JP3214396B2 - ワイヤハーネス隙間形成用スペーサ及び該スペーサを用いたグロメットの防水構造 - Google Patents

ワイヤハーネス隙間形成用スペーサ及び該スペーサを用いたグロメットの防水構造

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JP3214396B2
JP3214396B2 JP13197597A JP13197597A JP3214396B2 JP 3214396 B2 JP3214396 B2 JP 3214396B2 JP 13197597 A JP13197597 A JP 13197597A JP 13197597 A JP13197597 A JP 13197597A JP 3214396 B2 JP3214396 B2 JP 3214396B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤハーネスのグロメ
ット内に挿通する所要部分を拡径して電線間に隙間を形
成するワイヤハーネス隙間形成用スペーサ及び該スペー
サこれを用いたグロメットの防水構造に関し、詳しく
は、電線数が増大してもスペーサ径を余る拡大させるこ
となく電線間に隙間を形成することができ、しかも、太
物電線等の保護したい電線の保護を確実に行うことがで
き、また、電線の取り付け作業性を向上できるようにす
るものである。
【0002】
【従来の技術】車両用ワイヤハーネスでは、車体のパネ
ル等の貫通穴を貫通させてワイヤハーネスを配線する場
合、拡径した車体装着部と該車体装着部の縮径端に連続
させた円筒形状の電線挿通部を有するゴム製のグロメッ
トにワイヤハーネスを挿通させ、この状態でグロメット
を貫通穴に装着し、上記電線挿通部をワイヤハーネスに
密着させて防水を図っている。
【0003】しかしながら、浸水が発生しやすい箇所に
取り付けられるグロメットには、電線挿通部とワイヤハ
ーネスの電線との隙間および電線群の隙間から浸水が発
生するため、グロメットにワイヤハーネスを挿通させた
後に、グロメット内に液状硬化性のシール剤を充填し、
防水機能を高めている。
【0004】上記シール剤を充填する際、シール剤は粘
性を有するため電線群の隙間には充填されにくく、特
に、電線挿通部をワイヤハーネスに密着させているため
に、電線群が圧縮された状態で、拡径部側から注入する
シール剤が電線挿通部の先端側まで充填されにくい問題
がある。
【0005】この問題を解決するために、従来、例え
ば、図7に示す防水構造を形成したグロメット1が提供
されている。該グロメット1は、ワイヤハーネスW/H
を構成する複数の電線wを、1枚板からなるスペーサ2
の外周面に形成した複数の切り欠き凹部2aに分配して
保持し、この状態で、グロメット1にワイヤハーネスW
/Hを挿通し、スペーサ2をグロメット1の電線挿通部
1cに直交方向に配置した状態で、シール剤5を充填し
ている。
【0006】上記スペーサ2は、図8に示すように、可
撓性の絶縁性樹脂からなる円板状の一枚板の外周面に円
状に切り欠いた凹部2aをほぼ一定の間隔を開けて複数
形成したもので、該複数の凹部2aのそれぞれに電線を
保持するものである。かかるスペーサ2をワイヤハーネ
スW/Hに取り付ける作業は以下のようにして行う。
【0007】布線の終わった状態のワイヤハーネスW/
H(図9(A)の所要位置の電線群をそのほぼ真ん中よ
り2つに分け、その長さ方向に対して直交する方向より
スペーサ2を内部に入れ込み(図9(B))、この後、
電線群の電線wをスペーサ2の外周面の設けた複数の切
り欠き凹部2aに分配して挿入し、この状態で、ワイヤ
ハーネスW/Hのスペーサ2の両側外方へほぼ等距離離
れた位置に粘着テープ3を巻いて結束する(図9
(C))。なお、テープ巻きの位置は、通常、両側のテ
ープ巻き部間の間隔がグロメットの電線挿通方向の全長
よりも若干大きくなる位置にし、スペーサから両側外方
