JP2001242904A - 速度制御装置 - Google Patents

速度制御装置

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JP2001242904A
JP2001242904A JP2000056865A JP2000056865A JP2001242904A JP 2001242904 A JP2001242904 A JP 2001242904A JP 2000056865 A JP2000056865 A JP 2000056865A JP 2000056865 A JP2000056865 A JP 2000056865A JP 2001242904 A JP2001242904 A JP 2001242904A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転走行切断機、走行切断機、定寸送り装置
等の速度制御の精度を向上させ、位置制御の送り精度、
切断精度および工作機械等の加工物の形状精度を向上さ
せることのできる速度制御装置を提供する。 【解決手段】 速度制御装置10は、規範モデル設定器
11、加速度フィードフォワード補償手段12、減算器
13、速度制御器14、加算器15、加算器16、推定
負荷外乱フィードフォワード補償手段18、イナーシャ
同定手段19により構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加減速レートを有
する速度指令を用いる速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の速度制御装置は、速度指令である
加減速レートの変速領域から定速領域に移行する際に生
ずる制御対象(例えば、電動機の回転速度)のオーバシ
ュートおよび/または負荷外乱(変動)による速度変動
が生じるため、速度制御等の追従性能を低下させる。こ
のため、速度制御の精度または位置決め精度を上げるこ
とができないので、材料等の送り精度、切断精度および
加工精度を得ることができない。
【0003】このような従来の速度制御装置について説
明する。図6に従来の速度制御ブロック図を、図7に従
来の速度制御ブロック図を伝達関数に変換した制御ブロ
ック図を、図8に従来の加減速レート図を示す。
【0004】図6に示すように、この速度制御装置は、
速度指令ω* を減算器51を通して速度制御器52に入
力し、その出力をイナーシャ負荷(制御対象)20に入
力して、イナーシャ負荷20において速度検出値ωを検
出する。この検出された速度検出値ωを減算器51にフ
ィードバックすることにより、速度制御ループを構成し
ている。
【0005】この速度制御器52の制御方式には、一般
的に比例積分速度制御方式(以下PI速度制御という)
が採用されている。このため、加減速を有する速度指令
ω*を入力した場合、図8に示すように、変速領域から
定速領域に移行する際に制御対象(例えば、電動機の回
転速度)のオーバシュートが生じ、また、負荷外乱によ
る速度変動が生じることにより、速度制御装置等の追従
性能を低下させる。このため、速度制御の精度または位
置決め精度を上げることができないので、送り精度、切
断精度および加工精度を得ることができない原因となっ
ている。
【0006】何れにしても速度指令である加減速レート
の変速領域から定速領域に移行する際に生ずるオーバシ
ュート、また、負荷外乱による速度変動は、PI速度制
御によるもので、例えば、比例制御の場合には、変速領
域から定速領域に移行する時は、オーバシュートは無く
なるが、負荷外乱が生じた場合、速度変動が定常偏差と
なる。
【0007】また、PI速度制御の場合は、負荷外乱に
よる速度変動の定常偏差は小さくなるが、オーバシュー
トが発生する。
【0008】このPI速度制御について伝達関数を用い
て説明する。図7は、図6の速度制御ループを伝達関数
を用いて表現したもので、減算器51、比例速度制御器
52A、積分速度制御器52B、加算器53、イナーシ
ャ負荷20により構成される。
【0009】また、図7に示されたイナーシャ負荷20
は、定常の負荷変動を有する粘性抵抗の小さいイナーシ
ャ負荷で、速度制御装置は、PI速度制御方式が採用さ
れトルク応答の速い速度制御を行えるとしている。
【0010】この図7から、速度指令ω* と速度フィー
ドバックωとの速度偏差e=ω* −ωを比例制御器52
Aを通し、加算器53による積分時間Ti の積分器52
Bとの和をトルク指令としてイナーシャ負荷20に与え
られる。
【0011】この場合、負荷外乱τL に対する速度の応
答は、
【0012】
【数1】
【0013】となる。但し、Sは、微分演算子を示す。
【0014】また、速度指令ω* に対しては、
【0015】
【数2】
【0016】となる。積分要素を有しない比例制御の場
合の外乱応答は、Ti =∞とおいて、
【0017】
【数3】
【0018】となり、また、目標値応答は、
【0019】
【数4】
【0020】となる。
【0021】以上述べたように、定常の負荷外乱τL
対し速度変動を零にするためには、PI速度制御の外乱
応答が必要とされるため、加減速を有する速度指令に対
する目標応答は図8のようにオーバシュートが発生す
る。また、比例制御の場合は、速度指令に対する目標応
答はオーバシュートを発生しないが、外乱応答では負荷
外乱τL に対し定常速度偏差が生じることになる。
【0022】このPI速度制御は、定常の負荷変動を有
する粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷20の補償条件に
よっては、速度制御系の応答速度が妨げられるので、目
標とする速度制御特性を満たすことができないという問
題がある。
【0023】また、PI速度制御は、前述したように、
定常状態で速度指令値と一致するが、速度の立ち上がり
にオフセットが発生するため滑らかな目標応答特性が得
られないという問題、または、オーバシュートが発生す
るという問題がある。
【0024】この問題の対策の一つとして、速度制御の
上位にある位置制御にフィードフォワード制御方式が用
いられている。例えば、特開平5−19861号公報に
は、工作機械の送り軸モータの位置等を制御する位置制
御装置では、位置制御ループと速度制御ループを備えた
位置制御装置が開示され、追従性能を高め、オーバシュ
ートを無くすために位置制御ループにフィードフォード
制御方式が用いられている。
【0025】この位置制御装置では、電動機の位置を検
出する位置検出器と、この位置検出器が出力する位置検
出値より速度検出値を求める速度検出器とを備えている
が、本来、オーバシュートおよび追従性能に起因する問
題は、基本的には速度制御によるもので、これらの問題
は位置制御のみで解決できるものではない。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、速
度制御においてPI速度制御は、定常の負荷変動を有す
る粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷の補償条件によって
は、速度制御系の応答速度が妨げられるので、目標とす
る速度制御特性を満たすことができないという問題があ
る。
【0027】このことは、定常の負荷外乱に対し速度変
