JPH08338300A - エンジンのシリンダヘッド構造 - Google Patents

エンジンのシリンダヘッド構造

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JPH08338300A
JPH08338300A JP14496695A JP14496695A JPH08338300A JP H08338300 A JPH08338300 A JP H08338300A JP 14496695 A JP14496695 A JP 14496695A JP 14496695 A JP14496695 A JP 14496695A JP H08338300 A JPH08338300 A JP H08338300A
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water jacket
cylinder head
port
wall
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Hiroaki Yasuda
浩明 安田
Takashi Sakono
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力軸が下方傾斜するように搭載されるエン
ジンのシリンダヘッド構造において、ウォータジャケッ
ト内におけるエアー溜りを防止しつつボルトボス部の剛
性を高められるようにする。 【構成】 ウォータジャケット10の上壁11の上面を
略平面とする一方、各ボルトボス部13aの近傍に、出
力軸方向の傾斜上方側にある上壁下面を傾斜下方側の上
壁下面よりもボルトボス部13aの軸線方向に段差状に
高くした段部14を設け、各段部14の傾斜下方側の上
壁11の肉厚を、傾斜上方側の上壁11の肉厚よりも厚
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのシリンダヘ
ッド構造の改良に関し、特にシリンダヘッド内のウォー
タジャケット上壁及び下壁を連続するヘッドボルトボス
部周りの剛性を高める対策に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンのシリンダヘッドに
は、該シリンダヘッドをシリンダブロックに組み付ける
ヘッドボルトの挿通されるためのボルトボス部が、シリ
ンダヘッド内のウォータジャケット上壁及び下壁を上下
に連続しかつボア中心線を挟んで両側にシリンダ列方向
に複数の対をなすようにして設けられており、例えば特
開平4−81553号公報に記載されているように、各
シリンダボア周りに6つのボルトボス部が配置されたよ
うなレイアウトのものも知られている。
【0003】上記のものは、3弁式のディーゼルエンジ
ンであって、図2に例示するように、2つの吸気ポート
7,7、1つの排気ポート8及び1つの副燃焼室9を各
シリンダ毎に備えている。そして、各シリンダボア6,
6間に対をなして配置されたボルトボス部13a,13
a,…についてみると、各シリンダのボア中心を通って
シリンダ列方向に延びるボア中心線Lを挟んだ一側(同
図の下側)にあるボルトボス部13a,13a,…で
は、各々、そのシリンダ列方向の両側に吸気ポート7の
壁部が連続されて該ボルトボス部13aの剛性を高める
ようになされており、シリンダヘッド1bをシリンダブ
ロックに締結する際にボルトボス部13aのボルト座面
が沈み込み難くて十分な軸力を得られるようになされて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のシリ
ンダヘッド構造では、ボア中心線Lを挟んで他側(図2
の上側)のボルトボス部13a,13a,…について
は、隣りのシリンダボア6の排気ポート8の壁部が片側
(同図の右側)に連続されているだけであって、その反
対側(同図の左側)には吸気ポート7及び排気ポート8
の何れの壁部も非連続であるために、このボルトボス部
13aについては、先に述べた一側のボルトボス部13
aに比べて剛性が低く、ボルト締結時にボルト座面が沈
み込んで十分な軸力が得られ難いという難点がある。特
に、このボルトボス部13aには、吸気ポート7の側よ
りも熱的に厳しい排気ポート8の側に位置していること
と相俟って、応力集中が生じ易い。
【0005】上記の対策として考えられるのは、ウォー
タジャケット上壁の肉厚を厚くして、上記ボルトボス部
の剛性を高めるようにすることである。しかしながら、
シリンダヘッドは鋳造品であることから、ウォータジャ
ケット上壁の肉厚を厚くしようとすると、上壁に巣が発
生し易くなる。
【0006】そこで、巣が発生しないように上壁の肉厚
を部分的にのみ厚くするようにしてもよいが、そうする
と、上記上壁の下面に隆起部が形成されることとなり、
その隆起部に冷却水中のエアーが溜り易くなるという問
題が生じる。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、出力軸が傾斜するように搭載
されるエンジンにおいて、シリンダヘッド内のウォータ
ジャケット上壁の下面形状に工夫を加えることで、ウォ
ータジャケット内におけるエアー溜りの発生を回避しつ
つボルトボス部の剛性を高められるようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、エンジンが傾斜状態で搭載
されることを利用し、ウォータジャケットの上壁下面を
段差状に形成することとした。すなわち、段部によって