のテープ巻き部までの電線間に漸時狭くなる隙間を形成
している。
【0008】この後、上記スペーサ2を取り付け、テー
プ巻きを行ったワイヤハーネスW/Hを、図10に示す
グロメット1の縮径の円筒形状の電線挿通部1cの拡径
した車体装着部1aに連続する側に形成した大径のスペ
ーサ取り付け部1eに、スペーサ2が配置するように挿
通し、この状態で液状硬化性シール剤をスペーサ取り付
け部1e内に充填することにより、図7 に示すグロメッ
トの防水構造が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のワイヤハーネス隙間形成用スペーサ2を用いる場
合、以下に記す欠点があった。すなわち、ワイヤハーネ
スW/Hを構成する電線群の電線数が多くなるに従っ
て、電線群を構成する全ての電線間に確実に隙間を形成
するためには、円板状のスペーサ2の外周を大きくし、
外周面に設ける切り欠き凹部2aの数を増加させる必要
を生ずる。よって、ワイヤハーネスW/Hを構成する電
線群の増加に伴なってスペーサ2の径を拡大しなければ
ならず、スペーサ2の材料コストが高くなり、また、ス
ペーサ2の径の拡大によりグロメット1のスペーサ取り
付け部1eの径も拡大させることから、該スペーサ取り
付け部1eに充填するシール剤5の充填量も増加する。
よって、防水構造全体のコストが高くなる欠点がある。
【0010】また、ワイヤハーネスW/Hに電源線等の
太物電線が混在する場合、通常太物電線をワイヤハーネ
スW/Hのほぼ中心に配置し、その外周に他の細径電線
を配置して保護しているが、スペーサ2を用いた場合、
図11に示すように、他の細径電線4aと同様に、太物
電線4aを外周面の切り欠き凹部2aに挿入して保持す
るため、細径電線4aとともにワイヤハーネスW/Hの
最外側に位置することとなり、その結果、グロメットの
電線挿通部において電源線等の太物電線を保護できず、
安全性が低下する欠点がある。
【0011】また、ワイヤハーネスW/Hに電源線等の
太物電線が混在している場合、上記のように、細径電線
とともに太物電線をスペーサ2の外周面の複数の切り欠
き凹部2aに分配して保持させるが、これら太物電線と
細径電線が混在した状態での電線の分配作業はしずら
く、作業性が悪いという欠点がある。
【0012】本発明は上記欠点を解消するためになされ
たもので、グロメット内に挿通したワイヤハーネスの電
線群の内部に配設して、該電線群を拡径させて電線間に
シール剤を充填するための隙間を形成する絶縁性の可撓
性材からなるワイヤハーネス隙間形成用スペーサにおい
て、ワイヤハーネスを構成する電線群の電線数が増大し
ても、比較的に小径にしてワイヤハーネスを構成する電
線群の電線間に確実に隙間を形成することができると共
に、作業性良く電線間に隙間を形成でき、しかも、電線
群に電源線等の保護すべき電線を含む場合には、該保護
すべき電線の保護を確実に行うことができるワイヤハー
ネス隙間形成用スペーサを提供して、グロメット防水構
造のコスト低減と安全性の向上を図ることを課題とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、請求項1で、グロメット内に挿通したワ
イヤハーネスの電線群の内部に配設し、該電線群を拡径
させて電線間にシール剤を充填し易くするための隙間を
形成する絶縁性の可撓性材からなるワイヤハーネス隙間
形成用スペーサであって、 1枚板からなり、板の外周
縁面に電線を保持する複数の切り欠き凹部を設ける一
方、板の中央部に貫通穴を設け、該貫通穴の内周面と上
記いずれかの切り欠き凹部の内周面との間に切れ目を形
成し、上記切れ目を、対向する一辺と他辺が係合してロ
ックする鉤形状の切れ目とし、該切れ目より板を左右に
広げて開口させ、該開口より上記貫通穴へ電線が挿入さ
れ、挿入後は対向する上記辺が係合してロックされると
共に切り欠き凹部に収容される電線により左右へ開く動
