JPH08337753A - 被膜形成用組成物の製造方法 - Google Patents

被膜形成用組成物の製造方法

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JPH08337753A
JPH08337753A JP16826595A JP16826595A JPH08337753A JP H08337753 A JPH08337753 A JP H08337753A JP 16826595 A JP16826595 A JP 16826595A JP 16826595 A JP16826595 A JP 16826595A JP H08337753 A JPH08337753 A JP H08337753A
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hydrochloric acid
alkoxide
alkali metal
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JP16826595A
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Motoyuki Toki
元幸 土岐
Hideki Yamaguchi
日出樹 山口
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KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック成形品などの表面に塗布した後
加熱したときに十分な硬度の被膜が得られ、室温での保
存安定性にも優れた被膜形成用組成物を製造することが
でき、工程数も少なくて済む製造方法を提供する。 【構成】 アルキルシリコンアルコキシドを含有する溶
液に0.001〜0.01規定の塩酸水溶液を添加し、
アルキルシリコンアルコキシドを加水分解・縮合させた
後、アルカリアルコキシド又はカルボン酸のアルカリ金
属塩を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラスチック成形品
や木材、セラミックス材、金属材等の加工品の表面に被
着されてその表面を保護する被膜を形成するのに使用さ
れる被膜形成用組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの成形品の表面硬度を高め
たり、プラスチック形成品や木材、セラミックス材、金
属材等の加工品の表面を保護して耐摩耗性や耐スクラッ
チ性(耐擦傷性)を持たせたりするために、プラスチッ
ク成形品や各種素材の加工品の表面に被膜形成剤(ハー
ドコート剤)を薄膜状に塗布して硬化被膜を被着形成す
ることが行なわれている。
【0003】この種のハードコート剤としては、従来か
ら多くの種類、組成のものが提案されまた実用化されて
いる(鈴木正治、日本接着協会誌 Vol.25 N
o.4(1989)、P156−163「シリコーン系
ハードコート」参照)が、例えば特公昭50−2809
2号公報や特公昭50−28446号公報には、四アル
コキシケイ素(テトラアルコキシシラン、シリコンアル
コキシド)の加水分解物、アルキルトリアルコキシシラ
ン(アルキルシリコントリアルコキシド)の加水分解縮
合物及び塗膜の硬化触媒(チオシアン酸アルカリ金属塩
又は有機カルボン酸のアルカリ金属塩)からなるコーテ
ィング用組成物について記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公昭50−2809
2号公報や特公昭50−28446号公報に記載された
コーティング用組成物では、それをプラスチック成形品
などの表面に塗布した後加熱したときに形成される被膜
の硬度を高めるために、四アルコキシケイ素の加水分解
物の混合割合を比較的大きくし、一方、四アルコキシケ
イ素の加水分解物の混合割合が大き過ぎると被膜にクラ
