JPH08331879A - 機械定数推定回路 - Google Patents

機械定数推定回路

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JPH08331879A
JPH08331879A JP7135263A JP13526395A JPH08331879A JP H08331879 A JPH08331879 A JP H08331879A JP 7135263 A JP7135263 A JP 7135263A JP 13526395 A JP13526395 A JP 13526395A JP H08331879 A JPH08331879 A JP H08331879A
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JP
Japan
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mechanical
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constant
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JP7135263A
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Atsushi Fujikawa
淳 藤川
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機速度制御系の負荷外乱を推定し、補償
することによって高性能且つロバストな制御を実現する
等価外乱オブザーバ補償制御において、従来の機械定数
一定制御の弊害を除去するために機械定数推定回路を提
供する。 【構成】 実システムの機械定数のパラメータ変動を比
例積分制御部出力とフィードフォワード制御部出力とか
ら推定し、その推定値を新たなノミナル値として等価外
乱オブザーバによる補償制御を行わせる。このため、比
例積分制御部9の出力Tdisと、フィードフォワード
制御部10の慣性成分出力JS及び機械損成分Dとの相関
関係から判断して、慣性成分のノミナル値Jn及び機械
損成分のノミナル値Dnを推定する機械定数推定部2を
構成して、ロバスト性と制御安定度の高い補償系を提供
できる。かくして、ギヤ比や巻き取りダイヤの検出等、
機械定数を検出するための検出手段の必要がなくなり、
且つ調整作業がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】産業応用モータ駆動システムにお
いては、通常よく用いられている比例積分制御(PI制
御)を適用して速度制御されるが、その速応性を高めよ
うとすると、外乱トルクや系のパラメータの変動が大き
い場合は、制御に悪影響を与える。
【0002】このような問題を解決するため、等価外乱
オブザーバを適用して設定変動やパラメータ変動にロバ
スト(頑丈)な制御が行われている。この場合は等価外
乱オブザーバの演算定数である電動機制御系の慣性や粘
性抵抗などの機械定数は一定のノミナル値が使われるが
種々弊害が生じている。例えば、巻き取り機やパワート
レインのように慣性定数が大きく変動するシステムで
は、これらのノミナル値を一定として制御するには無理
がある。そこで本発明は、システムの運転状態に合わせ
て機械定数のノミナル値を推定して可変しながら等価外
乱オブザーバによる補償制御を行って、速度制御特性を
改善する方法を提供するものである。
【0003】
【従来の技術】電動機速度制御系の応答に大きく影響を
与える定数として、制御対象の機械定数がある。この値
が運転状況により大きく変動すると、運転中の設定変動
や負荷変動により制御性能が劣化することはよく知られ
ている。例えば、機械定数のうち、慣性定数は巻き取り
機やパワートレインのように慣性定数が大きく変動する
システムでは無視できない。例えば、巻き取り機の径の
大きさを検出したり、ギヤ比等から概算でこの定数を推
定していた。また、電動機や負荷及び軸の粘性抵抗は機
械損失となり、その値は使用環境や経年により変化す
る。普通はこれらのダイナミズム定数を一定として制御