動を零にするためにはPI速度制御の外乱応答が必要と
されるため、PI速度制御では、加減速を有する速度指
令の目標応答はオーバシュートが発生する問題、比例制
御では、速度指令の目標応答はオーバシュートを発生し
ないが、外乱応答では負荷外乱に対し速度偏差が生じる
問題、また、定常状態では速度指令値と一致するが、速
度の立ち上がりにオフセットが発生するため、滑らかな
目標応答特性が得られないという問題、または、オーバ
シュートが発生するという問題がある。
【0028】また、前述したように、特開平5−198
61号公報には、工作機械の送り軸モータの位置等を制
御する位置制御装置であって、位置制御ループと速度制
御ループを備えた位置制御装置が開示されているよう
に、位置制御装置の追従性能を高め、また、オーバシュ
ートを無くすために位置制御ループにフィードフォワー
ド制御方式が用いられ、これらの問題を解決しようとし
ているが、本来、追従性能およびオーバシュートの問題
の起因は、位置制御によるものもあるが、基本的には速
度制御の起因によるもので、これらの問題は位置制御の
みで解決できるものではない。
【0029】このように、PI速度制御によっては、加
減速レートを有する速度指令の場合、変速領域から定速
領域に移行する際に、イナーシャ負荷(電動機の回転速
度)にオーバシュートが生ずる問題、負荷変動による速
度変動が生じる問題等は、回転走行切断機、走行切断
機、定寸送り装置等の位置制御または速度制御の精度に
大きく影響するため、送り精度および/または材料の切
断精度が悪くなる。
【0030】また、工作機械等では、変速領域から定速
領域に移行する際に生じる電動機の回転速度のオーバシ
ュートは、同期位置制御時に軌跡誤差として現れ、加工
物の形状精度を低下させたり、面荒さを低下させたりの
問題がある。
【0031】そこで、本発明の目的は、PI速度制御に
より生ずるオーバシュートが発生する問題、比例制御で
外乱応答では負荷外乱に対し速度偏差が生じる問題、ま
た、速度の立ち上がりにオフセットが発生するため、滑
らかな目標応答特性が得られないという問題、または、
オーバシュートが発生するという問題を解決し、回転走
行切断機、走行切断機、定寸送り装置等の速度制御の精
度を向上させ、位置制御の送り精度、切断精度および工
作機械等の加工物の形状精度を向上させることにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の速度制御装置に
よれば、速度指令信号を一次遅れ要素を持った規範速度
指令とした速度制御手段と、イナーシャ負荷から検出す
る速度信号をフィードバックする速度制御ループとを構
成し、この速度制御ループに加速度フィードフォード補
償手段、推定負荷外乱フィードフォード補償手段および
イナーシャ同定手段を付加し、制御対象の動作特性を特
徴づける制御パラメータであるイナーシャを同定のため
の特別なモード、例えば、ミュレーションモードあるい
はオートチューニングモード等を設けることなく同定す
ることにより、加減速レートの変速領域から定速領域に
移行する際に生ずるオーバシュートを無くし、且つ、負
荷変動による速度変動を抑制し、目標応答(速度応答)
を規範モデル応答に一致させるようにしている。
【0033】本発明は、加減速レートを有する速度指令
を用いる速度制御装置において、前記速度指令を一次遅
れ要素を持った規範速度指令に変換する規範モデル設定
手段と、前記規範速度指令により、定常の負荷変動を有
する粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷を制御する速度制
御手段と、前記イナーシャ負荷の速度を検出する手段か
ら速度検出値を求め帰還させ、前記速度検出値と前記規
範速度指令とから速度誤差を求め制御する速度制御ルー
プ手段と、前記速度制御ループ手段から求めたトルク指
令と前記イナーシャ負荷の速度検出値とにより同定した
イナーシャモデル値を出力するイナーシャ同定手段と、
前記規範速度指令と前記同定したイナーシャモデル値と
を乗算し微分処理して加速度フィードフォード制御量を
求め、加速度フィードフォードを補償する手段と、前記
速度制御器の出力である加速トルク補正値と前記加速度
フィードフォード制御量とを加算し、加速トルク制御量
として出力する加速トルク指令手段と、前記加速トルク
制御量を前記同定したイナーシャモデル値を除算し積分
処理して推定速度を求め、前記推定速度と前記イナーシ
ャ負荷より検出した速度検出値との速度差から生じる推
定負荷外乱フィードフォード制御量を求め推定負荷外乱
フィードフォード補償する手段とを備え、制御対象の動
作特性を特徴づける制御パラメータであるイナーシャを
同定のための特別モードを設けることなく前記加速度フ
ィードフォードを補償する手段および前記推定負荷外乱
フィードフォード補償する手段に与えることにより、加
減速レートの変速領域から定速領域に移行する際に生ず
るオーバシュートを無くし、且つ、負荷変動による速度
変動を抑制し、目標応答を規範モデル応答に一致させる
ことを特徴とするものである。
【0034】本発明によれば、前記イナーシャ同定手段
は、前記速度検出値を時間遅延を持った速度検出値に変
換し、前記速度検出値との速度差、即ち、加速度を求め
る手段と、前記加速度を補正前イナーシャと演算し推定
加速トルクを求める加速トルク推定手段と、前記加速ト
ルク推定手段から出力した推定加速トルクを、前記トル
ク指令と演算することにより推定負荷トルクを求め、前
記推定負荷トルクを前記トルク指令から減算して加速ト
ルク指令を求め、この加速トルク指令から前記推定加速
トルクを減算することにより同定誤差を求める手段と、
前記同定誤差を補正することにより補正イナーシャを出
力し、同定したイナーシャを時間遅延を持った補正前イ
ナーシャに変換し、前記補正イナーシャとの和を求め同
定したイナーシャモデル値を出力する手段と、前記同定
したイナーシャモデル値を前記加速度フィードフォード
補償手段および前記推定負荷外乱フィードフォード補償
手段に、制御対象の動作特性を特徴づける制御パラメー
タであるイナーシャとして同定のための特別定モードを
設けることなく与える手段と、を有している。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の速度制御装置の実施例に
ついて説明する。図1は、本発明の実施例である速度制
御装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1の
速度制御装置を伝達関数で表したブロック図である。図
3は、図1の速度制御装置に用いられるイナーシャ同定
手段の構成を示すブロック図である。図5は、本発明の
速度制御装置によりオーバシュートをなくした加減速レ
ート図である。
【0036】図1を参照して、本発明の実施例である速
度制御装置を説明する。この速度制御装置10は、規範
モデル設定器11、加速度フィードフォード補償手段1
2、減算器13、速度制御器14、加算器15、加算器
16、推定負荷外乱フィードフォード補償手段18、イ
ナーシャ同定手段19により構成されている。
【0037】図2は、図1の速度制御装置を伝達関数を
用いて表したブロック図で、加速度フィードフォード補
償手段12には微分器21が含まれ、推定負荷外乱フィ
ードフォード制御器18には、イナーシャ負荷モデル
