実変位Xと目標変位Xo との偏差に基づい
て、プライマリ可動プーリ12の目標移動速度Vo を演
算する。この場合、目標移動速度Vo を演算する制御関
数V(t)は、上述のように目標変速比io に応じて決
定される。
【0053】ステップ58では、目標変速比io が所定
の変速比ix =i3 (=1.1 )に到達していない場
合、 Vo =V(t)=V4 (t) :(io <i3 ) ・・・(4) として、プライマリ可動プーリ12の目標移動速度Vo
を、所定の変速比ix に到達した後の目標移動速度より
も相対的に小さく設定する。
【0054】ステップ59では、目標変速比io が所定
の変速比ix =i3 (=1.1 )に到達した後の場合、 Vo =V(t)=V5 (t) :(i3 <io ) ・・・(5) として、プライマリ可動プーリ12の目標移動速度Vo
を、所定の変速比ix に到達していない状態における目
標移動速度よりも相対的に大きく設定する。つまり、制
御関数V(t)は、V4 (t)<V5 (t)である。
【0055】ステップ56では、ソレノイド4を実際に
駆動し、プライマリ可動プーリ12を制御関数V(t)
に応じた目標移動速度Vo で目標変位Xo の位置に移動
させることにより変速制御を実行する。
【0056】図5は、図4の第2フローチャートにおけ
る作用を説明するためのタイムチャートであって、変速
比i=0.4〜2.4までの急減速(ダウンシフト)を
指令したときのプライマリ可動プーリ12の移動速度と
変位、並びに変速比の制御目標値と、実際の応答波形と
を比較したものである。
【0057】図5(a)では、破線Vo はプライマリ可
動プーリ12の目標移動速度Vo を示し、実線Vは実際
の応答波形、つまり、実際に可動プーリ12が移動する
ときの速度Vを示す。図3(b)では、破線Xo は目標
とするプーリ変位Xo を示し、実線Xは実際の応答波
形、つまり、実際のプーリ変位Xを示す。図3(c)で
は、破線io は目標とする変速比io を示し、実線iは
実際の応答波形、つまり、実際の変速比iを示す。
【0058】これらタイムチャートから明らかなよう
に、目標移動速度Vo は、目標変速比io が所定の変速
比ix (=i3 )になるまでV4 (t)=2.0を維持
し、所定の変速比ix に到達した後、即ち、目標変速比
io がi3 (=1.1)に到達した後は、V5 (t)に
沿って制御される。Vo =V5 (t)はV4 (t)より
も大きな定数であっても構わないが、本実施形態では、
例えば、経過時間tに従って増加する比例関数であっ
て、目標移動速度Vo が滑り限界速度Vs =2.0から
徐々に増大するように設定する。この制御によると、可
動プーリ12の移動速度Vは、実線Vに示した応答波形
を描いて変化し、実移動速度Vが滑り限界速度Vs を越
えることがないから、2個のプーリで挟圧されたVベル
ト5の滑りを防止することができる。
【0059】また本実施形態によれば、可動プーリ12
の移動速度Vはほぼ滑り限界速度Vs に沿った応答波形
を描いて変化するため、変速が終了するまでの変速時間
TはT2 =1.30で、T4 =1,46である従来技術
に対して変速所要時間が短縮されていることが分かる。
つまり、この実施形態によれば、可動プーリ12の最大
移動速度Vを従来と同じレベルに保ちながら、変速時間
Tを短縮して変速応答性を向上させることができる。
【0060】従って第2実施形態によれば、所定の目標
変速比ix に到達するまでの可動プーリの目標移動速度
Vo を、それ以外の変速比における目標移動速度よりも
相対的に小さく設定するから、変速制御実施時に可動プ
ーリ12の移動速度Vが極大となる所定変速比ix (=
i3 )までの移動速度だけが選択的に低減され、可動プ
ーリ12が実際に移動する速度Vは、Vベルト5が滑り
を発生し始める滑り限界速度Vs 以下の一定値となる。
従って、可動プーリ12が実際に移動するときの速度V
を常にVベルト5の滑り限界速度Vs 以下に押さえてV
ベルト5の滑りを確実に防止すると共に、可動プーリ1
2における実移動速度Vをほぼ一定に制御することで変
速時間Tが短縮するため変速応答性が向上する。
【0061】図6は、所定の変速比近傍におけるプライ
マリ可動プーリ12の目標移動速度を、それ以外の変速
比における設定速度よりも相対的に小さく設定した場合
を説明する第3のフローチャートである。
【0062】ステップ50〜52までのフローは、第1
のフローチャートと同様な制御を実行する。まずステッ
プ50にて、スロットル開度TVO、インヒビタスイッ