ボルトボス部軸線方向での肉厚を厚くできるので、その
段部をボルトボス部に連続させて該ボルトボス部の剛性
を高めることができる。また、エンジンが傾斜している
ので、その傾斜に沿って冷却水中のエアーを傾斜上方側
に流動させるようにすることで段部におけるエアー溜り
は回避できる。
【0009】具体的には、本発明では、シリンダヘッド
内のウォータジャケット上壁及び下壁を連続するヘッド
ボルト挿通用のボルトボス部が、各シリンダのボア中心
を通るボア中心線を挟んで両側にシリンダ列方向に複数
の対をなして設けられ、かつ出力軸が水平方向に対し所
定角度だけ傾斜するように搭載されるエンジンのシリン
ダヘッド構造が前提である。
【0010】そして、上記各ボルトボス部の近傍に、該
ボルトボス部に対し上記出力軸方向の傾斜上方側にある
ウォータジャケット上壁下面が傾斜下方側のウォータジ
ャケット上壁下面よりもボルトボス部の軸線方向に段差
状に高くなるような段部を設ける。
【0011】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、ウォータジャケット上壁の上面が略平面であ
る場合に、各段部においてボルトボス部に対し傾斜下方
側にあるウォータジャケット上壁の肉厚を、傾斜上方側
のウォータジャケット上壁の肉厚よりも厚くする。
【0012】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
において、各シリンダボア間でボア中心線の両側にボル
トボス部が配置されており、上記ボア中心線を挟んだ一
側でシリンダ列方向に隣接するボルトボス部に、該ボル
トボス部間のシリンダに連通する2つのポートの壁部が
それぞれ連続されている一方、上記ボア中心線の他側で
シリンダ列方向に隣接するボルトボス部のうち、各シリ
ンダボア毎における傾斜下方側のボルトボス部に、上記
シリンダに連通する少なくとも1つのポートの壁部が連
続されている場合に、上記ボア中心線の他側で各シリン
ダボア毎における傾斜上方側にあるボルトボス部近傍の
傾斜下方側にあるウォータジャケット上壁下面を、傾斜
上方側にあるウォータジャケット上壁下面よりもボルト
ボス部の軸線方向に段差状に低く設定する。
【0013】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
発明において、シリンダヘッド下面に対する各ボルトボ
ス部近傍の傾斜下方側のウォータジャケット上壁下面の
傾斜角度を、略エンジン出力軸の傾斜角度に一致させ
る。
【0014】請求項5の発明では、上記請求項1〜4の
発明において、シリンダヘッドのウォータジャケット内
の冷却水を、傾斜下方側から傾斜上方側に向かって流す
ように構成する。
【0015】請求項6の発明では、シリンダヘッド内の
ウォータジャケット上壁及び下壁を連続するヘッドボル
ト用のボルトボス部が、各シリンダのボア中心を通るボ
ア中心線を挟んで両側にシリンダ列方向に複数の対をな
して設けられたエンジンのシリンダヘッド構造を前提と
している。
【0016】そして、上記シリンダのボア間で上記ボア
中心線の両側にボルトボス部が配置されており、上記ボ
ア中心線を挟んだ一側でシリンダ列方向に隣接するボル
トボス部に、該ボルトボス間のシリンダに連通する2つ
のポートの壁部がそれぞれ連続されている一方、上記ボ
ア中心線の他側で各シリンダボア毎におけるシリンダ列
方向に隣接するボルトボス部の一方が、上記シリンダに
連通する少なくとも1つのポートの壁部の連続されたポ
ート連続ボス部とされている場合に、上記ボア中心線の
他側にあるボルトボス部の他方のボルトボス部近傍でか
つ上記ポート連続ボス部側のウォータジャケット上壁の
肉厚を、該ポート連続ボス部側と反対側のウォータジャ
ケット上壁の肉厚よりも厚くする。
【0017】請求項7の発明では、上記請求項6の発明
において、シリンダヘッド内のウォータジャケットの各
シリンダボア周りの下壁上面に、ボア中心線の他側にあ
るボルトボス部のポート連続ボス部側からボア中心側に
向かって延びる帯状の厚肉部を設ける。
【0018】請求項8の発明では、上記請求項6の発明
において、エンジンが2つの吸気ポートと、1つの排気
ポートと、1つの副燃焼室とをシリンダ毎に有してなる
ものであり、上記各吸気ポートの上流端がシリンダヘッ
ドの一側面に開口されている一方、下流端がシリンダヘ
ッド下面にシリンダ列方向に並ぶように開口されてお
り、上記排気ポートの下流端がシリンダヘッドの他側面
に開口されている一方、上流端がシリンダヘッド下面
に、上記副燃焼室とシリンダ列方向と直交する方向に並
ぶように配設されて開口されている場合に、上記排気ポ
ートの上流端開口と該排気ポートに隣接する両吸気ポー
トの下流端開口との間のウォータジャケット下壁内に、
各々、一端がシリンダブロック内のウォータジャケット
に連通する一方、他端がシリンダヘッド内のウォータジ
ャケットに連通する1対の冷却水通路を、上記排気ポー
ト下流端開口側のシリンダヘッド側面からシリンダボア
中心部分で交差するようにクロスドリル加工によりシリ
ンダ列方向に並ぶように設ける。その上で、上記各吸気
ポートの下流端開口の排気ポートの上流端開口との間の
距離を、副燃焼室との間よりも短くする。
【0019】請求項9の発明では、上記請求項3又は6
の発明において、各シリンダボア毎における少なくとも
1つのポートのシリンダボア開口部から、ボア中心線を
挟んだ他側の少なくとも各ボルトボス部を結ぶ線上の部
位までの区間において、ウォータジャケット上壁と上記