(積分器)22、減算器23、負荷外乱フィードフォー
ド制御器(係数K)24が含まれている。
【0038】規範モデル設定器11に速度指令ω* が入
力されると、入力された速度指令ω* は、一次遅れ要素
を持った規範速度指令ωm として出力される。この出力
された規範速度指令ωm は、速度制御器14、加算器1
5,16を経由して、イナーシャ負荷20に入力され、
イナーシャ負荷が駆動される。駆動されたイナーシャ負
荷20から速度検出値ωを検出し、その速度検出値ωを
減算器13にフィードバックして減算することにより、
速度誤差eを出力する速度制御ループを構成している。
【0039】一方、規範モデル設定器11より出力され
た一次遅れ要素を持った規範速度指令ωm は、速度制御
器14と加速度フィードフォード補償手段12に各々入
力され、速度制御器14からはトルク補正信号が出力さ
れる。
【0040】そして、加速度フィードフォード補償手段
12の微分器21により規範速度指令ωm を微分し、イ
ナーシャ同定手段19により同定されたイナーシャモデ
ル(Jh )と演算することにより加速度トルク補正信号
を出力し、この加速度トルク補正信号と速度制御器14
の出力信号であるトルク補正信号とを加算器15で加算
し、加速トルク信号τACC として出力している。
【0041】この加速トルク信号τACC は、加算器16
と推定負荷外乱フィードフォード補償手段18に各々入
力され、推定負荷外乱フィードフォード補償手段18に
入力された加速トルク信号τACC は、積分器22に入力
され、加速トルク信号τACCを積分しイナーシャ同定手
段19により同定されたイナーシャモデル(Jh )と演
算することにより、推定速度ωh を出力する。
【0042】この推定速度ωh とイナーシャ負荷20に
より検出された速度検出値ωとを減算器23で減算し、
その信号を推定負荷外乱フィードフォード制御器(係数
K)24に入力し、設定された係数Kとにより演算し、
その出力信号を負荷外乱トルク補正信号として、加算器
16で加速トルク信号τACC と加算して、トルク指令信
号τ* として出力する。
【0043】このトルク指令信号τ* は、イナーシャ同
定手段19とイナーシャ負荷20に入力される。イナー
シャ負荷へのトルク指令信号τ* は、負荷外乱(変動)
τLにより減算され、イナーシャ負荷20を駆動する。
【0044】駆動したイナーシャ負荷20から検出され
た速度検出値ωは、イナーシャ同定手段19に入力さ
れ、イナーシャ同定手段19に入力されたトルク指令信
号τ*とにより演算し、イナーシャ同定手段19からイ
ナーシャ負荷20のイナーシャモデル(Jh )として、
加速度フィードフォード補償手段12および推定負荷外
乱フィードフォード補償手段18に供給する。
【0045】次に、イナーシャ同定手段19を、図3を
参照して説明する。
【0046】イナーシャ同定手段19は、遅延回路3
1、減算器32、加速トルク推定器33、減算器34、
同定誤差補正器35、加算器36、遅延回路37、減算
器38、負荷トルク推定器39により構成されている。
【0047】先に述べたようにイナーシャ同定手段19
は、加算器16で加算されたトルク指令信号τ* と、イ
ナーシャ負荷20により検出された速度検出値ωとが入
力される。入力された速度検出値ωは、遅延回路31に
入力される。遅延回路31の出力と速度検出値ωとが減
算器32とにより減算される。
【0048】減算により得られた値Δωは、加速度とし
て加速トルク推定器33に入力され、推定加速トルクτ
haとして出力される。この推定加速トルクτhaは、トル
ク指令信号τ* と共に負荷トルク推定器39に入力さ
れ、負荷トルク推定器39は推定負荷トルクτhLを出力
する。
【0049】出力した推定負荷トルクτhLは、減算器3
8でトルク指令信号τ* から減算され、加速トルク指令
信号τa を出力する。この加速トルク指令信号τa は、
減算器34で推定加速トルクτhaが減算され、その減算
した値を同定誤差信号として同定誤差補正器35に入力
する。
【0050】同定誤差補正器35に入力された同定誤差
信号は、補正イナーシャとして加算器36で補正前イナ
ーシャと加算され、同定イナーシャ(Jh )として出力
される。一方、同定イナーシャ(Jh )は、遅延回路3
7に入力され、その出力は、補正前イナーシャとして加
速トルク推定器33にフィードバックされる。
【0051】次に、イナーシャ同定手段19の同定につ
いて説明する。この同定は、逐次最小2乗法により、イ
ナーシャモデル(Jh )を次式により求める。
【0052】
【数5】
【0053】但し、Δω(n)=ω(n)−ω(n−
1):速度変化率、TS :サンプリング時間、γ:同定
ゲインである。また、次式
【0054】
【数6】
【0055】より、
【0056】
【数7】
【0057】の一定速における負荷トルクとして推定負
荷トルクτhLを推定する。
【0058】次に、同定したイナーシャモデル(Jh
を、図2の推定負荷外乱フィードフォード補償手段18
のイナーシャ負荷モデル(積分器)22に与えることに
より推定速度ωh は、
【0059】
【数8】
【0060】となり、実速度ωとの偏差は、負荷外乱に
より発生する速度偏差となる。推定負荷外乱フィードフ
ォード器24を通して高いゲインを与えると、負荷外乱
τL による速度変動が抑制可能となり、定常の負荷変動
を有する粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷20を、イナ
ーシャモデル1/Jh sに固定することができる。
【0061】また、外乱応答は、同定イナーシャJh
制御対象のイナーシャJに等しい(Jh =J)の場合、
【0062】
【数9】
【0063】となる。
【0064】次に、イナーシャ負荷20がイナーシャモ
デル(Jh )に固定されているので、加速度フィードフ
ォード補償手段12の加速度フィードフォード補償器2
1にJh sを与えることにより、
【0065】
【数10】
【0066】となり、速度指令ω* に対する速度応答ω
は、
【0067】
【数11】
【0068】となるので、ω=Gm (S)ω* となり、
規範モデル設定器(規範モデル応答)11のGm (S)
と一致する。
【0069】この規範モデル設定器11を
【0070】
【数12】
【0071】となる一次遅れ応答に選択すれば、速度応
答ωは、
【0072】
【数13】
【0073】となり、図5に示すように、加減速を対す
る目標値応答にオーバシュートを発生することなく、且
つ、負荷外乱τL に対し速度偏差が生じない応答が得ら
れる。
【0074】以上説明した通り、イナーシャ負荷20の
動作特性を特徴づける制御パラメータであるイナーシャ
を同定のための特別なモード、即ち、ミュレーションモ
ードあるいはオートチューニングモード等を設けること
なく同定し、同定したイナーシャ(Jh )から得られる
推定速度ωh と実速度ωの差から負荷外乱τL を推定し
て推定負荷外乱フィードフォード補償することにより、
同定イナーシャモデル(Jh )に固定可能となったイナ
ーシャ負荷20に加速度フィードフォード補償と、目標
応答の規範モデルを与えることにより、可変速指令に対
して速度応答を規範モデルの応答に一致させることが可
能となり、同時に定常の負荷変動も抑制可能となり、上
位に位置制御器を有する回転走行切断機、走行切断機、