きが規制される構成にしていることを特徴とするワイヤ
ハーネスの隙間形成用スペーサを提供している。
【0014】スペーサに形成する貫通穴及び切り欠かき
凹部の形状や大きさは特に限定されず、挿入(保持)す
る電線の数や太さに応じて、電線を容易に挿入乃至保持
できるものにすればよい。
【0015】上記構成のワイヤハーネス隙間形成用スペ
ーサにすると、ワイヤハーネスを構成する電線群をスペ
ーサ外周面の切り欠き凹部だけでなく、スペーサ中央部
の貫通穴にも分配して保持させることができるので、従
来の外周面にのみ電線保持部(切り欠き凹部)を設けて
いるスペーサよりも小径にして、電線間に隙間を形成す
ることが可能なワイヤハーネスの電線数(電線量)を従
来のスペーサのそれと同じすることができる。よって、
ワイヤハーネスを構成する電線群の電線数が増大して
も、比較的に小径にでき、スペーサの材料コストを低減
できる。また、スペーサを比較的に小径にできるので、
グロメットのスペーサ取り付け部も小径にでき、シール
剤の充填量も少なくできる。
【0016】ワイヤハーネスを構成する電線群が電源線
等の保護を行うべき太物電線を含む場合、スペーサ中央
部の貫通穴を太物電線用の挿入穴とし、ここに太物電線
を保持させるのが好ましい(請求項2)。このようにす
ると、常に、太物電線をワイヤハーネスの中央に位置さ
せ、これの周囲に残りの細径電線を配置させることがで
きるので、太物電線の保護を確実に行うことができる。
【0017】ワイヤハーネス内部へのスペーサの取り付
け作業は、例えば、布線後のワイヤハーネスを構成する
電線群の所要部分をその幅方向の中央に比較的少数本の
電線を残すように三分割した後、切れ目より左右に広げ
て貫通穴に通じる開口を形成したスペーサを、三分割し
たワイヤハーネスの内部にワイヤハーネスの長さ方向に
対する直交方向より入れ込み、比較的少数本の電線を開
口より貫通穴に挿入して開口を閉じる。そして、残り電
線をスペーサ外周面の複数の切り欠き凹部にほぼ等量づ
つ分け入れて保持した後、スペーサの両側外方でワイヤ
ハーネスの所要位置にテープを巻き付ける。なお、ワイ
ヤハーネスを構成する電線群が電源線等の保護を行うべ
き太物電線を含む場合、布線後のワイヤハーネスを三分
割する際に、中央に残す比較的少数本の電線を太物電線
とする。
【0018】かかるスペーサの取り付け作業では、スペ
ーサ中央部の貫通穴に比較的少数本の電線を挿入するこ
とにより、作業者がスペーサを手で持つことなくワイヤ
ハーネスの内部にスペーサが保持された状態になる。よ
って、作業者はスペーサを手で持つ必要なく両手を使っ
て残りの電線をスペーサ外周面の切り欠き凹部に分け入
れることができるので、ワイヤハーネスのスペーサへの
分配保持作業を作業性良く行うことができる。
【0019】また、スペーサの切れ目は、対向する一辺
と他辺とが係合してロックする鉤形状の切れ目としてい
るため、切れ目を開いて貫通穴へ電線を挿入後、切れ目
を閉じ、残りの電線をスペーサ外周縁部の複数の切り欠
き凹部を分け入れる際、スペーサが切れ目から変形して
しまうのを防止することができる。また、テープ巻き
後、グロメット内にワイヤハーネスを挿通する際のスペ
ーサの変形も抑制することができる。
【0020】また、貫通穴の内周面と板の外週面との間
に形成する切れ目は、貫通穴の内周面と複数の切り欠き
凹部のいずれかの内周面との間に形成するため、切り欠
き凹部に電線を保持すると切れ目よりスぺーサが開こう
とする動きが規制され、グロメット内にワイヤハーネス
を挿通する際のスペーサの変形がより起こりにくくな
る。
【0021】また、スペーサ中央部の貫通穴の内周面に
は切れ目以外の切り欠き部を設けておくのが好ましい。
このようにすると、切れ目よりスペーサを左右に広げる
場合に、スペーサが変形し易くなり、作業性が向上し、
また、スペーサに亀裂等が生じるのを防止することがで
きる。
【0022】上記貫通穴の内周面の切り欠き部はスペー