少なくとも1つのポートの壁部上部との間に、ウォータ
ジャケット用空間を形成する。
【0020】請求項10の発明では、上記請求項9の発
明において、各シリンダボア毎における少なくとも1つ
のポートが排気ポートである一方、2つのポートが吸気
ポートである場合に、上記各ポートのシリンダボア開口
部から、該各ポートの他方の開口部が接続するウォータ
ジャケットの側壁までの区間において、上記吸気ポート
側では該吸気ポートの壁部上部とウォータジャケット上
壁とを連続させる一方、上記排気ポート側では該排気ポ
ートの壁部上部とウォータジャケット上壁とを非連続と
する。
【0021】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、例え
ばウォータジャケット上壁自体の肉厚が一定であって
も、各ボルトボス部近傍の段部ではウォータジャケット
上壁が裾曲ないし屈曲していることでその部分のボルト
ボス部軸線方向における肉厚は厚くなっており、その分
だけ上記ボルトボス部の剛性は高まる。また、厚肉であ
るのは上記段部のみであってウォータジャケット上壁全
体の厚肉化は不要であるので、シリンダブロック鋳造時
における巣の発生は回避できる。一方、エンジンの傾斜
搭載に伴い、上記ウォータジャケットの上壁下面が傾斜
するので、冷却水中のエアーはその傾斜沿いに上記各段
部を潜り抜けて上方側に流れるようになる。したがっ
て、上記段部でのエアー溜りは回避される。
【0022】請求項2の発明では、上記ウォータジャケ
ット上壁の上面が略平面であることから、段部における
傾斜下方側の上壁肉厚が、傾斜上方側の上壁肉厚よりも
厚くなる。したがって、この場合には、ボルトボス部近
傍における傾斜下方側の上壁部分により該ボルトボス部
の剛性が高められる。
【0023】請求項3の発明では、各シリンダボア周り
の4つのボルトボス部についてみると、ボア中心線を挟
んだ一側でシリンダ列方向に隣接するボルトボス部で
は、該ボルトボス部間のシリンダにおける2つのポート
の壁部が連続される。これに、両隣りのシリンダの各ポ
ートの壁部を加え、上記各ボルトボス部には、その傾斜
下方側及び傾斜上方側の両側に2つのポート(例えば吸
気ポート)の壁部がそれぞれ連続されているので十分な
剛性が得られる。一方、他側のボルトボス部では、傾斜
下方側にあるボルトボス部の傾斜上流側にポート(例え
ば排気ポート)の壁部が連続されているので、そのポー
ト連続側(傾斜上流側)では十分な剛性が得られる。そ
して、上記他側の傾斜上方側にあるボルトボス部の傾斜
下方側では、ポート壁部の連続されていないポート非連
続側となっているが、そのポート非連続側のウォータジ
ャケット上壁の肉厚が厚いことから、十分な剛性が得ら
れる。よって、上記ボルトボス部の傾斜上方側にのみポ
ートの壁部が連続されていてその傾斜下方側にはポート
の壁部は連続されていない場合でも、該ボルトボス部の
剛性は高められる。
【0024】請求項4の発明では、上記エンジンが車両
に搭載された状態において、ウォータジャケット上壁の
段部以外の下面は略水平になる。よって、エア溜りの発
生が具体的に回避される。
【0025】請求項5の発明では、上記ウォータジャケ
ット内の冷却水は、傾斜下方側から傾斜上方側に向かっ
て流れる。その際に、冷却水中のエアーは該冷却水の流
れにより傾斜上方側に向けて押し流される。よって、段
部におけるエア溜りの発生は効果的に回避される。
【0026】請求項6の発明では、各シリンダボア周り
の4つのボルトボス部についてみると、ボア中心線を挟
んだ一側でシリンダ列方向に隣接するボルトボス部で
は、該ボルトボス部間のシリンダにおける2つのポート
の壁部が連続される。これに、両隣りのシリンダの各ポ
ートの壁部を加え、上記各ボルトボス部には、そのシリ
ンダ列方向の両側に2つのポート(例えば吸気ポート)
の壁部がそれぞれ連続されているので十分な剛性が得ら
れる。一方、他側のボルトボス部では、シリンダ列方向
の一方のポート連続ボス部のシリンダ列方向片側には1
つのポート(例えば排気ポート)の壁部が連続されてい
るので、そのポート連続側では十分な剛性が得られる。
そして、上記他側でのシリンダ列方向の他方のボルトボ
ス部近傍における上記ポート連続ボス部側では、ポート
壁部の連続されていないポート非連続側となっている
が、その部分(ポート非連続側)のウォータジャケット
上壁の肉厚が該ポート連続ボス部側と反対側(ポート連
続側)のウォータジャケット上壁の肉厚よりも厚いこと
から、十分な剛性が得られるようになる。よって、上記
ボルトボス部のシリンダ列方向の片側にのみポートの壁
部が連続されていてその反対側にはポートの壁部は連続
されていない場合でも、該ボルトボス部の剛性は高めら
れる。
【0027】請求項7の発明では、上記ボア中心線を挟
んで他側にあるボルトボス部の剛性は、該ボルトボス部
のポート非連続側にあるウォータジャケットの下壁上面
の厚肉部によっても高められる。
【0028】請求項8の発明では、上記シリンダヘッド
の下面において、吸気ポートの下流端開口の排気ポート
の上流端開口との間の距離が副燃焼室との間よりも短い
分だけ、上記吸気ポートの下流端開口をシリンダボアの
中心に近付けて該開口を大きくとることができるように
なる。その際に、冷却水通路内を流れる冷却水により、
上記排気ポートから吸気ポートへの高熱の伝達は抑えら
れる。よって、上記吸気ポートによるシリンダ内への吸
気充填効率は高くなる。
【0029】請求項9の発明では、上記各シリンダボア
毎において、少なくとも1つのポートのシリンダボア開