されることが多い。これらの機械定数の変動に対して、
ロバスト安定制御を行う方法として、前記等価外乱オブ
ザーバ補償制御法がある。この制御方法はシステムに入
るあらゆる外乱を制御系の入力量と状態量とから推定演
算して、外乱をキャンセルすることで達成される。これ
によって設定変動やパラメータ変動にロバストな制御が
行われている。この場合は、等価外乱オブザーバ演算定
数である電動機制御系の慣性や粘性抵抗などの機械定数
は、一定のノミナル値が使われることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】誘導電動機の速度制御
系比例積分制御のみの場合はある機械定数の時に最適調
整してもこのパラメータ定数が変動したら制御特性は悪
化する。このような機械定数のパラメータ変動問題を解
決するための一方法として、前述の等価外乱オブザーバ
を適用した方式があるが、等価外乱オブザーバの内部演
算定数である電動機制御系の慣性や粘性抵抗等の機械定
数は一定のノミナル値が使われることが多い。
【0005】実システムの機械定数の変動があっても、
一定のノミナル値としているため、等価外乱オブザーバ
補償量の中のパラメータ変動補償値分が過大になり、結
局は制御レンジが狭められると言う弊害が生じていた。
【0006】等価外乱オブザーバによる補償制御につい
ては、すでに特開平3-25505 号等で開示しているが、上
記問題点に鑑みて、以下に簡単に説明を加える。図2は
従来の一定のノミナル値をとる等価外乱オブザーバを適
用した電動機制御ブロック線図であって、トルク発生係
数Ktを有するパワーアクチュエータ13と、慣性J及び
粘性抵抗Dを有するモータ系12とから成るモータ駆動系
プラント1の出力信号である速度信号ωを、減算器8に
おいて速度指令値ωdと比較し、その差を比例積分(P
I)制御器9に入力し、その出力Upiに加算器14にお
いて等価外乱推定器3からの出力Tdisと加算した
上、その合計であるトルク指令値Uをモータ駆動系プラ
ント1に入力している。モータ系12にはパワーアクチュ
エータ13の出力と、外乱TLとが加算器16で加算されて
入力される。また、等価外乱推定器3は制御システム系
の逆関数のノミナル値をとる微分器7、トルク発生係数
のノミナル値乗算器5、加算器15、トルク発生係数の逆
数のノミナル値乗算器11、及びローパスフィルタ6から
成っており、モータ系12からの速度信号ωを微分器7で
微分した出力と、加算器14の出力であるトルク指令値U
を入力されるトルク発生係数のノミナル値乗算器5の出
力とを加算器15で加算して、その出力をトルク発生係数
の逆数のノミナル値乗算器11へ入力し、その出力をロー
パスフィルタ6を介して加算器14へ等価外乱トルク演算
値Tdisとして出力している。
【0007】図2の制御系から(1)式が得られる。
【数1】 U・Kt−TL=(JS+D)ω (1) ここで、
【数2】 Kt=Ktn+ΔKt J=Jn+ΔJ D=Dn+ΔD (2) とおく。ここで、Uはトルク指令値、TLは負荷外乱、
ωは電動機速度であり、Jは慣性値、Dは粘性抵抗、K
tはパワーアクチュエータのトルク発生係数であって、
Jn、Dn、Ktnはそれらのノミナル値でnはそれぞ
れのパラメータ定数のノミナル値を表しており、一方Δ
はそれらのパラメータ定数の変動分を表している。Sは
微分演算子である。
【0008】(2)式を(1)式に代入して整理する
と、
【数3】 U・Ktn−(TL−U・ΔKt+ΔJS・ω+ΔD・ω) =(JnS+Dn)ω (3) ここで、
【数4】 Tdis=TL−U・ΔKt+ΔJS・ω+ΔD・ω (4) とおくと、
【数5】 U・Ktn−Tdis=(JnS+Dn)ω (5) (4)式と(2)式とから、
【数6】 Tdis =TL+(J−Jn)Sω+(D−Dn)ω+U(Ktn−Kt)(6) が得られる。
【0009】等価外乱オブザーバの推定式は(6)式に
ルーエンバーガの一次遅れフィルタを掛けた次式で与え
られる。ここで、Tはこのフィルタの時定数である。ま
た、トルク発生係数はトルク一定制御時はKtn=Kt
としてよいので、(6)式から
【数7】 Tdis =〔1/(1+TS)〕〔TL+(J−Jn)Sω+(D−Dn)ω〕 (7) と表される。