サ外周縁面の切り欠き凹部と対向する位置に形成するの
が好ましい。また、貫通穴の内周面の複数箇所に形成す
るのが好ましい。このようにすると、スペーサがより変
形し易くなって、大きな開口を簡単に形成することがで
き、よって、貫通穴への電線の挿入作業がし易くなる。
【0023】また、本発明は、請求項4で、上記ワイヤ
ハーネス隙間形成用スペーサを用いたグロメットの防水
構造を提供している。すなわち、上記ワイヤハーネス隙
間形成用スペーサを上記切れ目により板を左右に広げて
開口を形成した状態にして、ワイヤハーネスとして結束
した電線群の所用位置にて電線群の長さ方向と直交する
方向から電線群の内部に押し入れ、上記開口より電線群
の一部の電線をスペーサ中央部の貫通穴へ挿入して上記
開口を閉じ、残りの電線をスペーサ外周縁面の複数の切
り欠き部に分配して保持させる一方、スペーサの両側外
方でワイヤハーネスにテープ巻きをして、スペーサから
両側外方のテープ巻き部までの電線間に漸時狭くなる隙
間を形成したワイヤハーネスを、グロメットの筒状の電
線挿通部に挿入し、該挿入した状態で電線間及び電線と
電線挿通部内周面との間の隙間に液状硬化性のシール剤
を充填してなるグロメットの防水構造を提供している。
【0024】上記構成からなるグロメットの防水構造に
よると、ワイヤハーネスを構成する電線群の電線数が多
い場合にも、比較的小径のスペーサにより電線群を拡径
して電線間に隙間を形成したワイヤハーネスを、グロメ
ットの比較的小径にしたスペーサ取り付け部の内面にス
ペーサが配置するようにグロメットの電線挿通部にワイ
ヤハーネスを挿通させることができ、この状態で、グロ
メットの電線挿通部に液状硬化性のシール剤を充填する
ことにより、電線間、及び電線と電線挿通部の内面との
間に液状硬化性のシール剤を確実に充填することができ
る。よって、スペーサ及びグロメットのスペーサ取り付
け部の径を比較的小さくでき、シール剤の使用量を少な
くできるので、防水構造部のコストを低減することがで
きる。
【0025】また、ワイヤハーネスを構成する電線群が
電源線等の保護を行うべき太物電線を含む場合、スペー
サ中央部の貫通穴に太物電線を挿入し、スペーサ外周縁
部に残りの細径電線を保持した状態にしてグロメットの
防水構造を形成できるので、太物電線の保護を確実に行
うことができ、安全性が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施例
を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形
態のワイヤハーネス隙間形成用スペーサを示し、該スペ
ーサ20はABS(アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレンポリマー)、PP(ポリプロピレン)、または、
ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン(商品名))等の
可撓性を有する絶縁性樹脂の1枚板からなり、板の外周
面に円弧状に切り欠いた複数の切り欠かき凹部20aを
有する一方、板の中央部に丸穴の貫通穴20bを有し、
該貫通穴20bの内周面と複数の切り欠き凹部20aの
うちの所定の切り欠き凹部の内周面との間にZ字状の切
れ目20cを形成し、該切れ目20cの対向面が互い引
っ掛かり合ってロックできるようになっている。
【0027】このワイヤハーネス隙間形成用スペーサ2
0のワイヤハーネスW/Hへの取り付けは、以下のよう
にして行う。
【0028】ほぼ同一太さの複数の細径電線を布線して
作成したワイヤハーネスW/H(図2(A))の所要部
分を、図2(B)に示すように、その幅方向の中央に比
較的少数本の電線30aを残すように三分割し、次に、
切れ目20cより左右に広げて貫通穴20bに通じる開
口20dを形成したスペーサを図2(C)に示すよう
に、三分割したワイヤハーネスW/Hの内部にワイヤハ