ックが発生するので、アルキルトリアルコキシシランの
加水分解縮合物を適当な割合で混合することにより、被
膜にクラックが発生するのを防止するようにしている。
また、コーティング用組成物を調製する場合に、四アル
コキシケイ素の加水分解物溶液とアルキルトリアルコキ
シシランの加水分解縮合物溶液とを別々に調製した後、
両溶液を混合するようにしている。これは、四アルコキ
シケイ素とアルキルトリアルコキシシランとの間で加水
分解反応や縮合反応の起こり易さに差があることによ
る。そして、四アルコキシケイ素は、溶液の塩酸濃度が
低いと、アルキルトリアルコキシシランに比べて加水分
解反応が起こりにくいため、溶液の塩酸濃度を高く
(0.01規定以上、好ましくは0.05規定以上)す
るようにしている。
【0005】四アルコキシケイ素の溶液の塩酸濃度を高
くすると、四アルコキシケイ素の加水分解の反応速度が
増大し、四アルコキシケイ素の加水分解が比較的速やか
に進行していくことになる。ところが、四アルコキシケ
イ素の加水分解による生成物は、多くの縮合の反応点
(シラノール基Si−OH)を有しており、縮合の反応
性が高い。しかも、加水分解物溶液の塩酸濃度が高く
て、溶液のpH値は1か2程度となっており、室温でも
シラノール基が反応し易い状態となっている。このた
め、四アルコキシケイ素の加水分解物溶液を室温に放置
しておくと、その溶液において縮合反応が三次元的に進
行していき、シラノール基が次第に減っていくこととな
る。
【0006】一方、アルキルトリアルコキシシランは、
溶液の塩酸濃度が低くても加水分解が起こり、その加水
分解反応と併行して加水分解生成物の縮合反応が進行し
ていく。この際、加水分解生成物の縮合反応は、かなり
の段階まで進行していくことになるが、アルキルトリア
ルコキシシランの加水分解生成物は、四アルコキシケイ
素の加水分解生成物に比べると縮合の反応性が低く、ま
た、溶液の塩酸濃度が低くて、溶液のpH値が3以上と
なっており、室温ではシラノール基が反応しにくい状態
となっている。このため、アルキルトリアルコキシシラ
ンの加水分解縮合物溶液中では、縮合反応によって生成
される高分子が鎖状となり、残留シラノール基も多い。
ところが、四アルコキシケイ素の加水分解物溶液とアル
キルトリアルコキシシランの加水分解縮合物溶液とが混
合されると、混合溶液のpH値が高くなる。この結果、
混合溶液を室温に放置しておくと、その混合溶液におい
て四アルコキシケイ素の加水分解生成物と共にアルキル
トリアルコキシシランの加水分解生成物及びその縮合生
成物による縮合反応が三次元的に進行していき、シラノ
ール基が減少していくこととなる。
【0007】上記したように、四アルコキシケイ素の加
水分解物溶液において、また、混合溶液において、三次
元的に縮合反応が進行し、それに伴ってシラノール基が
減少していくと、調整されたコーティング用組成物は、
それ自体で架橋反応が殆んど完結してしまい、そのコー
ティング用組成物をプラスチック成形品の表面に塗布
し、その後に加熱して被膜を形成しても、十分な硬度の
被膜が得られない、といった問題点がある。また、コー
ティング用組成物は、上記した通り室温での保存安定性
に欠ける。さらに、コーティング用組成物の調製は、四
アルコキシケイ素の加水分解物溶液とアルキルトリアル
コキシシランの加水分解縮合物溶液とを別々に調製し、
その後に両溶液を混合する、といった方法により行なわ
れ、組成物の調製に3工程を要する、といった問題点が
ある。
【0008】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、プラスチック成形品などの表面に塗
布した後加熱したときに十分な硬度の被膜が得られ、室
温での保存安定性にも優れた被膜形成用組成物を製造す
ることができ、また、工程数も少なくて済む、被膜形成
用組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
アルキルシリコンアルコキシドを含有する溶液に、0.