口部から、ボア中心線を挟んだ他側の少なくとも各ボル
トボス部を結ぶ線上の部位までの区間において、ウォー
タジャケット上壁と上記少なくとも1つのポートの壁部
上部との間にウォータジャケット用空間が形成されてい
るので、上記ボア中心線を挟んで他側にあるボルトボス
部の近傍において、該ボルトボス部の傾斜下方側にある
ウォータジャケット上壁下面を傾斜上方側(少なくとも
1つのポートの壁部の連続されている側)にあるウォー
タジャケット上壁下面よりも低くすること、又は該ボル
トボス部のポート連続ボス部側のウォータジャケット上
壁の肉厚を該ポート連続ボス部側と反対側(少なくとも
1つのポートの壁部の連続されている側)のウォータジ
ャケット上壁の肉厚よりも厚くすることは容易に行われ
る。
【0030】請求項10の発明では、上記各ポートのシ
リンダボア開口部から、該各ポートの他方の開口部が接
続するウォータジャケットの側壁までの区間において、
上記吸気ポート側では該吸気ポートの壁部上部とウォー
タジャケット上壁とは連続されており、このことで該吸
気ポート側の各ボルトボス部の剛性が高められている。
一方、上記排気ポート側では該排気ポートの壁部上部と
ウォータジャケット上壁とは非連続であって、この両者
間に上記ウォータジャケット用空間が形成されている。
よって、排気ポート側の各ボルトボス部近傍における該
ボルトボス部の剛性アップ対策が具体的に行える。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例に係るエンジンのシリ
ンダヘッド構造を図面に基づいて説明する。上記エンジ
ンは車両に縦置きに搭載される直列4気筒のディーゼル
エンジンであり、図1に概略的に示すように、エンジン
1、トランスミッション2、プロペラシャフト3が水平
方向に対し所定角度θ(例えばθ=5°)だけ下方に傾
斜するように搭載される。尚、同図において、4は車両
の前輪、5は車両の後輪であって、それぞれ1つずつ図
示している。また、上記エンジン1は、シリンダブロッ
ク1aと、このシリンダブロック1aの上側に接合され
たシリンダヘッド1bと、上記シリンダブロック1aの
下側に接合されたオイルパン1cとを備えている。
【0032】上記シリンダヘッド1b内には、図2に示
すように。各シリンダボア6毎に2つの吸気ポート7,
7と、1つの排気ポート8と、1つの副燃焼室9とがそ
れぞれ設けられており、該シリンダヘッド1bの下面に
は、図3に示すように、上記各吸気ポート7の下流端開
口7aがシリンダ列方向に並ぶように設けられている一
方、該シリンダ列方向と直交する方向に排気ポート8の
上流端開口8a及び副燃焼室9の開口9aが各シリンダ
ボア6毎に設けられている。そして、各シリンダボア6
毎にみると、上記各吸気ポート7は、下流端開口7aの
位置から副燃焼室9の側に向かって延びるように配置さ
れていて、シリンダヘッド1bの一側面(図2の下側
面)に上流端開口7bが設けられている。一方、上記排
気ポート8は、上流端開口8aの位置から上記副燃焼室
9と反対側に向かって延びるように配置されていて、シ
リンダヘッド1bの他側面(図2の上側面)に下流端開
口8bが設けられている。
【0033】また、上記シリンダヘッド1b内には、図
2及び図3に示すように、ウォータジャケット10が形
成されており、その上壁11及び下壁12を連続するヘ
ッドボルト挿通用のボルトボス部13a,13b,13
cが、各シリンダのボア中心を通るボア中心線Lを挟ん
でシリンダ列方向に9つの対をなして設けられている。
すなわち、各シリンダボア6,6間に配置された3対の
ボルトボス部13a,13a,…、シリンダ列方向の両
端に配置された2対のボルトボス部13b,13b,
…、及び各シリンダボア6の中心を挟む位置に配置され
た4対のボルトボス部13c,13c,…である。尚、
図2及び図3は、エンジン1が傾斜搭載された状態でそ
の傾斜下方側となる部分を示している。
【0034】上記各シリンダボア6,6間に配置された
3対のボルトボス部13a,13a…のうち、ボア中心
線Lを挟んで一側(図2の下側)、つまり吸気ポート7
側のボルトボス部13a,13a,…にはその傾斜下方
側(同図の左側)及び傾斜上方側(同図の右側)の両側
に各吸気ポート7の壁部がそれぞれ連続されている。一
方、上記ボア中心線Lの他側(同図の上側)である排気
ポート8側のボルトボス部13a,13a,…には、傾
斜上方側にのみ排気ポート8の壁部が連続されている。
【0035】その際に、図示は省略するが、上記各吸気
ポート7の下流端開口7a及び上流端開口7b間の区間
において、該各吸気ポート7の壁部上部とウォータジャ
ケット上壁11とは連続されている。一方、上記各排気
ポート8の上流端開口8a及び下流端開口8b間の区間
において、該各排気ポート8の壁部上部とウォータジャ
ケット上壁11とは非連続になされていて、これら両者
間にはウォータジャケット用の空間が形成確保されてい
る。
【0036】また、上記ウォータジャケット10の下壁
12には多数の冷却水導入口15,15,…が設けられ
ており、これら冷却水導入口15,15,…を経由して
シリンダヘッド1b側のウォータジャケット10内に導
入された冷却水は、傾斜下方側から傾斜上方側に向かっ
て流れるようになされている。
【0037】そして、本発明の特徴として、上記各シリ
ンダボア9,9間にそれぞれ対をなして配置されている
ボルトボス部13a,13,…のうち、排気ポート8側
にある各ボルトボス部13aの近傍に、該ボルトボス部