チ信号I、入力回転Ninおよび出力回転Nout をエンジ
ン回転Ne と共に読み込み、次にステップ51で、目標
変速比io と実変速比iとを演算し、ステップ52で
は、目標変速比io に対応する目標変位Xo と、実変速
比iに対応する実変位Xとを算出する。
【0063】ステップ60では、潤滑油温TBまたはオ
イルパン油温TOを読み込み、ステップ61にて、潤滑
油温TBまたはオイルパン油温TOが所定温度T* より
も低いかどうかを判断する。潤滑油温TBまたはオイル
パン油温TOが所定温度T*よりも低いと、ステップ6
2に移行し、このステップ62にて目標変速比io が所
定の範囲内、つまり、所定の変速比ix 近傍にあるかど
うかを判断する。ステップ62にて、目標変速比io が
変速比ix 近傍にあるとステップ63に移行し、そうで
ないとステップ64に移行する。
【0064】このステップ63,64では、実変位Xと
目標変位Xo との偏差に基づいて、プライマリ可動プー
リ12の目標移動速度Vo を演算する。この場合、目標
移動速度Vo を演算する制御関数V(t)は、上述のよ
うに目標変速比io に応じて決定される。
【0065】一方のステップ63では、目標変速比io
が所定の変速比ix 近傍の場合として、 Vo =V(t)=V2 (t) ・・・(8) と設定する。
【0066】他方のステップ64では、目標変速比io
が所定の変速比ix 近傍にない場合として、 Vo =V(t)=V1 (t) ・・・(6) と設定する。但し、制御関数V(t)は、V2 (t)<
V1 (t)である。
【0067】なお、ステップ61にて、潤滑油温TBま
たはオイルパン油温TOが所定温度T* よりも高いと、
ステップ65に移行し、 Vo =V(t)=C(C:定数) ・・・(9) と設定する。
【0068】ステップ56では、ソレノイド4を実際に
駆動し、プライマリ可動プーリ12を制御関数V(t)
に応じた目標移動速度Vo で目標変位Xo の位置に移動
させることにより変速制御を実行する。
【0069】従って第3実施形態の作用を説明するステ
ップ60〜65のプログラムによれば、Vベルトの潤滑
油温TBまたはオイルパン油温TOが所定温度T* より
も低い場合にだけ、所定の変速比ix 近傍における可動
プーリ12の目標移動速度Vo を、通常の目標移動速度
よりも低下させるから、所定の変速比ix 近傍におい
て、Vベルト5とプーリ面との間の摩擦係数の低下に伴
い滑り限界速度Vs が減少する低油温時に限定して変速
完了時間の増加により起きる変速応答性の悪化を改善す
ることができる。
【0070】なお、第4実施形態として、ステップ62
をステップ62* に変更することも可能である。ステッ
プ62* では、図4の第2実施形態と同様、目標変速比
ioが所定の変速比を超えたか、つまり、所定の変速比
ix に到達したかどうかを判断する。この場合、目標変
速比io が変速比ix に到達するまでステップ63に移
行し、それ以後はステップ64に移行する。但し、制御
関数V(t)は、V2(t)<V1 (t)である。
【0071】第4実施形態の作用を説明するステップ6
0,61,62* ,63,64,65のプログラムによ
れば、Vベルトの潤滑油温TBまたはオイルパン油温T
Oが所定温度T* よりも低い場合にだけ、所定変速比i
x に到達するまでの可動プーリ12の目標移動速度Vo
を、通常の目標移動速度よりも低下させるから、所定変
速比ix に到達するまでの間、Vベルト5とプーリ面と
の間の摩擦係数の低下に伴い滑り限界速度Vs が減少す
る低油温時に限定して変速時間Tの増加により起きる変
速応答性の悪化を改善することができる。
【0072】図7は、所定の変速比近傍におけるプライ
マリ可動プーリ12の目標移動速度を、それ以外の変速
比における設定速度よりも相対的に小さく設定した場合
を説明する第4のフローチャートである。
【0073】ステップ50〜52までのフローは、第1
のフローチャートと同様な制御を実行する。まずステッ
プ50にて、スロットル開度TVO、インヒビタスイッ
チ信号I、入力回転Ninおよび出力回転Nout をエンジ
ン回転Ne と共に読み込み、次にステップ51で、目標
変速比io と実変速比iとを演算し、ステップ52で
は、目標変速比io に対応する目標変位Xo と、実変速
比iに対応する実変位Xとを算出する。
【0074】ステップ66では、プライマリ可動プーリ
12の目標移動速度Vo を従来技術と同様に一定値であ
る Vo =V(t)=C(C:定数) ・・・(10) に設定する。