定寸送り装置、工作機械等の可変速制御装置の位置決め
精度が向上する。
【0075】図4は、本発明の速度制御装置10を、ロ
ータリーカッタ装置に適用した例を示す。
【0076】図4に示すように、軸方向周囲に刃を有す
る一対のロータリーカッタ2があり、このロータリーカ
ッタ2の主軸には減速ギヤ3が取りつけられ、ロータリ
ーカッタ2を駆動するための電動機4が結合されてい
る。この電動機には、電動機の回転速度と電動機回転
角、即ち、ロータリーカッタ2の主軸の回転角を検出す
るためのパルスジェネレータ5が備えられている。
【0077】一方、走行するシート1の移動量を検出す
るための測長ホイール7が備えられ、この測長ホイール
7の軸には、移動量を検出するためのパルスジェネレー
タ8が備えられている。このロータリーカッタ2の数値
制御装置は、位置制御装置40と、本発明に係る速度制
御装置10とを備えている。位置制御装置40は、積分
器41、位置指令発生器42、微分器43、加減算器4
4、積分器45、位置制御器(Kp )46、加算器4
7、位置指令フィードフォード補償(α)48、加算器
49により構成されている。
【0078】シート1の走行に伴いパルスジェネレータ
8より発生するパルスを、積分器41に入力する。入力
されたパルスは、積分器41により時間積分されること
により材料移動距離Xとして出力され、位置指令発生器
42に入力される。この位置指令発生器42は、切断長
0 にしたがって作られた任意の速度指令に応じて材料
移動距離Xの関数として位置指令f(x)を与える。
【0079】一方、ロータリーカッタ2の回転に伴いパ
ルスジェネレータ5より発生するパルスからロータリー
カッタ2の移動速度VB が得られる。
【0080】位置指令発生器42の出力、即ち、位置指
令f(x)を微分器43により時間微分することにより
得られたカッタ速度指令df(x)/dtは、加減算器
44により、材料速度VL およびカッタ速度VB と加減
算され積分器45に入力され、位置偏差eが得られる。
この位置偏差eは、位置制御器46に入力され補償速度
c として出力される。
【0081】補償速度Vc には、加算器49,47によ
り、カッタ速度指令および材料速度が加えられ、速度指
令ω* が形成される。この速度指令ω* が、速度制御装
置10に与えられる。速度制御装置10により、前述し
たようにしてトルク指令信号τ* が形成され、駆動制御
回路6に供給される。
【0082】このロータリーカッタ装置によれば、本発
明の速度制御装置を用いているので、切断精度が向上す
る。
【0083】
【発明の効果】本発明の速度制御装置によれば、速度指
令信号を一次遅れ要素を持った規範速度指令とした速度
制御手段と、イナーシャ負荷から検出する速度信号をフ
ィードバックする速度制御ループとを構成し、この速度
制御ループに加速度フィードフォード補償手段、推定負
荷外乱フィードフォード補償手段およびイナーシャ同定
手段を付加し、制御対象の動作特性を特徴づける制御パ
ラメータであるイナーシャを同定のための特別なモー
ド、例えば、ミュレーションモードあるいはオートチュ
ーニングモード等を設けることなく同定することによ
り、加減速レートの変速領域から定速領域に移行する際
に生ずるオーバシュートを無くし、且つ、負荷変動によ
る速度変動を抑制し、目標応答(速度応答)を規範モデ
ル応答に一致させることにより、PI速度制御により生
ずるオーバシュートが発生する問題、比例制御で外乱応
答では負荷外乱に対し速度偏差が生じる問題、また、速
度の立ち上がりにオフセットが発生するため、滑らかな
目標応答特性が得られないという問題、または、オーバ
シュートが発生するという問題等を解決し、より高精度
の速度制御をすることができるので、回転走行切断機、
走行切断機、定寸送り装置等の速度制御の精度を向上さ
せ、位置制御の送り精度、切断精度および工作機械等の
加工物の形状精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した速度制御装置を構成するブロ
ック図である。
【図2】本発明の実施例である速度制御装置を伝達関数
で表した制御ブロック図である。
【図3】本発明の速度制御装置に用いられたイナーシャ
同定手段のブロック図である。
【図4】本発明を実施したロータリーカッタ制御装置の
ブロック図である。
【図5】本発明を実施した速度制御装置によりオーバシ
ュートをなくした加減速レート図である。
【図6】従来の速度制御ブロック図である。
【図7】従来の速度制御装置を伝達関数で表した制御ブ
ロック図である。
【図8】従来の加減速レート図である。
【符号の説明】
1 走行する材料 2 ロータリーシャ 3 ギヤ 4 電動機 5 パルスジェネレータ 6 駆動制御回路 7 測長ロール 8 パルスジェネレータ 10 速度制御装置 11 規範モデル設定器(Gm (S)) 12 加速度フィードフォード補償手段 13 減算器 14 速度制御器(Kv ) 15 加算器 16 加算器 17 減算器 18 推定負荷外乱フィードフォード補償手段 19 イナーシャ同定手段(器) 20 イナーシャ負荷制御対象(1/Js) 21 加速度フィードフォード補償器(Jh s) 22 イナーシャ負荷モデル(1/Jh s) 23 減算器 24 負荷外乱フィードフォード制御器(K) 31 遅延回路(Z-1) 32 減算器 33 加速トルク推定器 34 減算器 35 同定誤差補正器 36 加算器 37 遅延回路(Z-1) 38 減算器 39 負荷トルク推定器 40 位置制御装置 41 積分器 42 位置指令発生器 43 微分器 44 加減算器 45 積分器 46 位置制御器(Kp ) 47 加算器 48 位置指令フィードフォード補償(α) 49 加算器
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月31日(2000.3.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 速度制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加減速レートを有
する速度指令を用いる速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の速度制御装置は、速度指令である
加減速レートの変速領域から定速領域に移行する際に生
ずる制御対象(例えば、電動機の回転速度)のオーバシ
ュートおよび/または負荷外乱(変動)による速度変動
が生じるため、速度制御等の追従性能を低下させる。こ
のため、速度制御の精度または位置決め精度を上げるこ
とができないので、材料等の送り精度、切断精度および
加工精度を得ることができない。
【0003】このような従来の速度制御装置について説
明する。図6に従来の速度制御ブロック図を、図7に従
来の速度制御ブロック図を伝達関数に変換した制御ブロ
ック図を、図8に従来の加減速レート図を示す。
【0004】図6に示すように、この速度制御装置は、
速度指令ω* を減算器51を通して速度制御器52に入
力し、その出力をイナーシャ負荷(制御対象)20に入
力して、イナーシャ負荷20において速度検出値ωを検
出する。この検出された速度検出値ωを減算器51にフ
ィードバックすることにより、速度制御ループを構成し
ている。
【0005】この速度制御器52の制御方式には、一般