001〜0.01規定の塩酸水溶液を添加して、この塩
酸水溶液中で前記アルキルシリコンアルコキシドを加水
分解・縮合させた後、アルカリアルコキシドM(O
R”)y(M:アルカリ金属元素、R”:アルキル基、
y:アルカリ金属元素の価数)もしくはカルボン酸のア
ルカリ金属塩を添加することにより被膜形成用組成物を
製造することを特徴とする。アルキルシリコンアルコキ
シドは、1種類のもの、一般式で示すとR1Si(O
1’)3(アルキルトリアルコキシシラン)を用いるよ
うにしてもよいし、2種類のアルキルシリコンアルコキ
シドの混合物、一般式で示すとR1Si(OR1’)3
びR23Si(OR2’)2(ジアルキルジアルコキシシ
ラン)を用いるようにしてもよい。式中、R1、R2、R
3、R1’、R2’はアルキル基である。
【0010】請求項2に係る発明は、アルキルシリコン
アルコキシドを100重量部とシリコンアルコキシド
(四アルコキシケイ素、テトラアルコキシシラン)Si
(OR”)4(R”:アルキル基)を10重量部以下含
有する溶液に、0.001〜0.01規定の塩酸水溶液
を添加して、この塩酸水溶液中で前記アルキルシリコン
アルコキシド及び前記シリコンアルコキシドを加水分解
・縮合させた後、アルカリアルコキシドM(OR"')y
(M:アルカリ金属元素、R"':アルキル基、y:アル
カリ金属元素の価数)もしくはカルボン酸のアルカリ金
属塩を添加することにより被膜形成用組成物を製造する
ことを特徴とする。アルキルシリコンアルコキシドは、
上記した請求項1に係る発明と同様に、1種類のものを
用いるようにしてもよいし、2種類のアルキルシリコン
アルコキシドの混合物を用いるようにしてもよい。
【0011】上記した請求項1又は請求項2に係る発明
の製造方法において、アルカリアルコキシドもしくはカ
ルボン酸のアルカリ金属塩の添加量を、溶液に添加され
る塩酸水溶液の塩酸の等モル〜1,000倍モル、好ま
しくは10倍モル〜500倍モル、最も好ましくは50
倍モル〜100倍モルとするとよい。
【0012】
【作用】請求項1及び請求項2に係る各発明の製造方法
では、0.001〜0.01規定の塩酸水溶液中で加水
分解・縮合反応が行なわれる。このように溶液の塩酸濃
度が低いため、シリコンアルコキシドは、加水分解反応
が起こりにくくなるが、この発明の方法では、アルキル
シリコンアルコキシドだけが使用され、或いは、アルキ
ルシリコンアルコキシド及びその10分の1以下の量の
シリコンアルコキシドが使用されるので、系全体として
加水分解・縮合反応は進行する。溶液の塩酸濃度が低い
とシリコンアルコキシドの加水分解反応は起こりにくい
が、アルキルシリコンアルコキシドの加水分解によって
多量に生成するシラノール基が酸触媒の役割を果たすこ
とにより、シリコンアルコキシドの加水分解反応も進行
することになると考えられ、また、溶液を熟成すること
によりシリコンアルコキシドの加水分解反応も徐々に進
行する。また、加水分解反応と同時に、加水分解生成物
の縮合反応が進行していく。この場合、溶液の塩酸濃度
が高いと、加水分解反応速度が増大して、加水分解生成
物における縮合の反応点(シラノール基)が一度に増
え、特にシリコンアルコキシドを多く使用したときはそ
の加水分解生成物におけるシラノール基の増加速度が大
きくなり、このため、加水分解生成物の縮合反応が三次
元的に進行して、縮合反応生成物が枝分れ構造や架橋構
造を有したものとなり、調製された組成物は、残留シラ
ノール基が少なく反応性の低いものとなってしまう。し
かし、この発明の方法では、溶液の塩酸濃度が低くされ
ており、また、アルキルシリコンアルコキシドだけが使
用され或いはアルキルシリコンアルコキシドに比べてシ
リコンアルコキシドの量が少なくされているので、加水
分解反応速度と加水分解生成物の縮合反応速度との均衡
