JPH0833156A - ワイヤハーネス用プロテクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で確実にワイヤハーネスを配設す
るプロテクタの出入口で特定電線を一般電線の中心に位
置させる。 【構成】 プロテクタ本体１１は、樋形状で、端部壁面
に挿通孔１１ａ，１１ｂが穿設されている。結束部材１
２は帯状で、両端部が前記プロテクタ本体１１の挿通孔
１１ｂを介して内部に挿通し、内部に配設されるワイヤ
ハーネスＷ／Ｈの周囲を保持する。また、結束部材１２
の中間部には、前記プロテクタ本体１１の挿通孔１１ａ
を介して内部に挿通し、前記ワイヤハーネスＷ／Ｈの特
定電線ＷＳを保持する保持部１３が突設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ワイヤハーネ
スを保護して車体パネル等に取り付けられるワイヤハー
ネス用プロテクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車用ワイヤハーネスは、樋
形状のプロテクタ内に配設することにより絶縁被覆の損
傷が防止されており、前記プロテクタを配設できないと
ころでは、大容量の電流が流れる特定電線を一般電線の
中心に位置させることにより、その断線等を防止するよ
うにしている。

【０００３】従来、プロテクタから延びるワイヤハーネ
スで、特定電線を一般電線の中心に位置させるために、
例えば、実開平１─１２２５７４号公報に開示のよう
に、プロテクタの出入口に形成される結束構造が提案さ
れている。

【０００４】すなわち、この結束構造は、図６に示すよ
うに、中心の環状部１から放射状に３本の突起２を延設
した略Ｙ字形の結束具を利用して、前記環状部１に特定
電線ＷＳを配設し、その周囲に一般電線Ｗを配設した
後、これらの外周をテープ３で結束してワイヤハーネス
Ｗ／Ｈを構成する場合に適用される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の結束構造では、特定電線ＷＳがプロテクタ４内でラ
ンダムに配設されているため、選別した特定電線ＷＳを
前記環状部１で位置決めすることは困難である。このた
め、特定電線ＷＳを確実に一般電線Ｗの中心に位置させ
ることができず、その周囲に位置する一般電線Ｗに混ざ
って外周部に位置し、損傷する恐れがある。

【０００６】また、前述のように、特定電線ＷＳ及び一
般電線Ｗを配設しながら、これらの外周にテープを巻き
付ける作業は、各電線Ｗ，ＷＳがばらばらであり、結束
具の全周に亘ってフリーな状態となっているため、非常
に困難であるという問題がある。

【０００７】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、簡単
な構造で確実にプロテクタの出入口でワイヤハーネスの
特定電線を一般電線の中心に位置させることができるワ
イヤハーネス用プロテクタの結束構造を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明では、樋形状の樹脂成形品から
なり、その長さ方向両端の開口を通して、多数の電線群
からなるワイヤハーネスを貫通させた状態で、車体パネ
ル等の被取付部材に取り付けられるプロテクタであっ
て、前記プロテクタの両端開口近傍の内部で、プロテク
タの断面略中央部に位置させる特定電線保持部を、プロ
テクタと一体あるいは着脱自在に取り付けると共に、前
記特定電線保持部の外周に挿入配置する一般電線を結束
するバンド部を、プロテクタと一体あるいは前記特定電
線保持部と一体に設けたものである。

【０００９】請求項２記載の発明では、前記プロテクタ
の両端開口近傍の底壁に３つの挿通孔を並列に穿設して
いる一方、両端に着脱自在に係止する係止部と被係止部
を設けた帯状のバンド部と、該バンドの中間部より突設
した前記特定電線保持部とからなる結束部材を設け、前
記結束部材のバンド部の両側を前記両側の挿通孔を通し
てプロテクタ内部に突出させると共に特定電線保持部を
中央の挿通穴を通してプロテクタ内部に突出させ、結束
部材をプロテクタに着脱自在に取り付ける構成としたも
のである。

【００１０】請求項３記載の発明では、前記プロテクタ
の両端開口の近傍の底壁内面より前記特定電線保持部を
一体に立設する一方、プロテクタの両端開口の端部より
前記バンド部を突出させて形成したものである。

【００１１】請求項４記載の発明では、前記特定電線保
持部は、プロテクタの底壁内面より突出する支持部と、
該支持部の上端に連続する環状受部とからなり、該環状
受部に挿入する特定電線がプロテクタの断面中央部に位
置するように設定したものである。

【００１２】請求項５記載の発明では、前記特定電線保
持部及び前記バンド部を、プロテクタ本体の端部から延
設した舌片に一体あるいは着脱自在に設けたものであ
る。

【００１３】

【作用】請求項１又は２記載の発明の構成によれば、プ
ロテクタ本体内に配設されるワイヤハーネスは特定電線
を束ねられ、挿通孔を介して内部に挿通した結束部材の
保持部で保持される。そして、保持された特定電線の周
囲に配設した一般電線は、他の挿通孔を介して内部に挿
通した前記結束部材の両端部を巻き付られて保持され
る。