的に比例積分速度制御方式(以下PI速度制御という)
が採用されている。このため、加減速を有する速度指令
ω*を入力した場合、図8に示すように、変速領域から
定速領域に移行する際に制御対象(例えば、電動機の回
転速度)のオーバシュートが生じ、また、負荷外乱によ
る速度変動が生じることにより、速度制御装置等の追従
性能を低下させる。このため、速度制御の精度または位
置決め精度を上げることができないので、送り精度、切
断精度および加工精度を得ることができない原因となっ
ている。
【0006】何れにしても速度指令である加減速レート
の変速領域から定速領域に移行する際に生ずるオーバシ
ュート、また、負荷外乱による速度変動は、PI速度制
御によるもので、例えば、比例制御の場合には、変速領
域から定速領域に移行する時は、オーバシュートは無く
なるが、負荷外乱が生じた場合、速度変動が定常偏差と
なる。
【0007】また、PI速度制御の場合は、負荷外乱に
よる速度変動の定常偏差は小さくなるが、オーバシュー
トが発生する。
【0008】このPI速度制御について伝達関数を用い
て説明する。図7は、図6の速度制御ループを伝達関数
を用いて表現したもので、減算器51、比例速度制御器
52A、積分速度制御器52B、加算器53、イナーシ
ャ負荷20により構成される。
【0009】また、図7に示されたイナーシャ負荷20
は、定常の負荷変動を有する粘性抵抗の小さいイナーシ
ャ負荷で、速度制御装置は、PI速度制御方式が採用さ
れトルク応答の速い速度制御を行えるとしている。
【0010】この図7から、速度指令ω* と速度フィー
ドバックωとの速度偏差e=ω*−ωを比例制御器52
Aを通し、加算器53による積分時間Ti の積分器52
Bとの和をトルク指令としてイナーシャ負荷20に与え
られる。
【0011】この場合、負荷外乱τL に対する速度の応
答は、
【0012】
【数1】
【0013】となる。但し、Sは、微分演算子を示す。
【0014】また、速度指令ω* に対しては、
【0015】
【数2】
【0016】となる。積分要素を有しない比例制御の場
合の外乱応答は、Ti =∞とおいて、
【0017】
【数3】
【0018】となり、また、目標値応答は、
【0019】
【数4】
【0020】となる。
【0021】以上述べたように、定常の負荷外乱τL
対し速度変動を零にするためには、PI速度制御の外乱
応答が必要とされるため、加減速を有する速度指令に対
する目標応答は図8のようにオーバシュートが発生す
る。また、比例制御の場合は、速度指令に対する目標応
答はオーバシュートを発生しないが、外乱応答では負荷
外乱τL に対し定常速度偏差が生じることになる。
【0022】このPI速度制御は、定常の負荷変動を有
する粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷20の補償条件に
よっては、速度制御系の応答速度が妨げられるので、目
標とする速度制御特性を満たすことができないという問
題がある。
【0023】また、PI速度制御は、前述したように、
定常状態で速度指令値と一致するが、速度の立ち上がり
にオフセットが発生するため滑らかな目標応答特性が得
られないという問題、または、オーバシュートが発生す
るという問題がある。
【0024】この問題の対策の一つとして、速度制御の
上位にある位置制御にフィードフォワード制御方式が用
いられている。例えば、特開平5−19861号公報に
は、工作機械の送り軸モータの位置等を制御する位置制
御装置では、位置制御ループと速度制御ループを備えた
位置制御装置が開示され、追従性能を高め、オーバシュ
ートを無くすために位置制御ループにフィードフォワー
ド制御方式が用いられている。
【0025】この位置制御装置では、電動機の位置を検
出する位置検出器と、この位置検出器が出力する位置検
出値より速度検出値を求める速度検出器とを備えている
が、本来、オーバシュートおよび追従性能に起因する問
題は、基本的には速度制御によるもので、これらの問題
は位置制御のみで解決できるものではない。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、速
度制御においてPI速度制御は、定常の負荷変動を有す
る粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷の補償条件によって
は、速度制御系の応答速度が妨げられるので、目標とす
る速度制御特性を満たすことができないという問題があ
る。
【0027】このことは、定常の負荷外乱に対し速度変
動を零にするためにはPI速度制御の外乱応答が必要と
されるため、PI速度制御では、加減速を有する速度指
令の目標応答はオーバシュートが発生する問題、比例制
御では、速度指令の目標応答はオーバシュートを発生し
ないが、外乱応答では負荷外乱に対し速度偏差が生じる
問題、また、定常状態では速度指令値と一致するが、速
度の立ち上がりにオフセットが発生するため、滑らかな
目標応答特性が得られないという問題、または、オーバ
シュートが発生するという問題がある。
【0028】また、前述したように、特開平5−198
61号公報には、工作機械の送り軸モータの位置等を制
御する位置制御装置であって、位置制御ループと速度制
御ループを備えた位置制御装置が開示されているよう
に、位置制御装置の追従性能を高め、また、オーバシュ
ートを無くすために位置制御ループにフィードフォワー
ド制御方式が用いられ、これらの問題を解決しようとし
ているが、本来、追従性能およびオーバシュートの問題
の起因は、位置制御によるものもあるが、基本的には速
度制御の起因によるもので、これらの問題は位置制御の
みで解決できるものではない。
【0029】このように、PI速度制御によっては、加
減速レートを有する速度指令の場合、変速領域から定速
領域に移行する際に、イナーシャ負荷(電動機の回転速
度)にオーバシュートが生ずる問題、負荷変動による速
度変動が生じる問題等は、回転走行切断機、走行切断
機、定寸送り装置等の位置制御または速度制御の精度に
大きく影響するため、送り精度および/または材料の切
断精度が悪くなる。
【0030】また、工作機械等では、変速領域から定速
領域に移行する際に生じる電動機の回転速度のオーバシ
ュートは、同期位置制御時に軌跡誤差として現れ、加工
物の形状精度を低下させたり、面荒さを低下させたりの
問題がある。
【0031】そこで、本発明の目的は、PI速度制御に
より生ずるオーバシュートが発生する問題、比例制御で
外乱応答では負荷外乱に対し速度偏差が生じる問題、ま
た、速度の立ち上がりにオフセットが発生するため、滑
らかな目標応答特性が得られないという問題、または、
オーバシュートが発生するという問題を解決し、回転走
行切断機、走行切断機、定寸送り装置等の速度制御の精
度を向上させ、位置制御の送り精度、切断精度および工
作機械等の加工物の形状精度を向上させることにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の速度制御装置に
よれば、速度指令信号を一次遅れ要素を持った規範速度
指令とした速度制御手段と、イナーシャ負荷から検出す
る速度信号をフィードバックする速度制御ループとを構
成し、この速度制御ループに加速度フィードフォワード
補償手段、推定負荷外乱フィードフォワード補償手段お