が保たれる。このため、縮合反応生成物は鎖状の高分子
が主体となり、残留シラノール基が多く反応性の高い組
成物が得られる。そして、このようにして調製された組
成物をプラスチック成形品などの表面に塗布し、それを
加熱すると、プラスチック成形品などの表面で架橋反応
が進行して、十分な硬度の被膜が形成されることとな
る。
【0013】また、この発明の方法では、溶液の塩酸濃
度が低くされているので、調製された組成物溶液のpH
値は3以上となり、このため、組成物中のシラノール基
は、室温において反応しにくくなっている。また、この
発明の方法では、シリコンアルコキシドが使用されず或
いはアルキルシリコンアルコキシドに比べてシリコンア
ルコキシドの量が少なくされているので、溶液の塩酸濃
度を高くしてシリコンアルコキシドだけを別に加水分解
させ、その加水分解物溶液をアルキルシリコンアルコキ
シドの加水分解縮合物溶液と混合する、といった面倒な
過程を経なくても、溶液の塩酸濃度が低くされて加水分
解・縮合反応が一工程で行なわれる。
【0014】アルカリアルコキシドもしくはカルボン酸
のアルカリ金属塩の添加量は、請求項3に記載されてい
るように、溶液に添加される塩酸水溶液の塩酸の等モル
〜1,000倍モルとすれば、調製された組成物をプラ
スチック成形品の表面などに塗布し加熱したときに、密
着性の良い硬化被膜が得られ、請求項4に記載されてい
るように、前記添加量を塩酸の10倍モル〜500倍モ
ルとすれば、より良好な硬化被膜が得られ、請求項5に
記載されているように、前記添加量を塩酸の50倍モル
〜100倍モルとすれば、さらに良好な硬化被膜が得ら
れる。
【0015】
【実施例】以下、実験例を示しながら、この発明の好適
な実施例について説明する。
【0016】被膜形成用組成物を製造するための第1の
方法は、アルキルシリコンアルコキシドを含有する溶液
に0.001〜0.01規定の塩酸水溶液を添加し、加
水分解・縮合反応後に、アルカリアルコキシド又はカル
ボン酸のアルカリ金属塩を添加する。また、第2の方法
は、アルキルシリコンアルコキシドとシリコンアルコキ
シドとを含有する溶液に、第1の方法と同様、0.00
1〜0.01規定の塩酸水溶液を添加し、加水分解・縮
合反応後に、アルカリアルコキシド又はカルボン酸のア
ルカリ金属塩を添加する。
【0017】アルキルシリコンアルコキシドとしては、
モノアルキルシリコントリアルコキシドR1Si(O
1’)3又はモノアルキルシリコントリアルコキシド及
びジアルキルシリコンジアルコキシドR23Si(OR
2’)2の混合物を用いる。また、シリコンアルコキシド
は、一般式で示すとSi(OR3’)4である。上記各式
中、R1、R2、R3はアルキル基、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などであり、R1とR2
3とは、同じ基であってもよいし互いに異なる種類の
基であってもよい。また、OR1’、OR2’、OR3
はアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基などであり、OR1’とOR2’と
OR3’とは、同じ基であってもよいし互いに異なる種
類の基であってもよい。
【0018】アルキルシリコンアルコキシドと共にシリ
コンアルコキシドを用いる場合は、シリコンアルコキシ
ドの量を、アルキルシリコンアルコキシド100重量部
に対して10重量部以下、すなわちアルキルシリコンア
ルコキシドの10分の1以下とする。シリコンアルコキ
シドの割合をそれ以上にすると、溶液の塩酸濃度が低く
されているため、シリコンアルコキシドの加水分解反応
が余り進行せずに、均一な組成物ゾルが得られなくな
る。
【0019】尚、添加する塩酸水溶液の塩酸濃度を0.