【0010】等価外乱オブザーバを適用してロバスト化
する方法においては、慣性定数は普通は設計定数などの
ノミナル値(nのつけられた値)をとり、その値にクラ
ンプされて外乱を推定しキャンセレーションされてロバ
スト化される。その時の実際の慣性値にではなくノミナ
ル値にクランプされる。従って実際値とノミナル値とが
ずれていると、(7)式に示すようにそのずれ分も補償
し、補償量が大きくなったりして補償できなくなり、オ
ーバシュートやワインドアップが起きることがあった。
等価外乱オブザーバは外乱を推定するが、以上のように
パラメータの変動分まで補償してしまうと言う良い特徴
が、パラメータのずれが大きすぎるとかえって弊害とな
ることがある。
【0011】等価外乱オブザーバに使われる制御系のシ
ステムパラメータは上述のようにノミナル値が採用され
ることが多い。これらの値は普通は一定値として制御さ
れ、パラメータ変動の少ない系に対しては実用上は十分
機能しかつ簡便である。しかし、システムの機械定数が
大きく変動する場合は一定値のままでは不具合が生じ
て、実システムの機械パラメータの変動に追従したノミ
ナル値を採用したほうがより良いと言う課題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による機械定数推
定回路は、比例積分制御部と、フィードフォワード制御
部と、制御対象への入力量と状態量とから等価外乱トル
クを演算してトルク指令に該演算値と前記フィードフォ
ワード制御部出力とを付加して前記入力量とし外乱キャ
ンセレーションをさせる等価外乱オブザーバ補償制御部
とを有する電動機の速度制御系において、前記フィード
フォワード制御部のフィードフォワード回路から慣性成
分出力と機械損成分とに区分して出力せしめて、前記慣
性成分出力が設定されたしきい値以下のとき、前記機械
損成分と前記比例積分制御部出力が接近するように機械
損のノミナル値を可変調整し、機械損のノミナル値を更
新して等価外乱オブザーバ補償制御することを特徴とす
る。また、前記フィードフォワード回路の慣性成分出力
が設定されたしきい値以上のときは、前記等価外乱オブ
ザーバ補償制御部の慣性定数のノミナル値を、該慣性成
分出力が前記比例積分制御部出力に接近するように可変
調整して、慣性定数のノミナル値を更新し、等価外乱オ
ブザーバ補償制御する。
【0013】このための諸手段について以下に説明す
る。速度指令が一定でほぼ無負荷のとき、すなわち、フ
ィードフォワード回路の慣性成分出力JSが設定された
しきい値以下のときSω=0とし、また、トルク発生係
数はトルク一定制御のときにはKt=Ktnとしてよい
から、(7)式は
【数8】 Tdis=〔1/(1+TS)〕〔TL+(D−Dn)ω〕 (8) となり、このとき、Tdis=TLであればD=Dnで
あるので、また、TLはほぼ比例積分制御部出力と等価
であるので、フィードフォワード制御部の機械損成分D
と比例積分制御部出力Upiとが接近するように機械損
のノミナル値Dnを変化させ、一致する値を機械損のノ
ミナル値Dnとする手段とすることができる。
【0014】速度設定指令ωd* を加減速設定器に入力
し、その出力の速度指令値ωdをフィードフォワード制
御部と減算器とへ入力する。速度設定指令ωd* がステ
ップ変化すると加減速設定器の設定に応じてフィードフ
ォワード回路の慣性成分出力JSはある値を持つ。ま
た、比例積分制御部出力、すなわちトルク指令Upiは
ある値を持つ。これらの値があるしきい値以上のとき
(7)式は Tdis=〔1/(1+TS)〕〔TL+(J−Jn)Sω〕 (9) となり、(9)式の演算値はJとJnとが同じ値であれ
ばTdis=TLとなるが、J>JnのときはTdis
>TLとなる。また、TLはほぼ比例積分制御部出力U
piと等価であるので、Tdis>UpiのときはJn
を大きい値に可変してTdis=Upiとすれば、J=
Jnとすることが可能である。これに反して、Tdis
<UpiのときはJ<Jnであるので、Jnを小さい値
に可変することで、慣性定数のノミナル値Jnを真値J
に一致させること、すなわち推定することが可能であ
る。
【0015】このように、等価外乱推定器の出力Tdi