13aに対し傾斜上方側にあるウォータジャケット上壁
11下面を傾斜下方側のウォータジャケット上壁11下
面よりもボルトボス部13aの軸線方向(図4に一点鎖
線で示す方向)に段差状に高くした段部14が設けられ
ている。
【0038】具体的には、図4に示すように、ウォータ
ジャケット上壁11の上面は略平面とされていて、各段
部14においてボルトボス部13aに対し傾斜下方側に
あるウォータジャケット上壁11の肉厚t1は、上記ウ
ォータジャケット用空間の上方に位置する傾斜上方側の
ウォータジャケット上壁11の肉厚t2よりも厚く(t
1>t2)されている。換言すると、各シリンダボア6
毎にみた場合に、排気ポート8側においてシリンダ列方
向に隣接するボルトボス部13a,13aのうち、傾斜
下方側のボルトボス部13aは、上記シリンダに連通す
る排気ポート8の壁部が連続されたポート連続ボス部と
されていて、このポート連続ボス部の傾斜上方側にある
ボルトボス部13aの近傍でかつ上記ポート連続ボス部
側(傾斜下方側)のウォータジャケット上壁11の肉厚
t1が、該ポート連続ボス部と反対側(傾斜上方側)の
ウォータジャケット上壁11の肉厚t2よりも厚くされ
ている。その際に、上記シリンダヘッド1b下面に対す
るウォータジャケット上壁11下面の段部14以外にお
ける傾斜角度αは、略エンジン出力軸の傾斜角度θに一
致(α=θ)している。
【0039】また、上記ウォータジャケット10の各シ
リンダボア6周りの下壁11上面には、排気ポート8側
にあるボルトボス部13a近傍の傾斜下方側(ポート連
続ボス部側)からボア中心側に向かって延びる帯状の厚
肉部16が設けられている具体的には、上記ボルトボス
部13aからボア中心側に亘り、後述するクロスドリル
加工による断面円形状の冷却水通路15が設けられてい
て、この冷却水通路15の上半部を覆う状態に上記厚肉
部16は形成されている。
【0040】さらに、各シリンダにおける上記排気ポー
ト8の上流端開口8aと該排気ポート8に隣接する各吸
気ポート7の下流端開口7aとの間のウォータジャケッ
ト下壁12内に、各々、一端がシリンダブロック1a内
のウォータジャケットに連通する一方、他端がシリンダ
ヘッド1b内のウォータジャケット10に連通する1対
の冷却水通路17,17が、上記排気ポート下流端開口
8b側のシリンダヘッド1b側面からシリンダボア中心
部分で略直角に交差するようにクロスドリル加工により
設けられており、上記各吸気ポート7の下流端開口7a
の排気ポート8の上流端開口8a間の距離は、副燃焼室
9の開口9aとの間よりも短くされている。
【0041】具体的には、上記1対の冷却水通路17,
17は、各シリンダボア6毎に、シリンダヘッド1bの
排気ポート8側の壁面から隣接するシリンダボア6との
間に位置する2箇所のボルトボス部13a,13aを通
って下壁12内をボア中心側に向かって1対のドリルで
穿設することにより形成されている。そして、各冷却水
通路17の先端は、ボア中心部分に位置する1つの開口
16において交差しかつウォータジャケット10内に連
通している。
【0042】また、上記各冷却水通路17には、上記ボ
ルトボス部13aから少しだけボア中心側に寄った位置
で、シリンダヘッド1b下面から該冷却水通路17に向
かって斜め上方に穿設されてなる冷却水導入路19が連
通しており、これら冷却水導入路19及び冷却水通路1
7によってもシリンダブロック1a側のウォータジャケ
ットからシリンダヘッド1b側のウォータジャケット1
0内に冷却水が導入されるようになっている。尚、上記
クロスドリルのシリンダヘッド1b壁面における開口は
図外のプラグにて密栓されており、また上記ボルトボス
部13aのボルト孔も水密処理が行われている。
【0043】したがって、本実施例によれば、シリンダ
ヘッド1b内のウォータジャケット10上壁11の各ボ
ルトボス部13a近傍において、段部14における傾斜
下方側の上壁肉厚t1を、傾斜上方側の上壁肉厚t2よ
りも厚くしているので、上記傾斜下方側の上壁11部分
により該ボルトボス部13aの剛性を高めることができ
る。その際に、厚肉であるのは段部14の傾斜下方側の
上壁11の部分のみであって全体の厚肉化は不要である
ので、シリンダブロック鋳造時における巣の発生は回避
することができる。
【0044】また、上記エンジンの傾斜搭載に伴い、上
記ウォータジャケット上壁11の下面が傾斜するので、
冷却水中のエアーをその傾斜沿いに上記各段部14を潜
り抜けさせて上方側に流すことができ、よって、上記段
部14でのエアー溜りを回避することができる。
【0045】さらに、上記ウォータジャケット10の下
壁12の上面に設けた肉厚部16により、上記ボルトボ
ス部13aの傾斜下方側の剛性をウォータジャケット下
壁12においても高めることができる。
【0046】また、上記シリンダヘッド1bの下面にお
いて、各吸気ポート7の下流端開口7aの排気ポート8
の上流端開口8a間の距離を副燃焼室9の開口9a間よ
りも短くしている分だけ、上記各吸気ポート7び下流端
開口7aをシリンダボア6の中心に近付けて該開口7a
を大きくとることができるようにし、その際に、各冷却
水通路17内を流れる冷却水により、上記排気ポート8
から吸気ポート7への高熱の伝達を抑えることができる
ようにしているので、上記吸気ポート7によるシリンダ
内への吸気充填効率を高めることができる。
【0047】尚、上記実施例では、ウォータジャケット
10の上壁11の上面を平面としているが、図6に誇張
して示すように、下面と同じ段付状としてもよい。その