よびイナーシャ同定手段を付加し、制御対象の動作特性
を特徴づける制御パラメータであるイナーシャを同定の
ための特別なモード、例えば、ミュレーションモードあ
るいはオートチューニングモード等を設けることなく同
定することにより、加減速レートの変速領域から定速領
域に移行する際に生ずるオーバシュートを無くし、且
つ、負荷変動による速度変動を抑制し、目標応答(速度
応答)を規範モデル応答に一致させるようにしている。
【0033】本発明は、加減速レートを有する速度指令
を用いる速度制御装置において、前記速度指令を一次遅
れ要素を持った規範速度指令に変換する規範モデル設定
手段と、前記規範速度指令により、定常の負荷変動を有
する粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷を制御する速度制
御手段と、前記イナーシャ負荷の速度を検出する手段か
ら速度検出値を求め帰還させ、前記速度検出値と前記規
範速度指令とから速度誤差を求め制御する速度制御ルー
プ手段と、前記速度制御ループ手段から求めたトルク指
令と前記イナーシャ負荷の速度検出値とにより同定した
イナーシャモデル値を出力するイナーシャ同定手段と、
前記規範速度指令と前記同定したイナーシャモデル値と
を乗算し微分処理して加速度フィードフォワード制御量
を求め、加速度フィードフォワードを補償する手段と、
前記速度制御器の出力である加速トルク補正値と前記加
速度フィードフォワード制御量とを加算し、加速トルク
制御量として出力する加速トルク指令手段と、前記加速
トルク制御量を前記同定したイナーシャモデル値を除算
し積分処理して推定速度を求め、前記推定速度と前記イ
ナーシャ負荷より検出した速度検出値との速度差から生
じる推定負荷外乱フィードフォワード制御量を求め推定
負荷外乱フィードフォワード補償する手段とを備え、制
御対象の動作特性を特徴づける制御パラメータであるイ
ナーシャを同定のための特別モードを設けることなく前
記加速度フィードフォワードを補償する手段および前記
推定負荷外乱フィードフォワード補償する手段に与える
ことにより、加減速レートの変速領域から定速領域に移
行する際に生ずるオーバシュートを無くし、且つ、負荷
変動による速度変動を抑制し、目標応答を規範モデル応
答に一致させることを特徴とするものである。
【0034】本発明によれば、前記イナーシャ同定手段
は、前記速度検出値を時間遅延を持った速度検出値に変
換し、前記速度検出値との速度差、即ち、加速度を求め
る手段と、前記加速度を補正前イナーシャと演算し推定
加速トルクを求める加速トルク推定手段と、前記加速ト
ルク推定手段から出力した推定加速トルクを、前記トル
ク指令と演算することにより推定負荷トルクを求め、前
記推定負荷トルクを前記トルク指令から減算して加速ト
ルク指令を求め、この加速トルク指令から前記推定加速
トルクを減算することにより同定誤差を求める手段と、
前記同定誤差を補正することにより補正イナーシャを出
力し、同定したイナーシャを時間遅延を持った補正前イ
ナーシャに変換し、前記補正イナーシャとの和を求め同
定したイナーシャモデル値を出力する手段と、前記同定
したイナーシャモデル値を前記加速度フィードフォワー
ド補償手段および前記推定負荷外乱フィードフォワード
補償手段に、制御対象の動作特性を特徴づける制御パラ
メータであるイナーシャとして同定のための特別定モー
ドを設けることなく与える手段と、を有している。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の速度制御装置の実施例に
ついて説明する。図1は、本発明の実施例である速度制
御装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1の
速度制御装置を伝達関数で表したブロック図である。図
3は、図1の速度制御装置に用いられるイナーシャ同定
手段の構成を示すブロック図である。図5は、本発明の
速度制御装置によりオーバシュートをなくした加減速レ
ート図である。
【0036】図1を参照して、本発明の実施例である速
度制御装置を説明する。この速度制御装置10は、規範
モデル設定器11、加速度フィードフォワード補償手段
12、減算器13、速度制御器14、加算器15、加算
器16、推定負荷外乱フィードフォワード補償手段1
8、イナーシャ同定手段19により構成されている。
【0037】図2は、図1の速度制御装置を伝達関数を
用いて表したブロック図で、加速度フィードフォワード
補償手段12には微分器21が含まれ、推定負荷外乱フ
ィードフォワード制御器18には、イナーシャ負荷モデ
ル(積分器)22、減算器23、負荷外乱フィードフォ
ワード制御器(係数K)24が含まれている。
【0038】規範モデル設定器11に速度指令ω* が入
力されると、入力された速度指令ω* は、一次遅れ要素
を持った規範速度指令ωm として出力される。この出力
された規範速度指令ωm は、速度制御器14、加算器1
5,16を経由して、イナーシャ負荷20に入力され、
イナーシャ負荷が駆動される。駆動されたイナーシャ負
荷20から速度検出値ωを検出し、その速度検出値ωを
減算器13にフィードバックして減算することにより、
速度誤差eを出力する速度制御ループを構成している。
【0039】一方、規範モデル設定器11より出力され
た一次遅れ要素を持った規範速度指令ωm は、速度制御
器14と加速度フィードフォワード補償手段12に各々
入力され、速度制御器14からはトルク補正信号が出力
される。
【0040】そして、加速度フィードフォワード補償手
段12の微分器21により規範速度指令ωm を微分し、
イナーシャ同定手段19により同定されたイナーシャモ
デル(Jh )と演算することにより加速度トルク補正信
号を出力し、この加速度トルク補正信号と速度制御器1
4の出力信号であるトルク補正信号とを加算器15で加
算し、加速トルク信号τACC として出力している。
【0041】この加速トルク信号τACC は、加算器16
と推定負荷外乱フィードフォワード補償手段18に各々
入力され、推定負荷外乱フィードフォワード補償手段1
8に入力された加速トルク信号τACC は、積分器22に
入力され、加速トルク信号τ ACC を積分しイナーシャ同
定手段19により同定されたイナーシャモデル(Jh
と演算することにより、推定速度ωh を出力する。
【0042】この推定速度ωh とイナーシャ負荷20に
より検出された速度検出値ωとを減算器23で減算し、
その信号を推定負荷外乱フィードフォワード制御器(係
数K)24に入力し、設定された係数Kとにより演算
し、その出力信号を負荷外乱トルク補正信号として、加
算器16で加速トルク信号τACC と加算して、トルク指
令信号τ* として出力する。
【0043】このトルク指令信号τ* は、イナーシャ同
定手段19とイナーシャ負荷20に入力される。イナー
シャ負荷へのトルク指令信号τ* は、負荷外乱(変動)
τLにより減算され、イナーシャ負荷20を駆動する。
【0044】駆動したイナーシャ負荷20から検出され
た速度検出値ωは、イナーシャ同定手段19に入力さ
れ、イナーシャ同定手段19に入力されたトルク指令信
号τ*とにより演算し、イナーシャ同定手段19からイ
ナーシャ負荷20のイナーシャモデル(Jh )として、
加速度フィードフォワード補償手段12および推定負荷