【0075】ステップ67では、目標移動速度Vo (=
C)が所定速度Vo * よりも大きいかどうかを判断す
る。目標移動速度Vo (=C)が所定速度Vo * よりも
大きいと、ステップ68に移行し、このステップ68に
て変速比io が所定の範囲内、つまり、所定の変速比i
x 近傍にあるかどうかを判断する。ステップ68にて、
目標変速比io が変速比ix 近傍にあるとステップ69
に移行し、そうでないとステップ70に移行する。
【0076】このステップ69,70では、実変位Xと
目標変位Xo との偏差に基づいて、プライマリ可動プー
リ12の目標移動速度Vo を演算する。この場合、目標
移動速度Vo を演算する制御関数V(t)は、上述のよ
うに目標変速比io に応じて決定される。
【0077】一方のステップ69では、目標変速比io
が所定の変速比ix 近傍の場合として、 Vo =V(t)=V2 (t) ・・・(8) と設定する。
【0078】他方のステップ70では、目標変速比io
が所定の変速比ix 近傍にない場合として、 Vo =V(t)=V1 (t) ・・・(6) と設定する。但し、制御関数V(t)は、V2 (t)<
V1 (t)である。
【0079】なお、ステップ67にて、目標移動速度V
o が所定速度Vo * よりも小さいと、ステップ56に移
行し、このステップ56にて、ソレノイド4を実際に駆
動し、プライマリ可動プーリ12を制御関数V(t)に
応じた目標移動速度Vo で目標変位Xo の位置に移動さ
せることにより変速制御を実行する。
【0080】従って第5実施形態の作用を説明するステ
ップ66〜70のプログラムによれば、可動プーリ12
の目標移動速度Vo が所定速度Vo * よりも大きい場合
にだけ、所定の変速比ix 近傍における目標移動速度V
o を通常の目標移動速度Vo(=C)よりも低下させる
から、可動プーリ12の目標移動速度Vo が十分小さ
く、実際の可動プーリ12の移動速度Vが目標移動速度
Vo に十分追従できる場合には、可動プーリ12の目標
移動速度Vo を変速途中に変化させない。このため、変
速中に発生する段付き感などの変速ショックを防止する
ことができる。
【0081】なお、第6実施形態として、ステップ68
をステップ68* に変更することも可能である。ステッ
プ68* では、図4の第2実施形態と同様、目標変速比
ioが所定の変速比を超えたか、つまり、所定の変速比
ix に到達したかどうかを判断する。この場合、目標変
速比io が変速比ix に到達するまでステップ69に移
行し、それ以後はステップ70に移行する。
【0082】第6実施形態の作用を説明するステップ6
6,67,68* ,69,70のプログラムによれば、
可動プーリ12の目標移動速度Vo が所定速度Vo *
りも大きい場合にだけ、所定の変速比ix に到達するま
での目標移動速度Vo を通常の目標移動速度Vo (=
C)よりも低下させるから、可動プーリ12の目標移動
速度Vo が十分小さく、実際の可動プーリ12の移動速
度Vが目標移動速度Voに十分追従できる場合には、可
動プーリ12の目標移動速度Vo を変速途中に変化させ
ない。このため、変速中に発生する段付き感などの変速
ショックを防止することができる。
【0083】ところで、所定の目標変速比ix は、上記
実施形態から明らかなように、任意の数値を取ることが
可能であるが、少なくとも、 ix =1 ・・・(1) であることが好ましい。この場合、最小変速比(OD:
オーバードライブ)から最大変速比(最Lo:最大Lo
w)まで一気に変速するような足離し状態からのアクセ
ルペダル9への急激な踏み込みによるキックダウンやパ
ニックブレーキ時など、可動プーリの移動速度が極大に
なりやすい変速比i=1近傍で、可動プーリの実移動速
度を確実に低減することができる。従って、車両におい
て可動プーリの移動速度が最大となり易い変速比i=1
近傍におけるVベルト5の滑りを効果的に抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明であるVベルト式無段変速機の変速制御
装置の一実施形態を示したシステム図である。
【図2】本発明の第1実施形態を説明する第1のフロー
チャートである。
【図3】同形態における作用を説明するタイムチャート
である。
【図4】本発明の第2実施形態を説明する第2のフロー
チャートである。
【図5】同形態における作用を説明するタイムチャート
である。
【図6】本発明の第3実施形態を説明する第3のフロー
チャートである。