場合には、段部14が裾曲ないし屈曲している分だけそ
の部分の上壁肉厚が厚くなってボルトボス部13aの剛
性を高めることができる。また、この場合においても、
厚肉であるのは段部14のみであって全体の厚肉化は不
要であるので、シリンダブロック鋳造時における巣の発
生は回避することができる。
【0048】また、上記実施例では、各シリンダ毎に排
気ポート8が1つの場合について説明したが、ボルトボ
ス部13aの剛性を高めるためには、図7に示すよう
に、各シリンダ毎に2つの排気ポート8,8を有する場
合にも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、シリンダヘッド内のウォータジャケット上壁及
び下壁を連続するヘッドボルト部が、ボア中心線を挟ん
で両側にシリンダ列方向に複数の対をなして設けられ、
かつ出力軸が水平方向に対し所定角度だけ傾斜するよう
に搭載されるエンジンのシリンダヘッド構造において、
上記各ボルトボス部の近傍に、傾斜上方側のウォータジ
ャケット上壁下面が傾斜下方側のウォータジャケット上
壁下面よりもボルトボス部の軸線方向に段差状に高くな
る段部を設け、その段部においてボルトボス部軸線方向
の上壁肉厚を厚くできるようにしたので、厚肉にした分
だけ上記ボルトボス部の剛性を高めることができる一
方、該段部以外の上壁部分の厚肉化は不要であることか
らシリンダブロック鋳造時の巣の発生を回避することが
できる。また、エンジンの傾斜搭載に伴ってウォータジ
ャケットの上壁下面が傾斜することから、冷却水中のエ
アーをその傾斜沿いに各段部を潜り抜けさせて傾斜上方
側に流動させることができるので、上記段部でのエアー
溜りを回避することができる。
【0050】請求項2の発明によれば、上記ウォータジ
ャケット上壁の上面が略平面である場合に、上記各段部
の傾斜下方側のウォータジャケット上壁の肉厚を、傾斜
上方側のウォータジャケット上壁の肉厚よりも厚くした
ので、その傾斜下方側のウォータジャケット上壁部分に
よりボルトボス部の剛性を高めることができる。
【0051】請求項3の発明によれば、上記シリンダヘ
ッドのシリンダボア間にボルトボス部が対をなして配置
されており、各シリンダボア周りにおいて、ボア中心線
を挟んだ一側でシリンダ列方向に隣接するボルトボス部
に2つのポートの壁部がそれぞれ連続されている一方、
上記ボア中心線の他側でシリンダ列方向に隣接するボル
トボス部のうち、傾斜下方側のボルトボス部に1つのポ
ートの壁部が連続されている場合に、上記ボア中心線の
他側で傾斜上方側にあるボルトボス部近傍に段部を設け
るようにしたので、上記傾斜上方側にのみポートの壁部
が連続されていてその傾斜下方側にはポートの壁部の連
続されていないボルトボス部に対し、その剛性を傾斜下
方側において高めることができる。
【0052】請求項4の発明によれば、上記シリンダヘ
ッド下面に対するウォータジャケット上壁下面の段部以
外における傾斜角度を、略エンジン出力軸の傾斜角度に
一致させたので、上記段部におけるエアー溜りの発生を
具体的に回避することができる。
【0053】請求項5の発明によれば、上記ウォータジ
ャケット内の冷却水を、傾斜下方側から傾斜上方側に向
けて流すようにしたので、この冷却水の流れによってエ
アーを傾斜上方側に向けて押し流すことができ、よっ
て、段部におけるエア溜りの発生を効果的に回避するこ
とができる。
【0054】請求項6の発明によれば、シリンダヘッド
内のウォータジャケット上壁及び下壁を連続するヘッド
ボルトボス部が、ボア中心線を挟んで両側にシリンダ列
方向に複数の対をなして設けられたエンジンのシリンダ
ヘッド構造において、上記シリンダヘッドのシリンダボ
ア間にボルトボス部が対をなして配置されており、各シ
リンダボア周りにおいて、ボア中心線を挟んだ一側でシ
リンダ列方向に隣接するボルトボス部に2つのポートの
壁部がそれぞれ連続されている一方、上記ボア中心線の
他側でシリンダ列方向に隣接するボルトボス部の一方が
1つのポートの壁部の連続されたポート連続ボス部とな
っている場合に、上記ボア中心線の他側にある他方のボ
ルトボス部近傍において、上記ポート連続ボス部側のウ
ォータジャケット上壁の肉厚をその反対側のウォータジ
ャケット上壁の肉厚よりも厚くしたので、上記シリンダ
列方向の片側にのみポートの壁部が連続されていてその
反対側にはポートの壁部の連続されていないボルトボス
部の剛性を、ポート連続ボス部側と反対側のポート非連
続側において高めることができる。
【0055】請求項7の発明によれば、上記ウォータジ
ャケットの各シリンダボア周りの下壁上面に、ボア中心
線の他側にあるボルトボス部のポート連続ボス部側から
ボア中心側に向かって延びる帯状の厚肉部を設けるよう
にしたので、上記ボルトボス部の剛性をポート連続ボス
部側のウォータジャケット下壁においても高めることが
できる。
【0056】請求項8の発明によれば、上記シリンダヘ
ッドの下面に2つの吸気ポートの下流端開口がシリンダ
列方向に並ぶように、また1つの排気ポートの上流端開
口と副燃焼室とがシリンダ列方向と直交する方向に並ぶ
ようにそれぞれ各シリンダ毎に設けられてなるエンジン
において、各シリンダ毎に、上記各吸気ポートの下流端
開口の排気ポートの上流端開口との間の距離を副燃焼室
との間よりも短くすることで、吸気ポートの下流端開口
をボア中心側に近付けて該開口を大きくできるように
し、その際に、上記排気ポートの上流端開口と両吸気ポ
ートの下流端開口との間のウォータジャケット下壁内
に、クロスドリル加工により、各々、一端がシリンダブ