外乱フィードフォワード補償手段18に供給する。
【0045】次に、イナーシャ同定手段19を、図3を
参照して説明する。
【0046】イナーシャ同定手段19は、遅延回路3
1、減算器32、加速トルク推定器33、減算器34、
同定誤差補正器35、加算器36、遅延回路37、減算
器38、負荷トルク推定器39により構成されている。
【0047】先に述べたようにイナーシャ同定手段19
は、加算器16で加算されたトルク指令信号τ* と、イ
ナーシャ負荷20により検出された速度検出値ωとが入
力される。入力された速度検出値ωは、遅延回路31に
入力される。遅延回路31の出力と速度検出値ωとが減
算器32とにより減算される。
【0048】減算により得られた値Δωは、加速度とし
て加速トルク推定器33に入力され、推定加速トルクτ
haとして出力される。この推定加速トルクτhaは、トル
ク指令信号τ* と共に負荷トルク推定器39に入力さ
れ、負荷トルク推定器39は推定負荷トルクτhLを出力
する。
【0049】出力した推定負荷トルクτhLは、減算器3
8でトルク指令信号τ* から減算され、加速トルク指令
信号τa を出力する。この加速トルク指令信号τa は、
減算器34で推定加速トルクτhaが減算され、その減算
した値を同定誤差信号として同定誤差補正器35に入力
する。
【0050】同定誤差補正器35に入力された同定誤差
信号は、補正イナーシャとして加算器36で補正前イナ
ーシャと加算され、同定イナーシャ(Jh )として出力
される。一方、同定イナーシャ(Jh )は、遅延回路3
7に入力され、その出力は、補正前イナーシャとして加
速トルク推定器33にフィードバックされる。
【0051】次に、イナーシャ同定手段19の同定につ
いて説明する。この同定は、逐次最小2乗法により、イ
ナーシャモデル(Jh )を次式により求める。
【0052】
【数5】
【0053】但し、Δω(n)=ω(n)−ω(n−
1):速度変化率、TS :サンプリング時間、γ:同定
ゲインである。また、次式
【0054】
【数6】
【0055】より、
【0056】
【数7】
【0057】の一定速における負荷トルクとして推定負
荷トルクτhLを推定する。
【0058】次に、同定したイナーシャモデル(Jh
を、図2の推定負荷外乱フィードフォワード補償手段1
8のイナーシャ負荷モデル(積分器)22に与えること
により推定速度ωh は、
【0059】
【数8】
【0060】となり、実速度ωとの偏差は、負荷外乱に
より発生する速度偏差となる。推定負荷外乱フィードフ
ォワード器24を通して高いゲインを与えると、負荷外
乱τLによる速度変動が抑制可能となり、定常の負荷変
動を有する粘性抵抗の小さいイナーシャ負荷20を、イ
ナーシャモデル1/Jh sに固定することができる。
【0061】また、外乱応答は、同定イナーシャJh
制御対象のイナーシャJに等しい(Jh =J)の場合、
【0062】
【数9】
【0063】となる。
【0064】次に、イナーシャ負荷20がイナーシャモ
デル(Jh )に固定されているので、加速度フィードフ
ォワード補償手段12の微分器21にJh sを与えるこ
とにより、
【0065】
【数10】
【0066】となり、速度指令ω* に対する速度応答ω
は、
【0067】
【数11】
【0068】となるので、ω=Gm (S)ω* となり、
規範モデル設定器(規範モデル応答)11のGm (S)
と一致する。
【0069】この規範モデル設定器11を
【0070】
【数12】
【0071】となる一次遅れ応答に選択すれば、速度応
答ωは、
【0072】
【数13】
【0073】となり、図5に示すように、加減速を対す
る目標値応答にオーバシュートを発生することなく、且
つ、負荷外乱τL に対し速度偏差が生じない応答が得ら
れる。
【0074】以上説明した通り、イナーシャ負荷20の
動作特性を特徴づける制御パラメータであるイナーシャ
を同定のための特別なモード、即ち、ミュレーションモ
ードあるいはオートチューニングモード等を設けること
なく同定し、同定したイナーシャ(Jh )から得られる
推定速度ωh と実速度ωの差から負荷外乱τL を推定し
て推定負荷外乱フィードフォワード補償することによ
り、同定イナーシャモデル(Jh )に固定可能となった
イナーシャ負荷20に加速度フィードフォワード補償
と、目標応答の規範モデルを与えることにより、可変速
指令に対して速度応答を規範モデルの応答に一致させる
ことが可能となり、同時に定常の負荷変動も抑制可能と
なり、上位に位置制御器を有する回転走行切断機、走行
切断機、定寸送り装置、工作機械等の可変速制御装置の
位置決め精度が向上する。
【0075】図4は、本発明の速度制御装置10を、ロ
ータリーカッタ装置に適用した例を示す。
【0076】図4に示すように、軸方向周囲に刃を有す
る一対のロータリーカッタ2があり、このロータリーカ
ッタ2の主軸には減速ギヤ3が取りつけられ、ロータリ
ーカッタ2を駆動するための電動機4が結合されてい
る。この電動機には、電動機の回転速度と電動機回転
角、即ち、ロータリーカッタ2の主軸の回転角を検出す
るためのパルスジェネレータ5が備えられている。
【0077】一方、走行するシート1の移動量を検出す
るための測長ホイール7が備えられ、この測長ホイール
7の軸には、移動量を検出するためのパルスジェネレー
タ8が備えられている。このロータリーカッタ2の数値
制御装置は、位置制御装置40と、本発明に係る速度制
御装置10とを備えている。位置制御装置40は、積分
器41、位置指令発生器42、微分器43、加減算器4
4、積分器45、位置制御器(Kp )46、加算器4
7、位置指令フィードフォワード補償(α)48、加算
器49により構成されている。
【0078】シート1の走行に伴いパルスジェネレータ
8より発生するパルスを、積分器41に入力する。入力
されたパルスは、積分器41により時間積分されること
により材料移動距離Xとして出力され、位置指令発生器
42に入力される。この位置指令発生器42は、切断長
0 にしたがって作られた任意の速度指令に応じて材料
移動距離Xの関数として位置指令f(x)を与える。
【0079】一方、ロータリーカッタ2の回転に伴いパ
ルスジェネレータ5より発生するパルスからロータリー
カッタ2の移動速度VB が得られる。
【0080】位置指令発生器42の出力、即ち、位置指
令f(x)を微分器43により時間微分することにより
得られたカッタ速度指令df(x)/dtは、加減算器
44により、材料速度VL およびカッタ速度VB と加減
算され積分器45に入力され、位置偏差eが得られる。
この位置偏差eは、位置制御器46に入力され補償速度
c として出力される。
【0081】補償速度Vc には、加算器49,47によ
り、カッタ速度指令および材料速度が加えられ、速度指
令ω* が形成される。この速度指令ω* が、速度制御装
置10に与えられる。速度制御装置10により、前述し
たようにしてトルク指令信号τ* が形成され、駆動制御
回路6に供給される。
【0082】このロータリーカッタ装置によれば、本発
明の速度制御装置を用いているので、切断精度が向上す
る。
【0083】
【発明の効果】本発明の速度制御装置によれば、速度指
令信号を一次遅れ要素を持った規範速度指令とした速度
制御手段と、イナーシャ負荷から検出する速度信号をフ
ィードバックする速度制御ループとを構成し、この速度