ーネスの長さ方向に対する直交方向から入れ込み、比較
的少数本の電線30aを開口20dより貫通穴20bに
挿入して開口を閉じ、切れ目20cをロックする。次
に、ワイヤハーネスW/Hの残り電線30bをスペーサ
外周面の複数の切り欠き凹部20aにほぼ等量づつ分け
入れて保持した後、図2(D)に示すように、スペーサ
20の両側外方でワイヤハーネスW/Hの所要位置に粘
着テープT1、T2を巻き付ける。このようにスペーサ
20を取り付けたワイヤハーネスW/Hにはスペーサ2
0から両側外方のテープ巻き部31a、31bまでの電
線間に漸時狭くなる隙間が形成される。
【0029】図3、4はグロメットと該グロメットに上
記スペーサ20を用いて形成したグロメットの防水構造
を示している。グロメット10はゴム製で、車体パネル
の貫通穴に係合する係止溝10a を備えた拡径した車体
装着部10b と、該車体装着部10b の縮径端と連続し
円筒形状の電線挿通部10c とを備えている。電線挿通
部10c には、車体装着部10b との連結側に大径とし
たスペーサ取付部10e を設けている。車体装着部10
b より、上記スペーサ20を取り付けて電線間に隙間を
形成したワイヤハーネスW/Hを挿入し、スペーサ取付
部10e の内面にスペーサ20を圧接させ、電線挿通部
10c 側よりワイヤハーネスW/Hを引き出し、この状
態で液状硬化性のシール剤15をスペーサ取付部10e
から電線挿通部10c にかけて充填している。なお、ス
ペーサ20はその外径がスペーサ取付部10e の内径よ
り若干大きくなっている。
【0030】ワイヤハーネスW/Hの挿入時、まず、グ
ロメット10の電線挿通部10c をグロメット拡げ機(
図示せず) により拡径してワイヤハーネスW/Hを挿通
する。粘着テープT1、T2は、グロメット10へのワ
イヤハーネスW/Hの挿通した時に電線挿通部10c の
先端に沿った外側位置と、車体装着部10b の係止溝1
0aの外側位置となる箇所に予め巻き付けおり、よっ
て、ワイヤハーネスW/Hの挿通時、粘着テープT1、
T2を目印として、グロメット10をワイヤハーネスW
/Hに対して所要位置に容易に位置決めできる。つい
で、グロメット拡げ機をグロメット10より外して、該
グロメット10の車体装着部10b を上向きに配置し
て、該車体装着部10b の開口より電線挿通部10c 内
に液状硬化性のシール剤15を注入する。該シール剤1
5としては粘性が低く、流動性の良いものを用いてい
る。
【0031】上記ではスペーサ20によりほぼ同一太さ
の細径電線からなるワイヤハーネスW/Hを挿通した場
合のグロメットの防水構造について説明したが、電源線
等の太物電線と細径電線が混在するワイヤハーネスW/
Hに対してはスペーサ20を以下のようにして使用して
防水構造を作製する。
【0032】先ず、図5(A)に示すように、ワイヤハ
ーネスW/H(図5(A))の所要部分をその幅方向の
中央に太物電線40aを残し、他の細径電線が外側に位
置するように三分割する。次に、図5(B)に示すよう
に、スペーサ20を切れ目20cより左右に広げて貫通
穴20bに通じる開口20dを形成し、この状態で、ス
ペーサ20を、上記三分割したワイヤハーネスW/Hの
内部にワイヤハーネスの長さ方向に対する直交方向から
入れ込み、図5(C)に示すように、太物電線40aを
開口20dより貫通穴20bに挿入して開口を閉じ、切
れ目20cをロックする。次に、残りの細径電線40b
をスペーサ外周縁面の複数の切り欠き凹部20aにほぼ
等量づつ分け入れて保持した後、図5(D)に示すよう
に、スペーサ20の両側外方でワイヤハーネスW/Hの
所要位置に粘着テープT1、T2を巻き付けて、ワイヤ
ハーネスW/Hへのスペーサ20の取り付けを完了す
る。
【0033】これ以降のワイヤハーネスW/Hのスペー
サ20取り付け部分へのグロメットの外装およびシール
剤15による防水処理作業は上記と同じであるので、こ
こでは詳しい説明を省略する。