ロック内のウォータジャケットに連通する一方、他端が
シリンダボア中心で交差してシリンダヘッド内のウォー
タジャケットに連通する1対の冷却水通路を設け、各冷
却水通路内の冷却水により、上記排気ポートから各吸気
ポートへの高熱の伝達を抑えることができるようにした
ので、上記吸気ポートによるシリンダへの吸気充填効率
を効果的に高めることができる。
【0057】請求項9の発明によれば、上記少なくとも
1つのポートのシリンダボア開口部から、ボア中心線を
挟んだ他側の少なくとも各ボルトボス部を結ぶ線上の部
位までの区間において、ウォータジャケット上壁と上記
少なくとも1つのポートの壁部上部との間にウォータジ
ャケット用空間を形成するようにしたので、ボルトボス
部の傾斜下方側にあるウォータジャケット上壁下面を傾
斜上方側にあるウォータジャケット上壁下面よりも低く
することや、該ボルトボス部のポート連続ボス部側のウ
ォータジャケット上壁の肉厚を該ポート連続ボス部側と
反対側のウォータジャケット上壁の肉厚よりも厚くする
ことを容易に行うことができる。
【0058】請求項10の発明によれば、上記各シリン
ダボア毎における少なくとも1つのポートが排気ポート
である一方、2つのポートが吸気ポートである場合に、
上記各ポートのシリンダボア開口部から、該各ポートの
他方の開口部が接続するウォータジャケットの側壁まで
の区間において、上記吸気ポート側では該吸気ポートの
壁部上部とウォータジャケット上壁とを連続させる一
方、上記排気ポート側では該排気ポートの壁部上部とウ
ォータジャケット上壁とを非連続としたので、排気ポー
ト側の各ボルトボス部について、上記請求項3及び6の
発明による該ボルトボス部の剛性アップ効果を具体的に
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るディーゼルエンジンのシ
リンダヘッド構造を搭載状態と併せて示す概略図であ
る。
【図2】シリンダヘッドを示す平断面図である。
【図3】シリンダヘッドを示す底面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るディーゼルエンジン
のシリンダヘッド構造の要部のみを模式的に示す縱断面
図である。
【図7】本発明のその他の実施例に係るディーゼルエン
ジンのシリンダヘッド構造の要部を示す図2相当図であ
る。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(エンジン) 4 シリンダヘッド 6 シリンダボア 7 吸気ポート(ポート) 7a 下流端開口(シリンダボア開口部) 7b 上流端開口(他方開口部) 8 排気ポート(ポート) 8a 上流端開口 7b 下流端開口(他方開口部) 9 副燃焼室 9a 開口 10 ウォータジャケット 11 上壁 12 下壁 13a ボルトボス部 14 段部 16 厚肉部 17 冷却水通路 L ボア中心線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド内のウォータジャケット
    上壁及び下壁を連続するヘッドボルト挿通用のボルトボ
    ス部が、各シリンダのボア中心を通るボア中心線を挟ん
    で両側にシリンダ列方向に複数の対をなして設けられ、
    かつ出力軸が水平方向に対し所定角度だけ傾斜するよう
    に搭載されるエンジンのシリンダヘッド構造において、 上記各ボルトボス部の近傍に、該ボルトボス部に対し上
    記出力軸方向の傾斜上方側にあるウォータジャケット上
    壁下面を傾斜下方側のウォータジャケット上壁下面より
    もボルトボス部の軸線方向に段差状に高くした段部が設
    けられていることを特徴とするエンジンのシリンダヘッ
    ド構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンのシリンダヘッ
    ド構造において、 ウォータジャケット上壁の上面は略平面とされていて、 各段部においてボルトボス部に対し傾斜下方側にあるウ
    ォータジャケット上壁の肉厚は、傾斜上方側のウォータ
    ジャケット上壁の肉厚よりも厚くされていることを特徴
    とするエンジンのシリンダヘッド構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエンジンのシリンダヘッ
    ド構造において、 各シリンダボア間でボア中心線の両側にボルトボス部が
    配置され、 上記ボア中心線を挟んだ一側でシリンダ列方向に隣接す
    るボルトボス部に、該ボルトボス部間のシリンダに連通
    する2つのポートの壁部がそれぞれ連続されている一
    方、 上記ボア中心線の他側でシリンダ列方向に隣接するボル
    トボス部のうち、各シリンダボア毎における傾斜下方側
    のボルトボス部に、上記シリンダに連通する少なくとも
    1つのポートの壁部が連続され、 上記ボア中心線の他側で各シリンダボア毎における傾斜
    上方側にあるボルトボス部近傍の傾斜下方側にあるウォ
    ータジャケット上壁下面は、傾斜上方側にあるウォータ
    ジャケット上壁下面よりもボルトボス部の軸線方向に段
    差状に低く設定されていることを特徴とするエンジンの
    シリンダヘッド構造。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のエンジンのシ
    リンダヘッド構造において、 シリンダヘッド下面に対する各ボルトボス部近傍の傾斜