制御ループに加速度フィードフォワード補償手段、推定
負荷外乱フィードフォワード補償手段およびイナーシャ
同定手段を付加し、制御対象の動作特性を特徴づける制
御パラメータであるイナーシャを同定のための特別なモ
ード、例えば、ミュレーションモードあるいはオートチ
ューニングモード等を設けることなく同定することによ
り、加減速レートの変速領域から定速領域に移行する際
に生ずるオーバシュートを無くし、且つ、負荷変動によ
る速度変動を抑制し、目標応答(速度応答)を規範モデ
ル応答に一致させることにより、PI速度制御により生
ずるオーバシュートが発生する問題、比例制御で外乱応
答では負荷外乱に対し速度偏差が生じる問題、また、速
度の立ち上がりにオフセットが発生するため、滑らかな
目標応答特性が得られないという問題、または、オーバ
シュートが発生するという問題等を解決し、より高精度
の速度制御をすることができるので、回転走行切断機、
走行切断機、定寸送り装置等の速度制御の精度を向上さ
せ、位置制御の送り精度、切断精度および工作機械等の
加工物の形状精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した速度制御装置を構成するブロ
ック図である。
【図2】本発明の実施例である速度制御装置を伝達関数
で表した制御ブロック図である。
【図3】本発明の速度制御装置に用いられたイナーシャ
同定手段のブロック図である。
【図4】本発明を実施したロータリーカッタ制御装置の
ブロック図である。
【図5】本発明を実施した速度制御装置によりオーバシ
ュートをなくした加減速レート図である。
【図6】従来の速度制御ブロック図である。
【図7】従来の速度制御装置を伝達関数で表した制御ブ
ロック図である。
【図8】従来の加減速レート図である。
【符号の説明】 1 走行する材料 2 ロータリーシャ 3 ギヤ 4 電動機 5 パルスジェネレータ 6 駆動制御回路 7 測長ロール 8 パルスジェネレータ 10 速度制御装置 11 規範モデル設定器(Gm (S)) 12 加速度フィードフォワード補償手段 13 減算器 14 速度制御器(Kv ) 15 加算器 16 加算器 17 減算器 18 推定負荷外乱フィードフォワード補償手段 19 イナーシャ同定手段(器) 20 イナーシャ負荷制御対象(1/Js) 21 加速度フィードフォワード補償器(Jh s) 22 イナーシャ負荷モデル(1/Jh s) 23 減算器 24 負荷外乱フィードフォワード制御器(K) 31 遅延回路(Z-1) 32 減算器 33 加速トルク推定器 34 減算器 35 同定誤差補正器 36 加算器 37 遅延回路(Z-1) 38 減算器 39 負荷トルク推定器 40 位置制御装置 41 積分器 42 位置指令発生器 43 微分器 44 加減算器 45 積分器 46 位置制御器(Kp ) 47 加算器 48 位置指令フィードフォワード補償(α) 49 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 5/00 H02P 5/00 S Fターム(参考) 5H004 GA03 GA04 GB15 HA08 HB08 JA03 JB02 JB22 KA72 KB02 KB22 KB32 KB33 KB37 KC33 KC42 KC56 5H313 AA11 AA12 AA13 BB01 BB05 CC02 DD01 GG02 GG14 HH05 KK12 MM11 MM19 MM20 MM21 MM28 5H550 AA18 EE05 FF02 FF03 FF04 GG03 JJ04 JJ24 JJ25 LL01 9A001 GG10 HH34 KK29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加減速レートを有する速度指令を用いる速
    度制御装置において、 前記速度指令を一次遅れ要素を持った規範速度指令に変
    換する規範モデル設定手段と、 前記規範速度指令により、定常の負荷変動を有する粘性
    抵抗の小さいイナーシャ負荷を制御する速度制御手段
    と、 イナーシャ負荷の速度を検出する手段と、 前記イナーシャ負荷の速度を検出する手段から速度検出
    値を求め帰還させ、前記速度検出値と前記規範速度指令
    とから速度誤差を求め制御する速度制御ループ手段と、 前記速度制御ループ手段から求めたトルク指令と前記イ
    ナーシャ負荷の速度検出値とを演算することにより同定
    したイナーシャモデル値を出力するイナーシャ同定手段
    と、 前記規範速度指令と前記同定したイナーシャモデル値と
    を乗算し微分処理して加速度フィードフォード制御量を
    求め、加速度フィードフォードを補償する手段と、 前記速度制御手段の出力である加速トルク補正値と前記
    加速度フィードフォード制御量とを加算し、加速トルク
    制御量として出力する加速トルク指令手段と、 前記加速トルク制御量を前記同定したイナーシャモデル
    値とを除算し積分処理して推定速度を求め、前記推定速
    度と前記イナーシャ負荷より検出した速度検出値との速
    度差から生じる推定負荷外乱フィードフォード制御量を
    求めて推定負荷外乱フィードフォード補償する手段とを
    備え、 制御対象の動作特性を特徴づける制御パラメータである
    イナーシャを同定のための特別モードを設けることなく
    前記加速度フィードフォードを補償する手段および前記
    推定負荷外乱フィードフォード補償する手段に与えるこ
    とにより、加減速レートの変速領域から定速領域に移行
    する際に生ずるオーバシュートを無くし、且つ、負荷変
    動による速度変動を抑制し、速度応答を目標応答である
    規範モデル応答に一致させることを特徴とする速度制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記イナーシャ同定手段は、 前記速度検出値を時間遅延を持った速度検出値に変換
    し、前記速度検出値との速度差、即ち、加速度を求める
    手段と、 前記加速度を補正前イナーシャと演算し推定加速トルク
    を求める加速トルク推定手段と、 前記加速トルク推定手段から出力した推定加速トルク
    を、前記トルク指令と演算することにより推定負荷トル
    クを求め、前記推定負荷トルクを前記トルク指令から減
    算して加速トルク指令を求め、この加速トルク指令から
    前記推定加速トルクを減算することにより同定誤差を求
    める手段と、 前記同定誤差を補正することにより補正イナーシャを出
    力し、同定したイナーシャを時間遅延を持った補正前イ
    ナーシャに変換し、前記補正イナーシャとの和を求め同
    定したイナーシャモデル値を出力する手段と、 前記同定したイナーシャモデル値を前記加速度フィード
    フォード補償手段および前記推定負荷外乱フィードフォ
    ード補償手段に、制御対象の動作特性を特徴づける制御
    パラメータであるイナーシャとして同定のための特別モ
    ードを設けることなく与える手段と、を有することを特
    徴とする請求項1記載の速度制御装置。
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