【0034】以上のようにしてグロメットの防水構造を
作製した場合、グロメット防水部において、常に、太物
電線40aがワイヤハーネスの幅方向の中央に位置し、
これの周囲に残りの細径電線40bが配置されるので、
グロメット防水部における太物電線の保護を確実に行う
ことができる。
【0035】図6は本発明の第2実施形態のワイヤハー
ネス隙間形成用スペーサを示し、該スペーサ20Aは、
貫通穴20aの内周面の切れ目20cの形成位置以外の
他の位置に切り欠き部20dを設けている点が上記第1
実施形態のスペーサ20と異なる。
【0036】このようなスペーサ20Aでは、切れ目2
0cよりスペーサを左右に広げる場合に、スペーサが切
り欠き部20dにより屈曲して、大きな開口を広げ易
く、貫通穴20aへの電線の挿通作業の作業性を向上す
ることができる。また、切り欠き部20dでの屈曲によ
り大きな開口を開けることができるので、大きな開口を
開けてもスペーサに亀裂等が生じるのを防止することが
できる。
【0037】なお、ここでは、切り欠き部20dを貫通
穴20aの内周面の複数の箇所に設けると共に、該複数
箇所を外周面の切り欠き凹部20aと対向する位置にし
てスペーサが複数の切り欠き部20dでより容易に屈曲
し、大きな開口がより簡単に形成できるようにしてい
る。
【0038】また、切り欠き部20dの形状を、貫通穴
20bの内周面より直交する方向に切り欠いた直線状の
切り欠き部20d−1の先端に円形状の切り欠き部20
d−2を連続させた形状にして、折れ曲がり時に切り欠
き部の底面に亀裂が入りにくくしてあるが、切り欠き部
20dの形状は必ずしもこれに限定されるものではな
く、亀裂を防止できるのであれば他の形状であってもよ
い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、グロメ
ット内に挿通したワイヤハーネスの電線群の内部に配設
して、電線群を拡径させて電線間に隙間を形成するワイ
ヤハーネス隙間形成用スペーサを、板の外周面の切り欠
き凹部に電線を保持するだけでなく、板の中央部の貫通
穴に電線を挿入して保持できる構成にしたので、ワイヤ
ハーネスを構成する電線群の電線数が増大しても、比較
的に小径にすることができる。従って、スペーサの材料
コストを低減でき、しかも、スペーサを比較的に小径に
できるので、グロメットのスペーサ取り付け部も小径に
でき、シール剤の充填量も少なくできる。よって、本発
明のワイヤハーネス隙間形成用スペーサを用いることに
より、グロメットの防水構造に要するコストを従来に比
して大幅に削減することができる。
【0040】また、ワイヤハーネスを構成する電線群が
電源線等の保護を行うべき太物電線を含む場合、スペー
サ中央部の貫通穴に太物電線を挿入することにより、常
に、太物電線をワイヤハーネスの中央に位置させ、これ
の周囲に残りの細径電線を配置させることができるの
で、太物電線の保護を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のワイヤハーネス隙間
形成用スペーサを示し、( A) は斜視図、( B) は正面
図である。
【図2】 ( A)(B)(C) (D)は図1のワイヤハーネ
ス隙間形成用スペーサをワイヤハーネスW/Hへ取り付
ける作業工程を示す工程別の斜視図である。
【図3】 図2のワイヤハーネス隙間形成用スペーサを
取り付けたワイヤハーネスW/Hを挿通するグロメット
を示し、( A) は斜視図、( B) は断面図である。
【図4】 図2のワイヤハーネス隙間形成用スペーサを
用いて作製したグロメットの防水構造の断面図である。
【図5】 ( A)(B)(C) (D)は図1のワイヤハーネ
ス隙間形成用スペーサを太物電線を含むワイヤハーネス
W/Hへ取り付ける作業工程を示す工程別の斜視図であ
る。
【図6】 本発明の第2実施形態のワイヤハーネス隙間
形成用スペーサを示し、( A) は正面図、( B) は要部