【００１４】請求項３ないし５記載の発明の構成によれ
ば、プロテクタ本体内に配設されたワイヤハーネスの特
定電線は、底面から突設した保持部に保持され、周囲に
一般電線を配設された状態で、結束部を巻き付けられる
ことにより保持される。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。図１は、本実施例に係るワイヤハーネス用プロ
テクタの結束構造を示す斜視図であり、１１はプロテク
タ本体、１２は結束部材である。プロテクタ本体１１
は、合成樹脂材料を断面略コ字形の硬質な樋状に形成し
たものである。このプロテクタ本体１１の端部底壁には
都合３箇所に挿通孔１１ａ，１１ｂが穿設されている。
中央部の挿通孔１１ａは、下記する結束部材１２の保持
部１３を挿通させるためのものであり、その両側に位置
する挿通孔１１ｂは結束部材１２の両端部を挿通させる
ためのものである。

【００１６】結束部材１２は、合成樹脂材料を軟質な帯
状に成形したものである。この結束部材１２の一端部に
は、他端部が挿通する係止孔１２ａが形成されており、
他端側の外面には係止孔１２ａに係止する鋸歯状の係止
部１２ｂが形成されている。また、結束部材１２の中間
部には保持部１３が突設されている。この保持部１３
は、帯状部分から突出したところに形成された断面略Ｃ
字形のもので、前記プロテクタ本体１１内に配設される
ワイヤハーネスＷ／Ｈの特定電線ＷＳを、前記帯状部分
から離れた位置に保持できるようになっている。

【００１７】次に、前記各部材１１，１２によるワイヤ
ハーネスＷ／Ｈの結束方法について、図１ないし図４を
参照しつつ説明する。まず、図１に示すように、プロテ
クタ本体１１の各挿通孔１１ａ，１１ｂに、結束部材１
２の保持部１３及び両端部をそれぞれ挿通し、図２に示
すように、上方に向かって突出させる。そして、図３に
示すように、プロテクタ本体１１内に配設したワイヤハ
ーネスＷ／Ｈの特定電線ＷＳを束ね、この特定電線ＷＳ
を前記保持部１３で保持する。続いて、特定電線ＷＳが
一般電線Ｗの中心に位置するように、前記保持部１３に
保持した特定電線ＷＳの周囲に、ワイヤハーネスＷ／Ｈ
の一般電線Ｗを配設する。その後、図４に示すように、
結束部材１２の一端部を他端部に形成した係止孔１２ａ
に挿通させ、外面に形成した係止部１２ｂを係止するこ
とにより、ワイヤハーネスＷ／Ｈを保持する。なお、プ
ロテクタ本体１１の周囲には図示しないテープが巻き付
けられることによりワイヤハーネスＷ／Ｈが形成され
る。

【００１８】このように、前記結束構造によれば、プロ
テクタ本体１１の端部に形成した挿通孔１１ａから内部
に挿通した保持部１３によってワイヤハーネスＷ／Ｈの
特定電線ＷＳを保持し、その周囲に一般電線Ｗを配設し
た状態で結束するようにしたので、プロテクタ本体１１
から延びるワイヤハーネスＷ／Ｈで、特定電線ＷＳを確
実に一般電線Ｗの中心に位置させることができ、特定電
線ＷＳが外周側に位置することにより、従来のように、
車両パネル等に接触して損傷に至るといった不具合の発
生を防止することが可能となる。

【００１９】図５（ａ）ないし（ｃ）は、他の実施例に
係る結束構造を示すプロテクタ本体２１の斜視図で、こ
れらは、前記実施例の結束部材１２をプロテクタ本体１
１と一体的に設けた点が異なる。

【００２０】すなわち、図５（ａ）に示すものでは、プ
ロテクタ本体２１の端部で両側壁が取り除かれて、底壁
から上方にバンド部２２，２３がそれぞれ延設されてい
る。両バンド部２２，２３は軟質で、一方のバンド部２
２の先端には係止孔２２ａが穿設され、この係止孔２２
ａには他方のバンド部２３が挿通して、このバンド部２
３の外面に形成した鋸歯状の係止部２３ａが係止される
ようになっている。また、プロテクタ本体２１の端部近
傍の底面中央部からは、前記実施例の結束部材１２に設
けた保持部１３と同一形状の保持部２４が突設されてい
る。

【００２１】この結束構造によれば、ワイヤハーネスＷ
／Ｈを結束する部分が、予め、プロテクタ本体２１に一
体化されているため、前記実施例のように、プロテクタ
本体２１と結束部材１２の２部材を管理しておく必要が
ない上、結束作業が容易である。