    下方側のウォータジャケット上壁下面の傾斜角度は、略
    エンジン出力軸の傾斜角度に一致していることを特徴と
    するエンジンのシリンダヘッド構造。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載のエンジン
    のシリンダヘッド構造において、 シリンダヘッドのウォータジャケット内の冷却水は、傾
    斜下方側から傾斜上方側に向かって流れるように構成さ
    れていることを特徴とするエンジンのシリンダヘッド構
    造。
  6. 【請求項6】 シリンダヘッド内のウォータジャケット
    上壁及び下壁を連続するヘッドボルト用のボルトボス部
    が、各シリンダのボア中心を通るボア中心線を挟んで両
    側にシリンダ列方向に複数の対をなして設けられたエン
    ジンのシリンダヘッド構造において、 上記シリンダのボア間で上記ボア中心線の両側にボルト
    ボス部が配置され、 上記ボア中心線を挟んだ一側でシリンダ列方向に隣接す
    るボルトボス部に、該ボルトボス間のシリンダに連通す
    る2つのポートの壁部がそれぞれ連続されている一方、 上記ボア中心線の他側で各シリンダボア毎におけるシリ
    ンダ列方向に隣接するボルトボス部の一方は、上記シリ
    ンダに連通する少なくとも1つのポートの壁部が連続さ
    れたポート連続ボス部とされ、 上記ボア中心線の他側にあるボルトボス部の他方のボル
    トボス部近傍でかつ上記ポート連続ボス部側のウォータ
    ジャケット上壁の肉厚は、該ポート連続ボス部側と反対
    側のウォータジャケット上壁の肉厚よりも厚くされてい
    ることを特徴とするエンジンのシリンダヘッド構造。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のエンジンのシリンダヘッ
    ド構造において、 シリンダヘッド内のウォータジャケットの各シリンダボ
    ア周りの下壁上面に、ボア中心線の他側にあるボルトボ
    ス部のポート連続ボス部側からボア中心側に向かって延
    びる帯状の厚肉部が設けられていることを特徴とするエ
    ンジンのシリンダヘッド構造。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のエンジンのシリンダヘッ
    ド構造において、 エンジンは2つの吸気ポートと、1つの排気ポートと、
    1つの副燃焼室とをシリンダ毎に有してなるエンジンで
    あり、 上記各吸気ポートの上流端はシリンダヘッドの一側面に
    開口されている一方、下流端はシリンダヘッド下面にシ
    リンダ列方向に並ぶように開口され、 上記排気ポートの下流端はシリンダヘッドの他側面に開
    口されている一方、上流端はシリンダヘッド下面に、上
    記副燃焼室とシリンダ列方向と直交する方向に並ぶよう
    に配設されて開口されており、 上記排気ポートの上流端開口と該排気ポートに隣接する
    両吸気ポートの下流端開口との間のウォータジャケット
    下壁内に、各々、一端がシリンダブロック内のウォータ
    ジャケットに連通する一方、他端がシリンダヘッド内の
    ウォータジャケットに連通する1対の冷却水通路が、上
    記排気ポート下流端開口側のシリンダヘッド側面からシ
    リンダボア中心部分で交差するようにクロスドリル加工
    によりシリンダ列方向に並ぶように設けられ、 上記各吸気ポートの下流端開口の排気ポートの上流端開
    口との間の距離は副燃焼室との間よりも短くされている
    ことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド構造。
  9. 【請求項9】 請求項3又は6記載のエンジンのシリン
    ダヘッド構造において、 各シリンダボア毎における少なくとも1つのポートのシ
    リンダボア開口部から、ボア中心線を挟んだ他側の少な
    くとも各ボルトボス部を結ぶ線上の部位までの区間にお
    いて、ウォータジャケット上壁と上記少なくとも1つの
    ポートの壁部上部との間に、ウォータジャケット用空間
    が形成されていることを特徴とするエンジンのシリンダ
    ヘッド構造。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のエンジンのシリンダヘ
    ッド構造において、 各シリンダボア毎における少なくとも1つのポートは排
    気ポートである一方、2つのポートは吸気ポートであ
    り、 上記各ポートのシリンダボア開口部から、該各ポートの
    他方の開口部が接続するウォータジャケットの側壁まで
    の区間において、 上記吸気ポート側では該吸気ポートの壁部上部とウォー
    タジャケット上壁とは連続されている一方、上記排気ポ
    ート側では該排気ポートの壁部上部とウォータジャケッ
    ト上壁とは非連続になされていることを特徴とするエン
    ジンのシリンダヘッド構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012225270A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Toyota Motor Corp 内燃機関シリンダヘッド冷却水路構造

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