拡大図である。
【図7】 従来のグロメットの防水構造を示す断面図で
ある。
【図8】 従来のワイヤハーネス隙間形成用スペーサを
示し、( A) は斜視図、( B) は正面図である。
【図9】 ( A)(B)(C) は図8のワイヤハーネス隙間
形成用スペーサをワイヤハーネスW/Hへ取り付ける作
業工程を示す工程別の斜視図である。
【図10】 図7のグロメットの防水構造に用いたグロ
メットを示し、( A) は斜視図、( B) は断面図であ
る。
【図11】 従来の問題点を示す図面である。
【符号の説明】
100 グロメット 10c 電線挿通部 10e スペーサ取付部 20 スペーサ 20a 切り欠き凹部 20b 貫通穴 20c 切れ目12c 電線保持板部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−74646(JP,A) 特開 平6−38339(JP,A) 実開 昭57−19830(JP,U) 実公 昭44−25841(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/22 F16L 5/02 F16L 7/00 H02G 3/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グロメット内に挿通したワイヤハーネス
    の電線群の内部に配設し、該電線群を拡径させて電線間
    にシール剤を充填し易くするための隙間を形成する絶縁
    性の可撓性材からなるワイヤハーネス隙間形成用スペー
    サであって、 1枚板からなり、板の外周縁面に電線を保持する複数の
    切り欠き凹部を設ける一方、板の中央部に貫通穴を設
    け、該貫通穴の内周面と上記いずれかの切り欠き凹部の
    内周面との間に切れ目を形成し、 上記切れ目を、対向する一辺と他辺が係合してロックす
    る鉤形状の切れ目とし、 該切れ目より板を左右に広げて開口させ、該開口より上
    記貫通穴へ電線が挿入され、挿入後は対向する上記辺が
    係合してロックされると共に切り欠き凹部に収容される
    電線により左右へ開く動きが規制される 構成にしている
    ことを特徴とするワイヤハーネスの隙間形成用スペー
    サ。
  2. 【請求項2】 上記貫通穴が電源線等の太物電線を挿入
    するためのものである請求項1に記載のワイヤハーネス
    の隙間形成用スペーサ。
  3. 【請求項3】 上記貫通穴の内周面の上記切れ目の形成
    位置以外の他の位置に切り欠き部を設けた構成としてい
    る請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの隙
    間形成用スペーサ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の一枚板からなるワイヤハーネス隙間形成用スペー
    サを上記切れ目により板を左右に広げて開口を形成した
    状態にして、ワイヤハーネスとして結束した電線群の所
    用位置にて電線群の長さ方向と直交する方向から電線群
    の内部に押し入れ、上記開口より電線群の一部の電線を
    スペーサ中央部の貫通穴へ挿入して上記開口を閉じ、残
    りの電線をスペーサ外周面の複数の切り欠き部に分配し
    て保持させる一方、スペーサの両側外方でワイヤハーネ
    スにテープ巻きをして、スペーサから両側外方のテープ
    巻き部までの電線間に漸時狭くなる隙間を形成したワイ
    ヤハーネスを、グロメットの筒状の電線挿通部に挿入
    し、該挿入した状態で電線間及び電線と電線挿通部内周
    面との間の隙間に液状硬化性のシール剤を充填してなる
    ことを特徴とするグロメットの防水構造。
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