sを比例積分制御部の出力Upiに接近するように、フ
ィードフォワード制御部の慣性成分出力JSを可変する
ことにより、慣性定数のノミナル値Jnを推定する手段
をとる。推定した慣性定数のノミナル値Jnを新たな慣
性定数のノミナル値Jnとして採用することが可能であ
る。ここで、比例積分制御部の出力Upiの代わりにト
ルクメータ出力を使う手段が可能であることは明らかで
ある。
【0016】次に、トルク発生係数Ktはトルク一定制
御時は変動はなく、Kt=Ktnとしてよいが、パワー
一定制御時のトルク発生係数は電動機速度に対して逆比
例となるから、このトルク発生係数のノミナル値Ktn
を電動機速度の逆関数として設定する手段をとることが
できる。
【0017】機械定数推定方法を行う間は、フィードフ
ォワード制御部の各出力を検出のみに使用し、補償には
使用しない。そのためにフィードフォワード制御部の各
出力にスイッチを設ける。各ノミナル値の推定が完了し
た時点でこれらのスイッチをオンにして、推定されたノ
ミナル値でフィードフォワード補償がかかるようにす
る。これで2自由度制御系が構成される。
【0018】以上のような諸手段により速度制御システ
ムの機械推定をオンラインで行い、推定値を新たなノミ
ナル値として等価外乱オブザーバによる補償制御を行う
ことが可能である。
【0019】
【作用】上記諸手段により機械定数を推定し、その推定
値を新たなノミナル値として等価外乱オブザーバにより
補償制御を行うときの各手段の作用を述べる。電動機の
速度設定指令ωd* を加減速設定器に入力し、その出力
の速度指令値ωdをフィードフォワード制御部と減算器
へ送る。このフィードフォワード制御部からそれぞれ個
別に慣性成分出力JSと機械損成分出力Dとを得て、慣
性成分出力JSが設定されたしきい値以下のとき速度指
令が一定でほぼ無負荷のときとして判定して、機械損成
分Dと比例積分制御部出力Upiとが接近するように機
械損のノミナル値Dnを可変調整して、一致したらその
値を新たな機械損のノミナル値Dnとする。
【0020】次に、速度指令値ωdが変わると電動機速
度は変化し、比例積分制御部の出力Upiはある値を持
つ。また、フィードフォワード回路の慣性成分出力JS
もある値を持つ。フィードフォワード回路の慣性成分出
力JSを比例積分制御部出力Upiに接近するように慣
性定数のノミナル値Jnを可変調整して、一致したらそ
の値を新たな慣性定数のノミナル値Jnとすることによ
り、本発明による機械定数推定回路の目的は達成され
る。
【0021】
【実施例】図1は本発明による機械定数推定回路をモー
タの速度制御系に適用した一実施例を示すブロック線図
である。図2に示した従来例と異なるところは、速度指
令値ωdが速度設定指令ωd* を入力とする加減速調整
器19から供給される点と、フィードフォワード制御部10
と機械定数推定部2とが追加された点のみであるので、
先ずそれらの構成を説明する。
【0022】図示の通り、速度指令値ωdは速度設定指
令ωd* を入力とする加減速調整器19から減算器8へ供
給されている。この速度指令値ωdはフィードフォワー
ド制御部10へも供給され、フィードフォワード制御部10
の出力端子は加算器14へつながれている。フィードフォ
ワード制御部10は、慣性成分出力JSを出力する慣性成
分演算部10′と、機械損成分Dを出力する機械損成分演
算部10″と、スイッチ17, 18及び慣性成分出力JSと機
械損成分Dとを加算する加算器20とから構成され、慣性
成分演算部10′とスイッチ17との直列回路と、機械損成
分演算部10″とスイッチ18との直列回路とが、並列に加
減速調整器19と加算器20との間に挿入され、加算器20の
出力が加算器14へ接続されている。
【0023】機械定数推定部2には、慣性成分演算部1
0′の出力の慣性成分出力JSと、機械損成分演算部1
0″の出力の機械損成分Dと、比例積分制御器9の出力
のUpiとが直接入力され、前述の手順により慣性定数
のノミナル値Jnと機械損のノミナルDnとを演算出力
する。すなわち、フィードフォワード回路の慣性成分出
力JSが設定されたしきい値以下のときは、フィードフ
ォワード制御部の機械損成分Dと比例積分制御部出力U