【図7】本発明の第5実施形態を説明する第4のフロー
チャートである。
【図8】従来技術であってVベルトに滑りが生じる際の
作用を説明するタイムチャートである。
【図9】従来技術であって目標移動速度を滑り限界速度
以下に設定した場合の作用を説明するタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
1 Vベルト式無段変速機 2 変速制御弁 3 油圧コントロールユニット 4 ソレノイド 5 Vベルト 6 入力側回転センサ 7 出力側回転センサ 8 インヒビタスイッチ 9 アクセルペダル 10 プライマリ可変プーリ 11 プライマリ固定プーリ 12 プライマリ可動プーリ 13 プライマリ可変プーリピストン室 20 セカンダリ可変センサ 21 セカンダリ固定プーリ 22 セカンダリ可動プーリ 23 セカンダリ可変プーリピストン室 30 トルクコンバータ 30f 出力シャフト 40 オイルポンプ 100 CVTコントロールユニット 200 エンジンコントロールユニット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボ機構によって、車両の運転状態に
    応じて決定された目標変速比位置まで目標とする移動速
    度で可動プーリを変位させることにより、回転シャフト
    と一体の固定プーリと前記可動プーリとの間のプーリ溝
    幅を変更して無段階に変速を行うVベルト式無段変速機
    の変速制御装置において、 所定の変速比ix 近傍における可動プーリの目標移動速
    度を、それ以外の変速比における目標移動速度よりも相
    対的に小さく設定することを特徴とするVベルト式無段
    変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 サーボ機構によって、車両の運転状態に
    応じて決定された目標変速比位置まで目標とする移動速
    度で可動プーリを変位させることにより、回転シャフト
    と一体の固定プーリと前記可動プーリとの間のプーリ溝
    幅を変更して無段階に変速を行うVベルト式無段変速機
    の変速制御装置において、 所定の変速比ix に到達するまでの可動プーリの目標移
    動速度を、それ以外の変速比における目標移動速度より
    も相対的に小さく設定することを特徴とするVベルト式
    無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 Vベルトの潤滑液温またはオイルパン油
    温が所定の値よりも低い場合にだけ、前記所定の変速比
    ix 近傍における可動プーリの目標移動速度を、通常の
    目標移動速度よりも低下させることを特徴とする請求項
    1に記載のVベルト式無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 Vベルトの潤滑油温またはオイルパン油
    温が所定の値よりも低い場合にだけ、前記所定の変速比
    ix に到達するまでの前記可動プーリの目標移動速度
    を、通常の目標移動速度よりも低下させることを特徴と
    する請求項2に記載のVベルト式無段変速機の変速制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記可動プーリの目標移動速度が所定の
    値よりも大きい場合にだけ、前記所定の変速比ix 近傍
    における目標移動速度を、通常の目標移動速度よりも低
    下させることを特徴とする請求項1または3に記載のV
    ベルト式無段変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記可動プーリの目標移動速度が所定の
    値よりも大きい場合にだけ、前記所定の変速比ix に到
    達するまでの目標移動速度を、通常の目標移動速度より
    も低下させることを特徴とする請求項2または4に記載
    のVベルト式無段変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 前記所定の変速比ix は、少なくとも、 ix =1 ・・・(1) であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項
    に記載のVベルト式無段変速機の変速制御装置。
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