01規定以上にすると、上述したように反応性の高い組
成物が得られず、一方、添加する塩酸水溶液の塩酸濃度
を0.001規定以下にすると、アルキルシリコンアル
コキシドの加水分解反応速度も著しく低下してしまい、
目的とする組成物が得られなくなる。
【0020】アルカリアルコキシド又はカルボン酸のア
ルカリ金属塩は、調製された組成物ゾル中に均一に溶解
し、その組成物ゾルをプラスチック成形品の表面などに
塗布し加熱したときに、塗膜の硬化触媒として作用す
る。アルカリアルコキシドは、一般式で示すとM(O
R”)y(M:アルカリ金属元素、OR”:アルコキシ
基、y:アルカリ金属元素の価数)であり、アルカリア
ルコキシドとしては、例えばナトリウムエトキシド(ナ
トリウムエチラート)NaOC25などが使用される。
また、カルボン酸のアルカリ金属塩としては、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸等のナトリウム塩やカリウム塩が使用
される。アルカリアルコキシド又はカルボン酸のアルカ
リ金属塩の添加量は、少な過ぎると被膜の硬化が不十分
となり、また、多過ぎると被膜の密着性などが不十分と
なるので、好ましくは溶液に添加される塩酸水溶液の塩
酸の等モル〜1,000倍モル、より好ましくは塩酸の
10倍モル〜500倍モル、最も好ましくは塩酸の50
倍モル〜100倍モルとする。
【0021】次に、具体的実施例について説明する。
【0022】〔実施例1〕メチルトリエトキシシランC
3Si(OC253(MTEOS)178gをイソプ
ロピルアルコール(IPA)186.7gに溶解させ、
これに0.005規定の塩酸水溶液を添加し、この塩酸
水溶液を暫く撹拌してMTEOSを加水分解させた。一
晩、25℃の温度で溶液を熟成させた後、この溶液に酢
酸ナトリウムの10%酢酸溶液を22.2g添加し、溶
液を1時間撹拌した。このようにして得られた組成物ゾ
ルをアクリル(ポリメチルメタクリレート)板の表面に
ディップコート(浸漬塗り)し、3μmの厚みの被膜を
形成して、アクリル板を120℃に加熱して熱処理し
た。
【0023】〔実施例2〕上記実施例1と同様のプロセ
スにより、加水分解に使用する塩酸水溶液の濃度を0.
01規定に変えて、組成物ゾルを調製した。この組成物
ゾルをアクリル板の表面にディップコートし、3μmの
厚みの被膜を形成して、120℃の温度で熱処理した。
【0024】〔実施例3〕上記実施例1と同様のプロセ
スにより、加水分解に使用する塩酸水溶液の濃度を0.
001規定に変えて、組成物ゾルを調製した。この組成
物ゾルをアクリル板の表面にディップコートし、3μm
の厚みの被膜を形成して、120℃の温度で熱処理し
た。
【0025】〔実施例4〕上記実施例1と同様のプロセ
スにより、酢酸ナトリウムの10%酢酸溶液に代えて、
酢酸20gを添加した後ナトリウムエチラートの10%
エタノール溶液18.4gを溶液に添加するようにして
(溶液の撹拌時間は、実施例1と同様に1時間とす
る)、組成物ゾルを調製した。この組成物ゾルをアクリ
ル板の表面にディップコートし、3μmの厚みの被膜を
形成して、120℃の温度で熱処理した。
【0026】〔実施例5〕MTEOS178g及びテト
ラエトキシシランSi(OC254(TEOS)1
7.8gをIPA186.7gに溶解させ、これに0.
005規定の塩酸水溶液を添加し、この塩酸水溶液を暫
く撹拌してMTEOS及びTEOSを加水分解させた。
以後の操作は上記実施例1と同様のプロセスに従って、
組成物ゾルを調製した。この組成ゾルをアクリル板の表
面にディップコートし、3μmの被膜を形成して、12
0℃の温度で熱処理した。
【0027】〔比較例1〕上記実施例1と同様のプロセ
スにより、加水分解に使用する塩酸水溶液の濃度を0.