piとが接近するように機械損のノミナル値Dnを変化
させ、一致する値を機械損のノミナル値Dnとする。フ
ィードフォワード回路の慣性成分出力JSと比例積分制
御部出力Upiとがあるしきい値以上のときには、慣性
成分出力JSが前記比例積分制御部出力Upiに接近す
るように慣性成分のノミナル値Jnを可変調整し、慣性
定数のノミナル値Jnを更新する。
【0024】機械定数推定方法を行う間は、フィードフ
ォワード制御部10の各出力を検出のみに使用し、補償に
は使用しないので慣性成分演算部10′の出力端子と、機
械損成分演算部10″の出力端子とは、それぞれスイッチ
17と18とを介して加算器20へ導かれ、加算器20の出力端
子が加算器14へつながれている。慣性定数のノミナル値
Jnと機械損のノミナルDnとの推定が完了した時点で
これらのスイッチ17と18とをオンにして、推定されたノ
ミナル値でフィードフォワード補償がかかるようにす
る。これで2自由度制御系が構成される。
【0025】次に、等価外乱オブザーバの構成を説明す
る。減算器8で速度指令値ωdとモータ駆動系の出力信
号である速度信号ωとの偏差を演算し、その偏差を入力
とする比例積分制御器9の出力Upiに、機械定数推定
部3の出力Tdis及びフィードフォワード制御部10の
出力を、加算器14において加算してトルク指令値Uを得
る。トルク指令値Uはパワーアクチュエータ13とモータ
系12とから構成されるモータ駆動系プラント1に入力さ
れ、モータ駆動系の出力信号である速度信号ωを出力す
る。等価外乱推定器3はトルク指令値Uと速度信号ωと
を入力とし、前記(6)式に基づいてトルク発生係数の
ノミナル値乗算器5と、制御システム系の逆関数のノミ
ナル値をとる微分器7と、トルク発生係数の逆数のノミ
ナル値乗算器11と、ローパスフィルタ6とから成る等価
外乱推定器3によって等価外乱推定値Tdisを演算す
る。
【0026】等価外乱推定値Tdisを加算器14に印加
することによって外乱を補償するため、負荷である外乱
TLやパラメータ変動があっても、速度の応答が早く、
すなわちロバストな制御システムを実現することができ
る。外乱やパラメータ変動の補償がなされるとき、入力
トルク指令値Uはほぼ零になる。
【0027】次に、機械定数推定部2に、速度制御ルー
プの比例積分制御器9の出力Upiと、フィードフォワ
ード制御部10の慣性成分演算部10′の出力JS及び機械
損成分演算部10″の出力Dとを取り入れ、前述のように
運転状況から判断してその時求められるパラメータのみ
を新しい値に更新する。推定されないパラメータは現在
値のまま保持する。このように演算推定された機械定数
推定部2の推定値出力Jn,Dnにより、制御システム
系の逆関数のノミナル値をとる微分器7と、慣性成分演
算部10′及び機械損成分演算部10″のノミナル値を更新
する。
【0028】以上のように、フィードフォワード制御部
10の出力である慣性成分出力JS及び機械損成分Dと、
速度制御ループの比例積分制御器9の出力Upiとか
ら、機械定数を可変調整することにより推定して、実パ
ラメータにほぼ等価なノミナル定数により補償すること
ができ、高性能の制御システムを構成できることは以上
の例示からも明らかである。
【0029】
【発明の効果】従来から、電動機の速度制御系におい
て、機械定数のパラメータ変動問題を解決するための一
方法として等価外乱オブザーバ方式がある。その内部制
御定数である慣性や粘性抵抗などの機械定数は、一定値
のノミナル値が使われることが多く、パラメータ変動が
大きくない場合にはこの方式でも十分であったが、変動
が大きいシステムの場合には、等価外乱オブザーバ補償
量の中のパラメータ変動補償量が過大になり、結局は制
御レンジが狭められるという弊害が生じていた。しか
し、本発明のように、等価外乱オブザーバによる補償制
御において、実システムの機械定数のパラメータを、比
例積分制御器の出力とフィードフォワード制御部の出力
とから、調整推定する構成とすることが可能である。
【0030】以上のように簡単なフィードフォワード制
御部を付加するだけで、外乱やパラメータの変動に対す
るロバスト性が良くなり、より制御安定度の高いロバス
ト補償系を提供できる。