【００２２】また、図５（ｂ）に示すものでは、プロテ
クタ本体２１の端部で両側壁の上半部を取り除かれ、そ
こから上方にバンド部２２，２３が延設されており、他
の部分は前記図５（ａ）に示すものと同様な構成であ
る。ただし、前記バンド部２２，２３は側壁の上縁部か
ら設けるようにしてもよい。この結束構造によれば、結
束状態で、バンド部２３をプロテクタ本体２１の側壁に
沿った状態に位置決めすることができ、バンド部２３が
突出して邪魔になることがない。

【００２３】さらに、図５（ｃ）に示すものでは、プロ
テクタ本体２１の端部で底壁の中央部を延設した部分か
らバンド部２２，２３が延設されており、他の部分は前
記図５（ａ），（ｂ）と同様な構成である。この結束構
造によれば、ワイヤハーネスＷ／Ｈを断面円形で結束す
ることができ、特定電線ＷＳの周囲に均一に一般電線Ｗ
を位置させることが可能となる。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、プロテクタ本体内に配設したワイヤハーネスの特
定電線を、挿通孔を介して挿通した結束部材の保持部に
より保持した状態で、周囲に一般電線を配設して、前記
結束部材の両端部で保持するようにしたので、中心部に
特定電線を位置決めするだけの従来の構造に比べて確実
に特定電線を一般電線の中心部に位置させることができ
る。したがって、プロテクタから延びるワイヤハーネス
では、特定電線が表面に現れることがなく、断線等の不
具合の恐れはない。

【００２５】請求項３及び４記載の発明では、バンド部
及び保持部をプロテクタ本体と一体に設けるようにした
ので、部品管理が容易となるばかりか、結束作業を容易
に行なうことが可能となる。

【００２６】請求項５記載の発明では、結束部材を取り
付けるための挿通孔を、プロテクタ本体の端部から延設
した舌片に形成するようにしたので、保持部への結束部
材の位置決め及びワイヤハーネスの保持を、プロテクタ
本体の壁面によって妨害されることなく簡単に行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施例に係る結束構造を示すプロテクタ本
体と結束部材の斜視図である。

【図２】 図１の組立状態を示す斜視図である。

【図３】 図２の結束部材の保持部に特定電線を配設し
た状態を示す斜視図である。

【図４】 図３の結束部材の特定電線の周囲に一般電線
を配設して結束した状態を示す斜視図である。

【図５】 他の実施例に係る結束構造を示すプロテクタ
本体の斜視図である。

【図６】 従来例に係る結束構造を示すワイヤハーネス
の断面図である。

【符号の説明】

１１ プロテクタ本体 １１ａ，１１ｂ 挿通孔 １２ 結束部材 １３ 保持部材 Ｗ／Ｈ ワイヤハーネス ＷＳ 特定電線 Ｗ 一般電線

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樋形状の樹脂成形品からなり、その長さ
   方向両端の開口を通して、多数の電線群からなるワイヤ
   ハーネスを貫通させた状態で、車体パネル等の被取付部
   材に取り付けられるプロテクタであって、 前記プロテクタの両端開口の近傍の内部で、プロテクタ
   の断面略中央部に位置させる特定電線保持部を、プロテ
   クタと一体あるいは着脱自在に取り付けると共に、 前記特定電線保持部の外周に挿入配置する一般電線を結
   束するバンド部を、プロテクタと一体あるいは前記特定
   電線保持部と一体に設けたことを特徴とするワイヤハー
   ネス用プロテクタ。
2. 【請求項２】 前記プロテクタの両端開口の近傍の底壁
   に３つの挿通孔を並列に穿設する一方、 両端に着脱自在に係止する係止部と被係止部を設けた帯
   状のバンド部と、該バンドの中間部より突設した前記特
   定電線保持部とからなる結束部材を設け、 前記結束部材のバンド部の両側を前記両側の挿通孔を通
   してプロテクタ内部に突出させると共に、特定電線保持
   部を中央の挿通穴を通してプロテクタ内部に突出させ、
   結束部材をプロテクタに着脱自在に取り付ける構成とし
   たことを特徴とする請求項１記載のワイヤハーネス用プ
   ロテクタ。
3. 【請求項３】 前記プロテクタの両端開口の近傍の底壁
   内面より前記特定電線保持部を一体に立設する一方、 プロテクタの両端開口の端部より前記バンド部を突出さ
   せて形成したことを特徴とする請求項１記載のワイヤハ
   ーネス用プロテクタ。
4. 【請求項４】 前記特定電線保持部は、プロテクタの底
   壁内面より突出する支持部と、該支持部の上端に連続す
   る環状受部とからなり、該環状受部に挿入する特定電線
   がプロテクタの断面中央部に位置するようにしたことを
   特徴とする請求項１、２又は３記載のワイヤハーネス用
   プロテクタ。
5. 【請求項５】 前記特定電線保持部及び前記バンド部
   を、プロテクタ本体の端部から延設した舌片に一体ある
   いは着脱自在に設けたことを特徴とする請求項１記載の
   ワイヤハーネス用プロテクタの結束構造。