03規定に変えて、組成物ゾルを調製した。この組成物
ゾルをアクリル板にディップコートし、3μmの厚みの
被膜を形成して、120℃の温度で熱処理した。
【0028】〔比較例2〕上記実施例1と同様のプロセ
スにおいて、加水分解に使用する塩酸水溶液の濃度を
0.0005規定に変えた。この場合には、MTEOS
の加水分解反応が十分に起こらず、ゾルが形成されなか
ったが、得られた液をアクリル板の表面にディップコー
トし、3μmの厚みの被膜を形成して、120℃の温度
で熱処理した。
【0029】〔試験例〕実施例1〜5並びに比較例1及
び2においてそれぞれアクリル板の表面に形成された被
膜について、スチールウールを使用して耐摩耗性(1kg
荷重)を調べた。その評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】以上の結果より、加水分解反応を起こさせ
る塩酸水溶液の塩酸濃度が0.001〜0.01規定の
範囲内であれば、組成物ゾルの形成が可能であり、それ
を用いてアクリル板の表面に形成した被膜は、十分に高
い耐摩耗性を有していることが分かる。一方、使用する
塩酸水溶液の塩酸濃度が0.01規定より高くなると、
得られた組成物ゾルを用いてアクリル板の表面に形成し
た被膜の耐摩耗性が不十分となり、塩酸濃度が0.00
1規定より低いと、MTEOSの加水分解反応が起こら
ず、組成物ゾルの形成が困難であることが分かった。
【0032】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に係る各発明は以
上説明したように構成されかつ作用するので、この発明
に係る製造方法を用いるようにすれば、プラスチック成
形品などの表面に塗布した後加熱したときに十分な硬度
の被膜が得られ、室温での保存安定性にも優れた被膜形
成用組成物を得ることができ、また、組成物の製造工程
数も少なくて済み、製造が簡単になる。
【0033】また、アルカリアルコキシドもしくはカル
ボン酸のアルカリ金属塩の添加量を請求項3に記載され
ているようにすれば、調製された組成物をプラスチック
成形品の表面などに塗布し加熱したときに、密着性の良
い硬化被膜が得られ、前記添加量を請求項4に記載され
ているようにすれば、より良好な硬化被膜が得られ、前
記添加量を請求項5に記載されているようにすれば、さ
らに良好な硬化被膜が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルシリコンアルコキシドR1Si
    (OR1’)3又は2種類のアルキルシリコンアルコキシ
    ドR1Si(OR1’)3及びR23Si(OR2’)
    2(R1、R2、R3、R1’、R2’:アルキル基)の混合
    物を含有する溶液に、0.001〜0.01規定の塩酸
    水溶液を添加して、この塩酸水溶液中で前記アルキルシ
    リコンアルコキシドを加水分解・縮合させた後、アルカ
    リアルコキシドM(OR”)y(M:アルカリ金属元
    素、R”:アルキル基、y:アルカリ金属元素の価数)
    もしくはカルボン酸のアルカリ金属塩を添加することを
    特徴とする被膜形成用組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルキルシリコンアルコキシドR1Si
    (OR1’)3又は2種類のアルキルシリコンアルコキシ
    ドR1Si(OR1’)3及びR23Si(OR2’)
    2(R1、R2、R3、R1’、R2’:アルキル基)の混合
    物を100重量部、及び、シリコンアルコキシドSi
    (OR”)4(R”:アルキル基)を10重量部以下含
    有する溶液に、0.001〜0.01規定の塩酸水溶液
    を添加して、この塩酸水溶液中で前記アルキルシリコン
    アルコキシド及び前記シリコンアルコキシドを加水分解
    ・縮合させた後、アルカリアルコキシドM(OR"')y
    (M:アルカリ金属元素、R"':アルキル基、y:アル
    カリ金属元素の価数)もしくはカルボン酸のアルカリ金
    属塩を添加することを特徴とする被膜形成用組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリアルコキシドもしくはカルボン
    酸のアルカリ金属塩の添加量を、溶液に添加される塩酸
    水溶液の塩酸の等モル〜1,000倍モルとする請求項
    1又は請求項2記載の被膜形成用組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリアルコキシドもしくはカルボン
    酸のアルカリ金属塩の添加量が塩酸の10倍モル〜50
    0倍モルである請求項3記載の被膜形成用組成物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 アルカリアルコキシドもしくはカルボン
    酸のアルカリ金属塩の添加量が塩酸の50倍モル〜10
    0倍モルである請求項4記載の被膜形成用組成物の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7931940B2 (en) 2007-08-28 2011-04-26 Hoya Corporation Production method of silica aerogel film, anti-reflection coating and optical element
JP2016128157A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 リコーイメージング株式会社 シリカエアロゲル膜の製造方法

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