【0031】本発明による機械定数推定回路によって、
パラメータ変動分の補償量が削減されて、実システムに
近い補償制御系が構成され、オーバーシュートやワイン
ドアップが抑制される。また、ギヤ比の換算や巻き取り
ダイヤの検出等、機械定数を推定するための検出手段も
必要なくなる。更に、これらの機械定数を設計図や外形
図又は特性書類から前もって調べて、ノミナル値として
設定入力する必要がなくなり、適当な概略値を初期設定
するだけで、運転が始まれば実システム定数を自動推定
してくれるので、調整作業がなくなるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す等価外乱オブザーバ補
償制御に機械定数推定部を設けた場合の電動機速度制御
ブロック線図である。
【図2】従来の一定ノミナル値をとる等価外乱オブザー
バを設けた場合の電動機速度制御ブロック線図である。
【符号の説明】
1 モータ駆動系プラント 2 機械定数推定部 3 等価外乱推定器 5 トルク発生係数のノミナル値乗算器 6 ローパスフィルタ 7 制御システム系の逆関数のノミナル値をとる微分器 8 減算器 9 比例積分制御器 10 フィードフォワード制御部 10′慣性成分演算部 10″機械損成分演算部 11 トルク発生係数の逆数のノミナル値乗算器 12 モータ系 13 パワーアクチュエータ 14 加算器 15 加算器 16 加算器 17, 18 スイッチ 19 加減速調整器 20 加算器 D 粘性抵抗すなわち機械損成分 J 慣性すなわち慣性定数 JS フィードフォワード制御部の慣性成分出力 Kt トルク発生係数 Ktn トルク発生係数のノミナル値 Tdis 等価外乱推定器の出力すなわち等価外乱トル
ク演算値 TL 外乱 U トルク指令値 Upi 比例積分制御器の出力すなわちトルク指令 ω モータ駆動系の出力信号である速度信号 ωd 速度指令値 ωd* 速度設定指令
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 13/62 G05D 13/62 E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比例積分制御部と、フィードフォワード
    制御部と、制御対象への入力量(U)と状態量(ω)と
    から等価外乱トルク(Tdis)を演算してトルク指令
    (Upi)に該演算値(Tdis)と前記フィードフォ
    ワード制御部出力とを付加して前記入力量(U)とし外
    乱キャンセレーションをさせる等価外乱オブザーバ補償
    制御部とを有する電動機の速度制御系において、 前記フィードフォワード制御部(10)のフィードフォワ
    ード回路から慣性成分出力(JS)と機械損成分(D)
    とに区分して出力せしめて、前記の慣性成分出力(J
    S)が設定されたしきい値以下のとき、前記機械損成分
    (D)と前記比例積分制御部出力(Upi)とが接近す
    るように機械損のノミナル値(Dn)を可変調整し、機
    械損のノミナル値(Dn)を更新して等価外乱オブザー
    バ補償制御することを特徴とする機械定数推定回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の機械定数推定回路におい
    て、前記フィードフォワード回路の慣性成分出力(J
    S)が設定されたしきい値以上のとき、前記等価外乱オ
    ブザーバ補償制御部の慣性定数(J)のノミナル値(J
    n)を、該慣性成分出力(JS)が前記比例積分制御部
    出力(Upi)に接近するように可変調整し、慣性定数
    のノミナル値(Jn)を更新して等価外乱オブザーバ補
    償制御することを特徴とする機械定数推定回路。
JP7135263A 1995-06-01 1995-06-01 機械定数推定回路 Pending JPH08331879A (ja)

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JP (1) JPH08331879A (ja)

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